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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048130
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】作業装置用アクセス装置
(51)【国際特許分類】
   E06C 5/02 20060101AFI20230330BHJP
   B60R 3/02 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
E06C5/02
B60R3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022146207
(22)【出願日】2022-09-14
(31)【優先権主張番号】10 2021 124 933.3
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】597120075
【氏名又は名称】リープヘル-ヴェルク エーインゲン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Liebherr-Werk EhingenGmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デンツ クリストフ
【テーマコード(参考)】
2E044
3D022
【Fターム(参考)】
2E044AA01
2E044BA14
2E044BB09
2E044BC20
2E044BC24
2E044CA01
2E044CB03
2E044CC01
2E044DA04
2E044DA07
2E044DB01
2E044DC03
2E044EE13
3D022AA02
3D022AC10
3D022AD01
3D022AE07
3D022AE10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業装置用の、より詳細には移動式クレーン用であって、最小寸法に関する要件に従うとともに、省スペースの搬送姿勢に容易にかつ迅速に動かすことができるアクセス装置を提供する。
【解決手段】アクセス装置10は、側桁24と、互いに対して横方向及び縦方向にずらされ、かつ、各々が側桁24に縦方向の第1回転軸61周りに旋回可能に支持された少なくとも2つのステップ30と、ステップ30同士を接続するガイドバー21とを備える。ガイドバー21は、側桁24とは反対側のステップ30の端部で、各ステップ30に接続要素211を介して旋回可能に接続され、それによりステップ30は、ステップ30が側桁24から横方向に突出しかつアクセス装置10上を歩くことができるアクセス姿勢から、ステップ30が側桁24に載置された搬送姿勢まで、それらの第1回転軸61周りに一緒に動かすことができ、その逆も可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置(1)用の、より詳細には移動式クレーン用の、アクセス装置(10)であって、側桁(24)を備え、互いに対して横方向及び縦方向にずらされ、かつ、前記側桁(24)に、縦方向の第1回転軸(61)周りに旋回可能に支持された少なくとも2つのステップ(30)と、前記ステップ(30)を接続するガイドバー(21)とを備え、前記ガイドバー(21)は、前記側桁(24)とは反対側の前記ステップの端部で、前記各ステップ(30)に接続要素(211)を介して旋回可能に接続され、それにより前記ステップ(30)は、前記ステップ(30)が前記側桁(24)から横方向に突出しかつ前記アクセス装置上を歩くことができるアクセス姿勢から、前記ステップ(30)が前記側桁(24)に載置された搬送姿勢まで、それらの第1回転軸(61)周りに一緒に動かすことができ、その逆も可能である、アクセス装置(10)。
【請求項2】
請求項1に記載のアクセス装置(10)において、前記アクセス姿勢、前記搬送姿勢及びあらゆる中間姿勢において、個々のステップ(30)の長手方向軸は互いに平行に延び、並びに/又は前記側桁(24)及び前記ガイドバー(21)の長手方向軸は互いに平行に延びている、アクセス装置(10)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアクセス装置(10)において、前記ガイドバー(21)は、あらゆるステップ(30)に、それぞれの前記接続要素(211)を介して、互いに平行ではない第2及び第3回転軸(62、63)周りに旋回可能に接続されており、好ましくは、前記第2回転軸(62)は、前記第3回転軸(63)に対して垂直及び/又はそれぞれの前記ステップ(30)の前記第1回転軸(61)に対して垂直である、アクセス装置(10)。
【請求項4】
請求項3に記載のアクセス装置(10)において、前記接続要素(211)は、前記ステップ(30)の端面に、前記第2回転軸(62)周りに回転可能に取り付けられ、かつ前記ガイドバー(21)に、前記第3回転軸(63)周りに旋回可能に接続され、前記接続要素(211)は、好ましくはクリップ形状、より詳細にはU字形状に形成され、少なくとも部分的に前記アクセス姿勢で前記ガイドバー(21)の周囲に係合するように構成されている、アクセス装置(10)。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のアクセス装置(10)において、前記ステップ(30)は、折り畳み可能に構成されており、かつ各ステップ(30)は、第1回転軸(61)周りに旋回可能に前記側桁(24)に支持された旋回部(23)を含み、前記旋回部(23)に、第4回転軸(64)周りに旋回可能に接続された折り畳み部(22)を更に含み、好ましくは、前記第4回転軸(64)は、前記ステップ(30)の長手方向軸に平行に及び/又は前記ステップ(30)の前記第1回転軸(61)に垂直に延びている、アクセス装置(10)。
【請求項6】
請求項5に記載のアクセス装置(10)において、前記旋回部(23)及び折り畳み部(22)の各々は、開き第1姿勢で共通の歩行領域を形成し、折り畳み第2姿勢で一方に他方が配置される、歩行領域(80)を有し、前記旋回部(23)及び前記折り畳み部(22)には、好ましくは、前記折り畳み部(22)が前記第1姿勢を越えて旋回するのを防止するストッパ(221)が設けられている、アクセス装置(10)。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のアクセス装置(10)において、前記ガイドバー(21)は、各場合に、前記折り畳み部(22)がそれぞれの前記第4回転軸(64)周りに一緒に旋回するように、前記折り畳み部(22)に前記第4回転軸(64)に平行な回転軸周りに回転可能に接続されている、アクセス装置(10)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のアクセス装置(10)において、各ステップ(30)は、前記側桁(24)の横方向に、特にそれぞれの前記ステップ(30)の下方に配置され、かつ前記ステップ(30)が前記第1回転軸(61)周りに旋回可能に接続された、少なくとも1つの固定要素(70)とともに設けられ、各ステップ(30)に好ましくは2つの固定要素(70)が設けられ、該固定要素はそれぞれの前記ステップ(30)の上下に配置されている、アクセス装置(10)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のアクセス装置(10)において、キャリア(25)を更に備え、該キャリア(25)は、前記側桁(24)に接続され又は前記側桁(24)に形成され、前記キャリア(25)を構造に、より詳細には作業装置(1)に、接続し又は接続できる、接続手段(50)を有し、該接続手段(50)は、好ましくは、縦方向の第5回転軸(65)を形成し、前記キャリア(25)は、したがって全体のアクセス装置(10)は、前記第5回転軸(65)周りに旋回できる、アクセス装置(10)。
【請求項10】
請求項9に記載のアクセス装置(10)において、前記キャリア(25)は第1ロック装置(51)を備え、該第1ロック装置(51)により、前記キャリア(25)は、折り畳み姿勢及び開き姿勢で、それに対して解除可能にロックすることができ、前記第5回転軸(65)周りに旋回可能であり、前記第1ロック装置(51)は、好ましくは、前記折り畳み姿勢及び前記開き姿勢に自動的にスナップ嵌めされ、かつ、詳細には手動によってのみ、再度ロック解除できるように構成されている、アクセス装置(10)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のアクセス装置(10)において、第2ロック装置(241)を更に備え、該第2ロック装置(241)により、前記アクセス装置(10)を前記アクセス姿勢及び/又は前記搬送姿勢において解除可能にロックすることができ、前記第2ロック装置(241)は、好ましくは、前記アクセス姿勢及び/又は前記搬送姿勢に自動的にスナップ嵌めされ、かつ、より詳細には手動によってのみ、再度ロック解除することができるように構成されている、アクセス装置(10)。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のアクセス装置(10)において、少なくとも3つのステップ(30)が設けられている、アクセス装置(10)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載のアクセス装置(10)において、ハンドグリップ又は手すり(20)を更に備え、前記ハンドグリップ又は手すり(20)は、前記側桁(24)に設けられているか、又は、請求項9若しくは10に記載のアクセス装置(10)が開発され、前記ハンドグリップ又は手すり(20)は、前記キャリア(25)に設けられている、アクセス装置(10)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のアクセス装置(10)を備える、作業装置(1)、より詳細には移動式クレーン、更に詳細にはクローラクレーンであって、前記アクセス装置(10)は、より詳細には作業装置(1)に恒久的に取り付けられている作業装置(1)。
【請求項15】
請求項14に記載の作業装置(1)において、2つのクローラ(14)を有する下部走行体(3)と、縦軸周りに旋回するように前記下部走行体(3)上に支持された上部走行体(2)とを更に備え、前記クローラ(14)の少なくとも1つは、その外側にアクセス装置(10)を有し、該アクセス装置(10)は、前記搬送姿勢において、前記クローラ(14)の外側輪郭を越えて突出していない、作業装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側桁と、互いに対して横方向に及び縦方向にずらされ、かつ、側桁に旋回可能に支持された少なくとも2つのステップと、ステップを互いに及びそのようなアクセス装置を有する作業装置に、接続するガイドバーとを備える、作業装置用アクセス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの作業装置において、操作者は、例えば運転室などの、高い領域へのアクセスを必要とする。移動式作業装置においては、特に梯子又はステップが使用され、これを介して操作者がその高い領域に地面からアクセスすることができる。
【0003】
クローラクレーンの場合、上部走行体は、通常、クローラを介してアクセスされるか、又は上部走行体に取り付けられた梯子若しくは階段を介して直接アクセスされる。階段を使用する場合は、基準により要求される最小寸法を遵守しなければならない(FEM5.022、第1版、2015年5月28日:有効幅≧400mm、蹴上げ高さ=250mm、踏み面深さ≧300mm)。しかし、梯子の場合は、常に3点支持を確実にするために、ハンドル又は手すりを両側に設ける必要がある。クローラクレーンを道路交通で搬送する場合、許可された搬送幅を厳守しなければならないため、搬送姿勢に折り畳み可能又は収納可能な、折り畳み式又は取り外し可能な階段又は梯子を使用することが多い。
【発明の概要】
【0004】
従来技術で知られている解決策は、例えば、クローラの外側に旋回可能に支持された2つ又は3つの個々のステップを提供する。これは、いくつかの欠点をもたらす。例えば、個々のステップの各々は、それ自身の支持が必要であり、それはクローラ上の最適な位置では不可能であることが多い。さらに、個々のステップの寸法は、搬送姿勢(ステップがクローラに載置される姿勢)への旋回によって制限され、したがって、前記の最小寸法が到達されない場合がある。さらに、個々のステップを折り畳むには手間と時間がかかる(例えば、4つの階段-各クローラの前と後ろに1つずつ-があり、各々が3つの個別の折り畳みステップを有する場合、合計12のステップを折り畳む必要がある)。
【0005】
更なる選択肢は、クローラに直接吊り下げられ、クローラから取り外される階段を使用することである。搬送のために、階段は取り外され、特別に設けられた搬送位置、例えばクローラ上の横方向に格納される。しかし、この場合、1人で対応できるように、階段が重すぎないようにする必要がある(例えば、20kg未満)。さらに、階段は比較的かさばるので、吊り下げたり、取り外したり、運んだりすることが困難になる-全体的に、やはり時間と労力とを要するプロセスである。また、取り外せる階段は、追加の搬送位置を必要とする。一方、梯子を使用する場合は、3点支持を確実にするために、追加のハンドグリップ又は保持レール又は手すりを設ける必要がある。これは、設計上、下部走行体のすべての箇所で可能なわけではない。
【0006】
また、階段は、上部走行体が旋回されたときに階段がクローラ又は無限軌道に衝突しないように、クローラシャーシの最大旋回半径の外側に、上部走行体に片持ちで取り付けることができる。しかし、特定のクレーンサイズについては、これはもはや便利でもなく、また合理的でもない。このような場合、階段は、おそらく乗降口の一部とともに(場合によっては補助クレーンの助けを借りて)取り外し、別個に搬送しなければならないであろう。
【0007】
この背景に鑑みて、本発明は、前記の欠点を克服する、作業装置用の、より詳細には移動式クレーン用の、アクセス装置を提供し、課題を解決する。特に、最小寸法に関する要件に従うとともに、アクセス装置を省スペースの搬送姿勢に容易にかつ迅速に動かすことができることが可能であるべきである。
【0008】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有するアクセス装置によって達成される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項及び以下の記載による。
【0009】
このように、作業装置、詳細には移動式クレーン、更に詳細にはクローラクレーン用の、アクセス装置が提案され、それは、側桁と、互いに対して横方向及び縦方向にずらされ、かつ、側桁に、第1回転軸周りに旋回可能に支持された少なくとも2つのステップと、ステップを互いに接続するガイドバーとを備える。それゆえ、アクセス装置は、詳細には、作業装置の高い領域に、例えばクローラの頂部側又はクローラクレーンの上部走行体に、上がることができる階段を構成する。
【0010】
ガイドバーは、側桁とは反対側のステップの端部で、各ステップに接続要素を介して旋回可能に接続され、それによりステップは、ステップが側桁から横方向に突出しかつアクセス装置上を歩くことができるアクセス姿勢から、ステップが側桁に省スペースで載置された搬送姿勢まで、それらの第1回転軸周りに一緒に動かすことができ、その逆も可能である。
【0011】
本発明に係る構成は、アクセス装置全体、すなわち、ガイドバーによって接続されたすべてのステップを、旋回させることを可能にする。これは、搬送姿勢とアクセス姿勢との間でアクセス装置を動かすことをより容易にするだけでなく、関連する大幅な時間節約につながる。必要な労力は、すべてのステップについてほんの少しの動きをするまで減る(もちろん、ここでは2つ以上のステップがあってもよい)。また、ガイドバーは、昇降時にステップの横方向端部で滑ることを防止する。さらに、アクセス装置又はその構成要素は、分解する必要はなく、ステップは、単にその縦軸の周りに旋回できればよい。これは、重い部品についても、最小限の手間で行うことができる。本発明により、ばらばらになる部品の数もまた、かなり減少する。
【0012】
「側桁に載置された」という表現は、実際にステップが側桁に対して直接載置されている必要があるという意味ではない。むしろ、それは単に、搬送姿勢では、ステップが側桁の方向に折り畳まれ、又は側桁の方に旋回することを意味する。例えば、側桁は、1つの平面内に多かれ少なかれ延在していてもよく、その場合、搬送姿勢では、ステップは、この平面の方向に旋回され、又はこの仮想平面に載置されている。
【0013】
用語「ガイドバー」は、非常に幅広く解釈されるべきものであり、複数のステップを互いに接続するあらゆる要素を意味し得る。ガイドバーは、バーの形状を有し得るが、必ずその必要があるというわけではない。用語「側桁」は、同様に、制限して解釈されるべきではなく、個々のステップが旋回可能に支持されるあらゆる要素を意味し得る。側桁は、実質的に平坦な形状を有し得るが、必ずその必要があるというわけではない。
【0014】
本明細書で縦軸又は縦方向という場合は、対応する作業装置が水平な地面に置かれている場合をいう。
【0015】
可能な実施形態では、アクセス姿勢において、搬送姿勢において、及びこれら2つの終端姿勢の間のあらゆる中間姿勢において、個々のステップの長手方向軸は、互いに平行に延びている。その代替として又はその追加として、側桁及びガイドバーの長手方向軸は、常に互いに平行に延びていてもよい。
【0016】
側桁及びガイドバーは、アクセス姿勢において上から見たときに、互いに隣接して横方向に延び、そして、搬送姿勢において上から見たときに、互いに僅かな距離を有し又は一方が少なくとも部分的に他方の上に位置するように設けられていてもよい。
【0017】
更なる可能な実施形態では、ガイドバーは、各ステップに、それぞれの接続要素を介して、互いに平行ではない第2及び第3回転軸周りに旋回可能に接続されている。好ましくは、第2回転軸は、第3回転軸に対して垂直及び/又はそれぞれのステップの第1回転軸に対して垂直である。
【0018】
接続要素は、その自由度により、すべてのステップが、それらの第1回転軸周りに一緒に旋回でき、同時にガイドバーを介して接続されたままであることを確実にする。この動きを可能にするには、第2及び第3回転軸周りである動きの前記自由度が必要である。これらは、個々の定義された回転軸に関連し得る。あるいは、接続要素は、複雑な動きの選択肢、例えば、ボールとソケットとのジョイントなどの2つ以上の軸周りである動き、を提供し得る。
【0019】
更なる可能な実施形態では、接続要素は、ステップの端面に、第2回転軸周りに回転可能に取り付けられ、かつガイドバーに、第3回転軸周りに旋回可能に接続されている。それらの第1回転軸周りとするステップの旋回の動きにおいて、接続要素は第2回転軸周りに回転する一方、ガイドバーは接続要素から少なくとも部分的にそれて、これにより第3回転軸周りとする旋回の動きが実行される。接続要素は、好ましくはクリップ形状、より詳細にはU字状に形成され、アクセス姿勢で少なくとも部分的にガイドバーの周囲に係合する。あるいは、接続要素は、当然、例えばガイドバーの周囲に係合しない平らな形状など、別の形状を有し得る。
【0020】
更なる可能な実施形態では、ステップは折り畳み可能であるように構成されており、かつ各場合において、旋回部と、旋回部に接続された折り畳み部とを含む。ステップの旋回部は、第1回転軸周りに旋回可能に側桁に支持されている。折り畳み部は、各場合において、それぞれの旋回部に、第4回転軸周りに旋回可能に接続されている。第4回転軸は、好ましくは、ステップの長手方向軸に平行に及び/又はそれぞれの第1回転軸に垂直に延びている。
【0021】
本発明に係るアクセス装置の、アクセス姿勢から搬送姿勢への動きは、したがって、第4回転軸周りのステップ折り畳みと、第1回転軸周りのステップの旋回とを含む。したがって、アクセス装置又は階段は、折り畳み可能で旋回可能なアクセス装置又は階段である。前記ステップは、ガイドバー及び対応する接続要素を介して互いに接続されているので、これらの動きはすべてのステップについて同時に行われる。
【0022】
更なる可能な実施形態では、旋回部及び折り畳み部の各々は、歩行領域(すなわち、アクセス装置に上がるときに踏み込むことができる表面)を有し、歩行領域は、開き第1姿勢で共通の歩行領域を形成し、折り畳み姿勢で一方が他方に配置される(すなわち、互いに対向するように位置する)。共通の歩行領域は、隙間のない領域を形成しなくてもよい。より詳細には、第4回転軸周りの領域は、小さな隙間を含み得る。さらに、歩行領域は、第2姿勢で一方が他方に配置されるという特徴は、それらが互いに接触することを必ずしも意味しない。これは最も簡単な実施形態であるが、第2姿勢で互いに接触するステップに、対応するストッパを設けることも考えられる。
【0023】
好ましくは、ストッパが旋回部及び折り畳み部に設けられ、これは、折り畳み部が第1姿勢を越えて旋回するのを防止する。換言すれば、これらのストッパは、ステップが開かれ、したがって第1姿勢にあるときに相互に作用する。
【0024】
更なる可能な実施形態では、ガイドバーは、各場合において、折り畳み部がそれぞれの第4回転軸周りに一緒に旋回するように、折り畳み部に、第4回転軸に平行な回転軸周りに旋回可能に接続されている。前記回転軸は、より詳細には前記第2回転軸である。したがって、ガイドバーは、ステップが一緒に開かれるように、折り畳み部のみを介してステップに接続されている。ここで、折り畳み部は、ガイドバーに対して第2回転軸周り相対的に回転する。好ましくは、ここでは第3回転軸周りの動きはない。
【0025】
更なる可能な実施形態では、各ステップは、側桁の横方向に、特にそれぞれのステップの下方に配置されかつステップが第1回転軸周りに旋回可能に接続された、少なくとも1つの固定要素とともに設けられている。好ましくは、各ステップに2つの固定要素が設けられ、固定要素はそれぞれのステップの上下に配置され、ステップはそれとともに第1回転軸周りに旋回可能に接続されている。
【0026】
ステップの旋回部は、固定要素に旋回可能に接続された対応する突起又はプレートを有し得る。第1回転軸周りの旋回の動きを可能にし、側桁との衝突を防止するために、前記突起又はプレートは、それに対応して、丸く形成され及び/又は面取り加工されている。固定要素は、好ましくは、アクセス装置が踏まれたときに作用するすべての力を吸収し、それに対応するように設計され及び寸法が決められる。
【0027】
更なる可能な実施形態では、アクセス装置はキャリアを備え、該キャリアは、側桁に接続され又は側桁に形成され、キャリアを構造に、より詳細には作業装置に、接続し又は接続できる、接続手段を有する。好ましくは、接続手段は、縦方向の第5回転軸を形成し、キャリアは、したがって全体のアクセス装置は、前記構造に対して第5回転軸周りに旋回できる。したがって、ステップが第1回転軸周りに旋回できるだけでなく、アクセス装置全体が追加的に第5回転軸周りに旋回できる。前記構造はクローラであってもよい。 結果として、アクセス装置が作業装置に対して特定の角度を有し、それゆえアクセスがより容易となるような、アクセス姿勢を定義することが可能である。また、複数のアクセス姿勢があってもよい。例えば、アクセス装置が第5回転軸周りに旋回しない第1のアクセス姿勢(=折り畳み姿勢)や、特定の角度、例えば30°で、第5回転軸周りに旋回する第2のアクセス姿勢(=開き姿勢)があってもよい。
【0028】
更なる可能な実施形態では、キャリアは第1ロック装置を備え、該第1ロック装置により、キャリアは、各場合において、折り畳み姿勢及び開き姿勢で、それに対して解除可能にロックすることができ、第5回転軸周りに旋回可能であり、第1ロック装置は、好ましくは、折り畳み姿勢及び開き姿勢に自動的にスナップ嵌めされ、かつ、作動によって再度ロック解除できるように構成されている。対応するばね機構が設けられていてもよい。ロック解除のための前記作動は、より詳細には、手動、例えばハンドルの作動、又は代替的にアクチュエータによって実行される。ロック状態では、第5回転軸周りとするアクセス装置の旋回は不可能であり、したがってアクセス装置は固定される。
【0029】
更なる可能な実施形態では、アクセス装置は、第2ロック装置を更に備え、該第2ロック装置により、アクセス装置をアクセス姿勢及び/又は搬送姿勢において解除可能にロックすることができ、第2ロック装置は、好ましくは、アクセス姿勢及び/又は搬送姿勢に自動的にスナップ嵌めされ、かつ、より詳細には手動によってのみ、再度ロック解除することができるように構成されている。ロック解除のための作動は、より詳細には手動、例えばハンドルの作動、又は代替的にアクチュエータによって実行される。ロック状態では、第1回転軸周りのステップの旋回は不可能であり、したがって、アクセス装置は固定される。このようなロック装置を複数設けてもよい。
【0030】
更なる可能な実施形態では、アクセス装置には少なくとも3つのステップが設けられている。ステップは、すべて同一に構成され、及び/又は互いに等間隔で配置されてもよい。ステップは、好ましくは長方形状のベース領域を有する。
【0031】
更なる可能な実施形態では、アクセス装置は、アクセス装置を昇る人が把持できるハンドグリップ又は手すりを備える。ハンドグリップ又は手すりは、側桁又は前記のキャリアに設けられていてもよい。
【0032】
更なる可能な実施形態では、ステップは、高低差(又は蹴上げ高さ)が約250mm、及び/又はステップの長手方向軸に沿った幅(又は有効幅)が400mm以上、及び/又はステップの長手方向軸に垂直な幅(又は踏み面深さ)が300mm以上である。
【0033】
本発明はまた、作業装置、より詳細には移動式クレーン、更に詳細にはクローラクレーンであって、本発明に係るアクセス装置を備える作業装置に関する。これは、明らかに、本発明に係るアクセス装置に関するものと同じ利点及び特性が導かれるので、この連結部分では、繰り返しの説明は省略する。アクセス装置は、好ましくは、作業装置に恒久的に取り付けられており、それゆえ、特別に取り付けたり取り外したりする必要はない。したがって、アクセス装置は、搬送中、作業装置に設けられたままである。
【0034】
可能な実施形態では、作業装置は、2つのクローラを有する下部走行体と、下部走行体において、縦軸周りに回転可能に支持された上部走行体とを備え、クローラの少なくとも1つは、その外側に、本発明に係るアクセス装置を有し、アクセス装置は、搬送姿勢において、クローラの外側輪郭を越えて突出していない。したがって、作業装置の搬送中に、許容される搬送幅を超えたり、搬送幅が増大したりすることはない。上部走行体には、ジブ、例えば伸縮式ジブが、旋回可能に取り付けられていてもよい。上部走行体バラストが設けられていてもよい。
【0035】
さらに、本発明の特徴、詳細及び利点については、図面に基づいて以下に説明する実施形態に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】従来技術で知られている伸縮式クローラクレーンを示す側面図である。
図2】一実施形態に係る本発明のアクセス装置を示す図である。
図3】一実施形態に係る本発明のアクセス装置を示す図である。
図4】本発明に係るアクセス装置を示す斜視図である。
図5図4とは異なる姿勢の、本発明に係るアクセス装置を示す斜視図である。
図6図4及び5とは異なる姿勢の、本発明に係るアクセス装置を示す斜視図である。
図7】旋回姿勢(折り畳み姿勢)にあるアクセス装置を備えるクローラを示す図である。
図8】旋回姿勢(折り畳み姿勢)にあるアクセス装置を備えるクローラを示す図7とは異なる図である。
図9】旋回して開いたアクセス装置(開き姿勢)を備える図8のクローラを示す図である。
図10】開き姿勢におけるアクセス装置を示す上面図である。
図11】アクセス装置が搬送姿勢にある状態において、アクセス装置及びクローラ無限軌道下部の上面図において、クローラを示す部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明に係るアクセス装置は、例えば運転室などの高い領域へのアクセスを可能にするために、異なる作業装置に使用し得る。以下では、図1の側面図に示す伸縮式クローラクレーン1が、このような作業装置の一例としての役割を果たす。請求項におけるアクセス装置の使用は、当然この特定の例示的な実施形態に限定されず、クローラを備えた又は備えていない任意の他の作業装置で使用し得る。
【0038】
図1に示す伸縮式クローラクレーン1は、クローラシャーシとともに設けられ各々が円周方向クローラチェーン15を有する2つのクローラ14を含む移動式の下部走行体3と、縦軸周りに回転可能に下部走行体3に支持された上部走行体2とを有する。クローラ14は、下部走行体フレームに固定されている。上部走行体2は、起伏駆動装置又は起伏シリンダ12によって上下に傾斜させることができる旋回可能に支持された伸縮式ジブ5を備えている。上部走行体2の後部には、複数の重しプレートを有する上部走行体バラスト11が設けられている。上部走行体2には、クレーン運転室4が更に設けられている。これに到達するには、クレーン操作者は、クレーン運転室4が高い位置にあるので、上部走行体2(又はその旋回乗降口)に昇らなければならない。
【0039】
地面100から、下部走行体3を介しての上部走行体2へのアクセスを容易にしなければならない。これは、理想的には、上部走行体2のすべての旋回姿勢において可能かつ安全であるべきである。このためには、様々な規制を遵守しなければならない。
【0040】
前記のように、これは、クローラ14で横方向に旋回可能に支持された個々のステップ、下部走行体の取り外し可能な階段、又は上部走行体2に着脱可能に固定された梯子又は階段によって達成された。前記したような、結果として生じる欠点のため、本発明は、ここで、容易、安全かつ製造が迅速な、上部走行体2又はクレーン運転室4へのアクセスを可能にする新規の概念を提案する。
【0041】
本発明に係るアクセス装置10の実施形態は、図2~6に示されており、図2及び3は、完全に旋回して開かれた(=アクセス姿勢)、アクセス装置10を、前側(図2)及び後側(図3)から見た斜視図である。
【0042】
アクセス装置10は、折り畳み可能で旋回可能な階段(以下、折り畳み旋回階段10ともいう)として構成されており、旋回フレーム25(=キャリア)と、前記旋回フレームに堅固に接続された側桁又は階段側桁24と、側桁24に旋回可能に支持された3つのステップ又は階段ステップ30と備える。2つのみ又は2つよりも多いステップ30が設けられた他の実施形態も、当然可能である。アクセス装置10は、旋回フレーム25を介してクローラ14に横方向に取り付けられ、それゆえ、上部走行体2にはアクセス装置10を介して地面100から到達することができる。
【0043】
実質的に平坦又は帯状の側桁24は、ある角度で延びており、ステップ30はそれに等間隔に配置されている。側桁24に対向するステップ30の端面には、すべてのステップ30を互いに接続するガイドバー21がある。ガイドバー21は、平坦又は帯状であり、ステップ30間の領域に凹部を有する(しかしながら、前記凹部は、重量を軽減するための任意のものである)。ガイドバー21は、ステップ30の端部に位置し、歩行領域80を制限する役割を果たす(図10参照)。それは、クレーン操作者を案内する。さらに、以下に説明する接続要素211とともに用いれば、すべてのステップ30を一緒に動かすことができることが保証される。
【0044】
ハンドグリップ20は旋回フレーム25に固定されている。前記ハンドグリップは、地面100からのコンプライアントアクセスを可能にするように機能する。図示の実施形態では、第1ステップすなわち最下ステップ30は、地面100から約500mm離れている(当然他の距離でも構わない)。このためハンドグリップ20が有利である。
【0045】
ステップ30は折り畳み可能に構成され、各々は、側桁24において、縦方向の第1回転軸61周りに旋回可能に支持された旋回部23と、旋回部23において、水平な第4回転軸64周りに旋回可能に接続された折り畳み部22とを備える。したがって、第4回転軸64は、ステップ30の長手方向軸に平行に、又は旋回部及び折り畳み部22、23の長手方向軸に平行に、かつ第1回転軸61に垂直に延びる。連続する物理的回転軸とのこのような連結接続の代わりに、別の折り畳み機構を、例えば、旋回部及び折り畳み部22、23の端面の領域にある2つのジョイントを介して、使用し得る。したがって、ステップ30の旋回中に、旋回部23及び折り畳み部22は、常に、それぞれの第1回転軸61周りに一緒に旋回する。
【0046】
図2~4は、開いた第1姿勢のステップ30を示しており、ここでは旋回部23及び折り畳み部22の歩行領域80が平行に配向され、各ステップ30について共通の歩行領域を形成している。旋回部23及び折り畳み部22の下側には適当なストッパ221(図4参照)が設けられ、これは折り畳み部22が第1姿勢を越えて旋回するのを防止する。それらは、使用中に生じる力を吸収するための十分な寸法にされている。折り畳み部22を第4回転軸64周りに旋回させ又は折り畳むことにより、ステップ30を折り畳み第2姿勢にすることができ、この姿勢で、旋回部23及び折り畳み部22の歩行領域80は、一方が他方に配置され又は互いに対向している(図5参照)。
【0047】
ステップ30は、各々、2つの固定要素70を介して、側桁24に横方向に支持されている。ここに示す例示的な実施形態では、固定要素70は円筒形状を有する。固定要素70は、それぞれのステップ30の上下に位置し、各々は、旋回部23の上側プレート231及び下側プレート233に連結接続されている(図3参照)。これらのプレート231、233は、(折り畳まれたステップ30の)旋回の動きのための十分なクリアランスがあり、かつそれらが側桁24に接触しないように、旋回部23に横方向に設けられかつ形成されている(より詳細には、丸められ、及び/又は面取り加工されている)。プレート231、233と固定要素70との間の旋回接続は、それぞれのステップ30の第1回転軸61を構成している。ステップ30は、片持ち要素である。したがって、前記連結接続は、それに対応して寸法決めされなければならない。
【0048】
ガイドバー21は、ステップ30の折り畳み部22に接続されており、したがって、すべてのステップ30は、第1回転軸61周りに一緒にのみ旋回し、第4回転軸64周りに折り畳み得る。ガイドバー21は、接続要素211を介して折り畳み部22の端面に接続されている。接続要素211の各々は、それぞれの折り畳み部22において第2回転軸62周りに回転可能に支持されている。第2回転軸62は、それぞれのステップ30の第4回転軸64に平行に延びている。
【0049】
さらに、各接続要素211は、第3回転軸63周りにガイドバー21との連結接続を有する。これは、第2回転軸62に垂直に延びる。したがって、ガイドバー21の各ステップ30への接続は、それぞれの第2回転軸62周りの回転と、それぞれの第3回転軸63周りの旋回との2つの自由度を有する。このようにして初めて、すべてのステップ30がガイドバー21によって互いに接続されるが、それにもかかわらず、第4回転軸64周りで一緒に折り畳まれ、第1回転軸61周りで旋回され得る。
【0050】
ここに示された例示的な実施形態において、接続要素211はクリップ形状又は長方形状の開口側がガイドバー21に面するU字状を有する。ステップ30の開き状態(図4及び5参照)では、クリップ形状の接続要素211がガイドバー21の周りに係合する。
【0051】
ステップ30が第4回転軸64周りで動き、開かれるとき及び折り畳まれるとき、接続要素211は、ステップ30の折り畳み部23との間で、第2回転軸62周りで単に相対的に回転する。折り畳まれたステップ30の、第1回転軸61周りのその後の旋回の動きでは、第2回転軸62周りの接続要素211の回転と、ガイドバー21に対する接続要素211の第3回転軸63周りの相対的な旋回とが同時に起こる。
【0052】
この一連の動きを図4~6に示す。図1では、アクセス装置10は、ステップ30が旋回して開かれたアクセス姿勢にあり、ここを操作者が歩いたり、上に登ったりすることができる。接続要素211はガイドバー21の周りに係合している。アクセス装置10をその搬送姿勢にするために、ステップ30は、最初に、折り畳み部22が旋回部23に対して第4回転軸64周りに折り畳まれるようにして、折り畳まれる。その中間姿勢は、図5に示されている。次いで、すべてのステップ30は、互いに横方向に間隔を置いて配置されており、それらの第1回転軸61周りに一緒に旋回できる。前記の第2及び第3回転軸62、63周りの連動する動きは、ここで実行される。この動きの間、ガイドバー21は接続要素211から旋回して開く。
【0053】
図6に示す搬送姿勢では、U字形状の接続要素211からガイドバー21を上昇させ、接続要素211をアクセス姿勢から角度αで回転させる。この角度は、アクセス姿勢(及び図5の中間姿勢)における縦軸とガイドバー21の長手方向軸との間の角度に相当する。角度αは、図4に図示されている。
【0054】
搬送姿勢では、一緒に折り畳まれたステップ30は、(側桁24によって画定される仮想平面上に置かれているという意味で)側桁24に載置されている。アクセス装置10の上面図において、側桁24及びガイドバー21は、互いに隣り合っておらず、実質的に互いに重ねられている。しかし、各姿勢において、側桁24及びガイドバー21は互いに平行に配向している。
【0055】
アクセス装置10又はステップ30を、搬送姿勢及びアクセス姿勢にロックし又は固定するために、2つの第2ロック装置241が下側の2つのステップ30の領域に設けられている。前記ロック装置は、各々、ハンドルを有するラッチボルトを備え、このラッチボルトは、ステップ30の上方に配置され、ばね要素を介して上側プレート231に対して押圧されている。上側プレート231では、2つの凹部232が設けられており、これらの凹部内には、ステップ30のそれぞれの終端部(搬送又はアクセス姿勢)においてラッチボルトがスナップ嵌めされている。このようにステップ30は固定されており、意図せずに旋回し得ない。ロックを解除するには、第2ロック装置241のラッチボルトを凹部232から引き出すように手で引き上げなければならない。当然、1つの第2ロック装置241のみ、又は2つ以上の第2ロック装置241を設けてもよい。他のロック機構も考えられる。例えば、自動ラッチに代えて、操作者は手動でラッチボルトを閉じ、それによってロックを作動させるようにする。
【0056】
ここに示す例示的な実施形態では、本発明に係るアクセス装置10は、接続手段50により構成された第5回転軸65周りに旋回可能な旋回フレーム25を介して、クローラ14に横方向に支持されている。
【0057】
図7及び8は、旋回状態(=折り畳み姿勢)にあるアクセス装置10を示し、この状態では、アクセス装置10はクローラ14に載置されている。折り畳み姿勢においても、操作者は、アクセス装置10を使用して、クローラ14の上側にある2つの乗降口キャリア90を介して保持されている乗降口91に到達し、前記乗降口を介して上部走行体2に上がることができる。アクセスを簡単にするために、アクセス装置10は、すでに説明したように、クローラ14から離れるある角度(例えば、30°以上)で第5回転軸65周りに旋回し得る。アクセス装置10の最も下にあるステップ30がクローラ無限軌道15の外側にあるこの姿勢(=開き姿勢)は、図9の斜視図及び図10の上面図に示されている。また、折り畳み旋回階段10は、折り畳み姿勢で規格に準拠した幅を有し、アクセスに使用できることに留意されたい。
【0058】
旋回フレーム25には、旋回フレーム25を、したがってアクセス装置10を、折り畳み姿勢及び開き姿勢にロックできる第1ロック装置51が設けられている。その原理は、好ましくは、第2ロック装置241によってロックする前記した原理と同一である。ここでは、ばね支持されたラッチボルトが、クローラ14の要素に設けられた2つの凹部511及び512と協働する(図8参照)。旋回フレーム25のそれぞれの端部において、ラッチボルトは、対応する凹部511、512にラッチされ、再び旋回の動きを許容するように手動でロック解除されなければならない。
【0059】
図11は、本発明に係るアクセス装置10の搬送姿勢での上面図を示し、追加的にクローラ無限軌道15を有するクローラ14の下部を示す。アクセス装置10はクローラ14の第5回転軸65周りで完全に旋回して開く。さらに、ステップ30は、第1回転軸61周りに旋回する。
【0060】
図11に示すように、折り畳み旋回階段10は、その外側輪郭がクローラ無限軌道15のベースプレートを越えて突出しないように、その搬送姿勢に旋回される。
【0061】
伸縮式クローラクレーン1は、公道交通における完全な搬送ユニットとして搬送されることに留意されたい。したがって、クローラ14の外側のみが、道路での搬送のための搬送幅に関係する。したがって、搬送姿勢では、アクセス装置10は伸縮式クローラクレーン1の実際の搬送幅を増大させない。
【0062】
搬送姿勢では、折り畳み旋回階段10は、第1ロック装置51によって、及び2つの第2ロック装置241によって固定される。したがって、折り畳み旋回階段10はまた、搬送中の折り畳み旋回階段の搬送姿勢において、2回の旋回状態(回転軸61及び65周り)がしっかりと固定される。
【0063】
アクセス装置10のステップは、好ましくは、必要な階段ステップの最小寸法が(特にFEM5.022、第1版、2015年5月28日:有効幅≧400mm、蹴上げ高さ=250mm、踏み面深さ≧300mm)を遵守するように構成されている。
【0064】
本発明に係る折り畳み旋回階段10は、従来のアクセスの解決策よりも優れた多くの利点を有する:
- クレーン運転室へのアクセスが、あらゆるクレーン位置(360°)において可能である。
【0065】
- 容易かつシンプルな扱い。
【0066】
- 固定式のアクセス(別に搬送する必要がある取り外し可能な解決策ではない)。
【0067】
- 両側のハンドル/手すりが必要である、横木、梯子のアクセスは不要である。
【0068】
- 階段ステップの最小寸法が(FEM5.022、第1版、2015年5月28日)を遵守できる階段を介するアクセス。
【符号の説明】
【0069】
1 作業装置(伸縮式クローラクレーン)
2 上部走行体
3 下部走行体
4 運転室又はクレーン運転室
5 伸縮式ジブ
10 アクセス装置
100 地面
11 上部走行体バラスト
12 起伏駆動装置(起伏シリンダ)
14 クローラ
15 クローラ無限軌道
20 ハンドグリップ
21 ガイドバー
211 接続要素
22 折り畳み部
221 ストッパ
23 旋回部
231 プレート
232 凹部
233 プレート
24 側桁
25 キャリア(旋回フレーム)
241 第2ロック装置
30 ステップ
50 接続手段
51 第1ロック装置
511 凹部
512 凹部
61 第1回転軸
62 第2回転軸
63 第3回転軸
64 第4回転軸
65 第5回転軸
70 固定要素
80 歩行領域
90 乗降口キャリア
91 乗降口
α 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】