(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048054
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】海中二酸化炭素分離精製貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
B01D 19/00 20060101AFI20230330BHJP
C01B 32/50 20170101ALI20230330BHJP
【FI】
B01D19/00 101
C01B32/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021172723
(22)【出願日】2021-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】504211142
【氏名又は名称】森重 晴雄
(71)【出願人】
【識別番号】520086209
【氏名又は名称】森重 茂美
(71)【出願人】
【識別番号】520086210
【氏名又は名称】北村 康文
(71)【出願人】
【識別番号】520086221
【氏名又は名称】千代谷 晴菜
(71)【出願人】
【識別番号】515186770
【氏名又は名称】森重 晴貴
(71)【出願人】
【識別番号】520086232
【氏名又は名称】梅津 晴賀
(71)【出願人】
【識別番号】520086243
【氏名又は名称】小牧 晴絵
(71)【出願人】
【識別番号】520086254
【氏名又は名称】森重 はるみ
(72)【発明者】
【氏名】森重 晴雄
【テーマコード(参考)】
4D011
4G146
【Fターム(参考)】
4D011AA16
4D011AD03
4G146JA02
4G146JC05
4G146JC10
4G146JC19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】海水から二酸化炭素を分離再生し、再生した二酸化炭素を圧縮し液化し、高純度の二酸化炭素を得る製法を提供する。
【解決手段】海水から二酸化炭素を取りだす為に、再生タンク4を持つ海水循環ライン1を設け、海水を循環させる。再生タンクは負圧に保ち、海水中から二酸化炭素を再生させる。加圧タンク5とピトー管を持つ液化循環ライン2を設け、ピトー管から再生した二酸化炭素を吸収し、加圧タンクに二酸化炭素を蓄積、加圧し液化させる。加圧タンクでは気相と液相に分離される。気相に溜まった窒素や酸素9を加圧タンク上部から大気に放出させる。液相に溜まった二酸化炭素の液体は加圧タンク下部から放出し、保管タンクに保存するか海底パイプライン19を経て水深500m以下の岩盤内あるいは水深6,000m以下の海底に保存する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水を循環させたラインの頂部に再生タンクを陸上の架台に設置し、再生タンクを負圧にし海水中に溶けている炭酸ガスを再生させる機構。
【請求項2】
再生した二酸化炭素をピトー管効果に応用した水の循環ラインに吸引させ、加圧し、二酸化炭素が液化するにつれ、水が排出され、二酸化炭素液体の循環ラインとなり、高純度の二酸化炭素を得る製法。
【請求項3】
再生した二酸化炭素をピトー管効果に応用した水の循環ラインに吸引しライン上の加圧タンクに蓄積させ、徐々に加圧していき、液化し、加圧タンク内で気相と液相に分離させ、気相となった酸素、窒素の不純物を加圧タンク上部から大気放出し、液相となった高純度の二酸化炭素液体を加圧タンク下部から取り出す製法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海中に含まれる二酸化炭素を回収するシステムである。
【背景技術】
【0002】
大気中の炭酸ガス増加は海洋にも影響を与えている。1980年頃は300ppmであったが、最近では360ppmと40年間で2割増加している。炭酸水による海水の酸性化が進み、生物に影響を与えると危惧されている。
【先行技術文献】
【0003】
国内では海水中の二酸化炭素を分離する技術は皆無である。
【特許文献】
【0004】
海水から二酸化炭素を分離する技術の特許は皆無である。
【発明の概要】
【0005】
システムは、大まかに海水循環ラインと液化循環ラインからなる。海水循環ラインは、海面から約10mの位置の陸上に再生タンクを設置し、圧力を0.01Mpaとする。再生タンク内に循環する海水は大気圧0.1Mpaから0.01Mpaに減圧され、海水中に溶け込んでいた二酸化炭素を再生タンク内で再生する。液化循環ラインは加圧タンクを持ち運転当初は水が注入され、液化ポンプが水を循環し、ピトー管効果によって、二酸化炭素を吸引し、圧縮液化する機能を持つ。海水循環ラインで再生された二酸化炭素のガスは、液化循環ラインのピトー管に吸収され、気泡となって加圧タンクまで輸送され、加圧タンク内で蓄積され、徐々に加圧され始動数分後で5Mpaに達し二酸化炭素が液化する。加圧タンクでは気相と液相に分離される。気相では酸素や窒素などのガスが溜まり不純物としてタンク上部から放出される。液相では液化した二酸化炭素は加圧タンクが溜まりタンクの底から放出され、貯蔵タンクまたは深さ500mの岩盤の海底に運ばれて液体を貯蔵する。液化循環ラインは起動時に水で満たしているが、しばらくすると水が放出され、液化した二酸化炭素に置換される。その後、液化循環ラインは二酸化炭素で満たされ、高純度の二酸化炭素の液体が精製される。尚、再生タンク内で発生した水蒸気は減圧され断熱膨張のために急冷され零下となり、タンク内で雪となり、液相の海水に落下し気相から除去される。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
海水中から二酸化炭素を取り出すこと。
【0007】
不純物を取り出すこと。
【0008】
二酸化炭素を液化し、純度を高め、運搬しやすくする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
海水から二酸化炭素を取りだす為に、再生タンクを持つ海水循環ラインを設け、海水を循環させる。再生タンクは負圧に保ち、海水中から二酸化炭素を再生させる。加圧タンクとピトー管を持つ液化循環ラインを設け、ピトー管から、再生タンクで再生した二酸化炭素を吸収し、加圧タンクに二酸化炭素を蓄積、加圧し液化させる。加圧タンクには気相と液相に分離される。気相に溜まった窒素や酸素を加圧タンク上部から大気に放出させる。液相に溜まった二酸化炭素の液体は加圧タンク下部から放出し、保管タンクに保存するか海底パイプラインを経て水深500m以下の岩盤内あるいは水深6000m以下の海底に保存する。尚、再生タンク内で発生した水蒸気は減圧され膨張のために零下となり、タンク内で雪となり、海水に落下し気相から除去される。
【発明の効果】
【0010】
海水から二酸化炭素を分離再生できる。
【0011】
水を媒体とすること。
【0012】
再生した二酸化炭素を圧縮し液化し貯蔵する。
【0013】
再生された二酸化炭素から不純物を取り除くこと。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】 システムは、大まかに海水循環ライン1と液化循環ライン2からなる。海水循環ライン1は海水循環ポンプ18が海水3を循環させ上段に再生タンク4を持つ。海面から揚程差15が約10mとなるように再生タンク4を陸上14に設けた架台10の上に設置する。再生タンク内圧力11を0.01Mpaとなるようにタンク内水面を調整する。再生タンク4内に循環する海水3は海面13の0.1Mpaから再生タンク4の0.01Mpaに減圧され、海水中に溶け込んでいる二酸化炭素が再生する。液化循環ライン2は運転当初水を液化ポンプ17が循環し、ライン上に加圧タンク5を持つ。再生された二酸化炭素6は、液化循環ライン2のピトー管効果8によって吸収され、水に囲まれ、加圧タンク5に蓄積、加圧される。加圧タンク内圧力12が始動後数分で5Mpaに達し、常温では液化され液化二酸化炭素7となる。加圧タンク5では、気相と液相に分離される。気相では酸素や窒素などのガスが不純物9として噴出しタンク上部から放出される。液相では液化二酸化炭素7が蓄積され加圧タンク5の底から輸送される。輸送される液化二酸化炭素16は貯蔵タンクまたは海底パイプライン19を経て深さ500mの岩盤または深さ6,000mの海底20に運ばれ、液体として貯蔵される。液化循環ライン2は起動時に水で満たされているが、液化二酸化炭素7が増えると水が放出され、液化二酸化炭素7に置換される。その後、液化循環ラインは二酸化炭素で満たされ高純度の液化二酸化炭素7が精製される。
【産業上の利用可能性】
【0015】
炭酸ガスの製造設備
【符号の説明】
【0016】
1.海水循環ライン 18.海水循環ポンプ
2.液化循環ライン 19.海底パイプライン
3.海水 20.水深500m以下の海底岩盤内
4.再生タンク または6,0000m以下の海底
5.加圧タンク
6.再生した二酸化炭素
7.液化二酸化炭素
8.ピトー管効果
9.不純物
10.架台
11.再生タンク内圧力
12.加圧タンク内圧力
13.海面
14.陸上
15.揚程差
16.輸送される液化二酸化炭素
17.液化ポンプ