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特開2023-47828情報処理方法、情報処理装置及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047828
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20230330BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156966
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】500110267
【氏名又は名称】株式会社SBI新生銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 健裕
(72)【発明者】
【氏名】小林 直之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 展慶
(72)【発明者】
【氏名】矢田 優希
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB02
5L055BB42
(57)【要約】
【課題】銀行業務のオペレーションコストを低減できる情報処理方法、情報処理装置及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理方法は、複数の記入項目に情報が記載された書類のイメージデータを取得し、イメージデータの複数の記入項目に記載された各情報を、第1所定条件に基づいて、分散して入力するための複数の分散入力項目群に区分し、区分した各分散入力項目群を第1端末装置へ出力し、各分散入力項目群それぞれに所要の情報が入力された分散入力済みデータを第1端末装置から取得し、取得した分散入力済みデータに基づいて書類の書類データを生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記入項目に情報が記載された書類のイメージデータを取得し、
前記イメージデータの複数の記入項目に記載された各情報を、第1所定条件に基づいて、分散して入力するための複数の分散入力項目群に区分し、
区分した各分散入力項目群を第1端末装置へ出力し、
前記各分散入力項目群それぞれに所要の情報が入力された分散入力済みデータを前記第1端末装置から取得し、
取得した分散入力済みデータに基づいて前記書類の書類データを生成する、
情報処理方法。
【請求項2】
複数の記入項目に情報が記載された書類を取得し、
取得した書類をイメージデータに変換し、
変換したイメージデータを取得する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
複数の顧客取引チャネルを介して取得された書類から得られる各分散入力済みデータは、同一のデータ形式を含む、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
生成した書類データを第2端末装置へ出力し、
前記第2端末装置から、第2所定条件に基づいて層別された書類データを取得する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記書類データを自動化ツール部へ入力し、前記書類に基づく業務処理を実行する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記第2所定条件は、
前記書類に基づく業務処理が例外処理でないこと、又は前記書類データに不備事由がないことを含む、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記書類を識別する識別ID、前記イメージデータ、及び生成した書類データを対応付けて書類DBに記録する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
区分した各分散入力項目群を、分散入力項目群毎に異なる第1端末装置へ出力し、
前記異なる第1端末装置それぞれから分散入力項目群に所要の情報が入力された分散入力済みデータを取得する、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
複数の記入項目に情報が記載された書類のイメージデータを取得する第1取得部と、
前記第1取得部で取得したイメージデータの複数の記入項目に記載された各情報を、第1所定条件に基づいて、分散して入力するための複数の分散入力項目群に区分する区分部と、
前記区分部で区分した複数の分散入力項目群を第1端末装置へ出力する出力部と、
前記各分散入力項目群それぞれに所要の情報が入力された分散入力済みデータを前記第1端末装置から取得する第2取得部と、
取得した分散入力済みデータに基づいて前記書類の書類データを生成する生成部と
を備える、
情報処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理装置を備え、
前記生成部が生成した書類データを用いて、自動化ツール装置により前記書類に基づく業務処理が実行される、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
銀行の業務は、主として、顧客から資金を預かる預金業務、銀行口座を有する顧客の依頼に応じて振り込みや送金を行う為替業務、及び預金業務で預かった資金を企業の投資資金として、あるいは個人の住宅ローンなどで貸し付ける融資業務の3大業務に分けられる。これらの業務に対して、銀行のオペレータ(テラーとも称される)は、店頭の窓口、郵送、FAX、Web/アプリなどの様々な取引チャネル(媒体)を介して、顧客からの依頼書や申込書などの書類を取得し、所定の業務を遂行する。
【0003】
特許文献1には、顧客から提出された伝票の記載事項を確認するテラーと、テラーから回付された伝票に記載された情報をキーイン操作して端末装置に入力するオペレータとで業務を分担し、オペレータが伝票記載事項の照合を行って中央計算機への送信操作を行うことで中央計算機が当該伝票情報に基づく処理を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62-65186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、銀行業務に限らず企業の業務において、従来のような2段階のオペレーション体制の場合、業務の難易度などに応じてスキルレベルの異なるオペレータを配置することが理想であるが、2段階の業務を同一のオペレータが行う場合や、スキルレベルの高いオペレータが、難易度の低い業務を担当する場合があり、難易度やスキルレベルに応じてオペレータを適切に配置することが困難な場合がある。また、従来の2段階のオペレーション体制では、オペレータを分けて配置する必要があり、多数のオペレータを必要とするため、オペレーションコストが高くなるという問題もある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、企業の業務のオペレーションコストを低減できる情報処理方法、情報処理装置及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、情報処理方法は、複数の記入項目に情報が記載された書類のイメージデータを取得し、イメージデータの複数の記入項目に記載された各情報を、第1所定条件に基づいて、分散して入力するための複数の分散入力項目群に区分し、区分した各分散入力項目群を第1端末装置へ出力し、各分散入力項目群それぞれに所要の情報が入力された分散入力済みデータを第1端末装置から取得し、取得した分散入力済みデータに基づいて書類の書類データを生成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、企業の業務のオペレーションコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態の情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図3】書類の一例を示す図である。
図4】分散入力項目群への区分の第1例を示す図である。
図5】記入項目の切り出し方法の一例を示す図である。
図6】分散入力項目群への区分の第2例を示す図である。
図7】分散入力項目群の出力の一例を示す図である。
図8】分散入力画面の一例を示す図である。
図9】書類データの一例を示す図である。
図10】書類DBの構成の一例を示す図である。
図11】オペレーション層別画面の一例を示す図である。
図12】プロセスセクターにおける処理の一例を示す図である。
図13】情報処理システムの処理手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の情報処理システムの構成の一例を示す図である。情報処理システムは、情報処理装置50、書類DB70、及びRPA(Robotic Process Automation)32を備える。なお、情報処理システムは、端末装置21、22、23、端末装置31、端末装置41、又は業務システム33を備えてもよい。本実施の形態による、銀行業務を遂行するためのプロセスを表すモデルは、例えば、顧客取引チャネル、ドキュメントセクター、リモートエントリセクター(分散入力システム)、CRM(Customer Relationship Management)システム、プロセスセクター、及びコールセンターなどで構成してもよい。なお、図1に示すモデルは、一例であって、これに限定されるものではない。本明細書では、主に銀行業務を例に挙げて説明するが、本実施の形態は、銀行業務に限定されるものではなく、銀行以外の他の業種など、企業の種々の業務にも適用することができる。
【0011】
顧客取引チャネルは、顧客からの依頼書又は申込書など(本明細書では、纏めて「書類」とも称する)の受付媒体を表す。顧客取引チャネルは、店頭11、郵送12、FAX13、Web-In14、及びアプリ15を含む。顧客取引チャネルは、図1の例に限定されるものではなく、他の顧客取引チャネルを含めてもよい。顧客取引チャネルで受け付けた書類は、ドキュメントセクターの情報処理装置50へ入力される。
【0012】
ドキュメントセクターは、プロセスセクターとの協働による2段階オペレーションを実現する。ドキュメントセクターは、情報処理装置50を含む。情報処理装置50は、銀行業務のオペレーションの第1レベルのオペレーションを実行する。ドキュメントセクターでは、主として、書類をイメージデータに変換する処理(アナログデータからデジタルデータへの変換)、リモートエントリセクターから取得した分散入力済みデータに基づいて書類データを生成する処理、書類を識別するID(識別ID)とイメージデータと書類データとを対応付けて書類DB70へ記録する処理などが行われる。情報処理装置50の詳細は後述する。
【0013】
リモートエントリセクターは、第1オペレータが使用する端末装置21~23(第1端末装置)を含む。端末装置の数は一例であって、3台に限定されない。端末装置21~23は、例えば、パーソナルコンピュータ、又はタブレット端末などで構成することができる。情報処理装置50と端末装置21~23とは、通信回線等で接続され、リモートエントリセクターは、勤務地の制約がない場所(例えば、在宅、地方都市、海外など)に配置することができる。リモートエントリセクターでは、情報処理装置50から書類のイメージデータを取得し、書類の複数の記入項目に記載された、顧客が記入した各情報に基づいて、データの分散入力を行うことにより、分散入力済みデータを作成する。作成された分散入力済みデータは、情報処理装置50へ出力される。ここで、図1に示すような種々の顧客取引チャネルを介して取得された書類から得られる各分散入力済みデータは、全て同一のデータ形式(例えば、CSV:comma separated values)としてもよい。書類から得られる各分散入力済みデータとは、顧客取引チャネルの店頭11、郵送12、又はFAX13から取得した書類をイメージデータに変換し、変換したイメージデータから得られる分散入力済みデータ、及び顧客取引チャネルのWeb-In14、又はアプリ15から書類のイメージデータを取得し、取得したイメージデータから得られる分散入力済みデータの両方を含む。各分散入力済みデータを同一のデータ形式とすることにより、これ以降のプロセスを統合することができ、同一データ形式による統一された処理を行うことができ、業務処理を単純化し、大幅なコスト削減を実現できる。分散入力の方法は、例えば、1つの書類に対して、複数の記入項目に記載された各情報を、複数の分散入力項目群に区分し、区分した分散入力項目群を、それぞれ異なる第1オペレータが分散して入力することができる。なお、リモートエントリセクターの第1オペレータによる分散入力処理は、OCR(Optical Character Reader:光学文字認識)を用いて行ってもよい。この場合、第1オペレータは、OCRの認識結果を基にデータ入力の作業を行なえばよい。分散入力の詳細は後述する。
【0014】
プロセスセクターは、ドキュメントセクターとの協働による銀行業務のオペレーションの第2レベルのオペレーションを実行する。プロセスセクターは、第2オペレータが使用する端末装置31(第2端末装置)、RPA32(自動化ツール部、自動化ツール装置)、及び業務システム33を含む。端末装置31は、例えば、パーソナルコンピュータ、又はタブレット端末などで構成することができる。CRMシステムは、書類DB70に記録した書類データを端末装置31へ出力してもよい。また、端末装置31は、書類DB70を検索して、プロセスセクターにおいて処理が必要な書類データを取得してもよい。第2オペレータは、端末装置31を操作して、RPA32へ入力可能な書類データを層別し、層別した書類データをRPA32へ入力する。RPA32は、入力された書類データを用いて所定の入力データに加工し、加工した入力データを業務システム33に入力する。業務システム33は、入力データに基づいて所定の業務処理を実行することができる。
【0015】
コールセンターは、コールセンターオペレータが使用する端末装置41を含む。コールセンターオペレータは、端末装置41を操作して、書類DB70にアクセスすることができる。これにより、コールセンターオペレータは、顧客からの照会に迅速に対応できる。
【0016】
上述のように、リモートエントリセクターでは、第1オペレータ(レベル1オペレータ)が、ドキュメントセクターの情報処理装置50が変換したイメージデータに基づいて、複数の記入項目に記載された各情報を分散して入力して、分散入力済みデータを作成することに特化した処理を行うことができる。これにより、リモートエントリセクターでは、既存のデータ入力技術とスケールメリットを活かし、大幅なコスト削減を実現できる。
【0017】
プロセスセクターでは、第2オペレータ(レベル1オペレータよりもスキルが高く、経験が豊富なレベル2オペレータ)が、ドキュメントセクターの情報処理装置50が生成した書類データを層別して、RPA32で処理可能な書類データをRPA32に入力することにより、低コストのロボットによる業務処理の自動化を実現できる。第2オペレータは、業務処理の大部分をRPA32に任せることにより、スキルが必要な難度の高い業務や例外的な業務に対応する時間を確保することができる。
【0018】
ドキュメントセクターでは、情報処理装置50が、書類(アナログデータ)をイメージデータ(デジタルデータ)に変換するので、店頭11、郵送12、又はFAX13などのアナログ取引チャネルを、デジタルデータを用いて低コストで運用することが可能となる。このため、顧客にWeb-In14やアプリ15などのデジタル取引チャネルへの誘導を強いる必要がなく、顧客に対して、取引チャネルの選択肢を多数提供でき、顧客の満足度向上を図ることができる。また、あらゆる顧客取引チャネルの取引を同等の書類データとして処理することができるため、業務処理を単純化し、大幅なコスト削減を実現できる。また、ドキュメントセクターでは、情報処理装置50が、リモートエントリセクターとプロセスセクターとを連携する機能を果たすことで、第1オペレータと第2オペレータとを適切に配置することができ、銀行業務のオペレーションコストを低減できる。また、銀行業務のプロセスフローを統一することができるので、同業他社や他業種への展開も容易にできる。
【0019】
図2は情報処理装置50の構成の一例を示す図である。情報処理装置50は、装置全体を制御する制御部51、スキャナ部52、記憶部53、区分部54、書類データ生成部55、通信部56、及びインタフェース部57を備える。制御部51は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などで構成することができる。記憶部53は、半導体メモリ又はハードディスク等で構成することができ、情報処理装置50による処理結果、及び所要の情報を記憶することができる。
【0020】
通信部56は、所要の通信モジュール等で構成され、通信回線を介して端末装置21~23、端末装置31との間の通信機能を提供する。通信部56は、端末装置21~23、端末装置31との間で情報の送受信を行うことができる。また、通信部56は、顧客取引チャネルのWeb-In14、又はアプリ15から書類のイメージデータを受信(取得)することができる。
【0021】
インタフェース部57は、CRMシステム(書類DB70)との間のインタフェース機能を有する。具体的には、制御部51は、インタフェース部57を介して書類DBにアクセスすることができ、書類DBに対して、情報の読出し及び書込みを行うことができる。
【0022】
スキャナ部52は、取得部としての機能を有し、顧客取引チャネルの店頭11、郵送12、又はFAX13から、複数の記入項目に情報が記載された書類を取得することができる。書類は、顧客からの申込書又は依頼書などである。書類を識別するID(識別ID)は、書類が情報処理装置50に入力される場合に、スキャナ部52又は制御部51により自動で付与するようにしてもよく、あるいはオペレータが手動で割り当てるようにしてもよい。
【0023】
図3は書類の一例を示す図である。書類は、複数の記入項目に、顧客が記入した情報が記載された依頼書や申込書などである。書類名は、書類の種類を表し、例えば、口座振替、住所変更、登録内容変更(例えば、振込限度額、電話番号、利用口座の追加・削除)、口座開設、各種ローン(住宅ローン、教育ローン、リフォームローン、カードローンなど)などの申込書や依頼書であることが記載される。申込書や依頼書は、1頁のものもあれば、複数の頁で構成されるものもある。本明細書では、書類が1頁で構成されるものとして説明するが、書類は複数頁で構成されるものでもよい。
【0024】
図3は、複数の記入項目を模式的に表している。図3では、記入項目に符号A1~A6、B1~B5を付している。各記入項目は、矩形状の記入領域を有する。顧客は、この記入領域に必要事項を記入することができる。記入項目A1~A6は、それぞれ「姓」、「名」、「印」、「生年月日」、「住所」、「電話番号」を記入する箇所である。記入項目B1~B5は、それぞれ「住居」(例えば、戸建、借家などの住居の種別など)、「家族構成」(例えば、配偶者の有無、子供の有無など)、「健康保険の種類」、「業種・職種」、「雇用形態」(例えば、正社員、契約社員、自営業など)を記入する箇所である。なお、記入項目の内容や配置は、一例であって図3の例に限定されない。また、実際の申込書や依頼書の記入項目の内容や配置と異なる場合がある。
【0025】
書類の記入項目は、個人情報が特定される可能性があるものと、個人情報が特定されない、あるいは特定されにくいものとに分けることができる。図3の例では、記入項目A1、A2、A4~A6の少なくとも2つの情報が組み合わされると個人が特定される可能性がある。記入項目A3の「印」が苗字だけの場合、記入項目A1と同一として扱える。一方、記入項目B1~B5の各情報が組み合わされても個人が特定される可能性は低い。
【0026】
スキャナ部52は、書類の読取機構、スキャナ機構などを備え、書類を光学的に読み取って、書類をイメージデータに変換することができる。イメージデータは、書類のIDに紐付けされて変換される。これにより、IDによって書類とイメージデータとが対応付けされる。
【0027】
区分部54は、スキャナ部52で変換されたイメージデータ、又は通信部56を介して取得したイメージデータの複数の記入項目に記載された各情報を、第1所定条件に基づいて、分散して入力するための複数の分散入力項目群に区分することができる。分散入力項目群とは、一人の第1オペレータによる入力操作が許容されている、1又は複数の入力項目を纏めて称するものである。すなわち、分散入力項目群とは、一人の第1オペレータが入力することができる1又は複数の入力項目である。
【0028】
図4は分散入力項目群への区分の第1例を示す図である。図4の例では、書類のイメージデータから、分散入力項目群として、6個の群1~6に区分されている。群1は、イメージデータから、記入項目A1だけが切り出されている。群2は、イメージデータから、記入項目A2だけが切り出されている。群3は、イメージデータから、記入項目A4だけが切り出されている。群4は、イメージデータから、記入項目A5だけが切り出されている。群5は、イメージデータから、記入項目A6だけが切り出されている。群6は、イメージデータから、記入項目B1~B5が切り出されている。記入項目A3は「印」なので、データ入力する必要がなく、分散入力項目群に含まれていない。記入項目A3を切り出して、「可」または「不可」の印鑑照合結果をデータ入力することにしてもよい。各記入項目の切り出し方法は、例えば、以下のようにすることができる。
【0029】
図5は記入項目の切り出し方法の一例を示す図である。書類は、その種類に応じて、記入項目の数、大きさ、配置などが予め定められている。書類の種別毎に、図5に示す配置情報を記憶部53に記憶しておくことができる。図5の例では、記入項目A1、A2、A4~A6毎に、それぞれの記入項目の矩形領域の左上座標と右下座標とが対応付けられている。区分部54は、左上座標と右下座標とで決定される矩形領域を特定することにより、記入項目を切り出すことができる。記入項目A3については、0が付されている。ここで、0は切り出す必要がないことを示すが、他の符号を用いてもよい。記入項目B1~B5については、1つに纏めて切り出すことができるので、記入項目B1~B5を囲む矩形領域の矩形領域の左上座標と右下座標とが対応付けられている。なお、図5の例では、切り出す領域を特定するために、矩形領域の左上座標と右下座標とを用いているが、これに代えて、例えば、左上座標と矩形領域の縦横長さとを用いてもよい。
【0030】
区分部54は、前述の第1所定条件として、書類の複数の記入項目に情報を記入した顧客の個人情報が特定されないように、複数の分散入力項目群に区分することができる。図4の例では、群1は「姓」だけが切り出され、群2は「名」だけが切り出され、群3は「生年月日」だけが切り出され、群4は「住所」だけが切り出され、群5は「電話番号」だけが切り出されている。また、群6は「住居」、「家族構成」、「健康保険の種類」、「業種・職種」、及び「雇用形態」が切り出されている。このように、群1~6それぞれの分散入力項目群だけでは、顧客の個人情報が特定される可能性が低い。
【0031】
区分部54は、前述の第1所定条件として、各分散入力項目群に、前類の複数の記入項目に情報を記入した顧客の姓、名、生年月日、住所、及び電話番号の少なくとも2つが含まれないように、複数の分散入力項目群に区分することができる。なお、姓、名、生年月日、住所、及び電話番号以外に、顧客の口座番号、捺印又は署名などを含めてもよい。
【0032】
上述のように、複数の分散入力項目群に区分することによって、顧客の個人情報の漏洩を未然に防止することができる。また、一人の第1オペレータは、自分に割り当てられた分散入力項目群だけの情報を入力すればよいので、書類の複数の記入項目の情報を一人で入力する場合に比べて、入力作業を単純化できる。特に、多数の顧客からの多数の書類を扱う場合、作業労力を軽減することができ、同程度の作業をする場合に、少ないオペレータで遂行することが可能となる。
【0033】
上述の例では、群1~群6のように区分したが、区分方法は一例であって、図4の区分に限定されるものではない。例えば、個人情報が特定される可能性は若干増えるが、記入項目A1とA6を1つの群として区分し、記入項目A2、A4、及びA5を1つの群として区分してもよい。また、書類の記入項目の数が少ない場合には、複数の分散入力項目群に区分しなくてもよい。
【0034】
図6は分散入力項目群への区分の第2例を示す図である。図4に示す第1例では、書類のイメージデータから記入項目に対応する矩形領域を切り出す構成であったが、図6に示すように、書類のイメージデータに対して、所要の記入項目に対応する矩形領域以外の領域をマスキングする構成としてもよい。群1は記入項目A1以外の領域がマスキングされ、群2は記入項目A2以外の領域がマスキングされ、群3は記入項目A4以外の領域がマスキングされ、群4は記入項目A5以外の領域がマスキングされ、群5は記入項目A6以外の領域がマスキングされ、群6は記入項目B1~B5以外の領域がマスキングされている。マスキングは、図5に示す座標を用いることができる。
【0035】
図7は分散入力項目群の出力の一例を示す図である。図7に示すように、情報処理装置50は、区分した分散入力項目群(具体的には、群1~6に対応する記入項目A1、A2、A4、A5、A6、及びB1~B5)を、それぞれ端末装置21~26へ出力する。端末装置21~26は、例えば、パーソナルコンピュータ又はタブレット端末などであり、第1オペレータが使用する。
【0036】
区分部54は、イメージデータから、区分した複数の分散入力項目群それぞれに対応する部分イメージデータを切り出す。制御部51は、切り出した各部分イメージデータを端末装置21~26へ出力することができる。また、制御部51は、区分した各分散入力項目群を、分散入力項目群毎に異なる端末装置21~26へ出力することができる。
【0037】
上述のように、制御部51は、出力部としての機能を有し、通信部56を介して、区分部54で区分した各分散入力項目群を端末装置21~26へ出力することができる。各第1オペレータは、自分に割り当てられた記入項目の情報しか入力しないので、顧客情報(個人情報など)の漏洩のリスクを抑えることができる。端末装置21~26の数は、区分した分散入力項目群の数に応じて決定すればよい。例えば、分散入力項目群の数が1であれば、1台の端末装置21だけでよい。また、分散入力項目群の数が2であれば、2台の端末装置21、22だけでよい。
【0038】
上述のように、本実施の形態では、第1オペレータの作業の前段で、情報処理装置50が、イメージデータの複数の記入項目に記載された各情報を、複数の分散入力項目群に区分するので、第1オペレータの入力作業を単純化することができ、銀行業務のオペレーションコストを低減できる。
【0039】
次に、第1オペレータによる分散入力について説明する。
【0040】
図8は分散入力画面の一例を示す図である。図8では、書類の複数の記入項目のうち、記入項目A5に対応する「住所」を入力する場合について説明する。分散入力画面の左側には、複数の書類について、書類のID、項目(A5)、及び各書類のイメージデータから切り出された「住所」の一覧が表示される。第1オペレータは、ID毎の住所を参照することができる。分散入力画面の右側には、住所の入力欄が表示されている。第1オペレータは、ID毎に、表示された住所を、記載どおりに入力欄に入力する作業を行う。「不備事由登録」アイコンは、第1オペレータが、住所等に何らかの不備(例えば、記載漏れ、誤記、重複申請など)が発見された場合、その事由を記録すべく入力することができる。「プレビュー」アイコンは、入力操作の結果を表示させて、入力に誤りがないことを確認できる。「送信」アイコンを操作することにより、端末装置25は、所要の情報(図8の例では「住所」)が入力された分散入力済みデータ(図8の例では「住所」)を情報処理装置50へ送信できる。
【0041】
図8の例では、「住所」だけを入力する場合について説明したが、他の記入項目A1(「姓」)、A2(「名」)、A4(「生年月日」)、A6(「電話番号」)、及びB1~B5についても同様である。また、図8では、「住所」だけを入力する構成であるが、これに限定されるものではなく、例えば、「住所」に加えて、「名」及び「生年月日」などの記入項目も同時に入力するようにしてもよい。
【0042】
図8の例では、分散入力を第1オペレータが手作業で行う構成であるが、これに限定されるものではなく、例えば、オペレータは、OCRなどのツールを用いて、入力作業を省力化してもよい。この場合、情報処理装置50は、複数の記入項目に情報が記載された書類のイメージデータを取得し、イメージデータの複数の記入項目に記載された各情報を、第1所定条件に基づいて、分散して入力するための複数の分散入力項目群に区分し、区分した各分散入力項目群の内容をOCRに読み取らせ、読み取り結果を分散入力画面に前もって表示しておくことで、オペレータの作業を省力化することができる。オペレータは、OCRの読み取り結果が誤っている場合は、前もって表示された内容を修正することができる。
【0043】
書類データ生成部55は、各分散入力項目群それぞれに所要の情報が入力された分散入力済みデータを端末装置21~26の少なくとも1つから取得し、取得した分散入力済みデータに基づいて書類データを生成することができる。以下、書類データについて説明する。
【0044】
図7を参照して、情報処理装置50は、端末装置21から、記入項目A1の情報が入力された分散入力済みデータを取得する。情報処理装置50は、端末装置22から、記入項目A2の情報が入力された分散入力済みデータを取得する。情報処理装置50は、端末装置23から、記入項目A4の情報が入力された分散入力済みデータを取得する。情報処理装置50は、端末装置24から、記入項目A5の情報が入力された分散入力済みデータを取得する。情報処理装置50は、端末装置25から、記入項目A6の情報が入力された分散入力済みデータを取得する。情報処理装置50は、端末装置26から、記入項目B1~B5の情報が入力された分散入力済みデータを取得する。
【0045】
このように、情報処理装置50は、異なる端末装置21~26それぞれから分散入力項目群に所要の情報が入力された分散入力済みデータを取得することができる。
【0046】
図9は書類データの一例を示す図である。書類データは、ID毎に、書類名、各記入項目A1、A2、A4~A6、B1~B5それぞれの分散入力済みデータで構成される。また、各記入項目に記載された情報などに不備事由がある場合、書類データには、不備事由を含めてもよい。不備事由は、記入項目を識別する項目符号(A1、A2、A4~A6、B1~B5など)、不備事由を識別する不備事由符号(例えば、E1:記載漏れ、E2:誤記、E3:重複申請など)、第1オペレータのよるコメントなどで表すことができる。
【0047】
制御部51は、インタフェース部57を介して、ID(書類を識別する識別ID)、イメージデータ、及び生成した書類データを対応付けて書類DB70に記録することができる。
【0048】
図10は書類DB70の構成の一例を示す図である。書類DB70は、書類名、書類ID(単に「ID」でもよい)、イメージデータ、及び書類データの各情報で構成されている。書類IDによって、書類(原本、紙媒体)、イメージデータ、及び書類データが対応付けられる。書類データには、不備事由を含めてもよい。なお、書類の原本には、書類IDを含む二次元バーコードが印刷されたラベルを貼付し、書類の原本はクリアホルダ等にファイリングして管理することができる。図10の例では、書類名が口座振替依頼書の場合、書類ID:000100に対して、イメージデータ:B000100、及び書類データ:C000100が対応付けられ、書類ID:000120に対して、イメージデータ:B000120、及び書類データ:C000120が対応付けられている。他の書類IDについても同様である。また、書類名が住宅ローン申込書の場合、書類ID:100220に対して、イメージデータ:B100220、及び書類データ:C100220が対応付けられ、書類ID:100501に対して、イメージデータ:B100501、及び書類データ:C100501が対応付けられている。他の書類IDについても同様である。また、他の書類名について同様である。
【0049】
次に、第2オペレータが関わる処理について説明する。
【0050】
情報処理装置50は、書類データを生成した場合、あるいは、ID、イメージデータ、及び生成した書類データを対応付けて書類DB70に記録した場合、その旨を第2オペレータが使用する端末装置31へ通知することができる。第2オペレータは、端末装置31を用いて、情報処理装置50から直接、書類データを取得してもよく、あるいは書類DB70にアクセスして書類データを取得してもよい。情報処理装置50は、生成した書類データを端末装置31(第2端末装置)へ出力してもよい。
【0051】
図11はオペレーション層別画面の一例を示す図である。オペレーション層別とは、プロセスセクターにおいて、情報処理装置50が生成した書類データを用いて各業務プロセス処理を行う場合に、書類データをRPA32に流してオペレーションを自動処理するか、第2オペレータによってオペレーションを手動処理するかを層別することを意味する。図11に示すように、オペレーション層別画面では、ID、書類名、記入項目毎の分散入力済みデータ、及び不備事由を含む書類データが表示される。なお、第2オペレータは、「次」アイコン、又は「前」アイコンを操作することによって、複数の書類データを順次表示させることができる。「反社該当確認」アイコンを操作することによって、反社該当有無のチェックを行うための参考情報などを表示してもよい。
【0052】
イメージ検索画面にIDを入力(又は選択)することによって、当該IDに対応付けられたイメージデータを表示させることもできる。第2オペレータは、必要に応じて、書類データだけでなく、対応するイメージデータも同時に表示させることができる。これにより、両方のデータを使って、作業性を向上させることができる。「RPA処理」アイコンを操作することにより、書類データは、RPA32へ出力される。書類データのRPA32への出力は、逐一行うリアルタイム処理でもよく、所定数の書類データが蓄積された後に出力するようなバッチ処理でもよい。「保留」アイコンを操作することにより、書類データは、RPA32へ出力されることなく、第2オペレータによる手動処理に送られる。
【0053】
端末装置31が表示するオペレーション層別画面は、図11の例に限定されるものではなく、他の表示形式、表示態様であってもよい。
【0054】
上述のように、端末装置31は、第2所定条件に基づいて層別された書類データをRPA32へ出力することができる。第2所定条件は、例えば、書類データに不備事由がないこと、書類に基づく業務処理が例外処理でないこと、書類データに反社該当がないこと等を含む。
【0055】
図12はプロセスセクターにおける処理の一例を示す図である。図12に示すように、RPA(自動化ツール部)32は、端末装置31から書類データを取得する。RPA32は、いわゆる人間が行う業務を処理するロボットであり、処理に応じて1又は複数のロボットで構成することができる。RPA32は、人間が行う定型的な処理を自動化することができる。図12の例では、RPA32は、取得した書類データに基づいて、業務システム33に入力するための入力データを生成し、生成した入力データを業務システム33に入力する。業務システム33は、例えば、勘定系システムであり、それぞれの書類名に対応する業務処理を実行することができる。
【0056】
上述の例では、第2オペレータが、端末装置31を用いて、オペレーション層別を行う構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、第2オペレータに代えて、RPAなどの自動化ツール(業務システム)を用いて、オペレーション層別を自動入力してもよい。この場合、情報処理方法は、情報処理装置50が、複数の記入項目に情報が記載された書類のイメージデータを取得し、イメージデータの複数の記入項目に記載された各情報を、第1所定条件に基づいて、分散して入力するための複数の分散入力項目群に区分し、区分した各分散入力項目群を第1端末装置へ出力する。情報処理装置50は、各分散入力項目群それぞれに所要の情報が入力された分散入力済みデータを第1端末装置から取得し、取得した分散入力済みデータに基づいて書類データを生成する。第1自動化ツール部(第1RPA)は、情報処理装置50から書類データ(書類DB70に記録した書類データも含む)を取得し、取得した書類データから第2自動化ツール部へ出力可能な書類データを層別し、層別した書類データを第2自動化ツール部へ出力する。第2自動化ツール部は、第1自動化ツール部から入力された書類データに基づいて、書類に基づく業務処理を実行する。
【0057】
図13は情報処理システムの処理手順を示す図である。情報処理装置50は、店頭11、郵送12、FAX13などの顧客取引チャネルを通じて、書類を取得し(S1)、書類を識別する書類IDを付与する(S2)。書類は、例えば、図3に例示したものである。情報処理装置50は、取得した書類をイメージデータに変換する(S3)。なお、顧客取引チャネルがWeb-In14又はアプリ15の場合には、書類(原本)に代えて、イメージデータを直接取得できるので、ステップS1、S3の処理は不要である。なお、FAX13等で書類に加えて送り状が付いている場合には、ドキュメントセンターのオペレータが、送り状は削除すればよい。また、郵送12やFAX13を通じて取得する書類が複数の頁で構成される場合には、オペレータが、頁の順番を確認し、必要に応じて頁順に揃えることができる。
【0058】
情報処理装置50は、イメージデータの複数の記入項目に記載された各情報を、第1所定条件に基づいて、分散入力項目群に区分する(S4)。分散入力項目群は、例えば、図4に例示したものである。情報処理装置50は、分散入力項目群を端末装置21~23(端末装置21~26でもよい)へ送信する(S5)。端末装置21~23では、リモートエントリセクターの第1オペレータによって分散入力が行われる(S6)。分散入力は、図8に例示した画面を用いることができる。
【0059】
情報処理装置50は、端末装置21~23から分散入力済みデータを取得し(S7)、取得した分散入力済みデータに基づいて書類データを生成する(S8)。書類データは、図9に例示したものである。情報処理装置50は、書類ID、イメージデータ、及び書類データを対応付けて書類DB70に記録する(S9)。書類DB70は、図10に例示したものである。CRMシステムは、書類DB70を更新する(S10)。
【0060】
端末装置31は、CRMシステム(書類DB70)から書類データを取得し(S11)、第2オペレータによるオペレーション層別を行う(S12)。オペレーション層別は、図11に例示した画面を用いることができる。端末装置31は、層別した書類データをRPA32へ入力する(S13)。RPA32は、業務システム33と連携して業務処理を実行し(S14)、処理を終了する。
【0061】
上述のように、本実施の形態によれば、リモートエントリセクターの第1オペレータ(レベル1オペレータ)が、情報処理装置50が変換したイメージデータに基づいて、複数の記入項目に記載された各情報を分散して入力して、分散入力済みデータを作成することにより、入力作業を単純化できるので、既存のデータ入力技術とスケールメリットを活かし、大幅なコスト削減を実現できる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、プロセスセクターの第2オペレータ(レベル2オペレータ)が、情報処理装置50が生成した書類データを層別して、RPA32で処理可能な書類データをRPA32に入力することにより、低コストのロボットによる業務処理の自動化を実現できる。第2オペレータは、業務処理の大部分をRPA32に任せることにより、難度の高い業務や例外的な業務に対応する時間を確保することができる。また、第2オペレータが従来行っていた業務を自動化できるので、第2オペレータの数を低減できる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、情報処理装置50が、リモートエントリセクターとプロセスセクターとを連携する機能を果たすことで、第1オペレータと第2オペレータとを適切に配置することができ、銀行業務のオペレーションコストを低減できる。また、銀行業務のプロセスフローを統一することができるので、同業他社や他業種への展開も容易にできる。
【0064】
本実施の形態において、ドキュメントセクターのオペレータは、書類の受領、保管やファイリング、書類の可読判断、不備書類の顧客への返却などの作業を行ってもよい。
【0065】
本実施の形態において、書類の可読判定を情報処理装置50や他の装置で行うようにしてもよい。また、予め申込書や依頼書に書類名に固有の二次元バーコードを印刷しておき、書類をイメージデータに変換する際に二次元バーコードも読み取り、分散入力に必要な書類だけを特定して、頁順に組み替えることもできる。
【0066】
本実施の形態において、書類の複数の記入項目の複雑さや難易度に応じて、一人の第1オペレータが1つの分散入力項目群の入力を行うか、2人の第1オペレータが1つの分散入力項目群の入力を行うかを選択できるようにしてもよい。この場合、2人の第1オペレータの入力データが正しい場合に、分散入力済みデータを情報処理装置50へ送信するようにしてもよい。これにより、分散入力のエラーを防止することができる。
【0067】
本実施の形態の情報処理方法は、複数の記入項目に情報が記載された書類のイメージデータを取得し、前記イメージデータの複数の記入項目に記載された各情報を、第1所定条件に基づいて、分散して入力するための複数の分散入力項目群に区分し、区分した各分散入力項目群を第1端末装置へ出力し、前記各分散入力項目群それぞれに所要の情報が入力された分散入力済みデータを前記第1端末装置から取得し、取得した分散入力済みデータに基づいて前記書類の書類データを生成する。
【0068】
本実施の形態の情報処理方法は、複数の記入項目に情報が記載された書類を取得し、取得した書類をイメージデータに変換し、変換したイメージデータを取得する。
【0069】
本実施の形態の情報処理方法において、複数の顧客取引チャネルを介して取得された書類から得られる各分散入力済みデータは、同一のデータ形式を含む。
【0070】
本実施の形態の情報処理方法は、生成した書類データを第2端末装置へ出力し、前記第2端末装置から、第2所定条件に基づいて層別された書類データを取得する。
【0071】
本実施の形態の情報処理方法は、前記書類データを自動化ツール部へ入力し、前記書類に基づく業務処理を実行する。
【0072】
本実施の形態の情報処理方法は、前記第2所定条件は、前記書類に基づく業務処理が例外処理でないこと、又は前記書類データに不備事由がないことを含む。
【0073】
本実施の形態の情報処理方法は、前記書類を識別する識別ID、前記イメージデータ、及び生成した書類データを対応付けて書類DBに記録する。
【0074】
本実施の形態の情報処理方法は、変換したイメージデータから、区分した複数の分散入力項目群それぞれに対応する部分イメージデータを切り出し、切り出した各部分イメージデータを前記第1端末装置へ出力する。
【0075】
本実施の形態の情報処理方法は、区分した各分散入力項目群を、分散入力項目群毎に異なる第1端末装置へ出力し、前記異なる第1端末装置それぞれから分散入力項目群に所要の情報が入力された分散入力済みデータを取得する。
【0076】
本実施の形態の情報処理方法は、前記第1所定条件は、前記書類の複数の記入項目に情報を記入した顧客の個人情報が特定されないことである。
【0077】
本実施の形態の情報処理方法は、前記第1所定条件は、各分散入力項目群に、前記書類の複数の記入項目に情報を記入した顧客の姓、名、住所、電話番号、生年月日、口座番号、及び、署名または捺印の少なくとも2つが含まれないことである。
【0078】
本実施の形態の情報処理装置は、複数の記入項目に情報が記載された書類のイメージデータを取得する第1取得部と、前記第1取得部で取得したイメージデータの複数の記入項目に記載された各情報を、第1所定条件に基づいて、分散して入力するための複数の分散入力項目群に区分する区分部と、前記区分部で区分した複数の分散入力項目群を第1端末装置へ出力する出力部と、前記各分散入力項目群それぞれに所要の情報が入力された分散入力済みデータを前記第1端末装置から取得する第2取得部と、取得した分散入力済みデータに基づいて前記書類の書類データを生成する生成部とを備える。
【0079】
本実施の形態の情報処理システムは、前述の情報処理装置を備え、前記生成部が生成した書類データを用いて、自動化ツール装置により前記書類に基づく業務処理が実行される。
【0080】
本実施の形態は、銀行業務に限定されるものではなく、例えば、銀行業務以外の他業種の業務や、企業の種々の業務にも適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
11 店頭
12 郵送
13 FAX
14 Web-In
15 アプリ
21、22、23、24、25、26 端末装置
31 端末装置
32 RPA
33 業務システム
41 端末装置
50 情報処理装置
51 制御部
52 スキャナ部
53 記憶部
54 区分部
55 書類データ生成部
56 通信部
57 インタフェース部
70 書類DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13