(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048092
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】物品収容ケース
(51)【国際特許分類】
B65D 37/00 20060101AFI20230330BHJP
B65D 81/38 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
B65D37/00
B65D81/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073903
(22)【出願日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2021156220
(32)【優先日】2021-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592110808
【氏名又は名称】株式会社キラックス
(74)【代理人】
【識別番号】100101524
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】吉良 伸一
(72)【発明者】
【氏名】下山 康
(72)【発明者】
【氏名】福谷 高子
【テーマコード(参考)】
3E065
3E067
【Fターム(参考)】
3E065AA02
3E065BA11
3E065FA14
3E067AA11
3E067BA05B
3E067BA12C
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BC06B
3E067BC06C
3E067BC07B
3E067CA18
3E067DA03
3E067EA32
3E067EB17
3E067EB27
3E067EE13
3E067FA04
3E067FC01
3E067GA01
3E067GA11
(57)【要約】
【課題】冷凍用にも使用可能な物品収容ケースであって、容易に折り畳み可能なものを提供する。
【解決手段】基本状態においては、内ケース体10が直方体状をなす内ケース基本状態にあり、外ケース体30も直方体状をなす外ケース基本状態にあるとともに、蓋体260が蓋体基本状態にある。折り畳み状態においては、内ケース体10が内ケース折り畳み状態にあり、外ケース体30が外ケース略折り畳み状態にあるとともに、蓋体260が蓋体両縁結合折り曲げ状態にある。内ケース体10が内ケース基本状態から内ケース折り畳み状態に変相されることによって、蓋体260も蓋体基本状態から蓋体両縁結合折り曲げ状態に変相し、外ケース体も外ケース基本状態から略折り畳み状態に変相し、この物品収容ケースが基本状態から折り畳み状態に変相する。
【選択図】
図9B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内ケース体が外ケース体に収容された物品収容ケースであって、
前記内ケース体は、内ケース底板部と、一対の内ケース第1側板部と、一対の内ケース第2側板部とを有し、
前記内ケース底板部は、ともに一対の底板第1辺及び底板第2辺を有する矩形状をなし、前記一対の底板第1辺と平行に延びる底板部折り曲げ線に沿って分割された複数の分割底板部を有し、水平な一平板状をなす底板部基本状態と、前記底板部折り曲げ線において下方に凸状に折り曲げられた底板部折り曲げ状態との間を変相可能であり、
前記一対の内ケース第1側板部は、自身の下縁部において、前記内ケース底板部の前記一対の第1辺に対して相互に揺動可能に結合されており、
前記一対の内ケース第2側板部は、前記内ケース底板部の前記一対の第2辺に対応するものであり、自身の下縁部において前記内ケース底板部の当該第2辺に対して結合されておらず、
自身の各側縁部において前記一対の内ケース第1側板部の各側縁部に対して相互に揺動可能に結合されており、
自身の高さ方向に延びる第2側板部折り曲げ線に沿って分割された複数の分割側板部を有し、一平板状をなす第2側板部基本状態と、前記第2側板部折り曲げ線において内方に凸状に折り曲げられた第2側板部折り曲げ状態との間を変相可能であり、
前記内ケース体は、前記一対の内ケース第1側板部が相互に離隔した離隔状態にあり、前記内ケース底板部が前記底板部基本状態にあり、前記一対の内ケース第2側板部が前記第2側板部基本状態にある内ケース基本状態と、前記一対の内ケース第1側板部が相互に近傍した近接状態にあり、前記内ケース底板部が前記底板部折り曲げ状態にあり、前記一対の内ケース第2側板部が前記第2側板部折り曲げ状態にある内ケース折り畳み状態との間を変相可能であり、
前記外ケース体は、可撓性を有するシートによって形成されており、前記内ケース体の前記内ケース基本状態と前記内ケース折り畳み状態の間の変相を妨げずに、前記内ケース体の当該変相に伴って、前記内ケース体の内ケース基本状態に対応する外ケース基本状態と前記内ケース折り畳み状態に対応する外ケース略折り畳み状態との間を変相可能である、
物品収容ケース。
【請求項2】
請求項1に記載の物品収容ケースであって、
前記複数の分割底板部は、前記内ケース底板部が前記底板部折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割蓋体であり、前記底板部折り曲げ状態は、前記底板部折り曲げ線において前記内ケース底板部が下方に谷折り状に折り曲げられて前記両分割底板部がほぼ鉛直に延びるものである、物品収容ケース。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の物品収容ケースであって、
前記複数の分割側板部は、前記内ケース第2側板部が前記第2側板部折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割側板部であり、前記第2側板部折り曲げ状態は、前記第2側板部折り曲げ線において前記内ケース第2側板部が内方に谷折り状に折り曲げられて前記両分割側板部が前記一対の内ケース第1側板部にほぼ沿って延びるものである、物品収容ケース。
【請求項4】
請求項1に記載の物品収容ケースであって、
さらに蓋体を有し、
前記蓋体は、前記一対の底板第1辺と平行に延びる一対の蓋体第1辺、及び、前記一対の底板第2辺と平行に延びる一対の蓋体第2辺を有する矩形状の蓋体本体部を有し、
前記蓋体本体部は、前記一対の蓋体第1辺において前記外ケース体又は前記内ケース体の上縁部に対して揺動可能であり、
前記一対の蓋体第1辺と平行に延びる蓋体折り曲げ線に沿って分割された複数の分割蓋体を有し、水平な一平板状をなす蓋体基本状態と、前記蓋体折り曲げ線において上方に凸状に折り曲げられた蓋体折り曲げ状態との間を変相可能であり、
前記内ケース基本状態は、さらに、前記蓋体本体部が前記蓋体基本状態であり、前記内ケース折り畳み状態は、さらに、前記蓋体本体部が前記蓋体折り曲げ状態である、
物品収容ケース。
【請求項5】
請求項4に記載の物品収容ケースであって、
前記複数の分割蓋体は、前記蓋体本体部が前記蓋体折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割蓋体であり、前記蓋体折り曲げ状態は、前記蓋体本体部が上方に山折り状に折り曲げられたものである、物品収容ケース。
【請求項6】
請求項4に記載の物品収容ケースであって、
前記複数の分割蓋体は、前記蓋体本体部が複数の前記蓋体折り曲げ線に沿って分割された一対の第1辺側分割蓋体及び中央側分割蓋体であり、前記一対の第1辺側分割蓋体は前記一対の蓋体第1辺を含むものであり、前記中央側分割蓋体は前記一対の両第1辺側分割蓋体の間に位置するものである、物品収容ケース。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれかに記載の物品収容ケースであって、
前記外ケース体は、外ケース底部と、一対の外ケース第1側部と、一対の外ケース第2側部と、一対の折り畳み補助部とを有し、
前記外ケース第1側部は、前記内ケース体の前記内ケース底板部に対応し、
前記一対の外ケース第1側部は、前記内ケース体の前記一対の内ケース第1側板部に対応し、
前記一対の外ケース第2側部は、前記内ケース体の前記一対の内ケース第2側板部に対応し、
前記一対の折り畳み補助部は、前記外ケース底部と前記底ケース第2側部とを連結し、前記内ケース底板部が前記底板部基本状態から前記底板部折り曲げ状態に変相しようとするのに伴って鉛直下方成分を有する方向に向かおうとする当該内ケース底板部の前記一対の分割底板部が前記外ケース底部を下方に押圧することに基づいて下方に引っ張られることによって、前記一対の外ケース第2側部と前記外ケース底部との間において鉛直方向成分を有する方向に延びて当該外ケース体を下方に伸ばし、前記内ケース底板部が前記底板部基本状態から前記底板部折り曲げ状態に変相することを許容するものである、
物品収容ケース。
【請求項8】
請求項7に記載の物品収容ケースであって、
前記一対の折り畳み補助部は、前記外ケース底部を形成するシートによって当該外ケース底部と一連に形成される各底部側補助部形成部と、前記各外ケース第2側部を形成するシートによって当該各外ケース第2側部と一連に形成される各第2側部側補助部形成部とが結合されて形成されている、
物品収容ケース。
【請求項9】
請求項8に記載の物品収容ケースであって、
前記底部側補助部形成部は、前記外ケース底部との境界部分を自身の基縁部として、自身の先端部に向かって延びており、
前記第2側部側補助部形成部は、前記底部側補助部形成部に対応して、前記外ケース第2側部との境界部分を自身の基縁部として、自身の先端部に向かって延びており、
前記折り畳み補助部は、前記底部側補助部形成部の基縁部以外の部分と前記第2側部側補助部形成部の基縁部以外の部分とが結合されて形成されている、
物品収容ケース。
【請求項10】
請求項9に記載の物品収容ケースであって、
前記底部側補助部形成部は、前記外ケース底部との境界部分を基縁部として、自身の先端部に向かうにつれて徐々に幅が狭くなる形状をしており、
前記第2側部側補助部形成部は、前記底部側補助部形成部に対応して、前記外ケース第2側部との境界部分を基縁部として、自身の先端部に向かうにつれて徐々に幅が狭くなる形状をしている、
物品収容ケース。
【請求項11】
請求項9に記載の物品収容ケースであって、
前記折り畳み補助部においては、さらに、前記底部側補助部形成部の中央近傍と前記第2側部側補助部形成部の中央近傍とが結合されて結合部が形成されており、
前記内ケース体がが前記内ケース折り畳み状態になった状態で、前記底部側補助部形成部のうち前記結合部よりも基縁部の側の部分及び前記第2側部側補助部形成部のうちの前記結合部よりも基縁部の側の部分は、前記外ケース第2側部と連続的にほぼ鉛直状態となる、
物品収容ケース。
【請求項12】
請求項7に記載の物品収容ケースであって、
前記各折り畳み補助部は、当該物品収容ケースが前記基本状態にある状態で、前記各外ケース第2側部に着脱可能に結合されるものである、
物品収容ケース。
【請求項13】
請求項7に記載の物品収容ケースであって、
前記外ケース体には、当該物品収容ケースが前記折り畳み状態にある状態で、前記一対の外ケース第1側部同士を離隔不能に着脱可能に連結するベルトが設けられている、
物品収容ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品が収容されるケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種の物品を輸送等するために、ケース(容器,箱)が使用される場合が多い。
保冷状態・保温状態を維持しつつ搬送するためには、断熱効果を有するケースが使用される。
冷蔵用の場合は、冷凍用にも使用可能な場合と比較して、あまり大きな断熱効果を有していなくても足りる。しかしながら、冷凍用にも使用可能なものにするには、大きな断熱効果を有する必要がある。
このため、冷蔵用の小さな断熱効果を有するケースは、その外郭部分(底部,2対の側壁部,蓋部)がシート状(薄肉)のものによって形成されている。一方、冷凍用にも使用可能な大きな断熱効果を有するケースは、その外郭部分が厚板状(厚肉)のものによって形成されている。
【0003】
ところで、省スペースの観点から、物品収容ケースは、物品を収容していない状態(すなわち、空(から)の状態)においては、小さくなっていることが望ましい。
そこで、折り畳み可能な物品収容ケースが開発されている。その一例が特許文献1に開示されている。
【0004】
上記のものは、折り畳み作業及びその逆の復元作業も容易に行うことができる。しかしながら、冷蔵用のものであり、シート状のものによって形成されており、その肉厚をあまり考慮せずに製造することが可能である。
【0005】
一方で、冷凍用にも使用可能な物品収容ケースについては、前述したように厚板状のものによって形成されているため、折り畳み可能なものは存在しているが、折り畳み作業及びその逆の復元作業を容易に行うことができるものは存在していなかった。
すなわち、外郭部分の肉厚を考慮すると、特許文献1に記載のものをそのまま冷凍用にも使用可能な物品収容ケースに応用するのは不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、冷凍用にも使用可能な物品収容ケースであって、容易に折り畳み可能なものを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、内ケース体が外ケース体に収容された物品収容ケースであって、前記内ケース体は、内ケース底板部と、一対の内ケース第1側板部と、一対の内ケース第2側板部とを有し、前記内ケース底板部は、ともに一対の底板第1辺及び底板第2辺を有する矩形状をなし、前記一対の底板第1辺と平行に延びる底板部折り曲げ線に沿って分割された複数の分割底板部を有し、水平な一平板状をなす底板部基本状態と、前記底板部折り曲げ線において下方に凸状に折り曲げられた底板部折り曲げ状態との間を変相可能であり、前記一対の内ケース第1側板部は、自身の下縁部において、前記内ケース底板部の前記一対の第1辺に対して相互に揺動可能に結合されており、前記一対の内ケース第2側板部は、前記内ケース底板部の前記一対の第2辺に対応するものであり、自身の下縁部において前記内ケース底板部の当該第2辺に対して結合されておらず、自身の各側縁部において前記一対の内ケース第1側板部の各側縁部に対して相互に揺動可能に結合されており、自身の高さ方向に延びる第2側板部折り曲げ線に沿って分割された複数の分割側板部を有し、一平板状をなす第2側板部基本状態と、前記第2側板部折り曲げ線において内方に凸状に折り曲げられた第2側板部折り曲げ状態との間を変相可能であり、前記内ケース体は、前記一対の内ケース第1側板部が相互に離隔した離隔状態にあり、前記内ケース底板部が前記底板部基本状態にあり、前記一対の内ケース第2側板部が前記第2側板部基本状態にある内ケース基本状態と、前記一対の内ケース第1側板部が相互に近傍した近接状態にあり、前記内ケース底板部が前記底板部折り曲げ状態にあり、前記一対の内ケース第2側板部が前記第2側板部折り曲げ状態にある内ケース折り畳み状態との間を変相可能であり、前記外ケース体は、可撓性を有するシートによって形成されており、前記内ケース体の前記内ケース基本状態と前記内ケース折り畳み状態の間の変相を妨げずに、前記内ケース体の当該変相に伴って、前記内ケース体の内ケース基本状態に対応する外ケース基本状態と前記内ケース折り畳み状態に対応する外ケース略折り畳み状態との間を変相可能である、物品収容ケースである。
【0009】
「矩形状」は、広義の「長方形状」を意味するものであり、「正方形状」を含む概念である。
【0010】
この態様の物品収容ケースでは、次の作用効果が得られる。
内ケース体の内ケース底板部は、底板部折り曲げ線において下方に凸状に折り曲げ可能であり、一対の内ケース第1側板部は、自身の下縁部において、内ケース底板部の一対の第1辺に対して相互に揺動可能であり、一対の内ケース第2側板部は、自身の下縁部において内ケース底板部の第2辺に対して結合されておらず、第2側板部折り曲げ線において内方に凸状に折り曲げ可能であり、自身の各側縁部において一対の内ケース第1側板部の各側縁部に対して相互に揺動可能である。
そして、内ケース体は、一対の内ケース第1側板部が離隔状態にあって、内ケース底板部が底板部基本状態(水平な一平板状をなす状態)にあり、一対の内ケース第2側板部が第2側板部基本状態(一平板状をなす状態)にある内ケース基本状態と、当該一対の内ケース第1側板部が近接状態にあって、内ケース底板部が底板部折り曲げ状態(底板部折り曲げ線において下方に凸状に折り曲げられた状態)にあり、一対の内ケース第2側板部が第2側板部折り曲げ状態(第2側板部折り曲げ線において内方に凸状に折り曲げられた状態)にある内ケース折り畳み状態との間を変相可能である。
また、外ケース体は、内ケース体の外側に位置し、内ケース体の内ケース基本状態と内ケース折り畳み状態の間の変相を妨げずに、内ケース体の変相に伴って、外ケース基本状態(内ケース基本状態に対応する状態)と外ケース略折り畳み状態(内ケース折り畳み状態に対応する状態)との間を変相可能である。
【0011】
こうして、この物品収容ケースでは、必要に応じて一対の内ケース第2側板部を操作しつつ、一対の内ケース第1側板部について離隔状態と近接状態との間を変相させることによって、基本状態(内ケース体が内ケース基本状態にあり、外ケース体が外ケース基本状態にある状態)と、折り畳み状態(内ケース体が内ケース折り畳み状態にあり、外ケース体が外ケース略折り畳み状態にある状態)との間を変相可能である。
このため、この物品収容ケースでは、内ケース体を構成する要素(内ケース底板部,内ケース第1側板部,内ケース第2側板部)が断熱性を有する厚肉の板状であっても、容易に、基本状態と折り畳み状態との間を変相させることができるのである。
こうして、この物品収容ケースは、冷凍用にも使用可能であって、容易に折り畳み可能なものとなるのである。
【0012】
第1の態様を限定した第1の限定態様として、以下のものがある。
「第1の態様の物品収容ケースであって、
前記複数の分割底板部は、前記内ケース底板部が前記底板部折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割底板部であり、前記底板部折り曲げ状態は、前記底板部折り曲げ線において前記内ケース底板部が下方に谷折り状に折り曲げられたものである、物品収容ケース。」
すなわち、これは、第1の態様における
「前記内ケース底板部は、……、前記一対の底板第1辺と平行に延びる底板部折り曲げ線に沿って分割された複数の分割底板部を有し、水平な一平板状をなす底板部基本状態と、前記底板部折り曲げ線において下方に凸状に折り曲げられた底板部折り曲げ状態との間を変相可能であり、」が
「前記内ケース底板部は、……、前記一対の底板第1辺と平行に延びる底板部折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割底板部を有し、水平な一平板状をなす底板部基本状態と、前記底板部折り曲げ線において下方に谷折り状に折り曲げられた底板部折り曲げ状態との間を変相可能である」
に置き換えられたものである。
この限定態様では、分割底板部が一対(2枚)のため、3枚以上の場合よりも構造が簡略なものとなる。
これをさらに限定したものが第2の態様である。
【0013】
第1の態様又はその第1の限定態様を限定した第2の限定態様として、以下のものがある。
「第1の態様又はその第1の限定態様の物品収容ケースであって、
前記複数の分割側板部は、前記内ケース第2側板部が前記第2側板部折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割側板部であり、前記第2側板部折り曲げ状態は、前記第2側板部折り曲げ線において前記内ケース第2側板部が内方に谷折り状に折り曲げられたものである、物品収容ケース。」
すなわち、第1の態様又はその第1の限定態様における
「前記一対の内ケース第2側板部は、……、自身の高さ方向に延びる第2側板部折り曲げ線に沿って分割された複数の分割側板部を有し、一平板状をなす第2側板部基本状態と、前記第2側板部折り曲げ線において内方に凸状に折り曲げられた第2側板部折り曲げ状態との間を変相可能であり、」が
「前記一対の内ケース第2側板部は、……、自身の高さ方向に延びる第2側板部折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割側板部を有し、一平板状をなす第2側板部基本状態と、前記第2側板部折り曲げ線において内方に谷折り状に折り曲げられた第2側板部折り曲げ状態との間を変相可能である」に置き換えられたものである。
この限定態様では、分割側板部が一対(2枚)のため、3枚以上の場合よりも構造が簡略なものとなる。
これをさらに限定したものが第3の態様である。
【0014】
本発明の第2の態様は、第1の態様の物品収容ケースであって、前記複数の分割底板部は、前記内ケース底板部が前記底板部折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割蓋体であり、前記底板部折り曲げ状態は、前記底板部折り曲げ線において前記内ケース底板部が下方に谷折り状に折り曲げられて前記両分割底板部がほぼ鉛直に延びるものである、物品収容ケースである。
【0015】
すなわち、これは、第1の態様における
「前記内ケース底板部は、……、前記一対の底板第1辺と平行に延びる底板部折り曲げ線に沿って分割された複数の分割底板部を有し、水平な一平板状をなす底板部基本状態と、前記底板部折り曲げ線において下方に凸状に折り曲げられた底板部折り曲げ状態との間を変相可能であり、」が
「前記内ケース底板部は、……、前記一対の底板第1辺と平行に延びる底板部折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割底板部を有し、水平な一平板状をなす底板部基本状態と、前記底板部折り曲げ線において下方に谷折り状に折り曲げられて前記両分割底板部がほぼ鉛直に延びる底板部折り曲げ状態との間を変相可能であり、」
に置き換えられたものである。
この態様では、分割底板部が一対(2枚)のため、3枚以上の場合よりも構造が簡略なものとなるとともに、両分割底板部がほぼ鉛直に延びるものであるため、両分割底板部がほぼ重なることとなり、そうでない場合よりも、折り畳み状態の物品収容ケースが、その分薄肉になり得る。
【0016】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の物品収容ケースであって、前記複数の分割側板部は、前記内ケース第2側板部が前記第2側板部折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割側板部であり、前記第2側板部折り曲げ状態は、前記第2側板部折り曲げ線において前記内ケース第2側板部が内方に谷折り状に折り曲げられて前記両分割側板部が前記一対の内ケース第1側板部にほぼ沿って延びるものである、物品収容ケースである。
【0017】
すなわち、これは、第1又は第2の態様における
「前記一対の内ケース第2側板部は、……、自身の高さ方向に延びる第2側板部折り曲げ線に沿って分割された複数の分割側板部を有し、一平板状をなす第2側板部基本状態と、前記第2側板部折り曲げ線において内方に凸状に折り曲げられた第2側板部折り曲げ状態との間を変相可能であり、」が
「前記一対の内ケース第2側板部は、……、自身の高さ方向に延びる第2側板部折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割側板部を有し、一平板状をなす第2側板部基本状態と、前記第2側板部折り曲げ線において内方に谷折り状に折り曲げられて前記両分割側板部が前記一対の内ケース第1側板部にほぼ沿って延びる第2側板部折り曲げ状態との間を変相可能である」に置き換えられたものである。
この態様では、分割側板部が一対(2枚)のため、3枚以上の場合よりも構造が簡略なものとなるとともに、両分割側板部が一対の内ケース第1側板部にほぼ沿って延びるものであるため、両分割側板部がほぼ重なることとなり、そうでない場合よりも、折り畳み状態の物品収容ケースが、その分薄肉になり得る。
【0018】
本発明の第4の態様は、第1~第3のいずれかの態様の物品収容ケースであって、さらに蓋体を有し、前記蓋体は、前記一対の底板第1辺と平行に延びる一対の蓋体第1辺、及び、前記一対の底板第2辺と平行に延びる一対の蓋体第2辺を有する矩形状の蓋体本体部を有し、前記蓋体本体部は、前記一対の蓋体第1辺において前記外ケース体又は前記内ケース体の上縁部に対して揺動可能であり、前記一対の蓋体第1辺と平行に延びる蓋体折り曲げ線に沿って分割された複数の分割蓋体を有し、水平な一平板状をなす蓋体基本状態と、前記蓋体折り曲げ線において上方に凸状に折り曲げられた蓋体折り曲げ状態との間を変相可能であり、前記内ケース基本状態は、さらに、前記蓋体本体部が前記蓋体基本状態であり、前記内ケース折り畳み状態は、さらに、前記蓋体本体部が前記蓋体折り曲げ状態である、物品収容ケースである。
【0019】
この態様の物品収容ケースでは、次の作用効果が得られる。
蓋体本体部は、一対の蓋体第1辺において外ケース体又は内ケース体の上縁部に対して揺動可能であり、水平な一平板状をなす蓋体基本状態と、前記蓋体折り曲げ線において上方に凸状に折り曲げられた蓋体折り曲げ状態との間を変相可能である。
また、内ケース体は、一対の内ケース第1側板部が離隔状態にあって、内ケース底板部が底板部基本状態(水平な一平板状をなす状態)にあり、一対の内ケース第2側板部が第2側板部基本状態(一平板状をなす状態)にあるとともに、蓋体本体部が蓋体基本状態(水平な一平板状をなす状態)にある内ケース基本状態と、当該一対の内ケース第1側板部が近接状態にあって、内ケース底板部が底板部折り曲げ状態(底板部折り曲げ線において下方に凸状に折り曲げられた状態)にあり、一対の内ケース第2側板部が第2側板部折り曲げ状態(第2側板部折り曲げ線において内方に凸状に折り曲げられた状態)にあるとともに、蓋体本体部が蓋体折り曲げ状態(蓋体折り曲げ線において上方に凸状に折り曲げられた状態)にある内ケース折り畳み状態との間を変相可能である。
また、外ケース体は、内ケース体の外側に位置し、内ケース体の内ケース基本状態と内ケース折り畳み状態の間の変相を妨げずに、内ケース体の変相に伴って、外ケース基本状態(内ケース基本状態に対応する状態)と外ケース略折り畳み状態(内ケース折り畳み状態に対応する状態)との間を変相可能である。
【0020】
こうして、この物品収容ケースでは、必要に応じて一対の内ケース第2側板部を操作しつつ、一対の内ケース第1側板部について離隔状態と近接状態との間を変相させることによって、基本状態(内ケース体が内ケース基本状態にあり、外ケース体が外ケース基本状態にあるとともに、蓋体本体部が蓋体基本状態にある状態)と、折り畳み状態(内ケース体が内ケース折り畳み状態にあり、外ケース体が外ケース略折り畳み状態にあるとともに、蓋体本体部が折り曲げ状態にある状態)との間を変相可能である。
このため、この物品収容ケースでは、内ケース体を構成する要素(内ケース底板部,内ケース第1側板部,内ケース第2側板部)及び蓋体本体部が断熱性を有する厚肉の板状であっても、容易に、基本状態と折り畳み状態との間を変相させることができるのである。
こうして、この物品収容ケースは、冷凍用にも使用可能であって、容易に折り畳み可能なものとなるのである。
【0021】
本発明の第5の態様は、第4の態様の物品収容ケースであって、前記複数の分割蓋体は、前記蓋体本体部が前記蓋体折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割蓋体であり、前記蓋体折り曲げ状態は、前記蓋体本体部が上方に山折り状に折り曲げられたものである、物品収容ケースである。
【0022】
すなわち、これは、第4の態様における
「前記蓋体本体部は、……、前記一対の蓋体第1辺と平行に延びる蓋体折り曲げ線に沿って分割された複数の分割蓋体を有し、水平な一平板状をなす蓋体基本状態と、前記蓋体折り曲げ線において上方に凸状に折り曲げられた蓋体折り曲げ状態との間を変相可能である」が
「前記蓋体本体部は、……、前記一対の蓋体第1辺と平行に延びる蓋体折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割蓋体を有し、水平な一平板状をなす蓋体基本状態と、前記蓋体折り曲げ線において上方に山折り状に折り曲げられた蓋体折り曲げ状態との間を変相可能である」に置き換えられたものである。
この態様では、分割底板部が一対(2枚)のため、3枚以上の場合よりも構造が簡略なものとなる。
【0023】
第5の態様を限定した限定態様として、以下のものがある。
「第5の態様の物品収容ケースであって、
前記蓋体折り曲げ状態は、前記両分割蓋体がほぼ鉛直に延びるものである、物品収容ケース。」
すなわち、これは、第4の態様における
「前記蓋体本体部は、……、前記一対の蓋体第1辺と平行に延びる蓋体折り曲げ線に沿って分割された複数の分割蓋体を有し、水平な一平板状をなす蓋体基本状態と、前記蓋体折り曲げ線において上方に凸状に折り曲げられた蓋体折り曲げ状態との間を変相可能である」が
「前記蓋体本体部は、……、前記一対の蓋体第1辺と平行に延びる蓋体折り曲げ線に沿って二分割された一対の分割蓋体を有し、水平な一平板状をなす蓋体基本状態と、前記蓋体折り曲げ線において上方に山折り状に折り曲げられて前記両分割蓋体がほぼ鉛直に延びる蓋体折り曲げ状態との間を変相可能である」に置き換えられたものである。
この限定態様では、両分割蓋体がほぼ鉛直に延びるものであるため、両分割蓋体がほぼ重なることとなり、そうでない場合よりも、折り畳み状態の物品収容ケースが、その分薄肉になり得る。
【0024】
本発明の第6の態様は、第4の態様の物品収容ケースであって、前記複数の分割蓋体は、前記蓋体本体部が複数の前記蓋体折り曲げ線に沿って分割された一対の第1辺側分割蓋体及び中央側分割蓋体であり、前記一対の第1辺側分割蓋体は前記一対の蓋体第1辺を含むものであり、前記中央側分割蓋体は前記一対の両第1辺側分割蓋体の間に位置するものである、物品収容ケースである。
【0025】
すなわち、これは、第4の態様における
「前記蓋体本体部は、……、前記一対の蓋体第1辺と平行に延びる蓋体折り曲げ線に沿って分割された複数の分割蓋体を有し、水平な一平板状をなす蓋体基本状態と、前記蓋体折り曲げ線において上方に凸状に折り曲げられた蓋体折り曲げ状態との間を変相可能である」が
「前記蓋体本体部は、前記一対の蓋体第1辺と平行に延びる複数の蓋体折り曲げ線に沿って分割された一対の第1辺側分割蓋体及び中央側分割蓋体を有し、前記一対の第1辺側分割蓋体は前記一対の蓋体第1辺を含むものであり、前記中央側分割蓋体は前記一対の両第1辺側分割蓋体の間に位置するものであり、水平な一平板状をなす蓋体基本状態と、前記蓋体折り曲げ線において上方に凸状に折り曲げられた蓋体折り曲げ状態との間を変相可能である」に置き換えられたものである。
この態様は、分割底板部が3枚又はそれ以上のものであり、二分割による2枚の場合よりも、蓋体折り曲げ状態の蓋体本体部の高さが低くなり得る。こうして、折り畳み状態の物品収容ケースが、その分小さくなり得る。
【0026】
本発明の第7の態様は、第1~第6のいずれかの態様の物品収容ケースであって、前記外ケース体は、外ケース底部と、一対の外ケース第1側部と、一対の外ケース第2側部と、一対の折り畳み補助部とを有し、前記外ケース第1側部は、前記内ケース体の前記内ケース底板部に対応し、前記一対の外ケース第1側部は、前記内ケース体の前記一対の内ケース第1側板部に対応し、前記一対の外ケース第2側部は、前記内ケース体の前記一対の内ケース第2側板部に対応し、前記一対の折り畳み補助部は、前記外ケース底部と前記底ケース第2側部とを連結し、前記内ケース底板部が前記底板部基本状態から前記底板部折り曲げ状態に変相しようとするのに伴って鉛直下方成分を有する方向に向かおうとする当該内ケース底板部の前記一対の分割底板部が前記外ケース底部を下方に押圧することに基づいて下方に引っ張られることによって、前記一対の外ケース第2側部と前記外ケース底部との間において鉛直方向成分を有する方向に延びて当該外ケース体を下方に伸ばし、前記内ケース底板部が前記底板部基本状態から前記底板部折り曲げ状態に変相することを許容するものである、物品収容ケースである。
【0027】
この態様の物品収容ケースでは、第1~第6のいずれかの態様の物品収容ケースの作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
この物品収容ケースでは、外ケース体の外ケース底部,一対の外ケース第1側部,一対の外ケース第2側部が、各々、内ケース体の内ケース底板部,一対の内ケース第1側板部,一対の内ケース第2側板部に対応しているが、それだけでは、外ケース体は、内ケース体の内ケース基本状態と内ケース折り畳み状態との間の変相に追従して外ケース基本状態と外ケース略折り畳み状態との間を変相することができない。
ここで、この物品収容ケースでは、外ケース体が、外ケース底部と底ケース第2側部とを連結する折り畳み補助部を有しており、次の作用を奏する。
内ケース底板部が底板部基本状態から底板部折り曲げ状態に変相しようとするのに伴って、内ケース底板部の一対の分割側板部が鉛直下方成分を有する方向に向かおうとするところ、その一対の分割底板部が外ケース底部を下方に押圧することに基づいて、折り畳み補助部は下方に引っ張られることによって、一対の外ケース第2側部と外ケース底部との間において鉛直方向成分を有する方向に延びて、外ケース体が下方に伸びる。
こうして、折り畳み補助部は、内ケース底板部が底板部基本状態から底板部折り曲げ状態に変相することを許容する。
このようにして、この物品収容ケースでは、内ケース体が内ケース基本状態から内ケース折り畳み状態に変相するのに追従して、外ケース体が外ケース基本状態から外ケース略折り畳み状態に変相する。
こうして、この物品収容ケースでは、第1~第6のいずれかの態様の物品収容ケースの作用効果がより具体的に得られるのである。
【0028】
本発明の第8の態様は、第7の態様の物品収容ケースであって、前記一対の折り畳み補助部は、前記外ケース底部を形成するシートによって当該外ケース底部と一連に形成される各底部側補助部形成部と、前記各外ケース第2側部を形成するシートによって当該各外ケース第2側部と一連に形成される各第2側部側補助部形成部とが結合されて形成されている、物品収容ケースである。
【0029】
この態様の物品収容ケースでは、第7の態様の物品収容ケースの作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
この物品収容ケースでは、一対の折り畳み補助部が、外ケース底部を形成するシートによって形成される各底部側補助部形成部と、各外ケース第2側部を形成するシートによって形成される各第2側部側補助部形成部とが結合されて形成されているため、各折り畳み補助部において、底部側補助部形成部と第2側部側補助部形成部との相対的位置関係が変動することによって、外ケース底部と外ケース第2側部との相対的位置関係が変動することとなる。
このため、前述のように内ケース底板部が底板部基本状態から底板部折り曲げ状態に変相しようとするのに伴って、外ケース底部が内ケース底板部の一対の分割底板部によって下方に押圧され、折り畳み補助部が下方に引っ張られ、折り畳み補助部が外ケース底部と一対の外ケース第2側部との間において鉛直方向成分を有する方向に延びることが可能となり、外ケース体が下方に伸びることが可能となる。
こうして、この物品収容ケースでは、第7の態様の物品収容ケースの作用効果がより具体的に得られるのである。
【0030】
本発明の第9の態様は、第8の態様の物品収容ケースであって、前記底部側補助部形成部は、前記外ケース底部との境界部分を自身の基縁部として、自身の先端部に向かって延びており、前記第2側部側補助部形成部は、前記底部側補助部形成部に対応して、前記外ケース第2側部との境界部分を自身の基縁部として、自身の先端部に向かって延びており、前記折り畳み補助部は、前記底部側補助部形成部の基縁部以外の部分と前記第2側部側補助部形成部の基縁部以外の部分とが結合されて形成されている、物品収容ケースである。
【0031】
「前記折り畳み補助部は、前記底部側補助部形成部の基縁部以外の部分と前記第2側部側補助部形成部の基縁部以外の部分とが結合されて形成されている」には、「前記折り畳み補助部は、前記底部側補助部形成部の基縁部以外の縁部と前記第2側部側補助部形成部の基縁部以外の縁部とが結合されて形成されている」がある。
【0032】
この態様の物品収容ケースでは、第8の態様の物品収容ケースの作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
この物品収容ケースでは、各折り畳み補助部においては、自身の基縁部において底部側補助部形成部と第2側部側補助部形成部とは結合されていない。
このため、前述のように内ケース底板部が底板部基本状態から底板部折り曲げ状態に変相しようとするのに伴って、外ケース底部が内ケース底板部の一対の分割底板部によって下方に押圧されることに基づいて、折り畳み補助部が下方に引っ張られることよって、折り畳み補助部においては、底部側補助部形成部と第2側部側補助部形成部とが、各々自身の基縁部を基準に相互に離隔していくことが可能である。
こうして、折り畳み補助部は一対の外ケース第2側部と外ケース底部との間において鉛直方向成分を有する方向に延びることが可能となり、外ケース体が下方に伸びることが可能となる。
こうして、この物品収容ケースでは、第8の態様の物品収容ケースの作用効果がより具体的に得られるのである。
【0033】
本発明の第10の態様は、第9の態様の物品収容ケースであって、前記底部側補助部形成部は、前記外ケース底部との境界部分を基縁部として、自身の先端部に向かうにつれて徐々に幅が狭くなる形状をしており、前記第2側部側補助部形成部は、前記底部側補助部形成部に対応して、前記外ケース第2側部との境界部分を基縁部として、自身の先端部に向かうにつれて徐々に幅が狭くなる形状をしている、物品収容ケースである。
【0034】
「自身の先端部に向かうにつれて徐々に幅が狭くなる形状」には、二等辺三角形状,台形状,半円形状等がある。「二等辺三角形状」には、「直角二等辺三角形状」がある。
【0035】
この態様の物品収容ケースでは、第9の態様の物品収容ケースの作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
この物品収容ケースでは、底部側補助部形成部/第2側部側補助部形成部の各々が、外ケース底部/外ケース第2側部との境界部分の各々を基縁部として、先端部に向かうにつれて徐々に幅が狭くなる形状をしているため、各折り畳み補助部は、自身の基縁部から先端部に向かうにつれて徐々に幅細になる。
このため、前述のように内ケース底板部が底板部基本状態から底板部折り曲げ状態に変相しようとするのに伴って、折り畳み補助部が自身の基縁部を基準に底部側補助部形成部と第2側部側補助部形成部とが離隔していって変相しようとする際に、折り畳み補助部のうちの先端部の側の部分が、その変相の抵抗になることが防止され、外ケース体が外ケース基本状態から外ケース折り畳み状態に円滑に変相することが可能となる。
こうして、この物品収容ケースは、より円滑に基本状態から折り畳み状態に変相することが可能である。
【0036】
本発明の第11の態様は、第9又は第10の態様の物品収容ケースであって、前記折り畳み補助部においては、さらに、前記底部側補助部形成部の中央近傍と前記第2側部側補助部形成部の中央近傍とが結合されて結合部が形成されており、前記内ケース体がが前記内ケース折り畳み状態になった状態で、前記底部側補助部形成部のうち前記結合部よりも基縁部の側の部分及び前記第2側部側補助部形成部のうちの前記結合部よりも基縁部の側の部分は、前記外ケース第2側部と連続的にほぼ鉛直状態となる、物品収容ケースである。
【0037】
この態様の物品収容ケースでは、第9又は第10の態様の物品収容ケースの作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
この物品収容ケースでは、折り畳み補助部においては、さらに、底部側補助部形成部及び第2側部側補助部形成部の中央近傍同士が結合されて結合部が形成されており、内ケース体が内ケース折り畳み状態になった状態で、底部側補助部形成部及び第2側部側補助部形成部のともに結合部よりも自身の基縁部の側の部分が外ケース第2側部と連続的にほぼ鉛直状態となる。
すなわち、底部側補助部形成部及び第2側部側補助部形成部のうちのともに結合部よりも自身の基縁部の側の部分が外ケース第2側部と連続的にほぼ鉛直状態となるというのは、折り畳み補助部が最大限に鉛直方向に延びた状態である。そのような位置に結合部が形成されているということは、内ケース体が内ケース折り畳み状態に変相することが可能な範囲で、結合部は最も折り畳み補助部のうちの最も基縁部に近い位置に形成されているといえる。
このため、折り畳み補助部において、底部側補助部形成部と第2側部側補助部形成部とが離隔しすぎることが防止され、折り畳み補助部が不規則的に変相することが防止され、外ケース体が円滑に変相し、ひいては、この物品収容ケースが円滑に変相することが可能となる。
【0038】
本発明の第12の態様は、第7~第11のいずれかの態様の物品収容ケースであって、前記各折り畳み補助部は、当該物品収容ケースが前記基本状態にある状態で、前記各外ケース第2側部に着脱可能に結合されるものである、物品収容ケースである。
【0039】
この態様の物品収容ケースでは、第7~第11の態様の物品収容ケースの作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
この物品収容ケースでは、基本状態にある状態で、折り畳み補助部が各外ケース第2側部に着脱可能に結合されるため、基本状態にある際においてもコンパクト化が図られ、物品を収容し搬送等を行う際に折り畳み補助部が邪魔になることが防止される。
【0040】
本発明の第13の態様は、第7~第12のいずれかの態様の物品収容ケースであって、前記外ケース体には、当該物品収容ケースが前記折り畳み状態にある状態で、前記一対の外ケース第1側部同士を離隔不能に着脱可能に連結するベルトが設けられている、物品収容ケースである。
【0041】
この態様の物品収容ケースでは、第7~第12の態様の物品収容ケースの作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
この物品収容ケースでは、折り畳み状態にある状態で、ベルトによって、一対の外ケース第1側部同士が離隔不能に連結される。
こうして、この物品収容ケースの折り畳み状態が適切に維持される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1A】本発明の実施例1の物品収容ケース(基本状態)を示す斜視図である(蓋体が閉塞位置にある状態を示す)。(a)と(b)は異なる角度(いずれも斜め上方)から見たものである。
【
図1B】本発明の実施例1の物品収容ケース(基本状態)を示す斜視図である(蓋体が開放位置にある状態を示す)。(a)は斜め上方から見たものであり、(b)は斜め下方から見たものである。
【
図2A】本発明の実施例1の物品収容ケース(基本状態)を示す分解斜視図である。
【
図2B】本発明の実施例1の物品収容ケース(基本状態と折り畳み状態との間の状態)を示す分解斜視図である。
【
図2C】本発明の実施例1の物品収容ケース(折り畳み状態)を示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施例1の物品収容ケースのうちの内ケース体を示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施例1の物品収容ケースのうちの外ケース体を示す分解斜視図である。
【
図5A】本発明の実施例1の物品収容ケースの使用方法(基本状態から折り畳み状態への変相)を示す斜視図である。最初の段階を示す。最初の段階のうち(2)は(1)の次の段階を示す。
【
図5B】本発明の実施例1の物品収容ケースの使用方法(基本状態から折り畳み状態への変相)を示す斜視図である。
図5Aの次の段階を示す。(b)は(a)とは異なる方向から見た斜視図である。
【
図5C】本発明の実施例1の物品収容ケースの使用方法(基本状態から折り畳み状態への変相)を示す斜視図である。最終段階を示す。
【
図6】本発明の実施例1の物品収容ケースの使用方法(基本状態から折り畳み状態への変相)を示す縦断面図である。この物品収容ケースの幅方向に延びる鉛直面で仮想的に切断したものである。(A)~(C)は、各々、
図5A~
図5Cに対応する。
【
図7】本発明の実施例1の物品収容ケースの使用方法(基本状態から折り畳み状態への変相)を示す縦断面図である。この物品収容ケースの奥行方向に延びる鉛直面で仮想的に切断したものである。(A)~(C)は、各々、
図5A~
図5Cに対応する。
【
図8A】本発明の実施例2の物品収容ケース(基本状態)を示す斜視図である(蓋体が閉塞位置にある状態を示す)。(a)と(b)は異なる角度(いずれも斜め上方)から見たものである。
【
図8B】本発明の実施例2の物品収容ケースを示す斜視図である(内ケース体及び外ケース体が基本状態にあるとともに、蓋体が開放位置にある状態を示す)。(a)は斜め上方から見たものであり、(b)は斜め下方から見たものである。
【
図9A】本発明の実施例2の物品収容ケース(基本状態)を示す分解斜視図である。
【
図9B】本発明の実施例2の物品収容ケース(基本状態と折り畳み状態との間の状態)を示す分解斜視図である。
【
図9C】本発明の実施例2の物品収容ケース(折り畳み状態)を示す分解斜視図である。
【
図10】本発明の実施例2の物品収容ケースのうちの内ケース体及び蓋体を示す分解斜視図である。
【
図11A】本発明の実施例2の物品収容ケースの使用方法(基本状態から折り畳み状態への変相)を示す斜視図である。最初の段階を示す。
【
図11B】本発明の実施例2の物品収容ケースの使用方法(基本状態から折り畳み状態への変相)を示す斜視図である。
図11Aの次の段階を示す。
【
図11C】本発明の実施例2の物品収容ケースの使用方法(基本状態から折り畳み状態への変相)を示す斜視図である。最終段階を示す。
【
図12】本発明の実施例2の物品収容ケースの使用方法(基本状態から折り畳み状態への変相)を示す縦断面図である。この物品収容ケースの奥行方向に延びる鉛直面で仮想的に切断したものである。(A)~(C)は、各々、
図11A~
図11Cに対応する。
【
図13】本発明の実施例3の物品収容ケース(基本状態と折り畳み状態との間の状態)を示す分解斜視図である。実施例2の
図9Bに対応する図である。
【
図14】本発明の実施例3の物品収容ケースの折り畳み状態を示す斜視図である。実施例2の
図11Cに対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
[実施例1]
次に、本発明の実施例1である物品収容ケースについて、
図1~
図7に基づいて説明する。
図2A~
図2C等に示すように、この物品収容ケースは、2重構造のケースであって、内ケース体10及び外ケース体30を有するとともに、蓋体60を有している。
そして、この物品収容ケースは、直方体状をなす基本状態(
図1A)と、折り畳み状態(
図5C)との間を変相可能である。
【0044】
この物品収容ケースの「基本状態」とは、
図1A~
図2A,
図5A,
図6(A),
図7(A)に示すように、内ケース体10が直方体状をなす基本状態(内ケース基本状態)にあり、外ケース体30も直方体状をなす基本状態(外ケース基本状態)にある状態である。
同じく「折り畳み状態」とは、
図2C,
図5C,
図6(C),
図7(C)に示すように、内ケース体10が折り畳み状態(内ケース折り畳み状態)にあり、外ケース体30が折り畳み状態の内ケース体10に対応した略折り畳み状態にある状態である。
蓋体60は、開閉可能であり、閉塞位置(
図1A)と反転位置(
図5C)との間を変位可能である。
なお、この物品収容ケースについては、水平面に載置された状態を基準に説明する。
【0045】
図2A~
図3に示すように、内ケース体10は、内ケース底板部12,一対の内ケース第1側板部14,一対の内ケース第2側板部16を有している。
図1B(a)及び
図2Aに示すように、内ケース体10は、この物品収容ケースが基本状態(内ケース体10が内ケース基本状態)の際において、上方が開口した直方体状をしている。
内ケース体10は、外ケース体30の内部に収容され、外ケース体30に対して着脱可能に固定される。
【0046】
図1A~
図2C,
図4に示すように、外ケース体30は、外ケース底部32(
図1B(b),
図4),一対の外ケース第1側部34,一対の外ケース第2側部36,一対の折り畳み補助部50を有している。
図1B及び
図2Aに示すように、外ケース体30は、この物品収容ケースが基本状態(外ケース体30が外ケース基本状態)の際において、上方が開口した直方体状をベースとして、その下端部に一対の折り畳み補助部50が付随した形状をしている。
【0047】
図2A~
図2Cに示すように、蓋体60は、本体部61,被取付片62,折り曲げ片65を有している。
図1A~
図2Cに示すように、蓋体60は、被取付片62(
図2A~
図2C)において、外ケース体30に対して着脱可能に結合されている(
図1A及び
図1B)。
【0048】
まず、内ケース体10について、
図2A~
図3,
図7等に基づいて詳細に説明する。
前述したように、内ケース体10は、内ケース底板部12(
図2A,
図3),一対の内ケース第1側板部14,一対の内ケース第2側板部16を有しており、いずれも厚板状をしている。
すなわち、いずれも、厚板状の断熱材が合成樹脂のシート状のカバーに被覆されて形成されている。
【0049】
同じく前述したように、内ケース体10は、基本状態(内ケース基本状態)(
図2A,
図7(A))と折り畳み状態(内ケース折り畳み状態)(
図2C,
図7(C))との間を変相可能である。
内ケース体10の「基本状態(内ケース基本状態)」とは、
図2A及び
図7(A)に示すように、一対の内ケース第1側板部14が離隔状態(第1側壁部離隔状態)にあって、内ケース底板部12・内ケース第2側板部16のいずれもが基本状態(底板部基本状態・第2側板部基本状態)にある状態である。
同じく「折り畳み状態(内ケース折り畳み状態)」とは、
図2C及び
図7(C)に示すように、一対の内ケース第1側板部14が近接状態(第1側壁部近接状態)にあって、内ケース底板部12・内ケース第2側板部16のいずれもが折り曲げ状態(底板部折り曲げ状態・第2側板部折り曲げ状態)にある状態である。
【0050】
内ケース底板部12は、自身及び内ケース体10の基本状態(
図2A)において水平の長方形状をしており、ともに一対の長辺(底板第1辺)及び短辺(底板第2辺)を有している。
前述したように内ケース体10のともに一対の内ケース第1側板部14及び内ケース第2側板部16はいずれも厚板状をしているところ、内ケース底板部12の長辺(底板第1辺)は、内ケース第1側板部14の長辺(幅)と同寸であり、内ケース底板部12の短辺(底板第2辺)は、内ケース第2側板部12の短辺(幅)と同寸である。
【0051】
図2A~
図3に示すように、内ケース底板部12は、折り曲げ線(底板部折り曲げ線)11に沿って二分割された一対の分割底板部13を有している。底板部折り曲げ線11は、内ケース底板部12の両短辺の中央同士を結び、内ケース底板部12の長辺方向に延びている。
両分割底板部13は、下方に谷折り状に折り曲げ可能に連結されている。
すなわち、両分割底板部13は、両分割底板部13のうちの相対向する側の端面のうちの上縁同士において、相互に揺動(回動)可能に連結されている。
【0052】
より正確にいうと、底板部折り曲げ線11は当該上縁同士を連結する部分であり、内ケース底板部12は、底板部折り曲げ線11を含む面によって一対の分割底板部13に二分割されている。そして、両分割底板部13は、底板部折り曲げ線11において、下方に谷折り状に折り曲げ可能に連結されている。
このため、内ケース底板部12は、底板部折り曲げ線11において下方に谷折り状に折り曲げ可能なのである。
【0053】
こうして、内ケース底板部12は、基本状態(
図2A,
図7(A))と折り曲げ状態(
図2C,
図7(C))との間を変相可能なのである。
内ケース底板部12の「基本状態(底板部基本状態)」とは、
図2A及び
図7(A)に示すように、全体で一平板状(1枚の平板状)をなし両内ケース第1側板部14と垂直で水平に延びる状態である。
同じく「折り曲げ状態(底板部折り曲げ状態)」とは、
図2C及び
図7(C)に示すように、その各分割底板部13が、対応する各内ケース第1側板部14から鉛直下方に向かう(下垂する)とともに両分割底板部13が相互に重なる状態である。
なお、各分割底板部13がほぼ鉛直に延びるとともに、両分割底板部13が相互に近接するが重ならない(面接触しない)場合もある。
【0054】
図2A及び
図3に示すように、各内ケース第1側板部14は、内ケース底板部12の各長辺に対応しており、鉛直な長方形状をしている。
すなわち、各内ケース第1側板部14は、この物品収容ケースの幅方向に延びるとともに、鉛直方向に延びており、ともに一対の水平な長辺(自身の幅方向の辺)及び鉛直の短辺(高さ方向の辺)を有している。
前述したように、各内ケース第1側板部14の長辺(この物品収容ケースの幅方向の辺)は、内ケース底板部12の長辺と同寸である。
【0055】
各内ケース第1側板部14は、その下縁部(下方の長辺)の内側縁において、内ケース底板部12の長辺(当該内ケース第1側板部14の側の分割底板部13の外側縁部)の下縁に対して、相対的に揺動(回動)可能に結合されている。
【0056】
詳細に述べると、次のとおりである。
図3に示すように、内ケース底板部12の各長辺の縁部には、縫い付け代部22が形成されている。
各縫い付け代部22は、可撓性を有する幅細シート状をしており、内ケース底板部12(基本状態)の各長辺の端面の下縁から延びている。前述したように内ケース底部は厚板状の断熱材が合成樹脂のシート状のカバーに被覆されて形成されているところ、各縫い付け代部22は、そのカバーによって、内ケース底板部12と一体的に形成されている。
各縫い付け代部22は、各内ケース第1側板部14の下縁部を形成する端面(その外側縁及び内側縁)に対して、縫い付けによって結合されている。
こうして、内ケース底板部12は、その各長辺(その下縁)において、各内ケース第1側板部14の下縁部(その内側縁)に対して揺動(回動)可能である。
【0057】
こうして、
図2A~
図2C,
図7に示すように、一対の内ケース第1側板部14が離隔状態(
図2A,
図7(A))と近接状態(
図2C,
図7(C))との間を変相することに伴って、前述したように、内ケース底板部12は、基本状態(
図2A)と折り曲げ状態(
図2C)との間を変相するのである。
一対の内ケース第1側板部14の「離隔状態(第1側板部離隔状態)」とは、
図2A及び
図7(A)に示すように、両内ケース第1側板部14が相互に最も離隔した状態である。
同じく「近接状態(第1側板部近接状態)」とは、
図2C及び
図7(C)に示すように、両内ケース第1側板部14が相互に最も近接した状態である。
【0058】
図2Aに示すように、基本状態における内ケース底板部12は、離隔状態における両内ケース第1側板部14の内側に位置し、基本状態における内ケース底板部12の下面と、両内ケース第1側板部14の下縁部(下方の長辺)を形成する端面とは、面一状になっている。
【0059】
図2Aに示すように、各内ケース第2側板部16は、自身及び内ケース体10の基本状態において、内ケース底板部12の各短辺に対応しており、鉛直の長方形状をしている。
各内ケース第2側板部16は、自身及び内ケース体10の基本状態において、この物品収容ケースの奥行方向に延びるとともに、鉛直方向に延びており、ともに一対の水平な短辺(自身の幅方向の辺)及び鉛直の長辺(高さ方向の辺)を有している。
【0060】
前述したように、各内ケース第2側板部16の短辺(この物品収容ケースの奥行方向の辺)は、内ケース底板部12の短辺と同寸である。
各内ケース第2側板部16の長辺(この物品収容ケースの高さ方向の辺)は、第1側壁部の短辺(同じくこの物品収容ケースの高さ方向の辺)の寸法から、内ケース底板部12の厚みを減じた寸法を有している。
こうして、
図2Aに示すように、各内ケース第2側板部16の上縁部(上方の短辺)は、各内ケース第1側板部14の上縁部(上方の長辺)と同一高さに位置している。各内ケース第2側板部16の下縁部(下方の短辺)は、各内ケース第1側板部14の下縁部(下方の長辺)よりも内ケース底板部12の肉厚分だけ高い位置にある。
【0061】
図2A~
図3に示すように、内ケース第2側板部16は、折り曲げ線(第2側板部折り曲げ線)15に沿って二分割された一対の分割側板部17を有している。第2側板部折り曲げ線15は、内ケース第2側板部16の両短辺の中央同士を結び、内ケース第2側板部16の長辺方向(この物品収容ケースの高さ方向)に延びている。
両分割側板部17は、内方(相互に接近する方向)に谷折り状に折り曲げ可能に連結されている。
すなわち、内ケース第2側板部16の両分割側板部17は、両分割側板部17のうちの相互に対向する側の縁部を形成する端面のうちの外縁同士において、相互に揺動(回動)可能に連結されている。
【0062】
より正確にいうと、第2側板部折り曲げ線15は当該外縁同士を連結する部分であり、内ケース第2側板部16は、第2側板部折り曲げ線15を含む面によって一対の分割分割側板部17に二分割されている。そして、両分割側板部17は、第2側板部折り曲げ線15において、内方に谷折り状に折り曲げ可能に連結されている。
このため、内ケース第2側板部16は、第2側板部折り曲げ線15において内方に谷折り状に折り曲げ可能なのである。
【0063】
こうして、各内ケース第2側板部16は、基本状態(
図2A)と折り曲げ状態(
図2C)との間を変相可能なのである。
内ケース第2側板部16の「基本状態(第2側板部基本状態)」とは、
図2A及び
図7(A)に示すように、両分割側板部17によって全体として一平板状(1枚の平板状)をなし、両内ケース第1側板部14と垂直の状態である。
同じく「折り曲げ状態(第2側板部折り曲げ状態)」とは、
図2C及び
図7(C)に示すように、両分割側板部17が両内ケース第1側板部14と平行に内方に延びるとともに、両内ケース第1側板部14の間において両内ケース第1側板部が相互に重なり、両内ケース第1側板部14に沿って延びる状態である。
なお、両分割側板部17が両内ケース第1側板部14とほぼ平行に内方に延びるとともに、両内ケース第1側板部14の間において両内ケース第1側板部が相互に近接するが重なることなく(面接触することなく)、両内ケース第1側板部14にほぼ沿って延びる状態の場合もある。
いずれにおいても上述の「折り曲げ状態(第2側板部折り曲げ状態)」は内ケース体10を単体で捉えた場合のものであり、
図5Cに示すように、外ケース体30との組み合わせの場合は、外ケース第2側部36を考慮すると、上述よりも折り曲げ度合いはわずかながら小さくなものとなる。しかし、この点は細部のことであるため、無視して論ずることとする。このことによる内ケース体10の他の要素への影響についても、同様である。
【0064】
図2Aに示すように、基本状態における各内ケース第2側板部16は内ケース底板部12の各短辺に対応しており(このことは前述)、内ケース底板部12上に位置しているが、各内ケース第2側板部16は、内ケース底板部12に対して結合されてはいない。
【0065】
図2A~
図3に示すように、各内ケース第2側板部16は、その各側縁部(各長辺)の内側縁において、各内ケース第1側板部14の内側面のうち各短辺の近傍に対して、相対的に揺動(回動)可能に結合されている。
こうして、
図2A~
図2C,
図7に示すように、両内ケース第1側板部14が離隔・近接することによって、内ケース第2側板部16が基本状態と折り曲げ状態との間を変相するのである。
【0066】
詳細に述べると、次のとおりである。
図3に示すように、各内ケース第2側板部16は、その各側縁部(各長辺)には、縫い付け代部26が形成されている。
各縫い付け代部26は、可撓性を有する幅細シート状をしており、内ケース第2側板部16(基本状態)の各長辺の端面の内側縁から延びている。前述したように各内ケース第2側板部16は厚板状の断熱材が合成樹脂のシート状のカバーに被覆されて形成されているところ、各縫い付け代部26は、そのカバーによって、内ケース第2側板部16と一体的に形成されている。
各縫い付け代部26は、各内ケース第2側板部16の肉厚と同寸の幅を有しており、各内ケース第1側板部14の内側面のうち各短辺の近傍に対して、縫い付けによって結合されている。各縫い付け代部26の先縁部は、各内ケース第1側板部14の内側面のうち各短辺に位置している。
【0067】
こうして、
図2A~
図2C,
図7に示すように、両内ケース第1側板部14が離隔状態(
図2A,
図7(A))と近接状態(
図2C,
図7(C))との間を変相することによって、前述したように、各内ケース第2側板部16は、基本状態(
図2A,
図7(A))と折り曲げ状態(
図2C,
図7(C))との間を変相可能するのである。
図2Aに示すように、基本状態における各内ケース第2側板部16は、離隔状態における両内ケース第1側板部14の内側に位置し、基本状態における各内ケース第2側板部16の外側面と、両内ケース第1側板部14の各側縁部(各短辺)を形成する端面とは、面一状になっている。
【0068】
図2A~
図3に示すように、各内ケース第2側板部16(その一対の分割側板部17)の下縁部には、一対の底板部肉厚被覆部18が各々形成されている。
各底板部肉厚被覆部18はシート状をなし、可撓性を有している。
前述したように各内ケース第2側板部16は厚板状の断熱材が合成樹脂のシート状のカバーに被覆されて形成されているところ、各底板部肉厚被覆部18は、そのカバーによって、内ケース第2側板部16と一体的に形成されている。
【0069】
各底板部肉厚被覆部18は、各分割側板部17の下縁部を形成する端面の外縁(その全長)から、内ケース底板部12の肉厚の長さだけ短く下方に延びている。一対の底板部肉厚被覆部18同士は、直接的には結合されていない。
各底板部肉厚被覆部18は、シート状をなし可撓性を有しており(このことは前述)、通常は、各内ケース第2側板部16(その各分割側板部17)の外側面と連続的に鉛直下方に延びている。そして、各底板部肉厚被覆部18は、各内ケース第2側板部16(その各分割側板部17)の外側面と垂直に水平外方に延びる姿勢まで(さらにはそれを超えて鉛直上方に延びる姿勢まで)弾性的に変相可能である。
【0070】
こうして、
図2Aに示すように、基本状態にある内ケース体10において、各内ケース第2側板部16は、一枚の板状をなし、内ケース底板部12の各短辺及びその近傍(内ケース第2側板部16の肉厚に相当する)において内ケース底板部12上に位置し、各底板部肉厚被覆部18は、内ケース底板部12の各短辺の外側に位置し、鉛直下方に延び、当該短辺の端面を被覆している。こうして、内ケース体10の内部の気密性が高められている。
そして、
図2A→
図2Bに示すように、内ケース体10(各内ケース第2側板部16)が折り畳み状態に向かって変相する際には、各底板部肉厚被覆部18は、内ケース底板部12に当接することによって、適宜、鉛直状態から弾性的に変相する。
逆の場合も同様であり、
図2B→
図2Aに示すように、内ケース体10(各内ケース第2側板部16)が基本状態に戻ることによって、各底板部肉厚被覆部18は、内ケース底板部12の短辺の外側に位置して鉛直状態に戻る。
【0071】
以上に詳述したように、両内ケース第1側板部14について離隔状態(
図2A,
図7(A))と近接状態(
図2C,
図7(C))との間を変相させることによって、内ケース体10について基本状態(
図2A,
図7(A))と折り畳み状態(
図2C,
図7(C))との間を変相させることができるのである。
【0072】
なお、内ケース体10を基本状態(
図2A)から折り畳み状態(
図2C)に向けて変相させようとする際には、
図2A中において実線の矢印で示すように、両内ケース第2側板部16を折り曲げ状態に向けて人為的に若干変相させた後に、両内ケース第1側板部14を近接状態に向けて変相させようとすることによって、その変相を円滑に行うことができる。
逆の場合も同様に、内ケース体10を折り畳み状態(
図2C)から基本状態(
図2A)に向けて変相させようとする際には、両内ケース第1側板部14を離隔状態に向けて変相させて内ケース体10(両内ケース第2側板部16)が基本状態に近い状態になった後に、
図2A中において二点鎖線の矢印で示すように、両内ケース第2側板部16を基本状態に向けて人為的に若干変相させることによって、その変相を円滑に行うことができる。
【0073】
次に、外ケース体30について、
図1A~
図2C,
図4,
図7等に基づいて詳細に説明する。
前述したように、外ケース体30は、外ケース底部32(
図1B(b),
図4),一対の外ケース第1側部34,一対の外ケース第2側部36を有するとともに、一対の折り畳み補助部50を有している。いずれも合成樹脂のシートによって形成され、可撓性を有しており、それら各要素の境界部分の角度も可変である。
図2A~
図2C等に示すように、外ケース体30の外ケース底部32,一対の外ケース第1側部34,一対の外ケース第2側部36は、各々、内ケース体10の内ケース底板部12,一対の内ケース第1側板部14,一対の内ケース第2側板部16に対応している。
【0074】
同じく前述したように、外ケース体30は、基本状態(外ケース基本状態)(
図2A,
図7(A))と略折り畳み状態(外ケース略折り畳み状態)(
図2C,
図7(C))との間を変相可能である。
図2A及び
図7(A)に示すように、外ケース体30の基本状態(外ケース基本状態)は、内ケース体10の基本状態(内ケース基本状態)に対応している。
図2C及び
図7(C)に示すように、外ケース体30の略折り畳み状態(外ケース略折り畳み状態)は、内ケース体10の折り畳み状態(内ケース折り畳み状態)に対応している。
【0075】
なお、前述したように外ケース体30は可撓性を有しており、外ケース体30単独では基本状態以外に種々の形状になり得るが、外ケース体30の内部に内ケース体10が収容された状態では、内ケース体10が折り畳み状態の際は、外ケース体30は、それに対応した略折り畳み状態になる。
そして、内ケース体10が基本状態と折り畳み状態との間を変相することに追従して、外ケース体30も基本状態と略折り畳み状態との間を変相する。そのような関係にされている。
【0076】
外ケース体30の「基本状態(外ケース基本状態)」とは、
図2A及び
図7(A)に示すように、一対の外ケース第1側部34が離隔状態(第1側部離隔状態)にあって、外ケース底部32・外ケース第2側部36のいずれもが基本状態(底部基本状態・第2側部基本状態)にある状態である。
一対の外ケース第1側部34の「離隔状態(第1側部離隔状態)」とは、両外ケース第1側部34が相互に最も離隔した状態である。
外ケース底部32・外ケース第2側部36の「基本状態(底部基本状態・第2側部基本状態)」とは、いずれも平面状の自然状態にある状態である。
【0077】
外ケース体30の「略折り畳み状態(外ケース略折り畳み状態)」とは、
図2C及び
図7(C)に示すように、次の状態である。
一対の外ケース第1側部34は、近接状態の両内ケース第1側板部14に対応して、両外ケース第1側部34が相互にかなり近接した状態にある。
外ケース底部32は、折り曲げ状態の内ケース底板部12に対応して略谷折り状に折れ曲がった状態(
図7(C))にある。
外ケース第2側部36は、ほぼ鉛直状になっている折り畳み補助部50とともに、折り曲げ状態の内ケース第2側板部16に対応して折れ曲がった状態にある。
【0078】
図1B(b)及び
図4に示すように、外ケース底部32は、自身及び外ケース体30の基本状態(
図2A)において水平の長方形状をしており、ともに一対の長辺及び短辺を有している。
図1A~
図2A,
図4に示すように、各外ケース第1側部34は、外ケース底部32(
図4)の各長辺に対応しており、自身及び外ケース体30の基本状態(
図2A)において鉛直な長方形状をしている。
同じく
図1A~
図2A,
図4に示すように、各外ケース第2側部36は、外ケース底部32(
図4)の各短辺に対応しており、自身及び外ケース体30の基本状態(
図2A)において鉛直な長方形状をしている。
【0079】
図4に示すように、外ケース底部32は、可撓性を有する外ケース底部用シート31によって形成されている。一対の外ケース第2側部36は、同じく可撓性を有する一対の外ケース第2側部用シート35によって形成されている。
一対の折り畳み補助部50は、上述の外ケース底部用シート31及び一対の外ケース第2側部用シート35によって形成されている。
【0080】
外ケース底部用シート31は、平面状の自然状態において、長方形状をベースとしており、一対の長辺(符号省略)を有している。この長辺が、この物品収容ケースの幅方向に対応している。
その長方形状の部分によって、外ケース底部32が形成されている。
【0081】
外ケース底部用シート31の両端部(外ケース底部用シート31の一対の短辺に相当する)には、底部側補助部形成部52が形成されている。
底部側補助部形成部52は直角二等辺三角形状をしており、一対の斜辺(符号省略)を有している。
【0082】
各外ケース第1側部34は、外ケース底部32の各長辺に対応しており、鉛直な長方形状をしている。
すなわち、各外ケース第1側部34は、平面状の自然状態において、この物品収容ケースの幅方向に延びるとともに、鉛直方向に延びており、ともに一対の水平な長辺及び鉛直の短辺を有している。
図2A及び
図4に示すように、各外ケース第1側部34は、その下縁部(下方の長辺)において、外ケース底部32の各長辺(外ケース底部用シート31の各長辺)に対して縫い付けによって結合されている。
【0083】
各外ケース第2側部用シート35は、平面状の自然状態において、長方形状をベースとしており、一対の長辺(符号省略)を有している。この長辺が、この物品収容ケースの高さ方向に対応している。
その長方形状の部分によって、外ケース第2側部36が形成されている。
そして、外ケース第2側部36と外ケース底部32とは、直接的には結合されていない。
【0084】
各外ケース第2側部用シート35の下端部(外ケース第2側部36の下方の短辺に相当する)には、第2側部側補助部形成部56が形成されている。
第2側部側補助部形成部56は、底部側補助部形成部52に対応している。第2側部側補助部形成部56も直角二等辺三角形状をしており、一対の斜辺(符号省略)を有している。
【0085】
図2A及び
図4に示すように、各外ケース第1側部34と各外ケース第2側部用シート35(そのうち外ケース第2側部36を形成する部分)とは、その各側縁部同士において、縫い付けによって結合されている。
【0086】
各折り畳み補助部50(
図2A等)は、
図4に示すように、外ケース底部用シート31の各底部側補助部形成部52及び各外ケース第2側部用シート35の第2側部側補助部形成部56によって形成されている。
すなわち、各底部側補助部形成部52及び各第2側部側補助部形成部56は、相互に対応する直角二等辺三角形状をしており(このことは前述)、各折り畳み補助部50は、両者がその斜辺同士(正確にはその近傍)において縫い付けによって結合されて形成されている。
こうして、
図2A等に示すように、各折り畳み補助部50は、直角二等辺三角形状をしており、その一対の斜辺(正確にはその近傍)に縫い付け結合部54を有している。また、このようにして、各折り畳み補助部50は、外ケース底部32と各外ケース第2側部36とを連結している。
そして、各折り畳み補助部50においては、所定の場合に、底部側補助部形成部52・第2側部側補助部形成部56によって内部空間が形成される。
【0087】
また、各折り畳み補助部50においては、各底部側補助部形成部52及び各第2側部側補助部形成部56の中央近傍同士が結合されている。こうして、各折り畳み補助部50は、その中央近傍に縫い付け結合部55(結合部)を有している。
【0088】
図1A~
図2A,
図6(A)に示すように、外ケース体30が基本状態にある状態において、各底部側補助部形成部52及び各第2側部側補助部形成部56は重なっており(
図6(A))、各折り畳み補助部50は、全体として一枚状をしている。
各折り畳み補助部50も、外ケース体30の他の要素と同様に可撓性を有しており、外ケース体30が基本状態にある状態において、水平に外方に延びる姿勢(
図2A)と、外ケース第2側部36(その外面)に沿って鉛直上方に向かう姿勢(
図1)との間を変相可能である(さらには、鉛直下方に向かう姿勢や、外ケース底部32(その下面)に沿って水平に延びる姿勢にも変相可能である)。
【0089】
図2A及び
図4に示すように、各折り畳み補助部50(そのうち外ケース第2側部36に対向する面)の先端部には、面ファスナ(メス)58が設けられている。
これに対応して、各外ケース第2側部36には、面ファスナ(オス)48が設けられている。
外ケース体30が基本状態にある状態において、各折り畳み補助部50は、鉛直上方に向かう姿勢(
図1)の状態において、面ファスナ(メス)58と面ファスナ(オス)48とが結合されることによって、各外ケース第2側部36に対して着脱可能に結合される。
【0090】
図2A及び
図4等に基づいて前述したように、各折り畳み補助部50においては、各底部側補助部形成部52と各第2側部側補助部形成部56とは、縫い付け結合部54及び縫い付け結合部55において結合されているが、各底部側補助部形成部52の基縁部(外ケース底部32との境界部分)と各第2側部側補助部形成部56の基縁部(外ケース第2側部36との境界部分)とは結合されていない(前述したように、外ケース第2側部36と外ケース底部32とは直接的には結合されていない)。
すなわち、各折り畳み補助部50において、縫い付け結合部54及び縫い付け結合部55以外においては、外ケース底部用シート31の各底部側補助部形成部52(
図4)と各外ケース第2側部用シート35の第2側部側補助部形成部56(
図4)とは結合されていない。
【0091】
このため、
図6(B)及び(C)に示すように、各折り畳み補助部50のうち縫い付け結合部55より基縁部側の部分は、一対の斜辺における縫い付け結合部54の制約下において、底部側補助部形成部52と第2側部側補助部形成部56とは離隔可能である。
図6(B)に示すように、底部側補助部形成部52と第2側部側補助部形成部56とが離隔することによって、各折り畳み補助部50には内部空間が形成される。
各折り畳み補助部50において形成される内部空間と、外ケース底部32・両外ケース第1側部34・両外ケース第2側部36によって形成される内部空間とは連通している。
【0092】
次に、蓋体60について、
図2A~
図2C等に基づいて詳細に説明する。
前述したように、蓋体60は、本体部61,被取付片62,折り曲げ片65を有しており、被取付片62において外ケース体30に対して着脱可能に結合される(
図1A及び
図1B)。
蓋体60の本体部61は、外ケース体30(基本状態)の開口部(
図1B(a),
図2A)に対応した長方形状の厚板状をしており、ともに一対の長辺及び短辺を有している。
本体部61は、厚板状の断熱材が合成樹脂のシート状のカバーに被覆されて形成されている。
【0093】
図2A~
図2Cに示すように、被取付片62は、蓋体60の本体部61の一方の長辺の縁部に形成されている。折り曲げ片65は、本体部61の他方の長辺の縁部に形成されている。
いずれも、本体部61の長辺の縁部を形成する端面の上縁(
図1Aの閉塞位置における上縁)から短く延びている。
【0094】
被取付片62及び折り曲げ片65は、可撓性を有するシート状をなしている。
前述したように蓋体60の本体部61は厚板状の断熱材が合成樹脂のシート状のカバーに被覆されて形成されているところ、被取付片62及び折り曲げ片65は、そのカバーによって、蓋体60の本体部61と一体的に形成されている。
【0095】
被取付片62は、蓋体60の本体部61に対して、その基縁部において相対的に揺動(回動)可能である。
被取付片62は、本体部61を仮想的に常に閉塞位置(
図1A)に位置する状態のように水平にした状態で、本体部61に対して相対的に、本体部61の上面と連続的に水平に延びる姿勢(自然姿勢)を挟んで、本体部61の縁部の上縁から下方に向かって本体部61と垂直に延びる姿勢と、本体部61の上面に沿って水平に延びる姿勢(自然姿勢とは反対方向に延びる姿勢)との間を変相可能である。
被取付片62の両面には面ファスナ(メス)(図示省略)が設けられている。
【0096】
折り曲げ片65も、蓋体60の本体部61に対して、その基縁部において相対的に揺動(回動)可能である。
折り曲げ片65も、上述と同じく本体部61を仮想的に常に水平にした状態で、本体部61に対して相対的に、本体部61の上面と連続的に水平に延びる姿勢(自然姿勢)を挟んで、本体部61の縁部の上縁から下方に向かって本体部61と垂直に延びる姿勢と、本体部61の上面に沿って水平に延びる姿勢(自然姿勢とは反対方向に延びる姿勢)との間を変相可能である。
図1B(b),
図2B,
図2Cに示すように、折り曲げ片65の内側面には面ファスナ(メス)66が設けられている。
【0097】
次に、各要素の結合関係について説明する。
図1B及び
図2Aに示すように、内ケース体10の大きさ(外側寸法)は、外ケース体30の内部の大きさ(内側寸法)に対応している。
すなわち、内ケース体10の幅(幅方向における外寸)及び奥行(奥行方向における外寸)は、外ケース体30の幅方向における内寸及び奥行方向の内寸よりも若干短い。
内ケース体10の高さ(高さ方向における外寸)は、外ケース体30の高さ方向における内寸から、蓋体60の本体部61の肉厚を減じたものとほぼ同一である。
こうして、外ケース体30の内側(内部空間)に、内ケース体10がほぼ隙間なく収容される。
【0098】
図2Aに示すように、外ケース体30の各外ケース第1側部34の内面の上縁部近傍には、面ファスナ(オス)44が設けられている。それに対応して、内ケース体10の各第1側部上縁部近傍には、面ファスナ(メス)24が設けられている。
こうして、外ケース体30の内側(内部空間)に内ケース体10がほぼ隙間なく収容された状態(
図1B)で、面ファスナ(オス)44と面ファスナ(メス)24とが結合され、内ケース体10は外ケース体30に対して着脱可能に結合されるのである。
【0099】
図2A~
図2Cに示すように、外ケース体30の一方(裏側)の外ケース第1側部34の内側面における上縁部及びその近傍には、挟持片45が設けられている。
挟持片45は、外ケース体30の幅方向の全長にわたって延びる帯状のシート状をなし、その基縁部において、外ケース第1側部34の内側面の上縁部近傍に結合されている。
挟持片45は、その基端部において外ケース第1側部34に対して揺動(回動)可能であり、自然姿勢(外ケース第1側部34に沿った状態)において、その上縁部は外ケース第1側部34の上縁部とほぼ同一の高さ位置に位置する。
挟持片45及び外ケース第1側部34のうちの相互に対向する部分には、各々、面ファスナ(オス)(図示省略)が設けられている。
【0100】
蓋体60は、被取付片62において、外ケース体30(その裏側の上縁部)に対して着脱可能に連結される。
内ケース体10が外ケース体30の内部に収容される前の状態において、被取付片62は、挟持片45と、外ケース第1側部34のうち挟持片45に対向する部分との間に挿入され、両者によって挟持される。その状態で、被取付片62の両面に設けられた面ファスナ(メス)(前述)と、挟持片45及び外ケース第1側部34のうちの相互に対向する部分に各々設けられた面ファスナ(オス)(前述)とが結合される。
こうして、蓋体60は、被取付片62において、外ケース体30の一方の外ケース第1側部34の内側面における上縁部及びその近傍に対して着脱可能に連結されるのである。
内ケース体10が外ケース体30の内部に収容された状態で、挟持片45は、内ケース体10によって自然姿勢に維持される。
【0101】
上述のように内ケース体10によって挟持片45が自然姿勢に維持された状態で、蓋体60(被取付片62を除く)は、本体部61の基縁部を基準に揺動(開閉)可能である。
こうして、蓋体60は、閉塞位置(
図1A)と、反転位置(
図5C)との間を変位可能である。
「閉塞位置」とは、
図1Aに示すように、蓋体60が水平状になって、この物品収容ケース(外ケース体30)の開口部(
図1B(a))を塞ぐ位置である。
「反転位置」とは、
図5Cに示すように、蓋体60が閉塞位置から開かれ、鉛直上方を向く位置を超えて、外ケース第1側部34の外面に沿って鉛直下方を向く位置である。
なお、
図1B等に示すように、閉塞位置以外であって、この物品収容ケース(外ケース体30)の開口部(
図1B(a))を開く位置のことを「開放位置」ということとする。
蓋体60が閉塞位置に位置する状態(
図1A)で、蓋体60の本体部61と内ケース体10の上面とが当接し、気密性が高められる。
【0102】
図1B及び
図2A等に示すように、外ケース体30のおもて側の外ケース第1側部34の上縁部の近傍には、その幅方向の全長にわたって、面ファスナ(オス)46が設けられている。面ファスナ(オス)46は、蓋体60の折り曲げ片65の面ファスナ(メス)66(
図1B)に対応している。
そして、蓋体60が閉塞位置に位置する状態で、折り曲げ片65が鉛直下方に向かうように本体部61に対して垂直に折り曲げられ、面ファスナ(オス)46と面ファスナ(メス)66とが結合されることによって、折り曲げ片65が外ケース体30のおもて側の外ケース第1側部34に対して着脱可能に結合される。
こうして、
図1Aに示すように、蓋体60が閉塞位置に維持される。
【0103】
図1A(b)に示すように、外ケース体30の裏側の外ケース第1側部34の下側の部分にも、面ファスナ(オス)47が設けられている。面ファスナ(オス)47も、蓋体60の折り曲げ片65の面ファスナ(メス)66に対応している。
そして、
図5B及び
図5Cに示すように、蓋体60が反転位置に位置し、折り曲げ片65が鉛直上方に向かうように本体部61に対して折り曲げられた状態で、面ファスナ(オス)47と面ファスナ(メス)66とが結合されることによって(
図5B(b))、折り曲げ片65が外ケース体30の裏側の外ケース第1側部34に対して着脱可能に結合される。
こうして、
図5Cに示すように、蓋体60が反転位置に維持される。
【0104】
図1A~
図2A等に示すように、外ケース体30の各外ケース第2側部36には、結合用ベルト90及び被結合片95が設けられている。
結合用ベルト90は、その基端部において外ケース第2側部36のほぼ中央高さ位置における一方の側縁部に結合されている。結合用ベルト90の裏面には、面ファスナ(メス)91が設けられている。
被結合片95は、その基端部において外ケース第2側部36のほぼ中央高さ位置における他方の側縁部に結合されている。被結合片95のおもて面には、面ファスナ(オス)96が設けられている。
【0105】
同じく
図1A~
図2A等に示すように、この物品収容ケースには、把持用ベルト80が設けられている。
外ケース体30の各外ケース第2側部36の上側部分には、支持用ベルト82が設けられている。支持用ベルト82は、水平方向に延び、基本的に、その上縁部及び下縁部において外ケース第2側部36に対して縫い付けによって結合されている。
結合用ベルト90の一部においては、把持用ベルト80の幅に対応して、結合用ベルト90の幅方向(鉛直方向)に延びる2対の縫い付け部83において、外ケース第2側部36に対して縫い付けによって結合されている。各対の縫い付け部83間においては、支持用ベルト82の上縁部及び下縁部において、支持用ベルト82は外ケース第2側部36に対して縫い付けられてはいない。
こうして、各外ケース第2側部36には、ともに把持用ベルト80の幅に対応した一対のベルト挿通部84が形成されている。
【0106】
把持用ベルト80は、両外ケース第2側部36の両ベルト挿通部84を摺動可能に挿通され、全体としてループ状にされて外ケース底部用シート31の下面に結合されている。
把持用ベルト80のうち、各外ケース第2側部36において一対のベルト挿通部84よりも上側の部分が、把持部81とされている。
【0107】
次に、この物品収容ケースの使用方法及び作用効果について、
図5A~
図7等に基づいて説明する。
この物品収容ケースは、物品を収容する際には基本状態(
図1A)にされるとともに、物品を収容しない際には折り畳み状態(
図5C)とされる。
【0108】
基本状態から折り畳み状態に変相させるには、次のようにされる。
まず、基本状態において、
図5A(1)に示すように、各折り畳み補助部50を外ケース第2側部36から取り外して、ほぼ水平状態にさせる。
また、
図5A(2)に示すように、蓋体60を閉塞位置から外し、反転位置(又はそれに近い位置)に位置づける。
【0109】
次に、
図5A→
図5B→
図5C,
図7(A)→(C)に示すように、外ケース体30及び内ケース体10を操作して、内ケース体10を基本状態(
図2A)から折り畳み状態(
図2C)に変相させる。
その際、外ケース体30は、可撓性を有しているとともに、折り畳み補助部50が存在していることから、内ケース体10の変相に追従して、基本状態(
図2A)から略折り畳み状態(
図2C)に変相する。
【0110】
すなわち、
図2A→
図2B→
図2C,
図7(A)→(C)に示すように内ケース体10が基本状態から徐々に折り畳み状態に向けて変相する際には、両内ケース第1側板部14が接近していって内ケース体10の奥行(この物品収容ケースの奥行方向の寸法)が短くなっていく一方で、内ケース底板部12が下方に谷折り状に変相していって内ケース体10(内ケース底板部12)は下方に伸びていく。
そのように外ケース体30の内部において内ケース体10が変相し、外ケース体30がその変相に追従して変相するのに、各折り畳み補助部50が有効に作用する。
【0111】
図7(A)→(C)に示すように、一対の分割底板部13が鉛直下方成分を有する方向に向かおうとして内ケース体10(内ケース底板部12)が下方に伸びていこうとする際に、その一対の分割底板部13によって外ケース体30の外ケース底部32が下方に押圧されることによって、外ケース体30の外ケース底部32も下方に略谷折り状に下降しようとする。
ここで、前述したように、各折り畳み補助部50において、各底部側補助部形成部52(
図4)と各第2側部側補助部形成部56(
図4)とは、縫い付け結合部54及び縫い付け結合部55以外においては結合されていないため、各折り畳み補助部50のうち縫い付け結合部55より基縁部側の部分において、底部側補助部形成部52と第2側部側補助部形成部56とは離隔可能である。
このため、上述したように内ケース体10の変相とともに外ケース底部32が下方に略谷折り状に下降しようとする際に、各折り畳み補助部50は下方に引っ張られ、
図6(A)→(C)に示すように、各折り畳み補助部50の底部側補助部形成部52及び第2側部側補助部形成部56のうちのいずれも縫い付け結合部55よりも自身の基縁部の側の部分は、相互に離隔しつつ、下降していく。
こうして、
図7(A)→(C)に示すように内ケース底板部12が下方に伸びていこうとする際に、外ケース底部32は、円滑に下方に略谷折り状に下降していく。
このように、外ケース体30は、内ケース体10が折り畳み状態に向かって変相していくことを妨げず、内ケース体10は円滑に折り畳み状態になる。
【0112】
また、折り畳み補助部50が大きすぎる(すなわち、余裕がありすぎる)と、折り畳み補助部50の変相自体が円滑に進まず、外ケース体30の変相の円滑な変相を阻害し、ひいては、この物品収容ケース全体の変相が円滑に進まないこととなる。
しかし、この物品収容ケースでは、折り畳み補助部50(底部側補助部形成部52,第2側部側補助部形成部56)の形状が二等辺三角形状であり、基縁部から先端部の側に向かうにつれて徐々に幅細になるため、そのようなこともなく、
図5Bに示すように、折り畳み補助部50は円滑に変相し、外ケース体30、ひいては、この物品収容ケースの変相が円滑に進むこととなる。
【0113】
内ケース底板部12が最大限に下方に伸びた状態(すなわち、内ケース底板部12が折り曲げ状態になった状態)で、第2側部側補助部形成部56のうちの縫い付け結合部55よりも基縁部の側の部分及び底部側補助部形成部52のうちの縫い付け結合部55よりも基縁部の側の部分は、外ケース第2側部36と連続的にほぼ鉛直状態となる。その状態が、外ケース体30が下方に伸びる限界である。
逆にいうと、外ケース体30は、その状態になるまで下方に伸び得るのであり、その状態で、内ケース底板部12は折り曲げ状態になる(内ケース体10は折り畳み状態になる)。そのような位置に、縫い付け結合部55が設けられているのである。
【0114】
仮に縫い付け結合部54が、上述の位置よりも折り畳み補助部50の先端部の側に設けられていたり、縫い付け結合部54が設けられていない場合でも、この物品収容ケースは基本状態から折り畳み状態に変相することは可能である。
しかしながら、上述の位置に縫い付け結合部54が設けられているということは、この物品収容ケースが折り畳み状態になり得るという条件の下で、縫い付け結合部54は折り畳み補助部50のうち最も基縁部に近い位置に設けられているといえる。このことによって、折り畳み補助部50において底部側補助部形成部52と第2側部側補助部形成部56とが離隔しすぎることが防止され、折り畳み補助部50が不規則的に変相することが防止される。
【0115】
以上のようにして、内ケース体10が折り畳み状態に変相することを外ケース体30が妨げることなく、内ケース体10が折り畳み状態に変相しようとするのに外ケース体30も追従して円滑に略折り畳み状態に変相しようとする。
こうして、この物品収容ケースは、円滑に折り畳み状態に変相していく。
【0116】
上述のように内ケース体10・外ケース体30を折り畳み状態・略折り畳み状態に変相させるとともに、いずれかの時点で、
図5B→
図5Cに示すように、反転位置(又はそれに近い位置)にある蓋体60を外ケース第2側部36の外面に対して固定する。
同じく
図5B→
図5Cに示すように、結合用ベルト90を被結合片95に取り付けて、この物品収容ケースの折り畳み状態を維持させる。
【0117】
以上のようにして、この物品収容ケースは、基本状態から折り畳み状態に容易に変相させることが可能である。
【0118】
また、上述の逆の操作を行うことによって、折り畳み状態から基本状態に容易に変相させることも可能である。
すなわち、
図5C→
図5Bに示すように、結合用ベルト90を被結合片95から取り外す。
次に、
図5C→
図5B→
図5Aに示すように、内ケース体10を折り畳み状態から基本状態に向けて変相させようとすることによって、外ケース体30も、それに追従して略折り畳み状態から基本状態に変相しようとする。その際、各折り畳み補助部50において、補助片形成部52及び補助片形成部56が接近していく。
なお、いずれかの時点で、
図5C→
図5Bに示すように、反転位置にあって外ケース第2側部36の外面に対して固定されている蓋体60を外ケース第2側部36の外面から外し、閉塞位置等に位置づける。
以上のようにして、この物品収容ケースは、折り畳み状態から基本状態へも容易に変相させることが可能である。
【0119】
[実施例2]
次に、本発明の実施例2である物品収容ケースについて、
図8~
図12に基づいて説明する。
実施例2は、実施例1をさらに改良したものであり、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1と共通する要素については、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略する。
【0120】
図9A~
図9C等に示すように、実施例1と同様に、この物品収容ケースも、2重構造のケースであって、内ケース体10及び外ケース体30を有するとともに、蓋体260を有している。
そして、この物品収容ケースも、折り畳み可能であって、直方体状をなす基本状態(
図8A)と、折り畳み状態(
図11C)との間を変相可能である。
同じく、蓋体260は、開閉可能であって、両縁結合状態(
図8A)と片縁結合状態(
図8B)との間を変位可能である。
また、蓋体260は、折り曲げ可能であって、平板状態(
図8A~
図9A,
図11A)と折り曲げ状態(
図9C,
図11C)との間を変相可能である。この点で、この物品収容ケースは実施例1と異なっている。
【0121】
この物品収容ケースの「基本状態」とは、実施例1と同様に、
図8A,
図9A,
図11A,
図12(A)に示すように、内ケース体10が直方体状をなす基本状態(内ケース基本状態)にあり、外ケース体30も直方体状をなす基本状態(外ケース基本状態)にあるとともに、蓋体260が基本状態(蓋体基本状態)にある状態である。
蓋体260の「基本状態(蓋体基本状態)」とは、直板状態にあるとともに、両縁結合状態にある状態である。
【0122】
この物品収容ケースの「折り畳み状態」とは、
図9C,
図11C,
図12(C)に示すように、内ケース体10が折り畳み状態(内ケース折り畳み状態)にあり、外ケース体30が折り畳み状態の内ケース体10に対応した略折り畳み状態(外ケース略折り畳み状態)にある(以上は実施例1と同様である)とともに、蓋体260が両縁結合折り曲げ状態(蓋体両縁結合折り曲げ状態)にある状態である。
蓋体260の「両縁結合折り曲げ状態」とは、折り曲げ状態にあるとともに、両縁結合状態にある状態である。
【0123】
前述したように、蓋体260は、開閉可能であって、両縁結合状態(
図8A)と片縁結合状態(
図8B)との間を変位可能である(この点は実施例1と同様である)。
「両縁結合状態」とは、
図8Aに示すように、蓋体260が、その一対の長辺の両縁部において外ケース体30に結合された状態であり、「片縁結合状態」とは、
図8Bに示すように、蓋体260が、その一対の長辺の両縁部のうち、その一縁部においてのみ外ケース体30に結合され、他縁部において外ケース体から外れた状態である。
【0124】
また、同じく前述したように、蓋体260は、実施例1とは異なり、折り曲げ可能であって、平板状態(
図8A~
図9A,
図11A)と折り曲げ状態(
図9C,
図11C)との間を変相可能である。
「平板状態」とは、
図8A~
図9A,
図11Aに示すように、折り曲げられることなく、全体として一平板状(1枚の平板状)をなす状態である。「折り曲げ状態」とは、
図9C,
図11Cに示すように、逆V字状(上述の両縁結合状態において逆V字状)に折り曲げられた状態である。
【0125】
内ケース体10は、実施例1と同じく、基本状態(内ケース基本状態)(
図9A,
図12(A))と折り畳み状態(内ケース折り畳み状態)(
図9C,
図12(C))との間を変相可能である。
【0126】
内ケース体10の「基本状態(内ケース基本状態)」とは、
図9A及び
図12(A)に示すように、一対の内ケース第1側板部14が離隔状態(第1側壁部離隔状態)にあって、内ケース底板部12・内ケース第2側板部16のいずれもが基本状態(底板部基本状態・第2側板部基本状態)にある状態である。
【0127】
一対の内ケース第1側板部14の「離隔状態(第1側板部離隔状態)」とは、
図9A及び
図12(A)に示すように、両内ケース第1側板部14が相互に最も離隔した状態である。
内ケース底板部12の「基本状態(底板部基本状態)」とは、
図9A及び
図12(A)に示すように、全体で一平板状(1枚の平板状)をなし両内ケース第1側板部14と垂直で水平に延びる状態である。
内ケース第2側板部16の「基本状態(第2側板部基本状態)」とは、
図9A及び
図12(A)に示すように、両分割側板部17によって全体として一平板状(1枚の平板状)をなし、両内ケース第1側板部14と垂直の状態である。
【0128】
内ケース体10の「折り畳み状態(内ケース折り畳み状態)」とは、
図9C及び
図12(C)に示すように、一対の内ケース第1側板部14が近接状態(第1側壁部近接状態)にあって、内ケース底板部12・内ケース第2側板部16のいずれもが折り曲げ状態(底板部折り曲げ状態・第2側板部折り曲げ状態)にある状態である。
【0129】
一対の内ケース第1側板部14の「近接状態(第1側板部近接状態)」とは、
図9C及び
図12(C)に示すように、両内ケース第1側板部14が相互に最も近接した状態である。
内ケース底板部12の「折り曲げ状態(底板部折り曲げ状態)」とは、
図9C及び
図12(C)に示すように、その各分割底板部13が、対応する各内ケース第1側板部14から鉛直下方に向かう(下垂する)とともに両分割底板部13が相互に重なる状態である。
なお、各分割底板部13がほぼ鉛直に延びるとともに、両分割底板部13が相互に近接するが重ならない(面接触しない)場合もある。
内ケース第2側板部16の「折り曲げ状態(第2側板部折り曲げ状態)」とは、
図9Cに示すように、両分割底板部13が、その外側面(基本状態における外側の面)同士が対向して重なるとともに、両内ケース第1側板部14と平行で、両内ケース第1側板部14の間において両内ケース第1側板部14とも重なる状態である。
なお、両分割側板部17が両内ケース第1側板部14とほぼ平行に内方に延びるとともに、両内ケース第1側板部14の間において両内ケース第1側板部が相互に近接するが重なることなく(面接触することなく)、両内ケース第1側板部14にほぼ沿って延びる状態の場合もある。
【0130】
外ケース体30も、実施例1と同じく、基本状態(外ケース基本状態)(
図9A,
図12(A))と略折り畳み状態(外ケース略折り畳み状態)(
図9C,
図12(C))との間を変相可能である。
図9A及び
図12(A)に示すように、外ケース体30の基本状態(外ケース基本状態)は、内ケース体10の基本状態(内ケース基本状態)に対応している。
図9C及び
図12(C)に示すように、外ケース体30の略折り畳み状態(外ケース略折り畳み状態)は、内ケース体10の折り畳み状態(内ケース折り畳み状態)に対応している。
【0131】
外ケース体30の「基本状態(外ケース基本状態)」とは、
図9A及び
図12(A)に示すように、一対の外ケース第1側部34が離隔状態(第1側部離隔状態)にあって、外ケース底部32・外ケース第2側部36のいずれもが基本状態(底部基本状態・第2側部基本状態)にある状態である。
一対の外ケース第1側部34の「離隔状態(第1側部離隔状態)」とは、両外ケース第1側部34が相互に最も離隔した状態である。
外ケース底部32・外ケース第2側部36の「基本状態(底部基本状態・第2側部基本状態)」とは、いずれも平面状の自然状態にある状態である。
【0132】
外ケース体30の「略折り畳み状態(外ケース略折り畳み状態)」とは、
図9C及び
図12(C)に示すように、次の状態である。
一対の外ケース第1側部34は、近接状態の両内ケース第1側板部14に対応して、両外ケース第1側部34が相互にかなり近接した状態にある。
外ケース底部32は、折り曲げ状態の内ケース底板部12に対応して略谷折り状に折れ曲がった状態(
図12(C))にある。
外ケース第2側部36は、ほぼ鉛直状になっている折り畳み補助部50とともに、折り曲げ状態の内ケース第2側板部16に対応して折れ曲がった状態にある。
【0133】
図9A~
図10に示すように、蓋体260は、実施例1の蓋体60と同様に、本体部61,被取付片62,折り曲げ片65を有している。蓋体260の本体部61は、厚板状の断熱材が合成樹脂のシート状のカバーに被覆されて形成されている。
【0134】
図9Aに示すように、蓋体260の本体部61は、外ケース体30(基本状態)の開口部(
図8B(a),
図9A)に対応した長方形状の厚板状をしており、ともに一対の長辺(蓋体第1辺)及び短辺(蓋体第2辺)を有している。
すなわち、蓋体260の本体部61の長辺(蓋体第1辺)及び短辺(蓋体第2辺)は、内ケース体10の内ケース底板部12の長辺(底板第1辺)及び短辺(底板第2辺)に各々対応している。
【0135】
蓋体260の本体部61の長辺(蓋体第1辺)及び短辺(蓋体第2辺)の寸法は次のとおりである。
蓋体260の本体部61の長辺(蓋体第1辺)は、内ケース体10の内ケース底板部12の長辺(底板第1辺)と同寸であり、内ケース第1側板部14の長辺(幅)と同寸である。
蓋体260の本体部61の短辺(蓋体第2辺)は、内ケース体10の内ケース底板部12の短辺(底板第2辺)に一対の内ケース第1側板部14の厚みを加えた寸法を有しており、内ケース第2側板部16の短辺(幅)に一対の内ケース第1側板部14の厚みを加えた寸法を有している。
このため、前述したように内ケース体10のともに一対の内ケース第1側板部14及び内ケース第2側板部16はいずれも厚板状をしており、内ケース体10の上端面には所定の幅を有する四角枠が形成されているところ、蓋体260の本体部61(その縁部)は、その四角枠の外周縁に対応している。
【0136】
図9A~
図9Cに示すように、実施例1と同じく、被取付片62は、蓋体260の本体部61の一方の長辺の縁部に形成されている。折り曲げ片65は、本体部61の他方の長辺の縁部に形成されている。いずれも、本体部61の長辺の縁部を形成する端面の上縁(
図8Aの閉塞位置における上縁)から短く延びている。
被取付片62は、蓋体260の本体部61に対して、その基縁部において相対的に揺動(回動)可能である(両者の境界部分が折り曲げ可能である)。
折り曲げ片65も、蓋体260の本体部61に対して、その基縁部において相対的に揺動(回動)可能である(両者の境界部分が折り曲げ可能である)。
【0137】
蓋体260は、以下のように、実施例1と同様に外ケース体30に対して結合されており、片縁結合状態(
図8B)と両縁結合状態(
図8A)との間を変相可能である。
【0138】
図8A~
図9Cに示すように、蓋体260は、被取付片62(
図9A~
図9C)において、外ケース体30に対して着脱可能に結合されている(
図8A及び
図8B)。すなわち、内ケース体10が外ケース体30の内部に収容される前の状態において、被取付片62は、挟持片45と外ケース第1側部34(そのうち挟持片45に対向する部分)との間(
図9A~
図9C)に挿入され、被取付片62の両面に設けられた面ファスナ(メス)と、挟持片45及び外ケース第1側部34のうちの相互に対向する部分に各々設けられた面ファスナ(オス)(前述)とが結合される。
これによって、
図8Bに示すように、蓋体260は、少なくとも、片縁結合状態とされている。
【0139】
そして、
図8Aに示すように、蓋体260は、折り曲げ片65において、外ケース体30のおもて側の外ケース第1側部34に対して着脱可能に結合される。すなわち、蓋体260が閉塞位置に位置する状態で、折り曲げ片65が鉛直下方に向かうように本体部61に対して垂直に折り曲げられ、面ファスナ(オス)46(
図8B)と面ファスナ(メス)66(
図8B)とが結合されることによって、折り曲げ片65が外ケース体30のおもて側の外ケース第1側部34に対して着脱可能に結合される。
これによって、
図8Aに示すように、蓋体260は、両縁結合状態とされる。
【0140】
実施例1において前述したように、内ケース体10の高さ(高さ方向における外寸)は、外ケース体30の高さ方向における内寸から、蓋体60の本体部61の肉厚を減じたものとほぼ同一である。
このため、蓋体60の本体部61の上面と、外ケース体30の上縁部とはほぼ同一高さ位置にある。
【0141】
図9A~
図10に示すように、蓋体260の本体部61は、蓋体折り曲げ線261に沿って二分割された一対の分割蓋体262を有している。蓋体折り曲げ線261は、蓋体260の本体部61の両短辺の中央同士を結び、本体部61の長辺方向に延びている。
両分割蓋体262は、両分割蓋体262のうちの相対向する側の端面のうちの下縁同士において、相互に揺動(回動)可能に連結されている。
【0142】
より正確にいうと、蓋体折り曲げ線261は当該下縁同士を連結する部分であり、蓋体260の本体部61は、蓋体折り曲げ線261を含む面によって一対の分割蓋体262に二分割されている。そして、両分割蓋体262は、蓋体折り曲げ線261において、上方に(両縁結合状態において上方に)山折り状に折り曲げ可能に連結されている。
このため、蓋体260の本体部61は、蓋体折り曲げ線261において上方に(両縁結合状態において上方に)山折り状に折り曲げ可能なのである。
【0143】
前述したように蓋体260の本体部61は厚板状の断熱材が合成樹脂のシート状のカバーに被覆されて形成されているのであるが、詳細に述べると次のとおりである。
その断熱材は、各分割蓋体262に対応する一対の分割断熱材に分割されており、両分割蓋体262が上述のように揺動可能になるように、両分割断熱材がカバーによって被覆されているのである。
このことは、内ケース底板部12(実施例1及び2)及び内ケース第2側板部16(同)においても同様である。
【0144】
ここで、前述したように、蓋体260の本体部61と被取付片62との境界線部分は折り曲げ可能であり、同じく本体部61と折り曲げ片65との境界線部分も折り曲げ可能である。
このため、両縁結合状態において、蓋体260は、本体部61の各長辺(蓋体第1辺)において、外ケース体30の上縁部に対して本来的に揺動(回動)可能である。
【0145】
こうして、蓋体260(その本体部61)は、両縁結合状態においても、平板状態(
図9A,
図12(A))と折り曲げ状態(
図9C,
図12(C))との間を変相可能なのである。
【0146】
蓋体260の「平板状態」とは、
図9Aに示すように、全体で一平板状(1枚の平板状)をなす状態である。
前述したように、両縁結合状態であり、かつ、平板状態のことが、基本状態(蓋体基本状態)である。すなわち、蓋体260の「基本状態(蓋体基本状態)」とは、
図9Aに示すように、全体で一平板状(1枚の平板状)をなし、両内ケース第1側板部14と垂直で水平に延びる状態であり、閉塞位置にある状態である。
【0147】
蓋体260の「折り曲げ状態」とは、
図9Cに示すように、蓋体折り曲げ線261に沿って折り曲げられた状態である。
両縁結合状態であり、かつ、折り曲げ状態において、蓋体260は、逆V字状、すなわち、上方に山折り状(凸状)に折り曲げられ、その各分割蓋体262が、対応する各内ケース第1側板部14から斜め上方に向かい、蓋体折り曲げ線261で相互に連結された状態である。
【0148】
蓋体260(その本体部61)は、両分割蓋体262の蓋体折り曲げ線261とは反対側の両縁部が最大限離隔した状態で平板状態となり、当該両縁部が接近することによって折り曲げ状態に変相する。
こうして、外ケース体30が基本状態(外ケース基本状態)(
図9A)の際には、蓋体260(その本体部61)は平板状態となり、外ケース体30が略折り畳み状態(外ケース略折り畳み状態)(
図9C)の際には、蓋体260(その本体部61)は折り曲げ状態となるのである。
【0149】
各分割蓋体262の相互に対向する部分の近傍には、磁石263a,263bが内蔵されていてもよい。その際、磁石263a,263bのうちの相互に対向する側の部分は、異なる極とされる(一方がN極で、他方がS極である)。
この場合は、蓋体260(その本体部61)は、容易に平板状態に維持され得る。
【0150】
次に、この物品収容ケースの使用方法及び作用効果について、
図8A,
図11A~
図11Cに基づいて説明する。以下においても、実施例1と異なる点を中心に説明し、実施例1と同様の点については基本的に説明を省略する。
この物品収容ケースは、物品を収容する際には基本状態(
図8A)にされるとともに、物品を収容しない際には折り畳み状態(
図11C)とされる。
【0151】
基本状態から折り畳み状態に変相させるには、次のようにされる。
まず、基本状態において、
図11Aに示すように、各折り畳み補助部50を外ケース第2側部36から取り外して、ほぼ水平状態にさせる。
その際、実施例1とは異なり、蓋体260については何も操作をせず、両縁結合状態のままに維持する。
【0152】
【0153】
図11A→
図11Bに示すように、外ケース体30の両外ケース第2側部36の幅方向(この物品収容ケースの奥行方向)における中央部分が相互に若干接近するように両者を内方に押圧することによって、内ケース体10(
図9A)の両内ケース第2側板部16の第2側板部折り曲げ線15が相互に若干接近するように両内ケース第2側板部16(その幅方向における中央部分)を内方に押圧する(両外ケース第2側部36を介して押圧する)。
こうして、
図9A→
図9Bに示すように、内ケース体10が基本状態(内ケース基本状態)(
図9A)から折り畳み状態(内ケース折り畳み状態)(
図9C)に向けて若干変相しつつ、外ケース体30も基本状態(外ケース基本状態)(
図9A)から略折り畳み状態(外ケース略折り畳み状態)(
図9C)に向けて若干変相する。
すなわち、内ケース体10の一対の内ケース第1側板部14が離隔状態(第1側板部離隔状態)(
図9A)から近接状態(第1側壁部近接状態)(
図9C)に向けて若干変相しつつ、外ケース体30の一対の外ケース第1側部34が離隔状態(第1側部離隔状態)(
図9A)から相互に若干近接していく。
これに伴って、蓋体260(その本体部61)は、平板状態(
図9A)から折り曲げ状態(
図9C)に向けて若干変相する。
すなわち、蓋体260の蓋体折り曲げ線261が上方に変位しつつ、蓋体260(その本体部61)が逆V字状に、すなわち、上方に山折り状(凸状)に若干折り曲げられていく。
【0154】
さらに、
図11B→
図11Cに示すように、外ケース体30の両外ケース第1側部34が相互に接近するように両者を内方に押圧することによって、内ケース体10(
図9B)の両内ケース第1側板部14が相互に接近するように両者を内方に押圧する。
こうして、内ケース体10が折り畳み状態(内ケース折り畳み状態)(
図9C)に変相しつつ、外ケース体30も略折り畳み状態(外ケース略折り畳み状態)(
図9C)に変相する。
これに伴って、蓋体260(その本体部61)は、折り曲げ状態(
図9C)に変相する。
すなわち、蓋体260の蓋体折り曲げ線261がさらに上方に変位しつつ、蓋体260(その本体部61)が最大限に逆V字状に、すなわち、最大限に上方に山折り状(凸状)に折り曲げられる。
【0155】
以上のようにして、この物品収容ケースは、基本状態(
図11A)から折り畳み状態(
図11C)に容易に変相させることが可能である。
【0156】
また、上述の逆の操作を行うことによって、折り畳み状態(
図11C)から基本状態(
図11A)に容易に変相させることも可能である。
【0157】
以上のようにして、この物品収容ケースで、蓋体260が両縁結合状態のままで基本状態と折り畳み状態との間を変相させることが可能であるため、実施例1よりもさらに容易に、基本状態から折り畳み状態に変相させることができるとともに、その逆に、折り畳み状態から基本状態に変相させることができるのである。
すなわち、実施例1では、基本状態の際は
図1A及び
図5A(1)に示すように両縁結合状態であるが、それ以外の状態では、
図5A(2)~
図5Cに示すように、片縁結合状態にして反転位置に位置づける必要があるが、そのような手間が省けるのである。
【0158】
また、実施例1では、
図5Cに示すように、折り畳み状態において、前述のように蓋体260が反転位置に位置し、蓋体260(その本体部61)の内側の面が(基本状態における内側の面)が外側に露出するのであるが、この物品収容ケースでは、
図11に示すように、そのようなことがなく、その点でも、この物品収容ケースは優れている。
すなわち、蓋体260(その本体部61)の内側の面は、内部に収容される物品に対向するのであるが、折り畳み状態において外部に露出していると、その際に汚れる場合もあり得る。その場合は、次に物品を収容する際に、その物品が汚れるというおそれもある。
しかしながら、この物品収容ケースでは、折り畳み状態においても、蓋体260(その本体部61)の内側の面が(基本状態における内側の面)が実施例1のようには外側に露出しないため、当該内側の面が汚れることが防止され、内部に収容される物品が汚れることが防止されるのである。
【0159】
[実施例3]
次に、本発明の実施例3である物品収容ケースについて、
図13及び
図14に基づいて説明する。
実施例3は、実施例2の変形例であって、実施例2との相違点を中心に説明する。
【0160】
蓋体360の本体部61は、一対の蓋体折り曲げ線361に沿って3分割されており、一対のメイン分割蓋体362(第1辺側分割蓋体)及び1つのサブ分割蓋体363(中央側分割蓋体)を有している。
各メイン分割蓋体362(第1辺側分割蓋体)は、蓋体360の本体部61の長辺(蓋体第1辺)を含むものであり、サブ分割蓋体363は、両メイン分割蓋体362の間に位置し、蓋体360の本体部61の中央に位置している。
【0161】
蓋体360(その本体部61)の平板状態は、実施例2と同様に、全体で一平板状をなす状態である。
蓋体360(その本体部61)の折り曲げ状態(両縁結合状態における折り曲げ状態)は、メイン分割蓋体362が鉛直上方に延び、サブ分割蓋体363がその上方において水平になる状態である。こうして、蓋体360(その本体部61)は上方に凸状に折り曲げられた状態となるのである。
【0162】
[実施例1~実施例3の変形例]
図2A及び
図9Aに示すように、実施例1~実施例3の内ケース底板部12は、両内ケース第2側板部16の下端面の下側に位置している一方で、両内ケース第1側板部14の内側に位置し、内ケース底板部12の下面と両内ケース第1側板部14下端面とが面一状である。
しかしながら、この態様に限らず、以下の態様もあり得る。
【0163】
実施例2及び3における蓋体260の本体部61(
図9A)と同様に(但し、上下反転させる)、両内ケース第1側板部14の下端面、及び、両内ケース第2側板部16の下端面が面一状であり、内ケース底板部12(その縁部)は、内ケース第1側板部14及び内ケース第2側板部14の下端面によって形成された所定の幅を有する四角枠の外周縁に対応していてもよい。
すなわち、内ケース底板部12は、内ケース底板部12は、両内ケース第1側板部14の下端面、及び、両内ケース第2側板部16の下端面の下側に位置していてもよい。
その場合は、内ケース底板部12は、その長辺の端面の上縁部において、内ケース第1側板部14の下端面の外縁部に対して揺動(回動)する。
こうして、この物品収容ケースの折り畳み状態において。内ケース底板部12は底板部折り曲げ状態になり、内ケース底板部12の一対の分割底板部16は、下方に凸状になり、V字状に折り曲げられた状態となる。
【0164】
[実施例2・実施例3の変形例]
図9Aに示すように、実施例2の蓋体260の本体部61(その縁部)は、内ケース体10の上端面によって形成された所定の幅を有する四角枠の外周縁に対応している。すなわち、両内ケース第1側板部14の上端面、及び、両内ケース第2側板部16の上端面の上側に位置している。実施例3の蓋体360においても同様である。
しかしながら、この態様に限らず、以下の態様もあり得る。
【0165】
実施例1~3における内ケース底板部12(
図2A,
図9A)と同様に(但し、上下反転させる)、両内ケース第2側板部16の上端面が蓋体260の本体部61の肉厚に対応する長さだけ両内ケース第1側板部14の上端面よりも低く、蓋体260の本体部61は、両内ケース第2側板部16の上端面の上側に位置している一方で、両内ケース第2側板部16の内側に位置し、本体部61の上面と両内ケース第1側板部14の上端面とが面一状である。
その場合は、蓋体260,360の本体部61は、その長辺の端面の上縁部において、内ケース第1側板部14の上端面の内縁部に対して揺動(回動)する。なお、蓋体260,360の被取付片62及び折り曲げ片65の各々自身の幅は、内ケース第1側板部14の肉厚に対応して、その分だけ長いものとされる。
こうして、この物品収容ケースの折り畳み状態において、蓋体は蓋体折り畳み状態になり、蓋体260の一対の分割蓋体262は、相互に重なって上方に鉛直に延びることとなる。
【0166】
なお、上記のものはあくまで本発明の数例の実施例にすぎず、当業者の知識に基づいて種々の変更を加えた態様で本発明を実施できることはもちろんである。
【符号の説明】
【0167】
10 内ケース体
11 底板部折り曲げ線
12 内ケース底板部
13 分割底板部
14 内ケース第1側板部
15 第2側板部折り曲げ線
16 内ケース第2側板部
17 分割側板部
30 外ケース体
31 外ケース底部用シート
32 外ケース底部
34 外ケース第1側部
35 外ケース第2側部用シート
36 外ケース第2側部
50 折り畳み補助部
52 底部側補助部形成部
55 縫い付け結合部(結合部)
56 第2側部側補助部形成部
90 結合用ベルト(ベルト)
260,360 蓋体
261,361 蓋体折り曲げ線
262 分割蓋体
362 メイン分割蓋体(分割蓋体),363 サブ分割蓋体(分割蓋体)