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  • 特開-金属噴射組成物の合金化及びその方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048126
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】金属噴射組成物の合金化及びその方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/22 20210101AFI20230330BHJP
   B22F 12/53 20210101ALI20230330BHJP
   B22F 12/55 20210101ALI20230330BHJP
   B22F 10/34 20210101ALI20230330BHJP
   B22F 10/38 20210101ALI20230330BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230330BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230330BHJP
【FI】
B22F10/22
B22F12/53
B22F12/55
B22F10/34
B22F10/38
B33Y10/00
B33Y30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145568
(22)【出願日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】17/448,940
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】コリン グレイ、フレッチャー
(72)【発明者】
【氏名】ダイモン、ヘラー
(72)【発明者】
【氏名】マリウス タデウシュ、ミカ
(72)【発明者】
【氏名】ミランダ、モッシェル
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018AA04
4K018AA08
4K018AA14
4K018AA25
4K018BA02
4K018BA08
4K018BA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】漸進的な組成物及び他のカスタム合金化材料を印刷するための液体金属噴射方法及びシステムを提供する。
【解決手段】システムは、内側空洞232と接続し、かつ液体金属の1つ以上の液滴を排出するように構成されたノズルオリフィスと、エジェクタ204の外部に位置する印刷材料源と、印刷材料源とエジェクタとの間に位置する合金システム244と、を含む。金属噴射のための方法は、印刷材料を供給源から合金システム内に導入することを含む。金属噴射のための方法はまた、合金システム内の合金材料を印刷材料上に堆積させて、合金化された印刷材料226を製造することと、印刷材料を保持することができる空洞を画定するエジェクタ内に、合金化された印刷材料を導入することと、エジェクタの空洞内の合金化された印刷材料を溶融させることと、合金化された印刷材料をエジェクタから排出することと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属噴射のための方法であって、
印刷材料を供給源から合金システム内に導入することと、
前記合金システム内の合金材料を前記印刷材料上に堆積させて、合金化された印刷材料を製造することと、
印刷材料を保持することができる空洞を画定するエジェクタ内に、前記合金化された印刷材料を導入することと、
前記エジェクタの前記空洞内の前記合金化された印刷材料を溶融させることと、
前記合金化された印刷材料を前記エジェクタから排出することと、
を含む、金属噴射のための方法。
【請求項2】
前記印刷材料がワイヤ又はロッドを更に備える、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項3】
前記合金システムが物理蒸着プロセスを含む、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項4】
前記物理蒸着プロセスがスパッタ堆積プロセスを更に含む、請求項3に記載の金属噴射のための方法。
【請求項5】
前記合金システムが電気めっきプロセスを含む、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項6】
前記合金システムが無電解めっきプロセスを含む、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項7】
前記合金システムが化学蒸着プロセスを含む、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項8】
印刷材料を保持することができる前記エジェクタの前記空洞内に、前記合金化された印刷材料を導入した後、前記エジェクタの前記空洞内にある前記印刷材料及び前記合金材料を混合することを更に含む、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項9】
前記印刷材料の供給速度を調整することによって、前記印刷材料の量に対して前記合金材料の量を調整することを更に含む、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項10】
前記合金システムのパラメータを調整することによって、前記印刷材料の量に対して前記合金材料の量を調整することを更に含む、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項11】
前記印刷材料が、金属、元素、金属合金、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項12】
前記印刷材料が、アルミニウム、アルミニウム合金、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項13】
前記合金材料が、金属、元素、金属合金、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項14】
前記合金材料がストロンチウムを含む、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項15】
前記合金化された印刷材料中の合金材料の含有量が、前記合金化された印刷材料の総重量の約0.1%~約10%である、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項16】
前記合金化された印刷材料中の合金材料の含有量が、前記合金化された印刷材料の総重量の約1ppm~約200ppmである、請求項1に記載の金属噴射のための方法。
【請求項17】
金属を噴射するためのシステムであって、
内側空洞を画定するエジェクタと、
前記内側空洞と接続し、かつ液体金属の1つ以上の液滴を排出するように構成されたノズルオリフィスと、
前記エジェクタの外部に位置する印刷材料源と、
前記印刷材料源と前記エジェクタとの間に位置する合金システムと、を備え、
前記印刷材料源が、前記印刷材料を前記合金システム内に導入し、次いで前記エジェクタの前記内側空洞内に導入するように構成されている、
金属を噴射するためのシステム。
【請求項18】
前記エジェクタの前記内側空洞内の固体を加熱するように構成されており、それによって、前記エジェクタ内で前記固体を液体に変える、加熱要素を更に備える、
請求項17に記載の金属を噴射するためのシステム。
【請求項19】
前記エジェクタの周囲に少なくとも部分的に巻き付けられているコイルと、
前記コイルに、前記液体金属の1つ以上の液滴を前記ノズルオリフィスから噴射させる1つ以上のパルスを供給するように構成された電源と、
を更に備える、請求項17に記載の金属を噴射するためのシステム。
【請求項20】
前記合金システムが物理蒸着装置を含む、請求項17に記載の金属を噴射するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、概して、ドロップオンデマンド噴射に関し、より具体的には、合金化された金属組成物を噴射するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドロップオンデマンド(DOD)又は三次元(3D)プリンタを必要とする付加製造方法は、通常、層上に材料層を連続的に堆積させることによって、コンピュータ支援設計(CAD)モデルから3D物体を構築(例えば、印刷)する。ドロップオンデマンド(DOD)、特に金属又は金属合金を印刷するものは、発射パルスが印加されたときに、液体アルミニウム合金の小さな液滴を排出する。この技術を使用して、互いに結合して連続部品を形成する一連の液滴を排出することによって、3D部品又は他の材料をアルミニウム、別の合金、又は材料から作製することができる。例えば、堆積されたインク又は印刷された3D部品を支持するように構成された基材上に第1の層が堆積され得、次いで、第2の層が第1の層上に堆積され得る。3Dプリンタの1つの特定のタイプは、層上に液体金属層を噴射して3D金属物体を形成するのに好適な磁気流体力学(MHD)プリンタである。磁気流体力学とは、導電性流体の磁気的特性及び挙動の研究を指す。金属ワイヤ及びロッドは、一般に、製造業者が製造するのに有利な大量の合金でのみ入手可能である。カスタム組成物は、わずかな修飾であっても、増加した費用で、典型的には、かなりのリードタイムを伴うより多くの量で、約2000~3000ポンドの最小注文量で、調達しなければならない。これにより、開発目的では、合金修飾は、困難かつ時間のかかるものとなる。
【0003】
金属ワイヤ伸線プロセスは比較的単純であるが、ワイヤを物理的に製造するための特別な装置及びいくつかのプロセスステップを必要とする。加えて、プロセスは、特定の化学組成物のインゴットを鋳造し、インゴットをワイヤ伸線に適した供給原料に形成することからなり、それに続いて最終線径が達成されるまで還元及び熱焼鈍ステップが繰り返される。ロッド供給材料は、同様の方法で製造されるが、典型的には、最終寸法に圧延又は押し出される。これらのプロセスは現在、ワイヤ又はロッドの非標準組成物を得るための唯一の経路である。材料用途では一般に、完全に均質な組成物を必要とするので、これは、コストのかかる解決策であり得る。供給材料としてワイヤ又はロッドを使用するいくつかの液体金属噴射プロセスの範囲内では、エジェクタの内側空洞内の投入材料の再溶融があるため、均質な組成物は必要ない。そのようなものとして、合金添加が投入材料の表面に行われ、噴射前の溶融プロセス中に一体化され得る。更に、漸進的な化学組成物を有する金属材料の付加製造は、現在、漸進的な組成物、例えば、異なる粉末組成物の投入材料を必要とする。
【0004】
したがって、漸進的な組成物及び他のカスタム合金化材料を印刷する際により大きな柔軟性及び能力を提供するために、使用可能な動的に修飾された投入原料による付加製造又は液体金属噴射方法を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
以下は、本教示の1つ以上の実施形態のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された概要を提示する。この概要は、広範な概略ではなく、本教示の主要又は重要な要素を特定することも、本開示の範囲を明示することも意図していない。むしろ、その主な目的は、単に、後に提示される詳細な説明の前置きとして、1つ以上の概念を簡略化された形式で提示するだけである。
【0006】
金属噴射のための方法が開示される。金属噴射のための方法はまた、印刷材料を供給源から合金システム内に導入することを含む。金属噴射のための方法はまた、合金システム内の合金材料を印刷材料上に堆積させて、合金化された印刷材料を製造することを含む。金属噴射のための方法はまた、印刷材料を保持することができる空洞を画定するエジェクタ内に、合金化された印刷材料を導入することを含む。金属噴射のための方法はまた、エジェクタの空洞内の合金化された印刷材料を溶融させることを含む。方法はまた、合金化された印刷材料をエジェクタから排出することを含む。
【0007】
印刷材料がワイヤ又はロッドを含み得る、金属噴射のための方法。合金システムは、物理蒸着プロセスを含み得る。物理蒸着プロセスは、スパッタ堆積プロセスを更に含み得る。合金システムは、電気めっきプロセスを含み得る。合金システムは、無電解めっきプロセスを含み得る。合金システムは、化学蒸着プロセスを含み得る。金属噴射のための方法は、印刷材料を保持することができるエジェクタの空洞内に、合金化された印刷材料を導入した後、エジェクタの空洞内にある印刷材料及び合金材料を混合することを含み得る。金属噴射のための方法は、印刷材料の供給速度を調整することによって、印刷材料の量に対して合金材料の量を調整することを含み得る。金属噴射のための方法は、合金システムのパラメータを調整することによって、印刷材料の量に対して合金材料の量を調整することを含み得る。印刷材料は、金属、元素、金属合金、又はこれらの組み合わせを含み得る。印刷材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、又はこれらの組み合わせを更に含み得る。合金材料は、金属、元素、金属合金、又はこれらの組み合わせを含み得る。合金材料は、ストロンチウムを含み得る。合金化された印刷材料中の合金材料の含有量は、合金化された印刷材料の総重量の約0.1%~約10%であり得る。合金化された印刷材料中の合金材料の含有量は、合金化された印刷材料の総重量の約1ppm~約200ppmであり得る。
【0008】
金属を噴射するためのシステムが開示される。金属を噴射するためのシステムは、内側空洞と接続し、かつ液体金属の1つ以上の液滴を排出するように構成されたノズルオリフィスと、エジェクタの外部に位置する印刷材料源と、印刷材料源とエジェクタとの間に位置する合金システムと、を含み得る。金属を噴射するためのシステムはまた、印刷材料源が、印刷材料を合金システム内に導入し、次いでエジェクタの内側空洞内に導入するように構成されている場所を含み得る。
【0009】
金属を噴射するためのシステムは、エジェクタの内側空洞内の固体を加熱するように構成されており、それによって、エジェクタ内で固体を液体に変える、加熱要素を含み得る。金属を噴射するためのシステムは、エジェクタの周囲に少なくとも部分的に巻き付けられているコイルと、コイルに、液体金属の1つ以上の液滴をノズルオリフィスから噴射させる1つ以上のパルスを供給するように構成された電源と、を含み得る。合金システムは、物理蒸着装置を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本教示の実施形態を示し、本明細書とともに本開示の原理を説明する役割を果たす。図は以下のとおりである。
【0011】
図1】一実施形態による、3Dプリンタ(例えば、MHDプリンタ及び/又はマルチジェットプリンタ)の単一液体エジェクタジェットの概略断面図を図示する。
図2】一実施形態による、合金化された金属組成物を噴射するように構成された金属噴射印刷システムの単一液体エジェクタジェットの概略断面図である。
図3】一実施形態による、合金化された金属を金属噴射する方法を示すフロー図である。
【0012】
図のいくつかの詳細は簡略化されており、厳密な構造精度、詳細、及び縮尺は維持されるものではなく、本教示の理解を容易にするように描かれていることに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、本教示の例示の実施形態を詳細に参照し、この実施例を添付図面に示す。可能な限り、同じ参照番号が、同じ、類似、又は同様の部分を指すように図面全体にわたって使用される。
【0014】
既知の液体金属噴射プロセスは、典型的には、供給材料としてワイヤ又はロッドを使用するが、これらの供給材料は、一般に、大量に生産された合金に対してのみ手頃なコストで入手可能である。カスタム組成物は、わずかな修飾であっても、経済的及びスケジュール的に法外であり得、開発目的では合金修飾を困難かつ時間のかかるものにし得る。動的に修飾された投入原料を使用可能にしている付加製造又は液体金属噴射方法は、漸進的な組成物及び他のカスタム合金化材料を印刷する際により大きな柔軟性及び能力を提供し得る。本明細書に記載の例示的な実施形態は、付加製造のための投入供給材料の表面上への1種以上の合金元素のインプロセス堆積を提供する。提案された実施形態は、付加製造マシン機の溶融プール又はエジェクタ空洞内で溶融する前に、投入ワイヤ又はロッドの表面上に合金元素を堆積させるであろう。そのような修飾は、印刷材料を最初に合金サブシステムに通すことによって、マシン内への通常の投入材料供給経路内で行われるであろう。例示的な合金サブシステムは、スパッタリング、電気めっき、無電解めっき、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、又はこれらの組み合わせなどの堆積プロセスを含む。
【0015】
付加製造エジェクタの内部に入ると、堆積された元素は、エジェクタの内側空洞内の溶融プール内にある又はそこに保持されている間に、溶融状態の合金に混合される。本明細書の1つ以上の実施形態による方法を使用するインプロセスの合金修飾は、結晶粒微細化、強度増加、酸化防止、傾斜組成などの目的のために組成物に対する制御された調整を可能にし得る。投入された印刷材料供給はまた、合金プロセスにおいてマシン内に供給される前にコーティング又は合金化もされ得る。
【0016】
図1は、一実施形態による、3Dプリンタ(例えば、MHDプリンタ及び/又はマルチジェットプリンタ)の単一液体エジェクタジェットの概略断面図を図示する。図1は、あるタイプのドロップオンデマンド(DOD)又は三次元(3D)プリンタ100の一部分を示す。3Dプリンタ又は液体エジェクタジェットシステム100は、下部ブロックとも呼ばれる、外部エジェクタハウジング102内にエジェクタ(本体又はポンプチャンバ、若しくは「ワンピース」ポンプとも呼ばれる)104を含み得る。エジェクタ104は、内容積部132(内部空洞とも呼ばれる)を画定し得る。印刷材料126は、エジェクタ104の内部容積132内に導入され得る。印刷材料126は、金属、ポリマーなどであってもよく、又はこれらを含んでもよい。例えば、印刷材料126は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり得るか、又はそれを含み得、印刷材料供給部116又は印刷材料ワイヤフィード118のスプール、この場合はアルミニウムワイヤを介して導入され得る。液体エジェクタジェットシステム100は、エジェクタ104のポンプキャップ又は上部カバー部分108内に第1の入口120を更に含み、それによって、印刷材料ワイヤフィード118がエジェクタ104の内部容積132に導入される。エジェクタ104は、ノズル110、上部ポンプ122エリア、及び下部ポンプ124エリアを更に画定する。1つ以上の加熱要素112が、ポンプ室104の周りに分配されて、高温度源を提供し、プリンタ動作中に印刷材料126を溶融状態に維持する。加熱要素112は、印刷材料ワイヤフィード118を加熱又は溶融させるように構成されており、それによって、エジェクタ104の内容積部132内で印刷材料ワイヤフィード118を固体状態から液体状態(例えば、印刷材料126)に変える。三次元3Dプリンタ100及びエジェクタ104は、ノズル110の近くに位置する空気又はアルゴンシールド114、及びノズル及び/又はエジェクタ104の温度調節を更に可能にするための水冷却源130を更に含み得る。液体エジェクタジェットシステム100は、エジェクタ104内部の印刷材料126の表面に向かって検出器ビーム136を方向付け、反射検出器ビーム136をレベルセンサ134の内部で読み取ることによって、エジェクタ104の内部容積132内の溶融印刷材料126のレベルを検出するように構成されたレベルセンサ134システムを更に含む。
【0017】
3Dプリンタ100はまた、本明細書に示されていない電源、及び少なくとも部分的にエジェクタ104の周囲に巻き付けられているポンプヒータに封入された1つ以上の金属コイル106を含み得る。電源は、コイル106に結合され、コイル106に電流を提供するように構成され得る。コイル106によって引き起こされた増加する磁場が、エジェクタ104内に起電力を生じさせ得、引いては印刷材料126内に誘導電流を生じさせ得る。印刷材料126内の磁場及び誘導電流は、ローレンツ力として知られる、半径方向内向きの力を印刷材料126に作製し得る。ローレンツ力は、エジェクタ104のノズル110の入口に圧力を作製する。この圧力は、印刷材料126を1つ以上の液滴128の形態でノズル110を通して噴射させる。
【0018】
3Dプリンタ100はまた、ノズル110に近接して(例えば、下方に)位置付けられた、本明細書に示されていない基材を含み得る。排出された液滴128は、基材上に着地し、固化して3D物体を製造し得る。3Dプリンタ100はまた、液滴128がノズル110を通して噴射されている間、又は液滴128がノズル110を通して噴射されているときの間の一時停止中に基材を移動させて、3D物体が所望の形状及び大きさを有することを引き起こすように構成された基材制御モータを含み得る。基材制御モータは、基材を一次元(例えば、X軸に沿って)、二次元(例えば、X軸及びY軸に沿って)、又は三次元(例えば、X軸、Y軸、及びZ軸に沿って)で移動するように構成され得る。別の実施形態では、エジェクタ104及び/又はノズル110はまた、若しくはその代わりに、一次元、二次元、又は三次元で移動するように構成され得る。換言すれば、基材は、静止ノズル110の下で移動されてもよく、又はノズル110は、静止基材の上方で移動されてもよい。更に別の実施形態では、4つ又は5つの軸位置制御部が存在するように、ノズル110と基材との間に、1つ又は2つの追加の軸の周囲の相対回転が存在してもよい。特定の実施形態では、ノズル110及び基材の両方が移動してもよい。例えば、基材は、ノズル110がY方向において上方及び/又は下方に移動しながらX方向及びY方向に移動してもよい。
【0019】
3Dプリンタ100はまた、ガス源138であってもよいか、又はこれを含んでもよい1つ以上のガス制御デバイスを含み得る。ガス源138は、ガスを導入するように構成されてもよい。ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及び/又はキセノンなどの不活性ガスであってもよいか、又はこれらを含んでもよい。別の実施形態では、ガスは、窒素であってもよいか、又は窒素を含んでもよい。ガスは、約10%未満の酸素、約5%未満の酸素、又は約1%未満の酸素を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態では、ガスは、ガス源138から三次元3Dプリンタ100に導入される1つ以上のガスの流れ又は流量を調整するように構成されたガス調整器140を含むガスライン142を介して導入され得る。例えば、ガスは、ノズル110及び/又は加熱要素112の上方の場所に導入され得る。これは、ガス(例えば、アルゴン)が、ノズル110、液滴128、3D物体、及び/又は基材の周囲にシュラウド/シースを形成して、空気シールド114の形態で酸化物(例えば、酸化アルミニウム)の形成を低減/防止することを可能にし得る。ガスの温度を制御することはまた、又はその代わりに、酸化物形成が起こる速度を制御する(例えば、最小化する)ことに役立ち得る。
【0020】
液体エジェクタジェットシステム100はまた、内容積部(大気とも呼ばれる)を画定するエンクロージャ102を含み得る。1つの実施形態では、エンクロージャ102は、密封されていてもよい。別の実施形態では、エンクロージャ102は、密封されていなくてもよい。1つの実施形態では、エジェクタ104、加熱要素112、電源、コイル、基材、追加のシステム要素、又はそれらの組み合わせは、少なくとも部分的にエンクロージャ102内に位置付けられ得る。別の実施形態では、エジェクタ104、加熱要素112、電源、コイル、基材、追加のシステム要素、又はそれらの組み合わせは、少なくとも部分的にエンクロージャ102の外側に位置付けられ得る。
【0021】
図2は、一実施形態による、合金化された金属組成物を噴射するように構成された金属噴射印刷システムの単一液体エジェクタジェットの概略断面図である。図2は、あるタイプのドロップオンデマンド(DOD)又は三次元(3D)プリンタ200の一部分を示す。3Dプリンタ又は液体エジェクタジェットシステム200は、下部ブロックとも呼ばれる、外部エジェクタハウジング202内にエジェクタ204を含み得る。エジェクタ204は、内容積部232を画定してもよい。合金化された印刷材料226は、エジェクタ204の内容積部232内に導入されてよい。合金化された印刷材料226は、金属、ポリマーなどであってもよく、又はこれらを含んでもよい。例えば、合金化された印刷材料226は、アルミニウム合金であり得るか、又はそれを含み得、印刷材料供給部216又は印刷材料ワイヤフィード218のスプールを介して導入され得、この場合は、アルミニウムワイヤで始まる。印刷材料ワイヤフィード218が液体エジェクタジェットシステム200内に導入されると、印刷材料ワイヤフィード218は、印刷材料源とエジェクタとの間に位置する合金サブシステム244を通ってルーティングされ、印刷材料ワイヤフィード218は、追加の合金材料を印刷材料ワイヤフィード218の表面に導入するための1つ以上のプロセスに供される。印刷材料供給部216又は印刷材料源は、印刷材料を合金システム244内に導入し、次いでエジェクタ204の内側空洞232又は内容積部内に導入するように構成されている。特定の実施形態では、合金システム244は、物理蒸着(PVD)装置を含み得る。代替実施形態は、前述の物理蒸着(PVD)、スパッタリング、電気めっき、無電解めっき、粉末若しくは冷間溶接材料を使用する冷間噴霧プロセス、化学蒸着(CVD)、又はこれらの組み合わせなどの堆積プロセスを含み得る。使用に適した追加の堆積プロセスとしては、特定の実施形態において、溶射プロセス、溶融亜鉛めっきプロセス、若しくは他の浸漬、噴霧、化成コーティング、又はこれらの組み合わせが挙げられ得る。合金化され、印刷された材料の傾斜組成は、投入印刷材料の供給速度が調整されること、並びに堆積プロセス又は合金プロセス内のパラメータが調整されることによって達成され得る。本明細書に記載の実施形態は、ワイヤ又はロッド印刷材料源を利用するが、他の実施形態は、印刷材料源としてのるつぼ又はエジェクタのサイズに応じて、ペレット又は小さなインゴットの使用を含み得る。
【0022】
液体エジェクタジェットシステム200は、エジェクタ204のポンプキャップ又は上部カバー部分208内に第1の入口220を更に含み、それによって、印刷材料ワイヤフィード218がエジェクタ204の内容積部232に導入される。エジェクタ204は、ノズル210、上部ポンプ222エリア、及び下部ポンプ224エリアを更に画定する。1つ以上の加熱要素212が、ポンプ室204の周りに分配されて、高温度源を提供し、プリンタ動作中に印刷材料226を溶融状態に維持する。加熱要素212は、印刷材料ワイヤフィード218を加熱又は溶融させるように構成されており、それによって、エジェクタ204の内容積部232内で印刷材料ワイヤフィード218を固体状態から液体状態に変える。三次元3Dプリンタ200及びエジェクタ204は、ノズル210の近くに位置する空気又はアルゴンシールド214、並びにノズル及び/又はエジェクタ204の温度調節を更に可能にするための水冷却源230を更に含み得る。液体エジェクタジェットシステム200は、エジェクタ104内部の合金化された印刷材料226の表面に向かって検出器ビーム236を方向付け、反射検出器ビーム236をレベルセンサ234の内部で読み取ることによって、エジェクタ204の内容積部232内の溶融合金化印刷材料226のレベルを検出するように構成されたレベルセンサ234システムを更に含む。
【0023】
3Dプリンタ200はまた、本明細書に示されていない電源、及び少なくとも部分的にエジェクタ204の周囲に巻き付けられているポンプヒータに封入された1つ以上の金属コイル206を含み得る。電源は、コイル206に結合され、コイル206に電流を提供するように構成され得る。コイル206によって引き起こされた増加する磁場が、エジェクタ204内に起電力を生じさせ得、引いては合金化された印刷材料226内に誘導電流を生じさせ得る。合金化された印刷材料226内の磁場及び誘導電流は、ローレンツ力として知られる、半径方向内向きの力を合金化された印刷材料226に生成し得る。ローレンツ力は、エジェクタ204のノズル210の入口に圧力を生成する。この圧力は、合金化された印刷材料226を1つ以上の液滴228、この場合は、合金化された印刷材料の液滴228の形態で、ノズル210を通して噴射させる。
【0024】
3Dプリンタ200はまた、ノズル210に近接して(例えば、下方に)位置付けられた、本明細書に示されていない基材を含み得る。排出された液滴228は、基材上に着地し、固化して3D物体を製造し得る。3Dプリンタ200はまた、液滴228がノズル210を通して噴射されている間、又は液滴228がノズル210を通して噴射されているときの間の一時停止中に基材を移動させて、3D物体が所望の形状及び大きさを有することを引き起こすように構成された基材制御モータを含み得る。基材制御モータは、基材を一次元(例えば、X軸に沿って)、二次元(例えば、X軸及びY軸に沿って)、又は三次元(例えば、X軸、Y軸、及びZ軸に沿って)で移動するように構成され得る。別の実施形態では、エジェクタ204及び/又はノズル210はまた、若しくはその代わりに、一次元、二次元、又は三次元で移動するように構成され得る。換言すれば、基材は、静止ノズル210の下で移動されてもよく、又はノズル210は、静止基材の上方で移動されてもよい。更に別の実施形態では、4つ又は5つの軸位置制御部が存在するように、ノズル210と基材との間に、1つ又は2つの追加の軸の周囲の相対回転が存在してもよい。特定の実施形態では、ノズル210及び基材の両方が移動してもよい。例えば、基材は、ノズル210がY方向において上方及び/又は下方に移動しながらX方向及びY方向に移動してもよい。次いで、3Dプリンタ200は、具体的に説明されるものに限定されないが、前述の方法で、3D構成要素又は部品を製造し得、これは、印刷材料供給部216から直接供給された材料で、又は合金サブシステム244を通過した後の合金化された材料で作製される。合金サブシステム244を使用することによって、2種以上の合金元素又は合金原材料が印刷材料供給部216に導入され得ることに留意されたい。更に、合金サブシステム244は、印刷動作が行われている間の変化する合金組成の一部を作成するために、オンにされるか、オフにされるか、又は合金サブシステム244の1つ以上のパラメータが動作中に調整され得る。合金元素の組成は、段階的な様式、漸進的若しくは傾斜的な様式、又は両方の組み合わせのいずれかで調整され得る。合金元素の例としては、特定の実施形態では、アルミニウム印刷材料供給原料上への銅若しくは亜鉛の電気めっき、アルミニウム印刷材料供給原料上へのストロンチウムのスパッタリング、スチール印刷材料供給原料上へのニッケルの無電解めっき、又はこれらの組み合わせが挙げられ得る。本明細書に記載の実施形態で使用される印刷材料源の例示的な例としては、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、及びそれらの合金が挙げられる。本明細書に記載の実施形態で使用される合金材料源の例示的な例としては、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、及びそれらの合金が挙げられる。
【0025】
3Dプリンタ200はまた、ガス源238であってもよいか、又はこれを含んでもよい1つ以上のガス制御デバイスを含み得る。ガス源238は、ガスを導入するように構成されてもよい。ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及び/又はキセノンなどの不活性ガスであってもよいか、又はこれらを含んでもよい。別の実施形態では、ガスは、窒素であってもよいか、又は窒素を含んでもよい。ガスは、約10%未満の酸素、約5%未満の酸素、又は約1%未満の酸素を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態では、ガスは、ガス源238から三次元3Dプリンタ200に導入される1つ以上のガスの流れ又は流量を調整するように構成されたガス調整器240を含むガスライン242を介して導入され得る。例えば、ガスは、ノズル210及び/又は加熱要素212の上方の場所に導入され得る。これは、ガス(例えば、アルゴン)が、ノズル210、液滴228、3D物体、及び/又は基材の周囲にシュラウド/シースを形成して、空気シールド214の形態で酸化物(例えば、アルミニウム印刷材料の使用では酸化アルミニウム)の形成を低減/防止することを可能にし得る。ガスの温度を制御することはまた、又はその代わりに、酸化物形成が起こる速度を制御する(例えば、最小化する)ことに役立ち得る。ガス源は、合金サブシステム244を介して印刷材料源216に導入される合金材料と組み合わせて合金プロセスを更に増強するか、又は合金組成物を修飾するために、特定の実施形態において、合金サブシステム244への投入物で修飾又はブレンドされ得ることにも留意されたい。
【0026】
液体エジェクタジェットシステム200はまた、内容積部(大気とも呼ばれる)を画定するエンクロージャ202を含み得る。1つの実施形態では、エンクロージャ202は、密封されていてもよい。別の実施形態では、エンクロージャ202は、密封されていなくてもよい。1つの実施形態では、エジェクタ204、加熱要素212、電源、コイル、基材、追加のシステム要素、又はそれらの組み合わせは、少なくとも部分的にエンクロージャ202内に位置付けられ得る。別の実施形態では、エジェクタ204、加熱要素112、電源、コイル、基材、追加のシステム要素、又はそれらの組み合わせは、少なくとも部分的にエンクロージャ202の外側に位置付けられ得る。
【0027】
図3は、一実施形態による、合金化された金属を金属噴射する方法を示すフロー図である。図3は、印刷材料を供給源から合金システム302内に導入するための第1のステップを含む、金属噴射のための方法300のステップを示す。合金システムは、スパッタ堆積プロセスなどの物理蒸着プロセスを含み得る。代替実施形態は、電気めっきプロセス、無電解めっきプロセス、化学蒸着プロセス、又は本明細書に記載の他の合金若しくは堆積プロセスのいずれかを有する合金システムを組み込み得る。印刷材料は、ワイヤ、ロッド、又は他の材料源を含み得る。次に、金属噴射のための方法300は、合金システム内の合金材料を印刷材料上に堆積させて、合金化された印刷材料を製造するステップ304、及び印刷材料を保持することができる空洞を画定するエジェクタ内に、合金化された印刷材料を導入するステップ306を含む。合金化された印刷材料がエジェクタ内に導入されると、金属噴射のための方法300の次のステップは、エジェクタ308の空洞内の合金化された印刷材料を溶融させ、合金化された印刷材料をエジェクタ310から排出することである。
【0028】
金属噴射のための方法300の代替実施形態は、エジェクタの空洞内に、合金化された印刷材料を導入した後、エジェクタの空洞内にある印刷材料及び合金材料を混合することを含み得る。特定の実施形態は外部混合要素を含み得、又は混合は、モルトプール(malt pool)若しくはエジェクタ空洞内での溶融材料内の対流電流若しくは渦電流に依存し得る。金属噴射のための方法300の他の例示的な実施形態は、印刷材料の供給速度を調整することによって、印刷材料の量に対して合金材料の量を調整することを含み得る。
【0029】
特定の実施形態では、金属噴射のための方法300は、合金システムのパラメータを調整することによって、印刷材料の量に対して合金材料の量を調整することを含み得る。金属噴射のための方法300で使用される印刷材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、又はこれらの組み合わせなど、金属、金属合金、又はこれらの組み合わせを含み得る。同様に、金属噴射のための方法300における合金材料は、金属、元素、金属合金、又はこれらの組み合わせを含み得る。特定の実施形態では、ストロンチウムは、例示的な合金材料である。合金化された印刷材料中の例示的な実施形態での合金材料の含有量は、合金化された印刷材料の総重量の約0.1%~約10%であり得る。微量の合金化された材料は、合金化された印刷材料の総重量に対して、1百万分率(ppm)~約10百万分率(ppm)程度、又は最大200百万分率(ppm)であり得る。
【0030】
本明細書に記載される実施形態の利点は、合金化された金属のカスタム組成物を作製するためのインプロセス方法の使用を含み得ることに留意されたい。印刷された部品を傾斜化学組成物で作成することができる合金化された金属の傾斜を作成するための更なる機会が存在し得る。本明細書に記載される例示的な実施形態の追加の利点には、合金組成物を特注するのとは対照的にインラインで合金化することによるコスト削減が含まれ、結果として生じる印刷された部品の改善された品質は、微量元素が凝固及び層間接着などの印刷された部品の特性を改善するため、より高い品質を有する。微量の合金元素を添加すると、酸化などの特性に良い影響を与え、層間接着、凝固、及び他の微細構造特性を改善する。合金組成物におけるそのような小さな変化は、材料の特定の態様に影響を与え得るが、噴射パラメータに関する溶融状態での物理的特性に対して依然として比較的わずかなままである。更に、添加される微量合金元素の量が他の原材料の変動の範囲内にあり得るので、噴射パラメータが悪影響を受ける可能性は高くないであろう。
【0031】
修飾された金属を金属噴射するための方法400の特定の実施形態は、固体を加熱して気化した固体を形成することと、代替的に、気化した固体を第2のガス源からの第2のガスと組み合わせることとを含む、第2の供給源404からの第1のガスに添加剤を導入するステップを含み得る。例示的な実施形態では、気化した固体は、ストロンチウムなどの結晶粒微細化剤、又はカルシウムなどの他の気化した固体を含み得る。修飾された金属を金属噴射するための方法400はまた、エジェクタノズルから溶融金属印刷材料の液滴を排出すること、第1の不活性ガスと第2の不活性ガス中に懸濁された粒子との組み合わせを溶融金属印刷材料の液滴と反応させて、修飾された溶融金属印刷材料を形成すること、又は修飾された溶融金属印刷材料の液滴を基材若しくは固体印刷材料上に堆積させることを含み得る。修飾された金属組成物を噴射するための方法の代替実施形態は、プロセス中、又は「オンザフライ」での添加剤の濃度の修正を含み得る。堆積の比は、ガス源の圧力を調節すること又は他のプロセス制御によってなど、流量の比を制御又は変更することによって制御され得る。修飾された金属組成物を噴射するための方法の更なる実施形態は、印刷される部品の組成物を層ごとに変更することを含み得る。修飾はまた、修飾プロセス、又はシステム内に投入される添加剤源をオン及びオフにすることによって、断続的な様式で使用又は実施され得る。
【0032】
修飾された金属組成物を噴射するための方法は、支持構造と製品構造との間の「ブレークアウェイ」部分又は界面のための弱い境界層を形成することを含み得る。特定の実施形態では、酸素又は他の脆化剤若しくは添加剤の添加は、主要な又は所望の印刷された構成要素又は部品から支持構造をより容易に分離をすることを可能にするために、部品の特定の領域で使用され得る。ブレークアウェイ支持又は界面はまた、必要に応じて特定の点又は印刷された部品の部分でのみ可変様式で添加剤又は印刷材料組成物をメーターアウトすることによって構築され得る。例えば、ブレークアウェイを容易にする、又は構成要素の部分を容易に分離する特性を提供するための一定量の添加剤を送達するために、二次ガス調整器がオンにされるか、オフにされるか、又は調整され得る。この方法は、化学的又は物理的な層破壊、並びに組成破壊を生じさせ得、部品構造内の特定の場所での破壊がより容易になり得る。
【0033】
本教示は、1つ以上の実装態様に対して示されているが、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、示された実施例に対して変更及び/又は修正が行われ得る。例えば、プロセスが一連の行為又は事象として説明されているが、本教示は、そのような行為又は事象の順序によって限定されないことが理解され得る。一部の行為は、異なる順序で、及び/又は本明細書に記載されているものとは別の他の行為若しくは事象と同時に発生する可能性がある。また、全てのプロセス段階が、本教示の1つ以上の態様又は実施形態に従う方法論を実装するために必要とされ得るわけではない。構造的物体及び/若しくは処理段階が追加され得るか、又は既存の構造的物体及び/若しくは処理段階が除去若しくは修正され得ることが理解され得る。更に、本明細書に示される行為のうちの1つ以上は、1つ以上の別個の行為及び/又は段階で実行され得る。更に、「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」という用語、又はそれらの変形が発明を実施するための形態及び特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、そのような用語は、「含む(comprising)」という用語と同様の方法で包括的であることが意図されている。「少なくとも1つの」という用語は、列挙された項目のうちの1つ以上が選択され得ることを意味するように使用される。更に、本明細書における考察及び特許請求の範囲において、2つの材料に対して使用される「上」という用語、他方「上」の一方は、材料間の少なくとも一部の接触を意味し、一方、「の上」は、材料が、場合によっては、接触が可能であるが必要とされないように、1つ以上の追加の介在材料に近接していることを意味する。「上(on)」又は「の上(over)」のいずれも、本明細書で使用される場合にいかなる指向性も暗示しない。「共形」という用語は、下にある材料の角度が共形材料によって保持されるコーティング材料を記述する。「約」という用語は、変更が、示された実施形態に対してプロセス又は構造の不適合とならない限り、列挙される値が少し変更され得ることを示す。「結合する」、「結合される」、「接続する」、「接続」、「接続される」、「と接続して」、及び「接続している」という用語は、「と直接接続する」又は「1つ以上の中間要素又は部材を介して接続する」ことを指す。最後に、「例示の」又は「例示的な」という用語は、説明が理想的であることを意味するのではなく一例として使用されることを示す。本教示の他の実施形態は、本明細書及び本明細書での本開示の慣行を考慮して当業者に明らかであり得る。本明細書及び実施例は、例示としてのみみなされることが意図され、本教示の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3