(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047738
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】切削液タンクおよび除去装置
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/00 20060101AFI20230330BHJP
B23Q 1/01 20060101ALI20230330BHJP
B23Q 11/10 20060101ALI20230330BHJP
B01D 29/01 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
B23Q11/00 U
B23Q1/01 G
B23Q11/10 E
B01D29/04 530A
B01D29/04 510C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156834
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000137856
【氏名又は名称】シチズンマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】泉 和之
(72)【発明者】
【氏名】宮川 直己
(72)【発明者】
【氏名】日沖 高弘
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 陽一
【テーマコード(参考)】
3C011
3C048
4D116
【Fターム(参考)】
3C011BB34
3C011EE09
3C048BB01
4D116AA22
4D116BB01
4D116BC03
4D116DD01
4D116DD04
4D116EE03
4D116EE06
4D116FF12B
4D116FF17B
4D116GG02
4D116QA06C
4D116QA06D
4D116QA06E
4D116QA06F
4D116QA33C
4D116QA33D
4D116QA33F
4D116UU01
4D116UU09
4D116UU20
4D116VV30
(57)【要約】
【課題】本発明は、切削液タンクにおいて、より好適に切削液から切粉を取り除くことを可能とする技術を提供することを目的とする。
【解決手段】切削液タンクにおいて、切削液が循環する流路に略U字型のリブが形成されている。また、流路に設置された除去装置は、第1部材および第2部材を有する。第1部材は、リブに嵌め込まれた状態で流路における切削液の流れを遮断する遮断板を含む。遮断板の上端部には切り欠き部が形成されている。第2部材は、フィルタ状の部材であり、第1部材における遮断板の切り欠き部の位置に取り付けられ、切り欠き部から流れ込んだ切削液に含まれる切粉を捕捉する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削液を回収する切削液タンクであって、
切削液が循環する流路と、
前記流路を流れる切削液から切粉を除去する除去装置と、を備え、
前記流路における所定の位置に、前記流路の両側壁面と底面とに沿って略U字型のリブが形成されており、
前記除去装置は、
前記リブに嵌め込まれた状態で前記流路における切削液の流れを遮断する遮断板を含み、且つ、前記遮断板の上端部に切り欠き部が形成されている第1部材と、
前記第1部材における前記遮断板の前記切り欠き部の位置に取り付けられ、前記切り欠き部から流れ込んだ切削液に含まれる切粉を捕捉するフィルタ状の第2部材と、を有する、
切削液タンク。
【請求項2】
前記第2部材は、
前記第1部材における前記遮断板の前記切り欠き部の位置にその一端が接続され、且つ、前記流路に沿って延び、
前記切り欠き部を通って一端から流れ込んだ切削液に含まれる切粉をその表面上に捕捉する、
請求項1に記載の切削液タンク。
【請求項3】
前記第1部材は、
前記遮断板との間に前記リブを挟み込む第1側面板と、前記第1側面板と対向する第2側面板と、前記第1側面板および前記第2側面板それぞれの一方の側方端部に接続された第3側面板と、前記第1側面板、前記第2側面板、および前記第3側面板それぞれの下端部に接続された底面板と、を有する箱体をさらに含み、
前記第2部材の他端が、前記第1部材における前記箱体の上部において前記第2側面板に接続されている、
請求項2に記載の切削液タンク。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の切削液タンクと、
前記切削液タンクが連接されたベースと、を含み、
前記切削液タンクと前記ベースとが鋳物により一体的に形成されている、
ベース一体型切削液タンク。
【請求項5】
切削液を回収する切削液タンクに設けられた、切削液が循環する流路に設置され、前記流路を流れる切削液から切粉を除去する除去装置であって、
前記流路における所定の位置において前記流路の両側壁面と底面とに沿って形成された略U字型のリブに嵌め込まれた状態で前記流路における切削液の流れを遮断する遮断板を含み、且つ、前記遮断板の上端部に切り欠き部が形成されている第1部材と、
前記第1部材における前記遮断板の前記切り欠き部の位置に取り付けられ、前記切り欠き部から流れ込んだ切削液に含まれる切粉を捕捉するフィルタ状の第2部材と、を有する、
除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切削液を回収する切削液タンク、および、切削液から切粉を取り除く除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、切削液に含まれる切粉を除去する切削液濾過装置が開示されている。特許文献1に開示の装置においては、切削液の回収槽に第1、第2流路形成体が設けられる。第1、第2流路形成体は、連結板と、複数の仕切り板とを備える。連結板は、回収槽の側壁面に沿わせて平行に配設される。複数の仕切り板は、連結板に一端が固着されて連結板に対し直角に配設されると共に連結板と平行方向に適当間隔おきに配設される。また、複数の仕切り板の片方の端部分には切り欠き部が設けられている。隣接する仕切り板の切り欠き部が互いに離隔した反対側の端部分に形成されている。これにより、回収槽内において、第1、第2流路形成体と、複数の切り欠き部とで、水平方向に蛇行する切削液流路が形成される。さらに、仕切り板の切り欠き部にはフィルタが設けられている。このフィルタによって、切削液に含まれる切粉が捕捉される。
【0003】
また、特許文献2には、切削液を回収循環させるクーラントタンクが開示されている。特許文献2に開示のクーラントタンクにおいては、水槽部において、内部仕切板がタンク構造体より分離自在に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-125901号公報
【特許文献2】実開平2-003348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
切削加工装置による切削加工の際に用いられた切削液には切粉が混入する。そのため、切削液を切削液タンクに回収する場合、切削液から切粉を取り除く必要がある。そこで、切削液タンクに設けられた循環路に、該循環路を流れる切削液から切粉を取り除くための除去装置を設置する場合がある。ただし、切削液タンクの設計上、除去装置の設置位置または取付構造については様々な制約を受けることが考えられる。
【0006】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、切削液タンクにおいて、より好適に切削液から切粉を取り除くことを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る切削液タンクは、切削液を回収する切削液タンクであって、切削液が循環する流路と、前記流路を流れる切削液から切粉を除去する除去装置と、を備え、前記流路における所定の位置に、前記流路の両側壁面と底面とに沿って略U字型のリブが形成されており、前記除去装置は、前記リブに嵌め込まれた状態で前記流路における切削液の流れを遮断する遮断板を含み、且つ、前記遮断板の上端部に切り欠き部が形成されている第1部材と、前記第1部材における前記遮断板の前記切り欠き部の位置に取り付けられ、前記切り欠き部から流れ込んだ切削液に含まれる切粉を捕捉するフィルタ状の第2部材と、を有する。
【0008】
本発明の第2の態様に係る除去装置は、切削液を回収する切削液タンクに設けられた、切削液が循環する流路に設置され、前記流路を流れる切削液から切粉を除去する除去装置であって、前記流路における所定の位置において前記流路の両側壁面と底面とに沿って形成された略U字型のリブに嵌め込まれた状態で前記流路における切削液の流れを遮断する遮断板を含み、且つ、前記遮断板の上端部に切り欠き部が形成されている第1部材と、前記第1部材における前記遮断板の前記切り欠き部の位置に取り付けられ、前記切り欠き部から流れ込んだ切削液に含まれる切粉を捕捉するフィルタ状の第2部材と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、切削液タンクにおいて、より好適に切削液から切粉を取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る切削液タンクの概略構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、切削液タンクにおける除去装置が設置された部分の概略構成を示す図である。
【
図4】
図4は、除去装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、除去装置を構成する第1部材の概略構成を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、変形例に係る、切削液タンクにおける除去装置が設置された部分の概略構成を示す図である。
【
図7】
図7は、変形例に係る第3部材の概略構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第一の態様に係る切削液タンクは、切削液が循環する流路と、流路を流れる切削液から切粉を除去する除去装置と、を備えている。除去装置は、流路における所定の位置に設置される。流路における所定の位置にはリブが形成されてる。このリブは、流路の両側壁面と底面とに沿った略U字型の形状を有している。
【0012】
また、除去装置は第1部材および第2部材を有している。第1部材は遮断板を含んでいる。遮断板は、除去装置が流路における所定の位置に設置されたときに、リブに嵌め込まれた状態で流路における切削液の流れを遮断する。また、遮断板の上端部には切り欠き部が形成されている。
【0013】
第2部材は、第1部材における遮断板の切り欠き部の位置に取り付けられる。また、第2部材はフィルタ状の部材である。そして、第2部材は、切り欠き部から該第2部材に流れ込んだ切削液に含まれる切粉を捕捉する。
【0014】
上記のような構成の切削液タンクにおいては、流路における所定の位置に除去装置が設置されることで、第1部材の遮断板によって切削液の流れが遮断される。これにより、流路における遮断板より上流部分に切削液が貯留される。そして、流路における遮断板より上流部分に貯留された切削液の水位が、遮断板における切り欠き部の高さに達すると、切削液が該切り欠き部を通って第2部材に流れ込む。フィルタ状の第2部材に切削液が流れ込むと、切削液に含まれる切粉が第2部材によって捕捉される。これによって、切削液から切粉が取り除かれる。そして、除去装置における第2部材を通過した切削液が、切削液タンクのタンク本体に回収される。
【0015】
ここで、仮に、流路において、上記のようなリブが形成されおらず、単に流路内に除去装置が置かれただけの構成であれば、流路の内壁面と第1部材の遮断板との間に隙間が生じる虞がある。このとき、流路の寸法誤差が大きいと、流路の内壁面と第1部材の遮断板
との間の隙間も大きくなり易い。そして、流路の内壁面と第1部材の遮断板との間の隙間が生じると、切粉を含んだ切削液がこの隙間を通って洩れ出てしまうことになる。その結果、除去装置の第2部材によって捕捉される切粉が減少することになる。つまり、より多くの切粉が残った状態の切削液がタンク本体に回収されることになる。
【0016】
これに対し、本発明に係る切削液タンクでは、流路において上記のような略U字型のリブが形成されている。このリブによって流路の寸法誤差が抑制される。さらに、このリブに第1部材の遮断板が嵌め込まれるため、流路に多少の寸法誤差があったとしても、流路の内壁面と第1部材の遮断板との間に隙間が生じ難い。したがって、切削液の一部が第2部材に流れ込まずに除去装置から洩れ出てしまうことを抑制することができる。そのため、除去装置によってより多くの切粉を切削液から取り除くことができる。
【0017】
また、本発明に係る切削液タンクによれば、流路における所望の位置にリブを形成し、そのリブに第1部材の遮断板を嵌め込むことで、除去装置を設置することができる。そのため、よりフレキシブルな構成によって切削液から切粉を取り除くことができる。
【0018】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0019】
<実施形態>
(概略構成)
図1は、本実施形態に係る切削液タンクの概略構成を示す斜視図である。ベース一体型切削液タンク1は、切削加工装置による切削加工の際に用いられた切削液を回収し貯留する装置である。ベース一体型切削液タンク1は、ベース2、切削液タンク10、および除去装置20を備えている。また、ベース一体型切削液タンク1においては、ベース2の下方に切削液タンク10が連接されている。ベース2および切削液タンク10は鋳物により一体的に形成されている。ただし、ベース2および切削液タンク10は必ずしも鋳物でなくてもよい。なお、
図1において、矢印は切削液の流れを表している。
【0020】
切削液タンク10は切削液が循環する流路11を有する。流路11は、切削液タンク10の前方側に形成された第1流路12と、切削液タンク10の側方側に形成された第2流路13とを含んでいる。第2流路13の底面は、第1流路12の底面よりも低くなっている。また、ベース2の側方には開口部2aが形成されている。そして、切削液タンク10の流路11において、切削液は第1流路12から第2流路13の方向に流れ、第2流路13から開口部2aを介して切削液がベース2の内部に回収される。
【0021】
また、除去装置20は、流路11を流れる切削液から切粉を取り除く装置である。除去装置20は、切削液タンク10において、流路11における第2流路13に設置される。したがって、流路11を流れる切削液が、除去装置20を経由して、開口部2aからベース2の内部に流れ込む。これにより、除去装置20によって切粉が取り除かれた切削液がベース2に回収される。
【0022】
以下、ベース一体型切削液タンク1における除去装置20の構成および機能の詳細について
図2から
図5に基づいて説明する。
図2は、切削液タンク10における除去装置20が設置された部分の概略構成を示す図である。
図3は、除去装置20が設置される第2流路13の構造を示す図である。
図4は、除去装置20の概略構成を示す斜視図である。
図5は、除去装置20を構成する第1部材の概略構成を示す斜視図である。なお、第1部材については後述する。
【0023】
除去装置20は、第2流路13に取り付けられる部材である第1部材21と、切削液に含まれる切粉を捕捉するフィルタ状の第2部材22とを有する。ここで、
図2および
図3に示すように、第2流路13における所定の位置にはリブ14が形成されている。このリブ14は、第2流路13の両側壁面13a、13bと底面13cとに沿って略U字型に形成されている。第2流路13に略U字型に形成されたリブ14は、第2流路13の寸法誤差を低減する機能を有している。
【0024】
そして、除去装置20は、第2流路13に形成されたリブ14に第1部材21が嵌め込まれることで、第2流路13に設置される。なお、本実施形態において、第2流路13においてリブ14が形成される所定の位置は、第1部材21がリブ14に嵌め込まれることで第2流路13に除去装置20が設置されると除去装置20がベース2の開口部2aと対向するような位置である。ただし、流路13においてリブ14が形成される位置は、このような位置に限られるものではない。
【0025】
除去装置20の第1部材21は、リブ14に嵌め込まれた状態で第2流路13における切削液の流れを遮断する遮断板23と、箱体24とを含んでいる。そして、
図2に示すように、除去装置20が第2流路13に設置された場合、遮断板23と箱体24との間にリブ14が挟み込まれる。
【0026】
また、
図4および
図5に示すように、第1部材21の箱体24は、第1側面板24a、第2側面板24b、第3側面板24c、および底面板24dを有する、上方部と一側方部が開放された箱状の構造体である。箱体24の第1側面板24aは、所定の間隔を空けて遮断板23と対向しており、且つ第1側面板24aの上端部と遮断板23の上端部とが接続部25に接続されている。そして、第1側面板24aと遮断板23との間に第2流路13のリブ14が挟み込まれる。
【0027】
箱体24において、第2側面板24bは第1側面板24aと対向して配置されている。また、箱体24において、第1側面板24aおよび第2側面板24bそれぞれの一方の側方端部に第3側面板24cが接続されている。また、箱体24において、第1側面板24a、第2側面板24b、および第3側面板24cそれぞれの下端部に底面板24dが接続されている。
【0028】
第1部材21の遮断板23の上端部には切り欠き部23aが形成されている。また、第1部材21の箱体24の第1側面板24aにおいても、遮断板23の切り欠き部23aと対向する位置に切り欠き部が形成されている。そして、
図2および
図4に示すように、除去装置20においては、第1部材21における遮断板23の切り欠き部23aの位置に第2部材22が取り付けられている。
【0029】
第2部材22は、底面部22aと、底面部22aにおける一端を除いた周囲を囲む淵部22bとを有している。なお、上記のとおり、第2部材22はフィルタ状の部材である。第2部材22は、第2部材22は、所定の径の複数の孔を有するパンチングメタルによって形成されてもよい。そして、第2部材22の一端が遮断板23の切り欠き部23aの位置に接続されている。また、第2部材22の他端が箱体24の上部において第2側面板24bに接続されている。つまり、除去装置20が第2流路13に設置された状態において、第2部材22は、遮断板23の切り欠き部23aの位置から第2流路13に沿って箱体24の第2側面板24bまで延びている。
【0030】
(切削液の流れ)
ここで、切削液タンク10の第2流路13における、除去装置20を経由する切削液の流れについて
図2に基づいて説明する。なお、
図2において、矢印は切削液の流れを表し
ている。
【0031】
第2流路13においては、リブ14に第1部材21が嵌め込まれることで除去装置20が設置されると、第1部材21の遮断板23によって切削液の流れが遮断される。これにより、第2流路13における遮断板23より上流部分に切削液が貯留される。
【0032】
そして、第2流路13における遮断板23より上流部分に貯留された切削液の水位が、遮断板23における切り欠き部23aの高さに達すると、切削液が該切り欠き部23aを通って第2部材22に流れ込む。フィルタ状の第2部材22に切削液が流れ込むと、切削液に含まれる切粉が第2部材22の表面上に捕捉される。これによって、切削液から切粉が取り除かれる。
【0033】
第2部材22によって切粉が取り除かれた切削液は、該第2部材22から第1部材21における箱体24内に流れ落ちる。そして、箱体24内に流れ落ちた切削液が、開口部2aを通ってベース2の内部に流れ込む。
【0034】
(本実施形態に係る構成の作用・効果)
本実施形態に係るベース一体型切削液タンク1では、切削液が循環する切削液タンク10の第2流路13において略U字型のリブ14が形成されている。そして、このリブ14に、除去装置20の遮断板23が嵌め込まれている。これにより、遮断板23のみならずリブ14によっても切削液の流れが遮断されることになる。つまり、第2流路13に多少の寸法誤差があったとしても、第2流路13の内壁面と遮断板23との間に隙間が生じ難い。その結果、より多くの切削液が第2部材22に流れ込むことになる。したがって、切削液の一部が第2部材22に流れ込まずに除去装置20から洩れ出てしまうことを抑制することができる。そのため、除去装置20によってより多くの切粉を切削液から取り除くことができる。
【0035】
また、本実施形態に係るベース一体型切削液タンク1によれば、切削液タンク10の流路11における所望の位置にリブ14を形成し、そのリブ14に第1部材21の遮断板23を嵌め込むことで、除去装置20を設置することができる。そのため、よりフレキシブルな構成によって切削液から切粉を取り除くことができる。
【0036】
さらに、除去装置20においては、第1部材21が箱体24を有し、該箱体24の上部に第2部材22が取り付けられている。そして、第2部材22から箱体24内に切削液が流れ落ちる。そのため、第2流路13から除去装置20を取り外すことで、第2部材22に捕捉された切粉と共に、箱体24に溜まった切削液を取り除くことができる。このような構成によれば、切削液タンク10の洗浄をより容易に行うことが可能となる。
【0037】
(変形例)
ここで、本実施形態に係るベース一体型切削液タンク1における除去装置20の変形例について
図6および
図7に基づいて説明する。
図6は、本変形例に係る、ベース一体型切削液タンク1における除去装置20が設置された部分の概略構成を示す図である。
図7は、本変形例に係る除去装置20を構成する第3部材の概略構成を示す斜視図である。
【0038】
本変形例では、除去装置20が、第1部材21および第2部材22に加え、第3部材26を有する点で上記の実施形態と異なっている。第3部材26以外の構成は上記の実施形態と同様である。
【0039】
第3部材26は、板状であり且つフィルタ状の部材である。なお、第3部材26におけるフィルタは第2部材22におけるフィルタよりも目が細かくてもよい。また、第3部材
26は、第2部材22と同様、所定の径の複数の孔を有するパンチングメタルによって形成されてもよい。また、第3部材26はメタルメッシュによって形成されてもよい。第3部材26は、第2部材22における、第1部材21の箱体24の開放された側方側の淵部22bに、その上端が取り付けられている。そして、第3部材26は、箱体24の内部を仕切るように、箱体24の下面板24dに向かって延びている。
【0040】
このような本変形例に係る構成によれば、除去装置20において、第2部材22から箱体24内に流れ落ちた切削液が、ベース2の内部に回収される前に、さらに第3部材26を通過することになる。これにより、第2部材22から流れ落ちた切削液に含まれる切粉が、第3部材26によって捕捉される。つまり、第2部材22を通過してしまう程度の大きさの切粉が第3部材26によって捕捉される。
【0041】
このように、除去装置20において、第2部材22と第3部材26との二段階のフィルタを切削液が通過することで、より多くの切粉を切削液から取り除くことが可能となる。
【符号の説明】
【0042】
1・・・ベース一体型切削液タンク
2・・・ベース
10・・切削液タンク
11・・流路
12・・第1流路
13・・第2流路
14・・リブ
20・・除去装置
21・・第1部材
22・・第2部材
23・・遮断板
24・・箱体
26・・第3部材