(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048111
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】医療装置の制御方法および医療装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/10 20060101AFI20230330BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
A61B6/10 350
A61B6/00 311
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022131918
(22)【出願日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】10 2021 210 771.0
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】516308401
【氏名又は名称】シーメンス ヘルスケア ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】インゴ ホレンボルク
(72)【発明者】
【氏名】マルティン オッサ カフェンツィス
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ヴァイテン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ゲンメル
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA33
4C093CA38
4C093EC04
4C093EC16
4C093FA01
4C093FA56
(57)【要約】
【課題】医療装置の制御方法および装置を提供すること。
【解決手段】
本発明は、LiDARセンサを備えた衝突制御システムを有する走行可能な移動式医療装置を自動的に制御するための方法を含み、本装置を自律的にまたは人力で補助して第1の速度で移動させるステップと、その移動中に本装置の周辺部と本装置の固定場所に固定された装置セクションとを一緒に、LiDARセンサにより周期的にスキャンするステップと、LiDARセンサによって記録された周辺部のスキャンデータを評価して、この装置の走行方向にある周辺部の抽出領域においてオブジェクトをチェックするステップと、LiDARセンサによって記録された、固定された装置セクションのスキャンデータを評価して、LiDARセンサの機能性をチェックするステップと、これらの評価結果に基づいてこの装置の速度を調節するステップと、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのLiDARセンサ(6)を備えた衝突制御システム(6;11)を有する走行可能な移動式医療装置(1)を自動的に制御するための方法であって、
・前記移動式装置(1)を自律的にまたは人力で補助して第1の速度で移動させるステップと、
・前記移動式装置(1)の移動中に、前記移動式装置(1)の周辺部の少なくとも一部と前記移動式装置(1)の固定場所に固定された装置セクションとを一緒に、前記少なくとも1つのLiDARセンサ(6)により周期的にスキャンするステップと、
・前記LiDARセンサ(6)によって記録された前記周辺部のスキャンデータを評価するステップであって、前記移動式装置(1)の走行方向(10)にある前記周辺部の抽出領域においてオブジェクトをチェックする、ステップと、
・前記LiDARセンサ(6)によって記録された、固定された前記装置セクションのスキャンデータを評価するステップであって、前記LiDARセンサ(6)の機能性をチェックする、ステップと、
・これらの評価の結果に基づいて前記移動式装置(1)の速度を調節するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記移動式医療装置(1)が自律走行できるように構成されており、自動的な移動のために作動されることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、前記周辺部のスキャンデータの前記評価が、前記走行方向(10)内にオブジェクトを検知したことを示すと、前記移動式装置(1)の速度を自動的に低下させるか、もしくは、減速させるか、または、前記装置(1)を停止させることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法であって、前記装置セクションのスキャンデータの前記評価が、前記LiDARセンサ(6)の機能性が制限されたことを示すと、前記移動式装置(1)の速度を自動的に低下させるか、もしくは、減速させるか、または、前記装置(1)を停止させることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であって、前記移動式装置(1)の自動的な移動または手動で補助された移動のために採り得る前記移動式装置(1)の最大速度が、以下の条件、すなわち
・最大速度での制動距離が最大可能スキャン距離以下であること、および/または、
・最大速度が1スキャンサイクル持続時間当たりの前記最大可能スキャン距離以下であること、
の少なくとも1つが満たされるように構成されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法であって、前記LiDARセンサ(6)が少なくとも270°、特に360°の角度セグメントをスキャンするために構成されており、回転ミラーを備えていることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法であって、前記装置セクションが少なくとも1つの車輪(7)、特に2つ以上の車輪(7)を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
少なくとも1つのLiDARセンサ(6)を少なくとも1つ備えた衝突制御システム(6;11)を有する定置ユニット(12)の周辺部で、少なくとも1つの走行可能な移動式医療装置(1)を自動的に制御するための方法であって、次のステップ、すなわち
・前記移動式医療装置(1)を第1の速度で移動させるステップと、
・前記移動式装置(1)の移動中に、前記ユニットの前記周辺部の少なくとも一部と前記定置ユニット(12)の固定場所に固定されたセクションとを一緒に、前記少なくとも1つのLiDARセンサ(6)により周期的にスキャンするステップと、
・前記LiDARセンサ(6)によって記録された前記周辺部のスキャンデータを評価するステップであって、前記周辺部の抽出領域における前記移動式装置(1)の接近をチェックする、ステップと、
・前記LiDARセンサ(6)によって記録された前記固定されたセクションのスキャンデータを評価するステップであって、前記LiDARセンサ(6)の機能性をチェックする、ステップと、
・これらの評価の結果に基づいて前記移動式装置(1)の速度を調節するステップと、
を有する方法。
【請求項9】
装置台車(2)を備えた移動式医療装置(1)であって、
前記装置台車(2)が複数の電動車輪(7)およびこれら電動車輪を制御するための制御ユニット、ならびに、衝突制御システム(6;11)を含み、前記衝突制御システム(6;11)が少なくとも1つのLiDARセンサおよび処理ユニットを含み、前記少なくとも1つのLiDARセンサが前記装置台車(2)の周辺部の少なくとも一部および装置セクションをスキャンするように配設されており、前記処理ユニットが前記LiDARセンサ(6)により記録されたスキャンデータを、前記装置台車(2)の走行方向におけるオブジェクトの検知に関して、および、前記LiDARセンサ(6)の機能性に関して、プロセス処理しかつ評価するように構成されており、
前記装置(1)が、前記評価の結果に応じて前記装置の速度を調節するように構成された調節ユニットを有している、ことを特徴とする移動式医療装置。
【請求項10】
請求項9に記載の移動式医療装置であって、前記制御ユニットおよび前記調節ユニットがシステムコントローラ(8)によって構成されていることを特徴とする移動式医療装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の移動式医療装置であって、前記装置(1)がイメージング装置、特に移動式X線装置で構成されることを特徴とする移動式医療装置。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか1項に記載の移動式医療装置であって、前記調節ユニットが、前記走行方向にオブジェクトが検知されると、前記装置(1)の速度低下および/または制動を指示するように構成されていることを特徴とする移動式医療装置。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか1項に記載の移動式医療装置であって、前記制御ユニットが前記装置(1)の自律走行を制御するために構成されていることを特徴とする移動式医療装置。
【請求項14】
請求項9から13のいずれか1項に記載の移動式医療装置であって、2つ以上のLiDARセンサ(6)を有することを特徴とする移動式医療装置。
【請求項15】
定置ユニット(12)と、台車を備えた少なくとも1つの移動式医療装置(1)とで構成された全体システム(1;12)であって、
前記装置(1)が、複数の電動車輪(7)およびこれら電動車輪を制御するための制御ユニットを有し、
前記定置ユニットが衝突制御システムを有し、前記衝突制御システムが少なくとも1つのLiDARセンサ(6)および処理ユニットを有し、前記LiDARセンサが前記定置ユニットの周辺部の少なくとも一部および前記定置ユニットの1セクションをスキャンするように配設されており、前記処理ユニットが前記LiDARセンサ(6)により記録されたスキャンデータを、前記少なくとも1つの装置の検知に関して、および、前記LiDARセンサ(6)の機能性に関して、プロセス処理しかつ評価するように構成されており、
前記装置は、前記評価の結果に応じて前記装置の速度を調節するように構成された調節ユニットを有している、
ことを特徴とする全体システム(1;12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行可能な移動式医療装置を自動的に制御するための請求項1および8による方法、ならびに、そのような方法を実施するための請求項9による装置、ならびに、請求項15による全体システムに関する。
【0002】
移動式X線装置は、移動して使用可能な、特に床上走行可能なX線装置を意味し、例えば、診療所の複数の異なる部屋で使用することができる。移動式X線装置は通常は車輪またはキャスターを備えた装置台車上に配置されており、手動で押す、または、走行させることができる。電動式の装置台車上に配置されている移動式X線装置は複数の異なる区域や部屋での使いやすさの点で特に柔軟性が高い。このような移動式X線装置は、例えば特許文献1から公知である。今後は自走する電動移動式X線装置も使用すべきである。
【0003】
手術室間の移送または他の移動のためにこのような自走移動式X線装置は高速走行モードを必要とし、これにより速い歩行者速度(例、約5km/h)が可能になる。この走行モードは手術室においてこれまで行われていた移動(例、約25cm/s=0.9km/h)よりも著しく速い。パワー(パワーアシスト電動走行)と質量(典型的には約500kg)の組み合わせは、衝突回避のためのフェイルセーフシステムを必要とする。移動式Cアームの場合、撮影システムのための衝突回避システムが知られており、このシステムはCアーム上の例えば容量センサ、または、フラット検出器を有している。シャーシ/装置台車の動きに対してはこのようなセンサシステムはまだ組み込まれていない。必要な安全要件を満たすために、公知の移動式医療装置では、(装置自体の、ならびに、必要ならば他の周回運動や角運動のためのシャフトおよびリフティングシャフトのような電気駆動シャフトの)速度制限、および、衝突検知のための触覚センサシステムが組み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第DE102015218922A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、特に自律的に、走行可能な移動式医療装置のためのフェイルセーフな衝突回避を可能にする方法を提供することにある。さらに、この方法を実施するのに適した移動式装置を提供することも本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は本発明により、LiDARセンサを少なくとも1つ備えた衝突制御システムを有する走行可能な移動式医療装置を制御するための請求項1による方法、LiDARセンサを少なくとも1つ備えた衝突制御システムを有する定置ユニットの周辺部で少なくとも1つの走行可能な移動式医療装置を自動的に制御するための請求項8による方法、請求項9による移動式医療装置、および、請求項15による全体システムによって解決される。本発明の有利な形態は関連する従属請求項の主題である。
【0007】
LiDARセンサを少なくとも1つ備えた衝突制御システムを有する走行可能な移動式医療装置を自動的に制御するための本発明による方法は、次のステップ、すなわち、
本装置を自律的に(すなわち、例えば、駆動装置を介して自律制御させて)または人力で補助して(例えば、押して)第1の速度で移動させるステップと、
その移動中に本装置の周辺部の少なくとも一部と本装置の固定場所に固定された装置セクションとを一緒に、少なくとも1つのLiDARセンサにより周期的にスキャンするステップと、
LiDARセンサによって記録された周辺部のスキャンデータを評価するステップであって、この装置の走行方向にある周辺部の抽出領域においてオブジェクトをチェックする、ステップと、
LiDARセンサによって記録された、固定された装置セクションのスキャンデータを評価するステップであって、LiDARセンサの機能性をチェックする、ステップと、
これらの評価結果に基づいてこの装置の速度を調節するステップと、
を有する。
【0008】
LiDARセンサ(LiDAR=light detection and ranging)は公知である。LiDARセンサは、その周辺部をレーザビームを用いて特定の角度セグメント(最大で360°)にわたって、例えば水平にスキャンすることができ、それにより、周辺部の高分解能2Dマップを生成することができる。LiDARセンサの主な機能は、その視野内におけるそれ自身とオブジェクトとの距離を測定することである。そのために、光パルスがセンサからオブジェクトまでおよび逆方向の区間を進むのに要する時間が用いられる。スキャンは、例えば回転ミラーによって行うことができ、この回転ミラーにレーザ光が導かれる。
【0009】
巧妙な変換により、スキャンされた円形の感知領域から長方形または任意の多角形の有意義な感知領域を生成することができる。このことは、例えば、装置の移動方向の決定と協調して行うことができ、その結果、移動方向における長方形/多角形領域においてオブジェクトを検知することができる。監視領域の形状については、特に次に来る走行方向の変更を考慮にいれることができる(コース変更時の不均等な投光照明、カーブ照明と同様に)。
【0010】
上記のスキャンは周期的に繰り返され、スキャンサイクルごとに周辺部および機能性が評価され、これに対応した調節が行われる。これは特に、その移動式医療装置が移動している限り続けられる。
【0011】
さらに、本発明は装置台車を備えた移動式医療装置を含み、この場合、この装置台車は複数の電動車輪およびこれら電動車輪を制御するための制御ユニット、ならびに、衝突制御システムを含み、この衝突制御システムは少なくとも1つのLiDARセンサおよび処理ユニットを含み、このLiDARセンサは装置台車の周辺部の少なくとも一部および装置セクションをスキャンするように配設されており、この処理ユニットはLiDARセンサにより記録されたスキャンデータを、装置台車の移動方向におけるオブジェクトの検知に関して、および、LiDARセンサの機能性に関して、処理し評価するために構成されており、この場合、本装置は、評価の結果に応じて装置の速度を調節するように構成された調節ユニットを有している。
【0012】
本方法および本移動式医療装置およびLiDARセンサの使用により、本装置の計画された走行レーンに現れるオブジェクトを迅速かつ容易に検知し、衝突を回避するための対応措置を導入することができる。その結果、事故を避けることができ、本装置を衝突に対して安全なように構成することができる。このLiDARセンサはセルフチェックもできるように構成されているので、移動式医療装置のフェイルセーフ要件を満たすことができる。同時に、同一の簡単なセンサシステム、すなわちそのLiDARセンサを用いて容易に装置の連続的なセルフチェック、および、走行路内のオブジェクトの検知を行うことができる。このようにして、センサのエラーまたは故障により衝突が再発するのを付加的に防止することが可能である。本発明による方法によって、本装置の最大限の安全性が可能になる。LiDARセンサを備えたこのような衝突制御システムを移動式医療装置に装備することは、安価で実施が容易であると同時に、高度の安全性を提供する。
【0013】
このセルフチェックは、固定された既知の装置セクションをLiDARセンサが各スキャンサイクルにおいてスキャンし、そこで偏差が生じたら直ちに評価機能がそのことを認識するように行われる。監視領域内で既知の装置セクションが常に確実に検知されるので、LiDARセンサの正しい機能をいつでもチェックすることができ、したがって高い安全基準が満たされる。
【0014】
少なくとも1つのLiDARセンサを移動式医療装置に適切に配設することに加えて、このLiDARセンサを定置ユニットに配設し、そこから少なくとも1つの移動式医療装置の接近を監視するようにすることもできる。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、その固定された装置セクションは、少なくとも1つの車輪、特に2つ以上の車輪を含む。したがって、このLiDARセンサは、180°または270°または360°に渡るスキャン時に装置台車の2つの車輪を一緒に検知できるように、例えば、装置台車の下側に配設することができ、360°に渡るスキャンでは4つの車輪すべてを検知することもできる。LiDARセンサのこのような配設はわずかの経費で可能であり、走行方向の監視領域はこのLiDARセンサにより特に良好に検知することができ、これらの車輪はセルフチェックに利用される。360°スキャンでは、周辺部全体の検知を行うことができ、さらに走行方向を含めることができるので、考えられる全ての走行方向(例、前方、後方、横方向など)を確実に監視できる。
【0016】
本発明のさらなる実施形態によれば、この移動式医療装置は自律走行できるように構成されており、自動的な移動のために作動される。このような装置には、操作者による手動で補助された移動(押し)は不要であり、例えば、制御ユニットによって制御されて、移動または走行することができる。このように自律走行可能な装置はその柔軟性により、今後診療所や病院で使用されるであろう。本発明による衝突制御のための方法はこのような移動式医療装置に特に適しており、その自律的な移動を追加された安全性によりサポートする。
【0017】
本発明のさらなる実施形態によれば、周辺部のスキャンデータの評価が、例えば、走行方向の長方形の監視領域において走行方向内にオブジェクトを検知したことを示すと、装置の速度を自動的に低下させるか、もしくは、減速させるか、または、装置を停止させる。この場合、例えば、ブレーキを作動させることができ、自律的に走行する装置では速度の低下につながる。手押し式の装置では速度制限を作動させることができ、装置をそれ以上速く動かすことができなくなる。装置を完全に停止させることもできる。その速度は少なくとも、検知されたオブジェクトとの衝突時に損傷や(人の)負傷が生じない程度まで低下させるべきである。
【0018】
本発明のさらなる実施形態によれば、装置セクションのスキャンデータの評価が、LiDARセンサの機能性が制限されたことを示すと、装置の速度を自動的に低下させるか、もしくは、減速させるか、または、装置を停止させる。すなわち、既知の装置セクションの検知に関する評価により、例えば、偏差が検知された場合、または、検知/評価ができない場合には、装置は安全上の理由から停止または適切な速度低下を開始することができる。
【0019】
本発明のさらなる実施形態によれば、装置の自動的な移動または手動で補助された移動のために採り得る装置の最大速度は、以下の条件、すなわち最大速度での制動距離が最大可能スキャン距離以下であること、および/または、最大速度が1スキャンサイクル持続時間当たりの最大可能スキャン距離以下であること、の少なくとも1つが満たされるように構成される。
【0020】
最大速度での制動距離が最大可能スキャン距離以下であるということは、装置が、最後にスキャンされたまたは評価された領域内で停止状態に到達できることを意味する。このことは、オブジェクトが出現したときに衝突が起こらないようにするために重要である。次に、移動式装置の最大速度は、その移動式装置の構成に応じて制限することができる(すなわち、最大可能スキャン距離と制動力がどれだけ大きいかに依存する)。最大速度は、自律的に走行する装置の場合には、例えば、装置がそれ自体を駆動できる最大速度を意味し、手動で補助された移動式装置の場合には、押して到達できる最大速度を意味する(より大きな力が作用する場合には、装置を例えば制動することができる)。
【0021】
さらに、最大速度をさらに強く制限することができるように、評価時間を含めることができる。
【0022】
本発明のさらなる実施形態によれば、制御および調節ユニットはシステムコントローラによって構成され、このシステムコントローラが例えば移動式装置または全体システムを制御する。そのために、このシステムコントローラは評価ユニットから評価に関する適切な情報を受け取る。
【0023】
特に、医療装置の調節ユニット(例、システムコントローラ)は、走行方向にオブジェクトが検知された場合、装置の速度低下および/または制動を指示するように構成されている。
【0024】
有利には、この移動式医療装置は画像化装置、特にCアームを有する移動式X線装置または移動式CTで構成される。例えば、移動式のCアーム型X線装置は、様々な部屋に柔軟に移動し、そこで臓器や身体部位を撮影して迅速な診断を行うために、しばしば診療所や病院で用いられる。本発明の助けを借りれば、このような装置を移送する速度および安全性を大幅に増大させることができる。
【0025】
本発明のさらなる実施形態によれば、2つ以上のLiDARセンサを移動式装置に配設することもできる。そうすることで、例えば、異なる走行方向(前方、後方、横方向)を異なるLiDARセンサにより監視することができ、これらは、例えば、360°を監視せず、90°の角度セグメントのみを監視する。走行方向に応じて、例えば、常にそれに対応するLiDARセンサを接続することができる。
【0026】
走行方向の関係づけは、例えば、システムコントローラまたは別のセンサによって登録することができ、LiDARセンサまたは評価ユニットでチェックすることができる。
【0027】
本発明および従属請求項の特徴によるさらなる有利な構成を、図面中に模式的に示された実施例を用いて、以下でより詳細に説明する。この場合、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】走行可能な移動式医療装置を自動的に制御する方法の一連のステップ。
【
図2】本方法を実行するためのLiDARセンサを備えた移動式X線装置。
【
図3】使用したLiDARセンサの感知領域の上面図。
【
図4】走行可能な移動式医療装置を自動的に制御する方法の別の一連のステップ。
【
図5】LiDARセンサを備えた定置およびその周辺部にある移動式装置を有する全体システム。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図2に、LiDARセンサ6を備えた移動式医療装置を示す。この例では移動式CアームX線装置1であり、これは装置台車2、X線源4およびX線検出器5を備えている。この台車は移動用の複数の電動車輪7、例えば4つの車輪7、を含み、そのうち2つは前方の車輪7、2つは後方の車輪7である。移動式装置のこれらの車輪7は、好ましくは、1つまたは複数の駆動装置を有し、ブレーキにより、または、それぞれの駆動装置によって制動をかけることができる。
【0030】
移動式CアームX線装置1はシステムコントローラ8を有し、それによって制御することができる。これらの電動車輪7も、移動または制動のために制御可能である。一例として示したCアームX線装置1は自律移動用に構成されている。しかしながら、本発明には、人が補助して走行することができる装置、例えば、押して動かすことができる装置も含まれ得る(下記参照)。LiDARセンサ6が装置台車2の下側に、例えば2つの前輪7の間に、配設されている。このLiDARセンサ6は、例えば、回転ミラーを備えた典型的な形状を有し、この回転ミラーにレーザ光が送られる。このミラーは1スキャンサイクルにおいて少なくとも180°(例、180°、270°、または完全な円Kすなわち360°)の角度セグメントがスキャンされるように回転する。その分解能は、例えば、1°または0.1°の刻みに形成することができる。
【0031】
図3には、スキャン範囲を図示するために360°の円Kを示し、その中央にLiDARセンサ6が配置されている。さらに2つの車輪7も示されており、これらは、LiDARセンサ6を装置台車2の下側に配置したときに、固定された装置セクションとして共にスキャンされる。1スキャンサイクルのスキャンデータから、すなわち、スキャンされた円形のまたは円形セグメント状の感知領域から、評価ユニット11(例えば、マイクロコントローラ)を用いた適切な計算によって、移動式装置の走行方向10における長方形9または任意の多角形の形状の有意義な感知領域を生成することができる。この長方形9は、例えば、走行方向の幅Bと長さLとすることができ、ここでL≦R
K(R
Kはスキャン可能な円Kの半径)であるので、長さLは走行方向10における基準となる最小の監視距離を形成する。図に示した例では、走行方向10は前方であるが、後方、横方向または他の移動方向も評価することができる。評価ユニット11が(装置に対して相対的な)走行方向10についての適切な情報を例えばシステムコントローラ8から受け取ると、その評価ユニットはその評価を実行することができる。次に、感知領域である長方形9を、必要に応じて、それぞれの移動方向に合わせて決定することができる。
【0032】
図1は、本発明による方法の一連の基本的ステップを示す。第1ステップ21では、移動式装置、例えば移動式X線装置の移動が第1の速度で初期化される。この目的のために、移動式装置は、自動的に、すなわち、システムコントローラからの制御指令によって、または、ユーザによって、作動させることができる。この移動は、自動的に、すなわち、システムコントローラによって行われるか、または、ユーザによって手動で補助して、すなわち、押して行うことができる。
【0033】
この移動式装置が移動している間、第2ステップ22では、少なくとも1つのLiDARセンサが装置の周辺部の少なくとも一部と、この装置の固定場所に固定された装置セクションとを周期的にスキャンする。各スキャンサイクルにおいて、例えば、180°、270°または360°の円(セグメント)がスキャンされ、例えば、1つもしくは複数の車輪または車輪外装部または移動式装置のハウジングの一部がスキャンされる。これらのスキャンサイクルは、少なくとも移動式装置が動かなくなるまで、または、作動停止されるまで、または、衝突監視を停止するための制御指令が与えれるまで継続される。
【0034】
各スキャンサイクルのLiDARセンサのスキャンデータは直ちに評価される。
【0035】
第3ステップ23では、スキャンサイクルごとに周辺部の記録されたスキャンデータが、装置の移動方向においてそこに存在する抽出領域(例、長方形9)内に1つ(またはそれ以上)のオブジェクトが検知されるか否かについて評価される。オブジェクトが検知された場合、これは衝突が差し迫っていることを意味する。この評価は、適切な評価ユニット11、例えばマイクロコントローラによって行われる。
【0036】
第4ステップ24では、固定された装置セクション(すなわち、例えば、車輪または車輪外装部)の記録されたスキャンデータが評価され、LiDARセンサの機能性がチェックされる(セルフチェック)。ここで重要なのは、スキャンデータが予期された値を有するように、この装置セクションが不変であることである。この値から許容範囲を越えた偏差がある場合には、LiDARセンサの機能が故障していると考えることができる。この評価は、適切な評価ユニット11、例えばマイクロコントローラによって行われる。1つまたは複数の評価ユニット11が存在してもよい。第3ステップ23および第4ステップ24は、任意の順序で、または同時に行うことができる。
【0037】
第5ステップ25では、評価結果に基づいて移動式装置の速度が調節される。評価および調節を伴うスキャンサイクルは、少なくとも移動式装置が動かなくなるまで、または、作動停止されるまで、または、衝突監視を終了させる制御指令が入力されるまで継続される。
【0038】
図4に移動式装置の速度調節をより詳細に示す。すなわち、第3ステップ23における評価により1つまたは複数のオブジェクトの検知23aが示されると、移動式装置を制動または停止するための制御指令25aが出力される。これにより、移動式装置は、例えば、停止させられるか、または、より低い速度まで減速される。同様に、第4ステップ24における評価により機能性の制限24aが示されると、移動式装置を制動または停止するための制御指令25aが出力される。これにより、移動式装置は、例えば、停止させられるか、または、より低い速度まで減速される。この低下した速度は、例えば、装置の損傷を回避するように選択することができる。緊急停止も開始できる。機能性があり、かつ、オブジェクトが検知されない場合には、移動式装置は同じ(例えば、第1の)速度での移動25bを継続する。
【0039】
自律的にないし自動的に走行する移動式装置の場合、制動または停止は自動的に制御され、実行される。人が押す場合には、押す時の抵抗に抗して適切なより低い速度まで装置を制動する、もしくは、停止することができ、または、例えば、速度インターロックを作動させることができる。そうすると、押す人は抵抗を感じる。さらに、例えば、表示または警告音を発動することができる。
【0040】
この方法により、移動式装置のフェイルセーフについての必要条件を確実に満たすことができる。ここに述べられている衝突制御システムは、リスク分析によれば衝突に対する安全性も機能的な安全性も有している。
【0041】
全体として、移動式装置の移動に対して1つまたは複数の条件が適用される。例えば、移動式装置が最後にスキャンした領域内で停止できることが重要である。例えば、装置の達成可能なまたは設定可能な最大速度は、以下のガイドライン、すなわち最大速度での制動距離は、最大可能スキャン距離(例えば、円Kの半径RKまたは長さL)以下であること、および/または、装置の最大速度は、スキャンサイクル持続時間(スキャンサイクルの持続時間、場合によってはこれに評価時間をプラスする)あたりの最大可能スキャン距離(例えば、円Kの半径RKまたは長さL)以下であることの、少なくとも1つを満たすことが規定されるかもしれない。さらに、評価時間を考慮に入れることが可能なので、最大速度をさらに強く制限することができる。これらのガイドラインを満たすために、例えば、最大速度のロックを設けることができる。
【0042】
移動式医療装置に少なくとも1つのLiDARセンサを備えることは、安価で安全である。既にフェイルセーフと認定されたハードウエアは必要ない。というのは、より簡単な複数のハードウエアの完全性(適切に配置されたLiDARセンサの評価ユニットおよび速度調節器との組み合わせ)がリアルタイムで(多発確率との比において)検証されるからである。故障(セルフチェックにおける偏差)が発生すると、直ちに、LiDARセンサにより検証済の自由度(距離、速度など)が取り消される。このようにして、安全性に関連する諸機能のために簡単な位置決めシステムを使用することもできる。
【0043】
LiDARセンサを備えた衝突制御システムを有する移動式装置の代替として、LiDARセンサを備えた衝突制御システムを定置ユニット12に配設し、定置ユニット12の周辺部で移動式装置1を制御することも可能である。
図5を参照されたい。このLiDARセンサ6は定置ユニットに次のように配設されている。すなわち、例えば1つまたは複数の移動式装置1に向けて180°、270°または360°の円(セグメント)をスキャンし、同時に、各スキャンサイクル中にセルフチェックのために定置ユニットの固定セクションもスキャンするように配設されている。次いで、スキャンデータが評価され、1つまたは複数の移動式装置の速度が上述したように調節される。この場合、LiDARセンサは原則的にオブジェクトしか検知しないので、どの移動式装置が定置ユニットの周辺部にあるかを決定するために、付加的に、定置ユニット(衝突制御システム)と移動式装置の間の通信も必要である。
【0044】
本発明は、以下のように簡潔に要約することができる。LiDARセンサを少なくとも1つ備えた衝突制御システムを有する走行可能な移動式医療装置を自動的に制御するための本発明による方法は、次のステップ、すなわち、
本装置を自律的に(すなわち、例えば、駆動装置を介して自律制御させて)または人力で補助して(例えば、押して)第1の速度で移動させるステップと、
その移動中に本装置の周辺部の少なくとも一部と本装置の固定場所に固定された装置セクションとを一緒に、少なくとも1つのLiDARセンサにより周期的にスキャンするステップと、
LiDARセンサによって記録された周辺部のスキャンデータを評価するステップであって、この装置の走行方向にある周辺部の抽出領域においてオブジェクトをチェックする、ステップと、
LiDARセンサによって記録された固定された装置セクションのスキャンデータを評価するステップであって、LiDARセンサの機能性をチェックする、ステップと、
これらの評価の結果に基づいてこの装置の速度を調節するステップと、
を有する。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのLiDARセンサ(6)を備えた衝突制御システム(6;11)を有する走行可能な移動式医療装置(1)を自動的に制御するための方法であって、
・前記移動式装置(1)を自律的にまたは人力で補助して第1の速度で移動させるステップと、
・前記移動式装置(1)の移動中に、前記移動式装置(1)の周辺部の少なくとも一部と前記移動式装置(1)の固定場所に固定された装置セクションとを一緒に、前記少なくとも1つのLiDARセンサ(6)により周期的にスキャンするステップと、
・前記LiDARセンサ(6)によって記録された前記周辺部のスキャンデータを評価するステップであって、前記移動式装置(1)の走行方向(10)にある前記周辺部の抽出領域においてオブジェクトをチェックする、ステップと、
・前記LiDARセンサ(6)によって記録された、固定された前記装置セクションのスキャンデータを評価するステップであって、前記LiDARセンサ(6)の機能性をチェックする、ステップと、
・これらの評価の結果に基づいて前記移動式装置(1)の速度を調節するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記移動式医療装置(1)が自律走行できるように構成されており、自動的な移動のために作動されることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、前記周辺部のスキャンデータの前記評価が、前記走行方向(10)内にオブジェクトを検知したことを示すと、前記移動式装置(1)の速度を自動的に低下させるか、もしくは、減速させるか、または、前記装置(1)を停止させることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法であって、前記装置セクションのスキャンデータの前記評価が、前記LiDARセンサ(6)の機能性が制限されたことを示すと、前記移動式装置(1)の速度を自動的に低下させるか、もしくは、減速させるか、または、前記装置(1)を停止させることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であって、前記移動式装置(1)の自動的な移動または手動で補助された移動のために採り得る前記移動式装置(1)の最大速度が、以下の条件、すなわち
・最大速度での制動距離が最大可能スキャン距離以下であること、および/または、
・最大速度が1スキャンサイクル持続時間当たりの前記最大可能スキャン距離以下であること、
の少なくとも1つが満たされるように構成されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法であって、前記LiDARセンサ(6)が少なくとも270°の角度セグメントをスキャンするために構成されており、回転ミラーを備えていることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法であって、前記装置セクションが少なくとも1つの車輪(7)を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
少なくとも1つのLiDARセンサ(6)を少なくとも1つ備えた衝突制御システム(6;11)を有する定置ユニット(12)の周辺部で、少なくとも1つの走行可能な移動式医療装置(1)を自動的に制御するための方法であって、次のステップ、すなわち
・前記移動式医療装置(1)を第1の速度で移動させるステップと、
・前記移動式装置(1)の移動中に、前記ユニットの前記周辺部の少なくとも一部と前記定置ユニット(12)の固定場所に固定されたセクションとを一緒に、前記少なくとも1つのLiDARセンサ(6)により周期的にスキャンするステップと、
・前記LiDARセンサ(6)によって記録された前記周辺部のスキャンデータを評価するステップであって、前記周辺部の抽出領域における前記移動式装置(1)の接近をチェックする、ステップと、
・前記LiDARセンサ(6)によって記録された前記固定されたセクションのスキャンデータを評価するステップであって、前記LiDARセンサ(6)の機能性をチェックする、ステップと、
・これらの評価の結果に基づいて前記移動式装置(1)の速度を調節するステップと、
を有する方法。
【請求項9】
装置台車(2)を備えた移動式医療装置(1)であって、
前記装置台車(2)が複数の電動車輪(7)およびこれら電動車輪を制御するための制御ユニット、ならびに、衝突制御システム(6;11)を含み、前記衝突制御システム(6;11)が少なくとも1つのLiDARセンサおよび処理ユニットを含み、前記少なくとも1つのLiDARセンサが前記装置台車(2)の周辺部の少なくとも一部および装置セクションをスキャンするように配設されており、前記処理ユニットが前記LiDARセンサ(6)により記録されたスキャンデータを、前記装置台車(2)の走行方向におけるオブジェクトの検知に関して、および、前記LiDARセンサ(6)の機能性に関して、プロセス処理しかつ評価するように構成されており、
前記装置(1)が、前記評価の結果に応じて前記装置の速度を調節するように構成された調節ユニットを有している、ことを特徴とする移動式医療装置。
【請求項10】
請求項9に記載の移動式医療装置であって、前記制御ユニットおよび前記調節ユニットがシステムコントローラ(8)によって構成されていることを特徴とする移動式医療装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の移動式医療装置であって、前記装置(1)がイメージング装置で構成されることを特徴とする移動式医療装置。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか1項に記載の移動式医療装置であって、前記調節ユニットが、前記走行方向にオブジェクトが検知されると、前記装置(1)の速度低下および/または制動を指示するように構成されていることを特徴とする移動式医療装置。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか1項に記載の移動式医療装置であって、前記制御ユニットが前記装置(1)の自律走行を制御するために構成されていることを特徴とする移動式医療装置。
【請求項14】
請求項9から13のいずれか1項に記載の移動式医療装置であって、2つ以上のLiDARセンサ(6)を有することを特徴とする移動式医療装置。
【請求項15】
定置ユニット(12)と、台車を備えた少なくとも1つの移動式医療装置(1)とで構成された全体システム(1;12)であって、
前記装置(1)が、複数の電動車輪(7)およびこれら電動車輪を制御するための制御ユニットを有し、
前記定置ユニットが衝突制御システムを有し、前記衝突制御システムが少なくとも1つのLiDARセンサ(6)および処理ユニットを有し、前記LiDARセンサが前記定置ユニットの周辺部の少なくとも一部および前記定置ユニットの1セクションをスキャンするように配設されており、前記処理ユニットが前記LiDARセンサ(6)により記録されたスキャンデータを、前記少なくとも1つの装置の検知に関して、および、前記LiDARセンサ(6)の機能性に関して、プロセス処理しかつ評価するように構成されており、
前記装置は、前記評価の結果に応じて前記装置の速度を調節するように構成された調節ユニットを有している、
ことを特徴とする全体システム(1;12)。
【外国語明細書】