(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047641
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】吐出具、吐出具付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/34 20060101AFI20230330BHJP
【FI】
B65D47/34 110
B65D47/34 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156671
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】豆田 正和
(72)【発明者】
【氏名】安藤 達也
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB05
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB02
3E084DA01
3E084DB12
3E084GA01
3E084GB01
3E084KB01
3E084LB01
3E084LB10
3E084LC01
3E084LD22
3E084LG06
(57)【要約】
【課題】吐出機構を備えた容器に収容された内容物を、前記付着具に簡単に付着させることができる吐出具、及び該吐出具が取付けられる吐出具付き容器を提供する。
【解決手段】吐出機構から吐出された内容物を溜めるべく頂部側が開口した有底筒状に形成され、吐出された前記内容物を内部へ導くための導孔が形成された受部を有し、該受部は、溜まっている内容物を付着させるための付着具であって、使用者が把持する把持部と、該把持部の先端に形成されて内容物を付着させる付着部とを備える付着具の前記付着部が押し当て可能で、かつ、該押し当てた状態で前記押動作が可能に構成され、前記受部の底部の中央部に配置される押当部と、押当部と受部の内面との間において、吐出された前記内容物が溜まるように形成され、かつ、前記付着具の付着部に前記内容物を付着させるべく、該付着部を挿入して沿わせることができる凹部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する有底筒状で、頂部に口部が形成された容器本体と、該口部に装着され、前記頂部側から底部側への押動作で前記内容物を吐出する吐出機構とを備える容器に装着される吐出具であって、
前記吐出機構から吐出された前記内容物を溜めるべく頂部側が開口した有底筒状に形成され、吐出された前記内容物を内部へ導くための導孔が形成された受部を有し、
該受部は、溜まっている前記内容物を付着させるための付着具であって、使用者が把持する把持部と、該把持部の先端に形成されて前記内容物を付着させる付着部とを備える付着具の前記付着部が押し当て可能で、かつ、該押し当てた状態で前記押動作が可能に構成され、前記受部の底部の中央部に配置される押当部と、
該押当部と前記受部の内面との間において、吐出された前記内容物が溜まるように形成され、かつ、前記付着具の前記付着部に前記内容物を付着させるべく、該付着部を挿入して沿わせることができる凹部と、を備える吐出具。
【請求項2】
前記凹部は、頂部と底部とを通る高さ方向を中心として、前記押当部の周囲全周に亘って形成される請求項1に記載の吐出具。
【請求項3】
前記受部の内面は、前記有底筒状の内面を画定する主面と、該主面に対して外向きに凹設され、前記押当部に対して底部側の位置から頂部側へ前記主面に沿って延びる溝面とを有し、
前記凹部は、前記溝面によって構成される請求項1に記載の吐出具。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の吐出具を備える吐出具付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器から内容物を吐出する際に使用される吐出具と、該吐出具を備える吐出具付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来公知の吐出具が取り付けられた吐出具付き容器として、特許文献1記載の受皿付きポンプ容器が存在している。この受皿付きポンプ容器は、内容物が収容された容器本体と、管状のステムの押込みにより前記容器本体に収容された前記内容物を前記ステムから吐出するポンプと、受皿とを備え、該受皿は、中央部が下方側に向けて凹むように湾曲した円形の皿状に形成される受皿本体であって、上面が受面となっており、また、前記受面に対して下方側に向けて凹む凹部が設けられる受皿本体と、該受皿本体の下面に、前記ステムの上端に外周面側から嵌合することにより前記ステムに装着される内周壁であって、内側は、一端において前記ステムの開口に連通するとともに他端は前記凹部の底面の中央部分に開口している連絡路となっている内周壁と、前記凹部の前記底面に設けられる前記連絡路の開口の上方に所定の間隔をあけて配置される板体とを備え、前記板体と前記凹部の内周面との間に、吐出口が区画形成されている。
【0003】
このような構成の前記受皿付きポンプ容器から前記内容物を吐出させるには、前記吐出口を塞ぐようにコットンやパフなどの塗布用具を前記受皿に載せ、前記受皿を下方に向けて押圧する。前記受皿が押圧されると、前記ステムが下降して前記ポンプが駆動され、前記内容物が前記ステムから吐出され、前記ステムから吐出された前記内容物は、前記連通路を通して前記凹部の内部に供給され、そこから前記板体と前記凹部の底面との間の空間を径方向外側に流れて、前記吐出口から外部に吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、耳中の炎症を抑えるため、例えば綿棒に液状の薬剤を塗布し、該薬剤を塗布した前記綿棒を耳中に挿入し、炎症している箇所に薬剤を塗るという方法がある。この場合、予め、前記薬剤を前記綿棒に塗布しておく必要がある。
【0006】
しかし、上記特許文献1記載の前記受皿付きポンプ容器で前記内容物である薬剤を吐出して、前記綿棒に塗布する際には、吐出した前記薬剤が皿状の前記受皿本体に広がるように溜まるため、液体を取りにくかった。なお、このような問題は耳中の炎症を抑える場合だけでなく、例えば、鼻中といったように人の手の届かない範囲の炎症を抑える際や、綿棒を用いて人以外に内容物を塗布する際も同様であった。また、綿棒を使用する場合だけに限られず、例えば、傷口の消毒のために、ピンセットで保持された球状の脱脂綿に消毒液を塗布する際などのように、把持部と、該把持部の先端に前記内容物を付着させる付着部とを備える付着具を用いる場合全般においても同様であった。
【0007】
そこで、本発明は、吐出機構を備えた容器に収容された内容物を、前記付着具に簡単に付着させることができる吐出具、及び該吐出具を備える吐出具付き容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、内容物を収容する有底筒状で、頂部に口部が形成された容器本体と、該口部に装着され、前記頂部側から底部側への押動作で前記内容物を吐出する吐出機構とを備える容器に装着される吐出具であって、前記吐出機構から吐出された前記内容物を溜めるべく頂部側が開口した有底筒状に形成され、吐出された前記内容物を内部へ導くための導孔が形成された受部を有し、該受部は、溜まっている前記内容物を付着させるための付着具であって、使用者が把持する把持部と、該把持部の先端に形成されて前記内容物を付着させる付着部とを備える付着具の前記付着部が押し当て可能で、かつ、該押し当てた状態で前記押動作が可能に構成され、前記受部の底部の中央部に配置される押当部と、該押当部と前記受部の内面との間において、吐出された前記内容物が溜まるように形成され、かつ、前記付着具の前記付着部に前記内容物を付着させるべく、該付着部を挿入して沿わせることができる凹部と、を備える吐出具である。
【0009】
前記構成の本発明によれば、容器に装着された本発明の吐出具に対し、前記付着具の付着部を前記押当部に押し当て、頂部側から底部側へ押動作することで、前記吐出機構から吐出した内容物が前記導孔を介して前記受部の凹部に溜まり、前記付着部を前記凹部に挿入して沿わすように動かすことにより、前記付着部に内容物を付着させることができる。
【0010】
また、本発明では、前記凹部は、頂部と底部とを通る高さ方向を中心として、前記押当部の周囲全周に亘って形成されていてもよい。
【0011】
前記構成によれば、前記押当部の周囲全周に前記付着具の付着部を沿わせて動かすことで、前記付着部に内容物を付着させることができる。
【0012】
また、本発明では、前記受部の内面は、前記有底筒状の内面を画定する主面と、該主面に対して外向きに凹設され、前記押当部に対して底部側の位置から頂部側へ前記主面に沿って延びる溝面とを有し、前記凹部は、前記溝面によって構成されていてもよい。
【0013】
前記構成によれば、前記凹部が前記溝面によって構成されているため、前記押当部の底部側の位置から前記溝面に沿って前記付着部を沿わせることで、前記付着部に内容物を付着させることができる。
【0014】
また、本発明は、前記した吐出具を備える吐出具付き容器である。
【発明の効果】
【0015】
以上、本発明によれば、吐出機構を備えた容器に収容された内容物を、付着具に簡単に付着させることができる吐出具、及び該吐出具を備える吐出具付き容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の第一実施形態に係る吐出具を備えた吐出具付き容器の斜視図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係る吐出具の平面図である。
【
図5】
図5は、第二実施形態に係る吐出具の平面図である。
【
図7】
図7は、第三実施形態に係る吐出具の平面図である。
【
図9】
図9は、第四実施形態に係る吐出具の平面図である。
【
図12】
図12は、第五実施形態に係る吐出具の平面図である。
【
図14】
図14は、第六実施形態に係る吐出具の平面図である。
【
図16】
図16は、第七実施形態に係る吐出具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の第一実施形態について図面に基づいて説明する。
【0018】
以下の説明に際しては、容器10の頂部22と容器底部20を通る方向を「高さ方向Y」と、該高さ方向Yと直交する方向を「径方向X」と、高さ方向Yを中心まわりとする方向を「周方向Z」と称する。なお、径方向Xは、互いに直交する「第一径方向X1」と「第二径方向X2」とを有している。よって、第一径方向X1及び第二径方向X2は、高さ方向Yに直交している。
【0019】
図1には、本発明の吐出具付き容器1が示されている。この吐出具付き容器1は、収容する内容物(例えば、液体や泡、クリーム、ジェルなどの流動物)を吐出する機能を有している。吐出具付き容器1は、容器10と、該容器10に装着される吐出具4とを備える。なお、
図1に示すように、本実施形態の吐出具付き容器1は、上記構成に加えて、吐出具4を頂部側及び外径側から覆うキャップ7を備えている。
【0020】
図1に示すように、容器10は、内容物を収容すべく有底筒状に構成される容器本体2と、内容物を吐出する吐出機構3とを備える。容器本体2は、容器10の底となる容器底部20と、容器底部20から頂側に起立する容器胴部21とを備える。また、容器本体2は、頂側に配置される頂部22が開口することで、口部(図示しない)が形成されている。そのため、口部を介して容器本体2内に内容物が収容されている。なお、
図1に示すように、本実施形態の容器本体2は、円筒状に構成されている。
【0021】
吐出機構3は、容器本体2の口部に装着されている。この吐出機構3は、頂部22側から容器底部20側への押動作で容器本体2内の内容物を吐出する。本実施形態の吐出機構3は、頂側から底側への押込み操作が可能に構成され、容器本体2内の内容物を吐出する吐出口を有する吐出操作部30(
図3参照)と、吐出操作部30が押込み操作されることで内容物を吸い上げるように駆動する吐出駆動部(図示しない)と、容器本体2の口部に装着される吐出装着部31とを備える。本実施形態の吐出操作部30は、高さ方向Yに延びる筒状に構成され、先端が開口することで吐出口が形成されている。また、本実施形態の吐出操作部30は、容器10の高さ方向Yの中心軸線(図示しない)上に配置されている。さらに、本実施形態の吐出操作部30は、後述する内装部61に内嵌できる大きさに設定されている。具体的に、
図3に示すように、筒状の吐出操作部30では、内装部61に内嵌されるべく、頂側の端部30aのうち、頂末端部30bが径方向で短く構成されることにより、径方向Xの差分として、段差部30cが形成されている。本実施形態では、この段差部30cが、後述する吐出具4によって頂側から底側に押圧されることで、吐出操作部30は押込み操作される。吐出駆動部は、吐出操作部30の底側に配置され、吐出操作部30が底側へ押し込まれることで内容物を吸い上げるように構成されている。吐出装着部31は、容器本体2の口部に外嵌し、頂部22に螺合することで容器本体2に装着される。
【0022】
吐出具4は、内容物を収容する容器10に装着され、容器10から内容物を吐出する際に使用される。
図1に示すように、本実施形態の吐出具4は、吐出機構3から吐出された内容物を溜める受部5と、吐出機構3に装着される装着部6とを備える。受部5は、頂部側が開口した有底筒状に形成されている。
図3に示すように、本実施形態の受部5は、受部本体50と、押当部51とを備える。
【0023】
受部本体50は、吐出した内容物を溜めるための部分である。受部本体50は、有底筒状に形成されている。ここで、
図1に示すように、本実施形態の受部5は、装着部6から頂部側に起立する円筒状に構成されている。そのため、本実施形態の受部本体50は円筒状である。また、
図3、4に示すように、本実施形態の受部本体50は、径方向Xの大きさ(直径)が装着部6よりも小さく、吐出操作部30よりも大きく構成されている。この受部本体50は、該受部本体50の底を構成する底部50aと、径方向Xで内容物を受ける起立部500とを備える。
【0024】
図3に示すように、底部50aは、頂部側の面を受部本体50の底面50bとして、径方向Xに広がっている。
図2に示すように、本実施形態の底部50aは、平面視で円形状に形成されている。そのため、底面50bは円形状である。ここで、本実施形態では、底面50bから後述する起立部500や押当部51が頂部側に起立している。また、本実施形態の底面50bは、径方向Xに沿う平面として構成されている。
【0025】
図2~4に示すように、底部50aには、吐出機構3から吐出した内容物を受部5内(内部)へ導くための導孔50cが形成される。すなわち、底部50aには、高さ方向Yの中心軸線まわりに、導孔50cを規定する底周面50dが形成される。これにより、導孔50cは、底部50aを高さ方向Yに貫通している。また、本実施形態の底周面50dは、高さ方向Yの中心軸線に沿うように形成されている。そのため、本実施形態の導孔50cは、径方向Xの長さが高さ方向Yにおいて一定である。よって、導孔50cを介して受部5内に内容物を導く際には、底周面50dに沿って、内容物が高さ方向Yの頂部側に流れる。なお、本実施形態では、導孔50cの高さ方向Yで、一定量の内容物を受部5内に導くことができる。
【0026】
上述した通り、導孔50cは、底部50aを高さ方向Yに貫通している。そのため、導孔50cは、高さ方向Yの長さが底部50a(具体的には、底周面50d)の高さ方向Yの長さと同じである。また、導孔50cは、高さ方向Yの中心軸線を中心として構成されている。そのため、本実施形態の導孔50cは、底部50a(底面50b)の中央部に形成されている。そして、
図2に示すように、本実施形態の導孔50cは、平面視において、円形状の孔として構成されている。さらに、
図3、4に示すように、本実施形態の導孔50cは、径がφAとする孔として構成されている。なお、本実施形態では、底周面50dの底部側が面取りされることにより、導孔50cの底部側が径方向Xで広がるように形成されている。
【0027】
起立部500は、底面50bから頂部側に起立している。また、起立部500は、底面50bから筒状に起立している。すなわち、
図3、4に示すように、本実施形態の起立部500は、円形状の底部50aの外径全周に沿うように起立している。そのため、起立部500は円筒状である。また、本実施形態の起立部500は、一度の押動作によって吐出機構3から吐出された内容物が受部本体50から溢れないよう、高さ方向Yの長さが設定されている。起立部500は、底面50bから高さ方向Yに連続する第一起立部501と、該第一起立部501よりも頂部側に配置されている第二起立部503とを備える。
【0028】
第一起立部501は、底面50bから頂部側に起立している。本実施形態の第一起立部501は、頂部側に延びるにつれて、径方向Xの長さが長くなるように構成されている。具体的には、
図3、4に示すように、第一起立部501のうち、径方向Xで内向きに配置される第一起立面502は、頂部側に進むにつれて、径方向Xで外向きに凸となるように湾曲する湾曲面として構成されている。また、
図3に示すように、本実施形態では、第一径方向X1において、第一起立面502が底面50bと連続している。
【0029】
第二起立部503は、第一起立部501から頂部側に起立している。
図3、4に示すように、本実施形態の第二起立部503では、径方向Xで内向きに配置される第二起立面504が、高さ方向Yに沿うように構成されている。そのため、径方向Xで対向する第二起立面504同士の距離が、受部本体50の内径φBとして規定される。なお、本実施形態の第二起立面504は、第一起立面502から頂部側に面一に連続している。加えて、
図3、4に示すように、本実施形態の第二起立部503は、受部5の頂部を構成する起立頂部505を有する。
図2に示すように、この起立頂部505は、周方向Zに沿う円環形状に構成されている。さらに、本実施形態の起立頂部505は、径方向Xに沿う。なお、本実施形態の第二起立部503では、第二起立面504と起立頂部505の連結部分が面取りされている。
【0030】
上述した通り、受部5は、吐出機構3から吐出された内容物を溜めるべく、頂部側が開口する有底筒状に構成されている。そのため、受部5は、吐出された内容物を該受部5内で受けて溜めるための内面5aを有する。本実施形態の内面5aは、底面50b、第一起立面502及び第二起立面504から構成されている。即ち、
図3、4に示すように、本実施形態の内面5aは、底部50aの中央部に形成される導孔50cから径方向Xの外側に、径方向Xに沿う平面として構成される底面50bと、該底面50bに連続し、頂部側に進むにつれて、径方向Xの外向きに湾曲する湾曲面として構成される第一起立面502と、該第一起立面502から高さ方向Yに沿って頂部側に起立する第二起立面504とを備える。よって、本実施形態の内面5aは、導孔50cから径方向Xの外側に広がり、且つ頂部側に起立している。したがって、本実施形態の内面5aでは、底面50bで底部側から内容物を受け、第一起立面502と第二起立面504とで径方向Xの外側から内容物を受けることができる。
【0031】
押当部51は、受部本体50に溜まっている内容物を付着させるための付着具で押し当てられるための部分である。ここで、
図3、4に示すように、付着具(採番しない)は、使用者が把持する把持部(採番しない)と、該把持部の先端に形成される付着部A1とを備える。付着部A1は、内容物を付着するのに適した材質(例えば、脱脂綿)で構成されている。そのため、付着具では、付着部A1に内容物を付着させる。付着具としては、例えば、棒状の把持部の先端に付着部A1としての脱脂綿が巻き付けられた綿棒や、把持部としてのピンセットと該ピンセットで把持される脱脂綿とで構成されたものが挙げられる。
【0032】
押当部51は、底部50aの中央部に配置されている。
図4に示すように、本実施形態の押当部51は、底部50aから頂側に起立している一対の押当脚部51a,51aと、一対の押当脚部51a,51aをつなぐ押当本体部510とを備える。そのため、本実施形態の押当部51は、径方向X(具体的には、第一径方向X1)から見た状態で、アーチ状に構成されている。一対の押当脚部51a,51aは、導孔50cまわりで、周方向Zに所定間隔をあけて複数配置されている。
図4に示すように、本実施形態において、一対の押当脚部51a,51aは、第二径方向X2で対向配置されている。ここで、一対の押当脚部51a,51aは、同一の構成である。よって、以下では、一方の押当脚部51aについて説明し、それを他方の押当脚部51aに兼用する。押当脚部51aは、底面50bから頂部側に起立している。押当脚部51aは、径方向Xの内側に配置される押当脚内面51bと、径方向Xの外側に配置される押当脚外面51dと、押当脚内面51bと押当脚外面51dとに連続する押当脚側面51c,51cとを備える。
【0033】
図3、4に示すように、本実施形態の押当脚部51aでは、径方向Xの内側に配置される押当脚内面51bが、高さ方向Yにおいて、底周面50dと面一に連続している。そのため、押当脚内面51bは、周方向Zで湾曲する湾曲面として構成されている。また、本実施形態の押当脚内面51bは、高さ方向Yの中心軸線に沿う。そのため、
図4に示すように、本実施形態において、一対の押当脚部51a,51a(一対の押当脚内面51b,51b)は、φAの間隔で対向配置されている。よって、底周面50dに沿って高さ方向Yに流れる内容物は、押当脚内面51bにも沿う。なお、本実施形態では、一対の押当脚部51a,51aが第二径方向X2で対向配置しているため、
図4には、一対の押当脚部51a,51aの間としての隙間Sが示されている。この隙間Sは、第一径方向X1にある。
【0034】
押当脚側面51c,51cは、押当脚内面51bと後述する押当脚外面51dとの間に配置されている。この押当脚側面51c,51cは、押当脚内面51bと押当脚外面51dとに連続している。
図2に示すように、本実施形態の押当脚側面51c,51cは、第二径方向X2に沿うように構成されている。そのため、本実施形態の押当脚部51aは、第二径方向X2の導孔50cと起立部500の間において、第一径方向X1の長さAが一定である。本実施形態の押当脚側面51cは、高さ方向Yに沿うように構成されている。なお、
図3に示すように、本実施形態の押当部51において、押当脚側面51c,51c同士の第一径方向X1の距離(即ち、押当脚部51aの第一径方向X1の長さA)は、φAよりも短く構成されている。
【0035】
押当脚外面51dは、径方向Xで押当脚内面51bと対向するように、底面50bから起立している。この押当脚外面51dは、押当脚内面51bよりも径方向Xの外側に配置される。
図2に示すように、本実施形態の押当脚外面51dは、押当脚側面51c、51c同士の間を、第一径方向X1に延びる。具体的に、押当脚外面51dは、一方の押当脚側面51cから他方の押当脚側面51cに延びるにつれて、押当脚内面51bから第二径方向X2に離れる湾曲面として構成されている。よって、押当脚外面51dは、径方向Xの外向きに凸の湾曲面である。なお、
図4に示すように、本実施形態の押当部51において、
図2に示す押当脚外面51d,51d同士の第二径方向X2の距離Bは、φAよりも長く構成されている。
【0036】
押当本体部510は、径方向Xに配置されている。
図3、4に示すように、本実施形態の押当本体部510は、一対の押当脚部51a,51aよりも頂部側に配置されている。この押当本体部510は、一対の押当脚部51a,51aに跨るように配置されている。そのため、
図4に示すように、押当本体部510のうち、底部側に配置される押当底面511は、一対の押当脚内面51b,51bの間に延びる。よって、押当底面511は、一対の押当脚内面51b,51bの間や、底周面50dにより構成される導孔50cを頂部側から覆う。この押当底面511は、導孔50cを介して、高さ方向Yに吐出された内容物が当たって、該内容物を径方向Xに散らすように構成されている。なお、本実施形態の押当底面511は、径方向Xに沿う平面として構成されている。
【0037】
図3、4に示すように、押当本体部510は、頂部側の面が押当頂面512として構成されている。そのため、本実施形態では、押当頂面512が付着部A1で押し当てられる。よって、押当頂面512は、付着部A1が押し当て可能に構成されている。なお、本実施形態の押当頂面512は、径方向Xに沿う平面として構成されている。
【0038】
図3に示すように、本実施形態の押当本体部510は、第一径方向X1の両側それぞれに、高さ方向Yに延びる一対の押当側面514,514を備える。本実施形態の押当側面514は、押当底面511と押当頂面512との間を延びている。また、押当側面514は、押当脚側面51cと面一となるように高さ方向Yに延び、頂部側が径方向Xで内向きに湾曲する湾曲面として構成されている。
【0039】
図2に示すように、本実施形態の押当本体部510は、第二径方向X2の両側に、押当連続面513を備える。この押当連続面513は、高さ方向Yで、押当脚外面51dと押当頂面512とに連続している。すなわち、本実施形態の押当連続面513は、押当脚外面51dから頂部側に進むにつれて、頂部側かつ径方向Xの外向きに凸となる湾曲面として構成されている。そのため、押当部51の第二径方向X2(長さ方向)の両端部における外面は、湾曲した面取り形状に構成されている。また、押当連続面513は、径方向Xで、一対の押当側面514,514に連続している。本実施形態の押当連続面513は、一方の押当側面514から他方の押当側面514に進むにつれて、径方向Xの外側に湾曲する湾曲面として構成されている。
【0040】
上述した通り、本実施形態では、押当脚側面51c,51c同士の第一径方向X1の距離は、φAよりも短く構成されている。そして、押当側面514は、押当脚側面51cと面一となるように高さ方向Yに延びる。さらに、押当脚外面51d,51dの第二径方向X2の距離は、φAよりも長く構成されている。このことから、本実施形態の押当部51は、第一径方向X1と第二径方向X2での長さが異なるように構成されている。具体的には、押当部51は、第二径方向X2の距離としての長さがφAよりも長く、第一径方向X1の距離としての幅がφAよりも短く構成されている。さらに、
図3,4に示すように、この押当部51では、底面50bから押当頂面512までの距離が高さとして規定されている。本実施形態の押当部51は、高さ方向Yで、起立部500の高さよりも低い。具体的に、押当部51は、第二起立部503よりも底側に配置されている。なお、本実施形態では、底面50bから押当頂面512までの距離が、押当頂面512から起立頂部505までの距離よりも短く構成されている。
【0041】
よって、本実施形態の押当部51は、押当頂面512に付着部A1を押し付けて、頂部側から底部側に押動作されることで、押当本体部510と一対の押当脚部51aを介して、押す力が底部50aに伝わり、吐出具4が底部側に動く。そのため、押当部51は、付着部A1を押し当てた状態で押動作が可能に構成されている。また、吐出具4が底部側に動くことで、吐出機構3が底部側に押されて、該吐出機構3は、内容物を吐出する。吐出操作部30が底部側に押し込まれ、これにより、吐出駆動部32が吸い込み駆動し、吐出操作部30の吐出口から内容物が吐出される。なお、本実施形態では、一回の押動作で、受部5から溢れない量(例えば、70μリットル)の内容物が吐出機構3から吐出される。
【0042】
受部5は、押当部51と内面5aとの間に、吐出された内容物を溜まるように形成される凹部52を備える。ここで、
図3に示すように、本実施形態では、押当部51(具体的には、押当脚側面51c及び押当側面514)と第二起立面504との第一径方向X1の距離が、Cとして構成されている。一方で、
図4に示すように、押当部51(具体的には、押当脚外面51d)と第二起立面504との第二径方向X2の距離は、Dである。そのため、本実施形態の凹部52は、第一径方向X1の長さがC、第二径方向X2の長さがDとして構成されている。
【0043】
図3、4に示すように、本実施形態の凹部52は、導孔50cのまわりに並ぶ押当脚部51a,51a同士の間の領域である隙間Sを介して、凹部52内に流れる内容物を、底面50bで底部側から受け、押当脚側面51c,51c及び押当側面514で第一径方向X1の内側から受け、押当脚外面51dで第二径方向X2の内側から受け、第一起立面502及び第二起立面504で第一径方向X1、第二径方向X2の外側から受けることによって、内容物を溜める。さらに、本実施形態では、第二起立面504が、高さ方向Yに沿うことで、凹部52から内容物が溢れないように機能している。
【0044】
図3、4に示すように、凹部52は、付着部A1に内容物を付着させるべく、付着部A1を挿入して沿わせることができるように構成されている。ここで、本実施形態では、付着部A1を凹部52内に挿入することができるように、第一径方向X1及び第二径方向X2の長さC、Dが設定されている。そのため、付着部A1を頂部側から凹部52内に挿入できる。具体的に、本実施形態では、付着部A1を頂部側から凹部52内に挿入する際に、高さ方向Yに沿う第二起立面504が、付着部A1を高さ方向Yにガイドしながら、凹部52内に挿入された付着部A1が、第一起立面502と押当部51の側部(具体的には、押当脚側面51cや押当側面514、押当連続面513や押当脚外面51d)に当接する。
【0045】
本実施形態の凹部52は、高さ方向Yを中心として、押当部51の周囲全周に亘って形成されている。ここで、
図2に示すように、円形状の底部50aと、該底部50aの外径全周に沿うように起立している起立部500とから構成される筒状の受部本体50において、底部50aの中央部から押当部51が起立している。そのため、押当部51と起立部500との間が、周方向Zの全周で、凹部52として構成されている。なお、本実施形態の凹部52は、周方向Zにおける第一径方向X1側と第二径方向X2側との間において、径方向Xの長さがCとDとの間で変化するように構成されている。具体的には、凹部52は、周方向Zで第一径方向X1側に近付くにつれて、径方向Xの長さがCに近付くように構成され、周方向Zで第二径方向X2側に近付くにつれて、径方向Xの長さがDに近付くように構成されている。
【0046】
装着部6は、吐出具4を容器10に装着するためのものである。
図3,4に示すように、本実施形態の装着部6は、径方向Xの外側に配置される外装部60と、径方向Xの内側に配置される内装部61とを備える。
【0047】
外装部60は、後述する内装部61と吐出機構3との接続を、径方向Xの外側から保護するためのものである。外装部60は、底部50aから底部側に延出している。本実施形態の外装部60は、底部50aの外周面に形成されている。この外装部60は、底部50aの外周面全域に沿って形成される。そのため、外装部60は、筒状(具体的には、円筒状)に構成される。本実施形態の外装部60は、内径が起立部500の外径と略同一に構成された筒状である。一方で、外装部60の外径は、起立部500の外径よりも大きく構成されている。よって、
図1に示すように、本実施形態の吐出具4は、外径が異なる筒状の受部5と装着部6とが、高さ方向Yで連続する形状のものとして構成されている。
【0048】
内装部61は、吐出機構3における頂末端部30bに装着される。本実施形態の内装部は、底部50aの底部側の面から底部側に延出している。そのため、内装部61は、外装部60よりも径方向Xの内側に配置されている。また、本実施形態の内装部61は、周方向Zにおいて、導孔50cを囲む筒状(具体的には、円筒状)に構成されている。そのため、内装部61は、径方向Xの内側の長さが導孔50cの内径φAよりも長い。さらに、内装部61は、導孔50cと高さ方向Yで連通している。
【0049】
本実施形態の内装部61では、該内装部61を頂末端部30bと嵌合可能とするべく、径方向Xの長さが設定されている。ここで、
図3、4に示すように、本実施形態の内装部61は、頂末端部30bに外嵌される。そのため、本実施形態の内装部61は、径方向Xにおける筒内の長さが、頂末端部30bよりも長い。また、本実施形態の内装部61は、頂末端部30bが抜けないように、頂側の端部30aに外嵌されている。そのため、本実施形態の内装部61は、底部側の面が段差部30cに当接するように、頂末端部30bの高さ方向Yの全域を内嵌するように構成されている。さらに、本実施形態の内装部61は、吐出具4と容器10とが、高さ方向Yの仮想線まわりに相対回転しないように、頂末端部30bに嵌合されている。
【0050】
以上、本実施形態の吐出具4によれば、容器10に装着された吐出具4に対して、付着部A1を押当頂面512に押し当てた状態で、頂部側から底部側に押動作することで、吐出具4と、該吐出具4が備える内装部61の底部側の面に当接する段差部30cを介して、頂末端部30bが底部側に動く。そのため、吐出操作部30が押込み操作され、吐出駆動部が駆動することにより、吐出口を介して吐出機構3から内容物が吐出され、該吐出された内容物が導孔50cを介して凹部52に溜まる。そして、付着部A1を凹部52に挿入して動かすことによって、付着部A1に内容物を付着できる。
【0051】
また、本実施形態の凹部52は、押当部51の周囲全周にわたって形成されているため、付着部A1を押当部51の周囲全周に沿わせて動かすことで、付着部A1に内容物を付着できる。ここで、本実施形態の凹部52は、第一径方向X1、第二径方向X2の長さがそれぞれC、Dとして構成され、周方向Zにおける第一径方向X1側と第二径方向X2側との間において、径方向Xの長さがCとDとの間で変化するように構成されている。そして、凹部52は、付着部A1を挿入して沿わせることができるように構成されている。そのため、付着部A1を本実施形態の凹部52に沿わせることができる。さらに、付着部A1を凹部52に沿わせる際には、高さ方向Yに沿う第二起立面504がガイドすることで、付着部A1を周方向Zに動かして、内容物をとり易い。
【0052】
また、本実施形態では、押当脚外面51dが、一方の押当脚側面51cから他方の押当脚側面51cに延びるにつれて、押当脚内面51bの周方向Zの一方端から他方端に進むにつれて、径方向Xの外側に湾曲する湾曲面として構成されている。また、押当側面514は、高さ方向Yの頂部側が、径方向Xでの内側に湾曲している。そのため、押当部51の周りで付着部A1を動かす際には、付着部A1が毛羽立つことを防止できる。
【0053】
本実施形態では、押当頂面512が、径方向Xに沿う平面として構成されている。そのため、付着部A1を押当頂面512に押し当てて押込みを行いやすい。
【0054】
また、本実施形態では、導孔50cを介して頂部側に流れる内容物は、押当底面511にあたって、隙間Sを介して径方向Xで凹部52に流れる。そのため、押当底面511によって、内容物が高さ方向Yに吹き出すことを防止できる。特に、本実施形態の押当底面511は、径方向Xに沿う平面であるため、押当底面511にあたった内容物を、まんべんなく散らすことができる。
【0055】
また、本実施形態では、起立部500は、一度の押動作によって吐出された内容物が受部本体50から溢れないよう、高さ方向Yの長さが設定されている。そのため、受部本体50において、起立部500で径方向Xの外側から内容物が漏れることを防止できる。ここで、本実施形態では、第二起立面504が、高さ方向Yに沿うように構成されているため、吐出した内容物を凹部52内に溜める際や、その後に凹部52に付着部A1を挿入する際には、径方向Xの外側から高さ方向Yに沿って、内容物が凹部52から溢れることを防止できる。
【0056】
続いて、第二実施形態の吐出具4について、
図5、6を用いて説明する。第二実施形態の説明にあたっては、第一実施形態と同様の構成や作用については説明を省略し、相違する点についてのみ説明する。
【0057】
まず、第二実施形態の吐出具4では、第一実施形態とは異なり、底部50aは、内装部61よりも径方向Xの内側に配置される底部側の面が、内装部61よりも径方向Xの外側に配置される底部側の面よりも頂部側に配置されている。そのため、
図6に示すように、第二実施形態の内装部61は、第一実施形態よりも、頂部側から形成されている。
【0058】
続いて、第二実施形態の吐出具4では、押当部51の構成が第一実施形態とは異なる。第二実施形態の押当部51は、第一実施形態と同様、押当脚部51aと、押当本体部510とを備える。また、第二実施形態では、第一実施形態と同様に、押当脚部51aが、導孔50cまわりで、周方向Zに所定間隔をあけて複数配置されている。即ち、
図5に示すように、第二実施形態の押当部51は、第一実施形態と異なり、四つの押当脚部51a,51a,51a,51aを備える。そして、第二実施形態では、第一径方向X1で二つの押当脚部51a,51aが対向し、第二径方向X2で、二つの押当脚部51a,51aが対向している。そのため、
図6に示すように、第二実施形態では、凹部52の第一径方向X1の長さと第二径方向X2の長さは同一であり、Eとして規定されている。また、
図5に示すように、第二実施形態では、周方向Zにおいて、隣り合う押当脚部51a,51a同士の間に、隙間Sが形成されている。なお、第二実施形態の隙間Sは、周方向Zで四か所に形成されている。以下では、1つの押当脚部51aについて説明し、他3つの押当脚部51a,51a,51aに兼用する。
【0059】
第二実施形態の押当脚部51aは、第一実施形態とは異なり、押当脚側面51cに相当する構成を備えない。即ち、第二実施形態の押当脚部51aは、押当脚内面51bと押当脚外面51dとを備える。具体的には、
図5に示すように、第二実施形態の押当脚部51aでは、押当脚内面51bの周方向Zの端から径方向Xの外側に、押当脚外面51dが配置されている。また、押当脚外面51dは、押当脚内面51bの周方向Zの一方端から他方端に進むにつれて、径方向Xの外側に湾曲する湾曲面として構成されている。
【0060】
第二実施形態の押当本体部510は、四つの押当脚部51a,51a,51a,51aの頂部側に配置されている。第二実施形態の押当本体部510は、第一径方向X1と第二径方向X2の両側で、押当脚外面51dから頂部側に起立している。そのため、
図5に示すように、押当本体部510は、平面視十字状に構成されている。具体的に、
図6に示すように、第二実施形態の押当本体部510では、押当脚外面51dから頂部側に進むにつれて、頂部側かつ径方向Xの外向きに凸となる湾曲面として構成された押当連続面513が配置され、該押当連続面513から、径方向Xの内側に、押当頂面512が連続している。なお、第二実施形態の押当頂面512は、径方向Xに沿う平面である。
【0061】
上述したように、第二実施形態の押当脚部51aは、押当脚側面51cを備えない。そのため、第二実施形態の押当本体部510は、第一実施形態とは異なり、押当側面514に相当する構成を有していない。
【0062】
上述した通り、周方向Zに延びる押当脚外面51dは、押当脚内面51bの周方向Zの一方端から他方端に進むにつれて、径方向Xの外側に湾曲する湾曲面として構成されている。そのため、第二実施形態の凹部52は、周方向Zにおける第一径方向X1側と第二径方向X2側との間において、径方向Xの長さが異なるように構成されている。具体的に、第二実施形態の凹部52は、第一径方向X1の長さEから、周方向Zで第二径方向X2側に進むにつれて径方向Xの長さが長くなり、押当側面514の接続している箇所から、周方向Zで第二径方向X2側に進むにつれて径方向Xの長さが短くなり、第二径方向X2での長さがEになるように構成されている。
【0063】
以上、第二実施形態の吐出具4によれば、第一実施形態と同様に、押当脚部51aが、導孔50cまわりに所定間隔をあけて複数配置されている。そのため、各隙間Sから内容物を凹部52内に流すことができる。特に、本実施形態では、隙間Sが周方向Zで所定間隔ごとに四か所形成されているため、導孔50cを介して、隙間Sから凹部52内にまんべんなく内容物を流すことができる。
【0064】
また、第二実施形態の吐出具4では、凹部52の第一径方向X1と第二径方向X2の長さは同一であり、Eとして規定されている。そして、凹部52は、第一径方向X1の長さEから、周方向Zで第二径方向X2側に進むにつれて径方向Xの長さが長くなり、押当側面514の接続している箇所から、周方向Zで第二径方向X2側に進むにつれて径方向Xの長さが短くなり、第二径方向X2での長さがEになるように構成されている。そのため、例えば、付着部A1を凹部52内に動かす際には、径方向Xの長さEにおいて、付着部A1を動かすこともできる。或いは、付着部A1を、周方向Zにおいて、押当脚外面51dに沿うように動かすことで、凹部52内において、周方向Zかつ径方向Xで動かすようにしてもよい。これにより、付着部A1で内容物をとり易くできる。
【0065】
続いて、第三実施形態の吐出具4について
図7、8を用いて説明する。第三実施形態の説明にあたっては、第一及び第二実施形態と同様の構成や作用については説明を省略し、相違する点についてのみ説明する。
【0066】
第三実施形態の吐出具4では、押当部51の形状が第二実施形態と異なる。第三実施形態の押当部51では、第一及び第二実施形態と同様に、各押当脚部51aが、周方向Zで導孔50cまわりに、所定間隔をあけて複数配置されている。ここで、
図7に示すように、第三実施形態の押当脚部51aは、第一径方向X1、第二径方向X2それぞれに配置される四つの押当脚部51a,51a,51a,51aに加えて、第一径方向X1と第二径方向X2とは直交する第三径方向X3、第四径方向X4それぞれで対向する四つの押当脚部51a,51a,51a,51aをさらに備える。そのため、各押当脚部51aは、周方向Zにおいて、第二実施形態よりも短く構成されている。さらに、第三実施形態の押当脚部51aは、第二実施形態よりも高さ方向Yで短く構成されている。即ち、第三実施形態では、隣り合う各押当脚部51aの間に隙間Sが形成され、該隙間Sの数が第二実施形態よりも多く、具体的には、周方向Zで八か所に、隙間Sが形成されている。そのため、第三実施形態では、第二実施形態の高さ方向Yにおける各押当脚部51aの間隔を、隙間Sの数を多くすることで補っている。なお、第三実施形態の押当脚部51aは、第二実施形態と同様で、押当脚内面51bと押当脚外面51dとを備え、押当脚側面51cを備えていない。
【0067】
また、第三実施形態では、押当本体部510が、第一及び第二実施形態とは異なる形状である。すなわち、第三実施形態の押当本体部510では、八つの押当脚部51aの押当脚外面51dそれぞれから頂部側に進むにつれて、径方向Xの内側に湾曲する押当連続面513が配置され、押当本体部510の頂部において、押当頂面512が径方向Xに沿って延びる。そのため、
図7に示すように、押当本体部510は、第一及び第二実施形態と形状が異なる。なお、第三実施形態の押当本体部510は、第二実施形態と同様で、押当側面514を備えない。
【0068】
第三実施形態では、上述のように、八つの押当脚部51aを備える。そのため、
図8に示すように、第三実施形態の凹部52は、第一及び第二実施形態と異なり、第一乃至第四径方向X1,X2,X3,X4のそれぞれにおいて、径方向Xの長さがEに設定されている。具体的には、第三実施形態の凹部52は、第一径方向X1の長さEから、周方向Zで第三径方向X3側に進むにつれて径方向Xの長さが長くなり、隙間Sが形成されている箇所から、周方向Zで第三径方向X3側に進むにつれて径方向Xの長さが短くなり、第三径方向X3での長さがEになるというように構成されている。
【0069】
以上、第三実施形態の吐出具4によれば、周方向Zで所定間隔ごとに八つの隙間Sが形成されているため、各隙間Sから内容物を凹部内にまんべんなく流すことができる。特に、第三実施形態では、第二実施形態よりも周方向Zの狭い間隔で、隙間Sから一定量の内容物を流すことができる。さらに、隙間Sの数を複数にすることによって、例えば、ゴミなどが付着して、一つの隙間Sが塞がった場合でも、他の隙間Sから内容物を吐出できる。
【0070】
また、第三実施形態では、押当部51に沿うように付着部A1を周方向Zに動かした場合には、第二実施形態よりも短い周方向Zの距離で、付着部A1を径方向X及び周方向Zに動かすことができる。よって、一層、付着部A1で内容物をとり易くできる。
【0071】
続いて、第四実施形態の吐出具4について
図9~11を用いて説明する。第四実施形態の説明にあたっては、第一乃至第三実施形態と同様の構成や作用については説明を省略し、相違する点についてのみ説明する。
【0072】
図9に示すように、第四実施形態の吐出具4では、第一実施形態と同様に、押当脚内面51b、押当脚側面51c,51c及び押当脚外面51dを備える一対の押当脚部51a,51aが、周方向Zの導孔50cまわりにおいて、所定の間隔をあけて、第二径方向X2で対向配置されている点では同様である。そのため、
図9~11に示すように、第一径方向X1において、二つの隙間Sが設けられている。一方で、第四実施形態の吐出具4では、一対の押当脚部51a,51aよりも頂部側に配置される押当本体部510の構成が、第一乃至第三実施形態とは異なる。即ち、第四実施形態の押当本体部510は、押当脚外面51dに連続する押当連続面513を備えない代わりに、後述する押当底外面515を備える。
【0073】
図9に示すように、第四実施形態の押当本体部510は、導孔50cよりも径方向Xで長く構成されている。そのため、
図9に示すように、第四実施形態の押当本体部510は、導孔50cを頂部側から隠すように覆っている。また、第四実施形態の押当本体部510は、一対の押当脚内面51b,51bの間に延びる押当底面511に加えて、該押当底面511から径方向Xの外側に延びる押当底外面515を備える。この押当底外面515は、押当脚部51aの頂部に当接している。これにより、押当本体部510は、押当脚部51aの頂部側に配置されている。さらに、
図10、11に示すように、本実施形態の押当底外面515は、押当脚部51aよりも径方向Xの外側に延びる。そのため、第四実施形態の押当本体部510は、径方向Xで、一対の押当脚部51a,51aよりも径方向Xの外側に広がって配置されている。なお、
図10、11に示すように、本実施形態の押当底面511は、高さ方向Yで頂部側に凹んだ湾曲面として構成されている。
【0074】
図9に示すように、第四実施形態の押当本体部510は、平面視で円形状に構成されている。この押当本体部510は、径方向Xの長さが一定として構成された円形状である。また、
図10、11に示すように、本実施形態の押当本体部510は、径方向Xの頂部側に進むにつれて径方向Xの内側に湾曲する湾曲形状に構成されている。具体的に、第四実施形態の押当本体部510では、押当底外面515から頂部側に延びる押当側面514が、周方向Zの全周において、頂部側に進むにつれて径方向Xの内側に湾曲する湾曲面として構成されている。また、この押当側面514は、周方向Zに沿って全周に配置されている。そして、押当本体部510の高さ方向Yの頂部側に湾曲する湾曲面が、押当頂面512として構成される。よって、本実施形態の押当頂面512は高さ方向Yの頂部側に湾曲している。
【0075】
上述した通り、押当本体部510は、径方向Xの長さが一定として構成された円形状である。そのため、第四実施形態の凹部52は、径方向Xの長さが一定に構成され、周方向Zの全域において、径方向Xの長さがEである。
【0076】
以上、
図10、11に示すように、第四実施形態によれば、押当底面511は、高さ方向Yで頂部側に凹んだ湾曲面として構成されているため、導孔50cを介して、高さ方向Yの頂側に流れる内容物を、押当底面511で受けることによって、内容物が吹き出すことを防止すると共に、内容物の勢いを押さえることができる。
【0077】
さらに、本実施形態では、押当本体部510は、径方向Xで、一対の押当脚部51a,51aよりも径方向の外側に広がって配置されているため、
図10に示すように、隙間Sを介して凹部52に流れる内容物を、底部50a(具体的には、底面50b)と、押当脚部51aよりも径方向Xの外側に延びる押当底外面515に沿わせることができる。
【0078】
第四実施形態の押当本体部510では、押当底外面515から頂部側に延びる押当側面514が、周方向Zの全周において、頂部側に進むにつれて径方向Xの内側に湾曲するように構成されている。そのため、第四実施形態では、径方向Xにおける起立部500と押当部51との間において、頂部側が広く構成されているため、付着部A1を凹部52に挿入しやすい。
【0079】
また、第四実施形態の凹部52は、周方向Zの全域において、径方向Xの長さがEである。そのため、凹部52内に挿入された付着部A1を、周方向Zで動かしやすい。さらに、周方向Zに沿って全周に配置されている押当側面514が、頂部側に進むにつれて径方向Xの内側に湾曲する湾曲面であるため、凹部52に挿入された付着部A1を周方向Zで動かす際に、付着部A1が毛羽立つことを防止できる。
【0080】
続いて、第五実施形態の吐出具4について、
図12、13を用いて説明する。第五実施形態の説明にあたっては、第一乃至第四実施形態と同一の構成については同一の符号を付すと共に、同一の構成や作用については説明を省略し、相違する点についてのみ説明する。
【0081】
第五実施形態の吐出具4では、押当部51の構成が第一乃至第四実施形態とは異なる。第五実施形態の押当部51は、第一乃至第四実施形態と同様、押当脚部51aと、押当本体部510とを備える。
【0082】
図12に示すように、第五実施形態の押当部51は、四つの押当脚部51a,51a,51a,51aを備える。また、第五実施形態では、第一径方向X1で二つの押当脚部51a,51aが対向し、第二径方向X2で二つの押当脚部51a,51aが対向している。そのため、第五実施形態の押当脚部51aは、周方向Zで、90°毎に配置されている。よって、第五実施形態では、周方向Zで所定間隔をあけて、四つの押当脚部51a,51a,51a,51aが配置されている。なお、第五実施形態では、周方向Zにおいて、隙間Sが四か所に形成されている。以下では、1つの押当脚部51aについて説明し、他3つの押当脚部51a,51a,51aに兼用する。
【0083】
図13に示すように、第五実施形態の押当脚部51aは、底周面50dに形成されている。この押当脚部51aは、底周面50dから径方向Xの内側に突出している。また、第五実施形態の押当脚部51aは、底周面50dから頂部側に起立している。具体的に、第五実施形態の押当脚部51aは、底周面50dの高さ方向Yの全域と、底周面50dよりも頂部側とにわたって形成されている。そのため、第五実施形態の押当脚部51aは、径方向Xで、底部50aの底部に配置される底側面50eと面一に形成される押当脚底面51eを備える。
【0084】
図13に示すように、第五実施形態の押当脚内面51bは、底周面50dよりも径方向Xの内側に配置されている。そのため、第五実施形態では、一対の押当脚内面51b,51bは、導孔50c内で径方向Xに対向している。そのため、本実施形態の導孔50cの第一径方向X1、第二径方向X2における径が、φAとして規定される。なお、この押当脚内面51bは、周方向Zに沿うように構成されている。
【0085】
第五実施形態では、
図12に示す押当脚外面51dが、高さ方向Yで、
図13に示す底周面50dと面一に連続するように、径方向Xの外側に配置されている。具体的には、押当脚外面51dは、高さ方向Yに沿うように構成されている。ところで、第五実施形態の底周面50dは、導孔50cが円形孔となるように、周方向Zに形成されている。
【0086】
図12に示すように、第五実施形態の押当脚側面51cは、押当脚外面51dよりも底部側において、押当脚内面51bと底周面50dとに径方向Xで連続し、底周面50dよりも頂部側において、押当脚内面51bと押当脚外面51dとに径方向Xで連続している。
【0087】
図12に示すように、第五実施形態の押当本体部(採番しない)は、押当脚部51aを頂部側から覆う押当覆部7と、押当脚部51a,51a同士の間に配置される押当間部8とを備える。押当覆部7は、押当脚部51aよりも頂部側に配置されている。
図13に示すように、押当覆部7は、頂部側に配置される覆頂面70と、底部側に配置される覆底面71と、高さ方向Yで覆頂面70と覆底面71とに連続する覆周面72とを備える。ここで、
図12に示すように、第五実施形態の押当覆部7は、平面視で円形状に構成されている。そのため、覆頂面70と覆底面71とは、平面視で円形面であり、覆周面72は、周方向Zに延びる円環面である。
図13に示すように、覆頂面70は、第一乃至第四実施形態における押当頂面に相当するものとして構成され、径方向Xの外側が、底部側に湾曲している。この覆頂面70は、径方向Xの長さがφAよりも長い。そのため、本実施形態の押当覆部7は、周方向Zの全周において、径方向Xの長さがφAよりも長く構成されている。なお、第五実施形態の覆頂面70は、径方向Xに沿う平面である。
【0088】
覆周面72は、第一径方向X1と第二径方向X2それぞれの両側において、押当脚外面51dと面一に連続している。そのため、
図12に示すように、第五実施形態の覆周面72のうち、押当脚外面51dと面一に連続している箇所が、第一乃至第四実施形態における押当連続面513に相当するものとして構成されている。よって、本実施形態の押当部51は、第一径方向X1、第二径方向X2の長さが、φAよりも長く構成されている。
【0089】
押当間部8は、押当脚部51a,51aを径方向Xで接続している。第五実施形態の押当間部8は、第一径方向X1で対向する押当脚部51a,51aと、第二径方向X2で対向する押当脚部51a,51aとのそれぞれから径方向Xの内側に延びる。よって、押当間部8は、押当覆部7よりも底側に配置されている。本実施形態では、押当間部8の底面である押当間底面80が、覆底面71よりも底部側で、且つ底側面50eよりも頂部側に配置され、高さ方向Yで覆底面71に連続している。そのため、押当間部8が、底側面50eよりも頂部側に配置されている。なお、本実施形態の押当間底面80は、径方向Xに沿う平面である。
【0090】
上述した通り、平面視で円形状に構成される押当覆部7は、径方向Xの長さがφAよりも長い。そのため、第五実施形態の押当部51は、径方向Xの長さがφAよりも長く構成されている。なお、第五実施形態の凹部52は、周方向Zの全周において、径方向Xの長さが一定であり、径方向Xの長さがEとして構成されている。
【0091】
以上、第五実施形態によれば、周方向Zにおいて、隙間Sが四か所に形成されているため、隙間Sを介して、凹部52にまんべんなく内容物を流すことができる。
【0092】
また、第五実施形態の凹部52は、周方向Zの全周において、径方向Xの長さがEであるため、周方向Zで、凹部52にまんべんなく内容物を溜めることができ、また、付着部A1を周方向Zに動かしやすい。さらに、付着部A1を周方向Zに動かす際には、周方向Zに延びる円環面として構成される覆周面72に沿わせることで、付着部A1を簡単に動かすことができる。
【0093】
また、第五実施形態では、導孔50cを介して、高さ方向Yに流れる内容物は、その一部が、覆底面71よりも底部側に配置される押当間底面80にあたることで勢いを失って、底部側に戻される。その一方で、導孔50c内で、周方向Zにおける押当脚側面51cの間を通って、高さ方向Yの頂部側に流れる内容物は、覆底面71にあたって、隙間Sから凹部52に流れる。よって、第五実施形態では、導孔50cを高さ方向Yに流れる内容物の一部を押当間底面80に当てることによって、凹部52内に内容物が一気に流れることを防止できる。
【0094】
続いて、第六実施形態の吐出具4について、
図14、15を用いて説明する。第六実施形態の説明にあたっては、第一乃至第五実施形態と同一の構成については同一の符号を付すと共に、同一の構成や作用については説明を省略し、相違する点についてのみ説明する。
【0095】
第六実施形態の吐出具4では、押当部(採番しない)のうち、押当脚外面51dの構成が第五実施形態とは異なる。上述した通り、第五実施形態の押当脚外面51dは、高さ方向Yに沿うように構成されている。これに対して、第六実施形態の押当脚外面51dは、頂部側に進むにつれて径方向Xの内側に湾曲するように、高さ方向Yに延びる点で異なる。
【0096】
また、第六実施形態の吐出具4では、押当本体部(採番しない)の構成も第五実施形態と異なる。具体的には、第六実施形態の押当本体部は、押当覆部7のみを備え、押当間部8を備えない。また、
図15に示すように、押当覆部7は、高さ方向Yの頂部が進むにつれて、径方向Xの内側に湾曲する湾曲面状に構成されている。即ち、第六実施形態では、周方向Zの全周において、押当周面72が高さ方向Yの頂部側に進むにつれて、径方向Xの内側に湾曲している。
【0097】
第六実施形態の押当覆部7は、第五実施形態における覆底面71に相当する構成として、対向する押当脚内面51bの間で径方向Xに配置される押当底径面73と、周方向Zで隣り合う押当脚部51a,51aの間に配置される押当底周面71とを備える。本実施形態の押当底径面73は、高さ方向Yから見たときに略十字状に構成され、高さ方向Yの頂部側に凹む凹面として構成されている。一方で、押当底周面71は、径方向Xに沿う平面として構成されている。
【0098】
図15に示すように、第五実施形態の凹部52は、第五実施形態と同様、周方向Zの全周において、径方向Xの長さがEである。本実施形態の凹部52は、周方向Zの全周において、径方向Xの長さが一定として構成されている。
【0099】
以上、第六実施形態によれば、
図15に示すように、押当周面72が高さ方向Yの頂部側に進むにつれて、径方向Xの内側に湾曲するように構成されている。そのため、押当部のまわりを周方向Zで、付着部A1を動かす際には、付着部A1が毛羽立つことなくスムーズに動かすことができる。
【0100】
また、第六実施形態では、導孔50cを介して、高さ方向Yに流れる内容物は、その一部が、押当底径面73にあたることで勢いを抑えることができる。その一方で、導孔50c内で、周方向Zにおける押当脚側面51cの間を通って、高さ方向Yの頂部側に流れる内容物は、押当底周面71にあたって、隙間Sから凹部52に流れる。よって、第五実施形態では、導孔50cを高さ方向Yに流れる内容物の一部を押当底径面73に当てることによって、凹部52内に内容物が一気に流れることを防止できる。
【0101】
続いて、第七実施形態の吐出具4について、
図16~18を用いて説明する。第七実施形態の説明にあたっては、第一乃至第六実施形態と同一の構成や作用については説明を省略し、相違する点についてのみ説明する。
【0102】
まず、第七実施形態の吐出具4では、内面5aの構成が第一乃至第六実施形態と異なる。第七実施形態では、受部5の内面5aは、有底筒状の内面5aを画定する主面5bと、該主面5bに対して外向きに凹設される溝面5cとを備える。主面5bは、第一起立面502と、該第一起立面502から高さ方向Yに起立する第二起立面504とから構成されている。一方で、溝面5cは、底部側の位置から頂部側へ主面5bを凹ませることで構成されている。
図17に示すように、第七実施形態の溝面5cは、底周面50dから頂部側に進むにつれて径方向Xの外側に湾曲する第一起立面502を外側に凹ませることによって構成されている。即ち、
図16、18に示すように、第七実施形態において、内面5aに対して外向きに凹設されている箇所が溝面5cとして構成され、それ以外の箇所が主面5bとして構成されている。
【0103】
続いて、第七実施形態の吐出具4では、押当部51の構成が第一乃至第六実施形態と異なる。第七実施形態の押当部51は、押当本体部510のみを備え、第一乃至第六実施形態における押当脚部51aに相当する構成を備えない。すなわち、
図16に示すように、第七実施形態の押当本体部510は、導孔50c(
図17参照)を頂部側から覆うようにすべく、主面5b,5bの間を第二径方向X2に延びる。そのため、本実施形態の押当本体部510と導孔50cとは、第一径方向X1の長さがFとして規定されている。さらに、本実施形態の押当本体部510は、高さ方向Yの頂部側と底部側それぞれで、押当頂面512と押当底面511とを備える。本実施形態の押当頂面512と押当底面511とは、径方向Xに沿う平面である。なお、
図16に示すように、本実施形態の押当本体部510は、第一径方向X1で、溝面5c,5cの間に配置されている。
【0104】
図17に示すように、本実施形態の押当本体部510は、高さ方向Yで、底周面50dから離間して配置されている。即ち、第七実施形態では、高さ方向Yで離間する底周面50dと押当本体部510との間から、内容物が受部5内に流れる。よって、高さ方向Yで離間する底周面50dと押当本体部510との間が、上記第一乃至第六実施形態における隙間Sに相当する。
【0105】
第七実施形態の凹部52は、溝面5cにより構成される。すなわち、凹部52は、押当本体部510の押当側面514から起立部500との間において、主面5bに対して、第一径方向X1で第一起立面502に沿うように凹設されて構成されている。
【0106】
以上、第七実施形態によれば、凹部52が溝面5cによって構成されているため、押当側面514から溝面5cに沿って、起立部500から押当側面514までの間において、付着部A1を径方向Xに動かすことで、付着部A1に内容物を付着させることができる。
【0107】
また、
図17、18に示すように、第七実施形態の溝面5cは、底周面50dから頂部側に進むにつれて径方向Xの外側に湾曲する第一起立面502に沿うように凹設されている。そのため、溝面5cに溜まった内容物は導孔50cに流れることで、付着部A1に内容物を付着させた後、凹部52に内容物が溜まり続けることを防止できる。
【0108】
なお、本発明の吐出具、吐出具付き容器は、上記第一乃至第七実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲において種々変更をし得ることは勿論である。
【0109】
上記第一乃至第七実施形態では、底部50aが平面視で円形状に構成されていると説明したが、これに限らず、例えば、底部50aが平面視で矩形状に構成されていてもよい。また、この場合、底面50bも平面視で矩形状に構成される。さらに、起立部500は、底部50aが平面視で円形状に構成されている場合において、平面視で底部50aと異なる形状に構成された筒状のものであってもよい。すなわち、起立部500は、平面視で底部と同一形状に構成された筒状のものであってもよいし、底部50aと異なる形状に構成された筒状のものであってもよい。
【0110】
上記第一実施形態では、第一起立面502は、頂部側に進むにつれて、径方向Xの外向きに凸となるように湾曲する湾曲面として構成されていたが、これに限らず、例えば、第一起立面502は、高さ方向Yに沿うように形成されていてもよいし、或いは、頂部側に起立する第一起立面502は、底面50bに対して径方向の外向きに傾斜する傾斜面として構成されていてもよい。
【0111】
上記第一乃至第六実施形態では、押当本体部510が押当脚部51aよりも頂部側に配置されていることについて説明したが、これに限らず、例えば、押当本体部510は複数の押当脚部51aをつなぐべく、径方向Xで、複数の押当脚部51aの間に配置されていてもよい。
【0112】
上記第一乃至第六実施形態では、導孔50cが円形状に構成されている場合について説明したが、これに限られず、例えば、三角や四角といった角形状に構成されていてもよい。また、導孔50cは、径方向Xのうち交差する二つの径方向(例えば、第一径方向X1と第二径方向X2)の長さが異なるように構成されていてもよい。
【0113】
上記第一、第二、第三、第五及び第七実施形態では、押当頂面512が径方向Xに沿う平面である場合について説明したが、例えば、押当頂面512が底部50a側に凹むように構成されていてもよい。この場合、押当頂面512は、付着部A1が嵌る大きさに凹むことが望ましい。これにより、付着部A1で押当部51を押し込む際に押し込みやすくできる。
【0114】
上記第一乃至第七実施形態では、押当脚外面51dは、径方向Xに延びるにつれて、押当脚内面51bから径方向Xの外側に離れる湾曲面として構成されていた。しかし、これに限らず、例えば、押当脚外面51dは平面として構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0115】
1:吐出具付き容器、10:容器、2:容器本体、3:吐出機構、4:吐出具、5:受部、50c:導孔、51:押当部、52:凹部、A1:付着部