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特開2023-47819フィルタ枠、前記フィルタ枠を用いた雄型フィルタ枠及び雌型フィルタ枠
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  • 特開-フィルタ枠、前記フィルタ枠を用いた雄型フィルタ枠及び雌型フィルタ枠 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047819
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】フィルタ枠、前記フィルタ枠を用いた雄型フィルタ枠及び雌型フィルタ枠
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/52 20060101AFI20230330BHJP
【FI】
B01D46/52 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156949
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000229542
【氏名又は名称】日本バイリーン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】宇都木 宏太
(72)【発明者】
【氏名】西堀 寧
(72)【発明者】
【氏名】谷口 一歩
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA14
4D058KA01
4D058KA15
4D058KB02
4D058KB15
4D058KC81
(57)【要約】
【課題】様々な大きさのフィルタケーシングに収納可能であり、かつ、フィルタ枠連結体を形成できるフィルタ枠を提供すること。
【解決手段】本発明のフィルタ枠は、フィルタ枠の左側面、右側面の少なくとも一方に、差込凹部を有する。これにより、フィルタケーシングに、フィルタ枠にフィルタエレメントが取り付けられたフィルタユニットを収納する際に、フィルタユニットを構成するフィルタ枠の差込凹部に雄型嵌合具を差込んで雄型フィルタ枠、あるいはフィルタ枠の差込凹部に雌型嵌合具を差込んで雌型フィルタ枠とし、雄型フィルタ枠の凸部と雌型フィルタ枠の凹部とを連結してフィルタ枠連結体を形成してフィルタケーシングに収納する態様、又は、雄型嵌合具又は雌型嵌合具をフィルタ枠に差込まず、フィルタ枠を連結せずにフィルタケーシングに収納する態様をとることが出来る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板、底板、左側板、右側板を含んで構成されたフィルタ枠であり、
フィルタ枠の左側面、右側面の少なくとも一方に、差込凹部を有する、フィルタ枠。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタ枠と、雄型嵌合具を有する雄型フィルタ枠であって、
前記雄型嵌合具は、フィルタ枠の差込凹部に差込む差込部を有し、フィルタ枠の差込凹部に雄型嵌合具の差込部が差込まれているとともに、凸部を有する雄型フィルタ枠。
【請求項3】
雄型嵌合具の凸部がフィルタ枠の奥行方向に延びており、凸部の少なくとも一方の端部が先細り形状になっている、請求項2に記載の雄型フィルタ枠。
【請求項4】
請求項1に記載のフィルタ枠と、雌型嵌合具を有する雌型フィルタ枠であって、
前記雌型嵌合具は、フィルタ枠の差込凹部に差込む差込部を有し、フィルタ枠の差込凹部に雌型嵌合具の差込部が差込まれているとともに、凹部を有する雌型フィルタ枠。
【請求項5】
雌型嵌合具の凹部がフィルタ枠の奥行方向に延びるレール状の凹部になっており、凹部の少なくとも一方の端部が角を落とした形状になっている、請求項4に記載の雌型フィルタ枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル空調、工場空調、病院空調などにおける空調機器に装着するフィルタ枠に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル空調、工場空調、病院空調などにおける空調機器には、塵埃やガス状汚染物質を除去するため、シート状濾材を折り曲げてその表面積を大きくしたフィルタエレメントが使用されている。このフィルタエレメントは、塵埃によって目詰まりが生じた際、あるいは、ガス状汚染物質を吸着する能力に限界が生じた際に、新品のフィルタエレメントと容易に交換できるように、剛性のあるフィルタ枠に交換可能にフィルタエレメントを収納したフィルタユニットの形態で用いられている。通常、フィルタケーシングの中にフィルタユニットが複数個、横方向及び上下方向に整列した状態で配置されている。
【0003】
フィルタケーシングの中にフィルタユニットを配置する際に、効率よくフィルタケーシングの中に配置でき、また、フィルタエレメントを交換する際に、フィルタユニットをフィルタケーシングから効率よく取り外せることから、フィルタユニットを構成するフィルタ枠同士を連結することが一般的に行われており、例えば、特開2013-141617号公報(特許文献1)には、隣接する雌型フィルタ枠に連結することでフィルタ枠連結体を形成できる、フィルタ枠の枠片に突起を有する樹脂製の雄型フィルタ枠、及び、隣接する雄型フィルタ枠に連結することでフィルタ枠連結体を形成できる、フィルタ枠の枠片にレール状の溝を有する樹脂製の雌型フィルタ枠が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-141617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の雄型フィルタ枠及び雌型フィルタ枠は、フィルタユニットを配置するフィルタケーシングの大きさによっては、フィルタケーシングの中にフィルタユニットを配置する際に、フィルタユニットの、雄型フィルタ枠を構成する突起がフィルタケーシングからはみ出し、フィルタケーシングにフィルタユニットが収容できなくなることがあった。
【0006】
本発明は、様々な大きさのフィルタケーシングに収納可能であり、かつ、フィルタ枠連結体を形成できるフィルタ枠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る発明は、「天板、底板、左側板、右側板を含んで構成されたフィルタ枠であり、フィルタ枠の左側面、右側面の少なくとも一方に、差込凹部を有する、フィルタ枠。」である。
【0008】
本発明の請求項2に係る発明は、「請求項1に記載のフィルタ枠と、雄型嵌合具を有する雄型フィルタ枠であって、前記雄型嵌合具は、フィルタ枠の差込凹部に差込む差込部を有し、フィルタ枠の差込凹部に雄型嵌合具の差込部が差込まれているとともに、凸部を有する雄型フィルタ枠。」である。
【0009】
本発明の請求項3に係る発明は、「雄型嵌合具の凸部がフィルタ枠の奥行方向に延びており、凸部の少なくとも一方の端部が先細り形状になっている、請求項2に記載の雄型フィルタ枠。」である。
【0010】
本発明の請求項4に係る発明は、「請求項1に記載のフィルタ枠と、雌型嵌合具を有する雌型フィルタ枠であって、前記雌型嵌合具は、フィルタ枠の差込凹部に差込む差込部を有し、フィルタ枠の差込凹部に雌型嵌合具の差込部が差込まれているとともに、凹部を有する雌型フィルタ枠。」である。
【0011】
本発明の請求項5に係る発明は、「雌型嵌合具の凹部がフィルタ枠の奥行方向に延びるレール状の凹部になっており、凹部の少なくとも一方の端部が角を落とした形状になっている、請求項4に記載の雌型フィルタ枠。」である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のフィルタ枠は、フィルタ枠の左側面、右側面の少なくとも一方に、差込凹部を有する。これにより、フィルタケーシングに、フィルタ枠にフィルタエレメントが取り付けられたフィルタユニットを収納する際に、フィルタユニットを構成するフィルタ枠の差込凹部に雄型嵌合具を差込んで雄型フィルタ枠、あるいはフィルタ枠の差込凹部に雌型嵌合具を差込んで雌型フィルタ枠とし、雄型フィルタ枠の凸部と雌型フィルタ枠の凹部とを連結してフィルタ枠連結体を形成してフィルタケーシングに収納する態様とすることができる。
【0013】
また、上述の方法で用意したフィルタ連結体をフィルタケーシングに収納することを検討する際に、フィルタケーシングの大きさが小さく、フィルタケーシングからフィルタ枠に差込まれた雄型嵌合具あるいは雌型嵌合具がはみ出すおそれがある際は、雄型嵌合具又は雌型嵌合具をフィルタ枠に差込まず、フィルタ枠を連結せずにフィルタケーシングに収納する態様とすることができる。このように、フィルタケーシングの大きさに応じて、様々な大きさのフィルタケーシングにフィルタユニットを収納可能である。
【0014】
更に、フィルタ枠に差込凹部を有していることで、フィルタ枠の差込凹部に雄型嵌合具あるいは雌型嵌合具を差込んだ際に、雄型嵌合具あるいは雌型嵌合具に外力がかかってもフィルタ枠の差込凹部から雄型嵌合具あるいは雌型嵌合具が外れることがなく、また、例えば雄型嵌合具または雌型嵌合具が差込まれたフィルタ枠の差込凹部に接着剤を流し込み、フィルタ枠に雄型嵌合具あるいは雌型嵌合具を接着する場合、接着剤がフィルタ枠の差込凹部から外部に漏れにくく、フィルタ枠と雄型嵌合具あるいは雌型嵌合具との接着が強固な雄型フィルタ枠あるいは雌型フィルタ枠が製造できる。
【0015】
更に、雄型フィルタ枠を構成する雄型嵌合具の凸部が奥行方向に延びており、少なくとも一方の端部が端部に向かって先細りになる、先細り形状であると、雄型嵌合具の凸部を雌型嵌合具の凹部に差込みやすいことから雄型嵌合具の凸部と雌型嵌合具の凹部との嵌合が行いやすく、雄型フィルタ枠の取り扱い性が優れ、好ましい。
【0016】
更に、雌型フィルタ枠を構成する雌型嵌合具がフィルタ枠の奥行方向に延びるレール状の凹部になっており、少なくとも一方の端部が角を落とした形状になっていると、雄型嵌合具の凸部を雌型嵌合具のレール状の凹部に差込みやすいことから雄型嵌合具の凸部と雌型嵌合具の凹部との嵌合が行いやすく、雌型フィルタ枠の取り扱い性が優れ、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のフィルタ枠の一例を示す斜視図である。
図2】本発明の雄型フィルタ枠の一例を示す斜視図である。
図3】本発明の雄型フィルタ枠の一例の隅部材を拡大した斜視図である。
図4】本発明の雄型嵌合具の奥行方向に対して垂直の断面の一例を説明する図である。
図5】本発明のフィルタ枠に雄型嵌合具を取付け、雄型フィルタ枠を形成する一例を説明する斜視図である。
図6】本発明の雌型フィルタ枠の一例を示す斜視図である。
図7】本発明の雌型フィルタ枠の一例の隅部材を拡大した斜視図である。
図8】本発明の雌型嵌合具の奥行方向に対して垂直の断面の一例を説明する図である。
図9】本発明のフィルタ枠に雌型嵌合具を取付け、雌型フィルタ枠を形成する一例を説明する斜視図である。
図10】本発明の雄型フィルタ枠、雌型フィルタ枠、フィルタ枠連結体の一例を示す斜視図である。
図11】本発明の雄型フィルタ枠と雌型フィルタ枠との連結方法を説明する、斜視図である。
図12】本発明の雄型フィルタ枠と雌型フィルタ枠との連結方法を説明する、図11よりも上面側の斜視図である。
図13】本発明のフィルタ枠の組立の一例を示し、隅部材を拡大した斜視図である。
図14】本発明のフィルタ枠の組立の一例を示し、左上の隅部材を拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るフィルタ枠、雄型フィルタ枠及び雌型フィルタ枠の実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
本発明のフィルタ枠10は、天板31、底板32、左側板33、右側板34を含んで構成されている。なお、前記フィルタ枠10は、図1に例示するように、天板31、底板32、左側板33、右側板34が強固に連結できるように、天板31、底板32、左側板33、右側板34を連結する4個の隅部材20(21~24)から構成されているのが好ましい。以降、フィルタ枠10は天板31、底板32、左側板33、右側板34と4つの隅部材20から構成されているもので説明する。
【0020】
また、本発明のフィルタ枠10は、フィルタ枠10の左側面、右側面の少なくとも一方に差込凹部Mを有する。フィルタ枠10の一例を示す図1では、左側面にあたる隅部材21、22及び、右側面にあたる隅部材23、24にフィルタ枠10の奥行方向に延びる差込凹部Mを有する。ここで、本発明において、フィルタ枠10、後述の雄型フィルタ枠11、雌型フィルタ枠11’の奥行方向とは、フィルタ枠10、雄型フィルタ枠11、雌型フィルタ枠11’の空気流入面から空気流出面に向かう方向またはその逆の方向のことを意味しており、必ずしも図1のような空気流入面または空気流出面と垂直な方向、すなわち90度の角度を有する方向であることを意味しておらず、空気流入面または空気流出面と90度以外の角度を有することも可能である。
【0021】
また、図1において差込凹部Mは、フィルタ枠10の奥行方向に凹部が延びているが、奥行方向以外の方向(例えば、奥行方向と直交するフィルタ枠10の上下方向)であってもよい。更に、フィルタ枠10の奥行方向に差込凹部Mが延びている場合、奥行方向の外力がかかってもフィルタ枠10の差込凹部Mに差込まれた雄型嵌合具あるいは雌型嵌合具が外れることがなく、また、例えばフィルタ枠10の差込凹部Mに接着剤を流し込み、そこに雄型嵌合具または雌型嵌合具を差込み、フィルタ枠10と雄型嵌合具あるいは雌型嵌合具を接着する場合、接着剤がフィルタ枠10の差込凹部Mから外部に漏れにくく、フィルタ枠10と雄型嵌合具あるいは雌型嵌合具との接着が強固な雄型フィルタ枠あるいは雌型フィルタ枠が製造できるように、図1に示すように、空気流入面、及び、空気流出面まで差込凹部Mが貫通していないのが好ましい。
【0022】
フィルタ枠10における差込凹部Mは、フィルタ枠10の左側面、右側面の少なくとも一方に有しているが、雄型嵌合具14又は雌型嵌合具14’をフィルタ枠10の差込凹部Mに差込んで雄型フィルタ枠11あるいは雌型フィルタ枠11’とした際に、隣接する雌型フィルタ枠11’または雄型フィルタ枠11との連結が容易であることから、フィルタ枠10の隅部材21~24のいずれかに差込凹部Mを有しているのが好ましく、フィルタ枠10の隅部材21~24のすべてに差込凹部Mを有しているのがより好ましい。また、フィルタ枠10の差込凹部Mは、雄型嵌合具14あるいは雌型嵌合具14’が差し込みやすいように、フィルタ枠の奥行方向に延びているのが好ましい。
【0023】
また、図1に示すように、本発明のフィルタ枠10の底板32の空気流出口部に、フィルタエレメント12がフィルタ枠10から風圧により押し出されることを防止するための止め部40が設けられているのが好ましい。
【0024】
更に、隅部材20の空気流出口部にも、フィルタエレメント12がフィルタ枠10から風圧により押し出されることを防止するための止め部50が設けられているのが好ましい。
【0025】
更に、フィルタ枠10に、フィルタエレメント12がフィルタ枠10から風圧により押し出されることを防止するための棒状又は柵状の押え部材51が設けられているのが好ましい。
【0026】
本発明の雄型フィルタ枠11は、図2~3に示すように、上述のフィルタ枠10と雄型嵌合具14を有し、前記雄型嵌合具14は、雌型フィルタ枠の左側面、右側面の少なくとも一方に有する、凹部を有する形状の雌型嵌合具14’、又は、フィルタ枠の左側面あるいは右側面自体に凹部を有する雌型嵌合部材と嵌合するための、雄型嵌合具14の凸部14A、及び、フィルタ枠の差込部14Bを有し、フィルタ枠10の差込凹部Mに雄型嵌合具14の差込部14Bが差込まれている。雄型フィルタ枠11の一例を示す図2~3において、雄型嵌合具14は、フィルタ枠の右側面の隅部材23、24に有する差込凹部Mに差込まれている。このとき、フィルタ枠10とフィルタ枠に差込まれた雄型嵌合具14が接着しているのが好ましい。接着方法は特に限定するものではないが、例えば接着剤による接着であることができる。
【0027】
雄型フィルタ枠11における雄型嵌合具14の位置は、雄型嵌合具14はフィルタ枠10の差込凹部Mに差込まれていることから、雄型嵌合具14は雄型フィルタ枠11の左側面、右側面の少なくとも一方に有するが、隣接する雌型フィルタ11’との連結が容易であることから、雄型フィルタ枠11の隅部材21~24のいずれかに雄型嵌合具14が差込まれているのが好ましく、雄型フィルタ枠11の隅部材21~24のすべてに雄型嵌合具14が差込まれているのがより好ましい。
【0028】
フィルタ枠10に雄型嵌合具14を差込んで雄型フィルタ枠11を製造する方法としては、例えば、上述のフィルタ枠10、および、図4に断面が例示されているような、凸部14Aと、フィルタ枠10の差込凹部Mに差込むことのできる差込部14Bを有する雄型嵌合具14を準備し、フィルタ枠10の差込凹部Mに接着剤を注入し、図5に例示されているように、雄型嵌合具14の差込部14Bを、フィルタ枠10の差込凹部Mに差込むことにより製造する方法であることができる。
【0029】
また、雄型嵌合具14の凸部14Aの奥行方向に対して垂直の断面形状については、雄型嵌合具14の凸部14Aと雌型嵌合具14’(雌型嵌合部材)の凹部14’Aとを嵌合することで、雄型フィルタ枠11と雌型フィルタ枠11’が連結可能である限り、特に限定するものではないが、例えば、図4に示すT字形以外に、略L字形や略数字の6形(又は略数字の9形)のような英数字形、あるいは断面が根元の幅よりも先端部の幅が大きいくびれを有する凸部などであることができる。また、本発明では凸部14Aが連続して形成されている必要はなく、部分的に凸部14Aが形成されていてもよい。
【0030】
更に、本発明の雄型フィルタ枠11を構成する雄型嵌合具14は、図3に例示されているように、雄型嵌合具14の凸部14Aがフィルタ枠の奥行方向に延びており、凸部14Aの少なくとも一方の端部が先細りになる、先細り形状であると、雄型嵌合具14の凸部14Aを雌型嵌合具14’の凹部14’Aに差込みやすいことから、雄型嵌合具14の凸部14Aと雌型嵌合具14’の凹部14’Aとの嵌合が行いやすく、雄型フィルタ枠11の取り扱い性が優れ、好ましい。
【0031】
本発明の雌型フィルタ枠11’は、フィルタ枠10と雌型嵌合具14’を有し、前記雌型嵌合具14’は、雄型フィルタ枠11の左側面、右側面の少なくとも一方に有する、凸部を有する形状の雄型嵌合具14、又は、フィルタ枠の左側面あるいは右側面自体に凸部を有する雄型嵌合部材と嵌合するための、雌型嵌合具14’の凹部14’A、及びフィルタ枠10の差込凹部Mに差込む差込部14’Bを有し、フィルタ枠10の差込凹部Mに雌型嵌合具14’の差込部14’Bが差込まれている。雌型フィルタ枠11’の一例を示す図6~7においては、雌型嵌合具14’は、フィルタ枠10の左側板33’の隅部材21’、22’に有する差込凹部Mに差込まれている。
【0032】
このとき、フィルタ枠10とフィルタ枠に差込まれた雌型嵌合具14’とを接着するのが好ましい。接着方法は特に限定するものではないが、例えば接着剤による接着であることができる。
【0033】
雌型フィルタ枠11’における雌型嵌合具14’の位置は、雌型嵌合具14’はフィルタ枠10の差込凹部Mに差込まれていることから、雌型嵌合具14’は雌型フィルタ枠11’の左側面、右側面の少なくとも一方に有するが、隣接する雄型フィルタ枠11との連結が容易であることから、雌型フィルタ枠11’の隅部材21’~24’のいずれかに雌型嵌合具14’が差込まれているのが好ましく、雌型フィルタ枠11’の隅部材21’~24’のすべてに雌型嵌合具14’が差込まれているのがより好ましい。
【0034】
フィルタ枠10に雌型嵌合具14’を取付けて雌型フィルタ枠11’を製造する方法としては、例えば、上述のフィルタ枠10、及び、図8に断面が例示されているような、凹部14’Aと、フィルタ枠10の差込凹部Mに差込むことのできる差込部14’Bを有する雌型嵌合具14’を準備し、フィルタ枠10の差込凹部Mに接着剤を注入し、図9に例示されているように、雌型嵌合部14’の差込部14’Bを、フィルタ枠10の差込凹部Mに差込むことにより製造する方法であることができる。
【0035】
また、雌型嵌合具14’の凹部14’Aの奥行方向に対して垂直の断面形状については、雌型嵌合具14’の凹部14’Aと雄型嵌合具14の凸部14Aとを嵌合することで、雄型フィルタ枠11と雌型フィルタ枠11’が連結可能である限り、特に限定するものではないが、例えば、図8に示す略コの字形のレール状の凹部や、略数字の9形(又は略数字の6形)のような数字形や、英字型、あるいは奥行方向に対して垂直の断面が先端間の幅よりも内側の幅が大きいくぼみを有するレール状の凹部などを採用することができる。更に、本発明では凹部14’Aが一定方向に連続して形成されている必要はなく、部分的に凹部14’Aが形成されていてもよい。
【0036】
更に、本発明の雌型フィルタ枠11’を構成する雌型嵌合具14’は、図7に例示されているように、雌型嵌合具14’の凹部14’Aがフィルタ枠の奥行方向に延びるレール状の凹部になっており、雌型嵌合具14’の凹部14’Aの少なくとも一方の端部が角を落とした形状になっていると、雌型嵌合具14’の凹部14’Aを雄型嵌合具14の凸部14Aに差込みやすいことから、雄型嵌合具14の凸部14Aと雌型嵌合具14’の凹部14’Aとの嵌合が行いやすく、雌型フィルタ枠11’の取り扱い性が優れ、好ましい。
【0037】
本発明の雄型フィルタ枠11は、図10~12に例示するように、隣接する雌型フィルタ枠11’に連結することでフィルタ枠連結体13を形成でき、同様に、本発明の雌型フィルタ枠11’は、隣接する雄型フィルタ枠11に連結することでフィルタ枠連結体13を形成できる。
【0038】
なお、本発明の図10~12において、雄型フィルタ枠11の隅部材23及び24の形態は、雌型フィルタ枠11’の隅部材23’及び24’の形態と同じになっている。すなわち隅部材23及び24に接着している雄型嵌合具14と、隅部材23’及び24’に接着している雄型嵌合具14とは同じ形態になっている。同様に、本発明の図10~12において、雌型フィルタ枠11’の隅部材21’及び22’の形態は、雄型フィルタ枠11の隅部材21及び22の形態と同じになっている。すなわち隅部材21’及び22’に接着している雌型嵌合具14’と隅部材21及び22に接着している雌型嵌合具14’とは同じ形態になっている。
【0039】
図10~12に例示されている雄型フィルタ11は、雌型フィルタ11’に対向する右側板34の隅部材23、24に奥行方向に延びる凸部14Aを有する雄型嵌合具14を有しており、雌型フィルタ枠11’は雄型フィルタ枠11に対向する左側板33’の隅部材21’、22’に、雌型フィルタ枠11’の奥行方向に延びるレール状の凹部14’Aを有する雌型嵌合具14’を有するものであって、前記雄型嵌合具14の凸部14Aと前記雌型嵌合具14’の凹部14’Aとを嵌合することで、雄型フィルタ枠11が雌型フィルタ11’に連結可能である。なお、前記雄型嵌合具14の凸部14Aは、前記雌型嵌合具14’の凹部14’Aの他、連結対象のフィルタ枠がフィルタ枠の右側面自体に凹部を有する雌型嵌合部材を有している場合は、その凹部とも嵌合できる。
【0040】
また、図10~12に例示されている雌型フィルタ枠11’は、雄型フィルタ枠11に対向する左側板33’の隅部材21’、22’に、雌型フィルタ枠11’の奥行方向に延びるレール状の凹部14’Aを有する雌型嵌合具14’を有しており、雄型フィルタ枠11は雌型フィルタ枠11’に対向する右側板34の隅部材23、24に雄型フィルタ枠11の奥行方向に延びる凸部を有する雄型嵌合具14を有するものであって、前記雌型嵌合具14’の凹部14’Aと前記雄型嵌合具14の凸部14Aとを嵌合することで、雌型フィルタ枠11’が雄型フィルタ枠11に連結可能である。なお、前記雌型嵌合具14’の凹部14’Aは、前記雄型嵌合具14の凸部14Aの他、連結対象のフィルタ枠がフィルタ枠の左側面自体に凸部を有する雄型嵌合部材を有している場合は、その凸部とも嵌合できる。
【0041】
以下、図10~12に例示されているように、雄型フィルタ枠11は、雄型フィルタ枠11の奥行方向に延びる凸部14Aを有する雄型嵌合具14を右側板34の隅部材23、24に有するもので説明し、雌型フィルタ枠11’は、雌型フィルタ枠11の奥行方向に延びるレール状の凹部14A’を有する雌型嵌合具14’を左側面の隅部材21’、22’に有するもので説明する。
【0042】
図10では、隣接配置された雄型フィルタ枠11と雌型フィルタ枠11’とが連結してフィルタ枠連結体13が形成されており、雌型フィルタ枠11’にはフィルタエレメント12が収納されている。また、図11及び図12では、雄型フィルタ枠11と雌型フィルタ枠11’とを連結する前の状態が示されており、雄型フィルタ枠11の雄型嵌合具14を雌型嵌合具14’の凹部内で滑らせるように雄型フィルタ枠11を移動させる、あるいは、雌型フィルタ枠11’の雌型嵌合具14’の凹部内で雄型嵌合具14を滑らせるように雌型フィルタ枠11’を移動させることで、雄型嵌合具14と雌型嵌合具14’とを嵌合することで、雄型フィルタ枠11と雌型フィルタ枠11’とを連結してフィルタ枠連結体13を形成することができる。
【0043】
以上の説明からわかるように、図10~12に例示する雄型フィルタ枠11は雌型フィルタ枠11’と同じ形態になっている。したがって、図10~12において、雄型フィルタ枠11の位置と雌型フィルタ枠11’との位置を入れ替えてみればわかるように、雄型フィルタ枠11を雌型フィルタ枠と称し、雌型フィルタ枠11’を雄型フィルタ枠と称することも可能である。このように雄型フィルタ枠11と雌型フィルタ枠11’とが同じ形態になっていることにより、部品点数が少なくなり、製造用の金型も少なくて済むので、生産効率を高めることが可能である。また品質管理もし易く、設置作業や交換作業もし易く、製造コストや販売コストの削減に寄与することができる。
【0044】
なお本発明では、必要に応じて雄型フィルタ枠11の隅部材21及び22に、図10~12と異なり雄型嵌合具14が接着していることも可能であり、雌型フィルタ枠11’の隅部材23’及び24’に、図10~12と異なり雌型嵌合具14’が接着していることも可能である。
【0045】
次に、フィルタ枠10、雄型フィルタ枠11、雌型フィルタ枠11’を構成する隅部材20と、天板31、底板32、左側板33、右側板34の詳細を説明する。なお、本発明の雄型フィルタ枠11と雌型フィルタ枠11’は、それぞれフィルタ枠10と、雄型嵌合具14又は雌型嵌合具14’がフィルタ枠10の差込凹部Mに雄型嵌合具14又は雌型嵌合具14’の差込部14B、14’Bが差込まれているものであり、同じフィルタ枠10を用いていることから、以下の説明では、主としてフィルタ枠10を用いて説明する。
【0046】
天板31、底板32、左側板33、右側板34は2個の隅部材20の間に配置される部材であり、図1のフィルタ枠では天板31、底板32、左側板33、右側板34が2個の隅部材20と結合し、天板31、底板32、左側板33、右側板34と4つの隅部材20で、フィルタ枠10を形成している。隅部材20と天板31、底板32、左側板33、右側板34としては、図13~14に例示する隅部材20と天板31、底板32、左側板33、右側板34を採用することができる。
【0047】
図13に例示するように、隅部材21は右方向に位置する隅部材23(図示されていない)に向かって水平方向に突出した突起Qと、上方向に位置する隅部材22に向かって垂直方向に突出した突起Rとを有している。同様に、図13に図示されていないが、図1などに図示されている他の隅部材22~24にも、左右方向に向かい合う隅部材の水平方向に突出した突起Q、及び、上下方向に向かい合う隅部材の垂直方向に突出した突起Rを有している。
【0048】
図1、及び図13に例示するように、底板32は隅部材21と隅部材23の間に配置されており、底板32の左端部には隅部材21の突起Qと嵌合するくぼみVが形成されており、底板32の右端部にも隅部材23の突起Qと嵌合するくぼみVが形成されている。このくぼみVは、底板32を押出成型によって形成したものであり、突起QとくぼみVの関係はプラグとソケットの関係になっている。また図1、及び図14に例示する天板31は隅部材22と隅部材24の間に配置されており、天板31の左端部には隅部材22の突起Qと嵌合するくぼみVが形成されており、天板31の右端部には隅部材24の突起Qと嵌合するくぼみVが形成されている。このくぼみVは、天板31を押出成型によって形成したものであり、突起QとくぼみVの関係はプラグとソケットの関係になっている。
【0049】
図1、及び図13に例示するように、左側板33は隅部材21と隅部材22の間に配置されており、左側板33の下端部には隅部材21の突起Rと嵌合するくぼみW(図示されていないが、くぼみVと同様の形状)が形成されており、同様に図示されていないが、左側板33の上端部にも隅部材22の突起Rと嵌合するくぼみWが形成されている。このくぼみWは、左側板33を押出成形によって形成したものであり、突起RとくぼみWの関係はプラグとソケットの関係になっている。また、図1、及び図13に例示するように、右側板34は隅部材23と隅部材24の間に配置されており、左側板33と同様に、右側板34の下端部には隅部材23の突起Rと嵌合するくぼみW(図示されていないが、くぼみVと同様の形状)が形成されており、図示されていないが、右側板34の上端部にも隅部材24の突起Rと嵌合するくぼみWが形成されている。このくぼみWについても左側板33と同様に、右側板34を押出成型によって形成したものであり、突起RとくぼみWの関係はプラグとソケットの関係になっている。
【0050】
図13~14では、突起Qと突起Rとは同じ形状になっており、くぼみVとくぼみWとは同じ形状になっている。つまり、天板31、底板32、左側板33、右側板34を同じ型を用いた押出成型によって形成することが可能である。このように、図1に例示するフィルタ枠10は、それぞれ異なる4個の隅部材と、同じ押出成型によって得られた天板31、底板32、左側板33、右側板34とから形成されている。ここで天板31、底板32、左側板33、右側板34は押出成型によるものであるので、寸法を自由に変更できる。したがって、4種類の隅部材、及び天板31、底板32、左側板33、右側板34に用いることができる1種類の部材、合計5種類の部材を用いて、フィルタ枠10(雄型フィルタ枠11、雌型フィルタ枠11’)の、空気流入口又は空気流出口の大きさを自由に選択することができる。
【0051】
なお、図13~14の例では、隅部材20の突起Q、Rが天板31、底板32、左側板33、右側板34のくぼみV、Wにプラグとソケットの関係で嵌合しているが、本発明ではこれとは逆に隅部材20にくぼみを設け、天板31、底板32、左側板33、右側板34に突起を設けて、ソケットとプラグの関係で嵌合させる形態も可能である。また、突起Q、Rの形状についてもくぼみV、Wに嵌合できる限り特に限定されることはない。
【0052】
また、図1図13~14では、例えば、突起Q、Rとレール状の凹部となっているくぼみV、Wの少なくとも1か所に接着剤を塗布してから、突起Q、RとくぼみV、Wとを嵌合させることによって、隅部材21~24と天板31、底板32、左側板33、右側板34を結合して、フィルタ枠10を形成することができる。
【0053】
本発明のフィルタ枠10、雄型フィルタ枠11を構成する雄型嵌合具14、雌型フィルタ枠11’を構成する雌型嵌合具14’は、樹脂を成型することにより形成することが好ましい。例えばフィルタ枠10を構成する隅部材20、20’は射出成型により形成することができる。この場合、樹脂の種類としては、例えばABS、塩化ビニル、アクリル、ポリプロピレンまたはタルク含有ポリプロピレンなどを使用することができるが、特にABSまたは塩化ビニルであることが好ましい。
【0054】
また、天板31、底板32、左側板33、右側板34は前述したように押出成型により形成することができる。この場合も、樹脂の種類としては、例えばABS、塩化ビニル、アクリル、ポリプロピレンおよびタルク含有ポリプロピレンなどを使用することができるが、特にABSまたは塩化ビニルであることが好ましい。
【0055】
このように本発明のフィルタ枠10、雄型嵌合具14、雌型嵌合具14’が樹脂製であると、重量が軽いという効果がある。そのためフィルタ枠10、雄型フィルタ枠11や雌型フィルタ枠11’の配置作業の効率や交換作業の効率が向上するという効果がある。またフィルタ枠10、雄型嵌合具14、雄型フィルタ枠11や雌型フィルタ枠11’を廃棄する場合は、有機質のフィルタエレメントとともに、分別処理せずに焼却処理して、サーマルリサイクルすることも可能である。またフィルタ枠10をさらに軽量化するため又はコスト低減のため、雄型フィルタ枠11及び雌型フィルタ枠11’の一部、例えば隅部材20の突起Q、Rに空洞や穴を設けることも可能である。
【0056】
本発明のフィルタ枠10の大きさは、空気の流入面または流出面の一辺の長さが150~1500mmであるのが好ましい。また、フィルタ枠10の奥行方向の長さは30~280mmであることが好ましく、45~160mmであることがより好ましい。汎用的には、空気の流入面または流出面の一辺の長さ305mm又は610mm、奥行方向の長さ65mm又は150mmを組み合わせて適用することができる。
【0057】
本発明の雄型フィルタ枠11及び雌型フィルタ枠11’をフィルタケーシングに取り付ける方法において、フィルタケーシングにフィルタケーシングの空気流入面から見て右側から雄型フィルタ枠11及び雌型フィルタ枠11’を入れる方式での一例を説明すると、まず初めに第1のフィルタエレメント12を第1の雄型フィルタ枠11の中に挿入する。
【0058】
次いで、第1の雄型フィルタ枠11をフィルタケーシングの中に、雄型フィルタ枠11の左側面(隅部材21、22と左側板33)から入れ、右から左へ横方向に滑らせながら押し込み、右側面34(隅部材23、24と右側板34)をフィルタケーシングに入れず残すようにする。
【0059】
次いで、第2のフィルタエレメント12を第1の雌型フィルタ枠11’の中に挿入する。その後第1の雌型フィルタ枠11’、第1の雄型フィルタ枠11の右側面(隅部材23、24)に有する雄型嵌合具14の凸部14Aを第1の雌型フィルタ枠11’の左側面33’(隅部材21’、22’)に有する雌型嵌合具14’の凹部14’Aの中へ滑らせる。このようにして雄型嵌合具の凸部14Aと雌型嵌合具の凹部14’Aとを嵌合することで、第1の雄型フィルタ枠11と第1の雌型フィルタ枠11’とを連結してフィルタ枠連結体13を形成する。ここで、第1の雌型フィルタ枠11’は、右側面に雄型嵌合具14を有し、左側面に雌型嵌合具14’を有することから、第2の雄型フィルタ枠11とみなすこととする。
【0060】
次いで、このフィルタ枠連結体13をフィルタケーシングの中に横方向に滑らせながら押し込み、第2の雄型フィルタ枠11の右側面(隅部材23、24と右側板34)をフィルタケーシングに入れず残すようにする。
【0061】
次いで、第3のフィルタエレメント12を第2の雌型フィルタ枠11’の中に挿入する。
【0062】
その後、前述のような作業を繰り返して、雄型フィルタ枠11と雌型フィルタ枠11’とを連結しながらフィルタケーシングに配置するようにする。このように本発明では、雄型フィルタ枠及び雌型フィルタ枠を連結しながら効率よくフィルタケーシングの中に配置することができる。なお、フィルタケーシング内部の大きさが小さく、雄型フィルタ枠11と雌型フィルタ枠11’を連結してフィルタケーシングに配置するとフィルタケーシングから雄型フィルタ枠11または雌型フィルタ枠11’がはみ出すおそれがある場合は、雄型嵌合具14、雌型嵌合具14’が差込まれていないフィルタ枠10をフィルタケーシング内部に、フィルタ枠同士を連結せずに配置することができる。また、フィルタ枠の一部の差込凹部のみに雄型嵌合具14、雌型嵌合具14’を差込み、フィルタ枠の一方の側面のみ連結し、もう一方の側面は連結しないこともできる。
【0063】
また、フィルタエレメントの交換のため雄型フィルタ枠11及び雌型フィルタ枠11’をフィルタケーシングから取外す場合は、まずフィルタケーシングの端に位置する第3の雌型フィルタ枠11’を左から右へ横方向に引き出すことで、複数個の雄型フィルタ枠11及び雌型フィルタ枠11’を連結した状態で横方向に移動させる。
【0064】
次いで、引出した第3の雌型フィルタ枠11’を移動させることで、引出した第3の雌型フィルタ枠11’と隣接する第3の雄型フィルタ枠11との連結を解除して、第3の雌型フィルタ枠11’を取外す。
【0065】
次いで、残った複数個の雄型フィルタ枠11及び雌型フィルタ枠11’を連結した状態で横方向に移動させる。ここで、フィルタケーシングの端に位置する第3の雄型フィルタ枠11を、右側面に雄型嵌合具14を有し、左側面に雌型嵌合具14’を有することから、第4の雌型フィルタ枠11’とみなすこととする。
【0066】
次いで、引出した第4の雌型フィルタ枠11’を移動させることで、引出した第4の雌型フィルタ枠11’と隣接する第4の雄型フィルタ枠11との連結を解除して、第4の雌型フィルタ枠11’を取外す。
【0067】
このような作業を繰り返しながら、連結されている雄型フィルタ枠11及び雌型フィルタ枠11’を順次取り外すようにして、全ての雄型フィルタ枠11と雌型フィルタ枠11’を取外す。このように本発明では、雄型フィルタ枠11と雌型フィルタ枠11’との連結を解除しながら効率よくフィルタケーシングから取り出すことがきる。
【0068】
雄型フィルタ枠11及び雌型フィルタ枠11’とフィルタケーシングとの間の密封方法としては、例えば雄型フィルタ枠11及び雌型フィルタ枠11’とフィルタケーシングのフレームとが接触する部分にパッキンを設けることが望ましい。この場合パッキンは雄型フィルタ枠11及び雌型フィルタ枠11’に設けることも、或いはフィルタケーシングに設けることも可能である。またこのようなパッキンを設ける場合は、仮に雄型フィルタ枠11と雌型フィルタ枠11’との間に多少の隙間が開いていても、雄型フィルタ枠11及び雌型フィルタ枠11’とフィルタケーシングとの間の密封が可能である。
【符号の説明】
【0069】
10 フィルタ枠
11 雄型フィルタ枠
11’ 雌型フィルタ枠
12 フィルタエレメント
13 フィルタ枠連結体
14 雄型嵌合具
14A 凸部
14B 差込部
14’ 雌型嵌合具
14’A 凹部(レール状の凹部)
14’B 差込部
20、20’ 隅部材
21、22、21’、22’ 左側面の隅部材
23、24、23’、24’ 右側面の隅部材
31 、31’ 天板
32 、32’ 底板
33 、33’ 左側板
34 、34’ 右側板
40、40’ 止め部
50、50’ 止め部
51、51’ 押え部材
M 差込凹部
Q 突起
R 突起
V くぼみ
W くぼみ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14