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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047796
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】パンツ型着用物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20230330BHJP
【FI】
A61F13/15 360
A61F13/15 356
A61F13/15 355A
A61F13/15 311Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156914
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】519372272
【氏名又は名称】DSGジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 孝利
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200BA15
3B200BA16
3B200BB11
3B200BB20
3B200CA02
3B200CB03
3B200DE08
3B200DE11
3B200DE16
3B200DE18
3B200EA09
3B200EA23
(57)【要約】
【課題】耳折り工程におけるサイドフラップのずれ、浮き、皺などの折込み不良を精度よく検出することを課題とする。
【解決手段】耳折り工程の後で、左端部係合部材の領域の明度及び右端部係合部材の領域の明度を検出する。左端部係合部材の領域の検出明度及び右端部係合部材の領域の検出明度に基づいて、耳折り工程における折り返しの良否を判定する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
股部の前見頃領域が、胴回り部の中央領域に重なるように折り返す二つ折り工程と、
前記二つ折り工程の後で、胴回り部の左端部係合部材及び右端部係合部材が股部の被係合部材に係合するように、胴回り部の左サイドフラップ及び右サイドフラップを折り返す耳折り工程と、
前記耳折り工程の後で、左端部係合部材の領域の明度及び右端部係合部材の領域の明度を検出する検出工程と、
前記検出工程の後で、左端部係合部材の領域の検出明度及び右端部係合部材の領域の検出明度に基づいて、前記耳折り工程における折り返しの良否を判定する判定工程と、
含むパンツ型着用物品の製造方法。
【請求項2】
前記左端部係合部材及び前記右端部係合部材が、蛍光剤を含む接着剤により前記胴回り部に接着されており、
前記検出工程は、前記左端部係合部材の領域に、紫外線を照射することによって、出射された蛍光の強度に応じて左端部係合部材の領域の明度を検出すると共に、前記右端部係合部材の領域に、紫外線を照射することによって、出射された蛍光の強度に応じて右端部係合部材の領域の明度を検出する工程である、
請求項1に記載のパンツ型着用物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつなどのパンツ型着用物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(従来技術)
【0003】
おむつのタイプには、折り込まれた状態で出荷されるパンツ型おむつがある。特許文献1には、折り込まれた状態で出荷されるパンツ型おむつの製造方法が記載されている。
【0004】
このパンツ型おむつは、二つ折り工程と、耳折り工程を経て工場から出荷される。二つ折り工程では、股部が二つに折り込まれる。耳折り工程では、胴回り部の左右サイドフラップが内側に折り返される(これを耳折りという)。この際に胴回り部のフックが股部の前見頃領域に設けられたループに係合される。パンツ型おむつは、このように二つ折りと耳折りがなされ、胴回り部のフックが股部のループに係合された状態で出荷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】再公表2015/025760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
耳折り工程ではサイドフラップのずれ、浮き、皺などの折込み不良が発生することがある。
【0007】
本発明は、耳折り工程におけるサイドフラップのずれ、浮き、皺などの折込み不良を精度よく検出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様は、股部の前見頃領域が、胴回り部の中央領域に重なるように折り返す二つ折り工程と、前記二つ折り工程の後で、胴回り部の左端部係合部材及び右端部係合部材が股部の被係合部材に係合するように、胴回り部の左サイドフラップ及び右サイドフラップを折り返す耳折り工程と、前記耳折り工程の後で、左端部係合部材の領域の明度及び右端部係合部材の領域の明度を検出する検出工程と、前記検出工程の後で、左端部係合部材の領域の検出明度及び右端部係合部材の領域の検出明度に基づいて、前記耳折り工程における折り返しの良否を判定する判定工程と、含むパンツ型着用物品の製造方法である。
【0009】
第2の態様は、第1の態様において、前記左端部係合部材及び前記右端部係合部材が、蛍光剤を含む接着剤により前記胴回り部に接着されており、前記検出工程は、前記左端部係合部材の領域に、紫外線を照射することによって、出射された蛍光の強度に応じて左端部係合部材の領域の明度を検出すると共に、前記右端部係合部材の領域に、紫外線を照射することによって、出射された蛍光の強度に応じて右端部係合部材の領域の明度を検出する工程である、パンツ型着用物品の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
第1の態様、第2の態様によれば、耳折り工程におけるサイドフラップのずれ、浮き、皺などの折込み不良を精度よく検出できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は実施形態のパンツ型着用物品を展開状態で示す平面図である。
図2図2は実施形態のパンツ型着用物品の股部の構成を展開状態で示す斜視図である。
図3図3は、二つ折り工程により折り込まれるパンツ型着用物品を示す図である。
図4図4は、耳折り工程により折り込まれるパンツ型着用物品を示す図で、股部及び胴回り部が折り込まれたパンツ型着用物品を示す平面図である。
図5図5は実施形態のおむつの製造方法の手順を示すフローチャートである。
図6図6は、検出工程と判定工程を実施するための検出判定装置の構成例を示す図である。
図7A図7Aは、表示部のモニタの表示画面を例示する図である。
図7B図7Bは、表示部のモニタの表示画面を例示する図である。
図7C図7Cは、表示部のモニタの表示画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照してパンツ型着用物品の製造方法の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、実施形態のパンツ型着用物品を展開状態で示す平面図である。本実施形態では、パンツ型着用物品としてリファスナブルパンツと呼ばれるパンツ型おむつを想定して説明する。このリファスナブルパンツ型おむつは、胴回り部のフックを、股部のループに係合するように折り込んだ状態で工場から出荷される。
【0014】
(おむつの構成)
【0015】
おむつ1は、大きくは、股部100と、胴回り部200を含んで構成されている。
【0016】
図1において図面下側をおむつ1の前側とし、図面上側をおむつ1の後側とする。また図面左側をおむつ1の左側とし図面右側をおむつ1の右側とする。また図1において図面上下方向を製造ラインにおける股部100の連続体の流れ方向MDとし、流れ方向MDに直交する方向(図面左右方向)をおむつ1の幅方向CDとする。なお、股部100の連続体は、個々のおむつ1の股部100に対応する長さに切断される。
【0017】
図1において、流れ方向MD及び幅方向CDに直交する方向を、おむつ1の厚み方向(図1の紙面に垂直な方向)とする。図1において紙面表側が着用者の肌側(内側)で、紙面裏側が非肌側(外側)となる。
【0018】
股部100は、股下領域100Mと、股下領域100Mの前側の前見頃領域100Fと、股下領域100Mの後側の後見頃領域100Rとを有する。前見頃領域100Fは、着用者の前部(腹側、前胴回り)に位置する部分である。後見頃領域100Rは、着用者の後部(背側、後胴回り)に位置する部分である。
【0019】
胴回り部200は、中央領域200Mと、中央領域200Mの左側の左サイドフラップ200Lと、中央領域200Mの右側の右サイドフラップ200Rとを有する。胴回り部200には、左右方向に伸縮可能な胴回り弾性部材(図示せず)、例えば糸ゴムが設けられている。この胴回り弾性部材によって、着用者の胴回り方向に伸縮性が付与される。胴回り部200の中央領域200Mに、股部100の後見頃領域100Rが接合されている。
【0020】
胴回り部200の左サイドフラップ200Lの左端部には、左端部係合部材220Lが設けられている。胴回り部200の右サイドフラップ200Rの右端部には、右端部係合部材220Rが設けられている。左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rは、胴回り部200の肌側面(図1の紙面表側)に設けられている。
【0021】
左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rは、蛍光剤を含む接着剤により胴回り部200に接着されている。接着剤は例えばホットメルト接着剤である。ホットメルト接着剤は、熱可塑性接着剤である。蛍光剤は、蛍光増白剤を含み、紫外光(UV(Ultra Violet)光)により発光する材料で構成される。ホットメルト接着剤による接着を用いる場合には、左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rの接着面に、熱で溶かしたホットメルト接着剤を塗布し、左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rと胴回り部200の対向面100B同士を圧着して、その後冷却させればよい。なお、ホットメルト以外の接着剤に蛍光剤を含有させ、この蛍光剤を含む接着剤を用いて左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rを胴回り部200に接着してもよい。
【0022】
一方、股部100の前見頃領域100Fには、左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rに係合される被係合部材121が設けられている。被係合部材121は、股部100の被係合領域122に形成されている。被係合部材121は、股部100の非肌側面(図1の紙面裏側)に設けられている。
【0023】
左端部係合部材220L、右端部係合部材220R及び被係合部材121は、例えばファスニングテープ(面ファスナー)で構成される。オス部材としての左端部係合部材220L、右端部係合部材220Rは、複数のフック(鉤状の突起群)で構成される。メス部材としての被係合部材121は、左端部係合部材220L、右端部係合部材220Rを構成するフックに係合され得る複数のループで構成されている。
【0024】
股部100の構成例について図2を併せ参照して説明する。
【0025】
股部100は、着用者によって排泄された尿等の液体を吸収し保持する部位であり、外側からカバーシート120と、バックシート110と、吸収性本体130と、トップシート140が順次、厚さ方向に重ね合わせられ、接合されて、構成されている。図2において図面上側が肌側(内側)で、図面下側が非肌側(外側)となる。
【0026】
吸収性本体130は、図示しない吸収性ポリマーを含有する吸収体と、この吸収体を包む液透過性を有するラップシート131とを含んで構成されている。
【0027】
トップシート140は、吸収性本体130の肌側に配置され、液透過性の部材で構成されている。
【0028】
バックシート120は、吸収性本体130の非肌側に配置され、液不透過性と透湿性を有する部材で構成されている。
【0029】
カバーシート110は、おむつ1の非肌側の外装を構成する部材であり、例えば不織布で構成されている。このカバーシート110と吸収性本体130との間にバックシート120が配置されている。カバーシート110の非肌側面の被係合領域122には、被係合部材121が設けられている。カバーシート110は、透明又は半透明の部材で構成されている。
【0030】
図3は、二つ折り工程を示す。二つ折り工程では、股部100の前見頃領域100Fが、胴回り部200の中央領域200Mに重なるように、内側に折り返される。
【0031】
図4は、おむつの製造ラインの折込み工程を説明する図で、股部100及び胴回り部200が折り込まれた状態のおむつ1を正面図で示す。図4の紙面側を、おむつ1の前見頃側と称する。なお図4の紙面とは反対の紙面裏側を、おむつ1の後身頃側とする。
【0032】
図4は、耳折り工程を示す。二つ折り工程の後で、耳折り工程が行われる。
【0033】
耳折り工程では、胴回り部200の左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rが股部100の被係合部材121に係合するように、胴回り部200の左サイドフラップ220L及び右サイドフラップ220Rが折り返される。
【0034】
おむつ1は、股部100及び胴回り部200が折り込まれ、左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rが、被係合部材121に係合された状態で工場から出荷される。
【0035】
実施形態1のおむつ1は、工場から出荷された状態で、そのまま着用者に装着させることができる。また、胴回り部200の左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rを、股部100の被係合部材121から一旦外して、再度、股部100に対して胴回り部200を折り込んで適切な折込み位置に調整することもできる。
【0036】
(おむつの製造方法)
【0037】
図5は実施形態のおむつ1の製造方法の手順を示すフローチャートである。
【0038】
上述したように、ステップS1で二つ折り工程が実行され、二つ折り工程の後で、耳折り工程が実行される(ステップS2)。つぎに耳折り工程の後で、検出工程が実行され(ステップS3)、検出工程の後で、判定工程が実行される(ステップS4)。
【0039】
検出工程では、左端部係合部材220Lの領域の明度及び右端部係合部材220Rの領域の明度が検出される。実施形態では、左端部係合部材220Lの領域に、紫外線を照射することによって、出射された蛍光の強度に応じて左端部係合部材220Lの領域の明度が検出されると共に、右端部係合部材220Rの領域に、紫外線を照射することによって、出射された蛍光の強度に応じて右端部係合部材220Rの領域の明度が検出される。
【0040】
判定工程では、左端部係合部材220Lの領域の検出明度及び右端部係合部材220Rの領域の検出明度に基づいて、耳折り工程における折り返しの良否が判定される。
【0041】
図6は、検出工程と判定工程を実施するための検出判定装置300の構成例を示している。
【0042】
実施形態の検出判定装置300は、照射部310と、撮像部320と、処理部330と、表示部340を含んで構成されている。耳折り工程を経たおむつ1は、バキュームコンベア350によって搬送されて、検出位置351に位置決めされ、検出工程の実行のために一時停止される。おむつ1は前見頃側を上面にした状態で検出位置351に位置決めされる。
【0043】
照射部310は、おむつ1の前見頃側に向けて上方から紫外光UVを照射する。
【0044】
撮像部320は、紫外光UVが照射された左端部係合部材220Lの領域及び右端部係合部材220Rの領域の発光を撮像する。撮像部320は、おむつ1の上面の全体を撮像できる画角VAでおむつ1を撮像する。撮像部320は、可視光を撮像するCCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を用いて構成することができる。左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rの接着面に塗布されたホットメルト接着剤は、蛍光剤を含んでいるため紫外光(UV光)を照射すると蛍光発色する。蛍光は可視光線よりエネルギーの強い紫外線(380nm 以下の波長)を可視光線に変換するフォトルミネッセンスを有しているため、蛍光色以外の一般色よりも強い可視光線を放出する。このため撮像部320で、左端部係合部材220Lの領域及び右端部係合部材220Rの領域の明度を、出射された蛍光の強度に応じて鮮明に撮像することができる。
【0045】
処理部330は、さらに検出部331と、判定部332からなる。
【0046】
検出部331は、左端部係合部材220Lの領域から出射された蛍光の強度に応じて左端部係合部材220Lの領域の明度を検出する処理を実行すると共に、右端部係合部材220Rの領域から出射された蛍光の強度に応じて右端部係合部材220Rの領域の明度を検出する。
【0047】
判定部332は、左端部係合部材220Lの領域の検出明度及び右端部係合部材220Rの領域の検出明度に基づいて、耳折り工程における折り返しの良否を判定する。
【0048】
表示部340は、検出部331の検出結果及び判定部332の判定結果を表示する。
【0049】
表示部340は、モニタ341を含んで構成される。モニタ341は液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
【0050】
(検出部)
【0051】
図7A図7B図7Cは、表示部340のモニタ341の表示画面350を例示する。
【0052】
表示画面350には、左端部係合部材220Lの領域に対応する左フックフレーム351Lと、右端部係合部材220Rの領域に対応する右フックフレーム351Rが表示される。
【0053】
表示画面350には、更に、左フックフレーム351L内にあって、左端部係合部材220Lの領域の上部に対応する左上部判定フレーム351LUと、左端部係合部材220Lの領域の中央部に対応する左中央部判定フレーム351LMと、左端部係合部材220Lの領域の下部に対応する左下部判定フレーム351LLが表示される。同様に、表示画面350には、更に、右フックフレーム351R内にあって、右端部係合部材220Rの領域の上部に対応する右上部判定フレーム351RUと、右端部係合部材220Rの領域の中央部に対応する右中央部判定フレーム351RMと、右端部係合部材220Rの領域の下部に対応する右下部判定フレーム351RLが表示される。
【0054】
表示画面350には、上記各フレーム351L、351R、351LU、351LM、351LL、351RU、351RM、351RLに重ねておむつ1の前見頃側の撮像画像が表示される。おむつ1の前見頃側の撮像画像は、蛍光の強度に応じた明度で表示される。ここで撮像部320の基準位置とおむつ1の検出位置351の位置関係は既知である。このためおむつ1が正しい姿勢で検出位置351に位置決めされた際には、表示画面350上で、左端部係合部材220Lの領域が左フックフレーム351Lに一致すると共に、右端部係合部材220Rの領域が右フックフレーム351Rに一致するように設定されている。
【0055】
(判定部)
【0056】
判定部332は、各判定フレーム351LU、351LM、351LL、351RU、351RM、351RL毎に、明度が所定しきい値以上である画素数が、判定フレーム内部全体の画素数に対して所定の比率Tpに達しているか否かを判定する。各判定フレーム351LU、351LM、351LL、351RU、351RM、351RLの全てにおいて、明度が所定しきい値以上である画素数が、判定フレーム内部全体の画素数に対して所定の比率Tpに達している場合には、おむつ1の耳折り工程における折り返しは「良」であると判定する。反対に、各判定フレーム351LU、351LM、351LL、351RU、351RM、351RLの内の少なくとも1つの判定フレームにおいて、明度が所定しきい値以上である画素数が、判定フレーム内部全体の画素数に対して所定の比率Tpに達してない場合には、そのおむつ1の耳折り工程における折り返しは「不良」であると判定する。
【0057】
図7Aは、耳折り工程における折り返しは「良」(合格)であると判定される場合を例示する。
【0058】
図7Aにおいて、ハッチングで示す領域は、左端部係合部材220Lの領域及び右端部係合部材220Rの領域の内で、明度が上記所定しきい値以上となっている画素領域を示す。なお、図7B図7Cにおいても同様である。
【0059】
図7Aに例示するおむつ1では、各判定フレーム351LU、351LM、351LL、351RU、351RM、351RLの全てにおいて、明度が所定しきい値以上である画素数が、判定フレーム内部全体の画素数に対して所定の比率Tpに達している。このため、図7Aに示すおむつ1の耳折り工程における折り返しは「良」であり、「合格」であると判定される。例えば表示画面350の判定結果表示部352に、判定結果が「良」である旨の表示がなされる。
【0060】
図7Bは、耳折り工程における折り返しは「不良」(不合格)であると判定される場合を例示する。
【0061】
図7Bに例示するおむつ1では、各判定フレーム351LU、351LM、351LL、351RU、351RM、351RLの内の左上部判定フレーム351LUにおいて、明度が所定しきい値以上である画素数が、左上部判定フレーム351LU内部全体の画素数に対して所定の比率Tpに達していない。
【0062】
このため図7Bに示すおむつ1の耳折り工程における折り返しは「不良」、例えば左サイドフラップ上部で浮き又は皺が発生したという不良であり、「不合格」であると判定される。例えば表示画面350の判定結果表示部352に、判定結果が「不良」である旨の表示がなされる。なお、表示画面350において「不良」が発生した左上部判定フレーム351LUを注目させるために、この「不良」が発生した左上部判定フレーム351LUについて他の判定フレームと識別するための表示、例えば赤色に点灯させる表示がなされる(図7Bにハッチングで示す)。
【0063】
図7Cは、耳折り工程における折り返しは「不良」(不合格)であると判定される別の例を示す。
【0064】
図7Cに例示するおむつ1では、各判定フレーム351LU、351LM、351LL、351RU、351RM、351RLの内の全ての判定フレームにおいて、明度が所定しきい値以上である画素数が、判定フレーム内部全体の画素数に対し所定の比率Tpに達していない。
【0065】
このため図7Cに示すおむつ1の耳折り工程における折り返しは「不良」、例えばサイドフラップの折込みずれという不良であり、「不合格」であると判定される。例えば表示画面350の判定結果表示部352に、判定結果が「不良」である旨の表示がなされる。
【0066】
なお、実施形態では、左端部係合部材220Lの領域に、紫外線を照射することによって、出射された蛍光の強度に応じて左端部係合部材220Lの領域の明度を検出すると共に、右端部係合部材220Rの領域に、紫外線を照射することによって、出射された蛍光の強度に応じて右端部係合部材220Rの領域の明度を検出しているが、これ以外の方法で左端部係合部材220Lの領域の明度及び右端部係合部材220Rの領域の明度を検出してもよい。
【0067】
以上のように実施形態によれば、耳折り工程におけるサイドフラップのずれ、浮き、皺などの折込み不良を精度よく検出できるようになる。
【符号の説明】
【0068】
1 おむつ
100 股部
200 胴回り部
220L 左端部係合部材
220R 右端部係合部材
121 被係合部材
122 被係合領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C