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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047579
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】シートベルト用リトラクタ
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/46 20060101AFI20230330BHJP
【FI】
B60R22/46 142
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156557
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 太郎
(72)【発明者】
【氏名】角中 智
(72)【発明者】
【氏名】井尻 昂辰
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018MA02
(57)【要約】
【課題】係合歯が移動部材に食い込む際の抵抗を低減しつつ移動部材の長さ方向での剛性を確保することができるシートベルト用リトラクタを提供する。
【解決手段】シートベルト用リトラクタは、巻取ドラムとプリテンショナとを含む。プリテンショナは、巻取ドラムと共に回転する、周方向に配列された径方向外向きに尖る複数の係合歯71を有する駆動輪7と、通常時は駆動輪7と非係合状態であり、緊急時に駆動輪7に向かって移動して係合歯72のうちの少なくとも1つに係合することで、駆動輪7をウエビングの巻取方向に回転させる棒状の移動部材と、を有する。前記移動部材は係合歯71の食い込みによって塑性変形する。各係合歯71は、駆動輪7の回転軸に沿う方向を幅方向とするギヤ歯状の形状を有し、各係合歯71の歯先72には、当該歯先72の両端部よりも内側に、駆動輪71の径方向内向きに窪む少なくとも1つの凹部73が形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエビングを巻き取る、ウエビングの巻取方向と引出方向に回転可能な巻取ドラムと、
車両の緊急時に前記巻取ドラムを前記巻取方向に回転させるプリテンショナであって、
前記巻取ドラムと共に回転する、周方向に配列された径方向外向きに尖る複数の係合歯を有する駆動輪と、
通常時は前記駆動輪と非係合状態であり、緊急時に前記駆動輪に向かって移動して前記複数の係合歯のうちの少なくとも1つに係合することで、前記駆動輪を前記ウエビングの巻取方向に回転させる棒状の移動部材と、を有するプリテンショナと、を備え、
前記移動部材は前記複数の係合歯のうちの少なくとも1つに係合したときにその係合歯の食い込みによって塑性変形し、
前記複数の係合歯のそれぞれは、前記駆動輪の回転軸に沿う方向を幅方向とするギヤ歯状の形状を有し、
前記複数の係合歯のそれぞれの歯先には、当該歯先の両端部よりも内側に、前記駆動輪の径方向内向きに窪む少なくとも1つの凹部が形成されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
【請求項2】
前記複数の係合歯の全てにおいて、前記少なくとも1つの凹部が同一円周上に位置する、請求項1に記載のシートベルト用リトラクタ。
【請求項3】
前記複数の係合歯のそれぞれの歯先に形成された少なくとも1つの凹部は、当該係合歯の幅方向に並ぶ複数の凹部を含む、請求項1または2に記載のシートベルト用リトラクタ。
【請求項4】
前記移動部材は、前記駆動輪の回転軸に沿う方向である幅方向の中央が前記係合歯に向かって盛り上がる断面形状を有し、
前記複数の係合歯のそれぞれの歯先に形成される少なくとも1つの凹部は、前記歯先の中央に位置しており、当該凹部の幅は底に向かって狭くなる、請求項1または2に記載のシートベルト用リトラクタ。
【請求項5】
前記移動部材は、前記係合歯が当該移動部材に食い込む際に反力面に押し付けられ、
前記駆動輪の径方向において、前記反力面から前記凹部の底までの最小距離は、前記移動部材の厚さよりも大きい、請求項1~4の何れか一項に記載のシートベルト用リトラクタ。
【請求項6】
前記複数の係合歯のうちの少なくとも1つの係合歯に形成される前記少なくとも1つの凹部は、別の係合歯に形成される前記少なくとも1つの凹部と異なる形状を有する、請求項1~5の何れか一項に記載のシートベルト用リトラクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、シートベルトとしてのウエビングの引き出しおよび巻き取りを行うシートベルト用リトラクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両衝突時などの緊急時にウエビングの引き出しを阻止するシートベルト用リトラクタが知られている。シートベルト用リトラクタの中には、緊急時にウエビングの弛みを除去するためのプリテンショナを備えるものもある。
【0003】
プリテンショナとしては種々の構造のものがあるが、近年では、棒状の移動部材およびこの移動部材によって駆動される駆動輪を用いたプリテンショナが提案されている。例えば、特許文献1には、図12に示すようなシートベルト用リトラクタ(特許文献1では「ウェビング巻取装置」と称呼)100が開示されている。
【0004】
具体的に、シートベルト用リトラクタ100は、ウエビングの巻取方向と引出方向に回転可能な巻取ドラム(特許文献1では「スプール」と称呼)110と、車両の緊急時に巻取ドラム110を巻取方向に回転させるプリテンショナ120を含む。
【0005】
プリテンショナ120は、巻取ドラム110と共に回転する駆動輪(特許文献1では「回転体」と称呼)130と、通常時は駆動輪130と非係合状態の棒状(図12はその断面形状を示す)の移動部材140を含む。駆動輪130は、周方向に配列された径方向外向きに尖る複数の係合歯131を有する。各係合歯131は、駆動輪130の回転軸に沿う方向を幅方向とするギヤ歯状の形状を有する。
【0006】
移動部材140は、図略のパイプ内に配置されており、車両の緊急時にガスジェネレータから供給されるガスの圧力によってパイプ内から駆動輪130に向かって移動して係合歯131のうちの少なくとも1つに係合する。これにより駆動輪130および巻取ドラム110がウエビングの巻取方向に回転する。
【0007】
移動部材140は、係合歯131よりも軟質の材料で構成されており、係合歯131のうちの少なくとも1つに係合したときにその係合歯131の食い込みによって塑性変形する。特許文献1のシートベルト用リトラクタ100では、係合歯131が移動部材140に食い込む際の抵抗を小さくするために、各係合歯131が、当該係合歯131の厚さが両端から中央に向かうにつれて小さくなる形状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6620069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1のシートベルト用リトラクタ100では、駆動輪130の各係合歯131の歯先が、駆動輪130の回転軸と平行な直線状であるので、係合歯131が移動部材140に食い込んで移動部材140が塑性変形すると、移動部材140の長さ方向での剛性(すなわち、圧縮剛性)が低下し、その分移動部材の運動エネルギーが駆動輪へ伝達される効率が低下する。
【0010】
そこで、本発明は、係合歯が移動部材に食い込む際の抵抗を低減しつつ移動部材の長さ方向での剛性を確保することができるシートベルト用リトラクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明は、ウエビングを巻き取る、ウエビングの巻取方向と引出方向に回転可能な巻取ドラムと、車両の緊急時に前記巻取ドラムを前記巻取方向に回転させるプリテンショナであって、前記巻取ドラムと共に回転する、周方向に配列された径方向外向きに尖る複数の係合歯を有する駆動輪と、通常時は前記駆動輪と非係合状態であり、緊急時に前記駆動輪に向かって移動して前記複数の係合歯のうちの少なくとも1つに係合することで、前記駆動輪を前記ウエビングの巻取方向に回転させる棒状の移動部材と、を有するプリテンショナと、を備え、前記移動部材は前記複数の係合歯のうちの少なくとも1つに係合したときにその係合歯の食い込みによって塑性変形し、前記複数の係合歯のそれぞれは、前記駆動輪の回転軸に沿う方向を幅方向とするギヤ歯状の形状を有し、前記複数の係合歯のそれぞれの歯先には、当該歯先の両端部よりも内側に、前記駆動輪の径方向内向きに窪む少なくとも1つの凹部が形成されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタを提供する。
【0012】
上記の構成によれば、各係合歯の歯先に凹部が形成されているので、係合歯が移動部材に食い込む際の抵抗を低減することができる。しかも、凹部に対応する位置では移動部材の塑性変形が抑制されるので、移動部材の長さ方向での剛性を確保することができる。従って、移動部材の運動エネルギーが駆動輪へ伝達される効率を従来よりも向上させることができる。
【0013】
前記複数の係合歯の全てにおいて、前記少なくとも1つの凹部が同一円周上に位置してもよい。この構成によれば、上述した移動部材の長さ方向での剛性が確保される部分を移動部材の長さ方向に連続させることができる。従って、例えば係合歯の幅方向における凹部の位置が隣り合う係合歯でずれている場合に比べて、移動部材の運動エネルギーが駆動輪へ伝達される効率が高くなる。
【0014】
前記複数の係合歯のそれぞれの歯先に形成された少なくとも1つの凹部は、当該係合歯の幅方向に並ぶ複数の凹部を含んでもよい。この構成によれば、係合歯が移動部材に食い込む際の抵抗と、係合歯が移動部材に食い込む範囲を調整し易い。
【0015】
前記移動部材は、前記駆動輪の回転軸に沿う方向である幅方向の中央が前記係合歯に向かって盛り上がる断面形状を有し、前記複数の係合歯のそれぞれの歯先に形成される少なくとも1つの凹部は、前記歯先の中央に位置しており、当該凹部の幅は底に向かって狭くなってもよい。この構成によれば、係合歯が移動部材に食い込む量を、係合歯の幅方向で均一化し易い。
【0016】
前記移動部材は、前記係合歯が当該移動部材に食い込む際に反力面に押し付けられ、前記駆動輪の径方向において、前記反力面から前記凹部の底までの最小距離は、前記移動部材の厚さよりも大きくてもよい。この構成によれば、凹部内では係合歯が移動部材に食い込まないようにすることができる。
【0017】
前記複数の係合歯のうちの少なくとも1つの係合歯に形成される前記少なくとも1つの凹部は、別の係合歯に形成される前記少なくとも1つの凹部と異なる形状を有してもよい。この構成によれば、係合歯が移動部材に係合する際の抵抗と、係合歯が移動部材に食い込む範囲を調整し易い。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、係合歯が移動部材に食い込む際の抵抗を低減しつつ移動部材の長さ方向での剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態に係るシートベルト用リトラクタの斜視図である。
図2】(a)および(b)は図1のII-II線に沿った断面図であり、(a)は通常時を示し、(b)は緊急時を示す。
図3】前記一実施形態で用いられる駆動輪の斜視図である。
図4図2のIV-IV線に沿った断面図である。
図5】第1変形例の駆動輪の斜視図である。
図6】第1変形例の駆動輪を用いたときのシートベルト用リトラクタの一部の断面図である。
図7】第2変形例の駆動輪および変形例の移動部材を用いたときのシートベルト用リトラクタの一部の断面図である。
図8】第3変形例の駆動輪および変形例の移動部材を用いたときのシートベルト用リトラクタの一部の断面図である。
図9】第4変形例の駆動輪の斜視図である。
図10】第4変形例の駆動輪を用いたときのシートベルト用リトラクタの一部の断面図である。
図11】第5変形例の駆動輪の斜視図である。
図12】従来のシートベルト用リトラクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に、本発明の一実施形態に係るシートベルト用リトラクタ1を示す。図2(a)および(b)は図1のII-II線に沿った断面図であり、(a)は通常時を示し、(b)は緊急時を示す。
【0021】
シートベルト用リトラクタ1は、ハウジング2、巻取ドラム3およびプリテンショナ4を含む。ハウジング2は板金製であり、互いに対向する一対の側壁を含む。これらの側壁には、巻取ドラム3が挿通される開口がそれぞれ設けられている。巻取ドラム3は、ウエビング10を巻き取るものであり、ウエビング10の巻取方向と引出方向に回転可能である。
【0022】
プリテンショナ4は、車両の緊急時に巻取ドラム3を巻取方向に回転させる。具体的に、プリテンショナ4は、巻取ドラム3と共に回転する駆動輪7と、緊急時に駆動輪7を駆動する棒状の移動部材8と、移動部材8が内部に配置されたパイプ6と、駆動輪7およびパイプ6の一部を覆うカバー5を含む。
【0023】
駆動輪7は、図3に示すように、周方向に配列された径方向外向きに尖る複数の係合歯71を有する。各係合歯71は、駆動輪7の回転軸に沿う方向を幅方向とするギヤ歯状の形状を有する。
【0024】
各係合歯71の歯先72には、当該歯先の両端部よりも内側に、駆動輪7の径方向内向きに窪む少なくとも1つの凹部73が形成されている。本実施形態では、各係合歯71の歯先72に、当該係合歯71の幅方向に並ぶ3つの凹部73が形成されている。各凹部73は、断面V字状の溝である。なお、各係合歯71の歯先72に形成される凹部73の数は1つであってもよいし、2つまたは4つ以上であってもよい。
【0025】
本実施形態では、全ての係合歯71において、凹部63が同一円周上に位置する。換言すれば、係合歯71の幅方向における凹部63の位置は全ての係合歯71で同じである。
【0026】
移動部材8は、通常時は図2(a)に示すようにパイプ6内に収容され、駆動輪7と非係合状態である。車両の衝突時などの緊急時、移動部材8は、ガスジェネレータから供給されるガスの圧力によってパイプ6内から駆動輪7に向かって移動して係合歯71のうちの少なくとも1つに係合する。これにより駆動輪7および巻取ドラム3がウエビングの巻取方向に回転する。
【0027】
移動部材8は、係合歯71よりも軟質の材料で構成されており、係合歯71のうちの少なくとも1つに係合したときにその係合歯71の食い込みによって塑性変形する。係合歯71が移動部材8に食い込む際には移動部材8が反力面9に押し付けられる。本実施形態では、反力面9が、パイプ6の一部を延長した部分によって構成される。図例では反力面9が平面であるが、反力面9は移動部材8の断面形状と同様な曲面であってもよい。
【0028】
移動部材8は、駆動輪7の回転軸に沿う方向を幅方向、駆動輪7の径方向を厚さ方向とする。本実施形態では、図4に示すように、移動部材8の断面形状が円形状である。このため、移動部材8の幅と厚さは同じである。ただし、移動部材8の断面形状は、必ずしも円形状である必要はなく、別の形状であってもよい。
【0029】
上述した係合歯71の高さ(係合歯71同士の間の谷底を通る基準円から歯先72までの、駆動輪7の径方向における距離)は、移動部材8の厚さよりも小さいことが望ましい。
【0030】
以上説明したように、本実施形態のシートベルト用リトラクタ1では、駆動輪7の各係合歯71の歯先72に凹部73が形成されているので、係合歯71が移動部材8に食い込む際の抵抗を低減することができる。しかも、凹部73に対応する位置では移動部材の8塑性変形が抑制されるので、移動部材8の長さ方向での剛性を確保することができる。従って、移動部材8の運動エネルギーが駆動輪7へ伝達される効率を従来よりも向上させることができる。
【0031】
また、本実施形態では、全ての係合歯71において凹部73が同一円周上に位置するので、上述した移動部材8の長さ方向での剛性が確保される部分を移動部材8の長さ方向に連続させることができる。従って、例えば係合歯71の幅方向における凹部73の位置が隣り合う係合歯71でずれている場合に比べて、移動部材8の運動エネルギーが駆動輪7へ伝達される効率が高くなる。
【0032】
さらに、本実施形態のように各係合歯71の歯先72に複数の凹部が形成されていれば、係合歯71が移動部材8に食い込む際の抵抗と、係合歯71が移動部材8に食い込む範囲(食い込み深さ)を調整し易い。
【0033】
(変形例)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0034】
例えば、図5および図6に示す第1変形例の駆動輪7Aのように、駆動輪7Aの各係合歯71の歯先72に、当該歯先72の中央に位置するように1つの凹部73が形成されてもよい。図5および図6では、凹部73が円弧状に窪んでおり、凹部73の幅が底に向かって狭くなっている。
【0035】
前記実施形態で説明したように移動部材8の断面形状が円形状であるということは、移動部材8が幅方向の中央が係合歯71に向かって盛り上がる断面形状を有すると言い換えることができる。
【0036】
そして、移動部材8が幅方向の中央が係合歯71に向かって盛り上がる断面形状を有し、歯先72の中央に位置する凹部73が当該凹部73の幅が底に向かって狭くなっていれば、係合歯71が移動部材8に食い込む量を、係合歯71の幅方向で均一化し易い。
【0037】
この効果は、図7に示す第2変形例の駆動輪7Bのように、凹部73がV字状に窪む場合(この場合も歯先72の中央に位置する凹部73が当該凹部73の幅が底に向かって狭くなる)でも、図7に示すように移動部材8の断面形状が反力面9側では長方形状で係合歯71側では半円状である場合(この場合も移動部材8が幅方向の中央が係合歯71に向かって盛り上がる断面形状を有する)でも同様に得ることができる。
【0038】
また、図8に示す第3変形例の駆動輪7Cのように、係合歯71のうちの少なくとも1つの係合歯71に形成される凹部73は、別の係合歯71に形成される図8中に二点鎖線で示す凹部73と異なる形状を有してもよい。この構成によれば、係合歯71が移動部材8に係合する際の抵抗と、係合歯71が移動部材8に食い込む範囲(食い込み深さ)を調整し易い。
【0039】
さらに、図9および図10に示す第4変形例の駆動輪7Dのように、駆動輪7Dの径方向において、反力面9から凹部73の底までの最小距離(換言すれば、歯先72が反力面9に最も近づいたときの距離)が移動部材8の厚さよりも大きくてもよい。この構成によれば、凹部73内では係合歯71が移動部材8に食い込まないようにすることができる。
【0040】
なお、凹部73の深さを深くする場合、図11に示す第5変形例の駆動輪7Eのように、全ての係合歯71を横断する、周方向に連続するスリット74の一部が各係合歯71の凹部73を構成してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 シートベルト用リトラクタ
10 ウエビング
3 巻取ドラム
4 プリテンショナ
7 駆動輪
71 係合歯
72 歯先
73 凹部
74 スリット
8 移動部材
9 反力面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12