(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047636
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法、静圧気体ジャーナル多孔質軸受
(51)【国際特許分類】
F16C 32/06 20060101AFI20230330BHJP
F16B 4/00 20060101ALI20230330BHJP
F16J 15/04 20060101ALI20230330BHJP
F16C 43/02 20060101ALI20230330BHJP
F16C 35/02 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
F16C32/06 B
F16B4/00 D
F16B4/00 P
F16J15/04 A
F16C43/02
F16C35/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156659
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000103644
【氏名又は名称】オイレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】和田 寛明
【テーマコード(参考)】
3J102
3J117
【Fターム(参考)】
3J102AA02
3J102BA03
3J102BA17
3J102CA15
3J102CA17
3J102EA02
3J102EA08
3J102EA18
3J102EA30
3J102GA20
3J117AA01
3J117DA01
3J117DB07
3J117DB08
3J117HA01
(57)【要約】
【課題】ハウジング部材に対する多孔質部材の位置決め固定と、ハウジング部材と多孔質部材との間の封止と、多孔質部材と軸との間に形成される軸受すきまへの気体の供給量の確保とを簡単な構造ですべて満たす静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法および静圧気体ジャーナル多孔質軸受を提供すること。
【解決手段】円筒状の多孔質部材110と、この多孔質部材110を内挿する筒状部121を有するハウジング部材120とを備え、軸Sの半径方向の荷重を多孔質部材110から噴出される気体で支持する軸受100の製造方法であって、筒状部121の前端挿入部分121Aに多孔質部材110の前端部113を圧入する圧入工程と、多孔質部材110の後端部114を遊嵌する筒状部121の後端挿入部分121Cを塑性変形させて突出領域121C1を形成して多孔質部材110の後端部114を変形させる封止工程とを備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面から流入した気体を内周面から噴出する円筒状の多孔質部材と、該多孔質部材を内挿すると共に前記多孔質部材へ外部から気体を供給する気体流路を形成した筒状部を有するハウジング部材とを備え、支持対象となる軸の半径方向の荷重を前記多孔質部材から噴出される気体で支持する静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法であって、
前記筒状部の前端挿入部分に前記多孔質部材の前端部を圧入する圧入工程と、
前記多孔質部材の後端部を遊嵌する前記筒状部の後端挿入部分を塑性変形させて突出領域を形成して該突出領域により前記多孔質部材の後端部を変形させる封止工程とを備えていることを特徴とする静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法。
【請求項2】
前記圧入工程で前記筒状部の後端挿入部分に遊嵌される前記多孔質部材の後端側外周面と後端面とが、傾斜面で接続されていることを特徴とする請求項1に記載の静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法。
【請求項3】
前記ハウジング部材の後端面が、前記多孔質部材の後端面よりも後方に位置し、
前記封止工程が、前記ハウジング部材よりも硬い突起部を有して前記ハウジング部材を塑性変形させる加締め型を前記ハウジング部材の後端面に押しつけて実行されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法。
【請求項4】
外周面から流入した気体を内周面から噴出する円筒状の多孔質部材と、該多孔質部材を内挿すると共に前記多孔質部材へ外部から気体を供給する気体流路を形成した筒状部を有するハウジング部材とを備え、支持対象となる軸の半径方向の荷重を前記多孔質部材から噴出される気体で支持する静圧気体ジャーナル多孔質軸受であって、
前記ハウジング部材の筒状部が、前記多孔質部材の前端部と圧接する前端挿入部分と、前記多孔質部材の後端部を遊嵌する後端挿入部分と、前記前端挿入部分と前記後端挿入部分との間に形成されると共に前記気体流路を有する中間挿入部分とを有し、
前記ハウジング部材の後端挿入部分から前記多孔質部材に向けて突出する突出領域が、前記多孔質部材の後端部に当接していることを特徴とする静圧気体ジャーナル多孔質軸受。
【請求項5】
前記ハウジング部材が、一体形成されていることを特徴とする請求項4に記載の静圧気体ジャーナル多孔質軸受。
【請求項6】
前記ハウジング部材の突出領域が、前記多孔質部材の後端面よりも後方に位置していることを特徴とする請求項4または請求項5のいずれか1項に記載の静圧気体ジャーナル多孔質軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体により支持対象の側面を非接触状態で支持する静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法および静圧気体ジャーナル多孔質軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
支持対象を面で支持するために、支持対象と対向する多孔質部材と、この多孔質部材を保持するハウジング部材とを備えた流体軸受が知られている。
このような流体軸受の製造方法として、ハウジング(ハウジング部材)に設けられた孔部に潤滑油を浸透した多孔性焼結合金からなる軸受メタル(多孔質部材)を圧入嵌合し、ハウジングの両端を軸受メタルに向けてかしめて軸受メタルを係止することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実願昭47-132519号(実公昭53-22667号)のマイクロフィルム(特に、
図2および
図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した流体軸受の製造方法では、ハウジングに対して軸受メタルが位置決め固定されると共に軸受メタルとハウジングとの間が封止されるものの、ハウジングと当接する軸受メタルの外周面が圧入により塑性変形するため、軸受メタルの外周側の潤滑油を含浸する微細孔が長手方向全長に渡って潰れてしまう。
すなわち、上述した流体軸受の製造方法は、軸受メタルに含浸させた潤滑油によりシャフト(支持対象)の外周面を面支持する動圧流体ジャーナル軸受には適用できるものの、外部の圧縮気体源から供給される圧縮気体を多孔質部材の外周面から取り入れて圧縮気体を多孔質部材の内周面から噴出させて支持対象の側面を非接触状態で支持する静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造には適用できず、ハウジング部材に対する多孔質部材の位置決め固定と、ハウジング部材と多孔質部材との間の封止と、多孔質部材と軸との間に形成される軸受すきまへの気体の供給量の確保とをすべて満たすような静圧気体ジャーナル多孔質軸受を製造することが難しかった。
【0005】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、ハウジング部材に対する多孔質部材の位置決め固定と、ハウジング部材と多孔質部材との間の封止と、多孔質部材と軸との間に形成される軸受すきまへの気体の供給量の確保とを簡単な構造ですべて満たす静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法および静圧気体ジャーナル多孔質軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、外周面から流入した気体を内周面から噴出する円筒状の多孔質部材と、該多孔質部材を内挿すると共に前記多孔質部材へ外部から気体を供給する気体流路を形成した筒状部を有するハウジング部材とを備え、支持対象となる軸の半径方向の荷重を前記多孔質部材から噴出される気体で支持する静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法であって、前記筒状部の前端挿入部分に前記多孔質部材の前端部を圧入する圧入工程と、前記多孔質部材の後端部を遊嵌する前記筒状部の後端挿入部分を塑性変形させて突出領域を形成して該突出領域により前記多孔質部材の後端部を変形させる封止工程とを備えていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法の構成に加えて、前記圧入工程で前記筒状部の後端挿入部分に遊嵌される前記多孔質部材の後端側外周面と後端面とが、傾斜面で接続されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法の構成に加えて、前記ハウジング部材の後端面が、前記多孔質部材の後端面よりも後方に位置し、前記封止工程が、前記ハウジング部材よりも硬い突起部を有して前記ハウジング部材を塑性変形させる加締め型を前記ハウジング部材の後端面に押しつけて実行されることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0009】
請求項4に係る発明は、外周面から流入した気体を内周面から噴出する円筒状の多孔質部材と、該多孔質部材を内挿すると共に前記多孔質部材へ外部から気体を供給する気体流路を形成した筒状部を有するハウジング部材とを備え、支持対象となる軸の半径方向の荷重を前記多孔質部材から噴出される気体で支持する静圧気体ジャーナル多孔質軸受であって、前記ハウジング部材の筒状部が、前記多孔質部材の前端部と圧接する前端挿入部分と、前記多孔質部材の後端部を遊嵌する後端挿入部分と、前記前端挿入部分と前記後端挿入部分との間に形成されると共に前記気体流路を有する中間挿入部分とを有し、前記ハウジング部材の後端挿入部分から前記多孔質部材に向けて突出する突出領域が、前記多孔質部材の後端部に当接していることにより、前述した課題を解決するものである。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載された静圧気体ジャーナル多孔質軸受の構成に加えて、前記ハウジング部材が、一体形成されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項4または請求項5に記載された静圧気体ジャーナル多孔質軸受の構成に加えて、前記ハウジング部材の突出領域が、前記多孔質部材の後端面よりも後方に位置していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の静圧気体ジャーナル多孔質軸受は、支持対象となる軸の半径方向の荷重を多孔質部材から噴出される気体で支持できるとともに、以下のような本発明に特有の効果を奏することができる。
【0013】
請求項1に係る発明の静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法によれば、筒状部の前端挿入部分に多孔質部材の前端部を圧入する圧入工程を備えていることにより、多孔質部材が、前端部でハウジング部材の前端挿入部分と圧接するため、簡単な構造でハウジング部材に対して多孔質部材を位置決め固定することができる。
また、筒状部の前端挿入部分に多孔質部材の前端部を圧入する圧入工程と、多孔質部材の後端部を遊嵌する筒状部の後端挿入部分を塑性変形させて突出領域を形成してこの突出領域により多孔質部材の後端部を変形させる封止工程とを備えていることにより、ハウジング部材の前端挿入部分との圧接により多孔質部材の前端部の外周面周辺に目詰まり層が形成され、ハウジング部材の後端挿入部分から多孔質部材に向けて突出する突出領域により多孔質部材の後端部が変形して多孔質部材の後端部の外周面周辺に目詰まり層が形成されるため、ハウジング部材と多孔質部材との間の封止することができるだけでなく、多孔質部材の前端部および後端部以外の通気層の通気率が、目詰まり層の通気率よりも高くなるため、多孔質部材と軸との間に形成される軸受すきまへの気体の供給量を確保することができる。
したがって、ハウジング部材に対する多孔質部材の位置決め固定と、ハウジング部材と多孔質部材との間の封止と、多孔質部材と軸との間に形成される軸受すきまへの気体の供給量の確保とを簡単な構造ですべて満たすことができる。
【0014】
請求項2に係る発明の静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法によれば、請求項1に係る発明の静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法が奏する効果に加えて、圧入工程で筒状部の後端挿入部分に遊嵌される多孔質部材の後端側外周面と後端面とが、傾斜面で接続されていることにより、封止工程で多孔質部材の後端部を変形させた際に多孔質部材の後端側外周面付近の潰れ代が少なくなるため、多孔質部材の後端側内周面が中心軸側に張り出しにくくなり、静圧気体ジャーナル多孔質軸受と軸との間の軸受すきまを軸受全体に亘って一定に保つことができるだけでなく、多孔質部材の後端側外周面と後端面とが直接接続されている場合に比べて、圧入工程において、多孔質部材の後端部がハウジング部材と接触して削られにくくなるため、多孔質部材とハウジング部材との間に多孔質部材の削り粉が混入しにくくなり、確実に多孔質部材とハウジング部材との間を封止することができ、削り粉に起因するハウジング部材の内径側の変形を抑制することができる。
【0015】
請求項3に係る発明の静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法によれば、請求項1または請求項2に係る発明の静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法が奏する効果に加えて、ハウジング部材の後端面が、多孔質部材の後端面よりも後方に位置し、封止工程が、ハウジング部材よりも硬い突起部を有してハウジング部材を塑性変形させる加締め型をハウジング部材の後端面に押しつけて実行されることにより、加締め型をハウジング部材に押しつけた際に、加締め型が多孔質部材に当接しにくくなるため、加締め型によってハウジング部材を塑性変形させる際に、加締め型の接触による多孔質部材の損傷を防ぐことができる。
【0016】
請求項4に係る発明の静圧気体ジャーナル多孔質軸受によれば、ハウジング部材の筒状部が、多孔質部材の前端部と圧接する前端挿入部分と、多孔質部材を遊嵌する後端挿入部分とを有することにより、多孔質部材が、前端部でハウジング部材の前端挿入部分と圧接するため、簡単な構造でハウジング部材に対して多孔質部材を位置決め固定することができる。
また、ハウジング部材の筒状部が、多孔質部材を遊嵌する後端挿入部分を有し、ハウジング部材の後端挿入部分から多孔質部材に向けて突出する突出領域が、多孔質部材の後端側に当接していることにより、ハウジング部材の前端挿入部分との圧接により多孔質部材の前端部の外周面周辺に目詰まり層が形成され、ハウジング部材の後端挿入部分から多孔質部材に向けて突出する突出領域により多孔質部材の後端部が変形して多孔質部材の後端部の外周面周辺に目詰まり層が形成されるため、ハウジング部材と多孔質部材との間の封止することができるだけでなく、多孔質部材の前端部および後端部以外の通気層の通気率が、目詰まり層の通気率よりも高くなるため、多孔質部材と軸との間に形成される軸受すきまへの気体の供給量を確保することができる。
したがって、ハウジング部材に対する多孔質部材の位置決め固定と、ハウジング部材と多孔質部材との間の封止と、多孔質部材と軸との間に形成される軸受すきまへの気体の供給量の確保とを簡単な構造ですべて満たすことができる。
【0017】
請求項5に係る発明の静圧気体ジャーナル多孔質軸受によれば、請求項4に係る発明の静圧気体ジャーナル多孔質軸受が奏する効果に加えて、ハウジング部材が、一体形成されていることにより、ハウジング部材を分割して形成する場合に比べてハウジング部材の構造が簡単になるため、静圧気体ジャーナル多孔質軸受の構造がより簡単なものになり、気体の漏出箇所を最小限にすることができる。
【0018】
請求項6に係る発明の静圧気体ジャーナル多孔質軸受によれば、請求項4または請求項5に係る発明の静圧気体ジャーナル多孔質軸受が奏する効果に加えて、ハウジング部材の突出領域が、多孔質部材の後端面よりも後方に位置していることにより、ハウジング部材の突出領域が多孔質部材の後端面をより後方から抑えるため、多孔質部材をよりハウジング部材から抜け出しにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図6A】本発明の第1実施例である軸受の製造方法における圧入工程を説明する図。
【
図6C】本発明の第1実施例である軸受の製造方法における封止工程を説明する図。
【
図6D】本発明の第1実施例である軸受の製造方法における封止工程を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、外周面から流入した気体を内周面から噴出する円筒状の多孔質部材と、この多孔質部材を内挿すると共に多孔質部材へ外部から気体を供給する気体流路を形成した筒状部を有するハウジング部材とを備え、支持対象となる軸の半径方向の荷重を多孔質部材から噴出される気体で支持する静圧気体ジャーナル多孔質軸受の製造方法であって、筒状部の前端挿入部分に多孔質部材の前端部を圧入する圧入工程と、多孔質部材の後端部を遊嵌する筒状部の後端挿入部分を塑性変形させて突出領域を形成してこの突出領域により多孔質部材の後端部を変形させる封止工程とを備え、ハウジング部材に対する多孔質部材の位置決め固定と、ハウジング部材と多孔質部材との間の封止と、多孔質部材と軸との間に形成される軸受すきまへの気体の供給量の確保とを簡単な構造ですべて満たすものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
また、本発明は、外周面から流入した気体を内周面から噴出する円筒状の多孔質部材と、この多孔質部材を内挿すると共に多孔質部材へ外部から気体を供給する気体流路を形成した筒状部を有するハウジング部材とを備え、支持対象となる軸の半径方向の荷重を多孔質部材から噴出される気体で支持する静圧気体ジャーナル多孔質軸受であって、ハウジング部材の筒状部が、多孔質部材の前端部と圧接する前端挿入部分と、多孔質部材の後端部を遊嵌する後端挿入部分と、前端挿入部分と後端挿入部分との間に形成されると共に気体流路を有する中間挿入部分とを有し、ハウジング部材の後端挿入部分から多孔質部材に向けて突出する突出領域が、多孔質部材の後端部に当接し、ハウジング部材に対する多孔質部材の位置決め固定と、ハウジング部材と多孔質部材との間の封止と、多孔質部材と軸との間に形成される軸受すきまへの気体の供給量の確保とを簡単な構造ですべて満たすものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0021】
例えば、静圧気体ジャーナル多孔質軸受による支持対象である軸の断面形状は、円形であってもよいし、軸の回転を抑制するために、D字状であってもよいし、2本の直線部分とそれをつなぐ2つの曲線部分とから形成されるようなI字状であってもよい。
なお、軸の断面形状をD字状やI字状とする場合、多孔質部材の軸方向に伸びる貫通孔の断面形状もD字状またはI字状となり、軸の平坦面と対向する位置の多孔質部材の厚みが軸の湾曲面と対向する位置の多孔質部材の厚みより厚くなるため、軸の平坦面と対向する位置から噴出される気体の量を増やすためには、気体流路を軸の平坦面と対向する位置に設けることが好ましい。
【0022】
例えば、本発明の静圧気体ジャーナル多孔質軸受で用いられる気体は、空気であることが好ましいが、その他の気体であってもよい。
【0023】
例えば、本発明の静圧気体ジャーナル多孔質軸受におけるハウジング部材は、一体であることが好ましいが、分割されていてもよい。
【実施例0024】
以下、
図1乃至
図6Bに基づいて、本発明の第1実施例である静圧気体ジャーナル多孔質軸受である軸受100について説明する。
【0025】
<1.本発明の第1実施例である軸受100の構造>
まず、
図1乃至
図4に基づいて、本発明の第1実施例である軸受100の構造を説明する。
図1は本発明の第1実施例である軸受の斜視図であり、
図2は
図1のII-II断面図であり、
図3は
図2のIII拡大図であり、
図4は
図1に示すハウジング部材の断面図である。
【0026】
本発明の第1実施例である軸受100は、支持対象となる軸の半径方向の荷重を外部から供給される空気で支持する静圧気体ジャーナル多孔質軸受である。
そして、この軸受100は、
図1および
図2に示すように、外周面111から流入した気体を内周面112から噴出する円筒状の多孔質部材110と、この多孔質部材110を包囲するハウジング部材120とを備えている。
【0027】
<1.1.多孔質部材>
多孔質部材110には、無数の微細孔が形成され、外周面111と内周面112とが連通している。
したがって、外周面111から流入した圧縮空気は、内周面112から噴出する。
【0028】
そして、この多孔質部材110には、
図2および
図3に示すように、細孔が無数に形成された通気層110Aと、細孔が押し潰されて通気率が通気層110Aよりも低い目詰まり層110Bとが形成されている。
目詰まり層110Bは、多孔質部材110とハウジング部材120とが当接している箇所周辺に形成されている。
具体的には、目詰まり層110Bは、
図2および
図3に示すように、多孔質部材110の前端部113の外周面111周辺と、多孔質部材110の後端部114の外周面111周辺とに形成されている。
【0029】
<1.2.ハウジング部材>
ハウジング部材120は、
図1乃至
図4に示すように、多孔質部材110を内挿する円筒状の筒状部121と、この筒状部121から突出する円環状のフランジ部122とが一体形成された金属部材であり、多孔質部材110よりも硬質になっている。
【0030】
<1.2.1.筒状部>
筒状部121は、
図2に示すように、前端面121aが多孔質部材110の前端面113aと面一になっており、後端面121bが多孔質部材110の後端面114aよりも後方に位置している。
また、前端面121aと内壁面121dとは、
図4に示すように、傾斜面121eによって接続されている。
また、外壁面121cには、
図2等に示すように、Oリングを挿入するための凹溝121c1が後述する気体流路121B1の上下に形成されている。
【0031】
また、この筒状部121は、
図4に示すように、多孔質部材110の前端部113と圧接する前端挿入部分121Aと、中間挿入部分121Bと、多孔質部材110の後端部114を遊嵌する後端挿入部分121Cとから構成されている。
【0032】
前端挿入部分121Aの内径φAは、中間挿入部分121Bの内径φBおよび後端挿入部分121Cの内径φCよりも小さくなっている。
さらに、前端挿入部分121Aの内径φAは、多孔質部材110の外径φよりも僅かに小さくなっている。
【0033】
中間挿入部分121Bは、前端挿入部分121Aと後端挿入部分121Cとの間に形成されている。
中間挿入部分121Bの内径φBは、前端挿入部分121Aの内径φAおよび後端挿入部分121Cの内径φCよりも大きくなっている。
これにより、中間挿入部分121Bと多孔質部材110との間の隙間Gは、
図5に示すように前端挿入部分121Aおよび後端挿入部分121Cと多孔質部材110との間の隙間に比べて大きくなるため、多孔質部材110に供給する空気量を十分に確保することができる。
【0034】
そして、この中間挿入部分121Bには、半径方向に貫通して多孔質部材110へ外部から気体を供給する気体流路121B1が形成されている。
この気体流路121B1は、継手を螺合するための雌ネジ孔となっている。
また、気体流路121B1の入口周辺の外壁面121cは、
図1に示すように、平坦になっている。
【0035】
後端挿入部分121Cの内径φCは、多孔質部材110の外径φよりも僅かに大きくなっている。
さらに、後端挿入部分121Cには、多孔質部材110に向けて突出する突出領域121C1が形成され、この突出領域121C1は、
図3に示すように、多孔質部材110の後端部114に覆い被さるように当接している。
すなわち、突出領域121C1は、多孔質部材110の後端面114aよりも後方に位置していることになる。
【0036】
<1.2.2.フランジ部>
フランジ部122の前端面122aは、
図2に示すように、筒状部121の前端面121aと面一であると共に多孔質部材110の前端面113aとも面一になっている。
また、フランジ部122には、厚み方向(上下方向)に伸びる段付きのボルト挿通孔122bが、円周方向に等間隔に4個形成されている。
【0037】
<2.本発明の第1実施例である軸受100の組込および気体の流れ>
次に、
図1に示す軸受の使用態様図である
図5に基づき、本発明の第1実施例である軸受100の組込および軸の支持について説明する。
【0038】
<2.1.軸受100が組み込まれる装置の要部構造>
まず、
図5に基づき、軸受100が組み込まれる装置の要部について説明する。
【0039】
軸受100が組み込まれる装置の装置側取付部Mには流路Cが形成されており、この流路Cの一端には継手Jが取り付けられている。
継手Jには、不図示の圧縮空気源から延びるチューブTが接続されている。
したがって、流路CにはチューブTおよび継手Jを介して圧縮空気Aが流入する。
【0040】
装置側取付部Mには、軸受100が挿入される軸受取付孔MHが形成されている。
この軸受取付孔MHの直径は、軸受100の筒状部121の外径より少し大きくなっている。
【0041】
さらに、装置側取付部Mには、組み付けボルトBと螺合する雌ネジ穴HSが形成されている。
【0042】
<2.2.軸受の装置への組込>
続いて、
図5に基づき、上述した装置側取付部Mへの軸受100の組込について説明する。
【0043】
軸受100を装置側取付部Mに組み込む際、まず、軸受100の凹溝121c1にOリングRを装着する。
次に、軸受100の気体流路121B1が装置側取付部Mの流路Cと対向する向きで軸受100を装置側取付部Mの軸受取付孔MHに挿入する。
次に、組み付けボルトBを軸受100のボルト挿通孔122bに挿通して組み付けボルトBを雌ネジ穴HSと螺合させることで、軸受100が装置側取付部Mに組み込まれる。
軸受100が装置側取付部Mに組み込まれた際、OリングRが装置側取付部Mとの当接により潰れ、軸受100と装置側取付部Mとの間の隙間から圧縮空気Aが漏出しないようになっている。
【0044】
<2.3.軸受による軸の支持>
続いて、
図5に基づき、上述の装置側取付部Mに組み込まれた軸受100による軸の支持について説明する。
【0045】
軸受100が装置側取付部Mに組み込まれた状態において、軸受100に軸Sを挿通する。
この状態で、圧縮空気Aが装置に供給されると、圧縮空気Aは流路Cおよび軸受100の気体流路121B1を通って多孔質部材110とハウジング部材120との間の隙間Gに供給される。
このとき、多孔質部材110の前端部113に目詰まり層110Bが形成されているため、多孔質部材110の前端部113とハウジング部材120との間が封止され、多孔質部材110の前端部113とハウジング部材120との間から圧縮空気Aが漏出しにくくなっている。
同様に、多孔質部材110の後端部114とハウジング部材120の突出領域121C1との間にも目詰まり層110Bが形成されているため、多孔質部材110の後端部114とハウジング部材120との間が封止され、多孔質部材110の後端部114とハウジング部材120との間から圧縮空気Aが漏出しにくくなっている。
したがって、装置側取付部Mの流路Cから供給される圧縮空気Aは、多孔質部材110の通気層110A内に充満される。
【0046】
多孔質部材110の通気層110A内に充満された圧縮空気Aは、内周面112、前端面113a、後端面114aから噴出される。
内周面112から溢れ出る圧縮空気Aが軸受100と軸Sとの間の軸受すきまH内に満たされることで、軸Sの外周面が圧縮空気Aにより非接触状態で支持される。
なお、多孔質部材110の通気層110A内に充満された圧縮空気Aが前端面113aおよび後端面114aからも噴出されることで、軸受すきまHに充満される圧縮空気Aの圧縮性に起因する気体軸受に特有の自励振動(ニューマチックハンマー)が起こりにくくなっている。
【0047】
<3.軸受100の製造方法>
次に、
図6A乃至
図6Dに基づき、軸受100の製造方法について説明する。
図6Aは本発明の第1実施例である軸受の製造方法における圧入工程を説明する図であり、
図6Bは
図6AのVIB拡大図であり、
図6Cは本発明の第1実施例である軸受の製造方法における封止工程を説明する図であり、
図6Dは本発明の第1実施例である軸受の製造方法における封止工程を説明する図である。
【0048】
まず、
図6Aに示すように、フランジ部122が平坦な組立面Fに当接するようにハウジング部材120を平坦な組立面Fに載置する。
ここで、
図6Bに示すように、多孔質部材110の後端側外周面111aは、面取りされている。
すなわち、多孔質部材110の後端側外周面111aと後端面114aとは、傾斜面115によって接続されている。
また、ハウジング部材120の前端面121aと内壁面121dとは、傾斜面121eによって接続され、後端面121bと内壁面121dとは、直接接続され、略直交している。
【0049】
(圧入工程)
この状態から、多孔質部材110を後端挿入部分121Cからハウジング部材120に挿入する。
ハウジング部材120の後端挿入部分121Cの内径φC、中間挿入部分121Bの内径φBはいずれも多孔質部材110の外径φより大きいため、多孔質部材110はハウジング部材120の後端挿入部分121C、中間挿入部分121Bに対しては遊嵌状態となっている。
しかしながら、ハウジング部材120の前端挿入部分121Aの内径φAは多孔質部材110の外径φより僅かに小さいことから、ハウジング部材120の前端挿入部分121Aに対して多孔質部材110の前端部113を圧入することで、多孔質部材110がハウジング部材120の前端挿入部分121Aに挿入される。
この圧入により、多孔質部材110の前端部113の外周面111の周辺に目詰まり層110Bが形成される共に、
図6Cに示すように、多孔質部材110がハウジング部材120に対して位置決め固定される。
【0050】
(封止工程)
この状態から
図6Cに示すように、下方に向けて突出する突起部CT1を有する加締め型CTを軸受100の後端側から軸受100に向かって押し込む。
突起部CT1は、円環状であり、その断面形状は、
図6Cに示すように、外周側垂直辺CT1aと、内周側傾斜辺CT1bとから形成される直角三角形状である。
そして、突起部CT1の先端と軸受100と対向するベース面との距離は、突起部CT1の外側と内側で異なっており、突起部CT1の外側における突起部CT1の高さ(突起部CT1の先端と軸受100と対向する外側ベース面CT2との距離)Hoは、突起部CT1の内側における突起部CT1の高さ(突起部CT1の先端と軸受100と対向する内側ベース面CT3との距離)Hiよりも大きくなっている。
さらに、突起部CT1の内側における突起部CT1の高さHiは、
図6Dに示すように、ハウジング部材120の後端面121bから多孔質部材の後端面114aまでの距離hよりも、小さくなっている。
また、突起部CT1と内側ベース面CT3とは、
図6Cに示すように、曲面CT4で接続されている。
【0051】
加締め型CTがハウジング部材120より硬質の材料で形成されているため、ハウジング部材120に加締め型CTが押し込み、加締め型CTをハウジング部材120の後端面121bに押しつけると、
図6Dに示すように、ハウジング部材120の後端挿入部分121Cが加締め型CTの突起部CT1の形状に合わせて塑性変形し、突起部CT1の内周側傾斜辺CT1bに沿って突出領域121C1が形成される。
そして、ハウジング部材120が多孔質部材110よりも硬質であるため、突出領域121C1の形成により多孔質部材110の後端部114が押圧され、多孔質部材110のハウジング部材120の突出領域121C1と当接する部分が潰されて変形し、目詰まり層110Bが形成される。
なお、多孔質部材110の後端側外周面111aと後端面114aとが、
図6Bに示すように、傾斜面115で接続されていることにより、封止工程で多孔質部材110の後端部114を変形させた際に多孔質部材110の後端側外周面111a付近の潰れ代が少なくなるため、多孔質部材110の後端側内周面112a(
図6D参照)が中心軸Ax(
図6C参照)側に張り出しにくくなっている。
また、多孔質部材110の後端側外周面111aと後端面114aとが、
図6Bに示すように、傾斜面115で接続されていることにより、多孔質部材の後端側外周面と後端面とが直接接続されている場合に比べて、圧入工程において、多孔質部材110の後端部114がハウジング部材120と接触して削られにくくなるため、多孔質部材110とハウジング部材120との間に多孔質部材110の削り粉が混入しにくくなっていると共に削り粉に起因するハウジング部材120の内径側の変形が発生しにくくなっている。
【0052】
<1.5.本実施例の作用効果>
上述した本実施例である軸受100の製造方法によれば、筒状部121の前端挿入部分121Aに多孔質部材110の前端部113を圧入する圧入工程を備えていることにより、多孔質部材110が、前端部113でハウジング部材120の前端挿入部分121Aと圧接するため、簡単な構造でハウジング部材120に対して多孔質部材110を位置決め固定することができるだけでなく、接着による位置決めよりも高精度に位置決め固定することができる。
また、筒状部121の前端挿入部分121Aに多孔質部材110の前端部113を圧入する圧入工程と、多孔質部材110の後端部114を遊嵌する筒状部121の後端挿入部分121Cを塑性変形させて突出領域121C1を形成してこの突出領域121C1により多孔質部材110の後端部114を変形させる封止工程とを備えていることにより、ハウジング部材120の前端挿入部分121Aとの圧接により多孔質部材110の前端部113の外周面111周辺に目詰まり層110Bが形成され、ハウジング部材120の後端挿入部分121Cから多孔質部材110に向けて突出する突出領域121C1により多孔質部材110の後端部114が変形して多孔質部材110の後端部114の外周面111周辺に目詰まり層110Bが形成されるため、ハウジング部材120と多孔質部材110との間の封止することができるだけでなく、多孔質部材110の前端部113および後端部114以外の通気層110Aの通気率が、目詰まり層110Bの通気率よりも高くなるため、多孔質部材110と軸Sとの間に形成される軸受すきまHへの気体の供給量を確保することができる。
したがって、ハウジング部材120に対する多孔質部材110の位置決め固定と、ハウジング部材120と多孔質部材110との間の封止と、多孔質部材110と軸Sとの間に形成される軸受すきまHへの気体の供給量の確保とを簡単な構造ですべて満たすことができる。
さらに、上述した封止工程により多孔質部材110の後端部114の封止を行うことにより、ハウジング部材120と多孔質部材110の熱膨張率を考慮する必要が無いため、焼き嵌めや冷やし嵌めでは実現できないような小型の静圧気体ジャーナル多孔質軸受を作成することができる。
【0053】
上述した本実施例である軸受100によれば、ハウジング部材120の筒状部121が、多孔質部材110の前端部113と圧接する前端挿入部分121Aと、多孔質部材110を遊嵌する後端挿入部分121Cとを有することにより、多孔質部材110が、前端部113でハウジング部材120の前端挿入部分121Aと圧接するため、簡単な構造でハウジング部材120に対して多孔質部材110を位置決め固定することができる。
また、ハウジング部材120の筒状部121が、多孔質部材110を遊嵌する後端挿入部分121Cを有し、ハウジング部材120の後端挿入部分121Cから多孔質部材110に向けて突出する突出領域121C1が、多孔質部材110の後端側に当接していることにより、ハウジング部材120の前端挿入部分121Aとの圧接により多孔質部材110の前端部113の外周面111周辺に目詰まり層110Bが形成され、ハウジング部材120の後端挿入部分121Cから多孔質部材110に向けて突出する突出領域121C1により多孔質部材110の後端部114が変形して多孔質部材110の後端部114の外周面111周辺に目詰まり層110Bが形成されるため、ハウジング部材120と多孔質部材110との間の封止することができるだけでなく、多孔質部材110の前端部113および後端部114以外の通気層110Aの通気率が、目詰まり層110Bの通気率よりも高くなるため、多孔質部材110と軸Sとの間に形成される軸受すきまHへの気体の供給量を確保することができる。
したがって、ハウジング部材120に対する多孔質部材110の位置決め固定と、ハウジング部材120と多孔質部材110との間の封止と、多孔質部材110と軸Sとの間に形成される軸受すきまHへの気体の供給量の確保とを簡単な構造ですべて満たすことができる。
【0054】
また、ハウジング部材120が、一体形成されていることにより、ハウジング部材120を分割して形成する場合に比べてハウジング部材120の構造が簡単になるため、軸受100の構造がより簡単なものになり、気体の漏出箇所を最小限にすることができる。
【0055】
また、ハウジング部材120の突出領域121C1が、多孔質部材110の後端面114aよりも後方に位置していることにより、ハウジング部材120の突出領域121C1が多孔質部材110の後端面114aをより後方から抑えるため、多孔質部材110をよりハウジング部材120から抜け出しにくくすることができる。
【0056】
また、
図6Aに示すように、ハウジング部材120の後端面121bと外壁面121cとは、傾斜面121fによって接続されている。
これにより、筒状部121の後端の外径が前端側に比べて小さくなるため、加締め型CTをハウジング部材120に押し込んで筒状部121が塑性変形する際、筒状部121の拡径量を少なくすることができる。
例えば、上述した実施例において、軸受への圧縮空気の供給は、装置側取付部Mの流路Cから行われていたが、軸受のハウジング部の気体流路に直接継手を螺合させて、不図示の圧縮空気源から延びるチューブTを継手に接続させてもよい。
例えば、上述した第1実施例において、フランジ部122には厚み方向に伸びる段付きのボルト挿通孔122bが、円周方向に等間隔に4個形成されていたが、フランジ部122に形成されるボルト挿通孔122bの個数は4個に限定されるものではない。
例えば、上述した第2実施例において、装置側取付部Mへの軸受200の組み込みは、装置側取付部Mから軸受200にネジを挿通し、ネジ穴221a1でネジを螺合させることにより行っていたが、軸受200を装置側取付部Mに直接圧入してもよい。
軸受200を圧入固定する場合、軸受200にネジ穴を設けなくてもよく、また、Oリングも不要である。
例えば、上述した実施例における突出領域121C1の形状は一例にすぎず、加締め型CTの形状次第により、様々な形状となるが、多孔質部材110の後端部114の外周面111周辺に目詰まり層110Bを形成することができれば、突出領域121C1の形状はいかなるものであってもよい。