(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004778
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】筆収納器
(51)【国際特許分類】
A45C 11/34 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
A45C11/34 F
A45C11/34 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118702
(22)【出願日】2021-07-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-19
(31)【優先権主張番号】110123380
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】516032540
【氏名又は名称】胡 厚 飛
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】胡 厚 飛
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA19
3B045CE07
3B045CE08
3B045DA42
3B045EA04
3B045EB15
3B045EB17
(57)【要約】
【課題】筆の穂を損傷させず、シンプルな構造で、便利な使用が実現する筆収納器を提供する。
【解決手段】筆収納器100は、筒体10と吊掛装置20とを備える。筒体10は収納空間13を有し、筒体10の底端12には収納空間13につながる出入口14を設け、筒体10の上端11には収納空間13につながる穿孔16を設ける。吊掛装置20は第一端21と第二端22を有し、第一端21と第二端22の間に滑移部分23を設ける。吊掛装置20の第一端21を筆の筆管に引きかけた後、吊掛装置20の滑移部分23を筒体10の外側に向かって移動させると、吊掛装置20の第一端21によって筆は収納空間13内に収められ、筆の穂は光滑部分15に保持される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体と、吊掛装置とを備える筆収納器であって、
前記筒体は、軸線方向に沿ってそれぞれが間隔をあけて分離する上端及び底端を有し、前記筒体は中空状であり、収納空間を有し、前記収納空間の軸線方向の長さは、筆の長さよりも長く、前記筒体の底端には前記収納空間に通じる出入口を設け、前記出入口は筆を前記収納空間に出し入れするためのものであり、前記筒体の収納空間の内側縁箇所には、前記出入口の軸線方向に沿って、光滑部分を形成し、前記筒体の前記上端には、前記収納空間に連通する穿孔を設け、
前記吊掛装置は、第一端と、第一端に相反する位置にある第二端とを有し、前記吊掛装置は、前記第一端と前記第二端の間に位置する滑移部分を含み、前記滑移部分は前記筒体に設けた前記穿孔内を往復移動し、前記第一端と前記第二端がいずれも前記穿孔を通過できないことで、前記第一端と前記第二端がそれぞれ、前記穿孔の両側に位置し、前記吊掛装置はさらに、前記第二端に位置する封鎖蓋を含み、前記封鎖蓋を前記筒体の前記出入口に結合するか否か選択可能であり、
前記吊掛装置は第一位置と第二位置との間を移動し、前記吊掛装置が第一位置にある時、前記吊掛装置の前記第一端を前記収納空間の前記出入口の外に露出させ、前記第一端を筆の筆管に連結し、
前記吊掛装置の前記第一端を筆の筆管に連結させた後、前記吊掛装置の前記滑移部分を前記穿孔に沿って前記筒体の外側に向かって移動させる時、前記吊掛装置の前記第一端によって筆が、前記筒体の外側から前記収納空間内に移動し、完全に前記収納空間に収められ、筆が前記収納空間の光滑部分に保持され、前記封鎖蓋を前記出入口に結合すると、前記吊掛装置が前記第二位置に位置することを特徴とする、
筆収納器。
【請求項2】
前記封鎖蓋を前記出入口から取りはずした後、前記吊掛装置の前記滑移部分が前記筒体内を移動できる状態となり、前記吊掛装置の前記第一端が筆を前記筒体内から前記収納空間の外側に向かって移動することで、前記第一端及び筆管の末端が同時に前記筒体の前記出入口から露出し、使用者が筆を取り出せることを特徴とする請求項1に記載の筆収納器。
【請求項3】
前記封鎖蓋の軸方向に貫通孔を設け、前記貫通孔に通して延伸させる前記滑移部分は自由に滑移し、前記貫通孔は大径部を有し、前記吊掛装置の前記第二端は拡大部を有し、前記第二端の前記拡大部を前記封鎖蓋の前記大径部に設けることで、前記封鎖蓋が前記第二端から離脱するのを防ぐことを特徴とする請求項2の筆収納器。
【請求項4】
前記封鎖蓋の外側縁には、その軸方向に沿った第一固定部分と、第一結合部分を形成し、前記第一結合部分は前記出入口と結合させるか否かを選択可能であり、前記第一結合部分を前記出入口に結合させた時、前記貫通孔の前記大径部は前記筒体の前記収納空間の方を向き、前記第一固定部分は前記貫通孔の前記大径部を離れた一端に直立面を形成し、前記直立面には径方向に延び、前記貫通孔につながる溝部を設け、前記封鎖蓋を前記第一結合部分を用いて前記出入口に結合した場合、前記筒体の外側に位置する前記吊掛装置の前記滑移部分が前記溝部内に収められることで、前記筒体は前記直立面を利用して平面上に立つことを特徴とする請求項3に記載の筆収納器。
【請求項5】
前記筒体はさらに端蓋を含み、前記端蓋は前記筒体の上端に結合し、前記端蓋はその軸方向に前記穿孔を有しており、前記穿孔に通して延伸させた前記吊掛装置の前記滑移部分が自由に滑移し、前記端蓋の前記穿孔は大孔部を有し、前記吊掛装置の前記第一端は制止部を有し、前記第一端の前記制止部は前記端蓋の前記大孔部に係止され、前記端蓋は前記吊掛装置の前記第一端が前記上端から離脱するのを防ぎ、前記端蓋の外側縁には軸方向に第二固定部分と、第二結合部分を形成し、前記第二結合部分は前記筒体の前記収納空間に結合し、前記第二結合部分は前記筒体の上端の前記収納空間に結合する時、前記穿孔の前記大孔部は前記筒体之前記収納空間の方に向き、前記第一端は引掛部を有し、前記引掛部によって筆の筆管末端の紐が引き掛けられ、前記引掛部の径方向サイズは前記端蓋の前記穿孔の径方向サイズを超え、前記光滑部分の長さは筆の穂の長さを超え、前記吊掛装置の前記滑移部分は弾力性のある紐であり、前記吊掛装置が第二位置にある時、前記滑移部分は前記筒体の外側縁に平着して軸線方向に延伸し、並びに前記滑移部分は一定の張力を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の筆収納器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関し、特に筆収納器に関する。
【背景技術】
【0002】
筆は、文字の芸術や文化の薀蓄を織りなす書写道具のひとつである。筆は、使用しない際には通常、携帯や移動の利便をはかるために筒状の筆入れの中に入れられている。また、市販の筆入れは筒管及び筒蓋を含み、筆を筒管に収納した後、筒蓋で筒管を覆うことにより、筆と外物との接触を避け、筆の毛の損傷を防いでいる。
【0003】
中国特許第CN103479030A号明細書に開示された方式は、筆の穂が折れたり損傷しやすく、しかも当該特許案は、筆管を固定させるための筆嵌着部品等の別の部品を必要とし、構造上シンプルではない。また、筆の毛管部分を先に筆筒に入れる方式では、中国特許第CN1099265C号明細書に開示される如きものがある。しかしこの方式は、筆管の動きを制限するための別の固定部品を必要とし、これによって筆管は筆筒内での移動がなくなり、筆の穂の損傷を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許第CN103479030A号明細書
【特許文献2】中国特許第CN1099265C号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記先行技術の筆筒には、依然として、消費者が便利に使える商品を提供できないという欠点がある。
【0006】
本発明の目的は、一つの筒体に一つの吊掛装置を組み合わせることで、筆をその筆管から筒体内に引き入れ、筆を筒体に収納し穂を保護する効果を有する筆収納器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による筆収納器は、筒体及び吊掛装置を含む。
筒体は、軸線方向に沿って間隔をあけて分離している上端及び底端を有する。筒体は中空状であり、収納空間を有する。収納空間の軸線方向の長さは、筆の長さよりも長い。筒体の底端には収納空間に通じる出入口を設け、出入口は筆の収納空間への出し入れを提供する。筒体の収納空間の内側縁箇所には、出入口の軸線方向に沿って、光滑部分を形成し、筒体の上端には、収納空間に連通する穿孔を設ける。
吊掛装置は、第一端と、第一端に相反する位置にある第二端とを有する。吊掛装置はさらに、第一端と第二端の間に位置する滑移部分を含み、滑移部分は筒体に設けた穿孔を往復移動し、第一端及び第二端はいずれも穿孔を通過できない状態であるため、第一端と第二端はそれぞれ、穿孔の両側に位置している。吊掛装置はさらに、第二端に位置する封鎖蓋を含み、封鎖蓋を筒体の出入口に結合するか否かを選択可能である。吊掛装置は第一位置と第二位置との間を移動し、吊掛装置が第一位置にある時、吊掛装置の第一端を収納空間の出入口の外に露出し、第一端を筆の筆管に連結する。
吊掛装置の第一端を筆の筆管に連結させた後、吊掛装置の滑移部分を穿孔に沿って筒体の外側に向かって移動させた時、吊掛装置の第一端によって筆を筒体の外側から収納空間内に移動させ、並びに完全に収納空間に収めた後、筆は収納空間の光滑部分に保持され、封鎖蓋は出入口に結合し、この時、吊掛装置は第二位置に位置する。
【0008】
前記により、本発明はただ、一つの筒体に一つの吊掛装置を組み合わせただけで筆を収納する効果を実現するもので、構造はシンプルで、使用は非常に便利である。さらに、本発明は収納過程において、筆の筆管を先に筒体内に収める故に、収納過程で穂を損傷させることもなく、乾燥後の筆であっても損傷問題が起きず、消費者によりよい筆収納を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に関する筆収納器の外観斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に関する筆収納器の断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に関する封鎖蓋を筒体から離した状態を示す断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に関する筆収納器に筆を収納するステップにおいて、吊掛装置の第一端が出入口に近い状態を示す斜面図である。
【
図5】本発明の実施形態に関する筆収納器に筆を収納するステップにおいて、筆の紐を吊掛装置の引掛部に引き掛けた状態を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に関する筆収納器に筆を収納するステップにおいて、吊掛装置を筒体の軸線方向に沿って移動させ、筆を筒体に挿入する状態を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施形態に関する筆収納器に一般の筆を収納した斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に関する筆収納器に穂の広がった筆を収納している状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下は、添付した本発明の実施形態を詳細に描写した各図を参照する。本発明の技術の原理は、特定の開示した実施形態に制限されず、本発明の保護範囲は、代替、修正等を加えた物を含む、特許請求の範囲による。
【0011】
図1~
図7に示すとおり、本発明の実施形態に関する筆収納器100は、筒体10及び吊掛装置20を含む。筒体10は、吊掛装置20によって筆200を中に収めることで、筆200の穂202の損傷を防ぐ。
【0012】
筒体10は、軸線L方向に沿って間隔をあけて分離している上端11及び底端12を有する。筒体10は中空状であり、収納空間13を有する。収納空間13の軸線L方向の長さは、筆200の長さよりも長い。筒体10の底端12には収納空間13に通じる出入口14を設け、出入口14は筆200の収納空間13への出し入れを提供する。筒体10の収納空間13の内側縁箇所には、出入口14の軸線L方向に沿って、光滑部分15を形成し、筒体10の上端11には、収納空間13に連通する穿孔16を設ける。
本発明の実施形態に関する筒体10は、透明のプラスチック材質によって製作された円型筒であり、使用者は直接、筒体10内に収納した筆200を見ることができ、また、筆収納器100を平面に直立させられるという観賞作用を兼ね備えたものである。尚、光滑部分15の長さは筆200の穂202の長さ以上とする。
【0013】
吊掛装置20は、第一端21と、第一端21に相反する位置の第二端22とを有する。吊掛装置20はさらに、第一端21と第二端22の間に位置する滑移部分23を含み、滑移部分23は筒体10に設けた穿孔16を往復移動する。本発明の実施形態において、吊掛装置20の滑移部分23は弾力のある紐とし、しかも滑移部分23の線径は穿孔16の孔径未満とし、滑移部分23を筒体10に設けた穿孔16において往復移動させる。
滑移部分23が穿孔16箇所にある時、滑移部分23の両端はそれぞれ縛るか粘着固定をして結び目をつくり、結び目の直径を穿孔16の孔径より大きくすることで、吊掛装置20の第一端21及び第二端22が構成される。第一端21及び第二端22はいずれも穿孔16を通過できなくなり、第一端21と第二端21をそれぞれ穿孔16の両側に位置させる。
【0014】
吊掛装置20はさらに、第二端22に位置する封鎖蓋24を含み、封鎖蓋24は筒体10の出入口14に結合するか否かを選択可能である。本発明の実施形態において、封鎖蓋24にはその軸方向に貫通孔241を設け、貫通孔241に通した滑移部分23は自由に滑移し、貫通孔241は大径部242を有する。吊掛装置20の第二端22は拡大部221を有し、第二端22の拡大部221は封鎖蓋24の大径部242に設けることで、封鎖蓋24が第二端22から離脱するのを防ぐ。また、貫通孔241はさらに、大径部242に通じる小径部243を含む。
封鎖蓋24の外側縁には、その軸方向に沿って第一固定部分244及び第一結合部分245を形成し、第一結合部分245は出入口14と結合させるか否かを選択可能である。第一結合部分245を出入口14に結合させた時、貫通孔241の大径部242は筒体10の収納空間13の方を向き、小径部243は筒体10の外側を向く。そのうち、第一固定部分244は貫通孔241の大径部243を離れた一端に直立面246を形成し、直立面246には径方向に延び、貫通孔241の小径部243につながる溝部247を設ける。封鎖蓋24を第一結合部分245を用いて出入口14に結合した場合、筒体10外に位置する吊掛装置20の滑移部分23は溝部247内に収められ、筒体10を直立面246で平面上に立たせることができ、収納と飾り効果を提供する。
【0015】
筒体10はさらに筒体10の上端11に設けられた端蓋30を含む。本発明の実施形態において、端蓋30は上端11に固定結合する。端蓋30はその軸方向に穿孔16を有し、穿孔16に通した吊掛装置20の滑移部分23は自由に滑移する。本発明の実施形態において、端蓋30の外側縁には軸方向に第二固定部分31及び第二固定部分31から延伸する第二結合部分32を形成し、穿孔16は第二固定部分31及び第二結合部分32を貫通し、第二結合部分32は筒体10の上端11の収納空間13に結合し、穿孔16は大孔部161及びそれに連接する小孔部162を有し、吊掛装置20の第一端21は制止部211を有し、第一端21の制止部211は端蓋30の大孔部161に係止される。
端蓋30は吊掛装置20の第一端21が筒体10の上端11から離脱するのを防ぐ。端蓋30の第二結合部分32が筒体10の上端11の収納空間13に結合する時、穿孔16の大孔部161は筒体10之収納空間13の方に向き、小孔部162は筒体10の外側に向いている。吊掛装置20の第一端21はさらに引掛部212を有し、引掛部212によって筆200の筆管201末端の紐203が引き掛けられ、しかも引掛部212の径方向サイズは端蓋30の穿孔16の径方向サイズを超える。
【0016】
吊掛装置20は第一位置と第二位置との間を移動し、吊掛装置20が第一位置にある時の状態は、
図4に示すとおりである。また、
図5に示すとおり、吊掛装置20の第一端21を収納空間13の出入口14の外に露出し、第一端21を筆200の筆管201に連結する。
【0017】
吊掛装置20が第二位置にある時、滑移部分23は筒体10の外側縁に平着して軸線L方向に延伸し、滑移部分23は一定の張力を備えているため、筒体10の外側に密着し、平たく整った状態となる。これは
図2及び
図7に示すとおりである。
【0018】
続いて、
図4から
図7は、本発明の筆収納器によって筆200をどのように筒体10内に収納するのかを示した図である。
図4に示すとおり、まず、封鎖蓋24を筒体10の底端12から離し、吊掛装置20の第一端21を収納空間13の外側に向かって滑移して出入口14から露出させ、後続する収納ステップに利便を図る。
【0019】
図5に示すとおり、吊掛装置20が第一位置にある時、吊掛装置20の第一端21の引掛部212を筆200の紐203に引っ掛ける。続いて
図6に示すとおり、使用者は吊掛装置20の滑移部分23を筒体10の外側に向かって移動させると、筆200は収納空間13内に移動する。筆200が移動する過程において、まず、筆管201が筒体10の収納空間13内に収められ、続いて、穂202が筒体10の収納空間13内に収められ、最後に、筆200の穂202が収納空間13の光滑部分15に保持される。筆200全体が収納空間13に収められた後、さらに吊掛装置20の封鎖蓋24を再度、筒体10の出入口14に結合することで、筆200を収納空間13に収めるステップが完了する。これは
図7に示すとおりであり、吊掛装置20が第二位置に位置されることを示す。
本発明の収納過程においては、筆200は筆管201を先に筒体10に収め、しかも、筆200が収納空間13に収められる過程での穂202は光滑部分15に保持されるため、穂202の損傷という問題を完全に解決する。
【0020】
本発明の実施形態は、吊掛装置20の第一端21を筆200の筆管201に連結させた後、吊掛装置20の滑移部分23を筒体10の外側に移動すると、吊掛装置20の第一端21によって筆200は筒体10の外側から収納空間13内に向かって移動し、完全に収納空間13に収められる。しかも、穂202は収納空間13の光滑部分15に保持され、封鎖蓋24は出入口14に結合でき、この時、吊掛装置20は第二位置に位置する。
以上により、筆200が収納空間13に移動する過程において、穂202は光滑部分15に保持されるため、筆200の穂202が損傷を受けることがなく、筒体10の収納空間13内に損傷なき状態で収められる。また、封鎖蓋24を出入口14から取りはずした後、吊掛装置20の滑移部分23が筒体10内を移動できる状態となり、吊掛装置20の第一端21が筆200を筒体10内から収納空間13の外側に向かって移動することで、第一端21及び筆管201の末端は同時に筒体10の出入口14から露出する。これにより、使用者が筆200を取る利便を図る。
【0021】
図8に示すとおり、本発明はまた、穂が外に広がった状態の筆200の収納にも適用できる。前述のステップに基づいて筆200の収納を行う時であっても、穂202を損傷させるという問題を引き起こすことがない。これにより、本発明は、使用者に対し、より効果的な筆200の収納を提供し、穂202の損傷から守る効果をも発揮できる。
【0022】
本発明はその構造がシンプルで、非常に便利に使用でき、使用者が筆200を収納する際に、その穂202を損傷させない長所を有し、消費者のニーズを満足させるものである。
【0023】
前述をまとめると、本発明には下記のような長所が備わる。
【0024】
(1)本発明は、ただ一つの筒体10に一つの吊掛装置20を組み合わせただけで筆200を収納する効果を発揮し、シンプルな構造と便利な使用が実現する。
【0025】
(2)本発明は収納の過程において、筆200の筆管201を先に筒体10内に収め、続いて穂202を筒体10の収納空間13に収め、しかも筆200を収納空間13に収めた後、穂202は光滑部分15に保持されるため、収納時に筆200の穂202が損傷を受けることが全くない。
【0026】
以上に述べた実施形態は、本発明の説明のためだけに用いたものであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。よって、本発明の創作精神に違わずになされた修正や改変はすべて、本発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0027】
100 筆収納器
10 筒体
11 上端
12 底端
13 収納空間
14 出入口
15 光滑部分
16 穿孔
161 大孔部
162 小孔部
20 吊掛装置
21 第一端
211 制止部
212 引掛部
22 第二端
221 拡大部
23 滑移部分
24 封鎖蓋
241 貫通孔
242 大径部
243 小径部
244 第一固定部分
245 第一結合部分
246 直立面
247 溝部
30 端蓋
31 第二固定部分
32 第二結合部分
200 筆
201 筆管
202 穂
203 紐
L 軸線
【手続補正書】
【提出日】2022-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体と、吊掛装置とを備える筆収納器であって、
前記筒体は、軸線方向に沿ってそれぞれが間隔をあけて分離する上端及び底端を有し、前記筒体は中空状であり、収納空間を有し、前記収納空間の軸線方向の長さは、筆の長さよりも長く、前記筒体の底端には前記収納空間に通じる出入口を設け、前記出入口は筆を前記収納空間に出し入れするためのものであり、前記筒体の収納空間の内側縁箇所には、前記出入口の軸線方向に沿って、滑らかな部分を形成し、前記筒体の前記上端には、前記収納空間に連通する穿孔を設け、
前記吊掛装置は、第一端と、第一端に相反する位置にある第二端とを有し、前記吊掛装置は、前記第一端と前記第二端の間に位置する移動部分を含み、前記移動部分は前記筒体に設けた前記穿孔内を往復移動し、前記第一端と前記第二端がいずれも前記穿孔を通過できないことで、前記第一端と前記第二端がそれぞれ、前記穿孔の両側に位置し、前記吊掛装置はさらに、前記第二端に位置する封鎖蓋を含み、前記封鎖蓋を前記筒体の前記出入口に結合するか否か選択可能であり、
前記吊掛装置は第一位置と第二位置との間を移動し、前記吊掛装置が第一位置にある時、前記吊掛装置の前記第一端を前記収納空間の前記出入口の外に露出させ、前記第一端を筆の筆管に連結し、
前記吊掛装置の前記第一端を筆の筆管に連結させた後、前記吊掛装置の前記移動部分を前記穿孔に沿って前記筒体の外側に向かって移動させる時、前記吊掛装置の前記第一端によって筆が、前記筒体の外側から前記収納空間内に移動し、完全に前記収納空間に収められ、筆が前記収納空間の滑らかな部分に保持され、前記封鎖蓋を前記出入口に結合すると、前記吊掛装置が前記第二位置に位置することを特徴とする、
筆収納器。
【請求項2】
前記封鎖蓋を前記出入口から取りはずした後、前記吊掛装置の前記移動部分が前記筒体内を移動できる状態となり、前記吊掛装置の前記第一端が筆を前記筒体内から前記収納空間の外側に向かって移動することで、前記第一端及び筆管の末端が同時に前記筒体の前記出入口から露出し、使用者が筆を取り出せることを特徴とする請求項1に記載の筆収納器。
【請求項3】
前記封鎖蓋の軸方向に貫通孔を設け、前記貫通孔に通して延伸させる前記移動部分は自由に移動し、前記貫通孔は大径部を有し、前記吊掛装置の前記第二端は拡大部を有し、前記第二端の前記拡大部を前記封鎖蓋の前記大径部に設けることで、前記封鎖蓋が前記第二端から離脱するのを防ぐことを特徴とする請求項2の筆収納器。
【請求項4】
前記封鎖蓋の外側縁には、その軸方向に沿った第一固定部分と、第一結合部分を形成し、前記第一結合部分は前記出入口と結合させるか否かを選択可能であり、前記第一結合部分を前記出入口に結合させた時、前記貫通孔の前記大径部は前記筒体の前記収納空間の方を向き、前記第一固定部分は前記貫通孔の前記大径部を離れた一端に直立面を形成し、前記直立面には径方向に延び、前記貫通孔につながる溝部を設け、前記封鎖蓋を前記第一結合部分を用いて前記出入口に結合した場合、前記筒体の外側に位置する前記吊掛装置の前記移動部分が前記溝部内に収められることで、前記筒体は前記直立面を利用して平面上に立つことを特徴とする請求項3に記載の筆収納器。
【請求項5】
前記筒体はさらに端蓋を含み、前記端蓋は前記筒体の上端に結合し、前記端蓋はその軸方向に前記穿孔を有しており、前記穿孔に通して延伸させた前記吊掛装置の前記移動部分が自由に移動し、前記端蓋の前記穿孔は大孔部を有し、前記吊掛装置の前記第一端は制止部を有し、前記第一端の前記制止部は前記端蓋の前記大孔部に係止され、前記端蓋は前記吊掛装置の前記第一端が前記上端から離脱するのを防ぎ、前記端蓋の外側縁には軸方向に第二固定部分と、第二結合部分を形成し、前記第二結合部分は前記筒体の前記収納空間に結合し、前記第二結合部分は前記筒体の上端の前記収納空間に結合する時、前記穿孔の前記大孔部は前記筒体の前記収納空間の方に向き、前記第一端は引掛部を有し、前記引掛部によって筆の筆管末端の紐が引き掛けられ、前記引掛部の径方向サイズは前記端蓋の前記穿孔の径方向サイズを超え、前記滑らかな部分の長さは筆の穂の長さを超え、前記吊掛装置の前記移動部分は弾力性のある紐であり、前記吊掛装置が第二位置にある時、前記移動部分は前記筒体の外側縁に平着して軸線方向に延伸し、並びに前記移動部分は一定の張力を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の筆収納器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関し、特に筆収納器に関する。
【背景技術】
【0002】
筆は、文字の芸術や文化の薀蓄を織りなす書写道具のひとつである。筆は、使用しない際には通常、携帯や移動の利便をはかるために筒状の筆入れの中に入れられている。また、市販の筆入れは筒管及び筒蓋を含み、筆を筒管に収納した後、筒蓋で筒管を覆うことにより、筆と外物との接触を避け、筆の毛の損傷を防いでいる。
【0003】
中国特許第CN103479030A号明細書に開示された方式は、筆の穂が折れたり損傷しやすく、しかも当該特許案は、筆管を固定させるための筆嵌着部品等の別の部品を必要とし、構造上シンプルではない。また、筆の毛管部分を先に筆筒に入れる方式では、中国特許第CN1099265C号明細書に開示される如きものがある。しかしこの方式は、筆管の動きを制限するための別の固定部品を必要とし、これによって筆管は筆筒内での移動がなくなり、筆の穂の損傷を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許第CN103479030A号明細書
【特許文献2】中国特許第CN1099265C号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記先行技術の筆筒には、依然として、消費者が便利に使える商品を提供できないという欠点がある。
【0006】
本発明の目的は、一つの筒体に一つの吊掛装置を組み合わせることで、筆をその筆管から筒体内に引き入れ、筆を筒体に収納し穂を保護する効果を有する筆収納器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による筆収納器は、筒体及び吊掛装置を含む。
筒体は、軸線方向に沿って間隔をあけて分離している上端及び底端を有する。筒体は中空状であり、収納空間を有する。収納空間の軸線方向の長さは、筆の長さよりも長い。筒体の底端には収納空間に通じる出入口を設け、出入口は筆の収納空間への出し入れを提供する。筒体の収納空間の内側縁箇所には、出入口の軸線方向に沿って、滑らかな部分を形成し、筒体の上端には、収納空間に連通する穿孔を設ける。
吊掛装置は、第一端と、第一端に相反する位置にある第二端とを有する。吊掛装置はさらに、第一端と第二端の間に位置する移動部分を含み、移動部分は筒体に設けた穿孔を往復移動し、第一端及び第二端はいずれも穿孔を通過できない状態であるため、第一端と第二端はそれぞれ、穿孔の両側に位置している。吊掛装置はさらに、第二端に位置する封鎖蓋を含み、封鎖蓋を筒体の出入口に結合するか否かを選択可能である。吊掛装置は第一位置と第二位置との間を移動し、吊掛装置が第一位置にある時、吊掛装置の第一端を収納空間の出入口の外に露出し、第一端を筆の筆管に連結する。
吊掛装置の第一端を筆の筆管に連結させた後、吊掛装置の移動部分を穿孔に沿って筒体の外側に向かって移動させた時、吊掛装置の第一端によって筆を筒体の外側から収納空間内に移動させ、並びに完全に収納空間に収めた後、筆は収納空間の滑らかな部分に保持され、封鎖蓋は出入口に結合し、この時、吊掛装置は第二位置に位置する。
【0008】
前記により、本発明はただ、一つの筒体に一つの吊掛装置を組み合わせただけで筆を収納する効果を実現するもので、構造はシンプルで、使用は非常に便利である。さらに、本発明は収納過程において、筆の筆管を先に筒体内に収める故に、収納過程で穂を損傷させることもなく、乾燥後の筆であっても損傷問題が起きず、消費者によりよい筆収納を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に関する筆収納器の外観斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に関する筆収納器の断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に関する封鎖蓋を筒体から離した状態を示す断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に関する筆収納器に筆を収納するステップにおいて、吊掛装置の第一端が出入口に近い状態を示す斜面図である。
【
図5】本発明の実施形態に関する筆収納器に筆を収納するステップにおいて、筆の紐を吊掛装置の引掛部に引き掛けた状態を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に関する筆収納器に筆を収納するステップにおいて、吊掛装置を筒体の軸線方向に沿って移動させ、筆を筒体に挿入する状態を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施形態に関する筆収納器に一般の筆を収納した斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に関する筆収納器に穂の広がった筆を収納している状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下は、添付した本発明の実施形態を詳細に描写した各図を参照する。本発明の技術の原理は、特定の開示した実施形態に制限されず、本発明の保護範囲は、代替、修正等を加えた物を含む、特許請求の範囲による。
【0011】
図1~
図7に示すとおり、本発明の実施形態に関する筆収納器100は、筒体10及び吊掛装置20を含む。筒体10は、吊掛装置20によって筆200を中に収めることで、筆200の穂202の損傷を防ぐ。
【0012】
筒体10は、軸線L方向に沿って間隔をあけて分離している上端11及び底端12を有する。筒体10は中空状であり、収納空間13を有する。収納空間13の軸線L方向の長さは、筆200の長さよりも長い。筒体10の底端12には収納空間13に通じる出入口14を設け、出入口14は筆200の収納空間13への出し入れを提供する。筒体10の収納空間13の内側縁箇所には、出入口14の軸線L方向に沿って、滑らかな部分15を形成し、筒体10の上端11には、収納空間13に連通する穿孔16を設ける。
本発明の実施形態に関する筒体10は、透明のプラスチック材質によって製作された円型筒であり、使用者は直接、筒体10内に収納した筆200を見ることができ、また、筆収納器100を平面に直立させられるという観賞作用を兼ね備えたものである。尚、滑らかな部分15の長さは筆200の穂202の長さ以上とする。
【0013】
吊掛装置20は、第一端21と、第一端21に相反する位置の第二端22とを有する。吊掛装置20はさらに、第一端21と第二端22の間に位置する移動部分23を含み、移動部分23は筒体10に設けた穿孔16を往復移動する。本発明の実施形態において、吊掛装置20の移動部分23は弾力のある紐とし、しかも移動部分23の線径は穿孔16の孔径未満とし、移動部分23を筒体10に設けた穿孔16において往復移動させる。
移動部分23が穿孔16箇所にある時、移動部分23の両端はそれぞれ縛るか粘着固定をして結び目をつくり、結び目の直径を穿孔16の孔径より大きくすることで、吊掛装置20の第一端21及び第二端22が構成される。第一端21及び第二端22はいずれも穿孔16を通過できなくなり、第一端21と第二端21をそれぞれ穿孔16の両側に位置させる。
【0014】
吊掛装置20はさらに、第二端22に位置する封鎖蓋24を含み、封鎖蓋24は筒体10の出入口14に結合するか否かを選択可能である。本発明の実施形態において、封鎖蓋24にはその軸方向に貫通孔241を設け、貫通孔241に通した移動部分23は自由に移動し、貫通孔241は大径部242を有する。吊掛装置20の第二端22は拡大部221を有し、第二端22の拡大部221は封鎖蓋24の大径部242に設けることで、封鎖蓋24が第二端22から離脱するのを防ぐ。また、貫通孔241はさらに、大径部242に通じる小径部243を含む。
封鎖蓋24の外側縁には、その軸方向に沿って第一固定部分244及び第一結合部分245を形成し、第一結合部分245は出入口14と結合させるか否かを選択可能である。第一結合部分245を出入口14に結合させた時、貫通孔241の大径部242は筒体10の収納空間13の方を向き、小径部243は筒体10の外側を向く。そのうち、第一固定部分244は貫通孔241の大径部243を離れた一端に直立面246を形成し、直立面246には径方向に延び、貫通孔241の小径部243につながる溝部247を設ける。封鎖蓋24を第一結合部分245を用いて出入口14に結合した場合、筒体10外に位置する吊掛装置20の移動部分23は溝部247内に収められ、筒体10を直立面246で平面上に立たせることができ、収納と飾り効果を提供する。
【0015】
筒体10はさらに筒体10の上端11に設けられた端蓋30を含む。本発明の実施形態において、端蓋30は上端11に固定結合する。端蓋30はその軸方向に穿孔16を有し、穿孔16に通した吊掛装置20の移動部分23は自由に移動する。本発明の実施形態において、端蓋30の外側縁には軸方向に第二固定部分31及び第二固定部分31から延伸する第二結合部分32を形成し、穿孔16は第二固定部分31及び第二結合部分32を貫通し、第二結合部分32は筒体10の上端11の収納空間13に結合し、穿孔16は大孔部161及びそれに連接する小孔部162を有し、吊掛装置20の第一端21は制止部211を有し、第一端21の制止部211は端蓋30の大孔部161に係止される。
端蓋30は吊掛装置20の第一端21が筒体10の上端11から離脱するのを防ぐ。端蓋30の第二結合部分32が筒体10の上端11の収納空間13に結合する時、穿孔16の大孔部161は筒体10の収納空間13の方に向き、小孔部162は筒体10の外側に向いている。吊掛装置20の第一端21はさらに引掛部212を有し、引掛部212によって筆200の筆管201末端の紐203が引き掛けられ、しかも引掛部212の径方向サイズは端蓋30の穿孔16の径方向サイズを超える。
【0016】
吊掛装置20は第一位置と第二位置との間を移動し、吊掛装置20が第一位置にある時の状態は、
図4に示すとおりである。また、
図5に示すとおり、吊掛装置20の第一端21を収納空間13の出入口14の外に露出し、第一端21を筆200の筆管201に連結する。
【0017】
吊掛装置20が第二位置にある時、
移動部分23は筒体10の外側縁に平着して軸線L方向に延伸し、
移動部分23は一定の張力を備えているため、筒体10の外側に密着し、平たく整った状態となる。これは
図2及び
図7に示すとおりである。
【0018】
続いて、
図4から
図7は、本発明の筆収納器によって筆200をどのように筒体10内に収納するのかを示した図である。
図4に示すとおり、まず、封鎖蓋24を筒体10の底端12から離し、吊掛装置20の第一端21を収納空間13の外側に向かって
移動して出入口14から露出させ、後続する収納ステップに利便を図る。
【0019】
図5に示すとおり、吊掛装置20が第一位置にある時、吊掛装置20の第一端21の引掛部212を筆200の紐203に引っ掛ける。続いて
図6に示すとおり、使用者は吊掛装置20の
移動部分23を筒体10の外側に向かって移動させると、筆200は収納空間13内に移動する。筆200が移動する過程において、まず、筆管201が筒体10の収納空間13内に収められ、続いて、穂202が筒体10の収納空間13内に収められ、最後に、筆200の穂202が収納空間13の
滑らかな部分15に保持される。筆200全体が収納空間13に収められた後、さらに吊掛装置20の封鎖蓋24を再度、筒体10の出入口14に結合することで、筆200を収納空間13に収めるステップが完了する。これは
図7に示すとおりであり、吊掛装置20が第二位置に位置されることを示す。
本発明の収納過程においては、筆200は筆管201を先に筒体10に収め、しかも、筆200が収納空間13に収められる過程での穂202は
滑らかな部分15に保持されるため、穂202の損傷という問題を完全に解決する。
【0020】
本発明の実施形態は、吊掛装置20の第一端21を筆200の筆管201に連結させた後、吊掛装置20の移動部分23を筒体10の外側に移動すると、吊掛装置20の第一端21によって筆200は筒体10の外側から収納空間13内に向かって移動し、完全に収納空間13に収められる。しかも、穂202は収納空間13の滑らかな部分15に保持され、封鎖蓋24は出入口14に結合でき、この時、吊掛装置20は第二位置に位置する。
以上により、筆200が収納空間13に移動する過程において、穂202は滑らかな部分15に保持されるため、筆200の穂202が損傷を受けることがなく、筒体10の収納空間13内に損傷なき状態で収められる。また、封鎖蓋24を出入口14から取りはずした後、吊掛装置20の移動部分23が筒体10内を移動できる状態となり、吊掛装置20の第一端21が筆200を筒体10内から収納空間13の外側に向かって移動することで、第一端21及び筆管201の末端は同時に筒体10の出入口14から露出する。これにより、使用者が筆200を取る利便を図る。
【0021】
図8に示すとおり、本発明はまた、穂が外に広がった状態の筆200の収納にも適用できる。前述のステップに基づいて筆200の収納を行う時であっても、穂202を損傷させるという問題を引き起こすことがない。これにより、本発明は、使用者に対し、より効果的な筆200の収納を提供し、穂202の損傷から守る効果をも発揮できる。
【0022】
本発明はその構造がシンプルで、非常に便利に使用でき、使用者が筆200を収納する際に、その穂202を損傷させない長所を有し、消費者のニーズを満足させるものである。
【0023】
前述をまとめると、本発明には下記のような長所が備わる。
【0024】
(1)本発明は、ただ一つの筒体10に一つの吊掛装置20を組み合わせただけで筆200を収納する効果を発揮し、シンプルな構造と便利な使用が実現する。
【0025】
(2)本発明は収納の過程において、筆200の筆管201を先に筒体10内に収め、続いて穂202を筒体10の収納空間13に収め、しかも筆200を収納空間13に収めた後、穂202は滑らかな部分15に保持されるため、収納時に筆200の穂202が損傷を受けることが全くない。
【0026】
以上に述べた実施形態は、本発明の説明のためだけに用いたものであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。よって、本発明の創作精神に違わずになされた修正や改変はすべて、本発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0027】
100 筆収納器
10 筒体
11 上端
12 底端
13 収納空間
14 出入口
15 滑らかな部分
16 穿孔
161 大孔部
162 小孔部
20 吊掛装置
21 第一端
211 制止部
212 引掛部
22 第二端
221 拡大部
23 移動部分
24 封鎖蓋
241 貫通孔
242 大径部
243 小径部
244 第一固定部分
245 第一結合部分
246 直立面
247 溝部
30 端蓋
31 第二固定部分
32 第二結合部分
200 筆
201 筆管
202 穂
203 紐
L 軸線