(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047815
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/063 20230101AFI20230330BHJP
【FI】
G06Q10/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156944
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】399007408
【氏名又は名称】株式会社シイエム・シイ
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】佐々 幸恭
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】業務効率化のための分析をより好適な態様で支援する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、情報処理装置である管理サーバは、業務手順の分析に係る目的の指定をユーザから受け付ける第1の受け付け手段と、指定された前記目的に応じて、対象となる業務手順に含まれる個別の手順毎に、情報入力の対象となる一連の項目の候補のうち、ユーザからの当該情報入力の対象とする項目を切り替える切り替え手段と、切り替えの結果に応じた情報入力の対象とする一連の前記項目それぞれに対して、個別の手順毎に、当該個別の手順に関する当該項目に対応する種別の情報の入力をユーザから受け付ける第2の受付手段と、切り替えの結果に応じて前記個別の手順毎に入力された情報に基づき、対象となる業務手順の分析に係るデータを、指摘された目的に応じたフォーマットで生成する生成手段と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務手順の分析に係る目的の指定をユーザから受け付ける第1の受け付け手段と、
指定された前記目的に応じて、対象となる業務手順に含まれる個別の手順ごとに、情報入力の対象となる一連の項目の候補のうち、ユーザからの当該情報入力の対象とする項目を切り替える切り替え手段と、
前記切り替えの結果に応じた情報入力の対象とする一連の前記項目それぞれに対して、前記個別の手順ごとに、当該個別の手順に関する当該項目に対応する種別の情報の入力をユーザから受け付ける第2の受付手段と、
前記切り替えの結果に応じて前記個別の手順ごとに入力された情報に基づき、対象となる前記業務手順の分析に係るデータを、指摘された前記目的に応じたフォーマットで生成する生成手段と、
を備えた、情報処理装置。
【請求項2】
指定の対象となる一連の前記目的のうち、一部の目的として、業務手順の自動化への適合率の分析が含まれ、
前記生成手段は、業務手順の自動化への適合率の分析が前記目的として指定されることで提示された一連の前記項目のうち少なくとも一部の当該項目に入力された情報を前記個別の手順ごとに解析することで、当該個別の手順について自動化への適合率を算出し、当該適合率の算出結果を含む前記データを生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記個別の手順ごとに、前記解析の対象となる前記項目に入力された情報からあらかじめ設定された1以上のキーワードを検出し、当該キーワードの検出結果に基づき当該個別の手順について自動化への適合率を算出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成手段は、あらかじめ設定された1以上のキーワードそれぞれに対して重み付けを行い、前記個別の手順ごとの、前記キーワードの検出結果と、検出された当該キーワードに設定された重みと、に基づき、当該該個別の手順について自動化への適合率を算出する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
指定の対象となる一連の前記目的のうち、一部の目的として、業務手順のマニュアル化が含まれ、
前記生成手段は、業務手順のマニュアル化が前記目的として指定されることで提示された一連の前記項目それぞれに入力された情報を前記項目ごとに所定のフォーマットに従って文書としてまとめるアプリケーションが読み取り可能な形式の前記データを生成する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
業務手順の分析に係る目的の指定をユーザから受け付ける第1の受け付けステップと、
指定された前記目的に応じて、対象となる業務手順に含まれる個別の手順ごとに、情報入力の対象となる一連の項目の候補のうち、ユーザからの当該情報入力の対象とする項目を切り替える切り替えステップと、
前記切り替えの結果に応じた情報入力の対象とする一連の前記項目それぞれに対して、前記個別の手順ごとに、当該個別の手順に関する当該項目に対応する種別の情報の入力をユーザから受け付ける第2の受付ステップと、
前記切り替えの結果に応じて前記個別の手順ごとに入力された情報に基づき、対象となる前記業務手順の分析に係るデータを、指摘された前記目的に応じたフォーマットで生成する生成ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
業務手順の分析に係る目的の指定をユーザから受け付ける第1の受け付けステップと、
指定された前記目的に応じて、対象となる業務手順に含まれる個別の手順ごとに、情報入力の対象となる一連の項目の候補のうち、ユーザからの当該情報入力の対象とする項目を切り替える切り替えステップと、
前記切り替えの結果に応じた情報入力の対象とする一連の前記項目それぞれに対して、前記個別の手順ごとに、当該個別の手順に関する当該項目に対応する種別の情報の入力をユーザから受け付ける第2の受付ステップと、
前記切り替えの結果に応じて前記個別の手順ごとに入力された情報に基づき、対象となる前記業務手順の分析に係るデータを、指摘された前記目的に応じたフォーマットで生成する生成ステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、市場の変化や労働環境の変化がめまぐるしく、このような変化に対応すべく、業務の効率化が行われることがしばしばある。このような状況から、特に近年では、所謂デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)とも称される、デジタル技術を活用した業務の効率化を図る仕組みが注目されている。例えば、特許文献1には、作業の自動化を支援することで、業務の効率化を実現するための仕組みの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
業務効率化のための分析に係る多様な手法や当該手法を実現するための多様なツールが提案されており、ユーザは、分析の目的に応じて所望の手法やツールを選択して使用することが可能である。一方で、分析の手法や当該手法を実現するためのツールに応じて入力が要求される情報が異なる場合がある。このような状況下において、例えば、どのような手法やツールが選択されても対応可能となるように、入力が要求され得る全ての種類の情報についてユーザから入力を受け付けるのは、当該ユーザにとって手間となる。
【0005】
本発明は上記の問題を鑑み、業務効率化のための分析をより好適な態様で支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、業務手順の分析に係る目的の指定をユーザから受け付ける第1の受け付け手段と、指定された前記目的に応じて、対象となる業務手順に含まれる個別の手順ごとに、情報入力の対象となる一連の項目の候補のうち、ユーザからの当該情報入力の対象とする項目を切り替える切り替え手段と、前記切り替えの結果に応じた情報入力の対象とする一連の前記項目それぞれに対して、前記個別の手順ごとに、当該個別の手順に関する当該項目に対応する種別の情報の入力をユーザから受け付ける第2の受付手段と、前記切り替えの結果に応じて前記個別の手順ごとに入力された情報に基づき、対象となる前記業務手順の分析に係るデータを、指摘された前記目的に応じたフォーマットで生成する生成手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、業務効率化のための分析をより好適な態様で支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システムのシステム構成の一例を示した図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
【
図3】情報処理システムの処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【
図4】分析対象となる業務の一覧が提示された画面の一例である。
【
図5】業務手順の分析のために入力が受け付けられる情報の一例である。
【
図6】業務手順の分析の目的の指定を受け付けるためのUIの一例である。
【
図7】業務手順の分析の目的に応じた項目の切り替えの一例を示した図である。
【
図8】ユーザからの情報入力を受け付けるための画面の一例を示している。
【
図9】入力情報に基づくマニュアルの生成について説明するための図である。
【
図10】ユーザからの情報入力を受け付けるための画面の他の一例を示している。
【
図11】入力情報に基づく業務の効率化分析について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
<システム構成>
図1を参照して、本開示の一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例について説明する。本実施形態に係る情報処理システム1は、管理サーバ110と、1以上の端末装置210とを含む。なお、
図1に示す端末装置210a及び210bは、それぞれが端末装置210の一例を示している。以降の説明では、端末装置210a及び210bのそれぞれを特に区別しない場合には、単に端末装置210と称するものとする。
【0011】
管理サーバ110と、各端末装置210とは、ネットワークN1を介して互いに情報を送受信可能に接続されている。
なお、ネットワークN1の種別は特に限定はされない。具体的な一例として、ネットワークN1は、インターネット、専用線、LAN(Local Area Network)、または、WAN(Wide Area Network)等により構成されていてもよい。また、ネットワークN1は、有線のネットワークにより構成されていてもよいし、5G、LTE(Long Term Evolution)、及びWi-Fi(登録商標)等の通信規格に基づくネットワークのような無線のネットワークにより構成されていてもよい。また、ネットワークN1は、複数のネットワークを含んでもよく、一部のネットワークとして、他のネットワークと異なる種別のネットワークが適用されてもよい。また、上述した各種情報処理装置間の通信が論理的に確立されていればよく、物理的には各種情報処理装置間の通信が他の通信装置等により中継されてもよい。
【0012】
端末装置210は、ユーザからの入力(例えば、各種指示)の受け付けや、ユーザへの各種情報(例えば、フィードバック等)の提示に係るインタフェースとしての役割を担う。具体的な一例として、端末装置210は、ネットワークを介して後述する管理サーバ110からデータを受信し、当該データに基づく情報を、所定の出力装置(例えば、ディスプレイ等)を介してユーザに提示してもよい。また、端末装置210は、所定の入力装置(例えば、タッチパネル等)を介してユーザから受け付けた操作に基づき、当該ユーザからの指示を認識し、ネットワークを介して当該指示に応じた情報を管理サーバ110に送信してもよい。これにより、管理サーバ110は、ユーザからの指示を認識し、当該指示に応じた処理を実行することが可能となる。
端末装置210は、例えば、所謂スマートフォン、タブレット端末、及びPC(Personal Computer)等のような通信機能を有する情報処理装置により実現され得る。
【0013】
管理サーバ110は、分析対象となる業務ごとに、当該業務に係る一連の手順の効率化を図るための作業の支援に係る各種処理を実行する。
【0014】
具体的な一例として、管理サーバ110は、対象となる業務に係る一連の手順それぞれを、より細分化された詳細な手順に分けるとともに、詳細な手順それぞれについて同手順に係る情報を整理する作業を支援するための各種処理を実行する。
【0015】
また、管理サーバ110は、業務の効率化を図るための当該業務の手順の分析に係る目的の指定を受けて、当該目的に応じた分析を実現するために、当該業務の手順(例えば、細分化された詳細な手順)ごとに、ユーザから情報の入力を受け付ける項目を選択的に切り替える。そのうえで、管理サーバ110は、上記切り替えの結果に応じて個別の手順ごとに入力された情報に基づき、対象となる業務の手順の分析に係るデータを、指定された上記目的に応じたフォーマットで生成する。
【0016】
より具体的な一例として、管理サーバ110は、対象となる業務の手順をマニュアル化することで、当該業務の効率化を図る場合には、当該マニュアル化に要求される情報の入力が受け付けられるように、当該入力の対象となる項目を切り替える。そのうえで、例えば、管理サーバ110は、項目ごとに入力が受け付けられた情報を、項目ごとの情報を所定のフォーマットに従って文書としてまとめるアプリケーションが読み取り可能な形式のデータとしてまとめて出力してもよい。
また、他の一例として、管理サーバ110は、対象となる業務の手順の自動化への適合率を分析することで、当該業務の効率化を図る場合には、当該分析に要求される情報の入力が受け付けられるように、当該入力の対象となる項目を切り替える。そのうえで、例えば、管理サーバ110は、対象となる業務の手順(例えば、細分化された詳細な手順)ごとに、少なくとも一部の項目に入力された情報を解析することで、当該手順について自動化への適合率を算出し、当該適合率の算出結果を含むデータを生成してもよい。
なお、管理サーバ110の上記処理については詳細を別途後述する。
【0017】
また、管理サーバ110は、所謂サーバ装置等のような物理的なリソースとして実現される態様のみに限らず、所謂クラウドサービス等のように1以上のサーバ装置により(例えば、複数のサーバ装置の協働により)論理的なリソースとして実現されてもよい。
【0018】
なお、
図1に示す構成はあくまで一例であり、必ずしも本実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成を限定するものではない。具体的な一例として、管理サーバ110がスタンドアロンの装置として実現されてもよい。この場合には、管理サーバ110が、ユーザから各種情報の入力の受け付けてもよく、ユーザに対して各種情報の提示を行ってもよい。
【0019】
以上、
図1を参照して、本開示の一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例について説明した。
【0020】
<ハードウェア構成>
図2を参照して、
図1に示した本実施形態に係る情報処理システム1を構成する各種情報処理装置として適用可能な情報処理装置900のハードウェア構成の一例について説明する。情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)910と、ROM(Read Only Memory)920と、RAM(Random Access Memory)930と、補助記憶装置940と、ネットワークI/F970とを含む。また、情報処理装置100は、出力装置950と、入力装置960とのうち少なくともいずれかを含んでもよい。CPU910と、ROM920と、RAM930と、補助記憶装置940と、出力装置950と、入力装置960と、ネットワークI/F970とは、バス980を介して相互に接続されている。
【0021】
CPU910は、情報処理装置900の各種動作を制御する中央演算装置である。例えば、CPU910は、情報処理装置900全体の動作を制御してもよい。ROM920は、CPU910で実行可能な制御プログラムやブートプログラムなどを記憶する。RAM930は、CPU910の主記憶メモリであり、ワークエリア又は各種プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。
【0022】
補助記憶装置940は、各種データや各種プログラムを記憶する。補助記憶装置940は、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)に代表される不揮発性メモリ等のような、各種データを一時的または持続的に記憶可能な記憶デバイスにより実現される。
【0023】
出力装置950は、各種情報を出力する装置であり、ユーザに対する各種情報の提示に利用される。本実施形態では、出力装置950は、ディスプレイ等の表示デバイスにより実現される。出力装置950は、各種表示情報を表示させることで、ユーザに対して情報を提示する。ただし、他の例として、出力装置950は、音声や電子音等の音を出力する音響出力デバイスにより実現されてもよい。この場合には、出力装置950は、音声や電信等の音を出力することで、ユーザに対して情報を提示する。また、出力装置950として適用されるデバイスは、ユーザに対して情報を提示するために利用する媒体に応じて適宜変更されてもよい。なお、出力装置950が、各種情報の提示に利用される「出力部」の一例に相当する。
【0024】
入力装置960は、ユーザからの各種指示の受け付けに利用される。本実施形態では、入力装置960は、マウス、キーボード、タッチパネル等の入力デバイスを含む。ただし、他の例として、入力装置960は、マイクロフォン等の集音デバイスを含み、ユーザが発話した音声を集音してもよい。この場合には、集音された音声に対して音響解析や自然言語処理等の各種解析処理が施されることで、この音声が示す内容がユーザからの指示として認識される。また、入力装置960として適用されるデバイスは、ユーザからの指示を認識する方法に応じて適宜変更されてもよい。また、入力装置960として複数種類のデバイスが適用されてもよい。
【0025】
ネットワークI/F970は、外部の装置とのネットワークを介した通信に利用される。なお、ネットワークI/F970として適用されるデバイスは、通信経路の種別や適用される通信方式に応じて適宜変更されてもよい。
【0026】
情報処理装置900のプログラムは、例えば、CD-ROM等の記録媒体によって情報処理装置900に提供されるか、またはネットワーク等を介してダウンロードされてもよい。記録媒体によって情報処理装置900のプログラムが提供される場合には、記録媒体が所定のドライブ装置にセットされることで、当該記録媒体に記録されたプログラムが補助記憶装置940にインストールされる。
【0027】
また、
図2に示す構成はあくまで一例であり、必ずしも本実施形態に係る情報処理システム1を構成する情報処理装置のハードウェア構成を限定するものではない。具体的な一例として、入力装置960や出力装置950等のような一部の構成が含まれていなくてもよい。また、他の一例として、情報処理装置900が実現する機能に応じた構成が適宜追加されてもよい。
【0028】
以上、
図2を参照して、
図1に示した本実施形態に係る情報処理システム1を構成する各種情報処理装置として適用可能な情報処理装置900のハードウェア構成の一例について説明した。
【0029】
<処理>
続いて、本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例について説明する。例えば、
図3は、本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示したフローチャートである。
【0030】
S101において、管理サーバ110は、ユーザの認証に係る処理を実行する。具体的には、管理サーバ110は、端末装置210を介してユーザに認証画面を提示し、当該認証画面に入力された認証情報(例えば、ID及びパスワード)を当該端末装置210から取得する。そのうえで、管理サーバ110は、端末装置210から取得された認証情報に基づきユーザの認証を行い、認証に成功した場合にS102以降の処理を実行する。また、管理サーバ110は、認証に係る処理を実行した場合に、当該認証の結果に応じた情報を、端末装置210を介してユーザに提示してもよい。
【0031】
S102において、管理サーバ110は、業務効率化の分析の対象となる業務の指定をユーザから受け付ける。具体的には、管理サーバ110は、端末装置210を介して分析対象としてあらかじめ登録された業務の一覧が提示された画面をユーザに提示したうえで、当該画面を介して分析対象となる業務の指定を当該ユーザから受け付けてもよい。また、管理サーバ110は、分析対象となる業務の登録に係る指示をユーザから受け付けてもよい。これにより、ユーザは、分析の対象となる業務が登録されていない場合には、当該業務を分析の対象として新たに登録することが可能となる。
【0032】
例えば、
図4は、分析の対象となる業務の一覧が提示された画面の一例を示している。
図4に示す例では、「タイトル」の項目に各業務を示す情報が提示されている。また、
図4に示す例では、各業務をグループ分けする機能が設けられており、紐付けられたグループに関する情報が「グループ」の項目に提示される。加えて、
図4に示す例では、各業務のジャンルを分類する機能が設けられており、対象となる業務が分類されたカテゴリ(例えば、営業、企画、経営等)に関する情報が「業務カテゴリ」の項目に提示される。また、「更新日時」の項目は、対象となる業務に対応するデータが最後に更新された日時に関する情報が提示されている。また、
図4に示す例では、各業務に対応するレコードごとに、当該業務について実行される一連の処理それぞれに対応付けられたボタンが提示されている。すなわち、
図4に示す例では、対象となる業務に対応するレコードに提示された一連のボタンのうちいずれかが押下されることで、当該業務を対象として、押下されたボタンに対応付けられた処理が実行されることとなる。また、「新規登録」ボタンは、新たに業務の登録に係る指示をユーザから受け付けるためのボタンである。
【0033】
図3に示す例では、対象となる業務について、ユーザによる業務手順の棚卸しに係る作業を支援し、ユーザからの入力に基づき、当該業務手順の分析(換言すると、業務効率化の分析)に係る目的に応じたデータを生成する場合の処理の一例について説明する。具体的には、
図3に示す例では、対象となる業務の一連の手順それぞれを、当該手順を構成するより詳細な手順に分けたうえで、当該詳細な手順それぞれについて、業務効率化の分析に係る目的に応じた情報の入力をユーザから受け付け、入力された情報に基づき当該目的に応じたデータが生成される。
なお、既に登録されている業務を処理の対象とする場合には、当該業務のレコードの「タイトル」の項目に表示された情報に対してクリック等の選択に係る操作が行われることで、当該業務を対象として、ユーザから情報の入力を受け付けるための処理が開始される。また、登録されていない業務を処理の対象とする場合には、「新規登録」ボタンが押下されることで、新たに業務が登録したうえで、当該業務を対象として、ユーザから情報の入力を受け付けるための処理が開始される。
【0034】
例えば、
図5は、業務手順の分析に係るデータを生成するために、ユーザからの入力が受け付けられる情報の一例を示した図である。
図5に示す例では、対象となる業務の業務手順を、「大分類」、「中分類」、及び「小分類」の順に、段階的により詳細な手順に分けたうえで、小分類まで分けられた手順についてより詳細な手順の説明を入力可能となっている。また、
図5に示す例では、各手順を構成する詳細な手順ごとに、業務手順の分析に利用可能な各種情報を入力することが可能である。このような情報としては、例えば、「画像・イメージ」、「日付」、「作業場所」、「難易度」、「作業時間」、「使用するツール・システム・帳票」、「使用するファイルの登録」、「担当部署に関する情報」等が挙げられる。また、
図5に示す例では、担当部署に関する情報として、該当する手順の主体となる作業者を指定可能となっており、その候補として「責任者」、「主担当」、及び「担当者」が提示されている。なお、作業者の候補については、業務に応じて変更可能であってもよい。
なお、
図5に示された業務手順の分析に利用可能な一連の情報はあくまで一例であり、必ずしも
図5に示された情報のみには限定されない。すなわち、業務手順の分析(換言すると、業務効率化の分析)に利用可能な他の種類の情報の項目が追加されていてもよい。具体的な一例として、対象となる手順の「実施目的」、「作業タイミング」、「作業のポイントもしくは注意点」、「現状の業務課題」等の情報の項目が追加されてもよいし、所望の情報を自由に入力可能な「自由記入」の欄が設けられてもよい。
また、一部の情報については、ユーザからの指示を受けた場合に、入力が受け付けられてもよい。このような情報については、デフォルトでは項目が非表示となっており、ユーザからの指示を受けた場合に当該項目が表示され、これにより当該情報の入力が可能となってもよい。
【0035】
一方で、業務手順の分析の目的によっては、
図5に提示された全ての情報が必ずしも必要となるとは限らない。そのため、本実施形態に係る情報処理システムでは、管理サーバ110は、業務手順の分析の目的に応じて、対象となる業務の一連の業務手順に含まれる個別の手順(例えば、小分類に紐づけられた詳細な手順)それぞれに対する情報入力の対象となる一連の項目の候補のうち、ユーザからの情報入力の対象とする項目を切り替える。
【0036】
具体的には、
図3のS103において、管理サーバ110は、端末装置210に表示させた操作画面を介して、業務手順の分析に係る目的の指定をユーザから受け付ける。
例えば、
図6は、業務手順の分析に係る目的の指定をユーザから受け付けるためのUIの一例を示した図である。
図6に示す例では、業務手順の分析に係る目的の指定に係るボタンが押下されると、選択可能な候補の一覧が提示され、当該一覧からの選択された候補が、業務手順の分析に係る目的として設定される。例えば、
図6に示す例では、業務手順の分析に係る目的の候補として、「効率化分析」と「マニュアル化」とが提示されている。また、
図6に示す例では、一連の項目について情報を入力する場合に指定する候補として、「すべて」の選択肢が提示されている。すなわち、「すべて」の選択肢が指定された場合には、一連の項目すべてが情報入力の対象として提示されることとなる。
【0037】
次いで、
図3のS104において、管理サーバ110は、S103において指定された業務手順の分析に係る目的に応じて、情報入力の対象となる一連の項目の候補のうち、ユーザからの情報入力の対象とする項目を切り替える。この切り替え結果を受けて、端末装置210を介してユーザに提示される操作画面において、情報入力の対象としてユーザに提示される項目が切り替わる。
【0038】
ここで、
図7を参照して、業務の手順の分析に係る目的ごとに情報入力の対象として提示される項目の一例について説明する。
図7に示す例では、入力対象の項目として、「大分類」、「中分類」、「実施目的」、「小分類」、「作業タイミング」、「作業のポイントもしくは注意点」、「現状の業務課題」、「詳細手順」、「画像・イメージ」、「日付」、「作業場所」、「難易度」、「作業時間」、「使用するツール・システム・帳票」、「使用するファイルの登録」、「担当部署に関する情報」が提示されている。また、担当部署に関する情報として、「責任者」、「主担当」、及び「担当者」が提示されており、これらに加えて「自由記入」の欄が設けられている。
そのうえで、「デフォルト」の設定では、上記一連の項目のうち、「実施目的」、「作業タイミング」、「作業のポイントもしくは注意点」、及び「現状の業務課題」の項目と、「担当部署に関する情報」のうちの「自由記入」の欄とが情報入力の対象から外されている。これらの項目については、通常時には提示されず、例えば、ユーザからの指示に応じて提示されることで情報の入力が可能となる。
【0039】
また、「効率化分析」が目的として指定された場合には、「大分類」、「中分類」、「小分類」、「詳細手順」、「難易度」、「作業時間」、「使用するツール・システム・帳票」の項目が情報入力の対象として提示される。なお、その他の項目については、通常時には提示されず、例えば、ユーザからの指示に応じて提示されることで情報の入力が可能となる。
また、「マニュアル化」が目的として指定された場合には、「大分類」、「中分類」、「実施目的」、「小分類」、「作業タイミング」、「作業のポイントもしくは注意点」、「詳細手順」、「画像・イメージ」、「作業場所」、「使用するファイルの登録」の項目が情報入力の対象として提示される。また、その他の項目については、「効率化分析」が目的として指定された場合と同様に、通常時には提示されず、例えば、ユーザからの指示に応じて提示されることで情報の入力が可能となる。
【0040】
次いで、
図3のS105において、管理サーバ110は、S104における記切り替えの結果に応じた情報入力の対象とする一連の項目それぞれについて、個別の手順ごとに、当該個別の手順に関する当該項目に対応する種別の情報の入力をユーザから受け付ける。このユーザからの情報入力の受け付けは、例えば、端末装置210により当該ユーザに提示される操作画面を介して行われる。
そのうえで、S106において、管理サーバ110は、S105において個別の手順ごとに各項目に入力された情報に基づき、対象となる業務手順の分析に係るデータを、目的(例えば、S103において指定の対象となる目的等)に応じたフォーマットで生成する。
【0041】
例えば、
図8及び
図9は、業務手順の分析の目的として「マニュアル化」が指定された場合の一例について説明するための図である。具体的には、
図8は、業務手順の分析の目的として「マニュアル化」が指定された場合に、ユーザからの情報入力を受け付けるための画面の一例を示している。また、
図9は、
図8に例示した情報入力の結果を利用して生成された、対象となる業務の業務手順のマニュアルの一例を示している。
【0042】
この場合には、管理サーバ110は、
図8に例示した一連の情報に基づき、項目ごとに入力された情報を所定のフォーマットに従って文書としてまとめるアプリケーションが読み取り可能な形式のデータを生成してもよい。より具体的な一例として、管理サーバ110は、
図8に示すような情報入力の結果を、CSV等の所定のフォーマットのデータに変換してもよい。また、他の一例として、管理サーバ110自体が、上記アプリケーションにより実現される機能を備えていてもよい。この場合には、管理サーバ110が、
図9に示すようなマニュアルのデータを生成して出力してもよい。
なお、
図9に例示した出力はあくまで一例であり、データの入力先となるアプリケーションに応じて、出力される文書のフォーマットや当該文書の生成に利用されるデータ中の情報が適宜変更されてもよいことは言うまでもない。例えば、
図9に示す例では図示を省略しているが、
図8に例示された、「実施目的」、「作業タイミング」、「作業のポイントもしくは注意点」、「作業場所」等の項目に入力された情報が、所定のフォーマットに従い文書の生成に利用されてもよい。
【0043】
また、他の一例として、
図10及び
図11は、業務手順の分析の目的として「効率化分析」が指定された場合の一例について説明するための図である。具体的には、
図10は、業務手順の分析の目的として「効率化分析」が指定された場合に、ユーザからの情報入力を受け付けるための画面の一例を示している。また、
図11は、
図10に例示した情報入力の結果を利用して生成された、対象となる業務の効率化分析(すなわち、業務手順の自動化への適合率の分析)の結果の一例を示している。
【0044】
この場合には、管理サーバ110は、
図10に例示した一連の情報に基づき、対象となる業務の手順ごとに、所定の項目に入力された情報を対象として解析処理を施すことで、当該手順の自動化への適合率を算出する。
具体的な一例として、
図11に示す例では、管理サーバ110は、小分類に紐付けられた詳細手順に入力された一連の文字列から、あらかじめ登録されたキーワードを検索して抽出し、抽出された当該キーワードの数をカウントする。なお、抽出対象となるキーワードの候補は複数であってもよい。
また、管理サーバ110は、抽出されたキーワードの数に応じて、対象となる手順の自動化への適合率の評価に利用するポイントを算出する。なお、抽出対象となるキーワードの候補が複数の場合には、候補間において重み付けがなされていてもよい。この場合には、管理サーバ110は、抽出されたキーワードの数に対して当該キーワードの重みを加味する(例えば、乗算する)ことで、当該キーワードに対応するポイントを算出してもよい。
そのうえで、管理サーバ110は、手順ごとにポイントの合計値とあらかじめ設定された基準値(例えば、閾値等)とに基づき、当該手順の自動化への適合率を算出する。例えば、管理サーバ110は、対象となる手順について、算出されたポイントの合計値が1であり、基準値が2の場合には、当該合計値を当該基準値で除算することで、当該手順の自動化への適合率を1/2(50%)と算出してもよい。
なお、上記はあくまで一例であり、対象となる手順の自動化への適合率に関する指標をユーザに提示することが可能であれば、そのために提示される情報の種別や当該情報の算出方法は特に限定はされない。具体的な一例として、管理サーバ110は、対象となる手順の自動化への適合率を、割合での評価に限らず、段階評価(例えば、3段階評価や5段階評価等)等により算出してもよい。また、他の一例として、管理サーバ110は、対象となる手順について、算出されたポイントの合計値が基準値(閾値)を超える場合に、当該手順が自動化に伴い業務効率の改善の可能性ありと判定し、当該判定の結果を提示してもよい。
【0045】
以上、
図3~
図11を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例について説明した。
なお、上記はあくまで一例であり、必ずしも本実施形態に係る情報処理システムの処理を限定するものではない。具体的な一例として、業務手順の分析方法に応じて、指定可能な業務手順の分析に係る目的の候補が追加されてもよい。この場合には、業務手順の分析に係る目的に応じて、ユーザからの情報入力の対象となる項目や、入力された情報に基づき生成されるデータの種類や形式等が適宜決定されればよい。
【0046】
<むすび>
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置(管理サーバ110)は、業務手順の分析に係る目的の指定をユーザから受け付け、指定された目的に応じて、対象となる業務手順に含まれる個別の手順ごとに、情報入力の対象となる一連の項目の候補のうち、ユーザからの当該情報入力の対象とする項目を切り替える。また、情報処理装置は、当該切り替えの結果に応じた情報入力の対象とする一連の項目それぞれに対して、上記個別の手順ごとに、当該個別の手順に関する当該項目に対応する種別の情報の入力をユーザから受け付ける.そのうえで、情報処理装置は、上記切り替えの結果に応じて個別の手順ごとに入力された情報に基づき、対象となる上記業務手順の分析に係るデータを、指摘された上記目的に応じたフォーマットで生成する。
このような構成により、業務手順の分析に係る目的に応じてユーザから入力を受け付ける情報を必要最低限に抑えることが可能となる。すなわち、本実施形態に係る情報処理装置に依れば、入力が要求され得る全ての情報についてユーザから入力を受け付けるといった煩雑な手順をユーザに要求する必要がなくなるため、業務効率化のための分析をより好適な態様で支援することが可能となる。
【符号の説明】
【0047】
1 情報処理システム
110 管理サーバ
210 端末装置