(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004765
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】短絡接地器具
(51)【国際特許分類】
H02G 1/02 20060101AFI20230110BHJP
H02G 7/00 20060101ALI20230110BHJP
G01R 31/54 20200101ALI20230110BHJP
G01R 31/55 20200101ALI20230110BHJP
H01R 4/66 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
H02G1/02
H02G7/00
G01R31/54
G01R31/55
H01R4/66 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106656
(22)【出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000214560
【氏名又は名称】長谷川電機工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591080678
【氏名又は名称】株式会社中電工
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(72)【発明者】
【氏名】山崎 兼次
(72)【発明者】
【氏名】橋本 陽太
(72)【発明者】
【氏名】田口 英男
(72)【発明者】
【氏名】近藤 文昭
【テーマコード(参考)】
2G014
5G352
5G367
【Fターム(参考)】
2G014AA07
2G014AB30
2G014AB33
2G014AB60
2G014AC07
2G014AC15
2G014AC18
5G352AE01
5G367BB14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】短絡接地器具の各器具本体が三相配電線の各相の配電線に正しく接続されているか或いは配電線から取り外されたかを検知して確認することができる短絡接地器具を提供する。
【解決手段】短絡接地器具は、三相配電線の各相の配電線にそれぞれ取り付けられる器具本体1、2、3と、短絡線4、5と、接地部材に電気的に接続される接地線6とを備える。器具本体1、2、3は、配電線に電気的に接続される電線接続部1b、2b、3bと、着脱情報通信部1c、2c、3cと、を備える。電線接続部1b、2b、3bと配電線との電気的接続を検知するセンサーと、センサーにより電気的接続が検知されたとき、器具本体1、2、3が配電線に取り付けられたと判別してその情報を無線で発信すると共に、センサーにより電気的接続が検知されないとき、器具本体1、2、3が配電線から取り外されたと判別してその情報を無線で発信する無線発信部と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三相配電線の各相の配電線にそれぞれ取り付けられる器具本体と、前記器具本体を相互に電気的に接続する短絡線と、接地部材に電気的に接続される接地線とを備えた短絡接地器具において、
前記器具本体は、それぞれ、前記配電線に電気的に接続される電線接続部と、着脱情報通信部とを備え、
前記着脱情報通信部は、前記電線接続部と前記配電線との電気的接続を検知するセンサーと、前記センサーにより前記電気的接続が検知されたとき、前記器具本体が前記配電線に取り付けられたと判別してその情報を無線で発信すると共に、前記センサーにより前記電気的接続が検知されないとき、前記器具本体が前記配電線から取り外されたと判別してその情報を無線で発信する無線発信部とを備えていることを特徴とする短絡接地器具。
【請求項2】
前記電線接続部は、前記配電線と接触してこれを受ける受け部と、前記受け部に対して可動な可動部とを有し、前記可動部を前記受け部に近づく方向に移動させて、前記配電線を前記受け部と前記可動部とで挟持することにより前記配電線に接続し、前記可動部を前記受け部から遠ざかる方向に移動させることにより前記配電線への接続を解除し、
前記センサーは、前記可動部に設けられ、前記電線接続部を前記配電線に接続したときに、前記配電線に電気的に接触する接触子を有することを特徴とする請求項1に記載の短絡接地器具。
【請求項3】
前記着脱情報通信部が、前記可動部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の短絡接地器具。
【請求項4】
前記器具本体は絶縁性の操作棒を備え、前記電線接続部は前記操作棒の先端部に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の短絡接地器具。
【請求項5】
当該短絡接地器具の位置情報を無線で発信する位置情報通信部を更に備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の短絡接地器具。
【請求項6】
前記位置情報通信部は、前記三相配電線のうち一の相の配電線に取り付けられる前記器具本体に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の短絡接地器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力設備の保守・点検等を行う際に、誤通電、他の電路との混触又は他の電路からの誘導による感電の危険を防止するために用いられる短絡接地器具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、架空配電線の張替えや電柱の取替え工事等を行う際には、工事区間の配電線への給電を止め、検電器により停電を確認すると共に、誤通電、他の電路との混触又は他の電路からの誘導による感電の危険を防止するため、工事区間の配電線に短絡接地器具を取り付けて接地をとるようにしている。
【0003】
保守・点検等の作業終了後、短絡接地器具を取り付けた状態で給電を再開すると、地絡事故や短絡事故が起こる可能性があるので、短絡接地器具は作業終了後に必ず取り外さなければならないが、人為的なミスにより取り外し忘れが起こり得る。そこで、作業終了後の短絡接地器具の取り外し忘れを防止する技術が提案されている。
【0004】
例えば、下記の特許文献1では、接地器具のクランプ(接地接続部)が接地部材に取り付けられているときに、無線発信部が起動して、当該接地器具の位置情報を無線で発信し、クランプが接地部材に取り付けられていないときに、無線発信部が停止して、当該接地器具の位置情報を発信しないようにしている。無線発信部から発信される接地器具の位置情報により、当該接地器具の取り外しがなされていないことが確認できると共に、当該接地器具の位置を特定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1において、無線発信部の起動・停止は、接地器具のクランプ(接地接続部)が接地部材に取り付けられているか否かを検知することによって行われ、接地器具のフック(電線接続部)が配電線に接続されているか否かは関係しない。そのため、特許文献1では、フックが配電線に接続されていない場合でも、クランプが接地部材に取り付けられていれば、無線発信部が起動して、当該接地器具の位置情報が発信され、逆に、フックを配電線から取り外すのを忘れた場合でも、クランプが接地部材から取り外されれば、無線発信部が停止して、当該接地器具の位置情報は発信されない。すなわち、特許文献1では、接地器具が配電線に取り付けられているか否か、接地器具が配電線から取り外されたか否か、を検知して確認することはできない。
【0007】
三相配電線を短絡接地器具で接地する場合、短絡接地器具の各器具本体が三相配電線の各相の配電線に正しく接続されているか否か、短絡接地器具の各器具本体が三相配電線の各相の配電線から取り外されたか否か、を確認することが重要である。
【0008】
本発明は、短絡接地器具の各器具本体が三相配電線の各相の配電線に正しく接続されているか否か、短絡接地器具の各器具本体が三相配電線の各相の配電線から取り外されたか否か、を検知して確認することができる短絡接地器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、三相配電線の各相の配電線にそれぞれ取り付けられる器具本体と、前記器具本体を相互に電気的に接続する短絡線と、接地部材に電気的に接続される接地線とを備えた短絡接地器具において、前記器具本体は、それぞれ、前記配電線に電気的に接続される電線接続部と、着脱情報通信部とを備え、前記着脱情報通信部は、前記電線接続部と前記配電線との電気的接続を検知するセンサーと、前記センサーにより前記電気的接続が検知されたとき、前記器具本体が前記配電線に取り付けられたと判別してその情報を無線で発信すると共に、前記センサーにより前記電気的接続が検知されないとき、前記器具本体が前記配電線から取り外されたと判別してその情報を無線で発信する無線発信部とを備えていることを特徴とする短絡接地器具を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の短絡接地器具によれば、短絡接地器具の各器具本体が三相配電線の各相の配電線に正しく接続されているか否か、短絡接地器具の各器具本体が三相配電線の各相の配電線から取り外されたか否か、を検知して確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る短絡接地器具を示す正面図である。
【
図2】電線接続部の拡大図であり、
図2(a)は、可動部を時計方向に回動させて、受け部との間隔を広げた状態を示し、
図2(b)は、可動部を反時計方向に回動させて、受け部と可動部とで配電線を挟持した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、実施形態に係る短絡接地器具を示している。この実施形態の短絡接地器具は、三相架空配電線を短絡接地するために用いられるもので、三相配電線の各相の配電線にそれぞれ取り付けられる器具本体1、2、3と、器具本体1、2、3を相互に電気的に接続する短絡線4、5と、接地部材に電気的に接続される接地線6とを備えている。短絡線4は器具本体1、2に接続され、短絡線5は器具本体2、3に接続される。接地線6は器具本体2に接続され、接地接続部6aを介して接地部材に接続される。
【0014】
器具本体1、2、3は、それぞれ、絶縁性の操作棒1a、2a、3aと、操作棒1a、2a、3aの先端部に設けられ、配電線に電気的に接続される電線接続部1b、2b、3bと、着脱情報通信部1c、2c、3cとを備えている。電線接続部1b、2b、3bの構成は相互に同じであり、着脱情報通信部1c、2c、3cの構成も相互に同じである。以下、
図2、
図3を参照しながら、電線接続部1bと着脱情報通信部1cについて説明し、電線接続部2b、3bと着脱情報通信部2c、3cについての説明は省略する。
【0015】
図2に拡大して示すように、電線接続部1bは、操作棒1aの先端部に取り付けられた導電性の受け部1b1と、受け部1b1に対して可動な導電性の可動部1b2とを備えている。
図2(a)に示すように、可動部1b2は、受け部1b1に可動可能に取り付けられ、受け部1b1に設けられた回動機構(図示省略)により、枢軸1b11回りに回動させることができる。回動機構の作動は、操作棒1aを回転させることによって行い、例えば、操作棒1aを一の方向に回転させると、可動部1b2が同図の反時計方向に回動し、操作棒1aを他の方向に回転させると、可動部1b2が同図の時計方向に回動する。電線接続部1bを配電線Xに接続する際は、可動部1b2を時計方向に回動させて、受け部1b1との間隔を広げ、両者の間に配電線Xを入れた状態で、可動部1b2を反時計方向に回動させる。そうすると、
図2(b)に示すように、受け部1b1と可動部1b2との間隔が狭まり、配電線Xが受け部1b1と可動部1b2とで挟持される。これにより、電線接続部1bが配電線Xに接続される。配電線Xへの接続を解除する際は、
図2(b)に示す状態から、可動部1b2を時計方向に回動させて、
図2(a)に示す状態に戻す。これにより、電線接続部1bと配電線Xとの接続が解除され、電線接続部1bを配電線Xから取り外すことができる。
【0016】
この実施形態において、着脱情報通信部1cは、電線接続部1bの可動部1b2に設けられ、後述するセンサー1c1と無線発信部1c2とを備えている。
【0017】
センサー1c1は、可動部1b2の内面から突出した接触子1c11を有する接触式センサーである。
図2(b)に示すように、配電線Xが受け部1b1と可動部1b2とで挟持され、受け部1b1の内面とセンサー1c1の接触子1c11が配電線Xと接触すると、センサー1c1は、電線接続部1bが配電線Xに電気的に接続されたことを検知する。尚、配電線Xが被覆電線(裸線を絶縁性の被覆層で被覆した電線)である場合、被覆層を除去して裸線を露出させた箇所に電線接続部1bを接続する。被覆層がある箇所に電線接続部1bを接続すると、センサー1c1は、被覆電線との電気的接続を検知しない。
【0018】
図3は、着脱情報通信部1cのブロック図である。この実施形態において、着脱情報通信部1cは、上述したセンサー1c1と、無線発信部1c2と、電池等の電源1c3及び電源スイッチ1c4とを備えている。
【0019】
電源スイッチ1c4をONにして、電源1c3を入れた状態で、器具本体1の電線接続部1bを配電線Xにあてがい、操作棒1aを回転させて、配電線Xを受け部1b1と可動部1b2とで挟持すると、受け部1b1の内面とセンサー1c1の接触子1c11が配電線Xと接触して、受け部1b1、可動部1b2、配電線X及びセンサー1c1を含む電気回路が構成され、該電気回路に電流が流れる。センサー1c1は、この電流により、電線接続部1bが配電線Xに電気的に接続されたことを検知し、その検知信号Sを無線発信部1c2に出力する。無線発信部1c2は、センサー1c1から検知信号Sが入力されたとき、器具本体1が配電線Xに取り付けられたと判別して、その情報(取り付け情報T1)を無線で発信する。
【0020】
一方、器具本体1の電線接続部1bを配電線Xから取り外すと、電線接続部1bと配電線Xとの電気的接続が解除されるので、センサー1c1は検知信号Sを出力しない。無線発信部1c2は、センサー1c1から検知信号Sが入力されないとき、器具本体1が配電線Xから取り外されたと判別して、その情報(取り外し情報T2)を無線で発信する。
【0021】
尚、電源スイッチ1c4をOFFにして、電源1c3を切ると、無線発信部1c2は作動を停止し、取り付け情報T1と取り外し情報T2の何れも発信しないが、電源スイッチ1c4がOFFの状態で、電線接続部1bが配電線Xに電気的に接続されると、電源スイッチ1c4が自動でONになり、取り付け情報T1が発信されるようにしてもよい(電源スイッチの自動ON機能)。また、電線接続部1bと配電線Xとの電気的接続が無く、取り外し情報T2を発信している状態の場合、電源1c3(電池)を長持ちさせるために、所定時間経過後に電源スイッチ1c4が自動でOFFになり、取り外し情報T2が発信されないようにしてもよい(電源スイッチの自動OFF機能)。
【0022】
上記の取り付け情報T1は、センサー1c1が電線接続部1bと配電線Xとの電気的接続を検知し、検知信号Sを出力している間、無線発信部1c2からリアルタイムで発信され(リアルタイム通知モード)、または、無線発信部1c2から一定の周期で発信され(周知通知モード)、あるいは、電源1c3を入れた後、センサー1c1が電線接続部1bと配電線Xとの電気的接続を最初に検知し、検知信号Sを最初に出力したときに、無線発信部1c2から発信される(取り付け時通知モード)。これらの取り付け情報T1の通知モードは、電源1c3の消費抑制等の事情を勘案して、適宜に選択して切り換えできるようにするのが好ましい。また、上記の取り外し情報T2は、電線接続部1bと配電線Xとの電気的接続が解除され、センサー1c1が検知信号Sを出力しない間、無線発信部1c2からリアルタイムで発信され(リアルタイム通知モード)、または、無線発信部1c2から一定の周期で発信され(周知通知モード)、あるいは、センサー1c1からの検知信号Sが途絶えたときに、無線発信部1c2から発信される(取り外し時通知モード)。これらの取り外し情報T2の通知モードも、電源1c3の消費抑制等の事情を勘案して、適宜に選択して切り換えできるようにするのが好ましい。
【0023】
上記の取り付け情報T1と取り外し情報T2は、器具本体2、3の着脱情報通信部2c、3cからも上記と同様の態様で発信される。
【0024】
器具本体1、2、3の電線接続部1b、2b、3bは、それぞれ、三相配電線の各相の配電線に電気的に接続され、接地線6は接地接続部6aを介して接地部材に電気的に接続されるが、着脱情報通信部1c、2c、3cは、それらの電源スイッチがONにされていれば、接地線6の接続の有無に係らず、取り付け情報T1と取り外し情報T2を発信する。これにより、器具本体1、2、3が三相配電線の各相の配電線に間違いなく取り付けられているか否か、器具本体1、2、3が三相配電線の各相の配電線から間違いなく取り外されているか否かを、検知して確認することが可能となる。
【0025】
例えば、三相配電線の二相の配電線には器具本体1、2を取り付けているが、残りの一相の配電線に器具本体3を取り付けるのを忘れている場合、器具本体1、2の着脱情報通信部1c、2cからそれぞれ取り付け情報T1が発信され、器具本体3の着脱情報通信部3cから取り外し情報T2が発信される。着脱情報通信部1c、2cから発信される取り付け情報T1により、器具本体1、2が上記二相の配電線に正しく取り付けられていることを確認することができ、また、着脱情報通信部3cから発信される取り外し情報T2により、器具本体3を上記残りの一相の配電線に取り付けるのを忘れていることを確認することができる。
【0026】
例えば、三相配電線が被覆電線である場合において、三相配電線の二相の配電線は被覆層を除去した箇所に器具本体1、2を取り付けているが、残りの一相の配電線は被覆層を除去せずに器具本体3を取り付けた場合、器具本体1、2の着脱情報通信部1c、2cからそれぞれ取り付け情報T1が発信され、器具本体3の着脱情報通信部3cから取り外し情報T2が発信される。着脱情報通信部1c、2cから発信される取り付け情報T1により、器具本体1、2が上記二相の配電線に正しく取り付けられていることを確認することができ、また、着脱情報通信部3cから発信される取り外し情報T2により、器具本体3が上記残りの一相の配電線に正しく取り付けられていないことを確認することができる。
【0027】
また、例えば、三相配電線の二相の配電線から器具本体1、2を取り外したが、残りの一相の配電線から器具本体3を取り外すのを忘れている場合、器具本体1、2の着脱情報通信部1c、2cからそれぞれ取り外し情報T2が発信され、器具本体3の着脱情報通信部3cから取り付け情報T1が発信される。着脱情報通信部1c、2cから発信される取り外し情報T2により、器具本体1、2が上記二相の配電線から取り外されたことを確認することができ、また、着脱情報通信部3cから発信される取り付け情報T1により、器具本体3を上記残りの一相の配電線から取り外すのを忘れていることを確認することができる。
【0028】
図1に示すように、この実施形態の短絡接地器具は、さらに、当該短絡接地器具の位置情報を無線で発信する位置情報通信部7を備えている。位置情報通信部7は、例えば、器具本体2の操作棒2aに取り付けられている。位置情報通信部7は、例えば、GNSS
(Global Navigation Satellite System)ユニットで構成され、
図4に示すように、複数の測位衛星から時刻付きの位置情報P1を受信する位置情報受信部7aと、位置情報受信部7aで受信した位置情報P1から自己の現在位置を算出し、現在位置の位置情報P2(時刻付き)を無線で発信する無線発信部7bと、電源7c及び電源スイッチ7dとを備えている。電源スイッチ7dをONにして、電源7cを入れると、無線発信部7bから当該短絡接地器具の位置情報P2が無線で発信される。
【0029】
器具本体1、2、3の着脱情報通信部1c、2c、3cから無線で発信される取り付け情報T1と取り外し情報T2、器具本体2の位置情報通信部7から無線で発信される位置情報P2は、例えば、モバイル端末(スマートフォンやタブレット端末等)やPC端末等の電子端末機器で受信され、電子端末機器のディスプレイに表示される。作業者や管理者は、電子端末機器に表示される取り付け情報T1、取り外し情報T2、位置情報P2から、短絡接地器具の位置(接地をとる位置)、器具本体1、2、3が三相配電線の各相の配電線に正しく取り付けられているか、器具本体1、2、3の取り外し忘れがないか、を確認することができる。また、器具本体1、2、3の着脱情報通信部1c、2c、3cから無線で発信される取り付け情報T1と取り外し情報T2、器具本体2の位置情報通信部7から無線で発信される位置情報P2は、サーバーに格納される。作業者や管理者は、自己の電子端末機器からサーバーにアクセスして、取り付け情報T1、取り外し情報T2、位置情報P2を取得することができる。また、取り付け情報T1、取り外し情報T2、位置情報P2を、電気設備における三相配電線の設置図(電子データ)に取り込み、各短絡接地器具の器具本体1、2、3の取り付け情報T1、取り外し情報T2を上記設置図にプロット表示してマッピングを作成すると、各短絡接地器具の取り付け位置や工事区間、各短絡接地器具の器具本体1、2、3の取り付け・取り外し状況を鳥瞰して速やかに確認することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 器具本体
1a 操作棒
1b 電線接続部
1b1 受け部
1b2 回動部
1c 着脱情報通信部
1c1 センサー
1c11 接触子
1c2 無線発信部
2 器具本体
2a 操作棒
2b 電線接続部
2c 着脱情報通信部
3 器具本体
3a 操作棒
3b 電線接続部
3c 着脱情報通信部
7 位置情報発信部
X 配電線