(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048020
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】W/O型乳化化粧料又は外用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/39 20060101AFI20230330BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20230330BHJP
A61Q 17/00 20060101ALI20230330BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
A61K8/39
A61K8/06
A61Q17/00
A61K8/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157251
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】390028897
【氏名又は名称】阪本薬品工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】梶 あおい
(72)【発明者】
【氏名】山田 武
(72)【発明者】
【氏名】浅野 悠太
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB222
4C083AB242
4C083AB332
4C083AB432
4C083AC022
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC342
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC482
4C083AC842
4C083AD152
4C083AD172
4C083BB13
4C083BB23
4C083BB46
4C083CC05
4C083CC19
4C083DD32
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】
塗布時に軽い力で伸ばすことができ、肌なじみが良く、白浮きの無いW/O型の乳化化粧料又は外用剤を提供する。
【解決手段】
イソステアリン酸ポリグリセリルとポリリシノレイン酸ポリグリセリルを用いることで上記課題を解決する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有することを特徴とするW/O型乳化化粧料又は外用剤。
成分:(A)イソステアリン酸ポリグリセリル
(B)ポリリシノレイン酸ポリグリセリル
(C)水
(D)液状油
(E)無機粉体、紫外線吸収剤からなる群より選ばれる1種以上の粉体
【請求項2】
成分(A)と成分(B)の重量比が(A)/(B)=17/3~1/4であることを特徴とする請求項1に記載のW/O型乳化化粧料又は外用剤。
【請求項3】
化粧料中の成分(A)と成分(B)の合計量が1~30重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のW/O型乳化化粧料又は外用剤。
【請求項4】
成分(A)がモノイソステアリン酸ポリグリセリル-2であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のW/O型乳化化粧料又は外用剤。
【請求項5】
成分(B)がポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のW/O型乳化化粧料又は外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、W/O型乳化化粧料又は外用剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
W/O型乳化組成物は、皮膚に塗布した際に、肌の表面で撥水性の油膜を形成し、長時間に渡って皮膚を保護することから、サンスクリーンや乳化用途において広く用いられている。サンスクリーンには、紫外線散乱剤として酸化チタンや酸化亜鉛などの無機粉体などが配合されるが、紫外線の散乱効果を高めるため配合量を多くすると皮膚に塗布した時に伸びが重くなり、また白浮き(皮膚上で白さが残る)が見られるなどの問題が生じる場合がある。
【0003】
上記課題を解決する手段として、塗布時の白浮きを防ぐW/O型乳化化粧料として、油剤にビス-(グリセリル/ラウリル)グリセリルラウリルジメチコンを用いる方法がある(特許文献1)。配合することで、白浮きが解決され洗浄性が向上することが示されているが、紫外線散乱剤などの無機粉体を配合した際の化粧料の使用感に関しては検討がなされていない。W/O型乳化物に無機粉体を配合することによる化粧料の塗布時の白浮きのなさと使用感の両立については改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、無機粉体等を含有するW/O型乳化化粧料又は外用剤について、塗布時に軽い力で伸ばすことができ、肌なじみが良く、白浮きの無い化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、顔料等の粉体を含有するW/O型乳化化粧料又は外用剤に対して、乳化剤としてイソステアリン酸ポリグリセリルとポリリシノレイン酸ポリグリセリルを用いることで、上記課題を解決し得る事を見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0007】
即ち、本発明は粉体を含有するW/O型乳化化粧料又は外用剤の乳化剤として特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを2種併用することで、使用感に優れた化粧料の調整を可能とするものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明を実施するための形態をより詳細に説明するが、本発明の範囲は、この実施形態に限定するものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で変更等が加えられた形態も本発明に属する。なお、範囲を表す表記の「~」は、上限と下限を含むものである。
【0009】
(A)成分のイソステアリン酸ポリグリセリルとは、イソステアリン酸と水酸基から算出した平均重合度が2~10、より好ましくは2~4のポリグリセリンとのエステルである。モノイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸テトラグリセリル等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用する。商品名としては、IS-201P、IS-401P(いずれも阪本薬品工業株式会社製)が挙げられる。これらの中でもIS-201P(モノイソステアリン酸ジグリセリル)を用いることが好ましい。本発明のW/O型乳化化粧料又は外用剤中の(A)成分の濃度は特に限定されないが、好ましくは0.5~3重量%含有される。
【0010】
(B)成分のポリリシノレイン酸ポリグリセリルとは、縮合リシノレイン酸と好ましくは水酸基価から算出した平均重合度2~10、より好ましくは4~6のポリグリセリンとのエステルである。商品名としては、CR-350H、CR-310、CR-500、CRS-75(阪本薬品工業株式会社製)が挙げられる。これらの中でもCRS-75(ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6)を用いることが好ましい。本発明のW/O型乳化化粧料又は外用剤中の(B)成分の濃度は特に限定されないが、好ましくは0.1~3重量%含有される。
【0011】
ここで、平均重合度は、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)である。詳しくは、下記式(1)および下記式(2)から算出される。
分子量=74n+18 ・・・(1)
水酸基価=56110(n+2)/分子量 ・・・(2)
【0012】
上記式(2)中の水酸基価とは、ポリグリセリンに含まれる水酸基数の大小の指標となる数値であり、1gのポリグリセリンに含まれる遊離ヒドロキシル基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編纂「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法、2003年度版」に準じて算出される。
【0013】
本発明のW/O型乳化化粧料又は外用剤中の(A)成分と(B)成分の重量比は、(A)/(B)が19/1~1/3の比率で含有されるのが好ましく、特に(A)/(B)が19/1~1/1の比率で使用されるのが好ましい。(A)/(B)を19/1~1/3の比率で含有すると、低粘度でかつ微細な乳化粒子のW/O型乳化組成物が得られる。
【0014】
(D)成分の液状油としては25℃で液体状態の油を指し、特に限定されないが、炭化水素、エステル油、植物油、シリコーン油等が挙げられる。
炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィン、スクワラン、スクワレン、オゾケライト、プリスタン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
エステル油としては、例えば、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-へプチルウンデシル、トリ2エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、2エチルヘキセン酸セチル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ジステアリン酸エチレングリコール、N-ラウロイルサルコシン、トリイソステアリン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノステアリン酸エチレングリコール等が挙げられる。
植物油としては、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティーツリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、シクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。
【0015】
(E)成分の無機粉体としては、特に限定されないが、例えば、マイカ、タルク、カオリン、モンモリロナイト、セリサイト、カオリナイト、炭酸カルシウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、煙霧状シリカ(超微粒子無水ケイ酸)、雲母チタン、魚鱗箔、窒化ホウ素、ホトクロミック顔料、合成フッ素金雲母、微粒子複合粉体、金、アルミニウム等の無機粉体及びこれらを表明処理により疎水化した粉体等が挙げられる。
また紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4-メトキシ-4’-t-ブチルジベンゾイルメタン等が挙げられる。
【0016】
本発明のW/O型乳化化粧料又は外用剤に用いられる水性成分としては、特に限定されないが、例えば、多価アルコールでは、エリスリトール、グリセリン、キシリトール、ジグリセリン、エタノール、ジプロピレングリコール、ソルビット、トレハロース、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリン、ポリプロピレン、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリグリセリン、マルチトール、マンニトール等を配合する事ができる。
【0017】
本発明のW/O型乳化化粧料又は外用剤に用いられる油性成分としては、特に限定されないが、例えば、高級アルコール類としてセタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ダイマージオール等が挙げられる。 またラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸等の脂肪酸類;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、もくろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等のワックス類;カカオ脂、シア脂、ヤシ油等の植物性油脂類;牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、等の動物性油脂類;鯨ロウ、ラノリン、オレンジラッフィー油等の動物性ロウ類;パルミチン酸デキストリン、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、ジステアルジモニウムヘクトライト等の油性ゲル化剤等が挙げられる。
【0018】
また、発明の効果を損なわない範囲で通常の化粧料及び外用剤に使用される成分を含有することができる。例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウムなどの塩酸塩及び硫酸塩等の無機塩類、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸等のヒドロキシ酸、多価酸と、アルカリ金属等との塩の有機塩類、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N-アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸石鹸、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、N-アシルタウリン塩等のアニオン性界面活性剤類、酢酸ベタイン型両性活性剤、イミダゾリン型両性活性剤、アルキルアミドプロピルベタイン型両性活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタイン型両性活性剤、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン型両性活性剤、アルキルジメチルアミンオキサイド等の両性活性剤類、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルポリグリコシド、アルキルアルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、アルキルアンモニウム塩、アミドアミン等のカチオン性界面活性剤、水素添加大豆リン脂質、水酸化大豆リン脂質等のレシチン誘導体類、N-アシルリジン等の有機低分子性粉体、でんぷん、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、ナイロンパウダー、ポリエチレン末等の合成高分子粉末、赤色201号、赤色202号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等の有機顔料粉体、モノラウリン酸グリセライド、モノウンデシレン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、(ジイソステアリン酸/ポリヒドロキシステアリン酸/セバシン酸)ポリグリセリル、(イソステアリン酸/コハク酸)デカグリセリル、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル等、ポリヒドロキシステアリン酸、ヒマシ油脂肪酸縮合物、1,2-ヒドロキシステアリン酸縮合物等の粉体分散剤、エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホフホン酸塩、ポリリン酸塩、グルコン酸等のキレート剤類、安息香酸塩、感光素、パラベン類、フェノキシエタノール、サリチル酸、ソルビン酸、イソプロピルメチルフェノール等の防腐剤類、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、アスコルビン酸塩誘導体等の美白剤、ビタミン類、アミノ酸類、グリチルリチン酸誘導体類、植物エキス類、香料、精油、pH調整剤等を配合する事ができる。
【0019】
本発明のW/O型乳化化粧料又は外用剤には、医薬部外品も含まれる。化粧料としては、クレンジングクリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、クレンジングリキット、洗顔クリーム、洗顔フォーム、マッサージクリーム、コールドクリーム、スキンクリーム、スキンジェル、乳液、化粧水、パック、美容液、アフターシェービングローション等のスキンケア化粧品、日焼け止め料、ボディシャンプー、石鹸、ボディローション、ボディクリーム、浴用剤、ハンドクリーム等のボディケア化粧品、ファンデーション、化粧下地、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、ほほ紅、おしろい、眉墨等のメイク化粧品、ヘアシャンプー、ヘアリンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、染毛料、整髪料等の毛髪化粧品等が挙げられる。また外用剤としては、各種軟膏や、育毛剤、歯磨き剤、消毒剤等が挙げられ、製品の形態によらず適用できる。
【実施例0020】
以下、実施例及び比較例により発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0021】
<実施例1~3、比較例1~3>
表1に示した成分と配合割合にてW/O型乳化組成物を調製し、粘度、感触を評価した。
【0022】
[W/O型乳化組成物(サンスクリーンクリーム)の調製]
まず、表1のA相を300mL容のビーカーに計量し、加温して均一化した。つぎに室温条件下でC相を添加し、ディスパーミキサー(ホモディスパー,Model2.5,プライミクス株式会社製)を用いて1000rpmで3分間撹拌した。そこにB相を攪拌速度1000rpmで5分間かけて添加し、撹拌速度を2000rpmで3分間、さらに2500rpmで1分間撹拌しW/O型乳化組成物を得た。
【0023】
[官能評価]
実施例1~3、比較例1~3のW/O型乳化組成物を健常な男女のパネラー5名の内腕部に塗布させ、塗布時に伸びの良さ、浸透感、白浮きの無さについて官能評価させた。尚、塗布時の軽い力で良く伸び、なじみやすく、白浮きの無いサンプルのスコアを5として相対評価し、5名の平均点を算出し、以下の基準により評価した。その結果を表1に示す。
(評価基準)
○:4.0点以上
△:2.0点以上4.0点未満
×:2.0点未満
【0024】
【表1】
※ポリリシノレイン酸ポリグリセリル:CRS-75(阪本薬品工業株式会社製)
モノイソステアリン酸ジグリセリル:IS-201P(阪本薬品工業株式会社製)
(イソステアリン酸/コハク酸)ポリグリセリル-10:SCIS-101(阪本薬品工業株式会社製)
【0025】
実施例のW/O型乳化組成物は塗布時に軽い力で伸ばすことができ、浸透感があって、白浮きの無い評価項目を十分に満たすものであった。一方、比較例の組成物については、不十分な評価結果であった。
【0026】
<配合実施例1>サンスクリーン
A相
イソステアリン酸ポリグリセリル-2 1.2
ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6 0.2
シクロペンタシロキサン 7.5
スクワラン 2.0
イソノナン酸イソトリデシル 1.0
ジステアルジモニウムヘクトライト/シクロペンタシロキサン/炭酸プロピレン
5.6
シリカ 0.5
B相
1,3-ブチレングリコール 6.0
エタノール 3.0
塩化ナトリウム 0.5
水 50.5
C相
(イソステアリン酸/コハク酸)ポリグリセリル-10 0.6
酸化亜鉛 8.4
イソノナン酸イソトリデシル 9.0
酸化チタン 4.0
総量 100.0
【0027】
予め分散し均一にしたC相を室温で均一にしたA相に添加し、均一にした。室温で(A+C)相に均一にしたB相を徐々に加え乳化した。配合実施例1で得られたサンスクリーンは、塗布時に軽い力で伸ばすことができ、浸透感があって、べたつきのない良好な使用感であった。
【0028】
顔料等の粉体を含有するW/O型乳化化粧料又は外用剤は、乳化剤としてイソステアリン酸ポリグリセリルとポリリシノレイン酸ポリグリセリルを用いることで、塗布時に軽い力で伸ばすことができ、肌なじみが良く、白浮きの無い使用感に優れたものであり、ファンデーション、日焼け止め化粧料、スキンケアクリーム等幅広い用途に利用が可能なものである。