(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047907
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】情報収集システム、情報収集方法、及び情報収集プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20230330BHJP
G06F 11/07 20060101ALI20230330BHJP
G06F 11/30 20060101ALI20230330BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20230330BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G06F11/07 175
G06F11/30 165
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157095
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】390040187
【氏名又は名称】株式会社バッファロー
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 崇仁
(72)【発明者】
【氏名】北端 眞美
【テーマコード(参考)】
5B042
5L049
【Fターム(参考)】
5B042GA36
5B042JJ17
5B042KK11
5B042KK13
5B042KK14
5B042MC06
5B042MC16
5B042MC19
5B042NN42
5B042NN45
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】機器に関する有用な情報を効率よく収集すること。
【解決手段】情報収集システム10は、情報端末2と、収集サーバ3と、を含む。情報端末2は、周辺機器1の状態情報を取得する。収集サーバ3は、情報端末2から周辺機器1の状態情報を受信する。情報端末2は、所定の条件において、情報端末2のユーザへの周辺機器1の異常の有無に関する問い合わせ処理を行い、周辺機器1の異常が有る旨の回答を受け付けた場合に、周辺機器1の異常を示す異常情報を収集サーバ3へ送信する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の状態情報を取得する情報端末と、
前記情報端末から前記状態情報を受信するサーバと、
を含み、
前記情報端末は、所定の条件において、前記情報端末のユーザへの前記機器の異常の有無に関する問い合わせ処理を行い、前記機器の異常が有る旨の回答を受け付けた場合に、前記機器の異常を示す異常情報を前記サーバへ送信する、
情報収集システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報収集システムであって、
前記所定の条件は、前記機器の異常の可能性が検出されたことを含む、
情報収集システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報収集システムであって、
前記所定の条件は、前記状態情報が所定の期間、前記情報端末から前記サーバへ送信されていないことを含む、
情報収集システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報収集システムであって、
前記所定の期間は、前記状態情報に基づいて前記機器について設定された期間である、
情報収集システム。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載の情報収集システムであって、
前記所定の条件は、前記状態情報に基づいて予測された前記機器の異常発生時期となったことを含む、
情報収集システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報収集システムであって、
前記サーバは、前記所定の条件を満たすか否かを判断し、前記所定の条件を満たすと判断した場合に、前記情報端末に前記問い合わせ処理を実行させる制御を行う、
情報収集システム。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報収集システムであって、
前記情報端末は、前記所定の条件を満たすか否かを判断し、前記所定の条件を満たすと判断した場合に、前記問い合わせ処理を実行する、
情報収集システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報収集システムであって、
前記機器の異常が有る旨の回答は、前記機器の異常の種別の回答を含み、
前記異常情報は、前記機器の異常の種別を示す、
情報収集システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の情報収集システムであって、
前記機器の異常が有る旨の回答は、前記機器の異常の発生時期の回答を含み、
前記異常情報は、前記機器の異常の発生時期を示す、
情報収集システム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の情報収集システムであって、
前記サーバに送信された前記状態情報及び前記異常情報は、前記機器と異なる機器を含む機器の異常予測モデルの教師データに用いられる、
情報収集システム。
【請求項11】
情報端末が、機器の状態情報を前記機器から取得し、
サーバが、前記情報端末から前記状態情報を受信し、
前記情報端末が、所定の条件において、前記情報端末のユーザへの前記機器の異常の有無に関する問い合わせ処理を行い、前記機器の異常が有る旨の回答を受け付けた場合に、前記機器の異常を示す異常情報を前記サーバへ送信する、
情報収集方法。
【請求項12】
機器の状態情報を前記機器から取得する情報端末と、前記情報端末から前記状態情報を受信するサーバと、を含む情報収集システムの制御プログラムであって、
前記情報端末と異なる装置に、
所定の条件において、前記情報端末のユーザへの前記機器の異常の有無に関する問い合わせ処理を前記情報端末に実行させ、
前記機器の異常が有る旨の回答を前記情報端末が受け付けた場合に、前記機器の異常を示す異常情報を前記情報端末から前記サーバへ送信させる、
制御を実行させるための情報収集プログラム。
【請求項13】
機器の状態情報を前記機器から取得する情報端末と、前記情報端末から前記状態情報を受信するサーバと、を含む情報収集システムの制御プログラムであって、
前記情報端末に、
所定の条件において、前記情報端末のユーザへの前記機器の異常の有無に関する問い合わせ処理を行い、
前記機器の異常が有る旨の回答を受け付けた場合に、前記機器の異常を示す異常情報を前記サーバへ送信する、
処理を実行させるための情報収集プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報収集システム、情報収集方法、及び情報収集プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザのパーソナルコンピュータに接続された外付けハードディスク等に搭載されたS.M.A.R.T.(Self-Monitoring,Analysis and Reporting Technology)により得られた状態情報がネットワーク上のサーバに蓄積され、この状態情報により故障等の異常の判定や予測が行われ、その結果がユーザ端末に通知されるサービスが知られている。
【0003】
また、特許文献1には、故障予測装置が、監視対象機器に故障が発生した通知をオペレータ端末又は監視対象機器から受信すると、監視対象機器が故障するまでの時系列のセンサデータを学習サーバに送信し、学習サーバが、受信した時系列のセンサデータを教師データとして監視対象機器の故障を予測する学習モデルを生成し、この学習モデルを用い、監視対象機器から受信した時系列のセンサデータを入力として監視対象機器が故障する確率を予測することが記載されている。
【0004】
一般的に、機器の異常を異常予測モデルにより高精度に予測するには、異常予測モデルの学習のための教師データとして、異常が発生した機器の状態情報が大量に必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、監視対象の機器が故障し、その機器の状態情報をサーバへ送ることができなくなった場合、サーバにおいて、機器が故障したのか否かを判定することはできない。このため、その機器が故障する前に得られた状態情報を、故障が発生したケースの教師データとして用いることができない。
【0007】
特に、監視対象の機器が、その機器の状態情報を送信する情報端末とは異なる機器である場合、監視対象の機器に異常が発生していなくても、その機器の状態情報がサーバに送信されないという状況が発生し得る。例えば、監視対象の機器が情報端末に接続されるHDDであるとすると、ユーザがより大容量のHDDに買い替える場合や、ユーザが記憶させたいデータに応じてHDDを挿し替える場合や、ユーザがアーカイブ用のHDDを普段は接続しない場合などがあり、HDDが正常であっても、HDDが情報端末と接続されていないことが原因でHDDの状態情報が送信されないことがある。このため、監視対象の機器の状態情報がサーバに送信されなくなった場合に、監視対象の機器に異常が発生したのか否かを判定することができない。
【0008】
これに対して、例えば、サーバの運用者が、その機器の故障の連絡を受けたり、修理のためにその機器を回収したり、その機器の返品を受け付けたりした場合に、その機器が故障する前に得られた状態情報を教師データとして用いる方法も考えられるが、この方法では大量の教師データを効率よく収集することができない。
【0009】
本発明は、機器に関する有用な情報を効率よく収集することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示された情報収集システムは、機器の状態情報を取得する情報端末と、前記情報端末から前記状態情報を受信するサーバと、を含み、前記情報端末が、所定の条件において、前記情報端末のユーザへの前記機器の異常の有無に関する問い合わせ処理を行い、前記機器の異常が有る旨の回答を受け付けた場合に、前記機器の異常を示す異常情報を前記サーバへ送信するものである。
【0011】
開示された情報収集方法は、情報端末が、機器の状態情報を前記機器から取得し、サーバが、前記情報端末から前記状態情報を受信し、前記情報端末が、所定の条件において、前記情報端末のユーザへの前記機器の異常の有無に関する問い合わせ処理を行い、前記機器の異常が有る旨の回答を受け付けた場合に、前記機器の異常を示す異常情報を前記サーバへ送信するものである。
【0012】
開示された情報収集プログラムは、機器の状態情報を前記機器から取得する情報端末と、前記情報端末から前記状態情報を受信するサーバと、を含む情報収集システムの制御プログラムであって、前記情報端末と異なる装置に、所定の条件において、前記情報端末のユーザへの前記機器の異常の有無に関する問い合わせ処理を前記情報端末に実行させ、前記機器の異常が有る旨の回答を前記情報端末が受け付けた場合に、前記機器の異常を示す異常情報を前記情報端末から前記サーバへ送信させる、制御を実行させるためのものである。
【0013】
開示された別の情報収集プログラムは、機器の状態情報を前記機器から取得する情報端末と、前記情報端末から前記状態情報を受信するサーバと、を含む情報収集システムの制御プログラムであって、前記情報端末に、所定の条件において、前記情報端末のユーザへの前記機器の異常の有無に関する問い合わせ処理を行い、前記機器の異常が有る旨の回答を受け付けた場合に、前記機器の異常を示す異常情報を前記サーバへ送信する、処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、機器に関する有用な情報を効率よく収集することのできる情報収集システム、情報収集方法、及び情報収集プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態である情報収集システム10を示す図である。
【
図2】情報端末2のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】収集サーバ3のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】周辺機器1の正常時の状態情報の収集の一例を示す図である。
【
図5】周辺機器1の故障時の問い合わせの一例を示す図である。
【
図6】周辺機器1の故障時の問い合わせに基づく異常情報の送信の一例を示す図である。
【
図7】収集サーバ3による情報収集処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】異常の有無の問い合わせ画面の一例を示す図である。
【
図9】異常の種別の問い合わせ画面の一例を示す図である。
【
図10】異常の発生時期の問い合わせ画面の一例を示す図である。
【
図11】利用状況の問い合せ画面の一例を示す図である。
【
図12】情報端末2による所定条件の判断の一例を示す図である。
【
図13】
図12に示した情報端末2による情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
<本発明の一実施形態である情報収集システム10>
図1は、本発明の一実施形態である情報収集システム10を示す図である。情報収集システム10は、情報端末2と、収集サーバ3と、を含む。また、情報収集システム10は、周辺機器1をさらに含んでもよい。また、情報収集システム10は、学習サーバ4をさらに含んでもよい。本発明の情報収集プログラムは、例えば収集サーバ3に適用することができる。
【0018】
情報端末2、収集サーバ3、及び学習サーバ4は、例えばネットワーク9を介して接続されている。ネットワーク9は、例えばインターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
【0019】
周辺機器1は、情報端末2に着脱可能な、情報端末2の周辺機器である。周辺機器1は、一例としては外付けストレージである。外付けストレージは、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)である。例えば、周辺機器1は、USB(Universal Serial Bus)などの通信インタフェースによって情報端末2に接続される。ただし、周辺機器1は、USBに限らず、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、近距離無線通信などの通信インタフェースによって情報端末2に接続されてもよい。なお、情報端末2の周辺機器1は、複数台存在していてもよい。
【0020】
情報端末2は、情報端末2に接続された周辺機器1の状態情報を、周辺機器1から取得する。周辺機器1の状態情報とは、周辺機器1の異常(例えば故障)の判定や予測に利用可能な、周辺機器1の状態を示す情報である。例えば、周辺機器1がストレージである場合、周辺機器1の状態情報は、周辺機器1に搭載されたS.M.A.R.T.の機能によって生成されたS.M.A.R.T.情報である。S.M.A.R.T.情報には、例えばデータ読み込みのエラーの発生回数や読み書きの速度などの計測結果など、周辺機器1の異常の判定や予測に利用可能な各種の情報が含まれる。
【0021】
また、情報端末2は、ユーザインタフェースを有する端末である。
図1の例では情報端末2はノート型PC(Personal Computer)であるが、情報端末2は、デスクトップ型PC、スマートフォン、タブレット端末など、ユーザインタフェースを有する各種の情報端末とすることができる。
【0022】
また、図示を省略するが、情報端末2は、ネットワーク9に対して複数台接続され、そのそれぞれに周辺機器1が接続される。
【0023】
収集サーバ3は、情報端末2を含む複数の情報端末から、その情報端末に接続された周辺機器の状態情報を受信するサーバである。例えば、収集サーバ3は、周辺機器1の状態情報を情報端末2から受信して蓄積する。
【0024】
収集サーバ3は、クラウドコンピューティングサービスにおいて実現される仮想的なサーバ(クラウドサーバ)であってもよいし、1個の装置として実現された物理的なサーバ(例えば
図3参照)であってもよい。
【0025】
学習サーバ4は、収集サーバ3が収集した周辺機器の状態情報を教師データとする機械学習又は深層学習を行うことにより、周辺機器1を含む周辺機器(例えば周辺機器1と同一又は類似の型の周辺機器)の異常を予測するための異常予測モデルを生成する。この異常予測モデルは、例えば周辺機器の状態情報として、その周辺機器に異常が発生すると予測される時期を出力可能なAI(Artificial Intelligence)である。また、異常予測モデルは、周辺機器の状態情報として、その周辺機器に発生すると予測される異常の種別などを出力可能であってもよい。
【0026】
学習サーバ4は、収集サーバ3と同様に、クラウドコンピューティングサービスにおいて実現される仮想的なサーバ(クラウドサーバ)であってもよいし、1個の装置として実現された物理的なサーバであってもよい。
【0027】
<情報端末2のハードウェア構成>
図2は、情報端末2のハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示した情報端末2は、例えば、プロセッサ21と、メモリ22と、周辺機器インタフェース23と、通信インタフェース24と、ユーザインタフェース25と、を備える。プロセッサ21、メモリ22、周辺機器インタフェース23、通信インタフェース24、及びユーザインタフェース25は、例えばバス29によって接続される。
【0028】
プロセッサ21は、信号処理を行う回路であり、例えば情報端末2の全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)である。なお、プロセッサ21は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processor)などの他のデジタル回路により実現されてもよい。また、プロセッサ21は、複数のデジタル回路を組み合わせて実現されてもよい。
【0029】
メモリ22には、例えばメインメモリ及び補助メモリが含まれる。メインメモリは、例えばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、プロセッサ21のワークエリアとして使用される。補助メモリは、例えば磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。補助メモリには、情報端末2を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてプロセッサ21によって実行される。
【0030】
周辺機器インタフェース23は、情報端末2の周辺機器(例えば周辺機器1)との間で通信を行う通信インタフェースである。例えば、周辺機器インタフェース23は、USBなどの通信インタフェースである。例えば、情報端末2は、周辺機器インタフェース23を介して周辺機器1と通信を行うことにより、周辺機器1の状態情報を取得する。周辺機器インタフェース23は、プロセッサ21によって制御される。
【0031】
通信インタフェース24は、情報端末2の外部(例えば収集サーバ3)との間で通信を行う通信インタフェースである。例えば、通信インタフェース24は、有線又は無線によりネットワーク9に接続可能な通信インタフェースである。通信インタフェース24は、プロセッサ21によって制御される。
【0032】
ユーザインタフェース25は、例えば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、例えばポインティングデバイス(例えばマウス)、キー(例えばキーボード)やリモコンなどにより実現することができる。出力デバイスは、例えばディスプレイやスピーカなどにより実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイス及び出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース25は、プロセッサ21によって制御される。
【0033】
<収集サーバ3のハードウェア構成>
図3は、収集サーバ3のハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示した収集サーバ3は、例えば、プロセッサ31と、メモリ32と、通信インタフェース33と、を備える。プロセッサ31、メモリ32、及び通信インタフェース33は、例えばバス39によって接続される。
【0034】
プロセッサ31、メモリ32、及び通信インタフェース33は、それぞれ
図2に示した情報端末2のプロセッサ21、メモリ22、及び通信インタフェース24と同様の構成である。収集サーバ3が情報端末2等から受信した状態情報は、例えばメモリ32に含まれる補助メモリに蓄積される。収集サーバ3の通信インタフェース33は、例えば情報端末2や学習サーバ4との通信に用いられる。
【0035】
<学習サーバ4のハードウェア構成>
学習サーバ4は、例えば
図3に示した収集サーバ3と同様の構成によって実現することができる。
【0036】
<周辺機器1の正常時の状態情報の収集>
図4は、周辺機器1の正常時の状態情報の収集の一例を示す図である。
図4に示すように、周辺機器1に異常が発生していない場合(正常時)、情報端末2は、所定の取得タイミングで周辺機器1の状態情報を周辺機器1から取得する。取得タイミングは、繰り返し発生するタイミングであり、例えば周期的なタイミング(一例としては1日おきのタイミング)である。
【0037】
情報端末2は、周辺機器1の状態情報を取得する度に、取得した状態情報を収集サーバ3へ送信する。収集サーバ3は、情報端末2から受信した周辺機器1の状態情報をメモリ32に蓄積する。
【0038】
<周辺機器1の故障時の問い合わせ>
図5は、周辺機器1の故障時の問い合わせの一例を示す図である。
図5に示すように、周辺機器1が故障した場合、情報端末2が周辺機器1の状態情報を周辺機器1から取得できなくなる。
【0039】
この場合に、収集サーバ3は、一定期間以上、周辺機器1の状態情報を情報端末2から受信していないことを検知することにより、周辺機器1の異常の可能性を検知する。この一定期間は、情報端末2が周辺機器1の状態情報を取得する取得タイミングの周期より長い期間(一例としては2日間)とする。
【0040】
収集サーバ3は、周辺機器1の異常の可能性を検知すると、問い合わせ指示を情報端末2へ送信する。問い合わせ指示は、少なくとも周辺機器1の異常の有無をユーザに問い合わせることを指示する制御信号である。
【0041】
情報端末2は、収集サーバ3からの問い合わせ指示に基づいて、少なくとも周辺機器1の異常の有無を情報端末2のユーザに問い合わせる問い合わせ画面を表示し、情報端末2のユーザからの回答を受け付ける。ここで、周辺機器1は情報端末2の周辺機器であるため、情報端末2のユーザは、周辺機器1の状態を把握可能な者である。問い合わせ画面の表示やユーザからの回答の受け付けは、例えば
図2に示したユーザインタフェース25により行われる。問い合わせ画面の具体例については後述する(例えば
図8等参照)。
【0042】
<周辺機器1の故障時の問い合わせに基づく異常情報の送信>
図6は、周辺機器1の故障時の問い合わせに基づく異常情報の送信の一例を示す図である。
図5に示した状態の後、情報端末2は、周辺機器1の異常が有る旨の回答をユーザから受け付けた場合に、周辺機器1の異常を示す異常情報を収集サーバ3へ送信する。
【0043】
異常情報は、単に周辺機器1に異常が有ることを示す情報であってもよいし、周辺機器1に異常が有るとユーザが回答したことを示す情報であってもよいし、ユーザによる回答内容(テキスト情報等)そのものであってもよい。
【0044】
なお、情報端末2は、周辺機器1の異常が有る旨の回答をユーザから受け付けた場合に限らず、周辺機器1の異常が無い旨の回答をユーザから受け付けた場合にも、その回答内容を示す情報を収集サーバ3へ送信してもよい。
【0045】
収集サーバ3は、情報端末2から受信した周辺機器1の異常情報と、過去に情報端末2から受信した周辺機器1の状態情報と、を学習サーバ4へ送信する。学習サーバ4は、収集サーバ3から受信した異常情報及び状態情報を、周辺機器1と同一又は類似の型の周辺機器の異常を予測する異常予測モデルの学習のための教師データとして用いる。
【0046】
なお、この例では、収集サーバ3が、周辺機器1の正常時には周辺機器1の状態情報を学習サーバ4へ送信せずに蓄積しておき、周辺機器1の故障時に、周辺機器1の異常情報とともに周辺機器1の状態情報を送信する場合について説明したが、収集サーバ3から学習サーバ4への情報の送信タイミングはこれに限らない。
【0047】
例えば、収集サーバ3は、情報端末2から状態情報や異常情報を受信する毎に、受信した状態情報や異常情報を学習サーバ4へ送信するようにしてもよい。又は、収集サーバ3は、蓄積した状態情報や異常情報を、予め定められた定期的なタイミングで学習サーバ4へ送信してもよい。
【0048】
<収集サーバ3による情報収集処理>
図7は、収集サーバ3による情報収集処理の一例を示すフローチャートである。収集サーバ3は、周辺機器1及び情報端末2について、例えば
図7に示す処理を実行する。なお、情報端末2に複数の周辺機器1が接続されている場合、収集サーバ3はその複数の周辺機器1のそれぞれについて
図7に示す処理を実行する。
【0049】
まず、収集サーバ3は、周辺機器1の状態情報を情報端末2から受信したか否かを判断する(ステップS71)。周辺機器1の状態情報を受信した場合(ステップS71:Yes)は、収集サーバ3は、受信した周辺機器1の状態情報をメモリ32に蓄積し(ステップS72)、ステップS71へ戻る。
【0050】
ステップS71において、周辺機器1の状態情報を受信していない場合(ステップS71:No)は、収集サーバ3は、現在から遡って過去の一定期間内に、情報端末2から周辺機器1の状態情報を受信したか否かを判断する(ステップS73)。例えば、収集サーバ3は、最後にステップS72を実行してから現在までの経過時間が一定期間以下であるか否かによって、ステップS73の判断を行う。一定期間内に周辺機器1の状態情報を受信している場合(ステップS73:Yes)、収集サーバ3は、ステップS71へ戻る。
【0051】
ステップS73において、一定期間内に周辺機器1の状態情報を受信していない場合(ステップS73:No)は、収集サーバ3は、問い合わせ指示を情報端末2へ送信する(ステップS74)。
【0052】
次に、収集サーバ3は、ステップS74によって送信した問い合わせ指示に対して、情報端末2から異常情報を受信したか否かを判断する(ステップS75)。異常情報は、少なくとも周辺機器1の異常を示す情報である。異常情報を受信していない場合(ステップS75:No)は、収集サーバ3は、ステップS71へ戻る。異常情報を受信した場合(ステップS75:Yes)は、収集サーバ3は、受信した異常情報をメモリ32に蓄積し(ステップS76)、ステップS71へ戻る。
【0053】
これにより、収集サーバ3は、周辺機器1の正常時に情報端末2から受信した周辺機器1の状態情報を蓄積するとともに、周辺機器1の異常時には情報端末2のユーザに対する問い合わせを情報端末2に実行させ、周辺機器1に異常が発生した旨の回答がユーザからあった場合は、周辺機器1の異常を示す異常情報を蓄積することができる。
【0054】
このように、収集サーバ3は、情報端末2に接続された周辺機器1の情報を収集することができる。また、収集サーバ3は、複数の情報端末2について同様の処理を行うことにより、複数の情報端末2に接続された各周辺機器の情報を収集することができる。
【0055】
<異常の有無の問い合わせ画面>
図8は、異常の有無の問い合わせ画面の一例を示す図である。情報端末2は、収集サーバ3から問い合わせ指示を受信した場合に、例えばユーザインタフェース25に含まれるディスプレイにより、
図8に示す問い合わせ画面80を表示する。
【0056】
問い合わせ画面80には、周辺機器1の異常の有無をユーザに問い合わせるメッセージとして「周辺機器に異常が発生しましたか?」とのメッセージが含まれる。また、問い合わせ画面80には、周辺機器1の異常の有無をユーザが選択するためのボタンとして、「はい」ボタンと「いいえ」ボタンが含まれる。
【0057】
ユーザは、問い合わせ画面80の「はい」ボタンを指示する操作を情報端末2に対して行うことで、周辺機器1に異常が有る旨の回答を行うことができる。問い合わせ画面80の「はい」ボタンを指示する操作が行われると、情報端末2は、周辺機器1に異常が有ることを示す異常情報を収集サーバ3へ送信する。また、ユーザは、問い合わせ画面80の「いいえ」ボタンを指示する操作を情報端末2に対して行うことで、周辺機器1に異常が無い旨の回答を行うことができる。
【0058】
なお、情報端末2が表示するボタンを指示する操作は、例えばユーザインタフェース25に含まれるポインティングデバイスの操作や、ユーザインタフェース25に含まれるタッチパネルのタッチ操作などにより行うことができる。
【0059】
<異常の種別の問い合わせ画面>
図9は、異常の種別の問い合わせ画面の一例を示す図である。例えば
図8に示した問い合わせ画面80の「はい」ボタンが指示する操作が行われた場合に、情報端末2は、その時点で異常情報を送信せずに、例えばユーザインタフェース25に含まれるディスプレイにより
図9に示す問い合わせ画面90を表示してもよい。
【0060】
問い合わせ画面90には、周辺機器1の異常の種別をユーザに問い合わせるメッセージとして「あてはまる異常内容を選択してください」とのメッセージが含まれる。また、問い合わせ画面90には、周辺機器1の異常の種別をユーザが選択するためのボタンとして、「読み込み・書き込みができない」ボタン、「異音がする」ボタン、「接続しても認識しない」ボタン、及び「その他」ボタンが含まれる。
【0061】
ユーザは、問い合わせ画面90のいずれかのボタンを指示する操作を情報端末2に対して行うことで、周辺機器1の異常の種別の回答を行うことができる。情報端末2は、周辺機器1の異常の種別の回答を受け付けると、その異常の種別を示す異常情報を収集サーバ3へ送信する。そして、この異常情報は、収集サーバ3から学習サーバ4へ送信される。
【0062】
これにより、学習サーバ4は、周辺機器1の異常の種別を示す異常情報を用いた学習を行うことができるため、より高性能な異常予測モデルを生成することができる。例えば、学習サーバ4は、異常の種別毎に、周辺機器1と同一又は類似の周辺機器の異常を予測可能な異常予測モデルを生成することが可能になる。
【0063】
なお、問い合わせ画面90の「その他」ボタンを指示する操作が行われた場合、情報端末2は、異常の種別として「その他」を示す異常情報を送信してもよいし、さらに別の異常の選択肢をユーザに提示して選択させ、それによって選択された異常を示す異常情報を送信してもよい。
【0064】
また、異常の種別の選択肢は、
図9に示したものに限らず、周辺機器1において発生し得る異常の中から任意に設定することができる。また、異常の種別の回答は、選択肢による回答に限らず、例えばテキスト入力による回答であってもよい。この場合、学習サーバ4は、入力されたテキスト情報をそのまま含む異常情報を送信してもよいし、入力されたテキスト情報の解析により判別した異常の種別を示す異常情報を送信してもよい。
【0065】
<異常の発生時期の問い合わせ画面>
図10は、異常の発生時期の問い合わせ画面の一例を示す図である。例えば
図8に示した問い合わせ画面80の「はい」ボタンが指示する操作が行われた場合に、情報端末2は、その時点で異常情報を送信せずに、例えばユーザインタフェース25に含まれるディスプレイにより
図10に示す問い合わせ画面100を表示してもよい。
【0066】
問い合わせ画面100には、周辺機器1の異常の発生時期をユーザに問い合わせるメッセージとして「異常が発生したのはいつ頃ですか?」とのメッセージが含まれる。また、問い合わせ画面100には、周辺機器1の異常の発生時期をユーザが選択するための入力ボックスとして、年及び月の入力ボックスが含まれる。
【0067】
ユーザは、問い合わせ画面100の年及び月の入力ボックスに周辺機器1の異常が発生した年と日を入力することで、周辺機器1の異常の発生時期の回答を行うことができる。情報端末2は、周辺機器1の異常の発生時期の回答を受け付けると、その異常の発生時期を示す異常情報を収集サーバ3へ送信する。
【0068】
これにより、学習サーバ4は、周辺機器1の異常の発生時期を示す異常情報を用いた学習を行うことができるため、より高性能な異常予測モデルを生成することができる。例えば、学習サーバ4は、周辺機器1と同一又は類似の周辺機器の異常の発生時期を高精度に予測可能な異常予測モデルを生成することが可能になる。
【0069】
また、周辺機器1の異常の発生時期の回答は、
図10に示したものに限らず、選択肢による回答であってもよい。例えば、情報端末2は、周辺機器1の異常が発生した年の選択と月の選択を受け付けるようにしてもよい。また、周辺機器1の異常の発生時期の回答は、月と年の回答に限らず、例えば日まで含めた回答としてもよい。
【0070】
また、周辺機器1の異常の発生時期の回答は、周辺機器1の異常の発生時期の直接的な回答に限らず、例えば「1ヶ月くらい前」、「1年くらい前」などの、周辺機器1の異常の発生時期の間接的な回答であってもよい。
【0071】
また、情報端末2は、例えば
図8に示した問い合わせ画面80の「はい」ボタンが指示する操作が行われた場合に、
図9に示した問い合わせ画面90及び
図10に示した問い合わせ画面100の両方を表示して、周辺機器1の異常の種別及び発生時期の回答を受け付けてもよい。
【0072】
周辺機器1の異常の有無、種別、及び発生時期の問い合わせ順序は任意である。また、これらの問い合わせが同時に行われてもよい。例えば、情報端末2は、「異常なし」、「異常あり・異音・1ヶ月くらい前」、「異常あり・異音・1年くらい前」、「異常あり・認識しない・1ヶ月くらい前」、「異常あり・認識しない・1年くらい前」、…といった選択肢の中からユーザによる選択を受け付けてもよい。
【0073】
又は、情報端末2は、「1ヶ月くらい前から異音がする」のようなテキスト情報をユーザから受け付けてもよい。情報端末2は、入力されたテキスト情報をそのまま含む異常情報を送信してもよいし、入力されたテキスト情報の解析により判別した異常の種別や発生時期を示す異常情報を送信してもよい。
【0074】
<利用状況の問い合せ画面>
図11は、利用状況の問い合せ画面の一例を示す図である。例えば
図8に示した問い合わせ画面80の「いいえ」ボタンが指示する操作が行われた場合(すなわち周辺機器1に異常が無い場合)に、情報端末2は、例えばユーザインタフェース25に含まれるディスプレイにより
図11に示す問い合わせ画面110を表示してもよい。
【0075】
問い合わせ画面110には、周辺機器1の異常が無いにもかかわらず周辺機器1の状態情報が一定期間以上取得されていないことについて、その原因となっている利用状況をユーザに問い合わせるメッセージとして「あてはまる状況を選択してください」とのメッセージが含まれる。また、問い合わせ画面110には、利用状況をユーザが選択するためのボタンとして、「現在も使用している」ボタン、「不満があったので別の周辺機器を使用している」ボタン、及び「その他」ボタンが含まれる。
【0076】
ユーザは、問い合わせ画面110のいずれかのボタンを指示する操作を情報端末2に対して行うことで、利用状況の回答を行うことができる。情報端末2は、周辺機器1の利用状況の回答を受け付けると、その利用状況を示す利用状況情報を収集サーバ3へ送信する。この利用状況情報は、例えば、収集サーバ3を運用する事業者が情報端末2のユーザに対して行うサービス(例えば代替製品の紹介等)に用いられてもよい。
【0077】
以上説明したように、情報収集システム10においては、収集サーバ3が、情報端末2から周辺機器1の状態情報を受信し、情報端末2が、所定の条件において、情報端末2のユーザへの周辺機器1の異常の有無に関する問い合わせ処理を行い、周辺機器1の異常が有る旨の回答を受け付けた場合に、周辺機器1の異常を示す異常情報を収集サーバ3へ送信する。
【0078】
これにより、周辺機器1に異常が発生したが、周辺機器1の異常に起因して収集サーバ3がその異常を認識できない場合に、情報端末2のユーザへの問い合わせによって周辺機器1の異常を示す異常情報を取得することができる。このため、周辺機器1に関する有用な情報を効率よく収集することができる。
【0079】
この場合の周辺機器1に関する有用な情報とは、周辺機器1の状態情報及び周辺機器1の異常情報の組み合わせである。すなわち、周辺機器1の異常情報があることにより周辺機器1の異常が認識され、それまでに受信した周辺機器1の状態情報を、異常が生じた周辺機器1についての異常が生じる前の状態情報として扱うことができる。
【0080】
例えば、学習サーバ4は、この状態情報を、異常が生じた周辺機器1の、異常が生じる前の状態を示す教師データとして、周辺機器1と同一又は類似の型の周辺機器の異常を予測する異常予測モデルの学習に用いることができる。
【0081】
所定の条件とは、具体的には周辺機器1の異常の可能性が検出されたことである。すなわち、収集サーバ3は、周辺機器1の異常の可能性が検出された場合に、周辺機器1の異常の有無に関する問い合わせ処理を行う。これにより、周辺機器1の異常の可能性が検出された場合にユーザに問い合わせを行うとともに、周辺機器1の異常の可能性が検出されていない場合はユーザに問い合わせを行わないことで、ユーザに煩わしさを感じさせることを回避することができる。
【0082】
例えば、所定の条件は、上記のように、周辺機器1の状態情報が所定の期間(一定期間)、情報端末2から収集サーバ3へ送信されていないことである。例えば、周辺機器1の正常時には所定の期間より短い間隔で情報端末2が収集サーバ3へ周辺機器1の状態情報を送信する場合に、周辺機器1の状態情報が所定の期間、情報端末2から収集サーバ3へ送信されていないことは、周辺機器1の異常の可能性を示す。
【0083】
<情報端末2による所定条件の判断>
図12は、情報端末2による所定条件の判断の一例を示す図である。周辺機器1の異常の可能性を検知するための所定の条件を収集サーバ3が判断する構成について説明したが、この所定の条件を情報端末2が判断する構成としてもよい。この場合、本発明の情報収集プログラムは、例えば情報端末2に適用することができる。
【0084】
例えば、
図12に示すように、周辺機器1が故障し、情報端末2が周辺機器1の状態情報を周辺機器1から取得できなくなった場合に、情報端末2は、一定期間以上、周辺機器1の状態情報を収集サーバ3へ送信していないことを検知することにより、周辺機器1の異常の可能性を検知する。そして、情報端末2は、この検知結果に基づいて、少なくとも周辺機器1の異常の有無をユーザに問い合わせる問い合わせ画面を表示し、情報端末2のユーザからの回答を受け付ける。
【0085】
その後、情報端末2は、少なくとも周辺機器1の異常が有る旨の回答をユーザから受け付けた場合に、
図6に示したように、周辺機器1の異常を示す異常情報を収集サーバ3へ送信する。
【0086】
<
図12に示した情報端末2による情報取得処理>
図13は、
図12に示した情報端末2による情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示した情報端末2は、周辺機器1について、例えば
図13に示す処理を実行する。なお、情報端末2に複数の周辺機器1が接続されている場合、情報端末2はその複数の周辺機器1のそれぞれについて
図13に示す処理を実行する。
【0087】
まず、情報端末2は、周辺機器1の状態情報の取得タイミングになったか否かを判断する(ステップS131)。取得タイミングになっていない場合(ステップS131:No)は、情報端末2は、ステップS131へ戻る。取得タイミングになった場合(ステップS131:Yes)は、情報端末2は、周辺機器1から状態情報を読み出す読み出し処理を行う(ステップS132)。
【0088】
次に、情報端末2は、ステップS132の読み出しによって周辺機器1から状態情報を読み出せたか否かを判断する(ステップS133)。状態情報を読み出せた場合(ステップS133:Yes)は、情報端末2は、読み出した周辺機器1の状態情報を収集サーバ3へ送信し(ステップS134)、ステップS131へ戻る。
【0089】
ステップS133において、状態情報を読み出せなかった場合(ステップS133:No)は、情報端末2は、一定期間以内に周辺機器1の状態情報を収集サーバ3へ送信したか否かを判断する(ステップS135)。一定期間以内に周辺機器1の状態情報を収集サーバ3へ送信した場合(ステップS135:Yes)は、情報端末2は、ステップS131へ戻る。
【0090】
ステップS135において、一定期間以内に周辺機器1の状態情報を収集サーバ3へ送信していない場合(ステップS135:No)は、情報端末2は、周辺機器1の異常の有無を情報端末2のユーザに問い合わせるための問い合わせ画面(例えば
図8の問い合わせ画面80)を表示する(ステップS136)。
【0091】
次に、情報端末2は、ステップS136によって表示した問い合わせ画面に対して、周辺機器1の異常が有る旨の回答を受け付けたか否かを判断する(ステップS137)。周辺機器1の異常が有る旨の回答を受け付けていない場合(ステップS137:No)は、情報端末2は、ステップS131へ戻る。
【0092】
ステップS137において、周辺機器1の異常が有る旨の回答を受け付けた場合(ステップS137:Yes)は、情報端末2は、周辺機器1の異常を示す異常情報を収集サーバ3へ送信し(ステップS138)、ステップS131へ戻る。
【0093】
これにより、情報端末2は、周辺機器1の正常時に周辺機器1から取得した周辺機器1の状態情報を収集サーバ3へ送信するとともに、周辺機器1の異常時には情報端末2のユーザに対する問い合わせを実行し、周辺機器1に異常が発生した旨の回答がユーザからあった場合は、周辺機器1の異常を示す異常情報を収集サーバ3へ送信することができる。
【0094】
<周辺機器1の他の例>
周辺機器1が外付けストレージである場合について説明したが、周辺機器1は外付けストレージに限らない。例えば、周辺機器1は、有線LANルータ、無線LANルータ、無線アクセスポイント等の通信機器であってもよい。又は、周辺機器1は、NAS(Network Attached Storage)であってもよい。又は、周辺機器1は、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ等の光学ドライブであってもよい。又は、周辺機器1は、キーボード、マウス、Webカメラ、ヘッドセット、プリンター等の各種の周辺機器であってもよい。
【0095】
周辺機器1が外付けストレージ以外のこれらの周辺機器であっても、周辺機器1が外付けストレージである場合と同様に、周辺機器1は正常であるが、周辺機器1が情報端末2と接続されていないことが原因で周辺機器1の状態情報が収集サーバ3に送信されないという状況が発生し得る。このため、周辺機器1の状態情報が収集サーバ3に送信されなくなっただけでは、周辺機器1に異常が発生したのか否かを判定することができない。これに対して、情報収集システム10によれば、情報端末2のユーザへの問い合わせによって周辺機器1の異常を示す異常情報を取得し、周辺機器1に関する有用な情報を効率よく収集することができる。
【0096】
<所定の期間の他の例>
周辺機器1の異常の可能性を検知するための所定の期間を一定期間とする場合について説明したが、この所定の期間は、例えば周辺機器1からの状態情報に基づいて設定されてもよい。例えば、収集サーバ3は、過去に受信した周辺機器1の状態情報に基づいて、現在の周辺機器1の状態の良好度を判定する。そして、収集サーバ3は、上記の一定期間を最短として、判定した良好度が高いほど長くなるように、所定の期間を設定する。
【0097】
これにより、周辺機器1の現在の状態が良好であり異常が発生する可能性が低い場合には、周辺機器1の異常の可能性を検知するための所定の期間を比較的長くすることができる。このため、周辺機器1の異常の可能性をより精度よく検知することができ、より適切なタイミングでユーザへの問い合わせを行うことができる。
【0098】
<所定の条件の他の例>
周辺機器1の異常の可能性を検知するための所定の条件が、周辺機器1の状態情報が所定の期間、情報端末2から収集サーバ3へ送信されていないことである場合について説明したが、所定の条件はこれに限らない。例えば、所定の条件は、現在日時が、周辺機器1の状態情報に基づいて予測された周辺機器1の異常発生時期となったことでもよい。
【0099】
例えば、収集サーバ3は、周辺機器1の状態情報に基づいて予測された周辺機器1の異常発生時期を取得する。周辺機器1の異常発生時期は、例えば、周辺機器1の異常が発生する確率が一定以上となる時期である。この異常発生時期の予測は、例えば学習サーバ4が生成した異常予測モデルを用いた方法によって行われてもよいし、異常予測モデルを用いる方法とは別の方法によって行われてもよい。また、この異常発生時期の予測は、収集サーバ3又は学習サーバ4によって行われてもよいし、他の装置によって行われてもよい。周辺機器1の異常が発生する確率が一定以上となる時期は、周辺機器1の異常が発生する確率が極めて高くなる時期に限らず、ユーザによる代替機の準備やデータの移行にかかる期間を考慮して、周辺機器1の異常が発生する確率がある程度高くなる早目の時期としてもよい。収集サーバ3は、周辺機器1の異常発生時期(予測時期)になったことを、周辺機器1の異常の可能性として検知する。
【0100】
また、周辺機器1の異常の可能性を検知するための所定の条件は、上記の各条件の組み合わせであってもよい。例えば、収集サーバ3は、周辺機器1の状態情報が所定の期間、情報端末2から収集サーバ3へ送信されておらず、かつ、周辺機器1の異常発生時期(予測時期)になったことを、周辺機器1の異常の可能性として検知してもよい。
【0101】
<問い合わせ方法の他の例>
情報端末2のユーザに対する問い合わせを画面表示によって行う構成について説明したが、情報端末2のユーザに対する問い合わせを音声等によって行う構成としてもよい。また、問い合わせに対するユーザからの回答の受付についても、音声等によって行う構成としてもよい。
【0102】
<サーバの構成の他の例>
収集サーバ3と学習サーバ4とが別々に設けられる構成について説明したが、収集サーバ3と学習サーバ4の機能を1つのサーバで実現してもよい。この場合、上記の収集サーバ3と学習サーバ4との間の通信は不要である。
【0103】
<情報収集プログラムについて>
収集サーバ3のメモリ32又は情報端末2のメモリ22に記憶される情報収集プログラムは、プログラムをコンピュータが読取可能な一時的でない(non-transitory)記憶媒体に記憶される。このような「コンピュータ読取可能な記憶媒体」は、例えば、CD-ROM(Compact Disc-ROM)等の光学媒体や、USBメモリ又はメモリカード等の磁気記憶媒体等である。また、このようなプログラムを、ネットワークを介したダウンロードによって提供することもできる。
【0104】
以上のように本明細書には以下の事項が開示されている。
【0105】
開示された情報収集システムは、機器の状態情報を取得する情報端末と、前記情報端末から前記状態情報を受信するサーバと、を含み、前記情報端末が、所定の条件において、前記情報端末のユーザへの前記機器の異常の有無に関する問い合わせ処理を行い、前記機器の異常が有る旨の回答を受け付けた場合に、前記機器の異常を示す異常情報を前記サーバへ送信するものである。
【0106】
開示された情報収集システムは、前記所定の条件が、前記機器の異常の可能性が検出されたことを含むものである。
【0107】
開示された情報収集システムは、前記所定の条件が、前記状態情報が所定の期間、前記情報端末から前記サーバへ送信されていないことを含むものである。
【0108】
開示された情報収集システムは、前記所定の期間が、前記状態情報に基づいて前記機器について設定された期間であるものである。
【0109】
開示された情報収集システムは、前記所定の条件が、前記状態情報に基づいて予測された前記機器の異常発生時期となったことを含むものである。
【0110】
開示された情報収集システムは、前記サーバが、前記所定の条件を満たすか否かを判断し、前記所定の条件を満たすと判断した場合に、前記情報端末に前記問い合わせ処理を実行させる制御を行うものである。
【0111】
開示された情報収集システムは、前記情報端末が、前記所定の条件を満たすか否かを判断し、前記所定の条件を満たすと判断した場合に、前記問い合わせ処理を実行するものである。
【0112】
開示された情報収集システムは、前記機器の異常が有る旨の回答が、前記機器の異常の種別の回答を含み、前記異常情報が、前記機器の異常の種別を示すものである。
【0113】
開示された情報収集システムは、前記機器の異常が有る旨の回答が、前記機器の異常の発生時期の回答を含み、前記異常情報が、前記機器の異常の発生時期を示すものである。
【0114】
開示された情報収集システムは、前記サーバに送信された前記状態情報及び前記異常情報が、前記機器と異なる機器を含む機器の異常予測モデルの教師データに用いられるものである。
【0115】
開示された情報収集方法は、情報端末が、機器の状態情報を前記機器から取得し、サーバが、前記情報端末から前記状態情報を受信し、前記情報端末が、所定の条件において、前記情報端末のユーザへの前記機器の異常の有無に関する問い合わせ処理を行い、前記機器の異常が有る旨の回答を受け付けた場合に、前記機器の異常を示す異常情報を前記サーバへ送信するものである。
【0116】
開示された情報収集プログラムは、機器の状態情報を前記機器から取得する情報端末と、前記情報端末から前記状態情報を受信するサーバと、を含む情報収集システムの制御プログラムであって、前記情報端末と異なる装置に、所定の条件において、前記情報端末のユーザへの前記機器の異常の有無に関する問い合わせ処理を前記情報端末に実行させ、前記機器の異常が有る旨の回答を前記情報端末が受け付けた場合に、前記機器の異常を示す異常情報を前記情報端末から前記サーバへ送信させる、制御を実行させるためのものである。
【0117】
開示された情報収集プログラムは、機器の状態情報を前記機器から取得する情報端末と、前記情報端末から前記状態情報を受信するサーバと、を含む情報収集システムの制御プログラムであって、前記情報端末に、所定の条件において、前記情報端末のユーザへの前記機器の異常の有無に関する問い合わせ処理を行い、前記機器の異常が有る旨の回答を受け付けた場合に、前記機器の異常を示す異常情報を前記サーバへ送信する、処理を実行させるためのものである。
【符号の説明】
【0118】
1 周辺機器
2 情報端末
3 収集サーバ
4 学習サーバ
9 ネットワーク
10 情報収集システム
21,31 プロセッサ
22,32 メモリ
23 周辺機器インタフェース
24,33 通信インタフェース
25 ユーザインタフェース
29,39 バス
80,90,100,110 問い合わせ画面