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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047886
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】ラインセンサカメラの角度調整装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20230330BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20230330BHJP
【FI】
G01N21/84 Z
G02B7/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157057
(22)【出願日】2021-09-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】592180823
【氏名又は名称】株式会社メック
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【弁理士】
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】眞子 正徳
(72)【発明者】
【氏名】阿部 翔大
【テーマコード(参考)】
2G051
2H044
【Fターム(参考)】
2G051AA32
2G051AA41
2G051AB02
2G051CA03
2G051CA07
2G051CB01
2G051CB02
2G051CD01
2G051CD02
2G051DA06
2H044AC03
(57)【要約】
【課題】角度調整装置において、ラインセンサカメラの角度を遠隔で容易に調整でき、かつ、電気系統に不具合が生じても当該角度を調整できるようにする。
【解決手段】角度調整装置10は、基準プレート11と、第1軸線O1を中心にして回転するあおり調整用プレート20と、あおり調整用プレートを回転させるあおり調整機構21と、第1軸線に直交する第2軸線O2を中心にして回転する回転調整用プレート30と、回転調整用プレートを回転させる回転調整機構31と、を備え、あおり調整用プレートがラインセンサカメラ2に固定されるとともに回転調整用プレートに対して回転可能に支持され、回転調整用プレートが基準プレートに対して回転可能に支持され、あおり調整機構及び回転調整機構は、各々のプレートの回転を手動で操作する操作部40B、40A、及び、各々のプレートの回転を電動で駆動する電動部50B、50A、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインセンサを備えるラインセンサカメラの角度調整装置であって、
基準プレートと、
前記ラインセンサの素子面に沿う前記ラインセンサの走査方向に平行する第1軸線を中心にして回転するあおり調整用プレートと、
該あおり調整用プレートを回転させてあおり角度を調整するためのあおり調整機構と、
ラインセンサの素子面の法線方向に平行する第2軸線を中心にして回転する回転調整用プレートと、
該回転調整用プレートを回転させて回転角度を調整するための回転調整機構と、
を備え、
前記あおり調整用プレートと前記回転調整用プレートのいずれか一方のプレートが、前記ラインセンサカメラに固定されるとともに、他方のプレートに対して回転可能に支持され、
前記他方のプレートが、前記基準プレートに対して回転可能に支持され、
前記あおり調整機構及び前記回転調整機構のうち少なくとも一方の調整機構は、前記あおり調整用プレート及び前記回転調整用プレートのうち第1プレートの回転を手動で操作する操作部、及び、前記第1プレートの回転を電動で駆動する電動部、を有するラインセンサカメラの角度調整装置。
【請求項2】
前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、
前記あおり調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記回転調整用プレートのいずれか一方であって、前記あおり調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、
前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記別のプレートに対してその厚さ方向に直線的に移動可能とされた昇降ピンと、前記モータの回転運動を前記昇降ピンの直線運動に変換する運動変換部と、を備え、
前記あおり調整機構の前記操作部は、前記あおり調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記あおり調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、
前記ねじ軸は、前記あおり調整用プレートの下方に貫通し、前記昇降ピンの上端に当接する請求項1に記載のラインセンサカメラの角度調整装置。
【請求項3】
前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、
前記回転調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記あおり調整用プレートのいずれか一方であって、前記回転調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、
前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記別のプレートに対してその厚さ方向に直線的に移動可能とされた昇降ピンと、前記モータの回転運動を前記昇降ピンの直線運動に変換する運動変換部と、を備え、
前記回転調整機構の前記操作部は、前記回転調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記回転調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、
前記ねじ軸は、前記回転調整用プレートの下方に貫通し、前記昇降ピンの上端に当接する請求項1又は請求項2に記載のラインセンサカメラの角度調整装置。
【請求項4】
前記運動変換部は、
前記モータの回転に応じて前記別のプレートの上面に沿う方向を第1回転軸線として回転する第1ギヤと、
外周が前記第1ギヤに噛み合うことで前記第1ギヤの回転に応じて前記昇降ピンの直線的な移動方向に平行する第2回転軸線として回転する円環状に形成された第2ギヤと、
前記第2ギヤの回転を前記第2ギヤの内側に配置された前記昇降ピンの直線的な移動に変換する変換機構と、を備える請求項2又は請求項3に記載のラインセンサカメラの角度調整装置。
【請求項5】
前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、
前記あおり調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記回転調整用プレートのいずれか一方であって、前記あおり調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、
前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記モータの回転に応じて前記別のプレートの上面に沿う方向を第1回転軸線として回転する第1ギヤと、外周が前記第1ギヤに噛み合うことで前記第1ギヤの回転に応じて前記別のプレートの厚さ方向に平行する第2回転軸線として回転する円環状に形成された第2ギヤと、を備え、
上方に向く前記第2ギヤの端面が、前記第2回転軸線に対して傾斜する平坦面に形成され、
前記あおり調整機構の前記操作部は、前記あおり調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記あおり調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、
前記ねじ軸は、前記あおり調整用プレートの下方に貫通し、前記第2回転軸線から離れた位置において前記第2ギヤの端面に当接する請求項1に記載のラインセンサカメラの角度調整装置。
【請求項6】
前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、
前記回転調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記あおり調整用プレートのいずれか一方であって、前記回転調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、
前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記モータの回転に応じて前記別のプレートの上面に沿う方向を第1回転軸線として回転する第1ギヤと、外周が前記第1ギヤに噛み合うことで前記第1ギヤの回転に応じて前記別のプレートの厚さ方向に平行する第2回転軸線として回転する円環状に形成された第2ギヤと、を備え、
上方に向く前記第2ギヤの端面が、前記第2回転軸線に対して傾斜する平坦面に形成され、
前記回転調整機構の前記操作部は、前記回転調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記回転調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、
前記ねじ軸は、前記回転調整用プレートの下方に貫通し、前記第2回転軸線から離れた位置において前記第2ギヤの端面に当接する請求項1に記載のラインセンサカメラの角度調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインセンサカメラの角度調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連続シート状の検査対象物に照明装置からの光を照射し、その反射光あるいは透過光を受光器で撮像し、その画像信号を適当な画像処理装置で処理し、欠陥情報を抽出する欠陥検査装置を用いて検査対象物の欠陥検査が行われている。このような欠陥検査装置では、受光器として複数のラインセンサカメラを同一方向に配列した構成が用いられている。
【0003】
特許文献1,2には、検査対象物に対するラインセンサカメラの取付け向き(角度)を調整するラインセンサカメラの角度調整装置が開示されている。特許文献1の角度調整装置では、ラインセンサカメラのあおり角度と回転角度を手指で操作されるマイクロメータヘッド(すなわち手動)のみにより調整する。特許文献2の角度調整装置では、あおり角度と回転角度を電気で駆動するアクチュエータ(すなわち電動)のみにより調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-107903号公報
【特許文献2】特開2018-185172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
手動のみによりラインセンサカメラの角度を調整する特許文献1の角度調整装置では、ラインセンサカメラが手指の届き難い場所(例えば高所)に設置される場合に、ラインセンサカメラの角度調整を簡単に行うことができない、という問題がある。例えば、ラインセンサカメラの角度調整の際には、ラインセンサカメラの設置個所に至る足場を組む等の付帯工事が必要となり、面倒である。
一方、電動のみによりラインセンサカメラの角度を調整する特許文献2の角度調整装置では、アクチュエータが故障したり電源が喪失するなどして電気系統に不具合が生じると、ラインセンサカメラの角度を調整できなくなる、という問題がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ラインセンサカメラの角度を遠隔で容易に調整でき、かつ、電気系統に不具合が生じてもラインセンサカメラの角度を調整できるラインセンサカメラの角度調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るラインセンサカメラの角度調整装置は、ラインセンサを備えるラインセンサカメラの角度調整装置であって、基準プレートと、前記ラインセンサの素子面に沿う前記ラインセンサの走査方向に平行する第1軸線を中心にして回転するあおり調整用プレートと、該あおり調整用プレートを回転させてあおり角度を調整するためのあおり調整機構と、ラインセンサの素子面の法線方向に平行する第2軸線を中心にして回転する回転調整用プレートと、該回転調整用プレートを回転させて回転角度を調整するための回転調整機構と、を備え、前記あおり調整用プレートと前記回転調整用プレートのいずれか一方のプレートが、前記ラインセンサカメラに固定されるとともに、他方のプレートに対して回転可能に支持され、前記他方のプレートが、前記基準プレートに対して回転可能に支持され、前記あおり調整機構及び前記回転調整機構のうち少なくとも一方の調整機構は、前記あおり調整用プレート及び前記回転調整用プレートのうち第1プレートの回転を手動で操作する操作部、及び、前記第1プレートの回転を電動で駆動する電動部、を有することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、同一の第1プレート(あおり調整用プレート、回転調整用プレート)を手動及び電動の両方で回転させることができる。このため、電動部により第1プレートを回転させることで、ラインセンサカメラから離れた位置においてその角度(あおり角度、回転角度)を調整することが可能となる。すなわち、ラインセンサカメラの角度を遠隔で容易に調整することができる。また、電動部や当該電動部に電力を供給する電源などの電気系統に不具合が生じても、操作部を手動で操作することで、ラインセンサカメラの角度を調整することができる。
【0009】
上記本発明のラインセンサカメラの角度調整装置において、前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、前記あおり調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記回転調整用プレートのいずれか一方であって、前記あおり調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記別のプレートに対してその厚さ方向に直線的に移動可能とされた昇降ピンと、前記モータの回転運動を前記昇降ピンの直線運動に変換する運動変換部と、を備え、前記あおり調整機構の前記操作部は、前記あおり調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記あおり調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、前記ねじ軸は、前記あおり調整用プレートの下方に貫通し、前記昇降ピンの上端に当接してよい。
【0010】
また、上記本発明のラインセンサカメラの角度調整装置において、前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、前記あおり調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記回転調整用プレートのいずれか一方であって、前記あおり調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記モータの回転に応じて前記別のプレートの上面に沿う方向を第1回転軸線として回転する第1ギヤと、外周が前記第1ギヤに噛み合うことで前記第1ギヤの回転に応じて前記別のプレートの厚さ方向に平行する第2回転軸線として回転する円環状に形成された第2ギヤと、を備え、上方に向く前記第2ギヤの端面が、前記第2回転軸線に対して傾斜する平坦面に形成され、前記あおり調整機構の前記操作部は、前記あおり調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記あおり調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、前記ねじ軸は、前記あおり調整用プレートの下方に貫通し、前記第2回転軸線から離れた位置において前記第2ギヤの端面に当接してよい。
【0011】
これらの構成では、操作部により手動であおり角度を調整した後の状態を基準として、電動部によってあおり角度をさらに調整することができる。同様に、電動部によってあおり角度を調整した後の状態を基準として、操作部によってあおり角度をさらに調整することもできる。
【0012】
また、上記本発明のラインセンサカメラの角度調整装置において、前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、前記回転調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記あおり調整用プレートのいずれか一方であって、前記回転調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記別のプレートに対してその厚さ方向に直線的に移動可能とされた昇降ピンと、前記モータの回転運動を前記昇降ピンの直線運動に変換する運動変換部と、を備え、前記回転調整機構の前記操作部は、前記回転調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記回転調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、前記ねじ軸は、前記回転調整用プレートの下方に貫通し、前記昇降ピンの上端に当接してよい。
【0013】
また、上記本発明のラインセンサカメラの角度調整装置において、前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、前記回転調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記あおり調整用プレートのいずれか一方であって、前記回転調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記モータの回転に応じて前記別のプレートの上面に沿う方向を第1回転軸線として回転する第1ギヤと、外周が前記第1ギヤに噛み合うことで前記第1ギヤの回転に応じて前記別のプレートの厚さ方向に平行する第2回転軸線として回転する円環状に形成された第2ギヤと、を備え、上方に向く前記第2ギヤの端面が、前記第2回転軸線に対して傾斜する平坦面に形成され、前記回転調整機構の前記操作部は、前記回転調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記回転調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、前記ねじ軸は、前記回転調整用プレートの下方に貫通し、前記第2回転軸線から離れた位置において前記第2ギヤの端面に当接してよい。
【0014】
これらの構成では、操作部により手動で回転角度を調整した後の状態を基準として、電動部によって回転角度をさらに調整することができる。同様に、電動部によって回転角度を調整した後の状態を基準として、操作部によって回転角度をさらに調整することができる。
【0015】
また、上記本発明のラインセンサカメラの角度調整装置において、前記運動変換部は、前記モータの回転に応じて前記別のプレートの上面に沿う方向を第1回転軸線として回転する第1ギヤと、外周が前記第1ギヤに噛み合うことで前記第1ギヤの回転に応じて前記昇降ピンの直線的な移動方向に平行する第2回転軸線として回転する円環状に形成された第2ギヤと、前記第2ギヤの回転を前記第2ギヤの内側に配置された前記昇降ピンの直線的な移動に変換する変換機構と、を備えてよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ラインセンサカメラの角度を遠隔で容易に調整することができ、かつ、電気系統に不具合が生じてもラインセンサカメラの角度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による欠陥検査装置の一例を示す全体概要図である。
図2図1に示すA-A線矢視図である。
図3】本発明の第一実施形態による角度調整装置の構成を示す側面図である。
図4】同じく角度調整装置の構成を示す上面図である。
図5】同じく角度調整装置の構成を示す正面図である。
図6】角度調整装置において、プレートに取り付けられた操作部及び電動部を示す拡大断面図である。
図7】角度調整装置の電動部を示す斜視図である。
図8】同じく角度調整装置の電動部を示す断面図である。
図9図7,8に示す電動部の運動変換部を示す斜視図である。
図10図9の運動変換部を示す分解斜視図である。
図11】あおり調整による動作を示す側面図である。
図12】回転調整による動作を示す正面図である。
図13】本発明の第二実施形態による角度調整装置の電動部の要部を示す分解斜視図である。
図14】本発明の第三実施形態による角度調整装置の電動部を示す斜視図である。
図15】同じく角度調整装置の電動部を示す断面図である。
図16図14,15に示す電動部の運動変換部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第一実施形態〕
以下、図1~12を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1,2に示す本実施形態の角度調整装置10は、ラインセンサ3(図5参照)とレンズ4をカメラ本体5に組み込んだラインセンサカメラ2(以下、単に「カメラ2」と呼ぶ)を複数備えた欠陥検査装置1において、各カメラ2の角度(あおり角度、回転角度)を調整するためのものである。
【0019】
欠陥検査装置1では、複数(ここでは8台)のカメラ2、2、…が支持台6に配列して設けられている。欠陥検査装置1は、蛍光灯などの照明が組み込まれた照明装置7によって下面側から検査対象物8を照射し、その検査対象物8の透過光を撮像することで、検査対象物8上に存在する欠陥を検出し、欠陥位置情報、欠陥の面積、長さ、幅等を含む欠陥情報を取得する。欠陥情報は、適宜な処理に基づいて欠陥が判定されることになる。
以下の説明では、複数のカメラ2が配列される方向(図1図2の紙面で左右方向)を走査方向Xと呼ぶ。
【0020】
図5に示すカメラ2のラインセンサ3は、例えば多数の素子を走査方向Xに直線状に並べて構成される。ラインセンサ3の素子は、受光した光(例えば上述した透過光)に応じた電気信号を出力する。ラインセンサ3の素子としては、例えば、CMOS(相補型MOS)、CCD(Charge-Coupled Device)が挙げられる。
【0021】
図3図5に示すように、角度調整装置10は、基準プレート11と、あおり調整用プレート20と、あおり調整機構21と、回転調整用プレート30と、回転調整機構31と、を備える。
あおり調整用プレート20は、ラインセンサ3の素子面3a(図5)に沿うラインセンサ3の走査方向Xに平行する第1軸線O1を中心にして回転する。あおり調整機構21は、あおり調整用プレート20を回転させてカメラ2のあおり角度を調整する。回転調整用プレート30は、ラインセンサ3の素子面3aの法線方向に平行する第2軸線O2を中心にして回転する。回転調整機構31は、回転調整用プレート30を回転させてカメラ2の回転角度を調整する。
【0022】
角度調整装置10では、あおり調整用プレート20がカメラ本体5に固定されるとともに、回転調整用プレート30に対して回転可能に支持される。また、回転調整用プレート30が基準プレート11に対して回転可能に支持される。そして、基準プレート11、あおり調整用プレート20、及び、回転調整用プレート30は、これらプレート11,20,30の厚さ方向にその順で重ねて配置されている。
【0023】
以下の説明では、角度調整装置10において、基準プレート11と、あおり調整用プレート20と、回転調整用プレート30とがその順で配置される方向を上下方向Yと呼ぶ。また、基準プレート11、あおり調整用プレート20、回転調整用プレート30のそれぞれの面が平行に配置された状態で、上下方向Yにおける基準プレート11側を下側と呼び、あおり調整用プレート20側を上側と呼ぶ。また、角度調整装置10においては、カメラ2のレンズ4側を前方とし、その反対側を後方とする。
【0024】
基準プレート11は、平面視矩形をなし、その前後方向の両端に第1前壁12と第1後壁13とを設けた構成となっている。第1前壁及び第1後壁は、基準プレート11から上方に延びている。
第1前壁12は、あおり調整用プレート20によって支持されたカメラ2のレンズ4の下方に位置している。第1前壁12には、第2軸線O2に対応する位置に凹部12aが設けられている。凹部12aには、後述する回転調整用プレート30の第2前壁32に設けられるとともに第2軸線O2と同軸をなす第1回転軸ピン35が回転可能に支持されている。本実施形態において、第2軸線O2は、走査方向X及び上下方向Yに直交する前後方向に延びる軸線である。第2軸線O2は、前方から見てレンズ4の中心軸(光軸L)を中心として第1軸線O1に対して斜め下方45度(図5の符号α)の所定位置に位置している。
第1後壁13には、第2軸線O2に対応する位置に凹部13aが設けられ、この凹部13aには後述する回転調整用プレート30の第2後壁33に設けられるとともに第2軸線O2と同軸の第2回転軸ピン36が回転可能に支持されている。
【0025】
回転調整用プレート30は、基準プレート11よりも縦横の寸法が共に小さい平面視矩形をなし、基準プレート11の第1前壁12と第1後壁13との間に配置される。回転調整用プレート30の前後方向の両端には、上方に向けて延びる第2前壁32と第2後壁33とが設けられている。また、回転調整用プレート30の前方側の両側部には、上方に向けて延びる第1側壁34,34が設けられている。
【0026】
第2前壁32は、第1前壁12の後側に重ねて配置され、第1前壁12と同様にカメラ2のレンズ4の下方に位置している。第2前壁32には、第2軸線O2と同軸で前方へ向けて突出する第1回転軸ピン35が設けられている。第1回転軸ピン35は、上述した第1前壁12の凹部12aに回転可能に支持されている。
第2後壁33は、第1後壁13の前側に重ねて配置される。第2後壁33には、第2軸線O2と同軸で後方へ向けて突出する第2回転軸ピン36が設けられている。第2回転軸ピン36は、上述した第1後壁13の凹部13aに回転可能に支持されている。
第1側壁34には、第1軸線O1に対応する位置に凹部34aが設けられている。この凹部34aには、後述するあおり調整用プレート20の第2側壁22、22に設けられるとともに第1軸線O1と同軸をなすあおり軸ピン23、23が回転可能に支持されている。
【0027】
回転調整機構31は、第1操作部40Aと、第1電動部50Aと、第1付勢部材60Aと、を有する。これら第1操作部40A、第1電動部50A及び第1付勢部材60Aは、図4に示す上面視で光軸Lを挟んで第2軸線O2と反対側に配置されている。
【0028】
回転調整機構31の第1操作部40Aは、回転調整用プレート30(第1プレート)の回転を手動で操作するように構成されている。図6に示すように、本実施形態の第1操作部40Aは、本体部41と、ねじ軸42と、を備えるマイクロメータヘッドである。
本体部41は、回転調整用プレート30の上面30a側に設けられて手動で操作するものである。本体部41は、回転調整用プレート30の厚さ方向(図6で紙面の上下方向)に延びる軸線を中心に回転可能となっている。すなわち、本体部41は手動によって回転させることができる。
【0029】
ねじ軸42は、本体部41から下方に延びて回転調整用プレート30の下方に貫通している。ねじ軸42は、本体部41の操作に応じて本体部41に対して回転調整用プレート30の厚さ方向に移動可能とされている。ねじ軸42は、本体部41を一方側に回転(正回転)させた際に本体部41から下方に延びる長さが長くなるように移動し、本体部41を他方側に回転(逆回転)させた際に本体部41から下方に延びる長さが短くなるように移動する。
第1操作部40Aには、本体部41を回転させることでねじ軸42が軸方向に進退移動する一般的な構造のものを採用することができる。
【0030】
また、本実施形態の第1操作部40Aは、回転式のロック機構43をさらに備えている。ロック機構43は、これをいずれか一方側に回転(正回転)させることで本体部41の回転をロックし、他方側に回転(逆回転)させることで本体部41のロック状態を解除する。このロック機構43の操作によって本体部41による回転位置がずれることを抑制又は防止することができる。図示例において、ロック機構43は、本体部41に対して別体で且つ同軸に設けられているが、これに限ることはない。
【0031】
回転調整機構31の第1電動部50Aは、回転調整用プレート30(第1プレート)の回転を電動で駆動するように構成されている。図3,6に示すように、本実施形態の第1電動部50Aは、回転調整用プレート30の下方に位置する基準プレート11(別のプレート)の上面11a側に設けられている。第1電動部50Aは、回転調整用プレート30に設けられた第1操作部40Aのねじ軸42の下側に位置する。
【0032】
図6~9に示すように、第1電動部50Aは、モータ51と、昇降ピン52と、運動変換部53と、を備える。
モータ51は、電力によって回転駆動するものである。本実施形態のモータ51は、正転及び逆転の両方に回転できるように構成されており、例えばDCモータである。昇降ピン52は、基準プレート11に対してその厚さ方向に直線的に移動可能とされたものである。運動変換部53は、モータ51の回転運動を昇降ピン52の直線運動に変換するものである。すなわち、第1電動部50Aは、モータ51の駆動力によって昇降ピン52を基準プレート11の厚さ方向の両側(すなわち上下)に移動させるように構成されている。
第1電動部50Aは、昇降ピン52の上端が上述した第1操作部40Aのねじ軸42の下端に当接するように、回転調整用プレート30の下方に位置する基準プレート11(別のプレート)の上面11aに固定されている。
【0033】
以下、本実施形態の第1電動部50Aについて、さらに具体的に説明する。
本実施形態の第1電動部50Aは、昇降ピン52の一部及び運動変換部53を内部に収容するケース54を備える。ケース54は、昇降ピン52の移動方向(基準プレート11の厚さ方向)に間隔をあけて並ぶケース下壁541及びケース上壁542と、これらケース下壁541及びケース上壁542の周囲に設けられたケース周壁543と、を有する。昇降ピン52は、ケース上壁542からケース54の上側に突出する。
モータ51は、ケース54の外側において、当該モータ51の回転軸51Oが基準プレート11の上面11aに沿うように配置されている。
【0034】
図8~10に示すように、本実施形態の運動変換部53は、ウォームギヤ531(第1ギヤ)と、ウォームホイール532(第2ギヤ)と、雄ねじ533と、回転規制部534と、を備える。
ウォームギヤ531は、モータ51に接続されており、モータ51の回転に応じて基準プレート11の上面11aに沿う方向を第1回転軸線531Oとして回転するように配置されている。図示しないが、ウォームギヤ531の外周には、後述するウォームホイール532の外周に噛み合う螺旋状の歯が形成されている。
【0035】
ウォームホイール532は、円環状に形成されている。ウォームホイール532は、その外周がウォームギヤ531に噛み合うことでウォームギヤ531の回転に応じて昇降ピン52の直線的な移動方向(基準プレート11の厚さ方向)を第2回転軸線532Oとして回転する。図示しないが、ウォームホイール532の外周には、上述したウォームギヤ531の螺旋状の歯に噛み合う複数の歯が形成されている。これら複数の歯は、ウォームホイール532の周方向に配列されている。ウォームホイール532は、その内周に第2回転軸線532Oを中心とする雌ねじ536を有する。円環状のウォームホイール532は、その直径寸法が軸方向寸法よりも大きい扁平な形状に形成されている。すなわち、ウォームホイール532の軸方向寸法が小さく設定されている。
【0036】
ウォームホイール532は、ケース54内部に収容された状態でケース下壁541とケース上壁542との間に配置される。ウォームホイール532とケース下壁541との間、及び、ウォームホイール532とケース上壁542との間には、それぞれアキシャル軸受55が介在している。これにより、ウォームホイール532がケース54に対して回転自在に取り付けられている。2つのアキシャル軸受55は、ウォームホイール532に一体に設けられている。これにより、ケース54に対するウォームホイール532の取付を容易に行うことができる。
【0037】
雄ねじ533は、昇降ピン52の外周に形成されており、ウォームホイール532の内周に形成された雌ねじ536に噛み合う。これにより、昇降ピン52とウォームホイール532とが第2回転軸線532Oを中心に相対的に回転することで、昇降ピン52がウォームホイール532に対して第2回転軸線532Oに沿う方向(すなわち、基準プレート11の厚さ方向)に移動する。
【0038】
図8,10に示すように、回転規制部534は、昇降ピン52がケース54やウォームホイール532に対してその第2回転軸線532Oを中心に回転することを規制する。回転規制部534は、昇降ピン52の内部に挿入可能とされるとともに昇降ピン52に対して昇降ピン52の移動方向(第2回転軸線532Oに沿う方向)に移動可能とされている。ただし、回転規制部534は、昇降ピン52の内部に挿入された状態において、昇降ピン52に対して第2回転軸線532Oを中心に回転しないように構成されている。図10においては、回転規制部534においてその径方向に突出する回り止めピン537が、昇降ピン52においてその径方向に窪むととともに第2回転軸線532Oに沿う方向(軸方向)に延びる長孔状のガイド穴538に挿入されることで、昇降ピン52と回転規制部534との軸方向への相対的な移動を許容しつつ、昇降ピン52と回転規制部534との相対的な回転が規制される。
【0039】
上述した回転規制部534は、ケース下壁541に固定されている。これにより、ウォームホイール532がケース54に対して第2回転軸線532Oを中心に回転した際には、昇降ピン52は第2回転軸線532Oを中心に回転することなく、ウォームホイール532やケース54に対して第2回転軸線532Oに沿う方向に移動することができる。すなわち、ウォームホイール532の内周に形成された雌ねじ536、昇降ピン52の外周に形成された雄ねじ533、及び、昇降ピン52が第2回転軸線532Oを中心に回転することを規制する回転規制部534は、ウォームホイール532の回転を昇降ピン52の直線的な移動に変換する変換機構539を構成している。
【0040】
以上のように構成される運動変換部53では、所定時間(例えば1分間)あたりのモータ51の回転数が高くても、所定時間あたりに昇降ピン52が移動する長さを小さく抑えることができる。
例えば、ウォームギヤ531の所定時間あたりの回転数に対してウォームホイール532の所定時間あたりの回転数を低くすることができる。また、ウォームホイール532の雌ねじ536及び昇降ピン52の雄ねじ533のピッチを小さくすることで、ウォームホイール532の所定時間あたりの回転数に対する昇降ピン52の所定時間あたりの移動長さを小さくすることができる。また、図示しないが、モータ51とウォームギヤ531との間に減速機構を設けることで、モータ51の所定時間あたりの回転数に対してウォームギヤ531の所定時間あたりの回転数を低くすることができる。これにより、昇降ピン52の移動速度を小さく抑えることができる。また、モータ51の回転数に対して昇降ピン52の移動長さを小さく抑えることで、モータ51のトルクが小さくても、昇降ピン52の移動に伴う推力を大きくすることができる。
【0041】
図3,4に示す回転調整機構31の第1付勢部材60Aは、回転調整用プレート30を基準プレート11に向けて付勢する。本実施形態の第1付勢部材60Aは、ボルト61と、ナット62と、ばね材63と、を備える。
ボルト61は、その軸方向を回転調整用プレート30の厚さ方向に向けた状態で、回転調整用プレート30を厚さ方向に貫通している。ボルト61の下端は、基準プレート11の上面11aに固定されている。ナット62は、ボルト61の上端に螺合する。ばね材63は、筒状のコイルばねであり、ボルト61を挿通させた状態で回転調整用プレート30の上面30aとナット62との間に配置される。これにより、ばね材63が、回転調整用プレート30を基準プレート11側へ近接する方向へ付勢する。
第1付勢部材60Aが回転調整用プレート30を基準プレート11に向けて付勢することで、回転調整用プレート30に取り付けられた第1操作部40Aのねじ軸42の下端が、基準プレート11に設けられた第1電動部50Aの昇降ピン52の上端に当接した状態(図6参照)に保持される。
【0042】
この第1付勢部材60Aは、第1操作部40Aよりも前方側に位置している。また、平面視において、第1操作部40A及び第1付勢部材60Aの双方の軸(ねじ軸42、ボルト61の軸)を結ぶ直線は、第2軸線O2に平行している。
【0043】
図3~5に示すように、あおり調整用プレート20は、回転調整用プレート30よりも縦横の寸法が共に小さい平面視矩形をなし、さらに第1操作部40Aと第1付勢部材60Aとを避けるようにして切り欠いた形状をなしている。あおり調整用プレート20は、前後方向において回転調整用プレート30の第2前壁32と第2後壁33との間に配置されている。あおり調整用プレート20の前方側の両側部には、第2側壁22が設けられている。さらに、あおり調整用プレート20の前方側の部分には、カメラ本体5が載置されて第2側壁22にカメラ本体5の側面がねじ等の適宜な固定手段により固定されている。
【0044】
各第2側壁22には、第1軸線O1と同軸で外方(第1側壁34側)へ向けて突出するあおり軸ピン23が設けられている。あおり軸ピン23は、それぞれ第1側壁34の凹部34aに回転可能に支持されている。
【0045】
あおり調整機構21は、第2操作部40Bと、第2電動部50Bと、第2付勢部材60Bと、を有する。第2操作部40B、第2電動部50B及び第2付勢部材60Bは、それぞれ図4に示す上面視で光軸L上に配置されている。なお、第2付勢部材60Bは、第2操作部40Bよりも後方側に位置している。
【0046】
あおり調整機構21の第2操作部40Bは、あおり調整用プレート20(第1プレート)の回転を手動で操作するように構成されている。本実施形態の第2操作部40Bの構成は、第1操作部40Aの構成と同様である。すなわち、第2操作部40Bは、図6に示すように、本体部41と、ねじ軸42と、を備えるマイクロメータヘッドであり、ロック機構43もさらに備える。
第2操作部40Bの本体部41は、あおり調整用プレート20の上面20a側に設けられて手動で操作するものである。この本体部41は、あおり調整用プレート20の厚さ方向に延びる軸線を中心に回転可能となっている。第2操作部40Bのねじ軸42は、本体部41から下方に延びてあおり調整用プレート20の下方に貫通している。ねじ軸42は、本体部41の操作に応じて本体部41に対してあおり調整用プレート20の厚さ方向に移動可能とされている。
【0047】
あおり調整機構21の第2電動部50Bは、あおり調整用プレート20(第1プレート)の回転を電動で駆動するように構成されている。本実施形態の第2電動部50Bの構成は、第1電動部50Aの構成と同様である。すなわち、第2電動部50Bは、図3,6に示すように、あおり調整用プレート20の下方に位置する回転調整用プレート30(別のプレート)の上面30a側に設けられている。第2電動部50Bは、あおり調整用プレート20に設けられた第2操作部40Bのねじ軸42の下側に位置する。
【0048】
図6~9に示すように、第2電動部50Bは、第1電動部50Aと同様のモータ51、昇降ピン52及び運動変換部53を備える。第2電動部50Bは、第1電動部50Aと以下の点についてのみ相違する。
第2電動部50Bの昇降ピン52は、回転調整用プレート30に対してその厚さ方向に直線的に移動可能とされている。このため、第2電動部50Bは、モータ51の駆動力によって昇降ピン52を回転調整用プレート30の厚さ方向における両側(すなわち上下)に移動させるように構成されている。
この第2電動部50Bは、昇降ピン52の上端が上述した第2操作部40Bのねじ軸42の下端に当接するように、あおり調整用プレート20の下方に位置する回転調整用プレート30(別のプレート)の上面30aに固定されている。
【0049】
本実施形態において、第2電動部50Bは、第1電動部50Aと同様のケース54を備える。また、本実施形態において、第2電動部50Bのモータ51は、ケース54の外側において、当該モータ51の回転軸51Oが回転調整用プレート30の上面30aに沿うように配置されている。
【0050】
第2電動部50Bの運動変換部53は、第1電動部50Aと同様のウォームギヤ531と、ウォームホイール532と、雄ねじ533と、回転規制部534と、を備える。第2電動部50Bの運動変換部53は、第1電動部50Aの運動変換部53と以下の点についてのみ相違する。ウォームギヤ531の第1回転軸線531Oは、回転調整用プレート30の上面30aに沿っている。ウォームホイール532の第2回転軸線532Oは、回転調整用プレート30の厚さ方向に平行している。
【0051】
図3,4に示すように、あおり調整機構21の第2付勢部材60Bは、あおり調整用プレート20を回転調整用プレート30に向けて付勢する。本実施形態の第2付勢部材60Bは、第1付勢部材と同様のボルト61、ナット62及びばね材63を備える。
ボルト61は、その軸方向をあおり調整用プレート20の厚さ方向に向けた状態で、あおり調整用プレート20を厚さ方向に貫通している。ボルト61の下端は、回転調整用プレート30の上面30aに固定されている。ナット62は、このボルト61の上端に螺合する。ばね材63は、筒状のコイルばねであり、ボルト61を挿通させた状態であおり調整用プレート20の上面20aとナット62との間に配置される。これにより、ばね材63が、あおり調整用プレート20を回転調整用プレート30側へ近接する方向へ付勢する。
第2付勢部材60Bがあおり調整用プレート20を回転調整用プレート30に向けて付勢することで、あおり調整用プレート20に取り付けられた第2操作部40Bのねじ軸42の下端が、回転調整用プレート30に設けられた第2電動部50Bの昇降ピン52の上端に当接した状態(図6参照)に保持される。
【0052】
図3,5に示すように、回転軸ピン35、36及びあおり軸ピン23と、それぞれに対応する凹部12a、13a、34aとの支持構造は、すべて共通した支持構造をなしており、凹部に支持させた軸ピンに対して凹部の開口側から棒状の軸ピン押さえ部材9によって押さえ付けることにより回転自在に支持された構造となっている。
【0053】
次に、上述したように構成された角度調整装置10の作用について説明する。
図11に示すように、あおり調整用プレート20上に設けられている第2操作部40Bを回転させたり、回転調整用プレート30上に設けられている第2電動部50Bの昇降ピン52(図6等参照)を移動させたりすると、あおり調整用プレート20が第1軸線O1を中心にして回動する。
具体的には、あおり調整用プレート20の後端側に設けられている第2操作部40Bのねじ軸42(図6等参照)を前進(下方へ移動)させたり、第2電動部50Bの昇降ピン52を上方に移動させたりすると、第2操作部40Bの位置が回転調整用プレート30及び第2電動部50Bに対して離反する方向(矢印F1方向)に持ち上がる。このため、あおり調整用プレート20の前端は第1軸線O1回りに下向き(矢印F4方向)に回動することになる。つまり、あおり調整用プレート20の前端に固定されるカメラ2は下向きに所定のあおり角度θ1をもって回動した位置(二点鎖線P1)となる。図11において、符号P0のカメラ2の位置は、中立位置、すなわちあおり角度θ1が0となる位置を示している。なお、あおり調整用プレート20の後端が持ち上がることにより、あおり調整用プレート20上に設けられる第2付勢部材60Bのばね材63が中立位置P0よりもさらに圧縮した状態となる。
【0054】
また、第2操作部40Bを回転させることでそのねじ軸42を後退(上方へ移動)させたり、第2電動部50Bの昇降ピン52を下方に移動させたりすると、第2操作部40Bの位置が回転調整用プレート30及び第2電動部50Bに対して近接するように下降(矢印F2方向)する。このため、あおり調整用プレート20の前端は第1軸線O1回りに上向き(矢印F3方向)に回動することになる。つまり、あおり調整用プレート20の前端に固定されるカメラ2は上向きに所定のあおり角度θ1をもって回動した位置(二点鎖線P2)となる。なお、あおり調整用プレート20後端が下がることにより、第2付勢部材60Bのばね材63が中立位置P0よりもさらに伸びた状態となる。
【0055】
このように、あおり調整用プレート20をあおり調整機構21により適宜回動させることにより、第1軸線O1を中心としたカメラ2(特にラインセンサ3の素子面3a)のあおり角度θ1を調整することができる。
【0056】
また、回転調整用プレート30上に設けられている第1操作部40Aを回転させたり、基準プレート11上に設けられている第1電動部50Aの昇降ピン52(図6等参照)を移動させたりすると、この回転調整用プレート30が第2軸線O2を中心にして回転する。
具体的には、回転調整用プレート30の幅方向(走査方向Xに平行な方向)の一端側(図4で紙面に向かって下側、図12で紙面に向かって左側)に設けられている第1操作部40Aのねじ軸42(図6等参照)を前進(下方へ移動)させたり、第1電動部50Aの昇降ピン52を上方に移動させたりすると、第1操作部40Aの位置が基準プレート11及び第1電動部50Aに対して離反する方向に持ち上がる。このため、図12に示すように、回転調整用プレート30の一端側が持ち上がって、回転調整用プレート30が第2軸線O2回りに一方向(図12の正面視で時計回りの矢印F5方向)に回動することになる。つまり、回転調整用プレート30にあおり調整用プレート20を介して固定されるカメラ2は一方向(矢印F5方向)に所定の回転角度θ2をもって回動した位置(二点鎖線P3)となる。図12において、符号P0のカメラ2の位置は、中立位置、すなわち回転角度θ2が0となる位置を示している。なお、回転調整用プレート30の一端側が持ち上がることにより、回転調整用プレート30上に設けられる第1付勢部材60Aのばね材63が中立位置P0よりもさらに圧縮した状態となる。
【0057】
また、第1操作部40Aを回転させることでそのねじ軸42を後退(上方へ移動)させたり、第1電動部50Aの昇降ピン52を下方に移動させたりすると、第1操作部40Aの位置が基準プレート11及び第1電動部50Aに対して近接するように下降する。このため、図12に示すように、回転調整用プレート30の幅方向の一端側が下がり、回転調整用プレート30が第2軸線O2回りに他方向(図12の正面視で反時計回りの矢印F6方向)に回動することになる。つまり、回転調整用プレート30にあおり調整用プレート20を介して固定されるカメラ2の位置は、他方向(矢印F6方向)に所定の回転角度θ2をもって回動した位置(二点鎖線P4)となる。なお、回転調整用プレート30の一端側が下がることにより、第1付勢部材60Aのばね材63が中立位置P0よりもさらに伸びた状態となる。
【0058】
このように、回転調整用プレート30を回転調整機構31により適宜回動させることにより、第2軸線O2を中心としたカメラ2(特にラインセンサ3の素子面3a)の回転角度θ2を調整することができる。
【0059】
このとき、あおり調整用プレート20と回転調整用プレート30とが回転可能に支持されているので、カメラ2に対してあおり角度θ1と回転角度θ2との2軸の調整を同時に行うことができる。
【0060】
そして、あおり調整用プレート20と回転調整用プレート30とが重なって配置されているため、それぞれのプレート20、30に配置されるあおり調整機構21と回転調整機構31とをそれぞれ同じ方向から操作して、上述したあおり角度θ1と回転角度θ2との2軸の調整を行うことが可能である。
【0061】
また、基準プレート11とあおり調整用プレート20と回転調整用プレート30とが積層された状態で同一方向に重なって配置されるので、角度調整装置10を備えたカメラ2全体の小型化が図れる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態のラインセンサカメラの角度調整装置では、あおり調整機構21が、あおり調整用プレート20の回転を手動で操作する第2操作部40Bと、あおり調整用プレート20の回転を電動で駆動する第2電動部50Bと、を有する。また、回転調整機構31が、回転調整用プレート30の回転を手動で操作する第1操作部40Aと、回転調整用プレート30の回転を電動で駆動する第1電動部50Aを有する。このため、各電動部50B、50Aによりあおり調整用プレート20、回転調整用プレート30を回転させることで、カメラ2から離れた位置においてその角度(あおり角度θ1、回転角度θ2)を調整することが可能となる。すなわち、カメラ2の角度を遠隔で容易に調整することができる。また、各電動部50B、50Aや当該各電動部50B、50Aに電力を供給する電源などの電気系統に不具合が生じても、各操作部40B、40Aを手動で操作することで、カメラ2の角度(あおり角度、回転角度)を調整することができる。
【0063】
また、本実施形態のラインセンサカメラの角度調整装置では、第2操作部40B及び第2電動部50Bの何れを用いても、あおり調整用プレート20を同一の第1軸線O1を中心に回転させることができる。同様に、第1操作部40A及び第1電動部50Aの何れを用いても、回転調整用プレート30を同一の第2軸線O2を中心に回転させることができる。これにより、操作部40B,40A及び電動部50B,50Aの何れを用いても、同じ調整を行うことが可能となる。
【0064】
また、本実施形態のラインセンサカメラの角度調整装置では、あおり調整機構21の第2操作部40Bのねじ軸42の下端と第2電動部50Bの昇降ピン52の上端とが当接している。このため、第2操作部40Bにより手動であおり角度θ1を調整した後の状態を基準として、第2電動部50Bによってあおり角度θ1をさらに調整することができる。同様に、第2電動部50Bによってあおり角度θ1を調整した後の状態を基準として、第2操作部40Bによってあおり角度θ1をさらに調整することもできる。
【0065】
また、本実施形態のラインセンサカメラの角度調整装置では、回転調整機構31の第1操作部40Aのねじ軸42の下端と第1電動部50Aの昇降ピン52の上端とが当接している。このため、第1操作部40Aにより手動で回転角度θ2を調整した後の状態を基準として、第1電動部50Aによって回転角度θ2をさらに調整することができる。同様に、第1電動部50Aによって回転角度θ2を調整した後の状態を基準として、第1操作部40Aによって回転角度θ2をさらに調整することもできる。
【0066】
また、本実施形態のラインセンサカメラの角度調整装置では、電動部50B、50Aの運動変換部53を構成するウォームホイール532が、2つの機能を有する。ウォームホイール532の1つ目の機能は、ウォームギヤ531に噛み合うことでモータ51による回転運動の軸線の向きを変換する機能である。ウォームホイール532の2つ目の機能は、ウォームホイール532の内周に形成された雌ねじ536によって回転運動を昇降ピン52の直線運動に変換する機能である。ウォームホイール532がこれら2つの機能を有することで、運動変換部53の構成部品点数を減らして、電動部50B、50Aのコンパクト化を図ることができる。電動部50B、50Aのコンパクト化を図ることで、特許文献1(特開2012-107903号公報)に記載された手動のみの角度調整装置に対して、その外形寸法を変えることなく、電動部50B、50Aを簡単に設けることが可能となる。
【0067】
また、本実施形態のラインセンサカメラの角度調整装置では、電動部50B、50Aにおける昇降ピン52の移動速度を小さく抑えることができる。このため、電動部50B、50Aでは、操作部40B、40A(すなわち手動)と比較して、カメラ2の角度(あおり角度θ1、回転角度θ2)をより細かく調整することが可能となる。これにより、本実施形態の角度調整装置では、例えば、カメラ2の角度の大まかな調整(粗調整)を操作部40B、40Aで行い、カメラ2の角度の細かい調整(微調整)を電動部50B、50Aで行うことができる。
【0068】
〔第二実施形態〕
次に、主に図13を参照して本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態においては、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
【0069】
図示しないが、第二実施形態に係るラインセンサカメラの角度調整装置は、図3~10に示す第一実施形態と同様に、基準プレート11と、あおり調整用プレート20と、あおり調整機構21と、回転調整用プレート30と、回転調整機構31と、を備える。また、あおり調整機構21及び回転調整機構31は、それぞれ第一実施形態と同様の第1、第2電動部50A、50Bを備える。さらに、第1、第2電動部50A、50Bは、モータ51、昇降ピン52及び運動変換部53を備える。運動変換部53は、ウォームギヤ531(第1ギヤ)、ウォームホイール532(第2ギヤ)及び変換機構539を備える。変換機構539は、第一実施形態と同様に、ウォームホイール532の回転をウォームホイール532の内側に配置された昇降ピン52の直線的な移動に変換する。
第二実施形態においては、図13に示すように、変換機構539の具体的な構成が、第一実施形態と相違する。以下、この相違点について説明する。
【0070】
第二実施形態の変換機構539は、回転規制部5391と、挿入部5392と、を有する。
回転規制部5391は、昇降ピン52がウォームホイール532に対して第2回転軸線532Oに沿う方向(図13において上下方向)に移動することを許容する。また、回転規制部5391は、昇降ピン52がウォームホイール532に対して第2回転軸線532Oを中心に回転することを規制する。具体的に、回転規制部5391は、ウォームホイール532の内周から径方向に突出する回り止めピン537と、昇降ピン52に形成された長孔状のガイド穴538と、によって構成されている。これにより、昇降ピン52は、ウォームホイール532と共に第2回転軸線532Oを中心に回転し、ウォームホイール532に対して第2回転軸線532Oに沿う方向に移動することができる。
【0071】
挿入部5392は、ウォームホイール532を回転可能に支持するケース下壁541(ベース)に設けられている。挿入部5392は、第2回転軸線532Oに沿う方向において昇降ピン52の内部に挿入される。挿入部5392は、その外周に形成された雄ねじ533を有する。挿入部5392の雄ねじ533は、昇降ピン52の内周に形成された雌ねじ536に噛み合う。
【0072】
以上のように構成される本実施形態の変換機構539では、昇降ピン52の雌ねじ536が挿入部5392の雄ねじ533に噛み合う。これにより、ウォームホイール532がケース54に対して第2回転軸線532Oを中心に回転した際には、昇降ピン52がウォームホイール532と共に第2回転軸線532Oを中心に回転しながら、ウォームホイール532やケース54に対して第2回転軸線532Oに沿う方向に移動することができる。
【0073】
第二実施形態のラインセンサカメラの角度調整装置によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、第二実施形態の角度調整装置では、ウォームホイール532の回転運動を昇降ピン52の直線運動に変換するための構成(ウォームホイール532の回り止めピン、昇降ピン52のガイド穴538及び雌ねじ536、挿入部5392)が、環状とされたウォームホイール532の内周側の部分に集約されている。これにより、電動部50B、50Aのコンパクト化を図ることができる。電動部50B、50Aのコンパクト化を図ることで、特許文献1(特開2012-107903号公報)に記載された手動のみの角度調整装置に対して、その外形寸法を変えることなく、電動部50B、50Aを簡単に設けることが可能となる。
【0074】
〔第三実施形態〕
次に、主に図14~16を参照して本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態においては、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
【0075】
図示しないが、第三実施形態に係るラインセンサカメラの角度調整装置は、図3~5に示す第一実施形態と同様に、基準プレート11と、あおり調整用プレート20と、あおり調整機構21と、回転調整用プレート30と、回転調整機構31と、を備える。また、あおり調整機構21及び回転調整機構31は、それぞれ第一実施形態と同様の第1、第2操作部40A、40B及び第1、第2電動部50A、50Bを備える。
第三実施形態においては、第1、第2電動部50A、50Bの具体的な構成が、第一実施形態と異なる。以下、この相違点について説明する。
【0076】
図14~16に示すように、第三実施形態の第1、第2電動部50A、50Bは、それぞれモータ51、ウォームギヤ531(第1ギヤ)及びウォームホイール532(第2ギヤ)を備える。モータ51及びウォームギヤ531は、第一実施形態と同様である。
【0077】
ウォームホイール532は、円環状に形成されている。ウォームホイール532は、その外周がウォームギヤ531に噛み合うことでウォームギヤ531の回転に応じて、電動部50A,50Bが配置されるプレート(基準プレート11、回転調整用プレート30)の厚さ方向を第2回転軸線532Oとして回転する。
【0078】
具体的に、ウォームホイール532は、ケース54のケース下壁541及びケース上壁542に対してラジアル軸受56によって第2回転軸線532Oを中心に回転可能に支持された軸部材57に固定されている。これにより、ウォームホイール532がケース54に対して回転自在に取り付けられている。
【0079】
上方(回転調整用プレート30、あおり調整用プレート20側)に向くウォームホイール532の端面532a(図14~16において上面)は、第2回転軸線532Oに対して傾斜する平坦面に形成されている。すなわち、ウォームホイール532の端面532aは、第2回転軸線532Oに沿う方向における高さ位置がウォームホイール532の周方向において変化するように形成されている。
【0080】
各調整機構31,21の操作部40A,40B(第1、第2操作部40A、40B)のねじ軸42は、電動部50A,50Bの上方に位置するプレート(回転調整用プレート30又はあおり調整用プレート20)の下方に貫通し、第2回転軸線532Oから離れた位置においてウォームホイール532の端面532aに当接する。ケース54のケース上壁542には、ねじ軸42を通すための貫通孔5421が形成されている。
【0081】
以上のように構成される第三実施形態の角度調整装置では、電動部50A,50Bのモータ51の回転に伴ってウォームホイール532が回転することで、傾斜したウォームホイール532の端面532aに当接する操作部40A,40Bが第2回転軸線532Oに沿う方向に移動する。これにより、第一実施形態の場合と同様に、電動部50A,50Bの上方に位置するプレート(回転調整用プレート30又はあおり調整用プレート20)が、電動部50A,50Bを配置したプレート(基準プレート11又は回転調整用プレート30)に対して回動する。
【0082】
第三実施形態のラインセンサカメラの角度調整装置によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
すなわち、第三実施形態の角度調整装置では、あおり調整機構21の第2操作部40Bのねじ軸42が第2電動部50Bの傾斜したウォームホイール532の端面532aに当接している。このため、第2操作部40Bにより手動であおり角度θ1(図11参照)を調整した後の状態を基準として、第2電動部50Bによってあおり角度θ1をさらに調整することができる。同様に、第2電動部50Bによってあおり角度θ1を調整した後の状態を基準として、第2操作部40Bによってあおり角度θ1をさらに調整することもできる。
【0083】
また、第三実施形態の角度調整装置では、回転調整機構31の第1操作部40Aのねじ軸42が第1電動部50Aの傾斜したウォームホイール532の端面532aに当接している。このため、第1操作部40Aにより手動で回転角度θ2(図12参照)を調整した後の状態を基準として、第1電動部50Aによって回転角度θ2をさらに調整することができる。同様に、第1電動部50Aによって回転角度θ2を調整した後の状態を基準として、第1操作部40Aによって回転角度θ2をさらに調整することもできる。
【0084】
以上、本発明によるラインセンサカメラの角度調整装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0085】
例えば、上記の実施形態では、第1回転軸線531Oを中心とする回転運動を、第2回転軸線532Oを中心とする回転運動に変換するギヤ機構が、ウォームギヤ531及びウォームホイール532の2つのギヤによって構成されているが、これに限定されることはない。上記のギヤ機構は、例えば2つのかさ歯車によって構成されてもよい。
【0086】
また、上記の実施形態では、あおり調整用プレート20(一方のプレート)をカメラ2に固定し、上から下にあおり調整用プレート20、回転調整用プレート30(他方のプレート)、基準プレート11を順番に重ねて配置させた構成としているが、これに限定されることはない。本発明では、例えば回転調整用プレート30(一方のプレート)をカメラ2に固定してもよい。この場合には、上から下に回転調整用プレート30、あおり調整用プレート20(他方のプレート)、基準プレート11が順番に重ねて配置される。また、回転調整機構31の第1電動部50Aは、回転調整用プレート30の下方に位置するあおり調整用プレート20(別のプレート)の上面20a側に設けられる。また、あおり調整機構21の第2電動部50Bは、あおり調整用プレート20の下方に位置する基準プレート11(別のプレート)の上面11a側に設けられる。
【0087】
また、あおり調整機構21、回転調整機構31の構成についても、上記の実施形態に制限されることはなく、適宜な構造とすることが可能である。例えば、付勢部材60A,60Bのばね材には、コイルばねでなく、板ばね等を採用してもよい。
【0088】
上述した第一、第二実施形態では、電動部50B、50A(特に運動変換部53)の構造として、送りねじ(昇降ピン52及びウォームホイール532)によるスクリュージャッキ方式の構造が採用されている。また、上述した第三実施形態では、電動部50B、50Aの構造として、テーパ面(端面532a)のスライド構造のレベリングブロック方式の傾斜する平坦面を用いた構造が採用されている。ただし、電動部50B、50Aの構造は、少なくとも操作部40B、40A(ねじ軸42)の下端に当接して、あおり調整用プレート20や回転調整用プレート30を電動で昇降することが可能な構造であればよい。本発明においては、電動部50B、50Aの構造が、例えばパンタグラフによるジャッキ方式の構造、偏心カムによる揺動方式の構造などであってもよい。
【0089】
また、本発明において、電動部及び操作部の両方は、少なくともあおり調整機構21及び回転調整機構31のうち少なくとも一方が備えていればよい。
【0090】
さらに、上述した実施形態では、第2軸線O2の位置を前方から見てレンズ4の中心軸(光軸L)を中心として第1軸線O1に対して斜め下方45度としているが、この位置に制限されることはない。
また、各プレート11、20、30の形状なども、カメラ2の大きさ、形状等の条件に対応して適宜変更することが可能である。
【0091】
また、各プレート上の操作部と付勢部材との位置関係に制限されることもない。例えば、上述した実施形態において、回転調整機構31の第1付勢部材60Aは、第1操作部40Aよりも前方側に位置しているが、後方側であっても良い。あおり調整機構21の第2付勢部材60Bの場合も同様で、第2操作部40Bよりも後方であることに制限されず、前方側に位置していても良い。
【符号の説明】
【0092】
1 欠陥検査装置
2 カメラ(ラインセンサカメラ)
3 ラインセンサ
3a 素子面
4 レンズ
5 カメラ本体
6 支持台
7 照明装置
8 検査対象物
9 軸ピン押さえ部材
10 角度調整装置
11 基準プレート
11a 上面
12 第1前壁
12a 凹部
13 第1後壁
13a 凹部
20 あおり調整用プレート
20a 上面
21 あおり調整機構
22 第2側壁
23 あおり軸ピン
30 回転調整用プレート
30a 上面
31 回転調整機構
32 第2前壁
33 第2後壁
34 第1側壁
34a 凹部
35 第1回転軸ピン
36 第2回転軸ピン
40A 第1操作部
40B 第2操作部
41 本体部
42 ねじ軸
43 ロック機構
50A 第1電動部
50B 第2電動部
51 モータ
51O 回転軸
52 昇降ピン
53 運動変換部
54 ケース
55 アキシャル軸受
56 ラジアル軸受
57 軸部材
60A 第1付勢部材
60B 第2付勢部材
61 ボルト
62 ナット
63 ばね材
531 ウォームギヤ(第1ギヤ)
531O 第1回転軸線
532 ウォームホイール(第2ギヤ)
532a 端面
532O 第2回転軸線
533 雄ねじ
534 回転規制部
536 雌ねじ
537 回り止めピン
538 ガイド穴
539 変換機構
5391 回転規制部
5392 挿入部
541 ケース下壁(ベース)
542 ケース上壁
5421 貫通孔
543 ケース周壁
L 光軸
X 走査方向
Y 上下方向
O1 第1軸線
O2 第2軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2022-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインセンサを備えるラインセンサカメラの角度調整装置であって、
基準プレートと、
前記ラインセンサの素子面に沿う前記ラインセンサの走査方向に平行する第1軸線を中心にして回転するあおり調整用プレートと、
該あおり調整用プレートを回転させてあおり角度を調整するためのあおり調整機構と、
ラインセンサの素子面の法線方向に平行する第2軸線を中心にして回転する回転調整用プレートと、
該回転調整用プレートを回転させて回転角度を調整するための回転調整機構と、
を備え、
前記あおり調整用プレートと前記回転調整用プレートのいずれか一方のプレートが、前記ラインセンサカメラに固定されるとともに、他方のプレートに対して回転可能に支持され、
前記他方のプレートが、前記基準プレートに対して回転可能に支持され、
前記あおり調整機構及び前記回転調整機構のうち少なくとも一方の調整機構は、前記あおり調整用プレート及び前記回転調整用プレートのうち第1プレートの回転を手動で操作する操作部、及び、前記第1プレートの回転を電動で駆動する電動部、を有し、
前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、
前記あおり調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記回転調整用プレートのいずれか一方であって、前記あおり調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、
前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記別のプレートに対してその厚さ方向に直線的に移動可能とされた昇降ピンと、前記モータの回転運動を前記昇降ピンの直線運動に変換する運動変換部と、を備え、
前記あおり調整機構の前記操作部は、前記あおり調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記あおり調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、
前記ねじ軸は、前記あおり調整用プレートの下方に貫通し、前記昇降ピンの上端に当接するラインセンサカメラの角度調整装置。
【請求項2】
前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、
前記回転調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記あおり調整用プレートのいずれか一方であって、前記回転調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、
前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記別のプレートに対してその厚さ方向に直線的に移動可能とされた昇降ピンと、前記モータの回転運動を前記昇降ピンの直線運動に変換する運動変換部と、を備え、
前記回転調整機構の前記操作部は、前記回転調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記回転調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、
前記ねじ軸は、前記回転調整用プレートの下方に貫通し、前記昇降ピンの上端に当接する請求項1に記載のラインセンサカメラの角度調整装置。
【請求項3】
ラインセンサを備えるラインセンサカメラの角度調整装置であって、
基準プレートと、
前記ラインセンサの素子面に沿う前記ラインセンサの走査方向に平行する第1軸線を中心にして回転するあおり調整用プレートと、
該あおり調整用プレートを回転させてあおり角度を調整するためのあおり調整機構と、
ラインセンサの素子面の法線方向に平行する第2軸線を中心にして回転する回転調整用プレートと、
該回転調整用プレートを回転させて回転角度を調整するための回転調整機構と、
を備え、
前記あおり調整用プレートと前記回転調整用プレートのいずれか一方のプレートが、前記ラインセンサカメラに固定されるとともに、他方のプレートに対して回転可能に支持され、
前記他方のプレートが、前記基準プレートに対して回転可能に支持され、
前記あおり調整機構及び前記回転調整機構のうち少なくとも一方の調整機構は、前記あおり調整用プレート及び前記回転調整用プレートのうち第1プレートの回転を手動で操作する操作部、及び、前記第1プレートの回転を電動で駆動する電動部、を有し、
前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、
前記回転調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記あおり調整用プレートのいずれか一方であって、前記回転調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、
前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記別のプレートに対してその厚さ方向に直線的に移動可能とされた昇降ピンと、前記モータの回転運動を前記昇降ピンの直線運動に変換する運動変換部と、を備え、
前記回転調整機構の前記操作部は、前記回転調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記回転調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、
前記ねじ軸は、前記回転調整用プレートの下方に貫通し、前記昇降ピンの上端に当接するラインセンサカメラの角度調整装置。
【請求項4】
前記運動変換部は、
前記モータの回転に応じて前記別のプレートの上面に沿う方向を第1回転軸線として回転する第1ギヤと、
外周が前記第1ギヤに噛み合うことで前記第1ギヤの回転に応じて前記昇降ピンの直線的な移動方向に平行する第2回転軸線として回転する円環状に形成された第2ギヤと、
前記第2ギヤの回転を前記第2ギヤの内側に配置された前記昇降ピンの直線的な移動に変換する変換機構と、を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のラインセンサカメラの角度調整装置。
【請求項5】
ラインセンサを備えるラインセンサカメラの角度調整装置であって、
基準プレートと、
前記ラインセンサの素子面に沿う前記ラインセンサの走査方向に平行する第1軸線を中心にして回転するあおり調整用プレートと、
該あおり調整用プレートを回転させてあおり角度を調整するためのあおり調整機構と、
ラインセンサの素子面の法線方向に平行する第2軸線を中心にして回転する回転調整用プレートと、
該回転調整用プレートを回転させて回転角度を調整するための回転調整機構と、
を備え、
前記あおり調整用プレートと前記回転調整用プレートのいずれか一方のプレートが、前記ラインセンサカメラに固定されるとともに、他方のプレートに対して回転可能に支持され、
前記他方のプレートが、前記基準プレートに対して回転可能に支持され、
前記あおり調整機構及び前記回転調整機構のうち少なくとも一方の調整機構は、前記あおり調整用プレート及び前記回転調整用プレートのうち第1プレートの回転を手動で操作する操作部、及び、前記第1プレートの回転を電動で駆動する電動部、を有し、
前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、
前記あおり調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記回転調整用プレートのいずれか一方であって、前記あおり調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、
前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記モータの回転に応じて前記別のプレートの上面に沿う方向を第1回転軸線として回転する第1ギヤと、外周が前記第1ギヤに噛み合うことで前記第1ギヤの回転に応じて前記別のプレートの厚さ方向に平行する第2回転軸線として回転する円環状に形成された第2ギヤと、を備え、
上方に向く前記第2ギヤの端面が、前記第2回転軸線に対して傾斜する平坦面に形成され、
前記あおり調整機構の前記操作部は、前記あおり調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記あおり調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、
前記ねじ軸は、前記あおり調整用プレートの下方に貫通し、前記第2回転軸線から離れた位置において前記第2ギヤの端面に当接するラインセンサカメラの角度調整装置。
【請求項6】
ラインセンサを備えるラインセンサカメラの角度調整装置であって、
基準プレートと、
前記ラインセンサの素子面に沿う前記ラインセンサの走査方向に平行する第1軸線を中心にして回転するあおり調整用プレートと、
該あおり調整用プレートを回転させてあおり角度を調整するためのあおり調整機構と、
ラインセンサの素子面の法線方向に平行する第2軸線を中心にして回転する回転調整用プレートと、
該回転調整用プレートを回転させて回転角度を調整するための回転調整機構と、
を備え、
前記あおり調整用プレートと前記回転調整用プレートのいずれか一方のプレートが、前記ラインセンサカメラに固定されるとともに、他方のプレートに対して回転可能に支持され、
前記他方のプレートが、前記基準プレートに対して回転可能に支持され、
前記あおり調整機構及び前記回転調整機構のうち少なくとも一方の調整機構は、前記あおり調整用プレート及び前記回転調整用プレートのうち第1プレートの回転を手動で操作する操作部、及び、前記第1プレートの回転を電動で駆動する電動部、を有し、
前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、
前記回転調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記あおり調整用プレートのいずれか一方であって、前記回転調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、
前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記モータの回転に応じて前記別のプレートの上面に沿う方向を第1回転軸線として回転する第1ギヤと、外周が前記第1ギヤに噛み合うことで前記第1ギヤの回転に応じて前記別のプレートの厚さ方向に平行する第2回転軸線として回転する円環状に形成された第2ギヤと、を備え、
上方に向く前記第2ギヤの端面が、前記第2回転軸線に対して傾斜する平坦面に形成され、
前記回転調整機構の前記操作部は、前記回転調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記回転調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、
前記ねじ軸は、前記回転調整用プレートの下方に貫通し、前記第2回転軸線から離れた位置において前記第2ギヤの端面に当接するラインセンサカメラの角度調整装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明に係るラインセンサカメラの角度調整装置は、ラインセンサを備えるラインセンサカメラの角度調整装置であって、基準プレートと、前記ラインセンサの素子面に沿う前記ラインセンサの走査方向に平行する第1軸線を中心にして回転するあおり調整用プレートと、該あおり調整用プレートを回転させてあおり角度を調整するためのあおり調整機構と、ラインセンサの素子面の法線方向に平行する第2軸線を中心にして回転する回転調整用プレートと、該回転調整用プレートを回転させて回転角度を調整するための回転調整機構と、を備え、前記あおり調整用プレートと前記回転調整用プレートのいずれか一方のプレートが、前記ラインセンサカメラに固定されるとともに、他方のプレートに対して回転可能に支持され、前記他方のプレートが、前記基準プレートに対して回転可能に支持され、前記あおり調整機構及び前記回転調整機構のうち少なくとも一方の調整機構は、前記あおり調整用プレート及び前記回転調整用プレートのうち第1プレートの回転を手動で操作する操作部、及び、前記第1プレートの回転を電動で駆動する電動部、を有し、前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、前記あおり調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記回転調整用プレートのいずれか一方であって、前記あおり調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記別のプレートに対してその厚さ方向に直線的に移動可能とされた昇降ピンと、前記モータの回転運動を前記昇降ピンの直線運動に変換する運動変換部と、を備え、前記あおり調整機構の前記操作部は、前記あおり調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記あおり調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、前記ねじ軸は、前記あおり調整用プレートの下方に貫通し、前記昇降ピンの上端に当接することを特徴とする。
また、本発明に係るラインセンサカメラの角度調整装置は、ラインセンサを備えるラインセンサカメラの角度調整装置であって、基準プレートと、前記ラインセンサの素子面に沿う前記ラインセンサの走査方向に平行する第1軸線を中心にして回転するあおり調整用プレートと、該あおり調整用プレートを回転させてあおり角度を調整するためのあおり調整機構と、ラインセンサの素子面の法線方向に平行する第2軸線を中心にして回転する回転調整用プレートと、該回転調整用プレートを回転させて回転角度を調整するための回転調整機構と、を備え、前記あおり調整用プレートと前記回転調整用プレートのいずれか一方のプレートが、前記ラインセンサカメラに固定されるとともに、他方のプレートに対して回転可能に支持され、前記他方のプレートが、前記基準プレートに対して回転可能に支持され、前記あおり調整機構及び前記回転調整機構のうち少なくとも一方の調整機構は、前記あおり調整用プレート及び前記回転調整用プレートのうち第1プレートの回転を手動で操作する操作部、及び、前記第1プレートの回転を電動で駆動する電動部、を有し、前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、前記あおり調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記回転調整用プレートのいずれか一方であって、前記あおり調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記モータの回転に応じて前記別のプレートの上面に沿う方向を第1回転軸線として回転する第1ギヤと、外周が前記第1ギヤに噛み合うことで前記第1ギヤの回転に応じて前記別のプレートの厚さ方向に平行する第2回転軸線として回転する円環状に形成された第2ギヤと、を備え、上方に向く前記第2ギヤの端面が、前記第2回転軸線に対して傾斜する平坦面に形成され、前記あおり調整機構の前記操作部は、前記あおり調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記あおり調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、前記ねじ軸は、前記あおり調整用プレートの下方に貫通し、前記第2回転軸線から離れた位置において前記第2ギヤの端面に当接することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
これらの構成によれば、同一の第1プレート(あおり調整用プレート、回転調整用プレート)を手動及び電動の両方で回転させることができる。このため、電動部により第1プレートを回転させることで、ラインセンサカメラから離れた位置においてその角度(あおり角度、回転角度)を調整することが可能となる。すなわち、ラインセンサカメラの角度を遠隔で容易に調整することができる。また、電動部や当該電動部に電力を供給する電源などの電気系統に不具合が生じても、操作部を手動で操作することで、ラインセンサカメラの角度を調整することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、これらの構成では、操作部により手動であおり角度を調整した後の状態を基準として、電動部によってあおり角度をさらに調整することができる。同様に、電動部によってあおり角度を調整した後の状態を基準として、操作部によってあおり角度をさらに調整することもできる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、本発明に係るラインセンサカメラの角度調整装置は、ラインセンサを備えるラインセンサカメラの角度調整装置であって、基準プレートと、前記ラインセンサの素子面に沿う前記ラインセンサの走査方向に平行する第1軸線を中心にして回転するあおり調整用プレートと、該あおり調整用プレートを回転させてあおり角度を調整するためのあおり調整機構と、ラインセンサの素子面の法線方向に平行する第2軸線を中心にして回転する回転調整用プレートと、該回転調整用プレートを回転させて回転角度を調整するための回転調整機構と、を備え、前記あおり調整用プレートと前記回転調整用プレートのいずれか一方のプレートが、前記ラインセンサカメラに固定されるとともに、他方のプレートに対して回転可能に支持され、前記他方のプレートが、前記基準プレートに対して回転可能に支持され、前記あおり調整機構及び前記回転調整機構のうち少なくとも一方の調整機構は、前記あおり調整用プレート及び前記回転調整用プレートのうち第1プレートの回転を手動で操作する操作部、及び、前記第1プレートの回転を電動で駆動する電動部、を有し、前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、前記回転調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記あおり調整用プレートのいずれか一方であって、前記回転調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記別のプレートに対してその厚さ方向に直線的に移動可能とされた昇降ピンと、前記モータの回転運動を前記昇降ピンの直線運動に変換する運動変換部と、を備え、前記回転調整機構の前記操作部は、前記回転調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記回転調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、前記ねじ軸は、前記回転調整用プレートの下方に貫通し、前記昇降ピンの上端に当接することを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、本発明に係るラインセンサカメラの角度調整装置は、ラインセンサを備えるラインセンサカメラの角度調整装置であって、基準プレートと、前記ラインセンサの素子面に沿う前記ラインセンサの走査方向に平行する第1軸線を中心にして回転するあおり調整用プレートと、該あおり調整用プレートを回転させてあおり角度を調整するためのあおり調整機構と、ラインセンサの素子面の法線方向に平行する第2軸線を中心にして回転する回転調整用プレートと、該回転調整用プレートを回転させて回転角度を調整するための回転調整機構と、を備え、前記あおり調整用プレートと前記回転調整用プレートのいずれか一方のプレートが、前記ラインセンサカメラに固定されるとともに、他方のプレートに対して回転可能に支持され、前記他方のプレートが、前記基準プレートに対して回転可能に支持され、前記あおり調整機構及び前記回転調整機構のうち少なくとも一方の調整機構は、前記あおり調整用プレート及び前記回転調整用プレートのうち第1プレートの回転を手動で操作する操作部、及び、前記第1プレートの回転を電動で駆動する電動部、を有し、前記基準プレート、前記あおり調整用プレート、及び、前記回転調整用プレートは、これらプレートの厚さ方向に重ねて配置され、前記回転調整機構の前記電動部は、前記基準プレート及び前記あおり調整用プレートのいずれか一方であって、前記回転調整用プレートの下方に位置する別のプレートの上面側に設けられ、前記電動部は、電力によって回転駆動するモータと、前記モータの回転に応じて前記別のプレートの上面に沿う方向を第1回転軸線として回転する第1ギヤと、外周が前記第1ギヤに噛み合うことで前記第1ギヤの回転に応じて前記別のプレートの厚さ方向に平行する第2回転軸線として回転する円環状に形成された第2ギヤと、を備え、上方に向く前記第2ギヤの端面が、前記第2回転軸線に対して傾斜する平坦面に形成され、前記回転調整機構の前記操作部は、前記回転調整用プレートの上面側に設けられて手動で操作される本体部と、当該本体部の操作に応じて前記本体部に対して前記回転調整用プレートの厚さ方向に移動可能とされたねじ軸と、を備えるマイクロメータヘッドであり、前記ねじ軸は、前記回転調整用プレートの下方に貫通し、前記第2回転軸線から離れた位置において前記第2ギヤの端面に当接することを特徴とする。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
これらの構成によれば、同一の第1プレート(あおり調整用プレート、回転調整用プレート)を手動及び電動の両方で回転させることができる。このため、電動部により第1プレートを回転させることで、ラインセンサカメラから離れた位置においてその角度(あおり角度、回転角度)を調整することが可能となる。すなわち、ラインセンサカメラの角度を遠隔で容易に調整することができる。また、電動部や当該電動部に電力を供給する電源などの電気系統に不具合が生じても、操作部を手動で操作することで、ラインセンサカメラの角度を調整することができる。
また、これらの構成では、操作部により手動で回転角度を調整した後の状態を基準として、電動部によって回転角度をさらに調整することができる。同様に、電動部によって回転角度を調整した後の状態を基準として、操作部によって回転角度をさらに調整することができる。