IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ シーエムピー ホウルディングス インコーポレイテッドの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048132
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】ポリシリコンの除去速度を高める方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230330BHJP
   C09K 3/14 20060101ALI20230330BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20230330BHJP
【FI】
H01L21/304 621D
H01L21/304 622D
C09K3/14 550Z
B24B37/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022147764
(22)【出願日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】17/485,595
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504089426
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ シーエムピー ホウルディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】イ・グオ
【テーマコード(参考)】
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C158AA07
3C158AC04
3C158BA02
3C158BA04
3C158BA05
3C158CB03
3C158CB10
3C158DA12
3C158DA17
3C158EA11
3C158EB01
3C158EB05
3C158EB12
3C158EB22
3C158ED02
3C158ED10
3C158ED11
3C158ED12
3C158ED23
3C158ED24
5F057AA14
5F057AA28
5F057BA15
5F057BB15
5F057CA12
5F057DA03
5F057EA01
5F057EA06
5F057EA12
5F057EA16
5F057EA22
5F057EA29
5F057EA32
5F057EA33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板からのポリシリコンの除去速度を高める方法を提供する。
【解決手段】基板からのポリシリコンの除去速度を高める方法であって、水と有機酸と砥粒とを含有する酸性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーと、水と砥粒と低級アルキルアミン化合物とを含有するアルカリ溶液とを混合するステップ、研磨表面を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供するステップ、研磨パッドと基板との間の界面に動的接触を生成するステップ及びケミカルメカニカルポリッシングスラリーとアルカリ溶液との混合物を、研磨パッドと基板との間の界面又は界面付近の研磨表面上に分注するステップを含み、ポリシリコンの一部を基板から研磨除去する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリシリコンをケミカルメカニカルポリッシングする方法であって、
ポリシリコンを含む基板を提供するステップと;
水と、
砥粒粒子と、
有機酸と、
任意選択的に、2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物と、
任意選択的に、殺生物剤と、
からなる酸性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーを提供するステップと;
水と、
次式、すなわち
【化5】

(式中、R及びRは独立してC-Cアルキルから選択され、R’はC-Cアルキレンである)
を有するアミン化合物と、
任意選択的に、殺生物剤と、からなるアルカリ溶液を提供するステップと;
酸性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーとアルカリ溶液とを混合して、水と、砥粒粒子と、有機酸と、アミン化合物と、任意選択的な殺生物剤と、任意選択的な2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物と、からなるアルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーを形成するステップと;
研磨表面を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供するステップと;
ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との間の界面に動的接触を生成するステップと;
ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との間の界面又は界面付近で、ケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨表面上にアルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーを分注して、ポリシリコンの少なくとも一部を除去するステップと;を含む方法。
【請求項2】
前記砥粒粒子が、無機酸化物、無機水酸化物、無機水酸化物酸化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属窒化物、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アミンが、3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジエチレンジアミン、N,N-ジ-n-ブチルエチレンジアミン、3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン、N-イソプロピル-1、3-ジプロパンジアミン、2-ジメチルアミノ-2-プロピルアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記有機酸がジカルボン酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ジカルボン酸が、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、グルタル酸、酒石酸、それらの塩及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記酸性スラリーのpHが6未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アルカリ性スラリーのpHが7より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のアルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーが、200mm研磨機でプラテン速度が93~123回転/min、キャリア速度が87~117回転/min、ケミカルメカニカルポリッシングスラリーの流量が125~300mL/min、公称ダウンフォースが21.4~24.1kPaを用い、前記ケミカルメカニカルポリッシングパッドが、ポリマー中空コア微粒子を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッドを含む場合に、500Å/min以上のポリシリコン除去速度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
水と、
砥粒粒子と、
次式、すなわち
【化6】

(式中、R及びRは独立してC-Cアルキルから選択され、R’はC-Cアルキレンである)
を有するアミン化合物と、
有機酸と、
任意選択的に、2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物と、
任意選択的に、殺生物剤と、からなり、
pHが10より大きい、ケミカルメカニカルポリッシング組成物。
【請求項10】
前記アミン化合物が、3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジエチレンジアミン、N,N-ジ-n-ブチルエチレンジアミン、3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン、N-イソプロピル-1、3-ジプロパンジアミン、2-ジメチルアミノ-2-プロピルアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のケミカルメカニカルポリッシング組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板からのポリシリコンの除去速度を高める方法に関する。より具体的には、本発明は、水と有機酸と砥粒粒子とを含有する酸性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーと、水と低級アルキル鎖アミン化合物とを含有するアルカリ溶液とを混合し、研磨表面を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供し、研磨パッドと基板との間の界面に動的接触を生成し、ケミカルメカニカルポリッシングスラリーとアルカリ溶液との混合物を、研磨パッドと基板との間の界面又は界面付近の研磨表面上に分注することによって、基板からのポリシリコンの除去速度を高める方法に関し、該方法において、ポリシリコンの一部が基板から研磨除去される。
【背景技術】
【0002】
集積回路及び他の電子デバイスの製造において、導電性材料、半導体性材料及び絶縁材料の複数の層が、半導体ウェーハの表面上に堆積されるか、又は半導体ウェーハの表面から除去される。導電性材料、半導体性材料及び絶縁材料の薄層は、いくつかの堆積技術によって堆積され得る。現代の処理における一般的な堆積技術には、スパッタリングとしても知られる物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、プラズマ化学蒸着(PECVD)、及び電気化学めっき(ECP)が含まれる。
【0003】
材料の層が逐次堆積及び除去されるにつれて、ウェーハの最上面は非平坦になる。その後の半導体処理(例えば、メタライゼーション)では、ウェーハが平らな表面を有する必要があるため、ウェーハを平坦化する必要がある。平坦化は、粗い表面、凝集した材料、結晶格子損傷、スクラッチ、及び汚染された層若しくは材料などの望ましくない表面トポグラフィ及び表面欠陥を除去するのに有用である。
【0004】
ケミカルメカニカルプラナリゼーション又はケミカルメカニカルポリッシング(CMP)は、半導体ウェーハなどの基板を平坦化するために使用される一般的な技術である。従来のCMPでは、ウェーハはキャリア・アセンブリ上に取り付けられ、CMP装置内の研磨パッドと接触して配置される。キャリア・アセンブリは、ウェーハに制御可能な圧力を加え、ウェーハを研磨パッドに押し付ける。パッドは、外部駆動力によってウェーハに対して動かされ(例えば、回転させられ)る。それと同時に、研磨組成物(「スラリー」)又は他の研磨液がウェーハと研磨パッドとの間に供給される。したがって、ウェーハ表面は、パッド表面及びスラリーの化学的作用及び機械的作用によって研磨され、平坦にされる。しかしながら、CMPには非常に多くの複雑さが伴う。各タイプの材料は、固有の研磨組成物、適切に設計された研磨パッド、研磨及びCMP後洗浄の両方のための最適化されたプロセス設定、並びに特定の材料を研磨する用途に個別に調整されなければならない他の要因を必要とする。
【0005】
例えば、酸性酸化物スラリーは、28nm以下などの中核先進技術にますます適合してきた。そのようなスラリー中に存在する砥粒は、様々な化学的アプローチ又は添加剤アプローチによって正電荷を有する。このようなスラリーは、アルカリ対応物よりもはるかに低い使用時(POU)シリカ重量パーセントで、優れた欠陥性及び平坦化効率(PE)性能を示す。
【0006】
一方、米国特許第8,435,420号明細書に開示されているようなポリシリコンケミカルメカニカルポリッシングを含む複数のケミカルメカニカルポリッシング組成物に対して汎用である一組の消耗品に留まることが、顧客にとって非常に望ましい。ケミカルメカニカルポリッシング産業は、酸性酸化物スラリーを使用してポリシリコンを研磨することが、より良好なPE及びより少ないディッシングを示すことを発見した。しかしながら、主な欠点は、ポリシリコン除去速度が比較的低いことである。例えば、pHが6未満の1-2wt%のコロイダルシリカ粒子を含有する水性スラリーは、約1600Å/minのポリシリコン除去速度をもたらす。最近、ケミカルメカニカルポリッシング業界では、酸性酸化物スラリーを用いる厚いポリシリコンの用途で、ポリシリコンの除去速度を高めることが求められており、ここでは、約2-3μmのポリシリコンを基板から除去する必要がある。
【0007】
したがって、ケミカルメカニカルポリッシング産業において、基板からのポリシリコンの除去速度を高める方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、ポリシリコンをケミカルメカニカルポリッシングする方法に関し、
ポリシリコンを含む基板を提供するステップと;
水と、
砥粒粒子と、
有機酸と、
任意選択的に、2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物と、
任意選択的に、殺生物剤と、
からなる酸性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーを提供するステップと;
水と、
次式、すなわち
【化1】

(式中、R及びRは独立してC-Cアルキルから選択され、R’はC-Cアルキレンである)
を有するアミン化合物と、
任意選択的に、殺生物剤と、からなるアルカリ溶液を提供するステップと;
酸性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーとアルカリ溶液とを混合して、水と、砥粒粒子と、有機酸と、アミン化合物と、任意選択的な殺生物剤と、任意選択的な2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物と、からなるアルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーを形成するステップと;
研磨表面を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供するステップと;
ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との間の界面に動的接触を生成するステップと;
ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との間の界面又は界面付近で、ケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨表面上にアルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーを分注して、ポリシリコンの少なくとも一部を除去するステップと;を含む。
【0009】
本発明はさらに、ポリシリコンをケミカルメカニカルポリッシングする方法に関し、
ポリシリコンを含む基板を提供するステップと;
水と、
砥粒粒子と、
有機酸と、
任意選択的に、2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物と、
任意選択的に、殺生物剤と、
からなる酸性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーを提供し、
該酸性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーのpHが6未満であるステップと;
水と、
3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジエチレンジアミン、N,N-ジ-n-ブチルエチレンジアミン、3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン、N-イソプロピル-1,3-ジプロパンジアミン、2-ジメチルアミノ-2-プロピルアミン及びそれらの混合物からなる群から選択されたアミン化合物と、
任意選択的に、殺生物剤と、からなるアルカリ溶液を提供し、
該アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシング溶液のpHが7より大きいステップと;
酸性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーをアルカリ溶液と混合して、水と、砥粒粒子と、有機酸と、アミン化合物と、任意選択的な2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物と、任意選択的な殺生物剤と、からなるアルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーを形成し、該アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーのpHが7より大きいステップと;
研磨表面を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供するステップと;
ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との間の界面に動的接触を生成するステップと;
ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との間の界面又は界面付近で、ケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨表面上にアルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーを分注して、ポリシリコンの少なくとも一部を除去するステップと;を含む。
【0010】
本発明のケミカルメカニカルポリッシング法は、ポリシリコン除去速度の向上、静的エッチング速度の低減を可能にし、滑らかに研磨されたポリシリコン表面を提供する。本発明の方法はまた、TEOS上でポリシリコンを選択的に研磨する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書を通して使用されるように、文脈が特に指示しない限り、次の略語は次の意味を有する。mL=ミリリットル、μ=μm=ミクロン、kPa=キロパスカル、Å=オングストローム、DI=脱イオン、ppm=百万分率=mg/L、1wt%=10,000ppm、mm=ミリメートル、cm=センチメートル、min=分、rpm=毎分回転数、lbs=ポンド、kg=キログラム、2.54cm=1インチ、Poly-Si=ポリシリコン、DLS=動的光散乱、wt%=重量パーセント、RR=除去率、S=スラリー、PS=本発明の研磨用スラリー、CS=対照スラリー、ES=本発明のエッチング溶液、CES=比較エッチング溶液、POU=使用時、EDA=エチレンジアミン、PEI=ポリエチレンイミン、DEAMS=(N,N-ジエチルアミノメチル)トリエトキシシラン、98%(Gelest Inc.,Morrisville, PA)、TMOS=オルトケイ酸テトラメチル、TMAH=水酸化テトラメチルアンモニウム、TEA=テトラエチルアンモニウム、TEAH=水酸化テトラエチルアンモニウム、
ジクアット=N,N,N,N’,N’N’-ヘキサブチル-1,4-ブタンジアンモニウムジヒドロキシド、SiN=窒化ケイ素
【0012】
「ケミカルメカニカルポリッシング」又は「CMP」という用語は、化学的及び機械的な力のみによって基板が研磨されるプロセスを指し、電気バイアスが基板に印加される電気化学機械研磨(ECMP)とは区別される。「スラリー」という用語は、水に懸濁した、水よりも高密度の固体の混合物を意味する。「溶液」という用語は、副成分(溶質)が主成分(溶媒)に実質的に均一に溶解している混合物を意味し、溶媒は水である。「ケムパック」という用語は、1つ以上の低級アルキルアミン化合物を含有するアルカリ性水溶液を意味する。「ポリシリコン」という用語は、多結晶シリコン(polycrystalline silicon)又はマルチクリスタル・シリコン(multi-crystalline silicon)を意味する。用語「TEOS」は、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC)の分解から形成される二酸化ケイ素を意味する。「アルキレン」という用語は、メチレン:-CH-やエチレン:-CH-CH-などの二重結合の開環によってアルカンから誘導されると見なされる二価の飽和脂肪族基又は部分、あるいは異なる炭素原子から2個の水素原子を除去することによってアルカンから誘導されると見なされる二価の飽和脂肪族基又は部分を意味する。「アルキル」という用語は、一般式:C2n+1(式中、「n」は整数であり、「イル」末端は一つの水素を除去することによって形成されたアルカンの断片を意味する)を有する有機基を意味する。「平坦」という用語は、長さ及び幅の2つの寸法を有する実質的に平らな表面又は平らなトポグラフィを意味する。「組成物」及び「スラリー」という用語は、本明細書全体を通して互換的に使用される。「1つの(a)」及び「1つの(an)」という用語は、単数及び複数の両方を指す。KLEBOSOL(商標)1598-B25粒子などのKLEBOSOL(商標)粒子(AZ Electronic Materials社製、DuPont Electronics,Inc.から入手可能)は、水ガラス法によって調製される。特に断らない限り、すべてのパーセンテージは重量による。すべての数値範囲は両端を含み、そのような数値範囲が合計して最大100%に制約されることが論理的である場合を除いて、任意の順序で組み合わせることができる。
【0013】
本発明の、ポリシリコンを含有する基板を研磨する方法は、
水と、砥粒粒子と、有機酸と、任意選択的に、2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物と、任意選択的に、殺生物剤と、からなる酸性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーを提供するステップと;
水と、次式、すなわち
【化2】

(式中、R及びRは独立してC-Cアルキルから選択され、R’はC-Cアルキレンである)
を有するアミン化合物と、任意選択的に殺生物剤と、からなるアルカリ性水溶液を提供するステップと;
酸性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーとアルカリ性水溶液とを混合して、水と、砥粒粒子と、有機酸と、アミン化合物と、任意選択的な殺生物剤と、任意選択的な2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物と、からなるアルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーを形成するステップと;を含む。
【0014】
好ましくは、ポリシリコンを含む基板をケミカルメカニカルポリッシングする方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングスラリー及び溶液に含まれる水は、付随的な不純物を制限するために、脱イオン化されたもの及び蒸留されたものの少なくとも一方である。
【0015】
好ましくは、ケミカルメカニカルポリッシングスラリーに使用される砥粒は、無機酸化物、無機水酸化物、無機水酸化物酸化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属窒化物、及び前述の少なくとも1つを含む混合物からなる群から選択される。適切な無機酸化物には、例えば、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、セリア(CeO)、酸化マンガン(MnO)、酸化チタン(TiO)、又は前述の酸化物の少なくとも1つを含む組み合わせが含まれる。所望であれば、これらの無機酸化物の修飾形態、例えば無機被覆粒子も利用することができる。適切な金属炭化物、ホウ化物及び窒化物には、例えば、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭窒化ケイ素(SiCN)、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、ホウ化アルミニウム、炭化タンタル、炭化チタン、又は前述の金属炭化物、ホウ化物及び窒化物の少なくとも1つを含む組み合わせが含まれる。より好ましくは、砥粒はコロイダルシリカ砥粒である。好ましくは、コロイダルシリカ砥粒は、フュームドシリカ、沈降シリカ及び凝集シリカの少なくとも1つを含む。
【0016】
好ましくは、本発明のケミカルメカニカルポリッシング組成物に使用される砥粒は、100nm以下(より好ましくは、1~100nm)の平均粒径を有する。より好ましくは、本発明のケミカルメカニカルポリッシング組成物に使用される砥粒は、動的光散乱法(DLS)によって測定される100nm以下(好ましくは、1~100nm、より好ましくは10~80nm、さらに好ましくは20~80nm、最も好ましくは60~30nm)の平均粒径を有するコロイダルシリカ砥粒である。
【0017】
最も好ましくは、本発明の基板研磨方法において、コロイダルシリカ砥粒粒子は、水ガラス法により作製されたコロイダルシリカ砥粒粒子である。水ガラス法によって製造された市販されているコロイダルシリカ砥粒粒子の例は、KLEBOSOL(商標)1598-B25スラリー(AZ Electronics Materials社製、DuPont Electronics,Inc.から入手可能)である。このようなコロイダルシリカ砥粒は、窒素含有シラン化合物と混合することができる。そのような混合物の例は、KLEBOSOL(商標)1598-B25スラリー(AZ Electronics Materials社製、DuPont Electronics,Inc.から入手可能)plus(1wt%シリカに対して0.01~0.02wt% DEAMS)である。
【0018】
任意選択的ではあるが、好ましくは、水性酸性砥粒スラリーは、N,N,N,N’,N’,N’-ヘキシルブチル-1,4-ブタンジアンモニウムジヒドロキシド(HBBAH)などの2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物を含む。このような化合物は、高いポリシリコン除去速度を維持しながら、貯蔵、輸送及び熱老化中のスラリーの安定化を高めるために水性酸性スラリーに含まれる。これらの化合物は、従来の量、好ましくは1~100ppm、より好ましくは5~50ppm POUで水性酸性砥粒スラリーに含まれる。
【0019】
本発明のケミカルメカニカルポリッシング組成物に含めることができるさらなる窒素含有化合物は、リジン、グルタミン、グリシン、イミノ二酢酸、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン及びトレオニンなどの1~8個の炭素原子を有するアミノ酸である。
【0020】
好ましくは、ケミカルメカニカルポリッシングスラリーは、6wt%以下の砥粒粒子、より好ましくは0.01~5wt%、さらに好ましくは0.05~3wt%、さらにより好ましくは1~3wt%、さらにより好ましくは1~2wt%の砥粒粒子を含有する。
【0021】
本発明の方法における水性酸性スラリーは、6未満、好ましくは3~5、より好ましくは4~5のpHを提供するために1つ以上の有機酸を含む。有機酸には、ジカルボン酸が含まれるが、それだけに限られない。ジカルボン酸には、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、グルタル酸、酒石酸、それらの塩又はそれらの混合物が含まれるが、それだけに限られない。より好ましくは、ケミカルメカニカルポリッシングスラリーはジカルボン酸を含有し、ジカルボン酸は、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、それらの塩及びそれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、ジカルボン酸は、シュウ酸、コハク酸、それらの塩及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、ジカルボン酸はコハク酸又はその塩である。
【0022】
酸性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーは、1~2,600ppm、好ましくは100~1,400ppm、より好ましくは100~1,350ppm、さらにより好ましくは100~1,000ppmの、ジカルボン酸などの有機酸を含有することができ、ジカルボン酸は、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、グルタル酸、酒石酸、それらの塩又はそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0023】
ケムパック又はアルカリ性水溶液に含まれるアミン化合物は、10~10,000ppm、好ましくは50~5000ppm、より好ましくは100~5000ppm、最も好ましくは100~2500ppmの量である。
【0024】
好ましくは、アミン化合物は、3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジエチレンジアミン、N,N-ジ-n-ブチルエチレンジアミン、3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン、N-イソプロピル-1、3-ジプロパンジアミン、2-ジメチルアミノ-2-プロピルアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、アミン化合物は、3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、アミン化合物は、3-(ジエチルアミノ)プロピルアミンである。
【0025】
本発明の、ポリシリコンを含む基板を研磨する方法において、アミンを含有するアルカリ性水溶液は、7を超えるpHを有する。好ましくは、アルカリ性水溶液は7超~13のpHを有する。より好ましくは、アルカリ性水溶液は8~12のpHを有する。さらにより好ましくは、アルカリ性水溶液のpHは10~12である。最も好ましくは、10~11.5、例えば10.5~11.5のpHが最も好ましい範囲である。
【0026】
任意選択的に、ケミカルメカニカルポリッシングスラリー及び水溶液は、殺生物剤、例えば、KORDEX(商標)MLX(9.5~9.9wt%のメチル-4-イソチアゾリン-3-オン、89.1~89.5wt%の水及び≦1.0%の関連する反応生成物)、又は2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン及び5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン(それぞれがThe Dow Chemical Companyによって製造)の活性成分を含有するKATHON(商標)ICP IIIを含有することができる(KATHON(商標)及びKORDEX(商標)は、DuPont Electronics,Inc.の商標である)。そのような殺生物剤は、当業者に知られているように、従来の量で本発明のケミカルメカニカルポリッシングスラリー及び水溶液に含めることができる。
【0027】
水性酸性スラリーとアルカリ性水溶液は、当技術分野で既知の任意の従来の方法によって一緒に混合して、水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーを形成することができる。典型的には、調整可能な速度を有する磁気ミキサーを使用して、酸性スラリーとアルカリ溶液とを混合することができる。混合は室温で行う。酸性スラリー及びアルカリ溶液は、1:100から100:1、好ましくは1:7から7:1、より好ましくは1:3から3:1、最も好ましくは1:1の重量比で混合される。混合は、ポリッシャ・プラテン上で、又はポリッシャ・プラテンに酸性スラリー及びアルカリ溶液を塗布する前に行うことができる。
【0028】
混合された酸性スラリーとケムパック若しくはアルカリ性水溶液は、7を超えるpHを有する水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーを形成する。酸性スラリーとケムパックとの混合は、短鎖アルキルアミンに起因して混合物をアルカリ性pHに上昇させる。混合プロセス中の酸性スラリーのpHの比較的急速な上昇は、砥粒粒子の凝集を防止する。好ましくは、水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーは7超~13のpHを有し、より好ましくは、水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーは8~12のpHを有し、さらにより好ましくは、水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーは10~12のpHを有する。最も好ましくは、10~11.5、例えば10.5~11.5のpHが最も好ましい範囲である。
【0029】
好ましくは、本発明の水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーは、水、砥粒粒子、有機酸、次式、すなわち
【化3】

(式中、R及びRは独立してC-Cアルキルから選択され、R’はC-Cアルキレン)を有するアミン化合物、任意選択的な2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物、及び任意選択的な殺生物剤からなり、該水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーのpHは、10より大きい。
【0030】
好ましくは、本発明の水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリー中のアミン化合物は、3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジエチレンジアミン、N,N-ジ-n-ブチルエチレンジアミン、3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン、N-イソプロピル-1、3-ジプロパンジアミン、2-ジメチルアミノ-2-プロピルアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、アミン化合物は、3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリー中のアミン化合物は3-(ジエチルアミノ)プロピルアミンである。
【0031】
好ましくは、水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーは、6wt%以下の砥粒粒子、より好ましくは0.01~5wt%、さらに好ましくは0.05~3wt%、さらにより好ましくは1~3wt%、さらにより好ましくは1~2wt%の砥粒粒子を含有する。
【0032】
水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーは、1~2,600ppm、好ましくは100~1,400ppm、より好ましくは100~1,350ppm、さらにより好ましくは100~1,000ppmの有機酸を含有することができる。好ましくは、有機酸はジカルボン酸である。
【0033】
アミンは、25~10,000ppm、好ましくは50~10000ppm、より好ましくは50~5000ppm、最も好ましくは100~2500ppmの量で水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーに含まれる。
【0034】
任意選択的であるが、好ましくは、本発明の水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーは、記載されるような2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物を含む。
【0035】
上記の殺生物剤は、当業者によく知られている従来の量で本発明の水性アルカリ性ケミカルメカニカルスラリーに含めることができる。
【0036】
より好ましくは、本発明の水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーは、水、1~3wt%砥粒粒子、100~1,350ppmのジカルボン酸、次式、すなわち
【化4】

(式中、R及びRは独立してC-Cアルキルから選択され、R’はC-Cアルキレン)を有する50~5000ppmのアミン化合物、任意選択的な2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物、及び任意選択的な殺生物剤からなり、該水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーのpHは、10超~11.5である。
【0037】
さらにより好ましくは、本発明の水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーは、水と、1~2wt%の砥粒粒子と、100~1000ppmのジカルボン酸と、100~2500ppmのアミン化合物と、からなり、該アミン化合物は、3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジエチレンジアミン、N,N-ジ-n-ブチルエチレンジアミン、3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン、N-イソプロピル-1、3-ジプロパンジアミン、2-ジメチルアミノ-2-プロピルアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、アミン化合物は、3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン及びそれらの混合物、任意選択的に、2つの第4級アンモニウム基を含有する化合物、及び任意選択的に、殺生物剤からなる群から選択され、水性アルカリ性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーのpHは10.5~11.5である。
【0038】
好ましくは、提供される基板は、ポリシリコン、及びTEOSやSiNなどの絶縁体を含む半導体基板であり、より好ましくは、基板は、ポリシリコン及びTEOSを含む半導体である。
【0039】
好ましくは、本発明の基板研磨方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、当技術分野で既知の任意の適切な研磨パッドであり得る。当業者は、本発明の方法において使用するための適切なケミカルメカニカルポリッシングパッドを選択することを知っている。より好ましくは、本発明の基板研磨方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、織布研磨パッド及び不織布研磨パッドから選択される。さらにより好ましくは、本発明の基板研磨方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドはポリウレタン研磨層を含む。最も好ましくは、本発明の基板研磨方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、ポリマー中空コア微粒子を含有するポリウレタン研磨層、及びポリウレタン含浸不織サブパッドを含む。好ましくは、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、研磨表面上に少なくとも1つの溝を有する。
【0040】
好ましくは、本発明の基板研磨方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との間の界面又は界面付近に設けられたケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨表面上に分注される。
【0041】
好ましくは、本発明の基板研磨方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との間の界面で、研磨される基板の表面に対して垂直な0.69~34.5kPaのダウンフォースで動的接触が生成される。
【0042】
本発明の、ポリシリコンを含む基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、300mm研磨機でプラテン速度が93~123回転/min、キャリア速度が87~117回転/min、ケミカルメカニカルポリッシング組成物の流量が40~300mL/min、公称ダウンフォースが21.4~24.1kPaを用い、ケミカルメカニカルポリッシングパッドが、ポリマー中空コア微粒子を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッドを含む場合に、500Å/min以上のポリシリコン除去速度、好ましくは、700Å/min以上、より好ましくは、1000Å/min以上、さらに好ましくは、1200Å/min以上、さらにより好ましくは、2000Å/minより高いポリシリコン除去速度を有する。
【0043】
以下の実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲を限定するためのものではない。
【0044】
実施例1
スラリー配合物
本実施例の水性酸性ケミカルメカニカルポリッシングスラリーは、KLEBOSOL(商標)1598-B25又はKLEBOSOL(商標)1598-B25plus(1wt%シリカに対して0.01~0.02wt% DEAMS)の砥粒を室温で水と混合することによって調製した。混合は、従来の実験室用磁気ミキサーを用いて行った。pHをコハク酸又は硝酸のいずれかで調整した。
【表1】
【0045】
実施例2
本発明のケミカルメカニカルポリッシングスラリー
以下の表に示すように、本発明のケミカルメカニカルポリッシング組成物を調製した。アミンを上記の実施例1のスラリーと混合した。成分を室温で混合した。
【表2】
【0046】
実施例3
比較ケミカルメカニカルポリッシングスラリー
以下の表に示すように、比較ケミカルメカニカルポリッシング組成物を調製した。アミンを上記の実施例1のスラリーと混合した。成分を室温で混合した。
【表3】
【0047】
実施例4
ポリシリコン除去速度及びTEOS除去速度
上記の表2及び表3の研磨スラリーの研磨実験を、Strasbaugh 6EC研磨機に設置された20.32cm(8インチ)角のブランケットウェーハで行った。研磨除去速度実験は、Novellus社製の20.32cm角のブランケット15kÅ厚TEOSシートウェーハ、及びWaferNet Inc.、Silicon Valley Microelectronics又はSKW Associates,Inc.から入手可能なポリシリコンブランケットウェーハで行った。すべての研磨実験は、(Rohm and Haas Electronic Materials CMP Inc.から市販されている)SP2310サブパッドと対になったIC1010ポリウレタン研磨パッドを使用して、21.4kPa(3.1psi)の典型的なダウンフォース、150mL/minのケミカルメカニカルポリッシング組成物流量、93rpmのテーブル回転速度及び87rpmのキャリア回転速度で行った。Kinik PDA33A-3ダイヤモンドパッドコンディショナー(Kinik Companyから市販されている)を使用して研磨パッドを表面仕上げ(dress)した。研磨パッドを、80rpm(プラテン)/36rpm(コンディショナー)において、15分間9ポンド(4.1kg)及び15分間7ポンド(3.2kg)のダウンフォースを使用して、コンディショナーで慣らした(broken in)。研磨の前に、7ポンド(3.2kg)のダウンフォースを使用して24秒間、研磨パッドを現場外(ex-situ)でさらにコンディショニングした。ポリシリコン除去速度及びTEOS除去速度は、KLA ASET F5X計測ツールを使用して決定した。
【表4】
【0048】
実施例5
ポリシリコンの静的エッチング速度
エッチング水溶液を以下の表5に示す。各水溶液は、pH調整なしで2500ppmのアミンを含有していた。CES1は、水及びpH=4.44を維持するのに十分な量のコハク酸のみを含んでいた。静的コロージョン試験は、ポリシリコンブランケットウェーハ(直径20cm)を2000gのサンプルに浸漬することによって行った。ポリシリコンウェーハを30分後に試験溶液から除去した。ポリシリコン膜のエッチング前後の厚さは、KLA Spectral FX200計測ツールを使用して測定した。総除去量は、エッチング前の厚さからエッチング後の厚さを差し引くことによって決定した(ウェーハ上の49点で測定)。次いで、静的エッチング速度(Å/min)を全除去(Å/30min)によって計算した。標準偏差は、エッチングの均一性を反映したウェーハ全体のエッチング速度の49点の値から計算した。
【表5】

ES1及びCES1は、表面の観察可能な粗面化なしに、ウェーハが滑らかで透明に見える最良の結果を有した。対照的に、CES2及びCES3は、それらの表面に実質的に観察可能に粗面化していた。CES4は、若干、観察可能な表面粗面化しており、CES5の表面は、著しい粗面化を伴っており品質に乏しいように見えた。
【0049】
実施例6
N,N-ジメチルエチレンジアミン及びエチレンジアミンのポリシリコン静的エッチング速度
各水溶液は、2500ppmのN,N-ジメチルエチレンジアミン又はエチレンジアミンを含有していた。各溶液は、pH調整なしでそのままにした。
【0050】
静的コロージョン試験は、ポリシリコンブランケットウェーハ(直径20cm)を2000gのサンプルに浸漬することによって行った。ポリシリコンウェーハを30分後に試験溶液から除去した。総除去量は、エッチング前の厚さからエッチング後の厚さを差し引くことによって決定した(ウェーハ上の49点で測定)。次いで、静的エッチング速度(Å/min)を全除去(Å/30min)によって計算した。標準偏差は、エッチングの均一性を反映したウェーハ全体のエッチング速度の49点の値から計算した。
【表6】

ES2は、CES6とは対照的に、ポリシリコンの静的エッチング速度の大幅な低下を示した。
【外国語明細書】