(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047772
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】リフター
(51)【国際特許分類】
B66F 9/06 20060101AFI20230330BHJP
【FI】
B66F9/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156876
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 益男
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA03
3F333AB15
3F333BD05
(57)【要約】
【課題】配電盤との機器の出し入れに十分な可動範囲を有しつつ、全高の低いリフターを提供する。
【解決手段】機器を配電盤へ搬入または配電盤から搬出するためのリフターは、脚フレーム、主マスト、昇降体を備える。脚フレームは、床面を移動可能な車輪を有する。主マストは、床面に対して垂直に、脚フレームに立てた状態で固定される。昇降体は、主マストに沿って昇降可能である。昇降体は、機器を搭載可能な荷台と、荷台を下方から支持する下方支持部材とを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器を配電盤へ搬入または前記配電盤から搬出するためのリフターであって、
床面を移動可能な車輪が取り付けられた脚フレームと、
前記床面に対して垂直に、前記脚フレームに立てた状態で固定された主マストと、
前記主マストに沿って昇降可能な昇降体と、を備え、
前記昇降体は、
前記機器を搭載可能な荷台と、
前記荷台を下方から支持する下方支持部材と、を有すること、
を特徴とするリフター。
【請求項2】
前記昇降体を昇降させるためのワイヤーとプーリーを備え、前記ワイヤーが前記昇降体と係合する部分は、前記昇降体の積載面より下部であること、
を特徴とする請求項1記載のリフター。
【請求項3】
前記荷台の最低位置において、前記下方支持部材の下端は前記床面に接すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のリフター。
【請求項4】
前記脚フレームは、
右前輪および右後輪の間に渡され、前記右前輪および前記右後輪を回転可能に支持する右部分フレームと、
左前輪および左後輪の間に渡され、前記左前輪および前記左後輪を回転可能に支持する左部分フレームと、
前記右部分フレームおよび前記左部分フレームの間に渡され、前記右部分フレームおよび前記左部分フレームを連結する左右連結フレームと、を備え、
前記荷台の最低位置において、少なくとも前記左右連結フレームは、前記荷台を下方から支持し、
前記荷台の最低位置において、前記右部分フレームと前記左部分フレームと前記左右連結フレームは、前記下方支持部材に接触しないこと、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリフター。
【請求項5】
前記脚フレームは、
右前輪および左前輪の間に渡され、前記右前輪および前記左前輪を回転可能に支持する前部分フレームと、
右後輪および左後輪の間に渡され、前記右後輪および前記左後輪を回転可能に支持する後部分フレームと、
前記前部分フレームおよび前記後部分フレームの間に渡され、前記前部分フレームおよび前記後部分フレームを連結する前後連結フレームと、を備え、
前記荷台の最低位置において、前記前部分フレームと前記後部分フレームと前記前後連結フレームは、前記荷台を下方から支持し、かつ、前記下方支持部材に接触しないこと、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリフター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機器を配電盤へ搬入または配電盤から搬出するために使用されるリフターに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、非特許文献1に開示されるように、配電盤に対する真空遮断器(VCB)の出入操作に用いられるハンドリフターが知られている。
図7に示すハンドリフター60は、昇降装置61に対するハンドル操作により昇降体63を主マスト62に沿って昇降可能に構成されている。昇降体63は、荷台64と、荷台64を上方から支持する上方支持部材65とを有する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】三菱電機株式会社,“三菱真空遮断器用リフター”,[online],2006年6月,[令和3年8月2日検索],インターネット<URL:https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/document/nproduct/vcbvmc/new-cb19/sin19a.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上方支持部材65は荷台64よりも高い位置に設けられるため、主マスト62の高さは荷台64の最高位置よりも高い。
図7に示す例では、荷台64の最高位置が床面から約1800[mm]であるのに対し、主マスト62の高さは、床面から約2300[mm]必要である。ハンドリフター60が屋外変電所で使用される場合、リフター全高が高すぎるためハンドリフター60を変電所倉庫(物置)に収納することができず、屋外に放置されて錆が発生する問題があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、配電盤との機器の出し入れに十分な可動範囲を有しつつ、全高の低いリフターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点は、リフターに関連する。
機器を配電盤へ搬入または前記配電盤から搬出するためのリフターは、脚フレーム、主マスト、昇降体を備える。
前記脚フレームは、床面を移動可能な車輪が取り付けられている。
前記主マストは、前記床面に対して垂直に、前記脚フレームに立てた状態で固定されている。
前記昇降体は、前記主マストに沿って昇降可能である。
前記昇降体は、前記機器を搭載可能な荷台と、前記荷台を下方から支持する下方支持部材と、を有する。
【0007】
第2の観点は、第1の観点に加えて、次の特徴を更に有する。
前記リフターは、前記昇降体を昇降させるためのワイヤーとプーリーを備える。
前記ワイヤーが前記昇降体と係合する部分は、前記昇降体の積載面より下部である。
【0008】
第3の観点は、第1又は第2の観点に加えて、次の特徴を更に有する。
前記荷台の最低位置において、前記下方支持部材の下端は前記床面に接する。
【0009】
第4の観点は、第1乃至第3の観点のいずれかに加えて、次の特徴を更に有する。
前記脚フレームは、右部分フレーム、左部分フレーム、左右連結フレームを備える。
前記右部分フレームは、右前輪および右後輪の間に渡され、前記右前輪および前記右後輪を回転可能に支持する。
前記左部分フレームは、左前輪および左後輪の間に渡され、前記左前輪および前記左後輪を回転可能に支持する。
前記左右連結フレームは、前記右部分フレームおよび前記左部分フレームの間に渡され、前記右部分フレームおよび前記左部分フレームを連結する。
前記荷台の最低位置において、少なくとも前記左右連結フレームは、前記荷台を下方から支持する。
前記荷台の最低位置において、前記右部分フレームと前記左部分フレームと前記左右連結フレームは、前記下方支持部材に接触しない。
【0010】
第5の観点は、第1乃至第3の観点のいずれかに加えて、次の特徴を更に有する。
前記脚フレームは、前部分フレーム、後部分フレーム、前後連結フレームを備える。
前部分フレームは、右前輪および左前輪の間に渡され、前記右前輪および前記左前輪を回転可能に支持する。
前記後部分フレームは、右後輪および左後輪の間に渡され、前記右後輪および前記左後輪を回転可能に支持する。
前記前後連結フレームは、前記前部分フレームおよび前記後部分フレームの間に渡され、前記前部分フレームおよび前記後部分フレームを連結する。
前記荷台の最低位置において、前記前部分フレームと前記後部分フレームと前記前後連結フレームは、前記荷台を下方から支持し、かつ、前記下方支持部材に接触しない。
【発明の効果】
【0011】
配電盤に搭載される機器は、少なくとも盤フレームおよびチャンネルベースの上に配置されるため、荷台は、規定の高さまで下げられれば足り、必ずしも床面まで下げられなくてよい。そのため、本開示によれば、配電盤との機器の出し入れに十分な可動範囲を有しつつ、全高の低い低床リフターを提供することが可能である。このような全高を抑えた低床リフターは、変電所倉庫で保管することができるため、錆が発生し難く、かつ、変電所の美観を損ねない長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態に係るリフターの構成例を説明するための図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る昇降体が最高位置まで上昇された状態を示す三面図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る昇降体が最低位置まで降ろされた状態を示す側面図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る配電盤の構成例を説明するための図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る脚フレームおよび昇降体の平面図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る脚フレームの変形例について説明するための図である。
【
図7】従来のハンドリフターの構成例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0014】
実施の形態.
1.低床VCBリフター
図1は、本発明の実施の形態に係る低床VCBリフターの構成例を説明するための図である。機器を配電盤へ搬入または配電盤から搬出するためのリフター1は、
図1に示す各部構成を備える。機器は、引出形機器であり、例えば真空遮断器(VCB)である。床面を移動可能な車輪が取り付けられた脚フレーム2は、複数の前輪21および複数の後輪22を備える。主マスト3は、床面に対して垂直に、脚フレーム2に立てた状態で固定されている。
【0015】
昇降体4は、ガイドローラー40、荷台41と下方支持部材42を備えている。昇降体4は、主マスト3に沿って上下方向に昇降可能に取り付けられている。ハンドル8が回されることで、昇降装置5は、プーリー6に掛けられたワイヤーロープ7を巻き取り/巻き出し、ガイドローラー40に案内されて主マスト3に沿って昇降体4を昇降させる。
【0016】
寸法Hmaxは、昇降体4を最高位置まで上昇させたときの後述の荷台41の積載部41Aの積載面の高さであり、リフター1を変電所倉庫等に保管する場合のリフター1の高さにほぼ等しい。寸法Hminは、昇降体4を最低位置まで下降させたときの後述の荷台41の積載部41Aの積載面の高さである。積載面の可動範囲は、寸法Hmaxから寸法Hminまでである。
【0017】
昇降体4は、荷台41の荷台面が主マスト3に対して略直交するような位置配置を維持した状態で昇降する。ここで
図1の右側をリフター1の前方、
図1の左側をリフター1の後方と定義する。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態に係る昇降体4が最高位置まで上昇された状態を示すリフター1の上部の主要部の三面図である。(A)は平面図、(B)は背面図、(C)は側面図である。
【0019】
主マスト3は、右側主マスト3Rと左側主マスト3Lを備え、その内部がガイドレールとなりガイドローラー40をガイドし支える構造となっている。ガイドローラー40は、右上部ローラー40ARと右下部ローラー40BRと左上部ローラー40ALと左下部ローラー40BLとを備える。右上部ローラー40ARと右下部ローラー40BRは、右側主マスト3Rに沿って動く。左上部ローラー40ALと左下部ローラー40BLは、左側主マスト3Lに沿って動く。
【0020】
右側主マスト3Rの上部にはストッパ45Rが備えられ、左側主マスト3Lの上部にはストッパ45Lが備えられ、ガイドローラー40が、主マスト3の最上部より上部へ逸脱しない様に設けられている。尚、図示されていないが、必要により主マスト3の下部にも同様のストッパを設けてもよい。
【0021】
右上部ローラー40ARと右下部ローラー40BRは、右取り付け部材44Rに取り付けられている。左上部ローラー40ALと左下部ローラー40BLは、左取り付け部材44Lに取り付けられている。
【0022】
荷台41は、積載部41Aと右側面部41BRと左側面部41BLと背面部41Cを備える。積載部41Aは機器が積載される部分である。積載部41Aに対し、積載部41Aより上部に向けて、右側面部41BRは右側から略直交するように、左側面部41BLは左側から略直交するように、背面部41Cは背面から略直交するように構成される。
【0023】
下方支持部材42は、荷台41を下方から支持している。下方支持部材42は、それぞれ略直角三角形状の面を有する右側面部材42ARと左側面部材42ALと右背面部材43Rと左背面部材43Lを備える。右側面部材42ARは、荷台41の右側後方側面部に取り付けられている。左側面部材42ALは、荷台41の左側後方側面部に取り付けられている。右背面部材43Rは、荷台41の背面部右側に取り付けられている。左背面部材43Lは、荷台41の背面部左側に取り付けられている。尚、
図1Aでは右側面部材42ARと左側面部材42ALと右背面部材43Rと左背面部材43Lは、荷台41を側面で支える構成となっているが、荷台41を底面から支える構成としてもよい。また、右背面部材43Rと左背面部材43Lは、積載部41Aの下面で幅W1の間隔を有する。リフター1が後述の前後連結フレーム53を有する場合は、幅W1は連結フレームの幅より大きい。
【0024】
右上部ローラー40ARと左上部ローラー40ALの最上部は、積載部41Aの積載面より下部になる様に構成される。また、右下部ローラー40BR及び左下部ローラー40BLの最下部は、下方支持部材42の最下部より上部になる様に構成される。
【0025】
主マスト連結部材9は、右側主マスト3Rと左側主マスト3Lを連結する。主マスト連結部材9にはプーリー取り付け部材10が取り付けられている。プーリー取り付け部材10の主マスト連結部材9と逆側にはプーリー6が取り付けられ、その円周上部が主マスト3の最上部となる様に配置される。望ましくは右側主マスト3Rと左側主マストの最上部は略同一高さである。
【0026】
必要に応じて、ワイヤーロープ7が主マスト連結部材9と接触するような場合は、補助プーリー11がプーリー6より下部で主マスト連結部材9より上部に備えられ、ワイヤーロープ7が主マスト連結部材9と接触することを防止する。
【0027】
右背面部材43Rには、フック13と組み合わせられ、ワイヤーロープ7にて昇降体4を昇降させるための部材12が備えられている。部材12の形状は、アイボルト形状、円環の一部となる形状等、フック13と係合できる構造であればよい。部材12は、フック13との係合部が積載部41Aより低い位置に取り付けられている。なお、部材12は、左背面部材43Lにとりつけてもよく、フック13との係合部が積載部41Aより低い位置であれば昇降体4のどの部位に取り付けてもよい。部材12とプーリー6の配置は、プーリー6の構成する円と略同一平面上に部材12があれば、必ずしもリフター1の幅方向の中心でなくともよい。
【0028】
フック13には、望ましくは部材12との係合が外れない様にストッパ等が備えらえる。フック13のフック部と逆側はワイヤーロープ7が接続されている。ワイヤーロープ7の他端は、プーリー6を経由して昇降装置5に接続される。このような構成により、積載部41Aは、主マスト3のほぼ最上部の高さの位置まで引き上げることが可能である。また、積載部41Aが板材などで構成されても必要な強度の確保が容易となる。さらに、右上部ローラー40ARおよび左上部ローラー40ALと右下部ローラー40BRおよび左下部ローラー40BL間の間隔を広くとることができ、昇降体4の剛性の確保と安定した昇降が可能となる。
【0029】
なお、積載部41Aが最上部まで引き上げられた場合は、昇降体4の部位の一部が主マスト3の高さを超える場合があるが、リフター1を変電所倉庫で保管する場合は、昇降体4を引き下げることにとり、リフター1の高さを主マスト3の高さあるいはプーリー6の高さ以内に容易に抑えることができる。すなわち寸法Hmaxはリフター1を変電所倉庫で保管する場合の高さに略等しくなる。
【0030】
図3は、昇降体4が最低位置まで降ろされた状態を示す側面図である。昇降体4は、荷台41と下方支持部材42を有する。荷台41は、床面と平行な台であり、上述したVCB等の機器を搭載可能である。下方支持部材42は、荷台41を下方から支持する部材であり、種々の形状を採用することができる。
【0031】
荷台41の最低位置において、脚フレーム2は荷台41に接し、荷台41を下方から支持する。これにより、荷台41は安定した状態で保持される。好ましくは、下方支持部材42の下端は床面に接する。これにより、荷台41はさらに安定した状態で保持される。
【0032】
一例として、荷台41の積載面の最低位置の寸法Hminは約150mm(
図3)であり、荷台41の積載面の最高位置の最高位置の寸法Hmaxは約1800mm(
図1)である。すなわち、荷台41の可動範囲は約150mm~1800mm(
図1)である。
【0033】
図4は、配電盤の構成例を説明するための図である。配電盤は一般的にチャンネルベースの上に設置される。配電盤30Aは、高さ寸法Hbのチャンネルベース上に設置され、配電盤30Aの底面から寸法H1の高さに真空遮断器31aを、底面から寸法H2の高さに真空遮断器31bを収納している。配電盤30Bは、例えば、高さ寸法Hbのチャンネルベース上に設置され、さらに、配電盤30Bの底面フレーム高さ寸法Hfの高さに真空遮断器34を、配電盤30Bの底面から寸法H3の高さに接地形計器用変圧器(EVT)35を収納している。一部の屋内型の配電盤を除き、一般的に屋外型の配電盤のチャンネルベースの高さ寸法Hbは約100mmである。また、真空遮断器等の重量物を収納する配電盤の底面フレームの高さ寸法は約50mm程度である。また、一般的な配電盤の機器の収納スペースの高さは底面から2300mmである。
【0034】
従って例えば、寸法H1を600mm、寸法H2を1100mm、寸法H3を1600mmとした場合、これらの配電盤に対して、荷台41の積載部41Aの可動範囲の最高位置の寸法Hmaxは1800mmあれば足りる。配電盤の上部に収納する重量物の機器で高さ500mmを未満のものはほとんどないので荷台41の積載部41Aの最高位置は1800mmあれば足りる。
【0035】
また、真空遮断器34は、100mmの高さのチャンネルベース32および50mmの高さの盤フレーム33の上に設置される。すなわち、真空遮断器34は、床面から150mmの高さに配置される。そのため、荷台41の積載部41Aの可動範囲の最低位置は150mmで十分であり、荷台41を床面まで下げられなくても問題はない。リフター1を配電盤30A、30Bの前面に移動させて、荷台41の高さを設置場所に応じた高さに合わせることで、真空遮断器を出し入れ可能である。
【0036】
また、配電盤から搬出された機器は一般的に床に直置きされることはなく、フォークリフト等で移動しやすい様にパレット等の上に置かれて保管されることが多い。パレットの高さは、材質等に依存するが約150mm(例えばJIS Z 0601:2001によれば144mm)であり、荷台41の積載部41Aの最低位置の寸法Hminは、約150mmあればパレットへの移動に際しても問題ない。
【0037】
図5は、実施の形態に係る脚フレーム2と主マスト3と昇降体4の平面図である。脚フレーム2は、右部分フレーム23R、左部分フレーム23L、左右連結フレーム24、25を備える。
【0038】
右部分フレーム23Rは、右前輪21Rおよび右後輪22Rの間に渡され、右前輪21Rおよび右後輪22Rを回転可能に支持する。左部分フレーム23Lは、左前輪21Lおよび左後輪22Lの間に渡され、左前輪21Lおよび左後輪22Lを回転可能に支持する。左右連結フレーム24、25は、右部分フレーム23Rおよび左部分フレーム23Lの間に渡され、右部分フレーム23Rおよび左部分フレーム23Lを連結する。具体的には、右部分フレーム23Rと左部分フレーム23Lと左右連結フレーム24、25は溶接により固定されている。荷台41の最低位置において、少なくとも左右連結フレーム24は、荷台41を下方から支持する。主マスト3(右側主マスト3R,左側主マスト3L)は、右部分フレーム23Rと左部分フレーム23Lの間、かつ左右連結フレーム25の前方に固定される。よって、荷台41の最低位置において、右部分フレーム23Rと左部分フレーム23Lと左右連結フレーム24、25は、下方支持部材42に接触しない。
【0039】
2.効果
以上説明したように、本実施形態に係るリフター1は、配電盤との機器の出し入れに十分な可動範囲(約150~1800mm)を有しつつ、全高(約1800mm)を低く抑えることができる。このような全高を抑えた低床リフターは、変電所倉庫(汎用物置、搬入高さ:約2000mm)で天候の影響を受けずに保管することができる。そのため、錆が発生し難く、かつ、変電所の美観を損ねない長所がある。
【0040】
また、荷台41の最低位置において、荷台41は脚フレーム2および下方支持部材42で下方から支持されるため、荷台41は安定した状態で保持される。
【0041】
3.変形例
ところで、上述した実施の形態のリフター1においては、脚フレーム2を
図5に示す構成としているが、脚フレーム2の構成はこれに限定されるものではない。例えば、脚フレーム2を
図6に示す構成としてもよい。
【0042】
図6は、脚フレーム2の変形例について説明するための図である。脚フレーム2は、前部分フレーム51、後部分フレーム52、前後連結フレーム53を備える。前部分フレーム51は、右前輪21Rおよび左前輪21Lの間に渡され、右前輪21Rおよび左前輪21Lを回転可能に支持する。後部分フレーム52は、右後輪22Rおよび左後輪22L間に渡され、右後輪22Rおよび左後輪22Lを回転可能に支持する。前後連結フレーム53は、前部分フレーム51および後部分フレーム52の間に渡され、前部分フレーム51および後部分フレーム52を連結する。具体的には、前部分フレーム51と後部分フレーム52と前後連結フレーム53は溶接により固定されている。主マスト3(右側主マスト3R,左側主マスト3L)は後部分フレーム52の前方に固定される。よって、荷台41の最低位置において、前部分フレーム51と後部分フレーム52と前後連結フレーム53は、荷台41を下方から支持し、かつ、下方支持部材42に接触しない。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数にこの発明が限定されるものではない。また、上述した実施の形態において説明する構造等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
【符号の説明】
【0044】
1 リフター
2 脚フレーム
3、3L、3R 主マスト、左側主マスト、右側主マスト
4 昇降体
5 昇降装置
6 プーリー
7 ワイヤーロープ
8 ハンドル
9 主マスト連結部材
10 プーリー取り付け部材
11 補助プーリー
12 部材
13 フック
21、21L、21R 前輪、左前輪、右前輪
22、22L、22R 後輪、左後輪、右後輪
23L 左部分フレーム
23R 右部分フレーム
24、25 左右連結フレーム
30A、30B 配電盤
31a、31b、34 真空遮断器
32 チャンネルベース
33 盤フレーム
40 ガイドローラー
40AL 左上部ローラー
40AR 右上部ローラー
40BL 左下部ローラー
40BR 右下部ローラー
41 荷台
41A 積載部
41BL 左側面部
41BR 右側面部
41C 背面部
42 下方支持部材
42AL 左側面部材
42AR 右側面部材
43L 左背面部材
43R 右背面部材
44L 左取り付け部材
44R 右取り付け部材
45L、45R ストッパ
51 前部分フレーム
52 後部分フレーム
53 前後連結フレーム
60 ハンドリフター
61 昇降装置
62 主マスト
63 昇降体
64 荷台
65 上方支持部材