(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004774
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】空気浄化構造
(51)【国際特許分類】
F24F 7/003 20210101AFI20230110BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20230110BHJP
F24F 8/20 20210101ALI20230110BHJP
A61L 2/04 20060101ALI20230110BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20230110BHJP
A61G 10/00 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
F24F7/003
F24F7/06 C
F24F7/06 L
F24F8/20
A61L2/04
A61L9/16 Z
A61G10/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110026
(22)【出願日】2021-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】521291079
【氏名又は名称】大熊 雄喜
(74)【代理人】
【識別番号】100063842
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118119
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 大典
(72)【発明者】
【氏名】大熊 雄喜
【テーマコード(参考)】
3L058
4C058
4C180
4C341
【Fターム(参考)】
3L058BF09
3L058BG05
4C058AA30
4C058BB02
4C058BB05
4C058EE26
4C058EE29
4C180AA07
4C180DD08
4C180HH05
4C180MM08
4C341KL07
(57)【要約】
【課題】本発明は、室内の空気をウイルスや細菌に汚染されていない清浄に維持すること、又、ウイルスや細菌に汚染された空気を室外に排出する際に浄化された空気を排出することを目的とする。
【解決手段】部屋2外の空気を部屋2内に取り入れる吸気口3と、部屋2内の空気を部屋2内から排出するための、排気ファン5を備えた排気口4と、排気口4と連通し、排気口4から排出された空気を加熱する、加熱装置6を備えた加熱室7と、加熱室7で加熱された空気を加熱室7から外気中に排出するための排出口8を備える空気浄化構造1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋外の空気を部屋内に取り入れる吸気口と、部屋内の空気を部屋内から排出するための、排気ファンを備えた排気口と、前記排気口と連通し、前記排気口から排出された空気を加熱する、加熱装置を備えた加熱室と、前記加熱室で加熱された空気を前記加熱室から外気中に排出するための排出口を備えることを特徴とする空気浄化構造。
【請求項2】
部屋が複数の領域に分けられ、前記領域毎に、前記吸気口と、前記排気口を備えることを特徴とする請求項1に記載の空気浄化構造。
【請求項3】
複数の前記排気口が、1個の前記加熱室に連通していることを特徴とする請求項2に記載の空気浄化構造。
【請求項4】
複数の前記排気口毎に、前記加熱室を備えることを特徴とする請求項2に記載の空気浄化構造。
【請求項5】
吸気口から部屋外の清浄な空気を部屋内に取り入れ、排気ファンにより排気口から部屋内の汚染された空気を部屋内から排出し、前記排気口と連通した加熱室で、前記排気口から排出された汚染された空気を加熱して浄化し、前記加熱室で浄化された空気を前記加熱室から外気中に排出することを特徴とする空気浄化方法。
【請求項6】
部屋を複数の領域に分け、前記領域毎に、前記吸気口と、前記排気口を設け、前記領域毎に空気を循環させることを特徴とする請求項5に記載の空気浄化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気浄化構造に関し、詳しくは、室内の空気を清浄に維持すると共に、汚染された空気を浄化した後に屋外へ排出する空気浄化構造に関する。
【背景技術】
【0002】
病院には様々な患者が出入りし、中にはウイルスや細菌を保持している人もいる。そして、それらの人の呼吸や唾液の飛沫等から室内の空気や壁や床等の建物自体がウイルスや細菌に汚染され、汚染された空気が充満し、建物自体も汚染された室内に入った健康な人に感染する。このようにしてウイルスや細菌の感染者が増加することとなる。
【0003】
又、ウイルスや細菌を保持している人の検査、治療、入院においては、医師や看護師等の医療従事者は、常時汚染された空気が充満した室内での作業を強いられるため、ウイルスや細菌に感染する危険性が高く、医療従事者の心身の健康を維持することが困難となっているのが現状である。
【0004】
このようなウイルスや細菌の汚染に対しては、消毒薬の散布が行われている。この消毒薬の散布は一定の効果があるものの、ウイルスや細菌を保持している人から新たに放出されるウイルスや細菌には対応することが出来ない。
【0005】
そこで、室内空気の殺菌方法として、殺菌剤をコーティングした殺菌フィルターをセントラル方式の空調機のエアーフィルターに保持させ、空調機を運転して、室内の空気をエアーフィルターを通過させ、空調機と室内とを循環させる方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明では、室内が80%殺菌されていることが確認されているが、依然として、菌で汚染された空気が室内に充満している状況である。又、セントラル方式の空調機を使用するので、複数の室が空調機を介して連通しているので、当初は汚染されていない部屋も、他の部屋からの汚染された空気が流入して汚染されてしまうという問題点があった。更に、室内からの空気を外部に排出する場合には、空調機を通さないで排出されるので、屋外に汚染された空気がそのまま排出され、その汚染された空気でその部屋やその部屋がある建物とは無関係の、その部屋や建物に出入りのない人が、その汚染された空気で細菌やウイルスに感染させられるという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、室内の空気をウイルスや細菌に汚染されていない清浄に維持することを目的の1つとする。又、複数の部屋がある建物において、他の部屋へのウイルスや細菌の汚染の拡散を防止することを目的の1つとする。又、ウイルスや細菌を保持している人が出入りする室内での第三者への感染の危険性を低減することを目的の1つとする。又、ウイルスや細菌に汚染された空気を室外に排出する際に浄化された空気を排出することを目的の1つとする。又、ウイルスや細菌に汚染された空気を室外に排出することによる、第三者への新たな感染を防止することを目的の1つとする
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための手段としての本発明は、部屋外の空気を部屋内に取り入れる吸気口と、部屋内の空気を部屋内から排出するための、排気ファンを備えた排気口と、前記排気口と連通し、前記排気口から排出された空気を加熱する、加熱装置を備えた加熱室と、前記加熱室で加熱された空気を前記加熱室から外気中に排出するための排出口を備えることを特徴とする空気浄化構造である。
【0010】
又、上記空気浄化構造において、部屋が複数の領域に分けられ、前記領域毎に、前記吸気口と、前記排気口を備える空気浄化構造である。
【0011】
又、上記空気浄化構造において、複数の前記排気口が、1個の前記加熱室に連通している空気浄化構造である。
【0012】
又、上記空気浄化構造において、複数の前記排気口毎に、前記加熱室を備える空気浄化構造である。
【0013】
又、吸気口から部屋外の清浄な空気を部屋内に取り入れ、排気ファンにより排気口から部屋内の汚染された空気を部屋内から排出し、前記排気口と連通した加熱室で、前記排気口から排出された汚染された空気を加熱して浄化し、前記加熱室で浄化された空気を前記加熱室から外気中に排出することを特徴とする空気浄化方法である。
【0014】
又、上記空気浄化方法において部屋を複数の領域に分け、前記領域毎に、前記吸気口と、前記排気口を設け、前記領域毎に空気を循環させる空気浄化方法である。
【発明の効果】
【0015】
以上のような本発明によれば、室内の空気をウイルスや細菌に汚染されていない清浄に維持することが可能となった。又、複数の部屋がある建物において、他の部屋へのウイルスや細菌の汚染の拡散を防止することが可能となった。又、ウイルスや細菌を保持している人が出入りする室内での第三者への感染の危険性を低減することが可能となった。又、ウイルスや細菌に汚染された空気を室外に排出する際に浄化された空気を排出することが可能となった。又、ウイルスや細菌に汚染された空気を室外に排出することによる、第三者への新たな感染を防止することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、空気浄化構造1は、出入りのための扉10が設けられた1つの部屋2に、吸気口3と、排気ファン5を備えた排気口4と、排気口4と連通し、加熱装置6を備えた加熱室7と、排出口8を備えて構成されている。
【0018】
吸気口3は、部屋2外の空気を部屋2に取り入れるために、部屋2の側壁20に設けられた孔である。部屋2外の空気は吸気口3から部屋2内に導入される。
【0019】
排気口4は、部屋2内の空気を部屋2内から排出するために、部屋2の側壁20に設けられた孔であり、排気ファン5を備えている。部屋2内の空気は排気口4から加熱室7に導入される。排気ファン5は排気口4内に、即ち側壁20内に設置してもよいが、排気口4外に、即ち側壁20の内側又は外側に設置してもよい。排気ファン5は、部屋2内の空気を部屋2内から排出し、流路400を介して加熱室7へ送り、更に、加熱室7で加熱された空気を排出口8から外気中に排出する。
【0020】
吸気口3と排気口4の設置位置は特に限定されないが、吸気口3は側壁20の下部、排気口4は側壁20の上部とし、出来る限り部屋2の対角線上に近い位置に設置することが好ましい。又、吸気口3や排気口4は側壁20に設けるのではなく、天井や床に設ける構成としてもよい。
【0021】
吸気口3及び排気口4の大きさ、排気ファン5の排気能力は、部屋2内の空気を浄化することが出来る構成とするが、部屋2の体積や形状に応じて、部屋2内の空気を5分~15分で入れ替えることが出来る大きさ及び排気能力を備えることが好ましい。
【0022】
加熱室7は、排気口4から排出された部屋2内の空気を加熱するための空間であり、空気を加熱する加熱装置6を備えている。加熱室7は流路400を介して排気口4と連通し、部屋2の外に設置されている。部屋2内から排出された、ウイルス、細菌で汚染された空気は流路400を通り加熱室7に入り、加熱装置6で加熱される。加熱温度は、対象とするウイルスや細菌を死滅させることが出来、空気が浄化される温度とする。加熱装置6での加熱により、汚染された空気中のウイルスや細菌は死滅させられる。
【0023】
加熱室7内に設置される加熱装置6は、ガスバーナーを用い、ウイルスや細菌を直接燃やす構成としている。尚、加熱装置6はガスバーナーに限定されず、電気ヒーターや灯油式加熱機を用いて加熱する構成や、ボイラー及び過熱装置等を用い、過熱蒸気で加熱する構成、その他公知の加熱装置を用いることが出来る。
【0024】
排出口8は、加熱室7で加熱装置6により加熱されて、人体に悪影響を及ぼさない浄化された空気を加熱室7から外気中に排出するために、加熱室7と連通して設けられた開口である。
【0025】
次に、空気浄化構造1における、空気の流れを説明する。ウイルスや細菌で汚染されていない部屋2外の清浄な空気が、吸気口3から部屋2内に取り入れられる(矢印F1)一方、ウイルスや細菌で汚染されている部屋2内の空気は、排気ファン5により排気口4を通り部屋2内から排出される(矢印F2)。排気口4から排出された空気は、排気ファン5により、流路400を通って加熱室7に送られ(矢印F3)、加熱室7内で加熱装置6により加熱されて、ウイルスや細菌は死滅させられ、空気は浄化される。加熱装置6により加熱されて浄化された空気は、排出口8から外気中に排出される(矢印F4)。
【0026】
従って、汚染された空気を排出すると共に清浄な空気を取り入れるので、室内の空気をウイルスや細菌に汚染されていない清浄に維持すること、ウイルスや細菌を保持している人が出入りする室内での第三者への感染の危険性を低減することが可能となっている。又、ウイルスや細菌に汚染された空気を室外に排出する際に、空気を加熱して、ウイルスや細菌を死滅させるので、浄化された空気を排出することが出来、ウイルスや細菌に汚染された空気を室外に排出することによる、第三者への新たな感染を防止することが可能となっている。
【0027】
吸気口3には部屋2外の空気を吸引するための構成を備えず、排気口4に設置された排気ファン5で部屋2内の空気を吸引することで、部屋2内を負圧にして、部屋2外から空気を取り入れる構成であるが、吸気口3に、吸気ファン等の部屋2外から空気を吸引するための構成を備えることとしてもよい。
【0028】
又、加熱室7と排出口8の間又は排出口8に図示しない冷却装置を設置することとしてもよい。冷却装置は加熱室7内で加熱装置6により加熱された空気を冷却するための装置であり、高温となった空気を冷却して排出する。冷却温度は特に限定されないが、少なくとも人が火傷をしない程度の温度まで冷却することが好ましく、外気の温度と同等まで冷却することがより好ましい。
【0029】
次に、空気浄化構造の他の実施の形態を説明する。
図2~
図4に示す実施の形態においては、
図1に示す上記の実施形態とは一部異なる構成を備えた空気浄化構造を示している。以下にこれらの実施の形態を説明するが、上記の実施形態と同一の構成には同一の番号を付して、説明を省略する。
【0030】
部屋2は、
図1に示し、上記で説明したように、部屋2内の領域を特に分割せずに1つの領域、1部屋として使用する構成としてもよいが、部屋2内の領域を分割し、複数の領域、複数の小部屋として使用する構成としてもよい。
【0031】
図2に示すように、空気浄化構造11は、1つの部屋2に間仕切り21を設けて、部屋2を領域211と領域222の2つの領域に分けた構成の空気浄化構造である。領域211と領域222は完全には隔離されておらず、間仕切り21の隙間で一部連通している。領域211と領域222には、夫々吸気口3、即ち吸気口31、32と、排気ファン5を備えた排気口4、即ち排気口41、42を備え、2個の排気口41、42は、途中で合流する流路401を介して加熱装置6を備えた加熱室7と連通している。部屋2には、領域211と領域222の双方に出入りが出来る1個の扉111が設けられている。尚、領域211に出入りが出来る扉と領域222に出入りが出来る扉が別個に設けられた構成としてもよい。
【0032】
間仕切り21は、部屋2を完全に分割するものではなく、領域211と領域222間の空気の移動を抑制するためのものでありカーテン、合成樹脂製シート、衝立や開口があるパーテンション等で構成することが出来る。間仕切り21により領域211と領域222間の空気の移動を抑制することが出来る。このような構成であるので、領域211、領域222毎に空気を循環させることが出来る。
【0033】
空気浄化構造11における、空気の流れを説明する。ウイルスや細菌で汚染されていない部屋2外の清浄な空気が、吸気口31、32から、夫々部屋2の領域211と領域222に取り入れられる(矢印F11)一方、ウイルスや細菌で汚染されている可能性のある、部屋2の領域211と領域222内の空気は、排気ファン5により排気口41、42を通り部屋2内から排出される(矢印F21)。領域211の空気の流れと領域222の空気の流れは別であるので、領域211内の空気と領域222内の空気は混ざりにくい。排気口41、42から排出された空気は、排気ファン5により、流路401を通って加熱室7に送られ(矢印F31)、加熱室7内で加熱装置6により加熱されて、ウイルスや細菌は死滅させられ、空気は浄化される。加熱装置6により加熱されて浄化された空気は、排出口8から外気中に排出される(矢印F41)。
【0034】
従って、領域211と領域222間の空気の移動は殆どなく、領域211、領域222毎に空気が循環し、汚染された空気の他の領域への移動、汚染の拡散の防止が可能となっている。
【0035】
例えば、部屋2は、病院の部屋であって、領域211は診察を受ける患者が出入りする領域であり、領域222は、その患者を診察、手当て等をする医療従事者が存在する領域であってもよい。又、領域211は1人の患者が入院する領域であり、領域222は、他の患者が入院する領域であってもよい。又、部屋2は、病院の待合室であり、領域211と領域222とで患者を分けてもよい。
【0036】
尚、
図2に示す実施の形態では、1つの部屋2に間仕切り21を設けて、部屋2を領域211と領域222の2つの領域に分けた構成としたが、1つの部屋2に複数の間仕切りを設けて、部屋2を3つ以上の領域に分ける構成としてもよい。このような構成の場合、領域毎に少なくとも吸気口3、排気ファン5を備えた排気口4を設けることが好ましい。
【0037】
図3に示すように、空気浄化構造12は、1つの部屋2に扉23を備えた壁24を設けて、部屋2を領域231と領域232の2つの領域に分けた構成の空気浄化構造である。領域231と領域232は略完全に隔離され、扉23の隙間のみで連通している。領域231と領域232には、夫々吸気口3、即ち吸気口33、34と、排気ファン5を備えた排気口4、即ち排気口43、44を備え、2個の排気口43、44は、途中で合流する流路402を介して加熱装置6を備えた加熱室7と連通している。部屋2には、領域231に出入りが出来る扉121と領域232に出入りが出来る扉122が設けられている。
【0038】
壁24は、部屋2を完全に分割するものであり、領域231と領域232間の空気の移動を抑制するためのものであり、部屋2の他の壁部分と同じ構成や開口がないパーテンション等で構成することが出来る。壁24で領域231と領域232の気密性を高めることが出来、領域231と領域232間の空気の移動をより抑制することが出来る。このような構成であるので、領域231、領域232毎に空気を循環させることが出来る。
【0039】
空気浄化構造12における、空気の流れを説明する。ウイルスや細菌で汚染されていない部屋2外の清浄な空気が、吸気口33、34から、夫々部屋2の領域231と領域232に取り入れられる(矢印F12)一方、ウイルスや細菌で汚染されている可能性のある、部屋2の領域231と領域232内の空気は、排気ファン5により排気口43、44を通り部屋2内から排出される(矢印F22)。領域231の空気の流れと領域232の空気の流れは全く別であるので、領域231内の空気と領域232内の空気は混ざらない。排気口43、44から排出された空気は、排気ファン5により、流路402を通って加熱室7に送られ(矢印F32)、加熱室7内で加熱装置6により加熱されて、ウイルスや細菌は死滅させられ、空気は浄化される。加熱装置6により加熱されて浄化された空気は、排出口8から外気中に排出される(矢印F42)。
【0040】
従って、領域231と領域232間の空気の移動はなく、領域231、領域232毎に空気が循環し、汚染された空気の他の領域への移動、汚染の拡散の防止が可能となっている。
【0041】
例えば、部屋2は、病院の部屋であって、領域231は診察を受ける患者が出入りする領域であり、領域232は、その患者を診察、手当て等をする医療従事者が待機する領域であってもよい。又、領域231は1人の患者が入院する領域であり、領域232は、他の患者が入院する領域であってもよい。
【0042】
尚、
図3に示す実施の形態では、1つの部屋2に壁24を設けて、部屋2を領域231と領域232の2つの領域に分けた構成としたが、1つの部屋2に複数の壁を設けて、部屋2を3つ以上の領域に分ける構成としてもよい。このような構成の場合、領域毎に少なくとも吸気口3、排気ファン5を備えた排気口4を設けることが好ましい。又、領域毎に出入りが出来る扉を設けることが好ましい。
【0043】
又、
図3に示す実施の形態では、扉23を備えた壁24を設けて2つの領域を形成したが、扉を備えない壁により部屋2を分割し、壁により形成された夫々の領域を完全に独立した部屋とする構成としてもよい。このような構成は、例えば、これらに限定されないが、夫々の領域が病室である病院、夫々の領域が教室である学校、夫々の領域に区切られたオフィス等に適用することが出来る。
【0044】
図4に示すように、空気浄化構造13は、1つの部屋2に窓26を備えた壁27を3面設けて、部屋2を領域261、領域262、領域263及び領域264の4つの領域に分けた構成の空気浄化構造である。領域261と領域262は略完全に隔離され、窓26のみで連通している。窓26には開閉可能な扉271を設置して、領域261と領域262の気密性を高めることが好ましい。同様に、領域262と領域263、領域263と領域264は略完全に隔離され、窓26のみで連通している。窓26には開閉可能な扉271を設置して、領域262と領域263、領域263と領域と264の気密性を高めることが好ましい。領域261、領域262及び領域264には、夫々吸気口3、即ち吸気口37、38、39と、排気ファン5を備えた排気口4、即ち排気口47、48、49を備え、3個の排気口47、48、49は、途中で合流する流路403を介して、加熱装置6を備えた加熱室7と連通している。部屋2には、領域261、領域262、領域263及び領域264に夫々出入りが出来る扉126、扉127、扉128及び扉129が設けられている。領域263には人間は滞在しない小部屋としているので、吸気口3、排気ファン5を備えた排気口4は備えていないが、備える構成としてもよい。
【0045】
壁27は、部屋2を完全に分割するものであり、領域261と領域262間、領域262と領域264の空気の移動を確実に抑制するためのものであり、部屋2の他の壁部分と同じ構成や窓26を除いて開口がないパーテンション等で構成することが出来る。壁27で領域261と領域262、領域262と領域264の気密性を高めることが出来、領域261と領域262間、領域262と領域264間の空気の移動をより抑制することが出来る。このような構成であるので、領域261、領域262、領域264毎に空気を循環させることが出来る。
【0046】
空気浄化構造13における、空気の流れを説明する。ウイルスや細菌で汚染されていない部屋2外の清浄な空気が、吸気口37、38、39から、夫々部屋2の領域261、領域262及び領域264に取り入れられる(矢印F13)一方、ウイルスや細菌で汚染されている可能性のある、部屋2の領域261、領域262又は領域264の空気は、排気ファン5により排気口47、48、49を通り部屋2内から排出される(矢印F23)。領域261の空気の流れと領域262の空気の流れと領域264の空気の流れは別であるので、領域261内の空気と領域262内の空気、領域262内の空気と領域264内の空気は混ざりにくい。排気口47、48、49から排出された空気は、排気ファン5により、流路403を通って加熱室7に送られ(矢印F33)、加熱室7内で加熱装置6により加熱されて、ウイルスや細菌は死滅させられ、空気は浄化される。加熱装置6により加熱されて浄化された空気は、排出口8から外気中に排出される(矢印F43)。
【0047】
従って、領域261、領域262及び領域264間の空気の移動は殆どなく、領域261、領域262、領域264毎に空気が循環し、汚染された空気の他の領域への移動、汚染の拡散の防止が可能となっている。
【0048】
例えば、部屋2は、病院の部屋であって、領域262は検査を受ける患者が出入りする領域であり、領域261は、その患者の検査のための採血等の処置等をする医療従事者が作業をする領域であってもよい。領域262に居る患者は窓26から腕のみを領域261に入れることが出来る。又、領域263は患者から採取した検体を置く領域であり、テーブル9を備え、領域264は領域263のテーブル9上に置かれた検体を受け取り、検体を管理し、検体を検査等をする医療従事者が作業をする領域であってもよい。尚、領域262に居る患者は自分自身で検体を採取することも出来る。
【0049】
尚、領域263は設けず、領域262と領域264を1面の壁27で隔てる構成としてもよい。
【0050】
又、上記の
図2から
図4に示す実施の形態においては、加熱室7は1個のみ設置され、複数の排気口4が、流路を介して1個の加熱室7に連通している構成であるが、図示はしないが、排気口4毎に、排気口4から流路400で連通された加熱室7を設けると共に、加熱室7に連通する排出口8を備えた構成としてもよい。又、排気口4毎に、排気口4から流路400で連通された熱室7を設け、複数の加熱室7からの流路を合流させた1個の排出口8を備えた構成としてもよい。
【0051】
尚、部屋2は、病院の部屋以外にも、学校、工場、オフィス、商業施設等にも適用することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のような本発明によれば、室内の空気を清浄に維持すると共に、汚染された空気を浄化した後に屋外へ排出することが出来るので、病院に適用することが出来、医療業に利用することが出来る。更に、学校、工場、商業施設等にも適用することが出来、教育産業、製造業、商業等幅広く様々な産業に利用することが出来る。
【符号の説明】
【0053】
1 空気浄化構造
11 空気浄化構造
12 空気浄化構造
13 空気浄化構造
2 部屋
21 間仕切り
23 扉
24 壁
26 窓
27 壁
3 吸気口
4 排気口
400 流路
5 排気ファン
6 加熱装置
7 加熱室
8 排出口
9 テーブル