(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047659
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】支持装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20230330BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20230330BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20230330BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
G09F9/00 351
G09F9/00 350Z
B60R11/02 C
H05K5/02 B
H04N5/64 581H
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156705
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関口 智大
【テーマコード(参考)】
3D020
4E360
5G435
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BC11
3D020BD01
3D020BD02
3D020BD09
4E360AB02
4E360AB05
4E360AB51
4E360AC12
4E360AC13
4E360AC24
4E360CA02
4E360EA03
4E360EA12
4E360EA14
4E360EA22
4E360EC12
4E360ED02
4E360GA11
4E360GA52
4E360GB04
4E360GC08
5G435EE04
5G435EE13
5G435EE17
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】軽量化を図るとともに剛性を向上させる支持装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る支持装置は、第1面の側がディスプレイの背面に取り付けられ、ディスプレイを背面の側から支持するリアパネルと、リアパネルにおける第1面とは反対側の第2面に固定して取り付けられる第1連結部材と、を備える。リアパネルは、平板状の基板部と、複数のリブと、補強部材とを有する。複数のリブは、基板部の第1面の側に設けられ、それぞれが基板部の表面から垂直に立ち上がり、基板部の表面からの高さが同一の板状であって、ディスプレイの背面と基板部との間に複数の空間を形成する。補強部材は、複数の空間のうち、第1連結部材に対応する位置に形成される空間に設けられ、基板部を補強する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面の側がディスプレイの背面に取り付けられ、前記ディスプレイを背面の側から支持するリアパネルと、
前記リアパネルにおける前記第1面とは反対側の第2面に固定して取り付けられる第1連結部材と、
を備え、
前記リアパネルは、
平板状の基板部と、
前記基板部の前記第1面の側に設けられ、それぞれが前記基板部の表面から垂直に立ち上がり、前記基板部の表面からの高さが同一の板状であって、前記ディスプレイの背面と前記基板部との間に複数の空間を形成する複数のリブと、
前記複数の空間のうち、前記第1連結部材に対応する位置に形成される空間に設けられ、前記基板部を補強する補強部材と、
を有する支持装置。
【請求項2】
前記第1連結部材に対して回転可能に設けられる第2連結部材
をさらに備える請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
前記第1連結部材は、
前記リアパネルに接触して取り付けられる板状の接続板と、
前記接続板に設けられるアーム部と
を有し、
前記補強部材は、前記複数の空間のうち、前記接続板に対応する接続領域に形成される空間に設けられる
請求項1または2に記載の支持装置。
【請求項4】
前記補強部材は、前記接続領域における前記ディスプレイの上側に対応する上側エッジ部分に形成される1または複数の空間のそれぞれに設けられる
請求項3に記載の支持装置。
【請求項5】
前記補強部材は、前記接続領域を全て含み、前記接続領域に対応する形状および対応する大きさの領域に形成される1または複数の空間のそれぞれに設けられる。
請求項3に記載の支持装置。
【請求項6】
前記補強部材は、前記接続領域を全て含む領域に形成される1または複数の空間のそれぞれに設けられる
請求項3に記載の支持装置。
【請求項7】
前記複数の空間のそれぞれは、前記第1面の垂直方向から見た形状が所定の大きさの六角形である
請求項1から6の何れか1項に記載の支持装置。
【請求項8】
前記複数の空間のそれぞれは、前記第1面の垂直方向から見た形状が四角形である
請求項1から6の何れか1項に記載の支持装置。
【請求項9】
前記補強部材は、対応する前記空間における前記基板部の表面の全体を覆う
請求項1から8の何れか1項に記載の支持装置。
【請求項10】
前記補強部材は、前記基板部から垂直に立ち上がる1つの板であり、対応する前記空間の内部において前記第1面の垂直方向から見て直線状に形成される
請求項1から8の何れか1項に記載の支持装置。
【請求項11】
前記補強部材は、前記基板部から垂直に立ち上がる複数の板であり、対応する前記空間の内部において、前記第1面の垂直方向から見て、対応する前記空間の中心から外側に放射状に伸びて形成される
請求項1から8の何れか1項に記載の支持装置。
【請求項12】
前記補強部材は、前記基板部の表面からの高さが、前記複数のリブと同一である
請求項1から11の何れか1項に記載の支持装置。
【請求項13】
前記補強部材は、前記基板部の表面からの高さが、前記複数のリブより低い
請求項1から11の何れか1項に記載の支持装置。
【請求項14】
前記補強部材は、前記複数のリブと同一材料により形成される
請求項1から13の何れか1項に記載の支持装置。
【請求項15】
前記補強部材は、前記複数のリブよりも剛性が高い
請求項1から13の何れか1項に記載の支持装置。
【請求項16】
ディスプレイと、
前記ディスプレイを支持する支持装置と、
を備え、
前記支持装置は、
第1面の側がディスプレイの背面に取り付けられ、前記ディスプレイを背面の側から支持するリアパネルと、
前記リアパネルにおける前記第1面とは反対側の第2面に固定して取り付けられる第1連結部材と、
を有し
前記リアパネルは、
平板状の基板部と、
前記基板部の前記第1面の側に設けられ、それぞれが前記基板部から垂直に立ち上がり、前記基板部の表面からの高さが同一の板状であって、前記ディスプレイの背面と前記基板部との間に複数の空間を形成する複数のリブと、
前記複数の空間のうち、前記第1連結部材に対応する位置に形成される空間に設けられ、前記基板部を補強する補強部材と、
を含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、支持装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の車室内の前シートに取り付けられ、後シートに座っている乗車者に画像を提供する表示装置が知られている。このような表示装置は、例えば背面に設けられた連結部材を介して、前シートに取り付けられる。また、このような表示装置は、例えば前シートの背もたれの角度に関わらず表示面を適切な角度に調整できるように、連結部材がヒンジ等を用いて回転可能となっている。
【0003】
このような表示装置は、シートに取り付けられるので軽量化を図ることが望ましい。例えば、特許文献1には、ディスプレイの裏面側にハニカム構造を有し、ディスプレイの軽量化を図ったノート型コンピュータが記載されている。
【0004】
一方、このような表示装置は、軽量化を図りながらも、外部から衝撃が加わった場合に、破断等が生じないように十分な強度が要求される
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、軽量化を図るとともに強度を向上させることができる支持装置および表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る支持装置および表示装置は、第1面の側がディスプレイの背面に取り付けられ、前記ディスプレイを背面の側から支持するリアパネルと、前記リアパネルにおける前記第1面とは反対側の第2面に固定して取り付けられる第1連結部材と、を備え、前記リアパネルは、平板状の基板部と、前記基板部の前記第1面の側に設けられ、それぞれが前記基板部の表面から垂直に立ち上がり、前記基板部の表面からの高さが同一の板状であって、前記ディスプレイの背面と前記基板部との間に複数の空間を形成する複数のリブと、前記複数の空間のうち、前記第1連結部材に対応する位置に形成される空間に設けられ、前記基板部を補強する補強部材と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る支持装置および表示装置によれば、軽量化を図るとともに剛性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る表示装置を備える車両の車室を示す図である。
【
図2】
図2は、側面から見た表示装置を示す図である。
【
図3】
図3は、側面から見た表示装置を分解した模式図である。
【
図4】
図4は、接続板が取り付けられた状態のリアパネルを第2面の側から見た図である。
【
図5】
図5は、リアパネルを第1面の側から見た図、および、部分拡大図である。
【
図6】
図6は、表示装置を備える車両の車室、および、表示装置に加わる衝撃の方向を示す図である。
【
図7】
図7は、第1変形例に係るリアパネルを第1面の側から見た図、および、部分拡大図である。
【
図8】
図8は、第2変形例に係るリアパネルを第1面の側から見た図である。
【
図9】
図9は、第3変形例に係るリアパネルを第1面の側から見た図である。
【
図10】
図10は、第4変形例に係るリアパネルを第1面の側から見た図である。
【
図11】
図11は、第5変形例に係る1つの空間および補強部材を第1面の垂直方向から見た示す図である。
【
図12】
図12は、第6変形例に係る1つの空間および補強部材を第1面の垂直方向から見た示す図である。
【
図13】
図13は、第7変形例に係るリアパネルを第1面の側から見た図である。
【
図14】
図14は、第8変形例に係るリアパネルを第1面の側から見た図である。
【
図15】
図15は、第9変形例に係るリアパネルを第1面の側から見た図である。
【
図16】
図16は、第10変形例に係るリアパネルを第1面の側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る表示装置20の実施形態について説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係る表示装置20を備える車両10の車室を示す図である。
【0012】
車両10は、例えば、前シート12と、後シート14とを備える。表示装置20は、前シート12の背もたれの上端部分に取り付けられる。表示装置20は、表示面22が後シート14の側に向くように取り付けられる。これにより、表示装置20は、後シート14に座っている乗車者に対して画像を提供することができる。
【0013】
また、表示装置20は、表示面22の向きを変えることができる。例えば、表示装置20は、表示面22を垂直方向に回転させることができる。これにより、表示装置20は、例えば、前シート12の背もたれの角度が変化した場合であっても、後シート14に座っている乗車者に対して適切な角度で表示面22を見せることができる。
【0014】
なお、表示装置20は、車両10の車室内の前シート12に限らず、他の場所または他の部材に取り付けられてもよい。
【0015】
図2は、側面から見た表示装置20を示す図である。
図3は、側面から見た表示装置20を分解した模式図である。
【0016】
表示装置20は、ディスプレイ30と、支持装置32とを備える。支持装置32は、リアパネル42と、第1連結部材44と、第2連結部材46とを有する。
【0017】
ディスプレイ30は、平面が略矩形の略平板状であり、一方の平面が表示面22として機能し、他方の面が背面50となる。ディスプレイ30は、表示面22に画像を表示する。
【0018】
リアパネル42は、略平板状であって、平面がディスプレイ30の背面50と略同一の大きさおよび形状である。リアパネル42は、一方の平面である第1面52の側が、ディスプレイ30の背面50に取り付けられ、ディスプレイ30を背面50の側から支持する。
【0019】
第1連結部材44は、リアパネル42における第1面52とは反対側の面である第2面54に固定して取り付けられる。第1連結部材44は、接続板56と、アーム部58とを含む。
【0020】
接続板56は、第2面54よりも小さい板状である。接続板56は、リアパネル42の第2面54の一部分に接触して取り付けられる。例えば、接続板56は、複数のボルト60によりリアパネル42に対してねじ止めされる。アーム部58は、接続板56に設けられる。例えば、アーム部58は、接続板56から、第2面54に対して垂直方向に伸びる形状である。接続板56とアーム部58とは一体的に形成されていてもよい。
【0021】
第2連結部材46は、第1連結部材44に対して回転可能に設けられる。例えば、第2連結部材46は、ディスプレイ30の表示面22の水平方向に平行な軸62を介して第1連結部材44に取り付けられる。そして、第2連結部材46は、軸62を中心に回転する。すなわち、第2連結部材46は、第1連結部材44に対して、ディスプレイ30の表示面22の垂直方向に回転可能である。
【0022】
第1連結部材44および第2連結部材46は、外部から力が加わっていない場合には、摩擦力または回転を規制するロック機構により、互いの位置関係が維持される。従って、外部から力が加わっていない場合またはロック機構が解除されていない場合、第1連結部材44および第2連結部材46は、ディスプレイ30の表示面22の角度を固定することができる。また、第1連結部材44および第2連結部材46は、外部から一定以上の回転力が加わった場合またはロック機構が解除された場合、回転により互いの位置関係が変化する。これにより、第1連結部材44および第2連結部材46は、外部から一定以上の回転力が加わった場合またはロック機構が解除された場合、ディスプレイ30の表示面22の角度を変更することができる。
【0023】
第2連結部材46は、前シート12に取り付けられる。これにより、表示装置20を前シート12に固定して、ディスプレイ30の表示面22を後シート14に座っている乗車者に提示することができる。
【0024】
さらに、リアパネル42は、
図3に示すように、基板部72と、複数のリブ74と、補強部材76とを有する。基板部72は、平板状であり、リアパネル42の第2面54を形成する。
【0025】
複数のリブ74は、基板部72の第1面52の側に設けられる。複数のリブ74は、それぞれが、基板部72の表面から垂直に立ち上がり、基板部72の表面からの高さが同一の板状である。そして、複数のリブ74は、ディスプレイ30の背面50と基板部72との間に複数の空間80を形成する。
【0026】
補強部材76は、複数の空間80のうち、第1連結部材44に対応する位置に形成される空間80に設けられ、基板部72を補強する。なお、複数のリブ74および補強部材76については、
図5等を参照して、さらなる詳細を説明する。
【0027】
図4は、接続板56が取り付けられた状態のリアパネル42を第2面54の側から見た図である。例えば、接続板56は、リアパネル42の第2面54の略中央に、複数のボルト60によりリアパネル42に対してねじ止めされる。
【0028】
例えば、接続板56は、ディスプレイ30の表示面22の水平方向に伸びる第1部材84と、第1部材84の両端に設けられる2つの第2部材86とを含み、全体として略H型となっている。そして、接続板56は、2つの第2部材86のそれぞれにおける垂直方向の上端の近傍と下端の近傍において、複数のボルト60によりリアパネル42にねじ止めされている。なお、接続板56は、
図4に示すような形状に限らず、どのような形状であってもよい。
【0029】
図5は、リアパネル42を第1面52の側から見た図、および、部分拡大図である。
【0030】
複数のリブ74は、リアパネル42における基板部72の第1面52の側に設けられる。複数のリブ74のそれぞれは、基板部72の表面から垂直に立ち上がる板状である。また、複数のリブ74のそれぞれは、基板部72の表面からの高さが同一である。これにより、複数のリブ74は、ディスプレイ30の背面50に接触して、ディスプレイ30を背面50の側から支持することができる。
【0031】
また、複数のリブ74は、リアパネル42がディスプレイ30の背面50に取り付けられたときに、ディスプレイ30の背面50と基板部72との間に複数の空間80を形成する。これにより、複数のリブ74は、表示装置20の全体を軽量化することができる。
【0032】
例えば、複数のリブ74は、第1面52の垂直方向から見た形状が、ハニカム構造となるように配置される。すなわち、複数のリブ74により形成される複数の空間80のそれぞれは、第1面52の垂直方向から見た形状が、全て同一の所定の大きさの六角形である。これにより、複数のリブ74は、ハニカム構造により強度を保ちながら、ディスプレイ30を支持することができる。従って、複数のリブ74は、少ない重量で効率良くディスプレイ30を支持することができる。
【0033】
補強部材76は、複数のリブ74により形成される複数の空間80のうち、第1連結部材44に対応する位置に形成される空間80に設けられる。例えば、補強部材76は、複数の空間80のうち、接続板56に対応する接続領域82に形成される空間80に設けられる。
図5において、接続領域82は、点線により示されている。また、
図5において、補強部材76は、ハッチングがされている。
【0034】
例えば、
図5に示すように、補強部材76は、接続領域82を全て含む領域であって、接続領域82と対応する形状および対応する大きさの領域に形成される1または複数の空間80のそれぞれに設けられる。これにより、補強部材76は、リアパネル42における接続領域82の強度を向上させることができる。
【0035】
1または複数の空間80のそれぞれに設けられた補強部材76は、対応する空間80における基板部72の表面が露出した部分の全体または一部を覆うように形成される。これにより、補強部材76は、基板部72における対応する空間80の部分の強度を向上させることができる。
【0036】
例えば、1または複数の空間80のそれぞれに設けられた補強部材76は、
図5の拡大図に示すように、対応する空間80の内部を充填して形成される。空間80の内部に充填された補強部材76は、基板部72の表面からの高さが、複数のリブ74と同一である。これにより、補強部材76は、ディスプレイ30の背面50に対して複数のリブ74とともに接触して、ディスプレイ30を高い強度で支持することができる。
【0037】
なお、基板部72、複数のリブ74および補強部材76は、同一の材料により形成されていてもよい。例えば、基板部72、複数のリブ74および補強部材76は、ダイキャスト等により一体的に形成されてもよい。
【0038】
また、基板部72および複数のリブ74が同一材質であって、補強部材76が、基板部72および複数のリブ74とは異なる材質であってもよい。この場合、例えば、補強部材76は、基板部72および複数のリブ74がダイキャスト等により一体的に形成された後に、対応する空間80に材料が注入されることにより形成される。
【0039】
図6は、表示装置20を備える車両10の車室、および、表示装置20に加わる衝撃の方向を示す図である。
【0040】
例えば、表示装置20は、車両10の車室内における前シート12の上方に取り付けられる。この場合、
図6に示すように、例えば、後シート14側の斜め上方等からの衝撃により、表示装置20において、リアパネル42と第1連結部材44との接続部分に大きな応力が加わる可能性がある。このような衝撃に対して十分な強度があるかを確認するために、後シート14側の斜め上方から表示装置20に鉄球を衝突させるヘッドインパクト試験がされる場合もある。また、表示装置20が車室内に設けられる場合に限らず、表示装置20の背面部分が連結部材を介して他部品に接続される場合にも、表示装置20に対してこのような衝撃が加わる可能性がある。
【0041】
これに対して、本実施形態に係る表示装置20においては、リアパネル42における第1連結部材44に対応する位置に補強部材76が設けられることにより、リアパネル42と第1連結部材44との接続部分の剛性が向上している。これにより、本実施形態に係る表示装置20は、リアパネル42と第1連結部材44との接続部分に大きな応力が加わっても破断等が生じにくい。
【0042】
また、本実施形態に係る表示装置20においては、衝撃によっても比較的に応力が加わりにくい領域には、補強部材76が設けられていない。従って、本実施形態に係る表示装置20は、破断等が生じにくい部分については軽量化を図っている。
【0043】
以上のように、本実施形態に係る表示装置20は、軽量化を図るとともに強度を向上させることができる。これにより、表示装置20は、少ない重量で効率良くディスプレイ30を支持できるので、前シート12等の取り付け先の部材に係る荷重を小さくすることができる。
【0044】
(変形例)
以下、表示装置20の複数の変形例について説明をする。各変形例は、
図1から
図6を参照して説明した表示装置20とほぼ同一の構成および機能を有する。従って、各変形例については、
図1から
図6を参照して説明した表示装置20との相違点を中心に説明する。
【0045】
図7は、第1変形例に係るリアパネル42を第1面52の側から見た図、および、部分拡大図である。
【0046】
第1変形例に係る補強部材76は、例えば、
図7の拡大図に示すように、対応する空間80の内部を充填して形成される。ただし、第1変形例に係る補強部材76は、基板部72の表面からの高さが、複数のリブ74よりも低い。これにより、補強部材76は、ディスプレイ30の背面50と補強部材76との間にすき間を形成することができる。従って、第1変形例に係る表示装置20は、ディスプレイ30とリアパネル42との接続部分に十分な剛性を保ちながら、軽量化を図ることができる。第1変形例に係る補強部材76の基板部72の表面からの高さは、例えば、複数のリブ74の基板部72の表面からの高さの半分以上である。
【0047】
図8は、第2変形例に係るリアパネル42を第1面52の側から見た図である。
【0048】
第2変形例において、補強部材76は、接続領域82を全て含む領域であって、接続領域82よりも広い領域に形成される1または複数の空間80のそれぞれに設けられる。例えば、補強部材76が設けられる領域は、接続領域82を全て含む、矩形等の所定形状の領域である。これにより、第2変形例に係る表示装置20は、衝撃による応力が接続領域82よりも広い領域に加わっても、破断等を生じにくくすることができる。また、第2変形例に係る表示装置20は、例えば、設計変更により、第1連結部材44の形状が変更したり、リアパネル42に対する第1連結部材44の取り付け位置が変更したりした場合であっても、リアパネル42における補強部材76が設けられる位置を変更しなくてもよい。
【0049】
図9は、第3変形例に係るリアパネル42を第1面52の側から見た図である。
【0050】
第3変形例において、補強部材76は、接続領域82における、ディスプレイ30の垂直方向上側に対応する上側エッジ部分に形成される1または複数の空間80のそれぞれに設けられる。これにより、第3変形例に係る表示装置20は、後シート14側の斜め上方等からの衝撃によって強い応力が加わる部分に、破断等を生じにくくすることができる。また、第3変形例に係る表示装置20は、補強部材76が設けられる領域を小さくすることができるので、ディスプレイ30とリアパネル42との接続部分に十分な剛性を保ちながら、より軽量化を図ることができる。
【0051】
図10は、第4変形例に係るリアパネル42を第1面52の側から見た図である。
【0052】
第4変形例において、補強部材76は、接続領域82における、ディスプレイ30の上側に対応する略半分の領域に形成される1または複数の空間80のそれぞれに設けられる。これにより、第4変形例に係る表示装置20は、後シート14側の斜め上方等からの衝撃によって最も強い応力が加わる部分および当該部分の周囲に、破断等を生じにくくすることができる。また、第4変形例に係る表示装置20は、補強部材76を設ける領域を少なくすることができるので、ディスプレイ30とリアパネル42との接続部分に十分な剛性を保ちながら軽量化を図ることができる。
【0053】
図11は、第5変形例に係る複数のリブ74により形成される1つの空間80および補強部材76を、第1面52の垂直方向から見た示す図である。
【0054】
第5変形例に係る補強部材76は、対応する空間80の内部において基板部72の表面から垂直に立ち上がる1つの板である。そして、第5変形例に係る補強部材76は、対応する空間80の内部において、第1面52の垂直方向から見て直線状に形成される。対応する空間80が第1面52の垂直方向から見て六角形である場合、板状の補強部材76は、六角形の1つの頂点から、六角形の中心を挟んで対称の位置の頂点との間を結ぶ直線状である。これに代えて、板状の補強部材76は、六角形の1つの辺と、六角形の中心を挟んで対称の位置の辺との間を結ぶ直線状であってもよい。補強部材76は、第1面52の垂直方向から見たときに、上下方向に延びる直線状の部材であってもよい。後シート14側の斜め上方等からの衝撃を受けた場合、第1面52の垂直方向から見て、表示装置20の上下方向に強い応力が加わる。補強部材76を、強い応力が加わる方向に延びる部材として形成することにより、ディスプレイ30とリアパネル42との接続部分により剛性を保つことができる。
【0055】
このような構成の補強部材76は、対応する空間80の内部の一部にすき間が存在するので、リアパネル42の対応する部分の剛性を保ちながら、軽量化を図ることができる。なお、第5変形例に係る補強部材76は、基板部72の表面からの高さが、複数のリブ74と同一であってもよいし、複数のリブ74よりも低くてもよい。
【0056】
図12は、第6変形例に係る複数のリブ74により形成される1つの空間80および補強部材76を、第1面52の垂直方向から見た示す図である。
【0057】
第6変形例に係る補強部材76は、対応する空間80の内部において基板部72の表面から垂直に立ち上がる1つの板である。そして、板状の補強部材76は、対応する空間80の内部において、第1面52の垂直方向から見て、対応する空間80の中心から外側に放射状に伸びて形成される。対応する空間80が第1面52の垂直方向から見て六角形である場合、補強部材76は、六角形の中心から、六角形の6個の頂点のそれぞれへと直線状に伸びる6個の板であってもよい。また、補強部材76は、六角形の中心から、6個の頂点のうちの3個、4個または5個の頂点のそれぞれへと直線状に伸びる3個、4個または5個の板であってもよい。
【0058】
これに代えて、補強部材76は、六角形の中心から、六角形の6個の辺のそれぞれへと直線状に伸びる6個の板であってもよい。また、補強部材76は、六角形の中心から、6個の辺のうちの3個、4個または5個の辺のそれぞれへと直線状に伸びる3個、4個または5個の板であってもよい。
【0059】
このような構成の補強部材76は、対応する空間80の内部の一部にすき間が存在するので、リアパネル42の対応する部分の剛性を保ちながら、軽量化を図ることができる。なお、第6変形例に係る補強部材76は、基板部72の表面からの高さが、複数のリブ74と同一であってもよいし、複数のリブ74よりも低くてもよい。
【0060】
図13は、第7変形例に係るリアパネル42を第1面52の側から見た図である。第7変形例に係る複数の空間80のそれぞれは、第1面52の垂直方向から見た形状が、四角形である。
【0061】
第7変形例に係る複数のリブ74は、複数の横リブ90と、複数の縦リブ92とを含む。複数の横リブ90のそれぞれは、ディスプレイ30の表示面22の水平方向に伸びる。また、複数の横リブ90は、所定間隔で平行に配列される。また、複数の縦リブ92のそれぞれは、ディスプレイ30の表示面22の垂直方向に伸びる。また、複数の縦リブ92は、所定間隔で平行に配列される。このような複数の横リブ90および複数の縦リブ92は、第1面52の垂直方向から見た形状が四角形となる複数の空間80を形成することができる。
【0062】
そして、第7変形例に係る補強部材76は、複数の空間80のうち、第1連結部材44に対応する位置に形成される空間80に設けられ、基板部72を補強する。例えば、補強部材76は、
図5または
図7に示すように、空間80の底面の全体を覆うように形成されてもよいし、
図11および
図12に示すように空間80の底面の一部分にすき間を作るように形成されてもよい。
【0063】
図14は、第8変形例に係るリアパネル42を第1面52の側から見た図である。第8変形例に係る複数の空間80のそれぞれは、第1面52の垂直方向から見た形状が、菱形である。
【0064】
第8変形例に係る複数のリブ74は、複数の第1傾斜リブ94と、複数の第2傾斜リブ96とを含む。複数の第1傾斜リブ94のそれぞれは、ディスプレイ30の表示面22の水平方向に対して0°より大きく90°より小さい所定の角度で伸びる。また、複数の第1傾斜リブ94は、所定間隔で平行に配列される。複数の第2傾斜リブ96のそれぞれは、ディスプレイ30の表示面22の水平方向に対して0°より小さく-90°より大きい所定の角度で伸びる。また、複数の第2傾斜リブ96は、所定間隔で平行に配列される。このような複数の第1傾斜リブ94および複数の第2傾斜リブ96も、第7変形例と同様に、第1面52の垂直方向から見た形状が四角形となる複数の空間80を形成することができる。
【0065】
また、第8変形例に係る補強部材76も、第7変形例と同様に、複数の空間80のうち、第1連結部材44に対応する位置に形成される空間80に設けられ、基板部72を補強する。そして、補強部材76は、
図5または
図7に示すように、空間80の底面の全体を覆うように形成されてもよいし、
図11および
図12に示すように空間80の底面の一部分にすき間を作るように形成されてもよい。
【0066】
図15は、第9変形例に係るリアパネル42を第1面52の側から見た図である。
【0067】
第9変形例に係る複数のリブ74は、第7変形例において示した複数の横リブ90を含む。この場合、補強部材76は、接続領域82の一部分の領域または接続領域82の全て含む領域に形成される。例えば、第9変形例に係る補強部材76は、
図5または
図7に示すように、空間80の底面の全体を覆うように形成されてもよいし、
図11および
図12に示すように空間80の底面の一部分にすき間を作るように形成されてもよい。
【0068】
図16は、第10変形例に係るリアパネル42を第1面52の側から見た図である。
【0069】
第10変形例に係る複数のリブ74は、第7変形例において示した複数の縦リブ92を含む。この場合、補強部材76は、接続領域82の一部分の領域または接続領域82の全て含む領域に形成される。例えば、第10変形例に係る補強部材76は、
図5または
図7に示すように、空間80の底面の全体を覆うように形成されてもよいし、
図11および
図12に示すように空間80の底面の一部分にすき間を作るように形成されてもよい。
【0070】
なお、第10変形例に係る複数のリブ74は、例えば、第8変形例において示した複数の第1傾斜リブ94のみを含む構成であっても、複数の第2傾斜リブ96のみを含む構成であってもよい。
【0071】
【0072】
本実施形態において、リアパネル42における基板部72および複数のリブ74は、同一材料により形成される。一例として、基板部72および複数のリブ74は、樹脂、マグネシウムまたはアルミニウムにより形成される。
【0073】
また、リアパネル42における補強部材76は、基板部72および複数のリブ74と同一の材料により形成されてもよい。例えば、基板部72、複数のリブ74および補強部材76は、全て樹脂により形成されてもよいし、全てマグネシウムにより形成されてもよいし、全てアルミニウムにより形成されてもよい。
【0074】
また、リアパネル42における補強部材76は、基板部72および複数のリブ74と異なる材料により形成されてもよい。この場合、補強部材76は、基板部72および複数のリブ74よりも剛性が高い材料により形成される。
【0075】
例えば、基板部72および複数のリブ74が樹脂により形成される場合、補強部材76は、アルミニウム、マグネシウムまたは鉄により形成されてもよい。また、例えば、基板部72および複数のリブ74がマグネシウムにより形成される場合、補強部材76は、アルミニウムまたは鉄により形成されてもよい。また、例えば、基板部72および複数のリブ74がアルミニウムにより形成される場合、補強部材76は、鉄により形成されてもよい。
【0076】
本発明の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0077】
20 表示装置、22 表示面、30 ディスプレイ、32 支持装置、42 リアパネル、44 第1連結部材、46 第2連結部材、50 背面、52 第1面、54 第2面、56 接続板、58 アーム部、60 ボルト、62 軸、72 基板部、74 リブ、76 補強部材、80 空間、82 接続領域