(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048052
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】手話補助装置
(51)【国際特許分類】
G09B 21/00 20060101AFI20230330BHJP
【FI】
G09B21/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157308
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】521421997
【氏名又は名称】相宅 佳代子
(74)【代理人】
【識別番号】100121337
【弁理士】
【氏名又は名称】藤河 恒生
(72)【発明者】
【氏名】相宅 佳代子
(57)【要約】
【課題】情報伝達を手話の手法により補助する手話補助装置を提供する。
【解決手段】この手話補助装置1は、指文字の立体形状を模した指文字立体模型2を備えており、指文字立体模型2は、裏側又は表側であることを示す表示部3を有する。指文字立体模型2は複数個有り、各々の指文字立体模型2の表示部3は、裏側に有り、指文字に対応する文字が表示されているようにすることができる。複数個の指文字立体模型2は、日本語の全ての個々の清音を表すことが可能であるようにすることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指文字の立体形状を模した指文字立体模型を備えている手話補助装置。
【請求項2】
請求項1に記載の手話補助装置において、
前記指文字立体模型は、裏側又は表側であることを示す表示部を有している手話補助装置。
【請求項3】
請求項2に記載の手話補助装置において、
前記指文字立体模型は複数個有り、
各々の該指文字立体模型の前記表示部は、裏側に有り、前記指文字に対応する文字が表示されている手話補助装置。
【請求項4】
請求項3に記載の手話補助装置において、
前記複数個の指文字立体模型は、日本語の全ての個々の清音を表すことが可能である手話補助装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の手話補助装置において、
前記複数個の指文字立体模型の一部は、動かす向きが表示されている手話補助装置。
【請求項6】
請求項3~5のいずれか1項に記載の手話補助装置において、
複数個の前記指文字立体模型が設置できる模型設置台を有する手話補助装置。
【請求項7】
請求項3~6のいずれか1項に記載の手話補助装置において、
前記複数個の指文字立体模型の一部は、共用されている手話補助装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の手話補助装置において、
前記指文字立体模型は複数個有って順番に結合されており、姓名の姓又は/及び名或いは団体名を表している手話補助装置。
【請求項9】
物体を模した物体立体模型と、
該物体の手話表現であって該物体立体模型に付けられている手話表現立体模型と、
を備えている手話補助装置。
【請求項10】
単語の文字表記を模した単語文字表記模型と、
該単語の手話表現であって該単語文字表記模型に付けられている手話表現立体模型と、
を備えている手話補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報伝達を手話の手法により補助する手話補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手話は、聴覚障害者等の間又は聴覚障害者等と健常者の間での情報伝達のために使用される。手話には、「あいうえおかき・・・」等の日本語の文字及び数字を表す指文字の手法と特定の名詞や動詞などの語彙を表す所定の動作の手法が用いられる。指文字は、文字ごと及び数字ごとに手の形を対応させており、手話の語彙にない名詞や動詞などでも表現することができる。手話は、手話を日常的に用いている者から直接習ったり、教材、テレビ、インターネット又は特許文献1、2又は3に開示されているような学習装置などを使って独力で学習したりして習得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5-5175号公報
【特許文献2】特開2002-351478号公報
【特許文献3】特開2008-292963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、指文字の習得を含め手話の習得には、労力と時間が必要であるため、熟練者になるまでは手話の手法による情報伝達が容易でない場合も多い。
【0005】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、情報伝達を手話の手法により補助する手話補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の手話補助装置は、指文字の立体形状を模した指文字立体模型を備えている。
【0007】
請求項2に記載の手話補助装置は、請求項1に記載の手話補助装置において、前記指文字立体模型は、裏側又は表側であることを示す表示部を有している。
【0008】
請求項3に記載の手話補助装置は、請求項2に記載の手話補助装置において、前記指文字立体模型は複数個有り、各々の該指文字立体模型の前記表示部は、裏側に有り、前記指文字に対応する文字が表示されている。
【0009】
請求項4に記載の手話補助装置は、請求項3に記載の手話補助装置において、前記複数個の指文字立体模型は、日本語の全ての個々の清音を表すことが可能である。
【0010】
請求項5に記載の手話補助装置は、請求項3又は4に記載の手話補助装置において、前記複数個の指文字立体模型の一部は、動かす向きが表示されている。
【0011】
請求項6に記載の手話補助装置は、請求項3~5のいずれか1項に記載の手話補助装置において、複数個の前記指文字立体模型が設置できる模型設置台を有する。
【0012】
請求項7に記載の手話補助装置は、請求項3~6のいずれか1項に記載の手話補助装置において、前記複数個の指文字立体模型の一部は、共用されている。
【0013】
請求項8に記載の手話補助装置は、請求項1又は2に記載の手話補助装置において、前記指文字立体模型は複数個有って順番に結合されており、姓名の姓又は/及び名或いは団体名を表している。
【0014】
請求項9に記載の手話補助装置は、物体を模した物体立体模型と、該物体の手話表現であって該物体立体模型に付けられている手話表現立体模型と、を備えている。
【0015】
請求項10に記載の手話補助装置は、単語の文字表記を模した単語文字表記模型と、該単語の手話表現であって該単語文字表記模型に付けられている手話表現立体模型と、を備えている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る手話補助装置によれば、情報伝達を手話の手法により補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る手話補助装置の「あ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図2】同上の手話補助装置の「い」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図3】同上の手話補助装置の「う」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図4】同上の手話補助装置の「え」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図5】同上の手話補助装置の「お」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図6】同上の手話補助装置の「か」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図7】同上の手話補助装置の「き」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図8】同上の手話補助装置の「く」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図9】同上の手話補助装置の「け」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図10】同上の手話補助装置の「こ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図11】同上の手話補助装置の「さ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図12】同上の手話補助装置の「し」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図13】同上の手話補助装置の「す」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図14】同上の手話補助装置の「せ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図15】同上の手話補助装置の「そ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図16】同上の手話補助装置の「た」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図17】同上の手話補助装置の「ち」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図18】同上の手話補助装置の「つ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図19】同上の手話補助装置の「て」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図20】同上の手話補助装置の「と」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図21】同上の手話補助装置の「な」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図22】同上の手話補助装置の「に」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図23】同上の手話補助装置の「ぬ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図24】同上の手話補助装置の「ね」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図25】同上の手話補助装置の「の」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図26】同上の手話補助装置の「は」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図27】同上の手話補助装置の「ひ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図28】同上の手話補助装置の「ふ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図29】同上の手話補助装置の「へ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図30】同上の手話補助装置の「ほ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図31】同上の手話補助装置の「ま」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図32】同上の手話補助装置の「み」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図33】同上の手話補助装置の「む」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図34】同上の手話補助装置の「め」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図35】同上の手話補助装置の「も」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が最初の状態の表側、(b)が最初の状態の裏側、(c)が最後の状態の表側、(b)が最後の状態の裏側である。
【
図36】同上の手話補助装置の「や」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図37】同上の手話補助装置の「ゆ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図38】同上の手話補助装置の「よ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図39】同上の手話補助装置の「ら」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図40】同上の手話補助装置の「り」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図41】同上の手話補助装置の「る」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図42】同上の手話補助装置の「れ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図43】同上の手話補助装置の「ろ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図44】同上の手話補助装置の「わ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図45】同上の手話補助装置の「を」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図46】同上の手話補助装置の「ん」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図47】同上の手話補助装置の模型設置台を示す縮小した平面図であって、(a)が第1例、(b)が第2例、(c)が第3例である。
【
図48】同上の手話補助装置の「あ」の指文字の指文字立体模型の裏側を示す縮小した外観図であって、(a)が
図47(a)の模型設置台に用いることができるもの、(b)が
図47(b)の模型設置台に用いることができるもの、(c)が
図47(c)の模型設置台に用いることができるものである。
【
図49】同上の手話補助装置の共用された「あ」と「た」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が「あ」の表側、(b)が「あ」の裏側、(c)が「た」の表側、(d)が「た」の裏側である。
【
図50】同上の手話補助装置の共用された「そ」と「の」と「ひ」と「ん」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が「そ」の表側、(b)が「そ」の裏側、(c)が「の」の表側、(d)が「の」の裏側、(e)が「ひ」の表側、(f)が「ひ」の裏側、(g)が「ん」の表側、(h)が「ん」の裏側である。
【
図51】本発明の実施形態に係る他の手話補助装置の複数個の指文字立体模型が姓名の姓又は/及び名、或いは団体名を表している例を示す外観図である。
【
図52】本発明の実施形態に係る更に他の手話補助装置の手話表現立体模型が物体立体模型に付けられている第1例を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側を示すものである。
【
図53】同上の更に他の手話補助装置の手話表現立体模型が物体立体模型に付けられている第2例を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側を示すものである。
【
図54】同上の更に他の手話補助装置の手話表現立体模型が単語文字表記模型に付けられている例を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施形態に係る手話補助装置1は、指文字の立体形状を模した指文字立体模型2を備える。指文字立体模型2は、裏側又は表側であることを示す表示部3を有している。裏側は自分から見える側であり、表側は相手から見える側である。表示部3が裏側であることを示すか或いは表側であることを示すかは、予め取り決められている。
【0019】
例えば、「あ」の指文字ならば、
図1(a)、(b)に示すような指文字立体模型2となる。この図に示す指文字立体模型2では、裏側に表示部3が有り、表示部3には指文字に対応する「あ」の文字が表示されている。文字は、通常の文字や点字などが可能であり、それらの併記も可能である。文字以外の記号も可能である。表示部3における表示は、文字等を書いたシールを張り付けるか又は文字等を直接書き込むかなどして行われる。
【0020】
図1(a)、(b)に示すように表示部3として裏側にその指文字に対応する文字が表示されていると、指文字が正しく見えるように位置を調整し指文字の文字を確認しながら指文字立体模型2を手にもって表側を相手に示すことが可能である。この場合の指文字立体模型2は、余り小さすぎないようにする必要がある。
【0021】
「い」以下も、
図2~
図46に示すように、指文字の立体形状に応じた指文字立体模型2が可能である。なお、
図2~
図46(及び後述する
図48~
図50)においては、手話補助装置1、指文字立体模型2、表示部3は、表す指文字の違いは有るが、
図1と同じ符号を用いている。
【0022】
このように、手話補助装置1は、指文字立体模型2を複数個備え、日本語(50音)の全ての清音に一対一に対応する指文字立体模型2を備えることができる。この場合、個々の清音に対応する数の指文字立体模型2を備えることになる。こうして、手話補助装置1の複数個の指文字立体模型2は、日本語(50音)の全ての個々の清音を表すことができる。なお、後述するように、手話補助装置1の複数個の指文字立体模型2の一部は、1個の指文字立体模型2が2個以上の清音間で共用されるようにすることができる。
【0023】
ここで、「も」については、立体形状の変形を伴うので、2個の指文字立体模型2を備えるようにすることができる。「も」は、
図35(a)、(b)に示す人差し指と親指を離した状態(最初の状態)から
図35(c)、(d)に示す人差し指と親指を接触させた状態(最後の状態)に遷移させることによって表すことができる。この2個の指文字立体模型2は、例えば紐等で結ぶようにして常に近くに有るようにしておくことが好ましい。また、指文字立体模型2を2個備えることなく、人差し指及び/又は親指を独立に動かせるようにして1個にすることも可能である。
【0024】
「の」(
図25参照)、「り」(
図40参照)、「を」(
図45参照)及び「ん」(
図46参照)については、1個の指文字立体模型2を所定の動かし方に従って動かすことによって表すことができるので、指文字立体模型2に動かす向きが表示されているようにすることができる。例えば、「の」は人差し指をノの字を書くように動かすことによって表すことができるので、
図25に示すような矢印が指文字立体模型2に表示されているようにすることができる。また、「り」は、人差し指と中指でリの字を書くように動かすことによって表すことができるので、
図40に示すような矢印が指文字立体模型2に表示されているようにすることができる。「を」は
図45に示す形状を手前に引くことによって表すことができるので、手前を示す〇の中央に・をうった図形が指文字立体模型2に表示されているようにすることができる。「ん」は人差し指をンの字を書くように動かすことによって表すことができるので、
図46に示すような矢印が指文字立体模型2に表示されているようにすることができる。
【0025】
濁音、半濁音、長音、促音及び拗音は、清音を表す指文字立体模型2を所定の動かし方に従って動かすことによって表すことができる。
【0026】
手話補助装置1は、
図47(a)、(b)又は(c)に示すように、複数個(
図47では5個)の指文字立体模型2が設置できる模型設置台4を有するようにするのが好ましい。
図47(a)、(b)、(c)に示す模型設置台4は、上面4aが下面4bよりも小さくなっており(つまり側面視台形状になっており)、(a)では嵌め込み穴4cが複数個設けられ、(b)では嵌め込み穴4d及び金属板(又は磁石)4eが複数個設けられ、(c)では金属板(又は磁石)4fが複数個設けられている。なお、嵌め込み穴4c、4d、金属板(又は磁石)4e、4fの形状は、様々のものが可能である。
【0027】
図47(a)に示す模型設置台4には、
図48(a)に示すように指文字立体模型2の正しい上下の向きにおける底部に凸部2aを設けて嵌め込み穴4cに嵌め込み可能にしたものを用いることができる。
図47(b)に示す模型設置台4には、
図48(b)に示すように指文字立体模型2の正しい上下の向きにおける底部に凸部2b及び磁石2cを設けて嵌め込み穴4dに嵌め込み可能及び金属板(又は磁石)4eにくっつき可能にしたものを用いることができる。
図47(c)に示す模型設置台4には、
図48(c)に示すように指文字立体模型2の正しい上下の向きにおける底部に磁石2dを設けて金属板(又は磁石)4fにくっつき可能にしたものを用いることができる。なお、
図48では、「あ」の指文字の指文字立体模型2を示しているが、それ以外の指文字の指文字立体模型2を設置できることは勿論である。
【0028】
模型設置台4は、例えば、10個用意し、それに日本語(50音)の全ての清音に対応する指文字立体模型2を設置することができる。そして、情報伝達時に所要の指文字立体模型2をピックアップすることができる。このとき、指文字立体模型2は、上下の向きが正しく設置されているので迅速に使用することができる。
【0029】
模型設置台4は、それぞれの指文字の指文字立体模型2を決まったところに設置するようにし、模型設置台4の上面に説明箇所を設けるようにすることができる。例えば、「も」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には上記の「も」の使い方、「の」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には「の」の動かし方、「り」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には「り」の動かし方、「を」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には「を」の動かし方、「ん」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には「ん」の動かし方、について書いておくことが可能である。また、濁音、半濁音、長音、促音及び拗音の動かし方については、「は」など該当する清音の指文字の指文字立体模型2の設置場所に書いておくことが可能である。
【0030】
次に、手話補助装置1の複数個の指文字立体模型2の一部は、1個の指文字立体模型2が2個以上の清音間で共用されるようにすることが可能である。そうすると、全体の指文字立体模型2の数を少なくすることができる。この場合、共用される指文字立体模型2については、1個の指文字立体模型2は複数個の表示部3を有し、複数個の文字等が表示されていることになる。
【0031】
例えば、
図49(a)~(d)に示すように、「あ」と「た」の指文字立体模型2は共用が可能である。
図49においては、「あ」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「あ」の文字が手の甲に表示され、「た」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「た」の文字が親指側の側面に表示されているようにすることができる。
【0032】
また、例えば、
図50(a)~(h)に示すように、「そ」と「の」と「ひ」と「ん」の指文字立体模型2は共用が可能である。
図50においては、「そ」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「そ」の文字が手の甲における人差し指の付け根と親指の付け根の間近傍に表示され、「の」と「ん」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「の」、「ん」の文字が手の甲における人差し指の付け根の下側に、動かす向きの矢印とともに表示され、「ひ」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「ひ」の文字が手の甲の中央当たりに表示されているようにすることができる。
【0033】
その他、「う」と「と」の指文字立体模型2、「お」と「を」の指文字立体模型2、「く」と「て」の指文字立体模型2、「け」と「よ」の指文字立体模型2、「し」と「す」と「る」の指文字立体模型2、「な」と「に」と「は」と「り」の指文字立体模型2、「ふ」と「む」と「れ」の指文字立体模型2、「へ」と「や」の指文字立体模型2、「ま」と「み」と「ゆ」と「わ」の指文字立体模型2についても、共用が可能である。
【0034】
このような手話補助装置1は、情報伝達に用いる指文字立体模型2を模型設置台4などからピックアップして表側を相手(聴覚障害者等)に見せる。そうすると、指文字を習得していなくても又は習得途中であっても、相手に情報を伝達することができる。こうして、手話補助装置1は、情報伝達を手話の手法により補助することができる。また、手話補助装置1は、繰り返し用いることにより、段々と指文字を習得して行くことができる。ここで、上記のような共用が可能な指文字立体模型2の指文字は、手の形が同じで違う向き(静止又は動きの向き)の指文字なので、正しい向きで指文字を習得して行くことができることは重要である。
【0035】
次に、本発明の実施形態に係る他の手話補助装置を説明する。この手話補助装置1’は、複数個の指文字立体模型2’を順番に結合することによって姓名の姓又は/及び名、或いは会社名や店名などの団体名を表す。結合は、指文字立体模型2’同士を紐や鎖等でつないだり接着又は仮接着したりして行うことができる。指文字立体模型2’は、上記の指文字立体模型2と同様のものであるが、表示部3の有無は、その用途等により決められる。また、指文字立体模型2’の大きさは、適宜決められる。
【0036】
図51に示すのは、「かよこ」という名を表すために、「か」と「よ」と「こ」の指文字立体模型2’を上から順に鎖でつないだ例である。
図51に示す手話補助装置1’は、首などの身体又は衣服に付けることにより、相手(聴覚障害者等)は名を確認することができる。また、相手が手話を知らない人の場合でも、指文字立体模型2’は注目され易く、相手はそれにより本人を覚えることも可能である。また、手話の普及にもつながる。
【0037】
このように、手話補助装置1’は、複数個の指文字立体模型2’を順番に結合することによって、名札やネームプレートなどのように、相手は姓又は/及び名、或いは団体名を確認又は注目することができ、情報伝達を手話の手法により補助することができる。
【0038】
なお、「も」は、上記の2個の指文字立体模型2のような2個の指文字立体模型2’を互いに横に結合するなどして表すことが可能であるが、最初又は最後の状態の指文字立体模型2’だけでも相手は容易に姓又は/及び名を確認することが可能である。また、「の」、「り」、「を」、「ん」、濁音、半濁音、長音、促音及び拗音は、指文字立体模型2’に動かす向きを表示することも可能ではあるが、表示しなくても候補は限られるので、相手(聴覚障害者等)は容易に姓又は/及び名、或いは団体名を確認することが可能である。
【0039】
また、指文字立体模型2’を鎖でつないだような場合、裏返ったり横向きになったりすることも有り得る。その場合、指文字立体模型2’によっては1個の指文字立体模型2’が示す指文字として他の指文字も候補になるときも有り得るが、その候補が限られることとつながる他の指文字立体模型2’との関係から相手(聴覚障害者等)は容易に姓又は/及び名、或いは団体名を確認することが可能である。
【0040】
次に、本発明の実施形態に係る更に他の手話補助装置を説明する。先ず、手話補助装置5は、物体立体模型6と手話表現立体模型7を備えている。物体立体模型6は、物体(例えば、動物、植物、人工物など)を模したものである。手話表現立体模型7はその物体の手話表現である。手話表現立体模型7は、物体立体模型6に付けられている。
【0041】
図52に示すのは、物体立体模型6がライオンを模したものであり、ライオンの手話表現の手話表現立体模型7が物体立体模型6の両耳当たりに付けられている。
図53に示すのは、物体立体模型6が本を模したものであり、本の手話表現の手話表現立体模型7が物体立体模型6の見開いたページの上に付けられている。
【0042】
このような手話補助装置5は、聴覚障害者等の子供らが(及び聴覚障害者等以外の子供らも)物体立体模型6が示す物体を手話表現によって確認し易くなり、情報伝達を手話の手法により補助することができる。
【0043】
次に、手話補助装置5’は、単語文字表記模型6’と手話表現立体模型7’を備えている。単語文字表記模型6’は、単語の文字表記(例えば、漢字表記など)を模したものである。手話表現立体模型7’はその単語の手話表現である。手話表現立体模型7’は、単語文字表記模型6’に付けられている。
【0044】
図54に示すのは、単語文字表記模型6’が色という単語の漢字表記を模したものであり、色という単語の手話表現の手話表現立体模型7’が単語文字表記模型6’に付けられている。
【0045】
このような手話補助装置5’は、物体を表すものでない単語などについて、聴覚障害者等の子供らが(及び聴覚障害者等以外の子供らも)単語文字表記模型6’が示す単語を手話表現によって確認し易くなり、情報伝達を手話の手法により補助することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態に係る手話補助装置について説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。また、上記の手話補助装置1(又は1’)は、数字や国際手話のアルファベットなどの指文字立体模型2(又は2’)も備えることが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1、1’、5、5’ 手話補助装置
2、2’ 指文字立体模型
2a、2b 凸部
2c、2d 磁石
3 表示部
4 模型設置台
4a 模型設置台の上面
4b 模型設置台の下面
4c、4d 嵌め込み穴
4e、4f 金属板(又は磁石)
6 物体立体模型
6’ 単語文字表記模型
7、7’ 手話表現立体模型
【手続補正書】
【提出日】2023-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指文字の立体形状を模した複数個の指文字立体模型を備えており、
各々の該指文字立体模型は、裏側であることを示し前記指文字に対応する文字が表示されている表示部を有している手話補助装置。
【請求項2】
請求項1に記載の手話補助装置において、
前記複数個の指文字立体模型は、日本語の全ての個々の清音を表すことが可能である手話補助装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の手話補助装置において、
前記複数個の指文字立体模型の一部は、動かす向きが表示されている手話補助装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の手話補助装置において、
複数個の前記指文字立体模型が設置できる模型設置台を有する手話補助装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の手話補助装置において、
前記複数個の指文字立体模型の一部は、共用されている手話補助装置。
【請求項6】
指文字の立体形状を模した指文字立体模型を備えている手話補助装置において、
前記指文字立体模型は複数個有って順番に結合されており、姓名の姓又は/及び名或いは団体名を表している手話補助装置。
【請求項7】
請求項6に記載の手話補助装置において、
前記指文字立体模型は、裏側又は表側であることを示す表示部を有している手話補助装置。
【請求項8】
物体を模した物体立体模型と、
該物体の手話表現であって該物体立体模型に付けられている手話表現立体模型と、
を備えている手話補助装置。
【請求項9】
単語の文字表記を模した単語文字表記模型と、
該単語の手話表現であって該単語文字表記模型に付けられている手話表現立体模型と、
を備えている手話補助装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報伝達を手話の手法により補助する手話補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手話は、聴覚障害者等の間又は聴覚障害者等と健常者の間での情報伝達のために使用される。手話には、「あいうえおかき・・・」等の日本語の文字及び数字を表す指文字の手法と特定の名詞や動詞などの語彙を表す所定の動作の手法が用いられる。指文字は、文字ごと及び数字ごとに手の形を対応させており、手話の語彙にない名詞や動詞などでも表現することができる。手話は、手話を日常的に用いている者から直接習ったり、教材、テレビ、インターネット又は特許文献1、2又は3に開示されているような学習装置などを使って独力で学習したりして習得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5-5175号公報
【特許文献2】特開2002-351478号公報
【特許文献3】特開2008-292963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、指文字の習得を含め手話の習得には、労力と時間が必要であるため、熟練者になるまでは手話の手法による情報伝達が容易でない場合も多い。
【0005】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、情報伝達を手話の手法により補助する手話補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の手話補助装置は、指文字の立体形状を模した複数個の指文字立体模型を備えており、各々の該指文字立体模型は、裏側であることを示し前記指文字に対応する文字が表示されている表示部を有している。
【0007】
請求項2に記載の手話補助装置は、請求項1に記載の手話補助装置において、前記複数個の指文字立体模型は、日本語の全ての個々の清音を表すことが可能である。
【0008】
請求項3に記載の手話補助装置は、請求項1又は2に記載の手話補助装置において、前記複数個の指文字立体模型の一部は、動かす向きが表示されている。
【0009】
請求項4に記載の手話補助装置は、請求項1~3のいずれか1項に記載の手話補助装置において、複数個の前記指文字立体模型が設置できる模型設置台を有する。
【0010】
請求項5に記載の手話補助装置は、請求項1~4のいずれか1項に記載の手話補助装置において、前記複数個の指文字立体模型の一部は、共用されている。
【0011】
請求項6に記載の手話補助装置は、指文字の立体形状を模した指文字立体模型を備えている手話補助装置において、前記指文字立体模型は複数個有って順番に結合されており、姓名の姓又は/及び名或いは団体名を表している。
【0012】
請求項7に記載の手話補助装置は、請求項6に記載の手話補助装置において、前記指文字立体模型は、裏側又は表側であることを示す表示部を有している。
【0013】
請求項8に記載の手話補助装置は、物体を模した物体立体模型と、該物体の手話表現であって該物体立体模型に付けられている手話表現立体模型と、を備えている。
【0014】
請求項9に記載の手話補助装置は、単語の文字表記を模した単語文字表記模型と、該単語の手話表現であって該単語文字表記模型に付けられている手話表現立体模型と、を備えている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る手話補助装置によれば、情報伝達を手話の手法により補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る手話補助装置の「あ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図2】同上の手話補助装置の「い」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図3】同上の手話補助装置の「う」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図4】同上の手話補助装置の「え」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図5】同上の手話補助装置の「お」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図6】同上の手話補助装置の「か」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図7】同上の手話補助装置の「き」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図8】同上の手話補助装置の「く」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図9】同上の手話補助装置の「け」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図10】同上の手話補助装置の「こ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図11】同上の手話補助装置の「さ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図12】同上の手話補助装置の「し」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図13】同上の手話補助装置の「す」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図14】同上の手話補助装置の「せ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図15】同上の手話補助装置の「そ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図16】同上の手話補助装置の「た」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図17】同上の手話補助装置の「ち」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図18】同上の手話補助装置の「つ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図19】同上の手話補助装置の「て」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図20】同上の手話補助装置の「と」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図21】同上の手話補助装置の「な」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図22】同上の手話補助装置の「に」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図23】同上の手話補助装置の「ぬ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図24】同上の手話補助装置の「ね」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図25】同上の手話補助装置の「の」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図26】同上の手話補助装置の「は」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図27】同上の手話補助装置の「ひ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図28】同上の手話補助装置の「ふ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図29】同上の手話補助装置の「へ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図30】同上の手話補助装置の「ほ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図31】同上の手話補助装置の「ま」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図32】同上の手話補助装置の「み」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図33】同上の手話補助装置の「む」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図34】同上の手話補助装置の「め」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図35】同上の手話補助装置の「も」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が最初の状態の表側、(b)が最初の状態の裏側、(c)が最後の状態の表側、(b)が最後の状態の裏側である。
【
図36】同上の手話補助装置の「や」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図37】同上の手話補助装置の「ゆ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図38】同上の手話補助装置の「よ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図39】同上の手話補助装置の「ら」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図40】同上の手話補助装置の「り」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図41】同上の手話補助装置の「る」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図42】同上の手話補助装置の「れ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図43】同上の手話補助装置の「ろ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図44】同上の手話補助装置の「わ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図45】同上の手話補助装置の「を」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図46】同上の手話補助装置の「ん」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図47】同上の手話補助装置の模型設置台を示す縮小した平面図であって、(a)が第1例、(b)が第2例、(c)が第3例である。
【
図48】同上の手話補助装置の「あ」の指文字の指文字立体模型の裏側を示す縮小した外観図であって、(a)が
図47(a)の模型設置台に用いることができるもの、(b)が
図47(b)の模型設置台に用いることができるもの、(c)が
図47(c)の模型設置台に用いることができるものである。
【
図49】同上の手話補助装置の共用された「あ」と「た」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が「あ」の表側、(b)が「あ」の裏側、(c)が「た」の表側、(d)が「た」の裏側である。
【
図50】同上の手話補助装置の共用された「そ」と「の」と「ひ」と「ん」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が「そ」の表側、(b)が「そ」の裏側、(c)が「の」の表側、(d)が「の」の裏側、(e)が「ひ」の表側、(f)が「ひ」の裏側、(g)が「ん」の表側、(h)が「ん」の裏側である。
【
図51】本発明の実施形態に係る他の手話補助装置の複数個の指文字立体模型が姓名の姓又は/及び名、或いは団体名を表している例を示す外観図である。
【
図52】本発明の実施形態に係る更に他の手話補助装置の手話表現立体模型が物体立体模型に付けられている第1例を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側を示すものである。
【
図53】同上の更に他の手話補助装置の手話表現立体模型が物体立体模型に付けられている第2例を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側を示すものである。
【
図54】同上の更に他の手話補助装置の手話表現立体模型が単語文字表記模型に付けられている例を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施形態に係る手話補助装置1は、指文字の立体形状を模した指文字立体模型2を備える。指文字立体模型2は、裏側又は表側であることを示す表示部3を有している。裏側は自分から見える側であり、表側は相手から見える側である。表示部3が裏側であることを示すか或いは表側であることを示すかは、予め取り決められている。
【0018】
例えば、「あ」の指文字ならば、
図1(a)、(b)に示すような指文字立体模型2となる。この図に示す指文字立体模型2では、裏側に表示部3が有り、表示部3には指文字に対応する「あ」の文字が表示されている。文字は、通常の文字や点字などが可能であり、それらの併記も可能である。文字以外の記号も可能である。表示部3における表示は、文字等を書いたシールを張り付けるか又は文字等を直接書き込むかなどして行われる。
【0019】
図1(a)、(b)に示すように表示部3として裏側にその指文字に対応する文字が表示されていると、指文字が正しく見えるように位置を調整し指文字の文字を確認しながら指文字立体模型2を手にもって表側を相手に示すことが可能である。この場合の指文字立体模型2は、余り小さすぎないようにする必要がある。
【0020】
「い」以下も、
図2~
図46に示すように、指文字の立体形状に応じた指文字立体模型2が可能である。なお、
図2~
図46(及び後述する
図48~
図50)においては、手話補助装置1、指文字立体模型2、表示部3は、表す指文字の違いは有るが、
図1と同じ符号を用いている。
【0021】
このように、手話補助装置1は、指文字立体模型2を複数個備え、日本語(50音)の全ての清音に一対一に対応する指文字立体模型2を備えることができる。この場合、個々の清音に対応する数の指文字立体模型2を備えることになる。こうして、手話補助装置1の複数個の指文字立体模型2は、日本語(50音)の全ての個々の清音を表すことができる。なお、後述するように、手話補助装置1の複数個の指文字立体模型2の一部は、1個の指文字立体模型2が2個以上の清音間で共用されるようにすることができる。
【0022】
ここで、「も」については、立体形状の変形を伴うので、2個の指文字立体模型2を備えるようにすることができる。「も」は、
図35(a)、(b)に示す人差し指と親指を離した状態(最初の状態)から
図35(c)、(d)に示す人差し指と親指を接触させた状態(最後の状態)に遷移させることによって表すことができる。この2個の指文字立体模型2は、例えば紐等で結ぶようにして常に近くに有るようにしておくことが好ましい。また、指文字立体模型2を2個備えることなく、人差し指及び/又は親指を独立に動かせるようにして1個にすることも可能である。
【0023】
「の」(
図25参照)、「り」(
図40参照)、「を」(
図45参照)及び「ん」(
図46参照)については、1個の指文字立体模型2を所定の動かし方に従って動かすことによって表すことができるので、指文字立体模型2に動かす向きが表示されているようにすることができる。例えば、「の」は人差し指をノの字を書くように動かすことによって表すことができるので、
図25に示すような矢印が指文字立体模型2に表示されているようにすることができる。また、「り」は、人差し指と中指でリの字を書くように動かすことによって表すことができるので、
図40に示すような矢印が指文字立体模型2に表示されているようにすることができる。「を」は
図45に示す形状を手前に引くことによって表すことができるので、手前を示す〇の中央に・をうった図形が指文字立体模型2に表示されているようにすることができる。「ん」は人差し指をンの字を書くように動かすことによって表すことができるので、
図46に示すような矢印が指文字立体模型2に表示されているようにすることができる。
【0024】
濁音、半濁音、長音、促音及び拗音は、清音を表す指文字立体模型2を所定の動かし方に従って動かすことによって表すことができる。
【0025】
手話補助装置1は、
図47(a)、(b)又は(c)に示すように、複数個(
図47では5個)の指文字立体模型2が設置できる模型設置台4を有するようにするのが好ましい。
図47(a)、(b)、(c)に示す模型設置台4は、上面4aが下面4bよりも小さくなっており(つまり側面視台形状になっており)、(a)では嵌め込み穴4cが複数個設けられ、(b)では嵌め込み穴4d及び金属板(又は磁石)4eが複数個設けられ、(c)では金属板(又は磁石)4fが複数個設けられている。なお、嵌め込み穴4c、4d、金属板(又は磁石)4e、4fの形状は、様々のものが可能である。
【0026】
図47(a)に示す模型設置台4には、
図48(a)に示すように指文字立体模型2の正しい上下の向きにおける底部に凸部2aを設けて嵌め込み穴4cに嵌め込み可能にしたものを用いることができる。
図47(b)に示す模型設置台4には、
図48(b)に示すように指文字立体模型2の正しい上下の向きにおける底部に凸部2b及び磁石2cを設けて嵌め込み穴4dに嵌め込み可能及び金属板(又は磁石)4eにくっつき可能にしたものを用いることができる。
図47(c)に示す模型設置台4には、
図48(c)に示すように指文字立体模型2の正しい上下の向きにおける底部に磁石2dを設けて金属板(又は磁石)4fにくっつき可能にしたものを用いることができる。なお、
図48では、「あ」の指文字の指文字立体模型2を示しているが、それ以外の指文字の指文字立体模型2を設置できることは勿論である。
【0027】
模型設置台4は、例えば、10個用意し、それに日本語(50音)の全ての清音に対応する指文字立体模型2を設置することができる。そして、情報伝達時に所要の指文字立体模型2をピックアップすることができる。このとき、指文字立体模型2は、上下の向きが正しく設置されているので迅速に使用することができる。
【0028】
模型設置台4は、それぞれの指文字の指文字立体模型2を決まったところに設置するようにし、模型設置台4の上面に説明箇所を設けるようにすることができる。例えば、「も」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には上記の「も」の使い方、「の」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には「の」の動かし方、「り」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には「り」の動かし方、「を」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には「を」の動かし方、「ん」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には「ん」の動かし方、について書いておくことが可能である。また、濁音、半濁音、長音、促音及び拗音の動かし方については、「は」など該当する清音の指文字の指文字立体模型2の設置場所に書いておくことが可能である。
【0029】
次に、手話補助装置1の複数個の指文字立体模型2の一部は、1個の指文字立体模型2が2個以上の清音間で共用されるようにすることが可能である。そうすると、全体の指文字立体模型2の数を少なくすることができる。この場合、共用される指文字立体模型2については、1個の指文字立体模型2は複数個の表示部3を有し、複数個の文字等が表示されていることになる。
【0030】
例えば、
図49(a)~(d)に示すように、「あ」と「た」の指文字立体模型2は共用が可能である。
図49においては、「あ」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「あ」の文字が手の甲に表示され、「た」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「た」の文字が親指側の側面に表示されているようにすることができる。
【0031】
また、例えば、
図50(a)~(h)に示すように、「そ」と「の」と「ひ」と「ん」の指文字立体模型2は共用が可能である。
図50においては、「そ」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「そ」の文字が手の甲における人差し指の付け根と親指の付け根の間近傍に表示され、「の」と「ん」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「の」、「ん」の文字が手の甲における人差し指の付け根の下側に、動かす向きの矢印とともに表示され、「ひ」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「ひ」の文字が手の甲の中央当たりに表示されているようにすることができる。
【0032】
その他、「う」と「と」の指文字立体模型2、「お」と「を」の指文字立体模型2、「く」と「て」の指文字立体模型2、「け」と「よ」の指文字立体模型2、「し」と「す」と「る」の指文字立体模型2、「な」と「に」と「は」と「り」の指文字立体模型2、「ふ」と「む」と「れ」の指文字立体模型2、「へ」と「や」の指文字立体模型2、「ま」と「み」と「ゆ」と「わ」の指文字立体模型2についても、共用が可能である。
【0033】
このような手話補助装置1は、情報伝達に用いる指文字立体模型2を模型設置台4などからピックアップして表側を相手(聴覚障害者等)に見せる。そうすると、指文字を習得していなくても又は習得途中であっても、相手に情報を伝達することができる。こうして、手話補助装置1は、情報伝達を手話の手法により補助することができる。また、手話補助装置1は、繰り返し用いることにより、段々と指文字を習得して行くことができる。ここで、上記のような共用が可能な指文字立体模型2の指文字は、手の形が同じで違う向き(静止又は動きの向き)の指文字なので、正しい向きで指文字を習得して行くことができることは重要である。
【0034】
次に、本発明の実施形態に係る他の手話補助装置を説明する。この手話補助装置1’は、複数個の指文字立体模型2’を順番に結合することによって姓名の姓又は/及び名、或いは会社名や店名などの団体名を表す。結合は、指文字立体模型2’同士を紐や鎖等でつないだり接着又は仮接着したりして行うことができる。指文字立体模型2’は、上記の指文字立体模型2と同様のものであるが、表示部3の有無は、その用途等により決められる。また、指文字立体模型2’の大きさは、適宜決められる。
【0035】
図51に示すのは、「かよこ」という名を表すために、「か」と「よ」と「こ」の指文字立体模型2’を上から順に鎖でつないだ例である。
図51に示す手話補助装置1’は、首などの身体又は衣服に付けることにより、相手(聴覚障害者等)は名を確認することができる。また、相手が手話を知らない人の場合でも、指文字立体模型2’は注目され易く、相手はそれにより本人を覚えることも可能である。また、手話の普及にもつながる。
【0036】
このように、手話補助装置1’は、複数個の指文字立体模型2’を順番に結合することによって、名札やネームプレートなどのように、相手は姓又は/及び名、或いは団体名を確認又は注目することができ、情報伝達を手話の手法により補助することができる。
【0037】
なお、「も」は、上記の2個の指文字立体模型2のような2個の指文字立体模型2’を互いに横に結合するなどして表すことが可能であるが、最初又は最後の状態の指文字立体模型2’だけでも相手は容易に姓又は/及び名を確認することが可能である。また、「の」、「り」、「を」、「ん」、濁音、半濁音、長音、促音及び拗音は、指文字立体模型2’に動かす向きを表示することも可能ではあるが、表示しなくても候補は限られるので、相手(聴覚障害者等)は容易に姓又は/及び名、或いは団体名を確認することが可能である。
【0038】
また、指文字立体模型2’を鎖でつないだような場合、裏返ったり横向きになったりすることも有り得る。その場合、指文字立体模型2’によっては1個の指文字立体模型2’が示す指文字として他の指文字も候補になるときも有り得るが、その候補が限られることとつながる他の指文字立体模型2’との関係から相手(聴覚障害者等)は容易に姓又は/及び名、或いは団体名を確認することが可能である。
【0039】
次に、本発明の実施形態に係る更に他の手話補助装置を説明する。先ず、手話補助装置5は、物体立体模型6と手話表現立体模型7を備えている。物体立体模型6は、物体(例えば、動物、植物、人工物など)を模したものである。手話表現立体模型7はその物体の手話表現である。手話表現立体模型7は、物体立体模型6に付けられている。
【0040】
図52に示すのは、物体立体模型6がライオンを模したものであり、ライオンの手話表現の手話表現立体模型7が物体立体模型6の両耳当たりに付けられている。
図53に示すのは、物体立体模型6が本を模したものであり、本の手話表現の手話表現立体模型7が物体立体模型6の見開いたページの上に付けられている。
【0041】
このような手話補助装置5は、聴覚障害者等の子供らが(及び聴覚障害者等以外の子供らも)物体立体模型6が示す物体を手話表現によって確認し易くなり、情報伝達を手話の手法により補助することができる。
【0042】
次に、手話補助装置5’は、単語文字表記模型6’と手話表現立体模型7’を備えている。単語文字表記模型6’は、単語の文字表記(例えば、漢字表記など)を模したものである。手話表現立体模型7’はその単語の手話表現である。手話表現立体模型7’は、単語文字表記模型6’に付けられている。
【0043】
図54に示すのは、単語文字表記模型6’が色という単語の漢字表記を模したものであり、色という単語の手話表現の手話表現立体模型7’が単語文字表記模型6’に付けられている。
【0044】
このような手話補助装置5’は、物体を表すものでない単語などについて、聴覚障害者等の子供らが(及び聴覚障害者等以外の子供らも)単語文字表記模型6’が示す単語を手話表現によって確認し易くなり、情報伝達を手話の手法により補助することができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態に係る手話補助装置について説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。また、上記の手話補助装置1(又は1’)は、数字や国際手話のアルファベットなどの指文字立体模型2(又は2’)も備えることが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1、1’、5、5’ 手話補助装置
2、2’ 指文字立体模型
2a、2b 凸部
2c、2d 磁石
3 表示部
4 模型設置台
4a 模型設置台の上面
4b 模型設置台の下面
4c、4d 嵌め込み穴
4e、4f 金属板(又は磁石)
6 物体立体模型
6’ 単語文字表記模型
7、7’ 手話表現立体模型
【手続補正書】
【提出日】2023-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指文字の立体形状を模した複数個の指文字立体模型を備えており、
各々の該指文字立体模型は、裏側であることを示し前記指文字に対応する文字が表示されている表示部を有している手話補助装置。
【請求項2】
請求項1に記載の手話補助装置において、
前記複数個の指文字立体模型は、日本語の全ての個々の清音を表すことが可能である手話補助装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の手話補助装置において、
前記複数個の指文字立体模型の一部は、動かす向きが表示されている手話補助装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の手話補助装置において、
複数個の前記指文字立体模型が設置できる模型設置台を有する手話補助装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の手話補助装置において、
前記複数個の指文字立体模型の一部は、共用されている手話補助装置。
【請求項6】
指文字の立体形状を模した指文字立体模型を備えている手話補助装置において、
前記指文字立体模型は複数個有って順番に結合されており、姓名の姓又は/及び名或いは団体名を表しており、
前記指文字立体模型は、裏側又は表側であることを示す表示部を有している手話補助装置。
【請求項7】
物体を模した物体立体模型と、
該物体の手話表現であって該物体立体模型に付けられている手話表現立体模型と、
を備えている手話補助装置。
【請求項8】
単語の文字表記を模した単語文字表記模型と、
該単語の手話表現であって該単語文字表記模型に付けられている手話表現立体模型と、
を備えている手話補助装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報伝達を手話の手法により補助する手話補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手話は、聴覚障害者等の間又は聴覚障害者等と健常者の間での情報伝達のために使用される。手話には、「あいうえおかき・・・」等の日本語の文字及び数字を表す指文字の手法と特定の名詞や動詞などの語彙を表す所定の動作の手法が用いられる。指文字は、文字ごと及び数字ごとに手の形を対応させており、手話の語彙にない名詞や動詞などでも表現することができる。手話は、手話を日常的に用いている者から直接習ったり、教材、テレビ、インターネット又は特許文献1、2又は3に開示されているような学習装置などを使って独力で学習したりして習得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5-5175号公報
【特許文献2】特開2002-351478号公報
【特許文献3】特開2008-292963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、指文字の習得を含め手話の習得には、労力と時間が必要であるため、熟練者になるまでは手話の手法による情報伝達が容易でない場合も多い。
【0005】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、情報伝達を手話の手法により補助する手話補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の手話補助装置は、指文字の立体形状を模した複数個の指文字立体模型を備えており、各々の該指文字立体模型は、裏側であることを示し前記指文字に対応する文字が表示されている表示部を有している。
【0007】
請求項2に記載の手話補助装置は、請求項1に記載の手話補助装置において、前記複数個の指文字立体模型は、日本語の全ての個々の清音を表すことが可能である。
【0008】
請求項3に記載の手話補助装置は、請求項1又は2に記載の手話補助装置において、前記複数個の指文字立体模型の一部は、動かす向きが表示されている。
【0009】
請求項4に記載の手話補助装置は、請求項1~3のいずれか1項に記載の手話補助装置において、複数個の前記指文字立体模型が設置できる模型設置台を有する。
【0010】
請求項5に記載の手話補助装置は、請求項1~4のいずれか1項に記載の手話補助装置において、前記複数個の指文字立体模型の一部は、共用されている。
【0011】
請求項6に記載の手話補助装置は、指文字の立体形状を模した指文字立体模型を備えている手話補助装置において、前記指文字立体模型は複数個有って順番に結合されており、姓名の姓又は/及び名或いは団体名を表しており、前記指文字立体模型は、裏側又は表側であることを示す表示部を有している。
【0012】
請求項7に記載の手話補助装置は、物体を模した物体立体模型と、該物体の手話表現であって該物体立体模型に付けられている手話表現立体模型と、を備えている。
【0013】
請求項8に記載の手話補助装置は、単語の文字表記を模した単語文字表記模型と、該単語の手話表現であって該単語文字表記模型に付けられている手話表現立体模型と、を備えている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る手話補助装置によれば、情報伝達を手話の手法により補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る手話補助装置の「あ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図2】同上の手話補助装置の「い」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図3】同上の手話補助装置の「う」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図4】同上の手話補助装置の「え」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図5】同上の手話補助装置の「お」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図6】同上の手話補助装置の「か」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図7】同上の手話補助装置の「き」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図8】同上の手話補助装置の「く」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図9】同上の手話補助装置の「け」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図10】同上の手話補助装置の「こ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図11】同上の手話補助装置の「さ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図12】同上の手話補助装置の「し」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図13】同上の手話補助装置の「す」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図14】同上の手話補助装置の「せ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図15】同上の手話補助装置の「そ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図16】同上の手話補助装置の「た」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図17】同上の手話補助装置の「ち」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図18】同上の手話補助装置の「つ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図19】同上の手話補助装置の「て」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図20】同上の手話補助装置の「と」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図21】同上の手話補助装置の「な」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図22】同上の手話補助装置の「に」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図23】同上の手話補助装置の「ぬ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図24】同上の手話補助装置の「ね」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図25】同上の手話補助装置の「の」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図26】同上の手話補助装置の「は」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図27】同上の手話補助装置の「ひ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図28】同上の手話補助装置の「ふ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図29】同上の手話補助装置の「へ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図30】同上の手話補助装置の「ほ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図31】同上の手話補助装置の「ま」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図32】同上の手話補助装置の「み」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図33】同上の手話補助装置の「む」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図34】同上の手話補助装置の「め」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図35】同上の手話補助装置の「も」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が最初の状態の表側、(b)が最初の状態の裏側、(c)が最後の状態の表側、(b)が最後の状態の裏側である。
【
図36】同上の手話補助装置の「や」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図37】同上の手話補助装置の「ゆ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図38】同上の手話補助装置の「よ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図39】同上の手話補助装置の「ら」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図40】同上の手話補助装置の「り」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図41】同上の手話補助装置の「る」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図42】同上の手話補助装置の「れ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図43】同上の手話補助装置の「ろ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図44】同上の手話補助装置の「わ」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図45】同上の手話補助装置の「を」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図46】同上の手話補助装置の「ん」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側である。
【
図47】同上の手話補助装置の模型設置台を示す縮小した平面図であって、(a)が第1例、(b)が第2例、(c)が第3例である。
【
図48】同上の手話補助装置の「あ」の指文字の指文字立体模型の裏側を示す縮小した外観図であって、(a)が
図47(a)の模型設置台に用いることができるもの、(b)が
図47(b)の模型設置台に用いることができるもの、(c)が
図47(c)の模型設置台に用いることができるものである。
【
図49】同上の手話補助装置の共用された「あ」と「た」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が「あ」の表側、(b)が「あ」の裏側、(c)が「た」の表側、(d)が「た」の裏側である。
【
図50】同上の手話補助装置の共用された「そ」と「の」と「ひ」と「ん」の指文字の指文字立体模型を示す外観図であって、(a)が「そ」の表側、(b)が「そ」の裏側、(c)が「の」の表側、(d)が「の」の裏側、(e)が「ひ」の表側、(f)が「ひ」の裏側、(g)が「ん」の表側、(h)が「ん」の裏側である。
【
図51】本発明の実施形態に係る他の手話補助装置の複数個の指文字立体模型が姓名の姓又は/及び名、或いは団体名を表している例を示す外観図である。
【
図52】本発明の実施形態に係る更に他の手話補助装置の手話表現立体模型が物体立体模型に付けられている第1例を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側を示すものである。
【
図53】同上の更に他の手話補助装置の手話表現立体模型が物体立体模型に付けられている第2例を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側を示すものである。
【
図54】同上の更に他の手話補助装置の手話表現立体模型が単語文字表記模型に付けられている例を示す外観図であって、(a)が表側、(b)が裏側を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施形態に係る手話補助装置1は、指文字の立体形状を模した指文字立体模型2を備える。指文字立体模型2は、裏側又は表側であることを示す表示部3を有している。裏側は自分から見える側であり、表側は相手から見える側である。表示部3が裏側であることを示すか或いは表側であることを示すかは、予め取り決められている。
【0017】
例えば、「あ」の指文字ならば、
図1(a)、(b)に示すような指文字立体模型2となる。この図に示す指文字立体模型2では、裏側に表示部3が有り、表示部3には指文字に対応する「あ」の文字が表示されている。文字は、通常の文字や点字などが可能であり、それらの併記も可能である。文字以外の記号も可能である。表示部3における表示は、文字等を書いたシールを張り付けるか又は文字等を直接書き込むかなどして行われる。
【0018】
図1(a)、(b)に示すように表示部3として裏側にその指文字に対応する文字が表示されていると、指文字が正しく見えるように位置を調整し指文字の文字を確認しながら指文字立体模型2を手にもって表側を相手に示すことが可能である。この場合の指文字立体模型2は、余り小さすぎないようにする必要がある。
【0019】
「い」以下も、
図2~
図46に示すように、指文字の立体形状に応じた指文字立体模型2が可能である。なお、
図2~
図46(及び後述する
図48~
図50)においては、手話補助装置1、指文字立体模型2、表示部3は、表す指文字の違いは有るが、
図1と同じ符号を用いている。
【0020】
このように、手話補助装置1は、指文字立体模型2を複数個備え、日本語(50音)の全ての清音に一対一に対応する指文字立体模型2を備えることができる。この場合、個々の清音に対応する数の指文字立体模型2を備えることになる。こうして、手話補助装置1の複数個の指文字立体模型2は、日本語(50音)の全ての個々の清音を表すことができる。なお、後述するように、手話補助装置1の複数個の指文字立体模型2の一部は、1個の指文字立体模型2が2個以上の清音間で共用されるようにすることができる。
【0021】
ここで、「も」については、立体形状の変形を伴うので、2個の指文字立体模型2を備えるようにすることができる。「も」は、
図35(a)、(b)に示す人差し指と親指を離した状態(最初の状態)から
図35(c)、(d)に示す人差し指と親指を接触させた状態(最後の状態)に遷移させることによって表すことができる。この2個の指文字立体模型2は、例えば紐等で結ぶようにして常に近くに有るようにしておくことが好ましい。また、指文字立体模型2を2個備えることなく、人差し指及び/又は親指を独立に動かせるようにして1個にすることも可能である。
【0022】
「の」(
図25参照)、「り」(
図40参照)、「を」(
図45参照)及び「ん」(
図46参照)については、1個の指文字立体模型2を所定の動かし方に従って動かすことによって表すことができるので、指文字立体模型2に動かす向きが表示されているようにすることができる。例えば、「の」は人差し指をノの字を書くように動かすことによって表すことができるので、
図25に示すような矢印が指文字立体模型2に表示されているようにすることができる。また、「り」は、人差し指と中指でリの字を書くように動かすことによって表すことができるので、
図40に示すような矢印が指文字立体模型2に表示されているようにすることができる。「を」は
図45に示す形状を手前に引くことによって表すことができるので、手前を示す〇の中央に・をうった図形が指文字立体模型2に表示されているようにすることができる。「ん」は人差し指をンの字を書くように動かすことによって表すことができるので、
図46に示すような矢印が指文字立体模型2に表示されているようにすることができる。
【0023】
濁音、半濁音、長音、促音及び拗音は、清音を表す指文字立体模型2を所定の動かし方に従って動かすことによって表すことができる。
【0024】
手話補助装置1は、
図47(a)、(b)又は(c)に示すように、複数個(
図47では5個)の指文字立体模型2が設置できる模型設置台4を有するようにするのが好ましい。
図47(a)、(b)、(c)に示す模型設置台4は、上面4aが下面4bよりも小さくなっており(つまり側面視台形状になっており)、(a)では嵌め込み穴4cが複数個設けられ、(b)では嵌め込み穴4d及び金属板(又は磁石)4eが複数個設けられ、(c)では金属板(又は磁石)4fが複数個設けられている。なお、嵌め込み穴4c、4d、金属板(又は磁石)4e、4fの形状は、様々のものが可能である。
【0025】
図47(a)に示す模型設置台4には、
図48(a)に示すように指文字立体模型2の正しい上下の向きにおける底部に凸部2aを設けて嵌め込み穴4cに嵌め込み可能にしたものを用いることができる。
図47(b)に示す模型設置台4には、
図48(b)に示すように指文字立体模型2の正しい上下の向きにおける底部に凸部2b及び磁石2cを設けて嵌め込み穴4dに嵌め込み可能及び金属板(又は磁石)4eにくっつき可能にしたものを用いることができる。
図47(c)に示す模型設置台4には、
図48(c)に示すように指文字立体模型2の正しい上下の向きにおける底部に磁石2dを設けて金属板(又は磁石)4fにくっつき可能にしたものを用いることができる。なお、
図48では、「あ」の指文字の指文字立体模型2を示しているが、それ以外の指文字の指文字立体模型2を設置できることは勿論である。
【0026】
模型設置台4は、例えば、10個用意し、それに日本語(50音)の全ての清音に対応する指文字立体模型2を設置することができる。そして、情報伝達時に所要の指文字立体模型2をピックアップすることができる。このとき、指文字立体模型2は、上下の向きが正しく設置されているので迅速に使用することができる。
【0027】
模型設置台4は、それぞれの指文字の指文字立体模型2を決まったところに設置するようにし、模型設置台4の上面に説明箇所を設けるようにすることができる。例えば、「も」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には上記の「も」の使い方、「の」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には「の」の動かし方、「り」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には「り」の動かし方、「を」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には「を」の動かし方、「ん」の指文字の指文字立体模型2の設置場所には「ん」の動かし方、について書いておくことが可能である。また、濁音、半濁音、長音、促音及び拗音の動かし方については、「は」など該当する清音の指文字の指文字立体模型2の設置場所に書いておくことが可能である。
【0028】
次に、手話補助装置1の複数個の指文字立体模型2の一部は、1個の指文字立体模型2が2個以上の清音間で共用されるようにすることが可能である。そうすると、全体の指文字立体模型2の数を少なくすることができる。この場合、共用される指文字立体模型2については、1個の指文字立体模型2は複数個の表示部3を有し、複数個の文字等が表示されていることになる。
【0029】
例えば、
図49(a)~(d)に示すように、「あ」と「た」の指文字立体模型2は共用が可能である。
図49においては、「あ」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「あ」の文字が手の甲に表示され、「た」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「た」の文字が親指側の側面に表示されているようにすることができる。
【0030】
また、例えば、
図50(a)~(h)に示すように、「そ」と「の」と「ひ」と「ん」の指文字立体模型2は共用が可能である。
図50においては、「そ」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「そ」の文字が手の甲における人差し指の付け根と親指の付け根の間近傍に表示され、「の」と「ん」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「の」、「ん」の文字が手の甲における人差し指の付け根の下側に、動かす向きの矢印とともに表示され、「ひ」の指文字の裏側を示す表示部3の表示として「ひ」の文字が手の甲の中央当たりに表示されているようにすることができる。
【0031】
その他、「う」と「と」の指文字立体模型2、「お」と「を」の指文字立体模型2、「く」と「て」の指文字立体模型2、「け」と「よ」の指文字立体模型2、「し」と「す」と「る」の指文字立体模型2、「な」と「に」と「は」と「り」の指文字立体模型2、「ふ」と「む」と「れ」の指文字立体模型2、「へ」と「や」の指文字立体模型2、「ま」と「み」と「ゆ」と「わ」の指文字立体模型2についても、共用が可能である。
【0032】
このような手話補助装置1は、情報伝達に用いる指文字立体模型2を模型設置台4などからピックアップして表側を相手(聴覚障害者等)に見せる。そうすると、指文字を習得していなくても又は習得途中であっても、相手に情報を伝達することができる。こうして、手話補助装置1は、情報伝達を手話の手法により補助することができる。また、手話補助装置1は、繰り返し用いることにより、段々と指文字を習得して行くことができる。ここで、上記のような共用が可能な指文字立体模型2の指文字は、手の形が同じで違う向き(静止又は動きの向き)の指文字なので、正しい向きで指文字を習得して行くことができることは重要である。
【0033】
次に、本発明の実施形態に係る他の手話補助装置を説明する。この手話補助装置1’は、複数個の指文字立体模型2’を順番に結合することによって姓名の姓又は/及び名、或いは会社名や店名などの団体名を表す。結合は、指文字立体模型2’同士を紐や鎖等でつないだり接着又は仮接着したりして行うことができる。指文字立体模型2’は、上記の指文字立体模型2と同様のものであるが、表示部3の有無は、その用途等により決められる。また、指文字立体模型2’の大きさは、適宜決められる。
【0034】
図51に示すのは、「かよこ」という名を表すために、「か」と「よ」と「こ」の指文字立体模型2’を上から順に鎖でつないだ例である。
図51に示す手話補助装置1’は、首などの身体又は衣服に付けることにより、相手(聴覚障害者等)は名を確認することができる。また、相手が手話を知らない人の場合でも、指文字立体模型2’は注目され易く、相手はそれにより本人を覚えることも可能である。また、手話の普及にもつながる。
【0035】
このように、手話補助装置1’は、複数個の指文字立体模型2’を順番に結合することによって、名札やネームプレートなどのように、相手は姓又は/及び名、或いは団体名を確認又は注目することができ、情報伝達を手話の手法により補助することができる。
【0036】
なお、「も」は、上記の2個の指文字立体模型2のような2個の指文字立体模型2’を互いに横に結合するなどして表すことが可能であるが、最初又は最後の状態の指文字立体模型2’だけでも相手は容易に姓又は/及び名を確認することが可能である。また、「の」、「り」、「を」、「ん」、濁音、半濁音、長音、促音及び拗音は、指文字立体模型2’に動かす向きを表示することも可能ではあるが、表示しなくても候補は限られるので、相手(聴覚障害者等)は容易に姓又は/及び名、或いは団体名を確認することが可能である。
【0037】
また、指文字立体模型2’を鎖でつないだような場合、裏返ったり横向きになったりすることも有り得る。その場合、指文字立体模型2’によっては1個の指文字立体模型2’が示す指文字として他の指文字も候補になるときも有り得るが、その候補が限られることとつながる他の指文字立体模型2’との関係から相手(聴覚障害者等)は容易に姓又は/及び名、或いは団体名を確認することが可能である。
【0038】
次に、本発明の実施形態に係る更に他の手話補助装置を説明する。先ず、手話補助装置5は、物体立体模型6と手話表現立体模型7を備えている。物体立体模型6は、物体(例えば、動物、植物、人工物など)を模したものである。手話表現立体模型7はその物体の手話表現である。手話表現立体模型7は、物体立体模型6に付けられている。
【0039】
図52に示すのは、物体立体模型6がライオンを模したものであり、ライオンの手話表現の手話表現立体模型7が物体立体模型6の両耳当たりに付けられている。
図53に示すのは、物体立体模型6が本を模したものであり、本の手話表現の手話表現立体模型7が物体立体模型6の見開いたページの上に付けられている。
【0040】
このような手話補助装置5は、聴覚障害者等の子供らが(及び聴覚障害者等以外の子供らも)物体立体模型6が示す物体を手話表現によって確認し易くなり、情報伝達を手話の手法により補助することができる。
【0041】
次に、手話補助装置5’は、単語文字表記模型6’と手話表現立体模型7’を備えている。単語文字表記模型6’は、単語の文字表記(例えば、漢字表記など)を模したものである。手話表現立体模型7’はその単語の手話表現である。手話表現立体模型7’は、単語文字表記模型6’に付けられている。
【0042】
図54に示すのは、単語文字表記模型6’が色という単語の漢字表記を模したものであり、色という単語の手話表現の手話表現立体模型7’が単語文字表記模型6’に付けられている。
【0043】
このような手話補助装置5’は、物体を表すものでない単語などについて、聴覚障害者等の子供らが(及び聴覚障害者等以外の子供らも)単語文字表記模型6’が示す単語を手話表現によって確認し易くなり、情報伝達を手話の手法により補助することができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態に係る手話補助装置について説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。また、上記の手話補助装置1(又は1’)は、数字や国際手話のアルファベットなどの指文字立体模型2(又は2’)も備えることが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1、1’、5、5’ 手話補助装置
2、2’ 指文字立体模型
2a、2b 凸部
2c、2d 磁石
3 表示部
4 模型設置台
4a 模型設置台の上面
4b 模型設置台の下面
4c、4d 嵌め込み穴
4e、4f 金属板(又は磁石)
6 物体立体模型
6’ 単語文字表記模型
7、7’ 手話表現立体模型