(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047678
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】スクリーン装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/52 20060101AFI20230330BHJP
E06B 9/54 20060101ALI20230330BHJP
E06B 9/13 20060101ALI20230330BHJP
E06B 9/17 20060101ALI20230330BHJP
E06B 9/58 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
E06B9/52 K
E06B9/54
E06B9/52 H
E06B9/13 A
E06B9/17 S
E06B9/58 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156730
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000107930
【氏名又は名称】セイキ販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100188743
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】戸田 宏次
(72)【発明者】
【氏名】橋間 康祐
(72)【発明者】
【氏名】守谷 将人
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA07
2E042DA01
2E042DB11
(57)【要約】
【課題】スクリーンの巻取時、係合子同士が重なることで巻きずれを起こした場合であっても、スクリーン本体における皺の発生を防止できるスクリーン装置を提供する。
【解決手段】スクリーン6と、巻取軸7と、可動框8と、ガイドレール9,10とを有し、該ガイドレール9,10にはスリット9a,10aが設けられ、スクリーン6の上端と下端との間にスクリーン本体13が設けられ、上端部6a及び下端部6bには、開閉方向に延びる第1及び第2のファスナーテープ14,17と、上記スリット9a,10aに摺動自在に係合される第1及び第2の係合子15,18と、第1及び第2のファスナーテープ14,17とスクリーン本体13とを連結する第1及び第2の連結テープ16,19とが設けられ、第1及び第2の連結テープ16,19は、第1及び第2のファスナーテープ14及びスクリーン本体13よりも柔軟性に優れる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部に装着するためのスクリーン装置であって、
スクリーン装置は、建物開口部を開閉する矩形のスクリーンと、スクリーンの開閉方向の一端部が取付けられ、スクリーンを巻き取るための巻取軸と、スクリーンの開閉方向の他端部が取付けられた可動框と、上記開閉方向に沿って配置され、可動框を開閉方向に移動可能に支持するガイドレールとを有し、該ガイドレールには、スクリーン側に開口して開閉方向に延びるスリットが設けられ、
上記スクリーンは、開閉方向に延びる両側端に第1端及び第2端を有し、第1端と第2端との間に網体で構成されたスクリーン本体が設けられ、
上記第1端部及び第2端部のうち少なくとも第1端部には、開閉方向に延びるファスナーテープと、該ファスナーテープの先端において開閉方向に沿って複数設けられ、上記スリットに摺動自在に係合される係合子と、帯状の布から成り、ファスナーテープとスクリーン本体とを連結する開閉方向に延びる連結テープとが設けられ、上記連結テープは、ファスナーテープ及びスクリーン本体よりも柔軟性に優れていることを特徴とするスクリーン装置。
【請求項2】
上記連結テープは、綾織で織られた布であることを請求項1に記載のスクリーン装置。
【請求項3】
上記連結テープは、経糸及び緯糸で織られた織目模様が、開閉方向に鋭角の横向きV字状を成す杉綾織で形成されていることを特徴とする請求項2に記載のスクリーン装置。
【請求項4】
上記巻取軸は、スクリーン本体が巻き取られる本体部と、該本体部よりも小径の小径部とを有し、本体部と小径部との境界は上記連結テープ上にあり、該小径部では、該連結テープとファスナーテープと係合子とが巻き取られることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスクリーン装置。
【請求項5】
上記スクリーン本体は、合成樹脂製の線材を格子状に平織りした防虫網であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のスクリーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に装着するためのスクリーン装置に関するものであって、開閉方向に沿ったスクリーンの両側端に該スクリーンガイド用の係合子を備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
建物開口部に装着するためのスクリーン装置は多くの特許文献に開示され、一般に広く知られている。
図7及び
図8は従来のスクリーン装置の一例を示すものであり、このスクリーン装置40は、上下の横枠41,42と、左右の縦枠のうちの一方の縦枠を構成する巻取りボックス43と、他方の縦枠を構成する受け枠44と、矩形のスクリーン45と、スクリーン45の左右方向の一端部が取付けられ、その軸方向の両端部が上記巻取りボックス43の上下端に回転自在に支持された巻取軸46と、スクリーン45の左右方向の他端部が取付けられた可動框47とを有し、可動框47を左右に横引きすることで、上記スクリーン45により建物開口部が開閉されるように構成されている。
上記スクリーン45は、ネット状のスクリーン本体45aと、スクリーン本体45aの上下端部に設けられ、左右方向に延びる帯状のファスナーテープ48と、ファスナーテープ48の先端において左右方向に列設された係合子49とを有し、該スクリーン45が巻取軸46から繰り出されたときに、該係合子49が、上下の横枠41,42内に保持された不図示のガイドレールのスリットに係合されることにより、スクリーン45の上下端が保持され安定的に開閉することができる。
【0003】
ところで、上記ガイドレールのスリットに係合される係合子49は、スリット内からの抜け出しが出来ないように膨出している。そして、スクリーン45の巻取時、係合子49が重なりながら巻かれることになるが、この場合、係合子49の巻径と、スクリーン本体45aの巻径とに差が生じ、この巻径差によって、係合子49は、巻取軸46の軸方向に順次巻きずれてしまい、その影響を受けて、スクリーン本体45aには部分的に皺50が付いてしまう。この状態でスクリーン45を繰り出すと、スクリーン本体45aには皺50が残ったままになってしまうため、見た目が悪くなるという問題がある。
【0004】
上記の問題を解消するために、特許文献1には、網材から成るネット本体(スクリーン本体)20と、スクリーン本体20の上下端に設けられ、ガイドレール17に形成されたスリット17Aに係合するファスナーエレメント(係合子)31と、係合子31とスクリーン本体20とを接続するファスナーテープ32と、ファスナーテープ32の側面に接合されたフラットな当接面33Aを備えるゴムシート33とを有するスクリーン装置1が開示されている。上記スクリーン装置1は、巻取軸13Aにスクリーン本体20が巻取られると、ゴムシート33のフラットな当接面33Aが重なることで、スクリーン本体20が巻取軸13Aの径方向に一定間隔をおいた状態となるため、係合子31同士が重なることによる上記巻きずれが防止されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のスクリーン装置1は、係合子31同士が重ならないようにするために、スクリーン本体20が巻取軸13Aの径方向に一定間隔をおいた状態で巻かれることから、その巻径が増してしまい、スクリーン装置1が大型化してしまう虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の技術的課題は、スクリーンの巻取時、係合子同士が重なることで巻きずれを起こした場合であっても、スクリーン本体における皺の発生を防止できるスクリーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明によれば、建物開口部に装着するためのスクリーン装置であって、スクリーン装置は、建物開口部を開閉する矩形のスクリーンと、スクリーンの開閉方向の一端部が取付けられ、スクリーンを巻き取るための巻取軸と、スクリーンの開閉方向の他端部が取付けられた可動框と、上記開閉方向に沿って配置され、可動框を開閉方向に移動可能に支持するガイドレールとを有し、該ガイドレールには、スクリーン側に開口して開閉方向に延びるスリットが設けられ、上記スクリーンは、開閉方向に延びる両側端に第1端及び第2端を有し、第1端と第2端との間に網体で構成されたスクリーン本体が設けられ、上記第1端部及び第2端部のうち少なくとも第1端部には、開閉方向に延びるファスナーテープと、該ファスナーテープの先端において開閉方向に沿って複数設けられ、上記スリットに摺動自在に係合される係合子と、帯状の布から成り、ファスナーテープとスクリーン本体とを連結する開閉方向に延びる連結テープとが設けられ、上記連結テープは、ファスナーテープ及びスクリーン本体よりも柔軟性に優れていることを特徴とするスクリーン装置が提供される。
【0009】
本発明において、上記連結テープは、綾織で織られた布であることが望ましい。
この場合、上記連結テープは、経糸及び緯糸で織られた織目模様が、開閉方向に鋭角の横向きV字状を成す杉綾織で形成されていることが望ましい。
【0010】
本発明において、上記巻取軸は、スクリーン本体が巻き取られる本体部と、該本体部よりも小径の小径部とを有し、本体部と小径部との境界は上記連結テープ上にあり、該小径部では、該連結テープとファスナーテープと係合子とが巻き取られることが望ましい。
【0011】
上記スクリーン本体は、合成樹脂製の線材を格子状に平織りした防虫網であることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のスクリーン装置は、スクリーンの開閉方向に沿った第1端部及び第2端部のうち少なくとも第1端部に、開閉方向に延びるファスナーテープと、ファスナーテープの先端に設けられ、開閉方向に沿って複数設けられた係合子と、帯状の布から成り、上記ファスナーテープとスクリーン本体とを連結する連結テープとが設けられ、この連結テープが、ファスナーテープ及びスクリーン本体よりも柔軟性に優れている。よって、スクリーンの巻取時、係合子が重なることに伴い、該係合子が巻取軸の軸方向に巻きずれを起こした場合であっても、上記連結テープが巻きずれることで軸方向の位置ずれが吸収されるため、スクリーン本体には該巻きずれの影響が及ぶことなく、スクリーン本体における皺の発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のスクリーン装置を示す正面図である。
【
図2】
図1の状態からスクリーンを展張させた状態を示す正面図である。
【
図4】スクリーンの上端部分を示す拡大縦断面図である。
【
図5】スクリーンの下端部分を示す拡大縦断面図である。
【
図8】
図7の状態からスクリーンを展張させた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るスクリーン装置について、
図1-
図6を用いて説明する。
上記スクリーン装置1は、建物開口部に設置するためのもので、上下の横枠2,3と、左右の縦枠のうちの一方の縦枠を構成する巻取りボックス4と、他方の縦枠を構成する受け枠5と、上記建物開口部を開閉する矩形のスクリーン6と、スクリーン6の開閉方向(左右方向)の一端部が取付けられ、上記巻取りボックス4に支持された巻取軸7と、スクリーン6の左右方向の他端部が取付けられた可動框8とを有し、可動框8を上下の横枠2,3に沿って左右に横引きすることで、上記スクリーン6が巻取軸7から繰り出され、又は、該巻取軸7に巻き取られることにより、建物開口部を開閉するものである。
【0015】
上記上下の横枠2,3は、それらの左右方向の一端が巻取りボックス4の上下端部に連結され、他端が受け枠5の上下端部に連結されている。上記巻取りボックス4は、上下端にブラケット4a,4bを有し、これらブラケット4a,4bに巻取軸7の軸方向の両端部が回転自在に支持されている。また、
図3に示すように、巻取りボックス4の前面にはカバー4cが開閉自在に連結されていて、該カバー4cを開くことで巻取りボックス4内の巻取軸7が交換可能になっている。
【0016】
上記巻取軸7は、その内部に不図示のスプリングが設けられ、該スプリングの付勢力により、スクリーン6が巻取軸7に巻き取られるように成っている。巻取軸7は、軸方向の中央部に設けられた本体部7aと、軸方向の両端部に設けられ、本体部7aよりも小径な小径部7b,7cとを有している。
【0017】
図4、
図5に示すように、上記上方の横枠2は、下向きに開口する開口部2aを有する横断面コ字形の溝状の型材であり、該開口部2aの口縁が互いに内向きに突出する一対のガイド部2b,2bとして構成されている。同様に、下方の横枠3は、上向きに開口する開口部3aを有する横断面コ字形の溝状の型材であり、該開口部3aの口縁が互いに内向きに突出する一対のガイド部3b,3bとして構成されている。そして、上方の横枠2のガイド部2b,2bには、可動框8の上端部に形成された一対のガイド溝8a,8aが係合され、下方の横枠3のガイド部3b,3bには、可動框8の下端部に形成された一対のガイド溝8b,8bが係合されており、それにより、可動框8の上下端部がガイドされるように成っている。
【0018】
また、上記上下の横枠2,3の開口部2a,3a内には、左右方向に延びる一対のガイドレール9,10がそれぞれ配設されている。ガイドレール9,10には、スクリーン6側における、互いに対向する対向面に左右方向に延びるスリット9a,10aが開設されている。なお、ガイドレール9,10には、フランジ状に張り出す鍔部9b,10bが形成されており、該鍔部9b,10bが、上下の横枠2,3の溝底部に形成された内向き凸部2c,3cに係合されることで、該ガイドレール9,10が上下の横枠2,3にそれぞれ支持されている。
【0019】
上記可動框8は、上下方向に延びる縦向き姿勢の型材であって、
図3に示すように、該可動框8の左右方向の一端部には、巻取りボックス4側に向けて開放する取付溝8cが設けられ、該可動框8の左右方向の他端部には、スクリーン6が展張されたときに受け枠5に当接する当接面8dが設けられ、上記取付溝8cには、断面略U字状を成す取付部材12が弾性的に係合されている。取付部材12の内部には縦長のスリット12aが開設されており、このスリット12aに、スクリーン6の左右方向の他端部に設けられた係合子11が係合されていることにより、可動框8とスクリーン6とが連結されている。なお、
図6に示すように、上記当接面8dの上下端部にはマグネット片8eがそれぞれ一つずつ取り付けられていて、可動框8が受け枠5に当接した際に、該マグネット片8eが、受け枠5に取り付けられた不図示の磁性体に磁気吸着されることでスクリーン6の展張状態が保持される。
【0020】
上記スクリーン6は、左右方向に沿って延びる上端と下端との間に網体で構成された矩形のスクリーン本体13が設けられている。このスクリーン本体13は、経糸及び緯糸から成る合成樹脂製の線材を格子状に平織することで形成された防虫網として構成されている。
【0021】
上記スクリーン6の上端部6aには、左右方向に延びる第1のファスナーテープ14と、第1のファスナーテープ14の先端において開閉方向に沿って複数列設された第1の係合子15と、帯状の布から成り、第1のファスナーテープ14とスクリーン本体13とを連結し、開閉方向に延びる第1の連結テープ16とが設けられている。それと同様に、上記スクリーン6の下端部6bには、左右方向に延びる第2のファスナーテープ17と、第2のファスナーテープ17の先端において開閉方向に沿って複数列設された第2の係合子18と、帯状の布から成り、第2のファスナーテープ17とスクリーン本体13とを連結し、開閉方向に延びる第2の連結テープ19とが設けられている。
【0022】
上記第1の連結テープ16上には、上記巻取軸7の本体部7aと上方の小径部7bとの境界があり、第2の連結テープ19上には、巻取軸7の本体部7aと下方の小径部7cとの境界がある。そして、スクリーン6の巻取時においては、上記スクリーン本体13が巻取軸7の本体部7aに巻き取られ、第1のファスナーテープ14と、第1の係合子15と、第1の連結テープ16とが巻取軸7の上方の小径部7bに巻き取られ、第2のファスナーテープ17と、第2の係合子18と、第2の連結テープ19とが、下方の小径部7cに巻き取られるように構成されている。
【0023】
また、上記第1の係合子15は、上方のガイドレール9に開設されたスリット9aに摺動自在に係合され、第2の係合子18は、下方のガイドレール10に開設されたスリット10aに摺動自在に係合されていることで、スクリーン6の第1端及び第2端が、上下のガイドレール9,10に抜け止め状態で安定的にガイドされている。
【0024】
上記第1及び第2のファスナーテープ14,17は、合成樹脂製の可撓性を有する細長い帯状の部材である。これに対し、上記第1及び第2の連結テープ16,19は、第1及び第2のファスナーテープ14,17及びスクリーン本体13の両者よりも曲げ剛性が小さく、屈曲性、柔軟性に優れた繊維織物で構成されている。具体的には、第1及び第2の連結テープ16,19は、経糸及び緯糸がそれぞれ3本以上で構成され、布面に斜めの織目模様(綾目または斜文線)16a,19aが現れる綾織りで形成されている。本実施形態においては、第1及び第2の連結テープ16,19の布面には、2つの斜めの綾目16a,19aにより、左右方向に鋭角を成して横向きV字状の織模様を有する杉綾織りで形成されている。また、第1及び第2の連結テープ16,19は、2つの綾目16a,19aから成るV字の先端(凸側)が、何れもスクリーン6の展張側(
図1において左方向)を向いて並列するように織られている。
【0025】
図4に示すように、上記第1及び第2の連結テープ16,19の帯幅(上下方向長さ)は第1及び第2のファスナーテープ14,17の帯幅よりも長く、該第1及び第2のファスナーテープ14,17の帯幅の2倍程の長さを有している。上記第1及び第2の連結テープ16,19とスクリーン本体13との連結に関しては、第1及び第2の連結テープ16,19の厚さ方向の一方の側面が、第1及び第2のファスナーテープ14,17及びスクリーン本体13の厚さ方向の他方の面に対して接着、縫着、溶着等の適宜の固定方法で固定されている。なお、上記第1の連結テープ16は、帯幅方向の上端が上枠2の開口部2a内に位置すると共に、その下端が該上方の横枠2よりも下方に位置しており、上記第2の連結テープ19は、帯幅方向の下端が上枠3の開口部3a内に位置すると共に、その上端が該下方の横枠3よりも上方に位置しており、スクリーン6が巻取軸7から繰り出されたとき、第1及び第2の連結テープ16,19が上下の横枠2,3から露出する。
【0026】
上記構成を有するスクリーン装置1は、
図1に示すように、上記スクリーン6が巻取軸7に巻き取られるとき、第1及び第2のファスナーテープ14,17の先端に設けられた第1及び第2の係合子15,18が重なる部分の巻径と、スクリーン本体13が重なる部分の巻径とに差により、第1の係合子15は下方に向けて順次巻きずれを起こし、第2の係合子18は上方に向けて順次巻きずれを起こすことになる。
【0027】
しかし、第1及び第2のファスナーテープ14,17とスクリーン本体13とを連結する第1及び第2の連結テープ16,19は、第1及び第2のファスナーテープ14,17及びスクリーン本体13よりも曲げ剛性が小さく、屈曲性、柔軟性に優れた綾織物であって、第1及び第2の係合子15,18の巻きずれによる上下方向のずれを、該第1及び第2の連結テープ16,19が巻きずれることで吸収し、該上下方向のずれがスクリーン本体13に伝達されないように成っている。それにより、第1及び第2の連結テープ16,19の部分で皺20が生じても、スクリーン本体13には皺が生じることなく、スクリーン6を繰り出したときに、該スクリーン本体13を平面性を有する状態で展張させることができる。また、第1及び第2の連結テープ16,19は、上述したように曲げ剛性が小さく、屈曲性、柔軟性に優れた綾織製のものであるため、スクリーン6の巻取時に巻きずれを起こして皺20が生じても、該スクリーン6の展張状態においては、皺20が残ることなく元の状態に復帰するように成っている。
【0028】
本実施形態では、上記巻取軸7の回転の軸線が鉛直を成す横引きのスクリーン装置を示しているが、上部の横枠に巻取軸7を配置し、その回転の軸線が水平を成す縦引きのスクリーン装置として構成することもできる。
また、上記スクリーン装置1は、上下の横枠2,3内にガイドレール9,10を配し、これらガイドレール9,10にスクリーン6の上下端がガイドされるように構成されているが、何れか一方端がガイドされることでもよい。その場合、例えば、下方の横枠3をなくし、スクリーン6の上端のみがガイドされるように、上端部6aのみに、ファスナーテープ14と係合子15と連結テープ16を設けることでもよい。
また、第1及び第2の連結テープ16,19は、布面に2つの綾目16a,16aにより、横向きV字状の織模様が形成されているが、4つの綾目により横向きV字状の織模様を上下に隣接させたW字状の織模様を成すものでもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 スクリーン装置
6 スクリーン
6a 第1端部(上端部)
6b 第2端部(下端部)
7 巻取軸
7a 本体部
7b,7c 小径部
8 可動框
9 ガイドレール
9a スリット
10 ガイドレール
10a スリット
13 スクリーン本体
14 第1のファスナーテープ
15 第1の係合子
16 第1の連結テープ
16a 織目模様
17 第2のファスナーテープ
18 第2の係合子
19 第2の連結テープ
19a 織目模様