(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047586
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】情報出力システム、及び、情報出力方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20230330BHJP
G16H 50/30 20180101ALI20230330BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156569
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】六車 充
(72)【発明者】
【氏名】橋本 尚典
(72)【発明者】
【氏名】藤原 洋子
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC28
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】集合施設の利用状態を把握するための情報を出力することができる情報出力システムを提供する。
【解決手段】情報出力システム10は、集合住宅100に含まれる複数の専有部102、及び、複数の専有部102の居住者の少なくとも一方に関する施設関連情報を取得する取得部84と、取得された施設関連情報に基づいて、複数の専有部102及び複数の居住者が特定されない状態で、複数の専有部102及び複数の居住者の少なくとも一方の集合としての状態を示す集合状態情報を出力する第1出力部85とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合施設に含まれる複数の施設、及び、前記複数の施設の利用者の少なくとも一方に関する施設関連情報を取得する取得部と、
取得された前記施設関連情報に基づいて、前記複数の施設及び複数の前記利用者が特定されない状態で、前記複数の施設及び複数の前記利用者の少なくとも一方の集合としての状態を示す集合状態情報を出力する第1出力部とを備える
情報出力システム。
【請求項2】
前記第1出力部は、複数種類に区分された集合状態情報の中から前記集合状態情報を出力する
請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項3】
前記複数種類の区分は、前記利用者の状態に関する区分、及び、前記利用者に影響を与える状態に関する区分の少なくとも一方を含む
請求項2に記載の情報出力システム。
【請求項4】
前記利用者の状態に関する区分は、前記利用者の健康状態に関する区分、及び、前記利用者の快適性に関する区分の少なくとも一方を含む
請求項3に記載の情報出力システム。
【請求項5】
前記利用者に影響を与える状態に関する区分は、前記利用者のトラブルに関する区分、前記施設の騒音に関する区分、及び、前記集合施設に設けられた収納装置の収納状態に関する区分の少なくとも1つ以上を含む
請求項3または4に記載の情報出力システム。
【請求項6】
前記集合施設は、複数の領域を有し、
前記集合は、前記領域に基づいて決定される
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報出力システム。
【請求項7】
前記集合施設は、階層構造を有し、
前記領域は、前記階層構造における各階に相当する
請求項6に記載の情報出力システム。
【請求項8】
前記集合は、前記集合施設が属する地域に基づいて決定され、
前記第1出力部は、前記地域内に含まれる集合施設の集合としての状態を示す前記集合状態情報を出力する
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報出力システム。
【請求項9】
さらに、取得された前記施設関連情報に基づいて、前記施設及び前記利用者の少なくとも一方が特定される状態で、前記施設及び前記利用者の少なくとも一方の状態を示す個別状態情報を出力する第2出力部を備える
請求項1~8のいずれか1項に記載の情報出力システム。
【請求項10】
前記取得部は、前記施設に設けられたインターホン装置から前記施設関連情報を取得する
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報出力システム。
【請求項11】
集合施設に含まれる複数の施設、及び、前記複数の施設の利用者の少なくとも一方に関する施設関連情報を取得する取得ステップと、
取得された前記施設関連情報に基づいて、前記複数の施設及び複数の前記利用者が特定されない状態で、前記複数の施設及び複数の前記利用者の少なくとも一方の集合としての状態を示す集合状態情報を出力する第1出力ステップとを含む
情報出力方法。
【請求項12】
請求項11に記載の情報出力方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、集合住宅で用いられるインターホンシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、集合住宅などの集合施設の利用状態(集合施設内の環境、及び、集合施設の利用者の特性など)を把握するための情報を出力することができる情報出力システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る情報出力システムは、集合施設に含まれる複数の施設、及び、前記複数の施設の利用者の少なくとも一方に関する施設関連情報を取得する取得部と、取得された前記施設関連情報に基づいて、前記複数の施設及び複数の前記利用者が特定されない状態で、前記複数の施設及び複数の前記利用者の少なくとも一方の集合としての状態を示す集合状態情報を出力する第1出力部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る情報出力方法は、集合施設に含まれる複数の施設、及び、前記複数の施設の利用者の少なくとも一方に関する施設関連情報を取得する取得ステップと、取得された前記施設関連情報に基づいて、前記複数の施設及び複数の前記利用者が特定されない状態で、前記複数の施設及び複数の前記利用者の少なくとも一方の集合としての状態を示す集合状態情報を出力する第1出力ステップとを含む。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記情報出力方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の情報出力システム等は、集合施設の利用状態を把握するための情報を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る情報出力システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る情報出力システムの動作例1のフローチャートである。
【
図3】
図3は、動作例1において所定の操作が行われるときの表示画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、集合状態情報の区分の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、集合状態情報の表示画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る情報出力システムの動作例2のフローチャートである。
【
図7】
図7は、動作例2において所定の操作が行われるときの表示画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、個別状態情報の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る情報出力システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る情報出力システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示される情報出力システム10は、複数の集合住宅100に関する施設関連情報に基づいて、集合状態情報を出力することができるシステムである。施設関連情報は、集合住宅100に含まれる複数の専有部102、及び、複数の専有部102の居住者の少なくとも一方に関する情報であり、集合状態情報は、複数の専有部102及び複数の居住者の少なくとも一方の集合としての状態を示す情報である。集合状態情報は、例えば、集合住宅100の管理事業者の社員が使用する情報端末90に提供される。集合住宅100は、集合施設の一例であり、具体的には、マンション、寮、社宅などである。1つの集合住宅100は、共用部101と、複数の専有部102を備える。専有部102は、集合施設に含まれる施設の一例である。専有部102の居住者は、集合施設に含まれる施設の利用者の一例である。
【0014】
共用部101には、ロビーインターホン20、制御装置30、ゲートウェイ装置40、オートロック式ドア60、及び、共用の宅配ボックス70が設けられる。複数の専有部102のそれぞれには、インターホン親機50、居住者個人用の宅配ボックス56、及び、環境センサ57が設けられ、ウェアラブルセンサ58が位置している。情報出力システム10は、これらの集合住宅100内に設けられた装置を備える。
【0015】
また、集合住宅100の外には、サーバ装置80と、情報端末90とが位置する。情報出力システム10は、これらの集合住宅100外に設けられた装置を備える。
【0016】
以下、情報出力システム10が備える各装置について説明する。ロビーインターホン20は、集合住宅100のエントランス(つまり、共用部101)のオートロック式ドア60の外側(屋外側)に設けられる情報端末である。ロビーインターホン20は、例えば、オートロック式ドア60を制御する。
【0017】
制御装置30は、集合住宅100内に設けられた装置の制御、及び、集合住宅100内に設けられた装置間の通信(例えば、ロビーインターホン20とインターホン親機50との間の通信)の制御などを行う装置である。
【0018】
ゲートウェイ装置40は、インターホン親機50などの集合住宅100に設けられた装置が、インターネットなどの広域通信ネットワークを通じてサーバ装置80と通信するための通信装置である。
【0019】
インターホン親機50は、集合住宅100の専有部102に固定設置された情報端末である。インターホン親機50は、専有部102の居住者がロビーインターホン20またはインターホン子機(図示せず)を介して訪問者と通話するための情報処理などを行う。なお、インターホン子機は、いわゆるドアホンであり、専有部102の出入口の外側に設けられる。インターホン親機50は、具体的には、第一通信部51と、情報処理部52と、記憶部53と、マイクロフォン54と、第二通信部55とを備える。
【0020】
第一通信部51は、インターホン親機50が、制御装置30と局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。第一通信部51によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。第一通信部51によって行われる通信の通信規格は特に限定されない。
【0021】
情報処理部52は、居住者がロビーインターホン20またはインターホン子機を介して訪問者と通話するための情報処理を行う。情報処理部52は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部52の機能は、情報処理部52を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサが記憶部53に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0022】
記憶部53は、情報処理部52が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部53は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0023】
マイクロフォン54は、居住者が訪問者と通話する際に発する音声を取得する。また、マイクロフォン54は、専有部102における騒音を取得する。マイクロフォン54は、例えば、コンデンサマイク、ダイナミックマイク、または、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)マイクなどによって実現される。
【0024】
第二通信部55は、インターホン親機50が、宅配ボックス56、環境センサ57、及び、ウェアラブルセンサ58と通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。第二通信部55は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)などの通信規格にしたがって無線通信(近距離無線通信)を行うが、有線通信を行ってもよい。
【0025】
宅配ボックス56は、居住者が専有部102に不在であるときに荷物の配送業者の配達員が居住者宛ての荷物を入庫するための収納装置である。宅配ボックス56は、居住者個人が使用する宅配ボックスである。宅配ボックス56は、宅配ボックス56内に荷物が入庫されているか否かをセンシングし、センシング結果として荷物が入庫されているか否かを示す収納情報(つまり、収納状態を示す情報)をインターホン親機50(第二通信部55)へ送信する。
【0026】
環境センサ57は、専有部102内の環境をセンシングする。また、環境センサ57は、センシング結果である環境情報をインターホン親機50(第二通信部55)へ送信する。環境センサ57は、例えば、照度センサ、温度センサ、湿度センサ、または、微粒子濃度センサなどである。
【0027】
ウェアラブルセンサ58は、居住者に装着され、居住者のバイタル情報をセンシングする。また、ウェアラブルセンサ58は、センシングしたバイタル情報をインターホン親機50(第二通信部55)へ送信する。バイタル情報は、例えば、歩数、体温、血圧、心拍数、活動量などである。ウェアラブルセンサ58は、例えば、対象者の手首に装着されるリストバンド形または腕時計形のセンサであるが、メガネ形のセンサなどであってもよい。なお、ウェアラブルセンサ58に代えてスマートフォンなどの携帯端末がバイタル情報をセンシングし、センシングしたバイタル情報をインターホン親機50(第二通信部55)へ送信してもよい。
【0028】
オートロック式ドア60は、集合住宅100のエントランス(つまり、共用部101)に設けられた扉である。言い換えれば、オートロック式ドア60は、集合住宅100の共用部101の出入口の扉である。オートロック式ドア60は、解錠(または開放)されてから一定時間の経過後に自動的に施錠(または閉鎖)される。オートロック式ドア60が有する扉は、引き戸であってもよいし、開き戸であってもよい。なお、ここでの解錠は、例えば、オートロック式ドア60のロック機構(電気錠など)を解除することを意味する。開放は、例えば、ロック機構を解除した上でさらにオートロック式ドア60を開放することを意味する。
【0029】
宅配ボックス70は、居住者が専有部102に不在であるときに荷物の配送業者の配達員が居住者宛ての荷物を入庫するための収納装置である。宅配ボックス70は、集合住宅100に居住する複数の居住者によって共用される宅配ボックスである。宅配ボックス70は、宅配ボックス70内に荷物が入庫されているか否かをセンシングし、センシング結果として荷物が入庫されているか否かを示す収納情報(つまり、収納状態を示す情報)を制御装置30及びゲートウェイ装置40を介してサーバ装置80へ送信する。
【0030】
サーバ装置80は、複数の集合住宅100のそれぞれに設けられたゲートウェイ装置40から取得した施設関連情報に基づいて、集合状態情報を出力する処理(以下、情報出力処理とも記載される)を行う。サーバ装置80は、集合住宅100外に設けられたクラウドサーバである。サーバ装置80は、例えば、集合住宅100内に設けられた各装置(インターホンシステムなど)を提供する第一事業者によって使用される。サーバ装置80は、具体的には、通信部81と、情報処理部82と、記憶部83とを備える。
【0031】
通信部81は、サーバ装置80が広域通信ネットワークを介して複数の集合住宅100のそれぞれに設けられたゲートウェイ装置40、及び、情報端末90などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部81によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。なお、通信部81は、情報端末90と局所通信ネットワークを介して通信する機能を有してもよい。
【0032】
情報処理部82は、上述の情報出力処理を行う。情報処理部82は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部82は、機能的な構成要素として、取得部84、第1出力部85、第2出力部86、及び、設定部87を有する。取得部84、第1出力部85、第2出力部86、及び、設定部87の機能は、例えば、情報処理部82を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部83に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。取得部84、第1出力部85、第2出力部86、及び、設定部87のそれぞれの詳細な機能については後述する。
【0033】
記憶部83は、上記情報出力処理に必要な情報、及び、情報処理部82が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部83は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0034】
情報端末90は、サーバ装置80から集合状態情報などの情報の提供を受けるために、第一事業者とは異なる第二事業者の従業員等が使用する情報端末である。第二事業者は、例えば、集合住宅100の管理事業者である。情報端末90は、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であるが、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であってもよい。情報端末90は、表示部91と、操作受付部92とを備える。
【0035】
表示部91は、サーバ装置80から受信した集合状態情報などの情報を可視化するために表示画面を表示する。表示部91は、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される。
【0036】
操作受付部92は、従業員等の操作を受け付ける。操作受付部92は、例えば、マウス及びキーボードなどによって実現されるが、タッチパネルによって実現されてもよい。
【0037】
[動作例1]
上述のように、情報出力システム10は、複数の集合住宅100に関する施設関連情報に基づいて、集合状態情報を出力することができる。以下このような情報出力システム10の動作例1について説明する。
図2は、情報出力システム10の動作例1のフローチャートである。
【0038】
複数の集合住宅100のそれぞれにおいて、複数のインターホン親機50のそれぞれは、施設関連情報を取得する(S11)。施設関連情報は、集合住宅100に含まれる複数の専有部102、及び、複数の専有部102の居住者の少なくとも一方に関する情報である。
【0039】
施設関連情報には、マイクロフォン54によって取得される、居住者の音声情報、及び、専有部102の騒音情報が含まれる。居住者の音声情報、及び、専有部102の騒音情報には、当該情報がマイクロフォン54によって取得されたときの日時を示すタイムスタンプ情報が付与されている。
【0040】
居住者の音声情報は、居住者の発話音声を示す情報であり、具体的には、居住者の話し声の大きさ、話し声の高さ(周波数)、発話が行われた時刻、及び、発話が行われた時間の長さなどを示す情報である。専有部102の騒音情報は、専有部102における騒音の大きさ、騒音の高さ(周波数)、及び、騒音の発生時刻などを示す情報である。
【0041】
例えば、インターホン親機50の情報処理部52は、インターホン親機50がロビーインターホン20またはインターホン子機と通話処理を行っているときにマイクロフォン54によって取得される音を居住者の発話音声とみなし、通話処理を行っていないときにマイクロフォン54によって取得される音を騒音とみなすことができる。なお、情報処理部52は、マイクロフォン54から得られる音信号の特徴量などに基づいて、マイクロフォン54によって取得される音が発話音声か騒音かを判定してもよい。
【0042】
また、ステップS11において取得される施設関連情報には、第二通信部55によって取得(受信)される、専有部102の環境情報、居住者のバイタル情報、及び、宅配ボックス56の収納情報などが含まれる。なお、専有部102の環境情報、居住者のバイタル情報、及び、宅配ボックス56の収納情報には、当該情報センシングされたときの日時を示すタイムスタンプ情報が付与されている。
【0043】
専有部102の環境情報は、環境センサ57のセンシングによって得られる情報であり、具体的には、専有部102における、照度、温度、湿度、及び、微粒子濃度などを示す情報である。居住者のバイタル情報は、ウェアラブルセンサ58のセンシングによって得られる情報であり、具体的には、居住者の、歩数、体温、血圧、心拍数、及び、活動量などを示す情報である。宅配ボックス56の収納情報は、宅配ボックス56のセンシングによって得られる情報であり、例えば、荷物の滞留時間(入庫されてから取り出されるまでの時間の長さ)を示す情報である。
【0044】
情報処理部52は、これらの施設関連情報を取得すると、施設関連情報に専有部102の部屋番号を付与して制御装置30へ送信する(S12)。部屋番号は、インターホン親機50の専有部102への施工時に記憶部53に記憶されており、情報処理部52は、記憶部53を参照することで専有部102の部屋番号を特定することができる。部屋番号が付与された施設関連情報は、より具体的には、第一通信部51によって制御装置30へ送信される。なお、施設関連情報の送信は、例えば、定期的に行われる。
【0045】
制御装置30は、インターホン親機50から施設関連情報を受信すると、受信した施設関連情報をゲートウェイ装置40へ送信する(S13)。
【0046】
ゲートウェイ装置40は、制御装置30から施設関連情報を受信する。ゲートウェイ装置40は、受信された施設関連情報にゲートウェイIDを含めてサーバ装置80へ送信する(S14)。
【0047】
ゲートウェイIDは、ゲートウェイ装置40を他のゲートウェイ装置40と区別するための情報であり、ある集合住宅100を他の集合住宅100と区別するための情報でもある。ゲートウェイIDは、例えば、MAC(Media Access Control)アドレスなどのゲートウェイ装置40の装置IDである。ゲートウェイIDは、例えば、あらかじめゲートウェイ装置40が備える記憶部(図示せず)に記憶されている。
【0048】
なお、ある集合住宅100を他の集合住宅100と区別するための情報としてゲートウェイIDが使用されることは必須ではない。例えば、ゲートウェイIDに代えて制御装置30のIDが使用されてもよい。制御装置30のIDは、例えば、MACアドレスなどの制御装置30の装置IDである。制御装置30のIDは、例えば、あらかじめ記憶部33に記憶されている。
【0049】
サーバ装置80の通信部81は、部屋番号及びゲートウェイIDが付与された施設関連情報を受信する。取得部84は、受信された施設関連情報を取得し、記憶部83に記憶する(S15)。
【0050】
以上のステップS11~ステップS15の処理によれば、サーバ装置80の記憶部83には、複数の集合住宅100のそれぞれに含まれる複数の専有部102またはその居住者に関する施設関連情報が蓄積される。施設関連情報がどの集合住宅100のどの専有部102で取得またはセンシングされたかについては、ゲートウェイID及び部屋番号によって識別可能である。
【0051】
ここで、サーバ装置80は、集合住宅100へインターホンシステム(ゲートウェイ装置40を含む)を提供した第一事業者によって使用されているサーバである。第一事業者は、どのゲートウェイ装置40がどの集合住宅100に設置しているか(つまり、どのゲートウェイIDがどの集合住宅100を示すか)を把握している。また、第一事業者は、集合住宅100の所在地(住所)、及び、集合住宅100内の間取り図(集合住宅100内の専有部102の位置を示す図)と、ゲートウェイIDとの対応関係を把握している。サーバ装置80の記憶部83には、このような対応関係を示す情報が記憶されている。
【0052】
このような対応関係を示す情報によれば、施設関連情報は、当該施設関連情報が取得またはセンシングされた専有部102が属する集合住宅100の所在地、及び、当該専有部102の集合住宅100内の位置(具体的には、棟、階、及び、方角など)と対応付けられる。これにより、後述の「地域単位」、「集合住宅単位」、「集合住宅のフロア(階)単位」、「集合住宅の棟単位」などの集計単位を設けることが可能となる。
【0053】
その後、第二事業者(例えば、集合住宅100の管理事業者)の従業員は、情報端末90へサーバ装置80から集合状態情報の提供を受けるための所定の操作を行い、操作受付部92は、所定の操作を受け付ける(S16)。所定の操作には、期間の指定操作、集合状態情報の内容の指定操作、及び、集計単位の指定操作が含まれる。所定の操作を受け付ける際には、表示部91には、
図3のような表示画面が表示される。
図3は、所定の操作が行われるときの表示画面の一例を示す図である。
【0054】
図3に示される表示画面を通じて、第二事業者の従業者は、対象の期間(年月日)を指定することができる。また、
図3に示される表示画面を通じて、第二事業者の従業者は、集合状態情報の内容を指定することができる。言い換えれば、第二事業者の従業者は、どのような情報の提供を受けるかを指定することができる。
【0055】
なお、第二事業者がどの事業者であるかによって指定できる情報の範囲(言い換えれば、情報出力システム10が出力する情報の範囲)が変更されてもよい。つまり、第二事業者ごとに閲覧権限に差が設けられていてもよい。例えば、情報端末90へ第二事業者の識別情報(ID)の入力操作が行われ、当該識別情報がサーバ装置80へ送信されることで第二事業者ごとに閲覧権限に差を設けることが可能である。
【0056】
集合状態情報の内容を指定する際には、まず、集合状態情報の区分が指定される。
図4は、集合状態情報の区分の一例を示す図である。
図4に示されるように、例えば、第二事業者の従業者は、「健康状態」の区分を指定すると、さらに、「健康状態」の区分に属する、歩数、体温、血圧、心拍数、及び、活動量などの具体的な情報の1つ以上を指定することができる。
【0057】
なお、
図4に示される、「健康状態」の区分(つまり、居住者の健康状態に関する区分)及び「快適性」の区分(つまり、居住者の快適性に関する区分)のそれぞれは、居住者の状態に関する区分の一例である。「トラブル」の区分(つまり、居住者のトラブルに関する区分)、「騒音」の区分(つまり、専有部102の騒音に関する区分)、及び、「配達物の収納情報」の区分(つまり、宅配ボックス56の収納状態に関する区分)のそれぞれは、居住者に影響を与える状態に関する区分(言い換えれば、居住者の特性(気質)に関する区分)の一例である。
【0058】
なお、
図4に示される区分は一例であり、
図4に示される区分の一部が設けられていなくてもよいし、
図4に示されていない区分が設けられてもよい。
【0059】
また、
図3に示される表示画面を通じて、第二事業者の従業者は、集合状態情報の集計単位を指定することができる。集計単位は、例えば、「地域単位」、「集合住宅単位」、「集合住宅のフロア(階)単位」、「集合住宅の棟単位」などである。例えば、「地域単位」が指定された場合、さらに地域が指定され、指定された地域に属する1以上の集合住宅100内の専有部102で取得またはセンシングされた施設関連情報が集計の対象となる。「集合住宅単位」が指定された場合、さらに1つの集合住宅100が指定され、指定された集合住宅100内の専有部102で取得またはセンシングされた施設関連情報が集計の対象となる。「集合住宅のフロア単位」が指定された場合、さらに1つの集合住宅100とフロアとが指定され、指定された集合住宅100の指定されたフロアに位置する専有部102で取得またはセンシングされた施設関連情報が集計の対象となる。「集合住宅の棟単位」が指定された場合も同様である。
【0060】
なお、このような集計単位は一例であり、これらの集計単位の一部が設けられていなくてもよいし、
図4に示されていない集計単位が設けられてもよい。例えば、「集合住宅における方角」(西側の専有部、東側の専有部など)という集計単位が設けられてもよいし、「南向きの専有部」などの集計単位が設けられてもよい。
【0061】
このように、集計単位(集合)は、例えば、集合住宅100が有する複数の領域に基づいて決定される。この場合の領域は、棟に相当する場合もあるし、集合住宅100が有する階層構造における階(フロア)に相当する場合もあるし、方角に応じて区分された領域(西側、東側など)である場合もある。
【0062】
ステップS16の次に、情報端末90は、情報提供要求をサーバ装置80へ送信する(S17)。情報提供要求には、指定された期間、指定された集合状態情報の内容、及び、指定された集計単位を示す情報が含まれる。
【0063】
サーバ装置80の通信部81は、情報提供要求を受信し、第1出力部85は、受信された情報提供要求に基づいて、記憶部83に記憶された施設関連情報を処理する。具体的には、第1出力部85は、記憶部83に記憶された施設関連情報のうち、指定された条件に当てはまる施設関連情報を抽出し、抽出した施設関連情報を処理することにより、集合状態情報を生成及び出力する(S18)。また、通信部81は、出力された集合状態情報を情報端末90へ送信する(S19)。なお、集合状態情報の送信(または受信)には、API(Application Programming Interface)が利用されてもよい。
【0064】
情報端末90は、集合状態情報を受信し、受信した集合状態情報を可視化(表示)する(S20)。
図5は、集合状態情報の表示画面の一例を示す図である。
図5の例では、表示画面には、ある集合住宅100において騒音レベルが所定値以上となる頻度を時間帯毎に示すヒストグラムが表示されている。
【0065】
なお、集合状態情報がどのような情報であるか(施設関連情報をどのように統計処理または加工するか)、及び、集合状態情報がどのように可視化されるかは特に限定されない。例えば、ある集合住宅100における騒音レベルの平均値または最大値が文字で表示されてもよい。
【0066】
また、複数の集合住宅100の集合状態情報が同時に表示されてもよい。つまり、複数の物件に対応する複数の集合状態情報が、一覧表示または並べて表示されてもよい。これにより、物件ごとの比較が容易となる。また、ある集合住宅100における複数種類の区分に対応する複数の集合住宅情報(例えば、「健康状態」「快適性」「トラブル」「騒音」「配達物の収納情報」の2つ以上)が同時に表示されてもよい。つまり、複数の区分に対応する複数の集合状態情報が、一覧表示または並べて表示されてもよい。これにより、区分ごとの比較が容易となる。また、ある集合住宅100におけるフロアごとの集合状態情報が同時に表示されてもよい。
【0067】
なお、集合状態情報においては、集合状態情報の元となる施設関連情報が取得またはセンシングされた専有部102及び当該専有部102の居住者は明らかにされない。つまり、集合状態情報は、専有部102及び居住者が特定されない状態で、専有部102及び居住者の少なくとも一方の集合としての状態を示す情報であるといえる。専有部102及び居住者が特定されていないことにより、居住者のプライバシーが保護される。
【0068】
このように、情報出力システム10は、ある地域/集合住宅/集合住宅のフロア等がどのような居住環境であるか、ある地域/集合住宅/集合住宅のフロア等の居住者の健康状態または特性(気質、トラブルリスク)などを示す集合状態情報を提供することができる。情報出力システム10は、複数種類に区分された集合状態情報の中から第二事業者の要望に応じた集合状態情報を選択的に提供(出力)することができる。
【0069】
集合状態情報の提供を受けた第二事業者は、居住環境の改善、健康状態の向上のためのサービスのレコメンド、トラブルの予兆の把握、及び、居住者によるコミュニティの形成支援などを行うことができる。
【0070】
なお、動作例1では、サーバ装置80の取得部84は、専有部102に設けられたインターホン親機50(インターホン装置)から施設関連情報を取得したが、インターホン親機50を経由しない施設関連情報を取得してもよい。例えば、取得部84は、共用の宅配ボックス70の収納情報を取得してもよい。この場合、収納情報は、宅配ボックス70からゲートウェイ装置40及び通信部81を経由して取得部84によって取得される。
【0071】
[動作例2]
情報出力システム10は、専有部102が特定される状態で専有部102及び専有部102の居住者の状態を示す個別状態情報を出力することもできる。以下このような情報出力システム10の動作例2について説明する。
図6は、情報出力システム10の動作例2のフローチャートである。
【0072】
サーバ装置80の記憶部83には、上記ステップS11~ステップS15の処理によって多数の施設関連情報があらかじめ記憶されている。
【0073】
その後、第二事業者の従業員は、情報端末90へサーバ装置80から個別状態情報の提供を受けるための所定の操作を行い、操作受付部92は、所定の操作を受け付ける(S21)。所定の操作には、期間の指定操作、個別状態情報の内容の指定操作、及び、専有部102の指定操作が含まれる。所定の操作を受け付ける際には、表示部91には、
図7のような表示画面が表示される。
図7は、所定の操作が行われるときの表示画面の一例を示す図である。
【0074】
期間の指定操作、及び、個別状態情報の内容の指定操作については動作例1と同様であるため詳細な説明が省略される。専有部102が指定される場合には、まず、集合住宅が指定された後、その集合住宅の専有部102(部屋番号)が指定される。
【0075】
次に、情報端末90は、情報提供要求をサーバ装置80へ送信する(S22)。情報提供要求には、指定された期間、指定された個別状態情報の内容、及び、指定された専有部102を示す情報が含まれる。
【0076】
サーバ装置80の通信部81は、情報提供要求を受信し、第2出力部86は、受信された情報提供要求に基づいて、記憶部83に記憶された施設関連情報を処理する。具体的には、第2出力部86は、記憶部83に記憶された施設関連情報のうち、指定された条件に当てはまる施設関連情報を抽出し、抽出した施設関連情報を処理することにより、個別状態情報を生成及び出力する(S23)。また、通信部81は、出力された個別状態情報を情報端末90へ送信する(S24)。なお、個別状態情報の送信(または受信)には、APIが利用されてもよい。
【0077】
情報端末90は、個別状態情報を受信し、受信した個別状態情報を可視化(表示)する(S25)。
図8は、個別状態情報の表示画面の一例を示す図である。
図8の例では、表示画面には、ある集合住宅100において騒音レベルが所定値以上となる頻度を時間帯毎に示すヒストグラムが表示されている。
【0078】
なお、個別状態情報がどのような情報であるか(施設関連情報をどのように統計処理または加工するか)、及び、個別状態情報がどのように可視化されるかは特に限定されない。例えば、ある専有部102における騒音レベルの平均値または最大値などが文字で表示されてもよい。また、複数の専有部102の個別状態情報が同時に表示されてもよいし、ある専有部102の複数種類の個別状態情報が同時に表示されてもよい。
【0079】
このように、情報出力システム10は、指定された専有部102がどのような居住環境であるか、指定された専有部102の居住者の健康状態または特性(気質、トラブルリスク)などを示す個別状態情報を提供することができる。
【0080】
なお、第二事業者(集合住宅100の管理事業者)は、第二事業者が管理する集合住宅100内の専有部102の居住者の個人情報(年齢、性別、及び、氏名など)を有している。このような個人情報がサーバ装置80(第一事業者)に提供されれば、サーバ装置80は、施設関連情報が取得またはセンシングされた専有部102の居住者の個人情報を提供することができる。
【0081】
サーバ装置80において施設関連情報と個人情報とが紐づけられていれば、第二事業者は、個人情報を指定して個別状態情報の提供を受けることも可能である。また、サーバ装置80は、居住者の個人情報が特定された状態の個別状態情報を出力(提供)することができる。なお、個別状態情報は、専有部102及び居住者の少なくとも一方が特定される状態で、専有部102及び居住者の少なくとも一方の状態を示す情報であればよい。
【0082】
また、個別状態情報については、閲覧権限を有する第二事業者だけが提供を受けることができる構成であってもよい。つまり、サーバ装置80は、閲覧権限を設定する(言い換えれば、個別状態情報の閲覧を制限する)機能を有してもよい。閲覧権限は、設定部87によって設定される。
【0083】
また、設定部87は、以下のように閲覧権限を設定してもよい、設定部87は、情報端末90が局所通信ネットワークを通じてサーバ装置80(通信部81)に接続されている場合には、当該情報端末90に個別状態情報の閲覧権限を付与し、情報端末90が広域通信ネットワークを通じてサーバ装置80(通信部81)に接続されている場合には、当該情報端末90に個別状態情報の閲覧権限を付与しない。この場合、第二事業者は、情報端末90が局所通信ネットワークを介してサーバ装置80に接続されている状態では集合状態情報及び個別状態情報の両方の情報を閲覧することができるが、情報端末90が局所通信ネットワークを介してサーバ装置80に接続されている状態では集合状態情報しか閲覧できない。
【0084】
[変形例]
上記実施の形態では、集合状態情報は集合住宅100の管理事業者に提供されたが、他の事業者に提供されてもよい。また、集合状態情報は、一般ユーザ(個人)に提供されてもよい。例えば、集合状態情報は、一般ユーザが、これから居住する地域及び集合住宅を選ぶときなどの比較検討に有用である。
【0085】
また、情報出力システム10は、サーバ装置80の記憶部83に記憶された施設関連情報のうちバイタル情報を用いて居住者の健康状態の管理を行ってもよい。例えば、情報処理部82は、居住者の健康状態が悪化した場合に、当該居住者のかかりつけ医、または、当該居住者と離れて暮らす当該居住者の家族に通知を行ってもよい。この場合、通知先については事前に記憶部83に記憶(登録)される。
【0086】
[効果等]
以上説明したように、情報出力システム10は、集合住宅100に含まれる複数の専有部102、及び、複数の専有部102の居住者の少なくとも一方に関する施設関連情報を取得する取得部84と、取得された施設関連情報に基づいて、複数の専有部102及び複数の居住者が特定されない状態で、複数の専有部102及び複数の居住者の少なくとも一方の集合としての状態を示す集合状態情報を出力する第1出力部85とを備える。集合住宅100は、集合施設の一例であり、専有部102は、集合施設に含まれる施設の一例である。専有部102の居住者は、集合施設に含まれる施設の利用者の一例である。
【0087】
このような情報出力システム10は、集合住宅100の利用状態を把握するための集合状態情報を出力することができる。
【0088】
また、例えば、第1出力部85は、複数種類に区分された集合状態情報の中から集合状態情報を出力する。
【0089】
このような情報出力システム10は、集合住宅100の利用状態を把握するための複数種類の集合状態情報を出力することができる。
【0090】
また、例えば、複数種類の区分は、居住者の状態に関する区分、及び、居住者に影響を与える状態に関する区分の少なくとも一方を含む。
【0091】
このような情報出力システム10は、居住者の状態、及び、居住者に影響を与える状態の少なくとも一方を把握するための集合状態情報を出力することができる。
【0092】
また、例えば、居住者の状態に関する区分は、居住者の健康状態に関する区分、及び、居住者の快適性に関する区分の少なくとも一方を含む。
【0093】
このような情報出力システム10は、居住者の健康状態、及び、居住者の快適性の少なくとも一方を把握するための集合状態情報を出力することができる。
【0094】
また、例えば、居住者に影響を与える状態に関する区分は、居住者のトラブルに関する区分、専有部102の騒音に関する区分、及び、集合住宅100に設けられた宅配ボックス56または宅配ボックス70の収納状態に関する区分の少なくとも1つ以上を含む。宅配ボックス56または宅配ボックス70は、収納装置の一例である。
【0095】
このような情報出力システム10は、居住者のトラブル、専有部102の騒音、及び、宅配ボックス56または宅配ボックス70の収納状態の少なくとも1つを把握するための集合状態情報を出力することができる。
【0096】
また、例えば、集合住宅100は、複数の領域を有し、集合は、領域に基づいて決定される。
【0097】
このような情報出力システム10は、集合住宅100が有する領域の利用状態を把握するための集合状態情報を出力することができる。
【0098】
また、例えば、集合住宅100は、階層構造を有し、領域は、階層構造における各階に相当する。
【0099】
このような情報出力システム10は、階層構造を有する集合住宅100の各階の利用状態を把握するための集合状態情報を出力することができる。
【0100】
また、例えば、集合は、集合住宅100が属する地域に基づいて決定され、第1出力部85は、地域内に含まれる集合住宅100の集合としての状態を示す集合状態情報を出力する。
【0101】
このような情報出力システム10は、地域における集合住宅100の利用状況を把握するための集合状態情報を出力することができる。
【0102】
また、例えば、情報出力システム10は、さらに、取得された施設関連情報に基づいて、専有部102及び居住者の少なくとも一方が特定される状態で、専有部102及び居住者の少なくとも一方の状態を示す個別状態情報を出力する第2出力部86を備える。
【0103】
このような情報出力システム10は、集合住宅100内の特定の専有部102の利用状況を把握するための個別状態情報を出力することができる。
【0104】
また、例えば、取得部84は、専有部102に設けられたインターホン親機50から施設関連情報を取得する。インターホン親機50は、インターホン装置の一例である。
【0105】
このような情報出力システム10は、インターホン親機50から取得した施設関連情報に基づいて、集合住宅100の利用状態を把握するための集合状態情報を出力することができる。
【0106】
また、情報出力システム10などのコンピュータによって実行される情報出力方法は、集合住宅100に含まれる複数の専有部102、及び、複数の専有部102の居住者の少なくとも一方に関する施設関連情報を取得する取得ステップと、取得された施設関連情報に基づいて、複数の専有部102及び複数の居住者が特定されない状態で、複数の専有部102及び複数の居住者の少なくとも一方の集合としての状態を示す集合状態情報を出力する第1出力ステップとを含む。
【0107】
このような情報出力方法は、集合住宅100の利用状態を把握するための集合状態情報を出力することができる。
【0108】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0109】
例えば、上記実施の形態では、情報出力システムは、集合住宅に適用されたが、集合住宅以外の集合施設に適用されてもよい。例えば、情報出力システムは、オフィス、工場、研究施設、医療施設、宿泊施設等の、複数の施設(複数の会社、部課、部門等)を含む集合施設に適用することができる。
【0110】
例えば、上記実施の形態では、情報出力システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、情報出力システムは、サーバ装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。情報出力システムが複数の装置によって実現される場合、情報出力システムが備える構成要素(特に、機能的な構成要素)は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0111】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置(ブロードバンドルータなど)が介在してもよい。
【0112】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0113】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0114】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0115】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0116】
例えば、本発明は、上記実施の形態のサーバ装置として実現されてもよい、また、本発明は、上記実施の形態の情報出力システムなどのコンピュータが実行する情報出力方法として実現されてもよいし、情報出力方法をコンピュータに実行させるためのプログラム(言い換えれば、コンピュータプログラムプロダクト)として実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0117】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
10 情報出力システム
50 インターホン親機(インターホン装置)
84 取得部
85 第1出力部
86 第2出力部
100 集合住宅(集合施設)
101 共用部
102 専有部(施設)