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特開2023-48043包装機械、包装体生産システム及び包装機械の生産履歴情報管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048043
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】包装機械、包装体生産システム及び包装機械の生産履歴情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20230330BHJP
【FI】
B65B57/00 A
B65B57/00 D
B65B57/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157294
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 浩之
(57)【要約】
【課題】包装体に付された識別情報をバーコードリーダーや高価なOCR等の読取装置で読み取ることなく、個々の包装体の生産履歴情報を記録・記憶して、正確なトレーサビリティができるようにする。
【解決手段】縦ピロー包装機1は、縦ピロー包装機本体10と縦ピロー包装機制御部20を備え、縦ピロー包装機本体10は、個体識別情報をフィルムFiに付与する識別情報印字装置13aと、被包装品が充填されたフィルムFiにシールを施すシール手段と、シール手段がフィルムFiに施したシール条件(温度・圧力)を測定するシール条件測定手段を備え、縦ピロー包装機本体10は、製品パラメータテーブル22aが記憶する第1包装体数に基づいて、個体識別情報とシール条件を対応付けた包装体の生産履歴情報を生成する生産履歴情報生成部21dと、生産履歴情報を記憶する生産履歴情報テーブル22bとを備えている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される包材に対して被包装品を供給し、該被包装品が充填された前記包材に製袋加工を施し、前記被包装品が前記包材で包装された包装体を生産する包装機械であって、
前記包装機械は、包装機械本体と、該包装機械本体を制御する演算制御部を有する包装機械制御部を備え、
前記包装機械本体は、前記包装体毎に異なり前記包装体を識別するための記号を含む個体識別情報を前記包材に付与する個体識別情報付与手段と、前記被包装品が充填された前記包材に製袋加工を施す製袋加工手段と、該製袋加工手段が前記包材に施した製袋加工条件を測定する製袋加工条件測定手段とを備え、
前記包装機械制御部は、
前記個体識別情報付与手段が前記包材に前記個体識別情報を付与する識別情報付与位置から前記製袋加工条件測定手段が前記製袋加工条件を測定する位置までの前記包材の搬送距離に対応する前記包装体の個数を表す第1包装体数を記憶する包装体数記憶手段と、
前記包装体数記憶手段が記憶する前記第1包装体数に基づいて、前記個体識別情報付与手段が前記包材に付与する前記個体識別情報と、前記製袋加工条件測定手段が測定した前記製袋加工条件を対応付けた前記包装体の生産履歴情報を生成する生産履歴情報生成手段と、
前記生産履歴情報生成手段が生成した前記包装体の生産履歴情報を記憶する生産履歴情報記憶手段と
を備えていることを特徴とする包装機械。
【請求項2】
前記製袋加工手段は、前記包材にシールを施すシール手段を備え、
前記製袋加工条件測定手段は、前記シール手段が前記包材に施したシールにおける温度、圧力を含むシール条件を測定するシール条件測定手段を備え、
前記生産履歴情報生成手段は、前記包装体数記憶手段が記憶する第1包装体数に基づいて、前記個体識別情報と前記シール条件測定手段が測定したシール条件とを対応付けた前記包装体の生産履歴情報を生成することを特徴とする請求項1記載の包装機械。
【請求項3】
前記包装機械本体は、前記包材に前記包装体を生産した日付情報を印字する日付印字手段と、該日付印字手段が前記包材に印字した日付情報の良否を検査する日付検査手段を備え、
前記包装体数記憶手段は、前記識別情報付与位置から前記日付検査手段が前記包材に印字した日付情報の良否を検査する位置までの前記包材の搬送距離に対応する前記包装体の個数を表す第2包装体数を記憶し、
前記生産履歴情報生成手段は、前記包装体数記憶手段が記憶する第2包装体数に基づいて、前記個体識別情報と前記日付検査手段の検査結果とを対応付けた前記包装体の生産履歴情報を生成することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の包装機械。
【請求項4】
前記包装機械は、前記包装体の長さを入力する包装体長入力手段と、該包装体長入力手段から入力される前記包装体の長さに基づいて前記第1包装体数及び前記第2包装体数を算出する包装体数算出手段を備え、
前記包装体数記憶手段は、前記包装体数算出手段が算出した前記第1包装体数及び前記第2包装体数を記憶することを特徴とする請求項3記載の包装機械。
【請求項5】
前記個体識別情報は、前記包装機械本体に設けられたリセットスッチからの信号に基づいてリセットされることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載した包装機械。
【請求項6】
前記個体識別情報は、前記包装機械が生産する包装体の種類が変更されたとき、前記包装機械が包装体を生産する日付が変更されたとき、前記包装機械が包装体を生産する時刻が変更されたときのいずれかでリセットされることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載した包装機械。
【請求項7】
前記包装機械は、前記包装体1個を生産する1サイクル時間当たり前記包材が搬送される距離を測定する包材送り量測定手段を備え、前記生産履歴情報生成手段が生成した前記包装体の生産履歴情報には、前記包材送り量測定手段が測定した包材送り量が含まれることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載した包装機械。
【請求項8】
搬送される包材に対して被包装品を供給し、該被包装品が充填された前記包材に製袋加工を施し、前記被包装品が前記包材で包装された包装体を生産する包装機械と、
前記包装機械が生産した包装体を検査する包装体検査装置と、
前記包装体検査装置が検査した包装体を箱詰めする箱詰め装置と、
前記包装機械、前記検査装置及び前記箱詰め装置と通信接続された管理コンピュータと
を備えた包装体生産システムであって、
前記包装機械は、包装機械本体と、該包装機械本体を制御する演算制御部を有する包装機械制御部を備え、
前記包装機械本体は、前記包装体毎に異なり前記包装体を識別するための記号を含む個体識別情報を前記包材に付与する個体識別情報付与手段と、前記被包装品が充填された前記包材に製袋加工を施す製袋加工手段と、該製袋加工手段が前記包材に施した製袋加工条件を測定する製袋加工条件測定手段とを備え、
前記包装機械制御部は、前記個体識別情報付与手段が前記包材に前記個体識別情報を付与する識別情報付与位置から前記製袋加工条件測定手段が前記製袋加工条件を測定する位置までの前記包材の搬送距離に対応する前記包装体の個数を記憶する包装体数記憶手段を備え、
前記管理コンピュータは、
前記包装機械本体が前記包装体を排出してから前記包装体検査装置が前記包装体を検査する位置までに前記包装体が移動する第1移動時間、前記包装体検査装置が前記包装体を検査する位置から前記箱詰め装置が前記包装体の箱詰めを行う位置までに前記包装体が移動する第2移動時間を記憶する包装体移動時間記憶手段と、
前記包装体数記憶手段が記憶する前記包装体の個数及び前記包装体移動時間記憶手段が記憶する前記第1移動時間と前記第2移動時間に基づいて、前記個体識別情報付与手段が前記包材に付与する前記個体識別情報と、前記製袋加工条件測定手段が測定した前記製袋加工条件と、前記包装体検査装置の検査結果と、前記箱詰め装置により前記包装体が箱詰めされた時刻とを対応付けた前記包装体の生産履歴情報を生成する生産履歴情報生成手段と、
前記生産履歴情報生成手段が生成した前記包装体の生産履歴情報を記憶する生産履歴情報記憶手段と
を備えていることを特徴とする包装体生産システム。
【請求項9】
搬送される包材に対して被包装品を供給し、該被包装品が充填された前記包材に製袋加工を施し、前記被包装品が前記包材で包装された包装体を生産する複数の包装機械であって、前記包装機械は、包装機械本体と、該包装機械本体を制御する演算制御部を有する包装機械制御部を備え、
前記複数の包装機械の前記包装機械制御部と通信接続され、前記複数の包装機械の生産履歴情報を管理する生産履歴情報管理コンピュータ
を備えた包装機械の生産履歴情報管理システムであって、
前記複数の包装機械の前記包装機械本体は、前記包装体毎に異なり前記包装体を識別するための記号を含む個体識別情報を前記包材に付与する個体識別情報付与手段と、前記被包装品が充填された前記包材に製袋加工を施す製袋加工手段と、該製袋加工手段が前記包材に施した製袋加工条件を測定する製袋加工条件測定手段とを備え、
前記複数の包装機械の前記包装機械制御部は、前記個体識別情報付与手段が前記包材に前記個体識別情報を付与する識別情報付与位置から前記製袋加工条件測定手段が前記製袋加工条件を測定する位置までの前記包材の搬送距離に対応する前記包装体の個数を記憶する包装体数記憶手段を備え、
前記生産履歴情報管理コンピュータは、
前記複数の包装機械の各々について、前記包装体数記憶手段が記憶する前記包装体の個数に基づいて、前記個体識別情報付与手段が前記包材に付与する前記個体識別情報と、前記製袋加工条件測定手段が測定した前記製袋加工条件を対応付けた前記包装体の生産履歴情報を生成する総合生産履歴情報生成手段と、
前記生産履歴情報生成手段が生成した複数の包装機械の各々についての前記包装体の生産履歴情報を総合した総合生産履歴情報を記憶する総合生産履歴情報記憶手段と
を備えていることを特徴とする包装機械の生産履歴情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロー包装機、ラッピング包装機、上包み包装機等の包装機械における生産履歴情報の生成・記憶、管理等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品等の商品は、ピロー包装機、ラッピング包装機、上包み包装機等の包装機械で包装され、箱詰めされて出荷され、市場に流通して消費される。
この場合、商品(被包装品)を包装した包装体に不良品等が生じて市場に流通すると、不良品等を回収する必要があるが、市場に流通する個々の包装体について製造工程における製造条件等を記録した履歴があれば、その履歴を追跡することによって、不良品等の回収を迅速かつ効率よく行くことができ、その後の不良品等の低減、品質の向上につなげることができる。
このため、商品(被包装品)の包装から出荷にいたるまでの各工程における製造条件等を記録し、個々の包装体の履歴を追跡可能な状態にしておく、いわゆるトレーサビリティの重要性が高まり、それを実現するための種々の装置、システムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2009-196694号公報)には、被包装物のサイズや品種名や製品番号などの包装品種を特定し得る物品データと、被包装物の各包装処理工程における包装条件とに関して、所定の制御対象を制御するための設定値を入力するデータ入力手段と、各被包装物が各包装処理工程に至った時点の前記制御対象についての実測値を検出手段により得てその実測値を当該被包装物の包装時における現在値として前記設定値と関連付けた一包装品毎の包装品質データとして記憶する記憶手段と、その記憶手段で記憶された包装品質データを一包装品毎の品質記録としてプリントするプリント信号を出力する制御手段と、そのプリント信号を受けて品質記録書類をプリントアウトするプリンタとを備えた包装機における包装品の品質記録装置が開示されている。
この特許文献1の包装品の品質記録装置においては、物品データ(被包装物のサイズ、製品名、製品番号など)と、包装条件に関する設定値(設定フィルム長、包装能力、シールローラの設定温度、シール体の加熱設定温度等)と、被包装物の包装時における現在値(フィルム長の実測値、縦シーラの加熱温度の実測値、エンドシール手段における上下のシール体の加熱温度の実測値等)等が記憶手段に記憶される。
しかしながら、特許文献1の包装品の品質記録装置では、シール及び切断されて得られた包装品に付されたバーコード(帯状フィルムの搬送途上に、個々の包装品の単位でフィルムに直接印刷されたバーコード)を読み取って得られた固有製品情報と、物品データ、包装条件に関する設定値、上記現在値等が関連付けられて各包装品についての固有の品質記録として記憶手段に記憶されることから、バーコードに読み取りエラーが生ずると、固有製品情報と物品データ、包装条件に関する設定値、上記現在値等との関連付けができないか、誤った関連付けが行われ、正確なトレーサビリティを行うことができないという問題がある。
【0004】
この点、特許文献2(特開2008-305121号公報)には、製品に該製品の製造された製造日時または製造時刻を印字する印字装置と、前記印字装置により製造日時または製造時刻が印字された製品の生産履歴情報とその製品に印字されている製造日時または製造時刻とが関連付けて記憶される記憶装置とを備え、前記製品は、複数の生産履歴情報を有し、前記記憶装置には、製品に印字されている製造日時または製造時刻とその製品が有する複数の生産履歴情報とがそれぞれ関連付けて記憶される製品の履歴情報管理システムが開示されている。
この特許文献2の製品の履歴情報管理システムにおいては、飲料が充填された容器Pに、容器印字装置30により充填時刻T1と充填日D1を印字して容器Pを識別(特定)し、容器Pに印字された充填時刻T1・充填日D1と、その容器Pに飲料を充填したタンクの番号(仕上げタンク番号)、ロット番号、ライン番号、充填温度等の生産履歴情報が関連付けられている。
しかしながら、商品(被包装品)が包材で包装された包装体を生産する包装機械及び包装機械を含む生産システムにおいては、商品(被包装品)の包材(筒状包材等)への充填時刻は包装体に付さずに、日付・時刻等の時間情報とは異なる記号を含む識別情報を包装体に付して個々の包装体を識別(特定)することから、特許文献2の製品の履歴情報管理システムは適用できない。
【0005】
また、特許文献3(特開2013-75712号公報)には、周部に複数の搬送物保持手段を設けた回転式搬送装置を複数並べて、隣接する前記回転式搬送装置同士で搬送物を互いに受渡し連繋搬送する連繋回転式搬送設備を構成し、その連繋回転式搬送設備から搬送される搬送物に対し適用される搬送物のトレーサビリティシステムであって、前記連繋回転式搬送設備による搬送途中で搬送物夫々に個別記号を付ける印字装置を設け、前記印字装置により個別記号が付けられた各搬送物と、その搬送物を受け取った複数の前記回転式搬送装置の搬送物保持手段夫々の情報を繋げる情報連繋処理手段を設け、前記情報連繋処理手段からの連繋履歴情報をデータベース化して保存する記憶手段を設け、前記搬送物が飲料ボトルを製造するための樹脂製容器であって、前記連繋回転式搬送設備が、樹脂製容器のプリフォームをブロー成型するブロー成型装置、ブロー成型された樹脂製容器の各種検査を行なう成形ボトル検査装置、前記樹脂製容器を殺菌し洗浄する殺菌洗浄装置、前記樹脂製容器に飲料を充填する充填装置、飲料を充填された前記樹脂製容器の口にキャップを取り付けるキャップ巻締装置を夫々形成する前記回転式搬送装置である搬送物のトレーサビリティシステムが開示されている。
この特許文献3の搬送物のトレーサビリティシステにおいては、印字装置11により、樹脂製容器1からなる搬送物夫々にレーザーで印字時刻、ライン番号、製造No.等の個別記号が付けられ、情報連繋処理手段12からの連繋履歴情報をデータベース化して記憶手段13に保存し、搬送物の個別記号を基に記憶手段13から連係履歴情報を引き出し可能とし、連繋履歴情報として、ブロー成型装置3におけるプリフォーム(PFM)を把持するマンドレルの番号、搬送物を把持する全グリッパーの番号、ブローステーションの番号、プリフォーム(PFM)胴部温度、プリフォーム口部温度、成形1次エア圧力、成形2次エア圧力がデータベース化して記憶手段13に保存され、成形ボトル検査装置4における検査機グリッパーの番号、複数の空瓶検査項目がデータベース化して記憶手段13に保存され、さらに、殺菌洗浄装置5、充填装置6、キャップ巻締装置8おける殺菌用ノズル番号(No.)、洗浄用ノズル番号、充填用ノズル番号、充填量(ロードセル測定値、又は、流量計測値)、巻締装置ヘッド番号、巻締トルク等がデータベース化されて記憶手段13に記憶される。
しかしながら、商品(被包装品)が包材で包装された包装体を生産する包装機械及び包装機械を含む生産システムにおいては、連続する包材(フイルム)の搬送途中に各工程を行う装置が設けられており、特許文献3のような周部に複数の搬送物保持手段を設けた回転式搬送装置を複数並べて、隣接する回転式搬送装置同士で搬送物を互いに受渡し連繋搬送する連繋回転式搬送設備が構成されず、搬送物夫々に付された個別記号から引き出し可能な連係履歴情報をテータベース化して記憶手段に記憶することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-196694号公報
【特許文献2】特開2008-305121号公報
【特許文献3】特開2013-75712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、包装機械及び包装機械を含む生産システムで生産される包装体であって、日付・時刻等の時間情報とは異なる記号を含む識別情報により個々を識別する包装体について、包装体に付された識別情報をバーコードリーダーや高価なOCR等の読取装置で読み取ることなく、個々の包装体の生産履歴情報を記録・記憶して、正確なトレーサビリティができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、搬送される包材に対して被包装品を供給し、該被包装品が充填された前記包材に製袋加工を施し、前記被包装品が前記包材で包装された包装体を生産する包装機械であって、前記包装機械は、包装機械本体と、該包装機械本体を制御する演算制御部を有する包装機械制御部を備え、前記包装機械本体は、前記包装体毎に異なり前記包装体を識別するための記号を含む個体識別情報を前記包材に付与する個体識別情報付与手段と、前記被包装品が充填された前記包材に製袋加工を施す製袋加工手段と、該製袋加工手段が前記包材に施した製袋加工条件を測定する製袋加工条件測定手段とを備え、前記包装機械制御部は、前記個体識別情報付与手段が前記包材に前記個体識別情報を付与する識別情報付与位置から前記製袋加工条件測定手段が前記製袋加工条件を測定する位置までの前記包材の搬送距離に対応する前記包装体の個数を表す第1包装体数を記憶する包装体数記憶手段と、前記包装体数記憶手段が記憶する前記第1包装体数に基づいて、前記個体識別情報付与手段が前記包材に付与する前記個体識別情報と、前記製袋加工条件測定手段が測定した前記製袋加工条件を対応付けた前記包装体の生産履歴情報を生成する生産履歴情報生成手段と、前記生産履歴情報生成手段が生成した前記包装体の生産履歴情報を記憶する生産履歴情報記憶手段とを備えている包装機械を提供して、上記課題を解決するものである。
【0009】
請求項2の発明は、前記製袋加工手段は、前記包材にシールを施すシール手段を備え、前記製袋加工条件測定手段は、前記シール手段が前記包材に施したシールにおける温度、圧力を含むシール条件を測定するシール条件測定手段を備え、前記生産履歴情報生成手段は、前記包装体数記憶手段が記憶する第1包装体数に基づいて、前記個体識別情報と前記シール条件測定手段が測定したシール条件とを対応付けた前記包装体の生産履歴情報を生成する包装機械を提供して、上記課題を解決するものである。
【0010】
請求項3の発明は、前記包装機械本体は、前記包材に前記包装体を生産した日付情報を印字する日付印字手段と、該日付印字手段が前記包材に印字した日付情報の良否を検査する日付検査手段を備え、前記包装体数記憶手段は、前記識別情報付与位置から前記日付検査手段が前記包材に印字した日付情報の良否を検査する位置までの前記包材の搬送距離に対応する前記包装体の個数を表す第2包装体数を記憶し、前記生産履歴情報生成手段は、前記包装体数記憶手段が記憶する第2包装体数に基づいて、前記個体識別情報と前記日付検査手段の検査結果とを対応付けた前記包装体の生産履歴情報を生成する包装機械を提供して、上記課題を解決するものである。
【0011】
請求項4の発明は、前記包装機械は、前記包装体の長さを入力する包装体長入力手段と、該包装体長入力手段から入力される前記包装体の長さに基づいて前記第1包装体数及び前記第2包装体数を算出する包装体数算出手段を備え、前記包装体数記憶手段は、前記包装体数算出手段が算出した前記第1包装体数及び前記第2包装体数を記憶する包装機械を提供して、上記課題を解決するものである。
【0012】
請求項5の発明は、前記個体識別情報は、前記包装機械本体に設けられたリセットスッチからの信号に基づいてリセットされる包装機械を提供して、上記課題を解決するものである。
【0013】
請求項6の発明は、前記個体識別情報は、前記包装機械が生産する包装体の種類が変更されたとき、前記包装機械が包装体を生産する日付が変更されたとき、前記包装機械が包装体を生産する時刻が変更されたときのいずれかでリセットされる包装機械を提供して、上記課題を解決するものである。
【0014】
請求項7の発明は、前記包装機械は、前記包装体1個を生産する1サイクル時間当たり前記包材が搬送される距離を測定する包材送り量測定手段を備え、前記生産履歴情報生成手段が生成した前記包装体の生産履歴情報には、前記包材送り量測定手段が測定した包材送り量が含まれる包装機械を提供して、上記課題を解決するものである。
【0015】
請求項8の発明は、搬送される包材に対して被包装品を供給し、該被包装品が充填された前記包材に製袋加工を施し、前記被包装品が前記包材で包装された包装体を生産する包装機械と、前記包装機械が生産した包装体を検査する包装体検査装置と、前記包装体検査装置が検査した包装体を箱詰めする箱詰め装置と、前記包装機械、前記検査装置及び前記箱詰め装置と通信接続された管理コンピュータとを備えた包装体生産システムであって、前記包装機械は、包装機械本体と、該包装機械本体を制御する演算制御部を有する包装機械制御部を備え、前記包装機械本体は、前記包装体毎に異なり前記包装体を識別するための記号を含む個体識別情報を前記包材に付与する個体識別情報付与手段と、前記被包装品が充填された前記包材に製袋加工を施す製袋加工手段と、該製袋加工手段が前記包材に施した製袋加工条件を測定する製袋加工条件測定手段とを備え、前記包装機械制御部は、前記個体識別情報付与手段が前記包材に前記個体識別情報を付与する識別情報付与位置から前記製袋加工条件測定手段が前記製袋加工条件を測定する位置までの前記包材の搬送距離に対応する前記包装体の個数を記憶する包装体数記憶手段を備え、前記管理コンピュータは、前記包装機械本体が前記包装体を排出してから前記包装体検査装置が前記包装体を検査する位置までに前記包装体が移動する第1移動時間、前記包装体検査装置が前記包装体を検査する位置から前記箱詰め装置が前記包装体の箱詰めを行う位置までに前記包装体が移動する第2移動時間を記憶する包装体移動時間記憶手段と、前記包装体数記憶手段が記憶する前記包装体の個数及び前記包装体移動時間記憶手段が記憶する前記第1移動時間と前記第2移動時間に基づいて、前記個体識別情報付与手段が前記包材に付与する前記個体識別情報と、前記製袋加工条件測定手段が測定した前記製袋加工条件と、前記包装体検査装置の検査結果と、前記箱詰め装置により前記包装体が箱詰めされた時刻とを対応付けた前記包装体の生産履歴情報を生成する生産履歴情報生成手段と、前記生産履歴情報生成手段が生成した前記包装体の生産履歴情報を記憶する生産履歴情報記憶手段とを備えている包装体生産システムを提供して、上記課題を解決するものである。
【0016】
請求項9の発明は、搬送される包材に対して被包装品を供給し、該被包装品が充填された前記包材に製袋加工を施し、前記被包装品が前記包材で包装された包装体を生産する複数の包装機械であって、前記包装機械は、包装機械本体と、該包装機械本体を制御する演算制御部を有する包装機械制御部を備え、前記複数の包装機械の前記包装機械制御部と通信接続され、前記複数の包装機械の生産履歴情報を管理する生産履歴情報管理コンピュータを備えた包装機械の生産履歴情報管理システムであって、前記複数の包装機械の前記包装機械本体は、前記包装体毎に異なり前記包装体を識別するための記号を含む個体識別情報を前記包材に付与する個体識別情報付与手段と、前記被包装品が充填された前記包材に製袋加工を施す製袋加工手段と、該製袋加工手段が前記包材に施した製袋加工条件を測定する製袋加工条件測定手段とを備え、前記複数の包装機械の前記包装機械制御部は、前記個体識別情報付与手段が前記包材に前記個体識別情報を付与する識別情報付与位置から前記製袋加工条件測定手段が前記製袋加工条件を測定する位置までの前記包材の搬送距離に対応する前記包装体の個数を記憶する包装体数記憶手段を備え、前記生産履歴情報管理コンピュータは、前記複数の包装機械の各々について、前記包装体数記憶手段が記憶する前記包装体の個数に基づいて、前記個体識別情報付与手段が前記包材に付与する前記個体識別情報と、前記製袋加工条件測定手段が測定した前記製袋加工条件を対応付けた前記包装体の生産履歴情報を生成する総合生産履歴情報生成手段と、前記総合生産履歴情報生成手段が生成した複数の包装機械の各々についての前記包装体の生産履歴情報を総合した総合生産履歴情報を記憶する総合生産履歴情報記憶手段とを備えている包装機械の生産履歴情報管理システムを提供して、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明の包装機械においては、生産履歴情報生成手段が、包装体数記憶手段に記憶された第1包装体数に基づいて、個体識別情報付与手段が包材に付与した個体識別情報と製袋加工条件測定手段が測定した製袋加工条件を対応付けた包装体の生産履歴情報を生成し記憶することから、包装体に付された個体識別情報をバーコードリーダーや高価なOCR等の読取装置で読み取ることなく、個々の包装体の生産履歴情報を記録・記憶して、正確なトレーサビリティができるという効果を奏する。
【0018】
請求項2に記載の発明の包装機械においては、さらに、生産履歴情報生成手段が生成する生産履歴情報に、包材に施したシールにおける温度、圧力を含むシール条件が含まれ、包装体のシール条件のトレーサビリティができるという効果を奏する。
【0019】
請求項3に記載の発明の包装機械においては、さらに、生産履歴情報生成手段が、包装体数記憶手段が記憶する第2包装体数に基づいて、個体識別情報と日付検査手段の検査結果とを対応付けた包装体の生産履歴情報を生成し、包装体の日付検査結果のトレーサビリティができるという効果を奏する。
【0020】
請求項4に記載の発明の包装機械においては、さらに、包装体数算出手段が第1包装体数及び第2包装体数を算出し、正確な第1包装体数と第2包装体数が包装体数記憶手段に記憶されるという効果を奏する。
【0021】
請求項5に記載の発明の包装機械においては、さらに、個体識別情報をリセットする作業者の手間が省かれると共に個体識別情報のリセットミスが防止されるという効果を奏する。
【0022】
請求項6に記載の発明の包装機械においては、さらに、個体識別情報をリセットする作業者の手間が省かれると共に個体識別情報のリセットミスが防止され、個体識別情報のリセットが的確なタイミングで行われるという効果を奏する。
【0023】
請求項7に記載の発明の包装機械においては、さらに、生産履歴情報生成手段が生成する生産履歴情報、包材送り量が含まれ包装体の長さ(袋長さ)のトレーサビリティができるというという効果を奏する。
【0024】
請求項8に記載の発明の包装体生産システムにおいては、生産履歴情報生成手段が、包装体数記憶手段に記憶された包装体数と、包装体移動時間記憶手段に記憶された第1移動時間と前記第2移動時間に基づいて、個体識別情報付与手段が包材に付与した個体識別情報と製袋加工条件測定手段が測定した製袋加工条件、包装体検査装置の検査結果、包装体が箱詰めされた時刻を対応付けた包装体の生産履歴情報を生成し記憶することから、包装体に付された個体識別情報をバーコードリーダーや高価なOCR等の読取装置で読み取ることなく、個々の包装体の生産ラインの生産履歴情報を記録・記憶して、正確なトレーサビリティができるという効果を奏する。
【0025】
請求項9に記載の発明の包装機械の生産履歴情報管理システムにおいては、総合生産履歴情報生成手段が、複数の包装機械の各々について、包装体数記憶手段が記憶する包装体の個数に基づいて、個体識別情報付与手段が包材に付与する個体識別情報と、製袋加工条件測定手段が測定した製袋加工条件を対応付けた包装体の生産履歴情報を生成し記憶することから、複数の包装機械が生産する包装体に付された個体識別情報をバーコードリーダーや高価なOCR等の読取装置で読み取ることなく、複数の包装機械が生産する個々の包装体の生産履歴情報を記録・記憶して、正確なトレーサビリティができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の包装機械が縦ピロー包装機である場合の構成を表した構成図である。
図2図1に示す縦ピロー包装機本体の全体構成を表した斜視図である。
図3】縦ピロー包装機1の制御部の構成を示すブロック図である。
図4】製品パラメータテーブル22aの構成を説明する説明図である。
図5】生産履歴情報生成部21dが生成した生産履歴情報を記憶した生産履歴情報テーブル22bの構成を説明する説明図である。
図6】縦ピロー包装機1が1個の包装体Pcを生産する1サイクルにおける各装置の動作タイミングを示したタイミングチャートである。
図7】本発明の包装生産システムが適用される包装体生産ラインの外観構成を示した平面図である。
図8図7の包装体生産ラインにおける包装生産システムの構成を示すブロック図である。
図9】包装体移動時間テーブル52aの構成を説明する説明図である。
図10】生産履歴情報テーブル52bの第2生産履歴情報が記憶された部分の構成を説明する説明図である。
図11】包装機械の生産履歴情報管理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[包装機械(縦ピロー包装機)の構成]
図1は、本発明の包装機械が縦ピロー包装機である場合の構成を表した構成図であって、縦ピロー包装機本体の概略右側面図に制御部分のブロックを組み合わせた図であり、図2は、図1に示す縦ピロー包装機本体の全体構成を表した斜視図である。
図中、1は縦ピロー包装機、10は縦ピロー包装機本体、11はフィルム(包材)供給部、12は張力調整部、12aは回動アーム、12bは固定ローラ、13は識別情報・日付印字部、13aは識別情報印字装置、13bは日付印字装置、13cは日付検査装置、13dは昇降ローラ、14は被包装品供給部、14aはホッパー、14bは充填筒、15は製筒部、15aは製筒器(フォーマ)、15bは押さえ部材、15cはスライドローラ、16はフィルム送り部、16aはプーリー、16bは送りベルト、16cは測長器、16c1は測長コロ、16c2は測長器ロータリーエンコーダ、16Mはフィルム送り用サーボモータ、17は縦シール部、17a、17bは縦シールブロック、17pは縦シールブロック圧力センサ、17t1、17t2は縦シールブロック温度センサ、18は横シール・切断部、18a、18bは横シールブロック、18pは横シールブロック圧力センサ、18t1、18t2は横シールブロック上側温度センサ、18t3、18t4は横シールブロック下側温度センサ、19は包装体排出部、19aはベルトコンベア、20は縦ピロー包装機制御部、30は操作パネル、CLは通信回線、Fiはフィルム(包材)、grはガイドローラ、MFは巻取りフィルム、Pcは包装体、TFiは筒状フィルム(筒状包材)、tsは縦シール部分、ysは横シール部分であり、図1においては、フィルム部分を二点鎖線で表す。
縦ピロー包装機1は、巻取りフィルムMFからフィルムFiを繰り出して被包装品を包装した包装体Pcを生産する縦ピロー包装機本体10と、縦ピロー包装機本体10の動作を制御する縦ピロー包装機制御部20と、縦ピロー包装機本体10を操作する操作パネル30から構成される。
【0028】
縦ピロー包装機本体10は、フィルム(包材)供給部11、張力調整部12、識別情報・日付印字部13、被包装品供給部14、製筒部15、フィルム送り部16、縦シール部17、横シール・切断部18、包装体排出部19等から構成され、製筒部15、フィルム送り部16、縦シール部17及び横シール・切断部18により本発明の製袋加工手段が構成される。
フィルム(包材)供給部11は、巻取りフィルムMFを保持する巻取り包材供給装置(図示せず)等を備え、巻取りフィルムMFからフィルム(包材)Fiを繰り出す。
張力調整部12は、一対の回動アーム12a、回動アーム12aに回転自在に保持されたダンサローラ、固定ローラ12b、回転ロッド等から構成され、回動アーム12aが回動してフィルム(包材)Fiが調整される。
識別情報・日付印字部13は、識別情報印字装置13a、日付印字装置13b、日付検査装置13c、昇降ローラ13d等を備えている。
識別情報印字装置13aは、本発明の個体識別情報付与手段となるもので、縦ピロー包装機1が生産する包装体を識別するための個体識別情報(詳細は後述する)をフィルムFiに印字する。
日付印字装置13bは、包装体の製造年月日、被包装物の消費期限や賞味期限等の日付情報をフィルムFiに印字し、日付検査装置13cは、日付印字装置13bが印字した日付情報の良否を検査する。
昇降ローラ13dは、移動機構(図示せず)により上下方向に移動可能となっており、識別情報印字装置13aや日付印字装置13bの印字位置の調整を行う。
なお、本実施形態では、識別情報印字装置13aと日付印字装置13bは別装置となっているが、識別情報の印字と日付情報の印字を同じ印字装置で行ってもよく、その場合は、識別情報印字装置13aまたは日付印字装置13bの位置に識別情報と日付情報を印字する印字装置が設置される。
【0029】
被包装品供給部14は、上部がホッパー14aとなっている充填筒14b、被包装品投入装置(図示せず)等を備え、被包装品投入装置より投入されるスナック菓子等の被包装品をホッパー14aで受けて充填筒14bに充填する。
製筒部15は、製筒器15a、押さえ部材15b、スライドローラ15c等を備え、フィルム供給部11より繰り出されて識別情報・日付印字部13で個体識別情報と日付情報が印字されたフィルムFiを、スライドローラ15cで案内し、製筒器15aで筒状に成形して押さえ部材15bにより充填筒14b外周面に押し付ける。
フィルム送り部16は、プーリー16a、送りベルト16b、測長器16c、フィルム送り用サーボモータ16M等を備えている、
プーリー16aと送りベルト16b等は、一対のフィルム送り機構を形成して、充填筒14bの両側に配置され、フィルム送り用サーボモータ16Mがプーリー16aを回転させて送りベルト16bを移動させ、充填筒14bの外周面を包んでいるフィルムFiを、一定の長さだけ下方に送る。
測長器16cは、測長コロ16c1と測長器ロータリーエンコーダ16c2を備え、測長コロ16c1は、フィルムFiを介して充填筒14bに押し付けられるように取り付けられ、フィルムFiが下方に送られると測長コロ16c1が回転し、その回転数を測長器ロータリーエンコーダ16c2で検出してフィルムFiの送り量を測定する。
【0030】
縦シール部17は、縦シールブロック17a、17b、開閉機構(図示せず)、縦シールブロック用サーボモータ等を備えている。
縦シールブロック17a、17bは、ヒータ(図示せず)、縦シールブロック温度センサ17t1、17t2を備え、縦シールブロック17aは、縦シールブロック圧力センサ17pを備え、縦シールブロック用サーボモータが開閉機構を動作させ、縦シールブロック17a、17bを開閉させ、充填筒14bの外周面を包んで重ね合わされたフィルムFiの両端部分に縦シールを施して縦シール部分tsを形成する。
このとき、縦シールブロック温度センサ17t1、17t2が縦シール温度を測定し、縦シールブロック圧力センサ17pが縦シール圧を測定する。
横シール・切断部18は、一対の横シールブロック18a、18b、開閉機構(図示せず)、横シールブロック用サーボモータ等を備えている。
横シールブロック18a、18bは、ヒータ(図示せず)、横シールブロック上側温度センサ18t1、18t2、横シールブロック下側温度センサ18t3、18t4を備え、横シールブロック18aは、横シールブロック圧力センサ18pを備え、横シールブロック用サーボモータが開閉機構を動作させ、横シールブロック18a、18bを開閉させ、被包装品が充填された縦シール済の筒状フィルムTFiに対して、横シールを施して横シール部分ysを形成し、横シール部分ysの中央部を切断し、被包装品が詰め込まれた包装体Pcを生成する。
このとき、横シールブロック上側温度センサ18t1、18t2が上側横シール温度を測定し、横シールブロック下側温度センサ18t3、18t4が下側横シール温度を測定し、横シールブロック圧力センサ18pが横シール圧を測定する。
包装体排出部19は、ベルトコンベア19a等を備え、包装体Pcをベルトコンベア19aにより排出する。
そして、測長器16c、縦シールブロック圧力センサ17p、縦シールブロック温度センサ17t1、17t2、横シールブロック圧力センサ18p、横シールブロック上側温度センサ18t1、18t2、横シールブロック下側温度センサ18t3、18t4は、本発明の製袋加工条件測定手段となる。
なお、本実施形態では、縦シールブロック圧力センサ17pが縦シール圧を測定し、横シールブロック圧力センサ18pが横シール圧を測定しているが、縦シールブロック圧力センサ17pに代えて、縦シールブロック17a、17bを閉じたときの縦シールブロック用サーボモータの電流値を測定してそれから縦シール圧を算出してもよく、また、横シールブロック圧力センサ18pに代えて、横シールブロック18a、18bを閉じたときの横シールブロック用サーボモータの電流値を測定してそれから横シール圧を算出してもよい。
また、横シールブロック18aが備える横シールブロック上側温度センサ18t1と横シールブロック下側温度センサ18t3に代えて、横シールブロック18aの上下方向の中央部に温度センサを取り付け、横シールブロック18bが備える横シールブロック上側温度センサ18t2と横シールブロック下側温度センサ18t4に代えて、横シールブロック18bの上下方向中央部に温度センサを取り付け、この横シールブロック18a、18bの上下方向中央部に温度センサにより、上側横シール温度と下側横シール温度を測定しもよい(この場合、上側横シール温度と下側横シール温度は同じになる)。
【0031】
[縦ピロー包装機1の制御部の構成]
図3は、縦ピロー包装機1の制御部の構成を示すブロック図であり、図において、17Mは縦シールブロック用サーボモータ、18Mは横シールブロック用サーボモータ、21は演算制御部、21aは駆動機器動作制御部、21bは印字制御部、21cは検査制御部、21dは生産履歴情報生成部、22は記憶部、22aは製品パラメータテーブル、22bは生産履歴情報テーブル、31はコンピュータ、31aは包装体数算出部、33は送受信部、34は入力表示部である。
縦ピロー包装機制御部20は、演算制御部21、記憶部22及び送受信部23を備え、送受信部23と操作パネル30とは通信回線CLにより接続されている。
演算制御部21は、駆動機器動作制御部21a、印字制御部21b、検査制御部21c及び生産履歴情報生成部21dを備えると共に、縦ピロー包装機制御部20を統括的に制御する。
駆動機器動作制御部21aは、操作パネル30で設定された製品について、記憶部22の製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータ、または、送受信部23から送られてくるパラメータに基づいて、縦ピロー包装機本体10の駆動機器、例えば、フィルム送り用サーボモータ16M、縦シールブロック用サーボモータ17M、横シールブロック用サーボモータ18Mの動作を制御する。
印字制御部21bは、識別情報印字装置13aと日付印字装置13bがフィルムFiに印字する印字タイミング等を制御する。
検査制御部21cは、日付検査装置13cや&#22169;み込み検査装置(図示せず)等の検査装置を検査タイミング等を制御する。
生産履歴情報生成部21dは、記憶部22の製品パラメータテーブル22aに記憶(登録)された第1包装体数(詳細は後述する)に基づいて、識別情報印字装置13aがフィルムFiに印字する個体識別情報と、各製袋加工条件測定手段(測長器16c、縦シールブロック圧力センサ17p、縦シールブロック温度センサ17t1、17t2、横シールブロック圧力センサ18p、横シールブロック上側温度センサ18t1、18t2、横シールブロック下側温度センサ18t3、18t4等)が測定した製袋加工条件(フィルムFiの送り量、縦シール圧、縦シール温度、横シール圧、上側横シール温度、下側横シール温度等)等とを対応付けた包装体Pcの生産履歴情報を生成する。
【0032】
記憶部22は、製品パラメータテーブル22a、生産履歴情報テーブル22bを備えている。
図4は、製品パラメータテーブル22aの構成を説明する説明図であり、図4(a)は、駆動機器動作制御部21aに与えるパラメータの一部を表し、図4(b)は、生産履歴情報生成部21dに与えるパラメータのうちの包装体数を表している。
製品パラメータテーブル22aには、No.、製品名、生産能力、袋長さ、折り径、シール条件としてのヒータ温度(縦、縦予熱、横前、横後)、圧力、時間等が登録されている。
No.は、縦ピロー包装機1(縦ピロー包装機本体10)が生産を行う製品を特定する番号であり、01~99まで用意されている。
No.と製品名は、操作パネル30の入力表示部34に表示される製品名登録画面から入力され、送受信部33から通信回線CLを介して送受信部23に送信され、送受信部23で受信されて演算制御部21で処理されて記憶部22の製品パラメータテーブル22aに登録される。
図4(a)に示す生産能力、袋長さ、折り径、ヒータ温度(縦、縦予熱、横前、横後)、圧力、時間等の数値は、縦ピロー包装機本体10の駆動機器(サーボモータ、ヒータ等)を動作させるための条件を示す値となるパラメータ、すなわち制御情報である。
図4(a)において、「生産能力」のパラメータは、1分間に生産される袋の個数を意味し、「袋長さ」のパラメータは、1袋の長さ(mm)を意味し、「ヒータ温度・縦」のパラメータは、縦ヒータ(縦シールブロック17a、17b)の温度(℃)を意味し、「ヒータ温度・横前」のパラメータは、上側の横ヒータ(横シールブロック18a、18bの上側)の温度(℃)を意味し、「ヒータ温度・横後」のパラメータは、下側の横ヒータ(横シールブロック18a、18bの下側)の温度(℃)を意味し、「圧力・縦」のパラメータは、縦シール圧(縦シールブロック17a、17bの押付力)(kgf)を意味し、「圧力・横」のパラメータは、横シール圧(横シールブロック18a、18bの押付力)(kgf)を意味し、「時間・縦」のパラメータは、縦シール時間(縦シールブロック17a、17bのシール時間)(秒)を意味し、「時間・横」のパラメータは、横シール時間(横シールブロック18a、18bのシール時間)(秒)を意味する。
パラメータ(制御情報)は、操作パネル30の入力表示部34に表示される各種パラメータ設定画面、例えば、生産能力・袋仕様設定画面、ヒータの温度設定画面、シール圧力・時間設定画面から入力され、送受信部33から通信回線CLを介して送受信部23に送信され、送受信部23で受信されて演算処理部21で処理されて記憶部22の製品パラメータテーブル22aに登録される。
そして、上述のように駆動機器動作制御部21aが、製品パラメータテーブル22aに登録された01~99までのNo.(登録番号)から指定されたNo.のパラメータに基づいて、縦ピロー包装機本体10の駆動機器(フィルム送り用サーボモータ16M、縦シールブロック用サーボモータ17M、横シールブロック用サーボモータ18M、縦シール部17や横シール・切断部18の各種ヒータ等)の動作を制御する。
なお、図4(a)では、「圧力・縦」のパラメータ(縦シール圧)と「圧力・横」のパラメータ(横シール圧)は、kgfで表した数値となっているが、N(ニュートン)で表した数値であってもよい。
【0033】
また、製品パラメータテーブル22aには、図4(b)に示すように、生産履歴情報生成部21dに与えるパラメータのうちの包装体数が記憶(登録)され、包装体数は、第1包装体数と第2包装体数である。
第1包装体数のうち、「フィルム送り量測定位置」は、識別情報印字装置13aがフィルムFiに個体識別情報を印字する位置(以下「個体識別情報印字位置」)から、測長器16cがフィルムFiの送り量を測定する位置までのフィルムFiの搬送距離に対応する包装体Pcの数(以下「搬送距離対応包装体数」という。)を表し、「縦シール圧測定位置」は、個体識別情報印字位置から縦シールブロック圧力センサ17pが縦シール圧を測定する位置までの搬送距離対応包装体数を表し、「縦シール温度測定位置」は、個体識別情報印字位置から縦シールブロック温度センサ17t1、17t2が縦シール温度を測定する位置までを搬送距離対応包装体数を表し、「横シール圧測定位置」は、個体識別情報印字位置から横シールブロック圧力センサ18pが横シール圧を測定する位置までの搬送距離対応包装体数を表し、「上側横シール温度測定位置」は、横シールブロック上側温度センサ18t1、18t2が上側横シール温度を測定する位置までの搬送距離対応包装体数を表し、「下側横シール温度測定位置」は、横シールブロック下側温度センサ18t3、18t4が下側横シール温度を測定する位置までの搬送距離対応包装体数を表す。
第2包装体数は、個体識別情報印字位置から日付検査装置13cがフィルムFiに印字された日付情報の良否を検査する位置までの搬送距離対応包装体数を表す。
この製品パラメータテーブル22aに記憶された第1包装体数と第2包装体数は、操作パネル30のコンピュータ31の包装体数算出部31aが算出したもの、あるいは、操作パネル30の入力表示部34から入力されたものである。
【0034】
図5は、生産履歴情報生成部21dが生成した生産履歴情報を記憶した生産履歴情報テーブル22bの構成を説明する説明図である。
図5に示すように、生産履歴情報テーブル22bにおいては、識別情報印字装置13aがフィルムFiに印字した個体識別情報に、フィルム送り量、縦シール圧、縦シール温度、縦シール時間、横シール圧、上側横シール温度、下側横シール温度、上側横シール時間、下側横シール時間、日付検査結果等が対応付けられて記憶されている。
個体識別情報は、記号である12桁の英数字からなり、最初の英字(図5では「A」)は生産工場を識別する記号を表し、次の3桁の数字(図5では「001」)は縦ピロー包装機1を識別する機械番号を表し、次の2桁の数字(図5では「01」)は、製品パラメータテーブル22aの「No.」を表し、次の6桁の数字(図5では「000001」等)は、個々の包装体Pcを識別する連続番号である。
フィルム送り量は、測長器16cが測定したフィルムFiの送り量であり、縦シール圧は、縦シールブロック圧力センサ17pが測定した圧力(kgf)であり、縦シール温度は、縦シールブロック温度センサ17t1、17t2が測定した温度(℃)の平均値であり、縦シール時間は、縦シールブロック17a、17bが閉じている時間(秒)、すなわち、縦シールブロック圧力センサ17pが圧力を検出している時間であり、横シール圧は、横シールブロック圧力センサ18pが測定した圧力(kgf)であり、上側横シール温度は、横シールブロック上側温度センサ18t1、18t2が測定した温度(℃)の平均値であり、下側横シール温度は、横シールブロック下側温度センサ18t3、18t4が測定した温度(℃)の平均値であり、上側横シール時間と下側横シール時間は、横シールブロック18a、18bが閉じている時間(秒)、すなわち、横シールブロック圧力センサ18pが圧力を検出している時間であり、日付検査結果は、日付検査装置13cによる日付情報の良否の検査結果であり、「11」が良、「12」が不良である。
図5においては、「A」工場の機械番号「001」の包装機械で生産されたNo.「01」(製品名「AAAA」)の包装体、No.「02」(製品名「BBBB」)の包装体、No.「03」(製品名「CCCC」)の包装体について、各々最初の3個の包装体の生産履歴情報が示されている。
【0035】
操作パネル30は、コンピュータ31、送受信部33及び入力表示部34を備えている。
コンピュータ31は、包装体数算出部31aを備えた演算処理部や記憶部(図示せず)を備え、縦ピロー包装機本体10に対応した専用のプログラムが組み込まれ、各種処理を行うと共に操作パネル30を統括的に制御する。
包装体数算出部31aは、入力表示部34に表示される製品情報入力画面から入力され製品パラメータテーブル22aに登録されている包装体の長さ(袋長さ)に基づいて、製品パラメータテーブル22aに登録(記憶)される第1包装体数と第2包装体数を算出する。
送受信部33は、コンピュータ31から送られてくる各種データ(包装体数算出部31aが算出する第1包装体数と第2包装体数を含む)を通信回線CLを介して縦ピロー包装機制御部20の送受信部23に送信し、送受信部23から通信回線CLを介して送信される各種データを受信してコンピュータ31に送る。
入力表示部34は、タッチパネル式の表示画面を有し、コンピュータ31に組み込まれた専用プログラムによって作成された各種画面を表示する。
入力表示部34に表示される画面には、例えば、縦ピロー包装機本体10が生産を行うための基本情報(製品名、生産能力、袋長さ、出来高、ヒータ温度等)を表示した基本画面、縦ピロー包装機本体10が生産する製品を切り換えるための製品切換画面、縦シール部17と横シール・切断部18のヒータ温度の設定や変更を行うためのヒータの温度設定変更画面、目次画面、製品パラメータテーブル22aに登録される包材(フィルム)条件(袋長さ、折り径等)、第1包装体数、第2包装体数を入力するための製品情報入力画面がある。
【0036】
ここで、包装体数算出部31aによる第1包装体数と第2包装体数の算出について説明する。
今、個体識別情報印字位置から測長器16cがフィルムFiの送り量を測定する位置までのフィルムFiの搬送距離をL1a、個体識別情報印字位置から縦シールブロック圧力センサ17pが縦シール圧を測定する位置までの搬送距離をL1b、個体識別情報印字位置から縦シールブロック温度センサ17t1、17t2が縦シール温度を測定する位置までを搬送距離をL1c、個体識別情報印字位置から横シールブロック圧力センサ18pが横シール圧を測定する位置までの搬送距離をL1d、横シールブロック上側温度センサ18t1、18t2が上側横シール温度を測定する位置までの搬送距離をL1e、横シールブロック下側温度センサ18t3、18t4が下側横シール温度を測定する位置までの搬送距離をL1fとする。
搬送距離L1a、L1b、L1c、L1d、L1e、L1fは、昇降ローラ13dとスライドローラ15cの位置によって定まることから、予め昇降ローラ13dとスライドローラ15cの位置に対応した搬送距離L1a、L1b、L1c、L1d、L1e、L1fを操作パネル30のコンピュータ31の記憶部等に記憶しておく。
また、昇降ローラ13dとスライドローラ15cの位置は、縦ピロー包装機1が生産を行う製品の種類(製品パラメータテーブル22aに登録された「No.」)毎に設定され、製品パラメータテーブル22a等に登録(記憶)される。
これより、包装体数算出部31aは、縦ピロー包装機1が生産する製品について、コンピュータ31の記憶部等に記憶された製品の種類の種類に対応する搬送距離L1a、L1b、L1c、L1d、L1e、L1fを特定し、特定した搬送距離L1a、L1b、L1c、L1d、L1e、L1fを、製品パラメータテーブル22aに登録されている包装体の長さ(袋長さ)PLで割って、第1包装体数の各搬送距離対応包装体数を算出する。
また、個体識別情報印字位置から日付検査装置13cがフィルムFiに印字された日付情報の良否を検査する位置での搬送距離L2は、識別情報印字装置13aと日付検査装置13cの取付位置により定まる固定の距離であることから、予め搬送距離L2を操作パネル30のコンピュータ31の記憶部等に記憶しておく。
これより、包装体数算出部31aは、コンピュータ31の記憶部等に記憶された搬送距離L2を、製品パラメータテーブル22aに登録されている包装体の長さ(袋長さ)PLで割って、第2包装体数を算出する。
【0037】
[生産履歴情報の生成・記憶]
次に、識別情報印字装置13aがフィルムFiに印字する個体識別情報と、製袋加工条件測定手段等が測定等する製袋加工条件等を対応付けた生産履歴情報を生成し、生産履歴情報テーブル22bに記憶する動作を説明する。
図6は、縦ピロー包装機1が1個の包装体Pcを生産する1サイクルにおける各装置(識別情報印字装置13a等)の動作タイミングを示したタイミングチャートであり、包装体Pcが、No.「01」(製品名「AAAA」)の包装体の例を示している。
図6において、上部に示す目盛りは、1サイクル(=0.75秒)を100分割したサイクル時間を示し、TC1は、識別情報印字装置13aがフィルムFiに印字するタイミングチャートを示し、TC2は、日付印字装置13bがフィルムFiに印字するタイミングチャートを示し、TC3は、日付検査装置13cがフィルムFiに印字された日付を検査するタイミングチャートを示し、TC4は、フィルム送り部16がフィルムFiを送るタイミングチャートを示し、TC5は、縦シールブロック17a、17bがフィルムFiに縦シールを施すタイミングチャートを示し、TC6は、横シールブロック18a、18bがフィルムFiに横シールを施すタイミングチャートを示し、t0~t11は、1サイクル中の経過時間を示している。
縦ピロー包装機1が1サイクルの動作を開始する前に、縦ピロー包装機制御部20の印字制御部21bが、生産履歴情報テーブル22bに登録された情報等に基づき、縦ピロー包装機本体10の識別情報印字装置13aが印字する個体識別情報のうち上6桁の情報(生産工場を識別する記号、機械番号、No.)を与える。
【0038】
1サイクルがスタートすると、フィルム送り部16において、フィルム送り用サーボモータ16Mが動作し、フィルムFiを包装体の長さ(袋長さ)分だけ送る(TC4、時間t0~t7)。
このとき、測長器16cが動作し、フィルムFiの送り量を測定して測定値を縦ピロー包装機制御部20に送る。
フィルム送り部16によりフィルムFiが送られている間に、印字制御部21bからの指令に基づき、識別情報印字装置13aがフィルムFiに個別識別情報を印字し(TC1、時間t1~t2)、日付印字装置13bがフィルムFiに日付情報を印字し(TC2、時間t3~t4)、検査制御部21cからの指令に基づき、日付検査装置13cがフィルムFiに印字された日付を検査する(TC3、時間t5~t6)。
このとき、識別情報印字装置13aは、個体識別情報のうち下6桁の情報(連続番号)を自動発生させて、先に印字制御部21bから送られ上6桁の情報に付加した12桁の個体識別情報を印字すると共に、印字した個体識別情報を縦ピロー包装機制御部20に送る。
これにより、識別情報印字装置13aは、1サイクル毎に、下6桁の数字が連続して異なる個体識別情報をフィルムFiに印字し、包装体Pcには包装体毎に異なる個体識別情報が付与される。
また、日付検査装置13cは、日付情報の良否の検査結果を縦ピロー包装機制御部20に送る。
次いで、フィルム送り部16によるフィルムFiの送りが停止している間に、駆動機器動作制御部21aからの指令に基づき、縦シールブロック用サーボモータ17Mが開閉機構を動作させ、縦シールブロック17a、17bを開閉させ、フィルムFiに縦シールを施す(TC5、時間t8~t9)。
このとき、縦シールブロック圧力センサ17pが検出した圧力が縦ピロー包装機制御部20に送られ、縦シールブロック温度センサ17t1、17t2が検出した温度が縦ピロー包装機制御部20に送られる。
次いで、横シールブロック用サーボモータ18Mが開閉機構を動作させ、横シールブロック18a、18bを開閉させ、縦シール済の筒状フィルムTFiに横シールを施し(TC6、時間t10~t11)、横シールを施している間に横シール部分の中央部が切断される。
このとき、横シールブロック圧力センサ18pが検出した圧力が縦ピロー包装機制御部20に送られ、横シールブロック上側温度センサ18t1、18t2、横シールブロック下側温度センサ18t3、18t4が検出した温度が縦ピロー包装機制御部20に送られる。
横シール終了後、一定時間経過して、1サイクルが終了する。
【0039】
この場合、生産履歴情報生成部21dは、製品パラメータテーブル22aに記憶された第1包装体数等に基づいて、1サイクル毎に縦ピロー包装機制御部20に送られてくる個体識別情報、製袋加工条件(フィルムFiの送り量、縦シール圧、縦シール温度、横シール圧、上側横シール温度、下側横シール温度等)等の対応付けを行う。
具体的には、あるサイクルiで縦ピロー包装機制御部20に送られてくる個体識別情報(IDi)に対し、製品パラメータテーブル22aに記憶された「フィルム送り量」の搬送距離対応包装体数(No.01、製品名AAAAの場合「8」)だけ遅れたサイクル(i+8)のときに、測長器16cから縦ピロー包装機制御部20に送られてくるフィルムFiの送り量の測定値を対応付ける。
同様に、個体識別情報(IDi)に対し、製品パラメータテーブル22aに記憶された「縦シール圧測定位置」の搬送距離対応包装体数(No.01、製品名AAAAの場合「9」)だけ遅れたサイクル(i+9)のときに、縦シールブロック圧力センサ17pから縦ピロー包装機制御部20に送られてくる縦シール圧の測定値を対応付ける。
同様に、個体識別情報(IDi)に対し、製品パラメータテーブル22aに記憶された「縦シール温度測定位置」の搬送距離対応包装体数(No.01、製品名AAAAの場合「9」)だけ遅れたサイクル(i+9)のときに、縦シールブロック温度センサ17t1、17t2から縦ピロー包装機制御部20に送られてくる縦シール温度の測定値の平均値を対応付ける。
同様に、個体識別情報(IDi)に対し、製品パラメータテーブル22aに記憶された「横シール圧測定位置」の搬送距離対応包装体数(No.01、製品名AAAAの場合「10」)だけ遅れたサイクル(i+10)のときに、横シールブロック圧力センサ18pから縦ピロー包装機制御部20に送られてくる横シール圧の測定値を対応付ける。
同様に、個体識別情報(IDi)に対し、製品パラメータテーブル22aに記憶された「上側横シール温度測定位置」の搬送距離対応包装体数(No.01、製品名AAAAの場合「10」)だけ遅れたサイクル(i+10)のときに、横シールブロック上側温度センサ18t1、18t2から縦ピロー包装機制御部20に送られてくる上側横シール温度の測定値の平均値を対応付ける。
同様に、個体識別情報(IDi)に対し、製品パラメータテーブル22aに記憶された「下側横シール温度測定位置」の搬送距離対応包装体数(No.01、製品名AAAAの場合「11」)だけ遅れたサイクル(i+11)のときに、横シールブロック下側温度センサ18t3、18t4から縦ピロー包装機制御部20に送られてくる下側横シール温度の測定値の平均値を対応付ける。
【0040】
また、生産履歴情報生成部21dは、製品パラメータテーブル22aに記憶された第2包装体数に基づいて、1サイクル毎に縦ピロー包装機制御部20に送られてくる個体識別情報と、日付情報の良否の検査結果との対応付けを行う。
具体的には、個体識別情報(IDi)に対し、製品パラメータテーブル22aに記憶された第2包装体数(No.01、製品名AAAAの場合「2」)だけ遅れたサイクル(i+2)のときに、日付検査装置13cから縦ピロー包装機制御部20に送られてくる日付情報の良否の検査結果を対応付ける。
このようにして生産履歴情報生成部21dは、製品パラメータテーブル22aに記憶された第1包装体数、第2包装体数に基づいて、1サイクル毎に縦ピロー包装機制御部20に送られてくる個体識別情報と、製袋加工条件(フィルムFiの送り量、縦シール圧、縦シール温度、横シール圧、上側横シール温度、下側横シール温度等)、日付情報の良否の検査結果の対応付けを行って生産履歴情報を生成し、生成した生産履歴情報を生産履歴情報テーブル22bに記憶する(図5参照)。
【0041】
[個別識別情報のリセット]
ここで、識別情報印字装置13aがフィルムFiに印字する個別識別情報のリセットについて説明する。
本実施形態においては、上述のように個体識別情報は、12桁の英数字からなり、上6桁の英数字が生産工場を識別する記号、機械番号、No.からなり、下6桁が000001から始まる連続番号となる。
この個体識別情報は、縦ピロー包装機本体10に設けられた運転条件等をリセットするリセットスイッチ(図示せず)が押されたとき、あるいは、縦ピロー包装機1が生産する包装体の種類が変更されたとき、さらには、縦ピロー包装機1が包装体を生産する日付や時刻が変更されたときリセットされる。
これにより、個体識別情報をリセットする作業者の手間が省かれると共に個体識別情報のリセットミスが防止され、個体識別情報のリセットが的確なタイミングで行われる。
本実施形態においては、縦ピロー包装機1が生産する包装体の種類(製品パラメータテーブル22aに記憶された「No.」で特定される製品名)が変更されたとき、個体識別情報がリセットされる。
個体識別情報がリセットされると、識別情報印字装置13aは、縦ピロー包装機制御部20の印字制御部21bから与えられる上6桁の情報(生産工場を識別する記号、機械番号、No.)に、「000001」から始まる連続番号からなる下6桁の情報を付加した個体識別情報を生成してフィルムFiに印字する。
【0042】
[包装体生産システム]
次に、本発明の包装生産システムについて説明する。
図7は、本発明の包装生産システムが適用される包装体生産ラインの外観構成を示した平面図、図8は、図7の包装体生産ラインにおける包装生産システムの構成を示すブロック図である。
図において、1’は縦ピロー包装機、20’は縦ピロー包装機制御部、35は包装生産システム、40は包装体生産ライン、41は包装体検査装置、42は製函機、43は箱詰装置、43aは箱詰装置制御部、44は封緘機、45はベルトコンベア、46はローラコンベア、50は管理コンピュータ、51は演算制御部、51aは生産履歴情報生成部、52は記憶部、52aは包装体移動時間テーブル、52bは生産履歴情報テーブル、D10はダンボール箱、D11は包装体入りダンボール箱、D12は封緘ダンボール箱、CL1、CL2、CL3は通信回線であり、図3に示す縦ピロー包装機1の制御部と同じものには同一の符号を付す。
図7に示すように、包装体生産ライン40は、縦ピロー包装機1’、包装体検査装置41、製函機42、箱詰装置43、封緘機44、ベルトコンベア45及びローラコンベア46等から構成される。
また、図8に示すように包装生産システム35は、縦ピロー包装機1’、包装体検査装置41、箱詰装置43及び管理コンピュータ50等から構成される。
【0043】
縦ピロー包装機1’は、縦ピロー包装機本体10、縦ピロー包装機制御部20’及び操作パネル30を備え、縦ピロー包装機本体10と操作パネル30の構成は、図1図3に示す縦ピロー包装機本体10と操作パネル30の構成と同じである。
また、縦ピロー包装機制御部20’は、縦ピロー包装機制御部20と同様に演算制御部、記憶部及び送受信部を備え、演算制御部が生産履歴情報生成部を有さず、記憶部が生産履歴情報テーブルを有さない点を除いて、縦ピロー包装機制御部20と同じ構成である。
そして、縦ピロー包装機1’は、縦ピロー包装機1と同じ包装体Pcを生産し、排出する。
包装体検査装置41は、カメラ(図示せず)等を備え、縦ピロー包装機1’から排出されベルトコンベア45により搬送される包装体Pcの外観等の良否を検査する。
製函機42は、マガジン(図示せず)から折り畳まれた段ボールを1枚ずつ抜き出し、製函(箱状にすること)、底面へのテープ貼りを行い、上面が開いたダンボール箱D10を排出する。
箱詰装置43は、製函機42から排出されるダンボール箱D10に、ベルトコンベア45により搬送される包装体Pcを詰め込み、包装体入りダンボー箱D11を排出する。図7においては、ダンボール箱D10に1段4個の包装体P10が複数段詰め込まれている。
箱詰装置制御部43aは、演算制御部、記憶部、送受信部を備え、演算制御部は、箱詰装置43の本体の動作等を制御する動作制御部等を備え、記憶部は、箱詰装置43の本体の動作を制御するためのパラメータ等を記憶する。
封緘機44は、箱詰装置43から排出される包装体入りダンボール箱D11に対して、上面を形成する前後左右のフラップを折り込み、テープ貼りした封緘ダンボール箱D12を排出する。
ベルトコンベア45は、搬送ベルト、駆動ローラ、駆動モータ等を備え、縦ピロー包装機1’と箱詰装置43の間に設けられ、縦ピロー包装機1’から排出される包装体Pcを搬送ベルト上に載置して箱詰装置43まで搬送する。
ローラコンベア46は、搬送ローラ、駆動モータ等を備え、箱詰装置43と排出装置(図示せず)と間に設けられ、箱詰装置43から排出される包装体入りダンボール箱D11を封緘機44まで搬送し、さらに、封緘機44から排出される封緘ダンボール箱D12を排出装置まで搬送する。
【0044】
管理コンピュータ50は、演算制御部51、記憶部52及び送受信部53を備え、送受信部53は、縦ピロー包装機制御部20’、包装体検査装置41及び箱詰装置制御部43aと通信回線CL1、CL2、CL3により接続されている。
演算制御部51は、生産履歴情報生成部51aを備えると共に、管理コンピュータ50を統括的に制御する。
生産履歴情報生成部51aは、縦ピロー包装機制御部20’の記憶部22の製品パラメータテーブル22aに記憶(登録)された第1包装体数等(図4(b)参照)に基づいて、縦ピロー包装機本体10の識別情報印字装置13aがフィルムFiに印字する個体識別情報と、各製袋加工条件測定手段(測長器16c、縦シールブロック圧力センサ17p、縦シールブロック温度センサ17t1、17t2、横シールブロック圧力センサ18p、横シールブロック上側温度センサ18t1、18t2、横シールブロック下側温度センサ18t3、18t4等)が測定した製袋加工条件(フィルムFiの送り量、縦シール圧、縦シール温度、横シール圧、上側横シール温度、下側横シール温度等)等とを対応付けた包装体Pcの第1生産履歴情報を生成する。
また、生産履歴情報生成部51aは、記憶部52の包装体移動時間テーブル52aに記憶された第1移動時間と第2移動時間(後述する)に基づいて、識別情報印字装置13aがフィルムFiに印字する個体識別情報と、包装体検査装置41の検査結果、箱詰装置43により包装体Pcが箱詰めされた時刻とを対応付けた包装体Pcの第2生産履歴情報を生成する。
【0045】
記憶部52は、包装体移動時間テーブル52aと生産履歴情報テーブル52bを備えている。
図9は、包装体移動時間テーブル52aの構成を説明する説明図である。
包装体移動時間テーブル52aには、縦ピロー包装機制御部20’の記憶部22の製品パラメータテーブル22aに登録された「No.」(製品名)ごとに、第1移動時間(秒)と第2移動時間(秒)が記憶されている。
第1移動時間は、縦ピロー包装機本体10の包装体排出部19が包装体Pcを排出してから(包装体排出部19のベルトコンベア19a上に包装体Pcが載ったときから)包装体検査装置41が包装体Pcを検査する位置に到達するまでに包装体Pcが移動する時間を表す。
また、第2移動時間は、包装体検査装置41が包装体Pcを検査する位置から箱詰装置43が包装体Pcを箱詰めする位置までに包装体Pcが移動する時間を表す。
この第1移動時間と第2移動時間は、縦ピロー包装機1’が生産する包装体の種類(製品パラメータテーブル22aに登録された「No.」(製品名)で特定される包装体)毎に設定されるベルトコンベア45の搬送速度等により定まる固定値であり、予め、管理コンピュータ50の入力部(図示せず)から入力されて包装体移動時間テーブル52aに登録(記憶)される。
【0046】
[管理コンピュータ50による生産履歴情報の生成・記憶]
次に、管理コンピュータ50が、識別情報印字装置13aがフィルムFiに印字する個体識別情報と、製袋加工条件測定手段等が測定等する製袋加工条件等を対応付けた第1生産履歴情報を生成し、また、前記個体識別情報と、包装体検査装置41の検査結果、箱詰装置43により包装体Pcが箱詰めされた時刻とを対応付けた第2生産履歴情報を生成し、生成した第1生産履歴情報と第2生産履歴情報を包装体Pcの生産履歴情報として生産履歴情報テーブル52bに記憶する動作を説明する。
上述のように生産履歴情報生成部51aは、第1生産履歴情報と第2生産履歴情報を生成するが、生産履歴情報生成部51aが第1生産履歴情報を生成する動作は、図3に示す生産履歴情報生成部21dが、製品パラメータテーブル22aに記憶された第1包装体数等に基づいて、1サイクル毎に縦ピロー包装機制御部20に送られてくる個体識別情報と製袋加工条件(フィルムFiの送り量、縦シール圧、縦シール温度、横シール圧、上側横シール温度、下側横シール温度等)等を対応付けた生産履歴情報を生成する動作と同じであり、生産履歴情報テーブル52bのうち、生産履歴情報生成部51aが生成した第1生産履歴情報を記憶した部分は、図5に示す生産履歴情報テーブル22bと同じである。
また、生産履歴情報生成部51aは、製品パラメータテーブル22aに記憶された「下側横シール温度測定位置」の搬送距離対応包装体数に基づいて、横シール・切断部18で横シール・切断されてベルトコンベア19a上に落下する包装体Pcに対応付けられる個体識別情報(IDi)を特定し、落下する包装体Pcがベルトコンベア19aに載る時刻Tiを縦ピロー包装機制御部20’のタイマー(図示せず)で計測して、個体識別情報(IDi)と時刻Tiとを対応付け、この時刻Tiに、包装体移動時間テーブル52aに記憶された第1包装体移動時間ΔT1を加えた時刻(Ti+ΔT1)に、個体識別情報(IDi)の包装体が包装体検査装置41の位置に到達し、このとき包装体検査装置41が検査した検査結果と個体識別情報(IDi)を対応付ける。
さらに、生産履歴情報生成部51aは、包装体検査装置41が個体識別情報(IDi)の包装体を検査した時刻(Ti+ΔT1)に、包装体移動時間テーブル52aに記憶された第2包装体移動時間ΔT2を加えた時刻(Ti+ΔT1+ΔT2)に、個体識別情報(IDi)の包装体が箱詰装置43の箱詰め位置に到達することから、時刻(Ti+ΔT1+ΔT2)を包装体箱詰時刻として個体識別情報(IDi)と対応付ける。
このようにして、生産履歴情報生成部51aは、個体識別情報(IDi)と、包装体検査装置41の検査結果、箱詰装置43により包装体Pcが箱詰めされた時刻を対応付けた第2生産履歴情報を生成し、生産履歴情報テーブル52bに記憶する。
【0047】
図10は、生産履歴情報テーブル52bの第2生産履歴情報が記憶された部分の構成を説明する説明図である。
図10に示すように、生産履歴情報テーブル52bの第2生産履歴情報が記憶された部分においては、識別情報印字装置13aがフィルムFiに印字した個体識別情報に、包装体排出時刻、包装体検査結果、包装体箱詰時刻が対応付けられて記憶されている。
包装体排出時刻は、横シール・切断部18で横シール・切断されて落下する包装体Pcがベルトコンベア19aに載る時刻であり、包装体箱詰時刻は、包装体Pcが箱詰装置43の箱詰め位置に到達する時刻であり、時刻を示す6桁の数字は、時分秒を表し、「083020」は、8時30分20秒を表している。
また、包装体検査結果は、包装体検査装置41による包装体Pc外観の良否の検査結果であり、「11」が良、「12」が不良である。
図10においては、図5に生産履歴情報(第1生産履歴情報)が示された個体識別情報で特定される包装体の生産履歴情報が示されている。
【0048】
[包装機械の生産履歴情報管理システム]
次に、本発明の包装機械の生産履歴情報管理システムについて説明する。
図11は、包装機械の生産履歴情報管理システムの構成を示すブロック図である。
図において、60は包装機械の生産履歴情報管理システム、71、72、79は縦ピロー包装機、71a、72a、79aは縦ピロー包装機本体、71b、72b、79bは縦ピロー包装機制御部、71c、72c、79cは操作パネル、80は生産履歴情報管理コンピュータ、81は演算制御部、81aは総合生産履歴情報生成部、82は記憶部、82bは総合生産履歴情報テーブル、CL71、CL72、CL79は通信回線である。
包装機械の生産履歴情報管理システム60は、縦ピロー包装機71、72、・・・、79(9台の縦ピロー包装機)と生産履歴情報管理コンピュータ80等から構成される。
縦ピロー包装機71、72、・・・、79は、縦ピロー包装機本体71a、72a、・・・、79a、縦ピロー包装機制御部71b、72b、・・・、79b、及び操作パネル71c、72c、・・・、79cを備え、縦ピロー包装機本体71a、72a、・・・、79aと操作パネル71c、72c、・・・、79cの構成は、図1図3に示す縦ピロー包装機本体10と操作パネル30の構成と同じである。
また、縦ピロー包装機制御部71b、72b、・・・、79bは、縦ピロー包装機制御部20と同様に演算制御部、記憶部及び送受信部を備え、演算制御部が生産履歴情報生成部を有さず、記憶部が生産履歴情報テーブルを有さない点を除いて、縦ピロー包装機制御部20と同じ構成である。
そして、縦ピロー包装機71、72、・・・、79は、縦ピロー包装機1と同じ包装体Pcを生産し、排出する。
【0049】
生産履歴情報管理コンピュータ80は、演算制御部81、記憶部82及び送受信部83を備え、送受信部83は、縦ピロー包装機制御部71b、72b、・・・、79bと通信回線CL71、CL72、・・・、CL79により接続されている。
演算制御部81は、総合生産履歴情報生成部81aを備えると共に、生産履歴情報管理コンピュータ80を統括的に制御する。
総合生産履歴情報生成部81aは、縦ピロー包装機71について、縦ピロー包装機制御部71bの記憶部の製品パラメータテーブル(製品パラメータテーブル22a)に記憶(登録)された第1包装体数等(図4(b)参照)に基づいて、縦ピロー包装機本体71aの識別情報印字装置(識別情報印字装置13a)がフィルム(フィルムFi)に印字する個体識別情報と、各製袋加工条件測定手段(縦ピロー包装機本体10の測長器16c、縦シールブロック圧力センサ17p、縦シールブロック温度センサ17t1、17t2、横シールブロック圧力センサ18p、横シールブロック上側温度センサ18t1、18t2、横シールブロック下側温度センサ18t3、18t4等と同じ測定手段)が測定した製袋加工条件(フィルムの送り量、縦シール圧、縦シール温度、横シール圧、上側横シール温度、下側横シール温度等)等とを対応付けた包装体Pcの生産履歴情報を生成する。
また、総合生産履歴情報生成部81aは、他の縦ピロー包装機72・・・79について、縦ピロー包装機71の場合と同様にして、縦ピロー包装機本体72a・・・79aの識別情報印字装置(識別情報印字装置13a)がフィルム(フィルムFi)に印字する個体識別情報と、各製袋加工条件測定手段が測定した製袋加工条件(フィルムの送り量、縦シール圧、縦シール温度、横シール圧、上側横シール温度、下側横シール温度等)等とを対応付けた包装体Pcの生産履歴情報を生成する。
そして、総合生産履歴情報生成部81aは、生成した縦ピロー包装機71、72、・・・、79についての生産履歴情報を総合し、総合生産履歴情報として総合生産履歴情報テーブル82bに記憶する。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の包装機械は、日付・時刻等の時間情報とは異なる記号を含む識別情報により個々を識別する包装体について、包装体に付された識別情報をバーコードリーダーや高価なOCR等の読取装置で読み取ることなく、個々の包装体の生産履歴情報を記録・記憶して、正確なトレーサビリティができ、縦ピロー包装機、横ピロー包装機、ラッピング包装機、上包み包装機等に利用できる。
【符号の説明】
【0051】
1、1’ 縦ピロー包装機
10 縦ピロー包装機本体
11 フィルム(包材)供給部
12 張力調整部
12a 回動アーム
12b 固定ローラ
13 識別情報・日付印字部
13a 識別情報印字装置
13b 日付印字装置
13c 日付検査装置
13d 昇降ローラ
14 被包装品供給部
14a ホッパー
14b 充填筒
15 製筒部
15a 製筒器(フォーマ
15b 押さえ部材
15c スライドローラ
16 フィルム送り部
16a プーリー
16b 送りベルト
16c 測長器
16c1 測長コロ
16c2 測長器ロータリーエンコーダ
16M フィルム送り用サーボモータ
17 縦シール部
17M 縦シールブロック用サーボモータ
17a、17b 縦シールブロック
17p 縦シールブロック圧力センサ
17t1、17t2 縦シールブロック温度センサ
18 横シール・切断部
18M 横シールブロック用サーボモータ
18a、18b 横シールブロック
18p 横シールブロック圧力センサ
18t1、18t2 横シールブロック上側温度センサ
18t3、18t4 横シールブロック下側温度センサ
19 包装体排出部
19a ベルトコンベア
20、20’ 縦ピロー包装機制御部
21 演算制御部
21a 駆動機器動作制御部
21b 印字制御部
21c 検査制御部
21d 生産履歴情報生成部
22 記憶部
22a 製品パラメータテーブル
22b 生産履歴情報テーブル
23 送受信部
30 操作パネル
31 コンピュータ
31a 包装体数算出部
33 送受信部
34 入力表示部
35 包装生産システム
40 包装体生産ライン
41 包装体検査装置
42 製函機
43 箱詰装置
43a 箱詰装置制御部
44 封緘機
45 ベルトコンベア
46 ローラコンベア
50 管理コンピュータ
51 演算制御部
51a 生産履歴情報生成部
52 記憶部
52a 包装体移動時間テーブル
52b 生産履歴情報テーブル
53 送受信部
60 包装機械の生産履歴情報管理システム
71、72、79 縦ピロー包装機
71a、72a、79a 縦ピロー包装機本体
71b、72b、79b 縦ピロー包装機制御部
71c、72c、79c 操作パネル
80 生産履歴情報管理コンピュータ
81 演算制御部
81a 総合生産履歴情報生成部
82 記憶部
82b 総合生産履歴情報テーブル
CL、CL1、CL2、CL3、CL71、CL72、CL79 通信回線
D10 ダンボール箱
D11 包装体入りダンボール箱
D12 封緘ダンボール箱
Fi フィルム(包材)
gr ガイドローラ
MF 巻取りフィルム
Pc 包装体
TFi 筒状フィルム(筒状包材)
ts 縦シール部分
ys 横シール部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11