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特開2023-48139充電インレットの少なくとも1本の電気ピンに接触するための基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048139
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】充電インレットの少なくとも1本の電気ピンに接触するための基板
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/506 20060101AFI20230330BHJP
   H01R 13/504 20060101ALI20230330BHJP
   H01R 13/66 20060101ALI20230330BHJP
   H01R 43/20 20060101ALI20230330BHJP
   B60L 53/16 20190101ALI20230330BHJP
【FI】
H01R13/506
H01R13/504
H01R13/66
H01R43/20 Z
B60L53/16
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022149795
(22)【出願日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】2110170
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】518105024
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクス フランス エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ パマール
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ デュポン
(72)【発明者】
【氏名】ロマン アンセルミニ
【テーマコード(参考)】
5E021
5E063
5E087
5H125
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC34
5E021FC40
5E021MA25
5E063HA01
5E063HB14
5E063HB16
5E087EE02
5E087EE11
5E087FF03
5E087GG02
5E087JJ02
5E087JJ09
5E087MM02
5E087PP08
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR25
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125FF12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】充電インレットへのプリント回路基板およびロックデバイスの装着を簡略化し,
組立効率を向上する。
【解決手段】電気車両またはハイブリッド車両用の充電インレットのハウジングに配置された少なくとも1本の電気ピンに接触するための基板10であって、ロック方向Lに沿ってロック解除位置からロック位置へ移動するように構成されている、基板に関する。基板には、ロック方向に垂直な嵌合方向Mに延びる少なくとも1本のコンタクトピンを含むリードフレーム100がさらに設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車両またはハイブリッド車両用の充電インレットのハウジング(300)に配置された少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)に接触するための基板(10)であって、
前記基板(10)には、前記少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)を受け入れるように構成されている少なくとも1つの凹部(18、20、22、24、26、28、30、32、34)と、金属リードフレーム(100)とが設けられ、

前記金属リードフレーム(100)には、
前記少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)に電気的および/または熱的に接触するための少なくとも1つの接触領域(106、108)と、
前記金属リードフレーム(100)に平行な平面において嵌合方向(M)に沿って延び、かつ相手側コネクタ(400、402)の対応するコンタクトピン(T1~T8、TT1~TT4)に電気的に接触するように構成されている少なくとも1本のコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)と、
が設けられており、

前記金属リードフレーム(100)は、前記金属リードフレーム(100)と前記基板(10)との相対移動を防ぐように、前記基板(10)にしっかりと固定され、
前記基板(10)は、前記充電インレットの前記ハウジング(300)に対して、ロック方向(L)に沿って、前記基板(10)が前記ハウジング(300)にロックされないロック解除位置から、前記基板(10)が前記ハウジング(300)にロックされて、前記少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)に対する前記少なくとも1つの接触領域(106、108)の移動を防ぐロック位置へ可動であることを特徴とする、
基板(10)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの凹部(18、20、22、24、26、28、30、32、34)は、前記ロック方向(L)に沿って延びる長手方向軸(A)を有する長円形凹部(18、20、22、24、26、28、30)である、
請求項1に記載の基板(10)。
【請求項3】
前記少なくとも1本のコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)は、前記少なくとも1つの凹部(18、20、22、24、26、28、30)の前記長手方向軸(A)に垂直な前記嵌合方向(M)に沿って、前記基板(10)から外方に突出する、
請求項2に記載の基板(10)。
【請求項4】
前記凹部(18、20、22、24、26、28、30)の一部(E1)が、前記ロック位置で前記少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)に係合するためのスナップ嵌め固定手段(38)を含む、
請求項2または3に記載の基板(10)。
【請求項5】
前記スナップ嵌め固定手段(38)は肩部(40)によって形成され、
前記肩部(40)は、前記凹部(18、20、22、24、26、28、30)を画定する側壁(42)から部分的に突出し、前記基板(10)が延びる平面にある、
請求項4に記載の基板(10)。
【請求項6】
前記肩部(40)は、前記少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)に対して相補形状を有する半円形切欠き(44)を画定する、
請求項5に記載の基板(10)。
【請求項7】
電気ピン(AC、DC、G)をそれぞれ受け入れるための複数の凹部(18、20、22、24、26、28、30、32、34)を備え、
前記凹部(18、20、22、24、26、28、30、32、34)は、
- 貫通凹部(18、20、22、24、26)、
- 前記基板が延びる平面に平行なベースまで延びる非貫通凹部(28、30)、および/または、
- 前記基板に切欠きを形成する、長手方向軸に沿った開口面を有する開口凹部(32、34)
のうちの1つまたは複数である、
請求項2から6のいずれか一項に記載の基板(10)。
【請求項8】
前記基板(10)は、前記金属リードフレーム(100)にオーバモールドされたプラスチック要素である、
請求項1から7のいずれか一項に記載の基板(10)。
【請求項9】
前記ロック位置で前記ハウジング(300)の相補保持手段(312)に係合するように構成されているスナップ嵌め手段(46)をさらに備える、
請求項1から8のいずれか一項に記載の基板(10)。
【請求項10】
前記金属リードフレーム(100)は、前記基板(10)の同じ面から互いに平行に延びる複数のコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)の少なくとも1つの群(G1、G2)を含み、
前記少なくとも1つの群(G1、G2)の前記コンタクトピン(c1~c7、C1~C3)は、前記ロック方向(L)に所定のピッチ(P)で離間している、
請求項1から9のいずれか一項に記載の基板(10)。
【請求項11】
前記長手方向軸(A)に沿った前記少なくとも1つの凹部(18、20、22、24、26、28、30)の長手方向長さ(L2)が、前記所定のピッチ(P)に比例し、特に前記所定のピッチ(P)に相当する、
請求項2と組み合わせた、請求項10に記載の基板(10)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の基板(10)と、
電気車両またはハイブリッド車両用の充電インレットのハウジング(300)と、
を備えるアセンブリ(200)であって、
前記ハウジング(300)は、前記充電インレットの少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)を収容するように構成され、相手側コネクタ(400、402)のコンタクトピン(T1~T8、TT1~TT4)を嵌合方向(M)に受け入れるための少なくとも1つの嵌合開口部(308、310)を含み、
前記基板(10)は、前記ハウジング(300)に対して、前記嵌合方向(M)に垂直なロック方向(L)に沿って、ロック解除位置からロック位置へ可動である、
アセンブリ(200)。
【請求項13】
請求項10または11に記載の前記基板(10)を備え、
前記ハウジング(300)の前記少なくとも1つの嵌合開口部(308、310)は、前記ロック解除位置および前記ロック位置の両方で、前記少なくとも1つの群(G1、G2)の前記複数のコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)が前記少なくとも1つの嵌合開口部(308、310)に面するように、前記基板(10)に対して配置されている、
請求項12に記載のアセンブリ(200)。
【請求項14】
請求項11に記載の前記基板(10)を備え、
前記ハウジング(300)の前記少なくとも1つの嵌合開口部(308、310)は、前記少なくとも1つの群(G1、G2)に含まれるコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)の数よりも少なくとも1本多いコンタクトピン(T1~T8、TT1~TT4)を含む相手側コネクタ(400、402)を収容するようにさらに寸法決めされ、
前記相手側コネクタ(400、402)の前記コンタクトピン(T1~T8、TT1~TT4)は、同じ所定のピッチ(P)で離間している、
請求項13に記載のアセンブリ(200)。
【請求項15】
前記ロック位置で、特に、前記基板(10)のスナップ嵌め手段(46)を前記ハウジング(300)の相補保持手段(312)に係合させることによって、前記基板(10)は前記ハウジング(300)にスナップ嵌めされる、
請求項12から14のいずれか一項に記載のアセンブリ(200)。
【請求項16】
特にスナップ嵌め接続によって前記ハウジング(300)に取り付けられた、前記基板(10)を部分的に囲むためのカバーをさらに備え、前記カバーは、前記基板(10)を前記ロック解除位置から前記ロック位置へ移動させるための工具または指を受け入れるように構成されている少なくとも1つの開口部を含む、
請求項12から15のいずれか一項に記載のアセンブリ(200)。
【請求項17】
請求項12から16のいずれか一項に記載の前記アセンブリ(200)を形成するための組立方法であって、
a)前記基板(10)の前記少なくとも1本のコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)が、前記嵌合方向(M)に沿って、前記ハウジング(300)の前記嵌合開口部(308、310)に向かって延びる前記ロック解除位置において、前記基板(10)を前記ハウジング(300)に装着するステップと、次に、
b)前記嵌合方向(M)に垂直な前記ロック方向(L)に沿って、前記基板(10)を前記ハウジング(300)に対して前記ロック解除位置から前記ロック位置へ移動させるステップとを含む、組立方法。
【請求項18】
前記ステップa)の後および前記ステップb)の前に、前記組立方法は、特にスナップ嵌め接続によってカバーを前記ハウジング(300)に取り付けるステップを含み、
ステップb)は、前記カバーの開口部を通して工具または指を挿入することによって、前記基板(10)を前記ロック方向(L)に沿って移動させることを含む、
請求項17に記載の組立方法。
【請求項19】
c)前記嵌合開口部(308、310)に面した前記基板(10)のコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)の数よりも1本多いコンタクトピン(T1~T8、TT1~TT4)を含む試験プローブ(400、402)を、前記嵌合方向(M)に沿って前記嵌合開口部(308、310)に導入するステップであって、前記基板(10)および前記試験プローブ(400、402)の両方の前記コンタクトピン(c1~c7、C1~C3、T1~T8、TT1~TT4)は、同じ所定のピッチ(P)で離間している、ステップと、次に、
d)前記基板(10)の対応するコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)に接触しない前記試験プローブ(400、402)のコンタクトピン(T1~T8、TT1~TT4)の位置を電気的および/または機械的に検出するステップと、
によって、前記ハウジング(300)に対する前記基板(10)の位置を判定することをさらに含む、
請求項17または18に記載の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気車両またはハイブリッド車両、特にIEC62196規格に準拠した電気車両またはハイブリッド車両用の充電インレットのハウジングに配置された少なくとも1本の電気ピンに接触するための基板に関する。
【0002】
本発明はさらに、そのような基板とハウジングとのアセンブリ、ならびに基板とハウジングとを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気車両またはハイブリッド車両において、車両は、1つもしくは複数の電気モータのみによって、または部分的に1つもしくは複数の電気モータによって推進され、充電式バッテリなどの蓄電手段によって電力供給される。電気車両またはハイブリッド車両の1つもしくは複数のバッテリは、ケーブルによって再充電可能である。ケーブルは、充電ステーションに接続され、車両の充電インレットに接続可能な充電プラグによって終端する。充電インレットは、電気エネルギーを伝達するための複数の電気ピンが設けられたハウジングを備える。
【0004】
車両を販売する地域に合わせたいくつかの車両充電プラグ/インレット規格がある。例えば、電気車両に直流(DC)を急速充電するためのコンバインド充電システム(CCS)を使用することが知られている。このタイプの充電ソケットは、DCピンと単相または3相交流(AC)ピンとの両方を有することができる。DC電源は、その少なくとも150kWの電力および400V超の電圧により、比較的急速な、したがって有利なバッテリ再充電を可能にする。
【0005】
既知の充電インレットは、2本の信号ピン、すなわち、1本の近接パイロット(PP:proximity pilot)および1本の制御パイロット(CP:control pilot)をさらに含む。これらの信号ピンは、相手側コネクタ、特に車両の充電制御システムに電気的に接続する必要がある。
【0006】
さらに、バッテリの充電中に、電気ピンは、抵抗損によって確実に加熱される。安全上の理由で、それぞれの電気ピンに接触する温度センサによって、車両の充電インレットの電気ピンの温度を監視することが知られている。これらの温度センサも、車両の充電制御システムに電気的に接続する必要がある。
【0007】
車両の充電インレットのハウジングに固定して設置されたプリント回路基板によって、電気ピンと車両の充電制御システムのコネクタとの電気的接続を実現することが知られている。プリント回路基板は、車両の充電インレットの電気ピンに電気的および/または熱的に接触するように、固定して位置決めされている。
【0008】
電気的接続の確実性は、プリント回路基板と電気ピンとの電気的および/または熱的接触の質によって影響される。したがって、プリント回路基板に対する電気ピンの移動を防ぐために、電気ピンを車両の充電インレットのハウジングにロックすることが便利である。
【0009】
従来技術において、電気ピンのロックは、プラスチックから形成されたロックデバイスによって実現され、このロックデバイスは、ロックデバイスがハウジングにロックされないロック解除位置から、ロックデバイスがハウジングにロックされ、ハウジングおよびプリント回路基板に対する電気ピンの移動を防ぐロック位置へ、摺動可能に可動である。したがって、最初に、プリント回路基板をハウジングに固定して取り付ける必要がある。次に、ロックデバイスをプリント回路基板に設ける必要がある。ロックデバイスは、最初はロック解除位置で装着される。その後、ロックデバイスをロック位置へ移動させるために、ロックデバイスの並進移動(translation)が必要である。
このタイプの従来技術のアセンブリは、操作者が比較的多くの動作を行う必要があり、いくつかの動作は自動化できないか、または容易には自動化できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、充電インレットへのプリント回路基板およびロックデバイスの装着を簡略化する必要があるため、組立効率を向上させることである。
【0011】
さらに、ロックデバイスは通常、カバーで覆い隠されているため、ハウジングに対するロックデバイスの位置を検出すること、したがって、ロックデバイスがロック位置に正しく摺動したかどうかを判定することは簡単にはできない。したがって、操作者による視覚制御は容易ではなく、または不可能にさえなる。
【0012】
したがって、組立効率を向上させるという目的は、ロックデバイスがロック位置に正しく並進移動したかどうかをより容易に確認するために、ハウジングに対するロックデバイスの位置の判定を容易にすることをさらに含む。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、電気車両またはハイブリッド車両用の充電インレットのハウジングに配置された少なくとも1本の電気ピンに接触するための基板であって、少なくとも1本の電気ピンを受け入れるように構成されている少なくとも1つの凹部が設けられ、金属リードフレームであって、少なくとも1本の電気ピンに電気的および/または熱的に接触するための少なくとも1つの接触領域と、前記リードフレームに平行な平面において嵌合方向に沿って延び、かつ相手側コネクタの対応するコンタクトピンに電気的に接触するように構成されている少なくとも1本のコンタクトピンとが設けられた金属リードフレームを備えた基板を提供することによって、上記の目的に対処する。
本発明によれば、金属リードフレームは、金属リードフレームと基板との相対移動を防ぐように、基板にしっかりと固定され、基板は、充電インレットのハウジングに対して、ロック方向に沿って、基板がハウジングにロックされないロック解除位置から、基板がハウジングにロックされて、少なくとも1本の電気ピンに対する少なくとも1つの接触領域の移動を防ぐロック位置へ可動である。
【0014】
金属リードフレームの接触機能と金属リードフレームをロックするためのロック機能とが、単一のデバイス、すなわち本発明による基板において有利に統合されている。
【0015】
したがって、本発明による基板により、電気車両またはハイブリッド車両用の充電インレットの部品の数を有利に減らすことができ、それにより、アセンブリを簡略化することができ、コストおよび組立時間の両方を削減することができる。
【0016】
本発明による基板を、様々な有利な実施形態によりさらに改良することができる。
【0017】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの凹部は、ロック方向に沿って延びる長手方向軸を有する長円形凹部を有することができる。
【0018】
長円形凹部は、全体として円形断面を有する電気ピンに対する基板の移動、特に並進移動を可能にするように適合させた形状を有する。
【0019】
一実施形態によれば、少なくとも1本のコンタクトピンは、少なくとも1つの凹部の前記長手方向軸に垂直な嵌合方向に沿って、基板から外方に突出することができる。
【0020】
前記長手方向軸がロック方向に平行であるため、少なくとも1本のコンタクトピンは、ロック方向に垂直な方向に沿って突出する。したがって、嵌合方向はロック方向に垂直である。したがって、ロック方向に沿った基板の移動により、リードフレームの少なくとも1本のコンタクトピンがロック方向に沿ってずれる。
【0021】
さらに、コンタクトピンが基板から外方に突出するため、コンタクトピンの突出部は、相手側コネクタの対応するコンタクトピンに接触させることができる接触部として機能することができる。
【0022】
一実施形態によれば、前記凹部の一部が、ロック位置で少なくとも1本の電気ピンに係合するためのスナップ嵌め固定手段(snap-fit fastening means)を含むことができる。
【0023】
したがって、基板のロック機能を、ねじなどの追加の部品の組立てを必要としない安全で使いやすい固定手段によって、確実に実現することができる。
【0024】
一実施形態によれば、前記スナップ嵌め固定手段を肩部によって形成することができ、この肩部は、前記凹部を画定する側壁から部分的に突出し、基板が延びる平面にある。
【0025】
したがって、基板は、スナップ嵌め接続を提供するように構造上設計されている。
【0026】
一実施形態によれば、前記肩部は、少なくとも1本の電気ピンに対して相補形状を有する半円形切欠きを画定することができる。
【0027】
肩部により、凹部の寸法を、電気ピンの周囲の相補的な寸法まで小さくして、電気ピンとの摩擦によって基板を保持することができる。
【0028】
一実施形態によれば、基板は、電気ピンをそれぞれ受け入れるための複数の凹部を備えることができ、凹部は、貫通凹部、基板が延びる平面に平行なベースまで延びる非貫通凹部、および/または、基板に切欠きを形成する、長手方向軸に沿った開口面を有する開口凹部のうちの1つまたは複数である。
【0029】
貫通凹部は、交流(AC)ピンおよび保護アース用に使用することができる。
【0030】
非貫通凹部は、信号ピンPP、CP用に使用することができる。
【0031】
開口凹部は、直流(DC)ピン用に使用することができる。
【0032】
一実施形態によれば、基板は、金属リードフレームにオーバモールドされたプラスチック要素であってよい。
【0033】
したがって、金属リードフレームと基板との相対移動を防ぎながら、少なくとも1本のコンタクトピンと基板とは、しっかりと固定されて一緒に同時に移動する。
【0034】
一実施形態によれば、基板は、ロック位置でハウジングの相補保持手段に係合するように構成されているスナップ嵌め手段をさらに備えることができる。
【0035】
したがって、基板は、ねじなどの追加の固定手段を必要とすることなく、摩擦によってハウジングに容易に取り付けられるように構成されている。
【0036】
一実施形態によれば、金属リードフレームは、基板の同じ面から互いに平行に延びる複数のコンタクトピンの少なくとも1つの群を含むことができ、少なくとも1つの群のコンタクトピンは、ロック方向に所定のピッチで離間している。一実施形態によれば、長手方向軸に沿った少なくとも1つの凹部の長手方向長さが、所定のピッチに比例し、特に所定のピッチに相当し得る。
【0037】
したがって、基板がロック方向に移動すると、複数のコンタクトピンがロック方向に沿ってずれ、特に、複数のコンタクトピンが所定のピッチに比例した距離だけずれる。
【0038】
本発明の目的は、前述した実施形態のうちの1つまたは複数による基板と、電気車両またはハイブリッド車両用の充電インレットのハウジングとを備えるアセンブリであって、ハウジングは、充電インレットの少なくとも1本の電気ピンを収容するように構成され、相手側コネクタのコンタクトピンを嵌合方向に受け入れるための少なくとも1つの嵌合開口部を含み、基板は、ハウジングに対して、嵌合方向に垂直なロック方向に沿って、ロック解除位置からロック位置へ可動である、アセンブリによってさらに実現される。
【0039】
本発明によるアセンブリにおいて、金属リードフレームの接触機能と金属リードフレームをロックするためのロック機能とが、単一のデバイス、すなわち基板において有利に統合されている。
【0040】
したがって、基板により、電気車両またはハイブリッド車両の充電インレットのハウジングに組み付ける部品の数を有利に減らすことができ、それにより、アセンブリを簡略化することができ、コストおよび組立時間の両方を削減することができる。
【0041】
さらに、嵌合方向がロック方向に垂直であるため、基板がロック方向に沿って移動すると、金属リードフレームの少なくとも1本のコンタクトピンがロック方向に沿ってずれる。したがって、金属リードフレームの少なくとも1本のコンタクトピンのロック方向に沿ったずれを、ハウジングの嵌合開口部に嵌合方向に沿って挿入された相手側コネクタの対応するコンタクトピンなどの、ハウジングに対して固定された基準と比べて検出することができる。
【0042】
本発明によるアセンブリを、様々な有利な実施形態によりさらに改良することができる。
【0043】
一実施形態によれば、ハウジングの少なくとも1つの嵌合開口部は、ロック解除位置およびロック位置の両方で、少なくとも1つの群の複数のコンタクトピンが少なくとも1つの嵌合開口部に面するように、基板に対して配置されていてよい。
【0044】
したがって、嵌合開口部により、基板の少なくとも第1の群の複数のコンタクトピンのうちの各コンタクトピンに、例えば、相手側コネクタまたは試験プローブの対応するコンタクトピンがアクセスできる。
【0045】
一実施形態によれば、ハウジングの少なくとも1つの嵌合開口部は、少なくとも1つの群に含まれるコンタクトピンの数よりも少なくとも1本多いコンタクトピンを含む相手側コネクタを収容するようにさらに寸法決めされていてよく、前記相手側コネクタのコンタクトピンは、同じ所定のピッチで離間している。
【0046】
それにより、所定のピッチによって、基板のコンタクトピンを、嵌合方向に沿って、相手側コネクタまたは試験プローブの対応するコンタクトピンに位置合わせすることができる。
【0047】
したがって、基板のコンタクトピンにそれぞれ接触する相手側コネクタのコンタクトピンの位置を電気的または機械的に判定することによって、ロック方向に沿った基板の変位を検出することができる。
【0048】
嵌合開口部により、基板よりも1本多いコンタクトピンを含む相手側コネクタまたは試験プローブを挿入することができるため、前記1本多いコンタクトピンは、基板のコンタクトピンに接触する必要がない。基板のいずれのコンタクトピンにも接触しない試験プローブのコンタクトピンの位置を判定することにより、ハウジングに対する基板の位置を判定することができる。
【0049】
したがって、本発明によるアセンブリにより、基板の正しいロックを試験することができる。
【0050】
一実施形態によれば、ロック位置で、特に、基板のスナップ嵌め手段をハウジングの相補保持手段に係合させることによって、基板をハウジングにスナップ嵌めすることができる。
【0051】
したがって、基板を、ねじなどの追加の固定手段を必要とすることなく、摩擦によってハウジングに容易に取り付けることができ、それにより、アセンブリを簡略化する。
【0052】
一実施形態によれば、アセンブリは、特にスナップ嵌め接続によってハウジングに取り付けられた、基板を部分的に囲むためのカバーをさらに備えることができ、前記カバーは、基板をロック解除位置からロック位置へ移動させるための工具または指を受け入れるように構成されている少なくとも1つの開口部を含む。
【0053】
カバーにより、基板をロック解除位置からロック位置へ移動させる、操作者による操作を妨げることなく、ハウジングに囲まれた要素を保護することができる。
【0054】
本発明はさらに、前述した実施形態のうちの1つのアセンブリを形成するための組立方法であって、a)基板の少なくとも1本のコンタクトピンが、嵌合方向に沿って、ハウジングの嵌合開口部に向かって延びるロック解除位置において、基板をハウジングに装着するステップと、次に、b)嵌合方向に垂直なロック方向に沿って、基板をハウジングに対してロック解除位置からロック位置へ移動させるステップとを含む、組立方法に関する。
【0055】
したがって、組立て中に、基板がロック位置に向かって移動することにより、リードフレームの接触領域を対応する電気ピンに同時に接触させることができ、ハウジングに対する基板の位置をロックすることができ、それにより、電気ピンに対する接触領域の望ましくない移動を防ぐ。
【0056】
したがって、この方法により、従来技術において必要なステップの数に対して組立ステップの数を減らすことができる。簡単でより費用効果の高い組立方法を実現することができる。
【0057】
一実施形態によれば、ステップa)の後およびステップb)の前に、組立方法は、特にスナップ嵌め接続によってカバーをハウジングに取り付けるステップを含むことができ、ステップb)は、前記カバーの開口部を通して工具または指を挿入することによって、基板をロック方向に沿って移動させることを含む。
【0058】
カバーにより、基板をロック解除位置からロック位置へ移動させる、操作者による操作を妨げることなく、ハウジングに囲まれた要素を保護することができる。
【0059】
一実施形態によれば、組立方法は、c)嵌合開口部に面した基板のコンタクトピンの数よりも1本多いコンタクトピンを含む試験プローブを、嵌合方向に沿って嵌合開口部に導入するステップであって、基板および試験プローブのコンタクトピンは、同じ所定のピッチで離間している、ステップと、次に、d)基板の対応するコンタクトピンに接触しない試験プローブのコンタクトピンの位置を電気的および/または機械的に検出するステップとによって、ハウジングに対する基板の位置を判定することをさらに含むことができる。
【0060】
所定のピッチによって、基板のコンタクトピンを、嵌合方向に沿って、試験プローブの対応するコンタクトピンにそれぞれ位置合わせすることができる。
【0061】
したがって、基板のコンタクトピンにそれぞれ接触する相手側コネクタのコンタクトピンの位置を電気的または機械的に判定することによって、ロック方向に沿った基板の変位を検出することができる。
【0062】
嵌合開口部により、基板よりも1本多いコンタクトピンを含む試験プローブを挿入することができるため、前記1本多いコンタクトピンは、基板のコンタクトピンに接触する必要がない。基板のいずれのコンタクトピンにも接触しない試験プローブのコンタクトピンの位置を判定するステップにより、ハウジングに対する基板の位置を判定することができる。
【0063】
それにより、基板の正しいロックを試験するための、使いやすく費用効果の高い試験方法が提供される。
【0064】
実施形態を特定の例に関して説明したが、本発明は限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多くの変更を加えることができる。様々な実施形態および例は、本発明によるさらなる実施形態または例を得るために、互いに自由に組み合わせることのできる個々の特徴を含む。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】本発明の第1の実施形態による基板の第1の面を示す図である。
図2図1に示す基板の第1の面とは反対側の第2の面を示す図である。
図3図1および図2に示す電気基板と、電気車両またはハイブリッド車両用の充電インレットのハウジングとのアセンブリを示す図である。
図4】基板のロック解除位置における、試験プローブが設けられた図3のアセンブリの上面図である。
図5】基板のロック位置における、試験プローブが設けられた図3のアセンブリの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1および図2に、本発明の第1の実施形態による基板10が示されている。図1は、基板10の第1の面12を示し、図2は、第1の面12とは反対側の、基板10の第2の面14を示す。以下で、図1および図2を一緒に説明する。
【0067】
基板10は、X軸に対する長さ「L1」およびY軸に対する幅「W1」に沿った平面(XY)に実質的に延びる、電気絶縁ベース16(以下「ベース16」)、特に成形プラスチックベース16を備える。図3に部分的に示され、以下でさらに説明するように、ベース16は、電気車両またはハイブリッド車両用の充電インレットのハウジングに挿入可能であるように寸法決めされている。
【0068】
本発明による基板10には、電気ピンを受け入れるように構成されている少なくとも1つの凹部が設けられ、この電気ピンは、以下の説明において、電気車両またはハイブリッド車両(図示せず)用の充電インレット(図3に部分的に示す)のハウジングの「コンタクト」または「端子」とも呼ばれる。
【0069】
第1の実施形態の例において、ベース16に5つの貫通凹部18、20、22、24、26が設けられている。4つの凹部18、20、22、24は、AC電気ピンをそれぞれ受け入れるように構成されている。中央凹部26は、接地ピン用に構成されている。
【0070】
第1の実施形態の例において、ベース16は2つの非貫通凹部28、30をさらに含み、これらの非貫通凹部28、30は、基板10の厚さ「t」に平行な方向に部分的に沿って第2の面16から延びている。したがって、非貫通凹部28、30は、第2の面16を示す図2においてのみ見ることができる。代わりに図1では、非貫通凹部28、30のそれぞれのベース28A、30Aのみを見ることができる。2つの非貫通凹部28、30は、信号ピン、すなわち1つの近接パイロット(PP)および1つの制御パイロット(CP)ピンをそれぞれ受け入れるように構成されている。
【0071】
第1の実施形態の例において、ベース16には、開口面32A、34Bをそれぞれ有する2つの開口凹部32、34も設けられている。開口凹部32、34はそれぞれ、基板10の一側面36から長手方向軸Aに沿って延びる切欠き32B、34Bを形成する。側面36は、基板10の第1の面12と第2の面16とを接続する。2つの開口凹部32、34は、DC電気ピンをそれぞれ受け入れるように構成されている。
【0072】
第1の実施形態の例において、少なくとも凹部18、20、22、24、26、28、30の各々は、長手方向軸Aに沿って長円形状を有する。したがって、凹部18、20、22、24、26、28、30の長手方向軸Aは互いに平行である。各凹部18、20、22、24、26、28、30は、長手方向軸Aに沿って長手方向長さL2を有する。わかりやすくするために、中央凹部26の長手方向長さL2のみが図2に示されている。長手方向長さL2は、それぞれの凹部の端面E1と反対側の端面E2との間に長手方向軸Aに沿って定義される。
【0073】
本発明によれば、基板10は、特に充電インレットと相手側コネクタとの嵌合プロセス中に、充電インレットのハウジングに対する電気ピンの移動を防ぐためのロック機能を提供するように構成されている。
【0074】
第1の実施形態の例において、基板10のロック機能は、凹部18、20、22、24、26において、それぞれのスナップ嵌め固定手段38によって実現される。各スナップ嵌め固定手段38は、対応する凹部18、20、22、24、26を画定する側壁42から部分的に突出する肩部40によって、端面E1に形成されている。肩部40は平面(XY)に延びている。肩部40は、対応する凹部18、20、22、24、26の端面E1に半径R1の半円形切欠き44を画定する。半径R1は、各対応する凹部18、20、22、24、26に挿入可能な電気ピンの半径と略同じになるように寸法決めされている。
したがって、それぞれの肩部40により、各凹部18、20、22、24、26の寸法を、電気ピンの周囲の相補的な寸法まで小さくして、前記電気ピン(図1および図2には示さず。以下で説明する図3参照)との摩擦によって基板10を保持することができる。したがって、基板10の平面(XY)における各凹部18、20、22、24、26の寸法は、端面E2において、長手方向軸Aに沿った反対側の端面E1よりも大きい。これにより、電気ピン、特にAC端子を端面E2で各凹部18、20、22、24、26に導入することができ、スナップ嵌め固定手段38によって、前記電気ピンを端面E1において摩擦により基板10に維持することができる。
このために、基板10は、充電インレットに対してロック方向Lに沿って移動する必要がある。以下で、図3図4、および図5に関して、基板10のロック移動についてさらに説明する。ロック方向Lは、長手方向軸A、すなわち凹部の長手方向伸長の方向に平行であることに留意されたい。
【0075】
DCコンタクト専用の2つの開口凹部32、34にも、半円形切欠き44が設けられている。DCコンタクトは通常、ACコンタクトよりも大きいため、各開口凹部32、34の半円形切欠き44の半径R2は、ACコンタクトの寸法に合わせた半径R1よりも大きくてよい。2つの開口凹部32、34には、半円形切欠き44よりも開口面32A、34Bにおいて、大きい寸法が設けられている。半円形切欠き44は、それぞれの開口凹部32、34の長手方向軸Aに沿って、各開口面32A、34Bとは反対側に配置されている。したがって、凹部18、20、22、24、26の場合と同様に、これにより、電気ピン、特にDC端子を開口面32A、34Bから各開口凹部32、34に導入することができ、前記電気ピンを半円形切欠き44において摩擦により基板10に維持することができる。
【0076】
第1の実施形態の例において、充電インレットのハウジングのシール性を向上させるために、基板10の凹部18、20、22、24のそれぞれに、ベース16の第1の面10から垂直に延びる、長さL3の囲壁が設けられている。
【0077】
さらに、例示的な第1の実施形態において、基板10は、充電インレット(図1および図2には示さず。以下で説明する図3参照)のハウジングの相補保持手段に係合するように構成されている2つのスナップ嵌め手段46を備える。スナップ嵌め手段46のそれぞれは、基板10の開口部50においてベース16から長手方向軸Aに沿って延びる2つのラッチアーム48を含む。ラッチアーム48は、フック部52Aを有する1つの自由端52によって終端する。ラッチアーム48により、スナップ嵌め手段46が偏向して、フック部52Aを充電インレット(図1および図2には示さず。以下で説明する図3参照)のハウジングの相補保持手段にロックすることができる。
【0078】
ベース16は、図1に参照符号54、56で示すような、第1の面12に設けられたさらなる凹部を含んで、基板10の成形に必要な材料の量を減らし、基板10を軽くすることができる。
【0079】
本発明によれば、ロック機能に加えて、基板10はまた、接触機能(contacting function)も提供するように構成されている。
【0080】
例えば、接触機能は、充電インレットの信号ピンを車両の制御システムの相手側コネクタに電気的に接続するのに必要である。接触機能は、充電インレットのAC端子およびDC端子の温度を監視するための温度センサの接続にも関連し得る。
【0081】
本発明によれば、基板10の接触機能は、第2の面16に設けられた金属リードフレーム100によって実現される。金属リードフレーム100は、金属リードフレーム100と基板10との相対移動を防ぐように、基板10にしっかりと固定されている。したがって、基板10が移動すると、金属リードフレーム100が同時に移動する。これにより、基板10とリードフレーム100とを一緒に移動させることができる。
【0082】
1つの製造変形形態(manufacturing variant)において、プラスチックベース16を射出成形によって成形することができ、金属リードフレーム100を金属板から別個に製造することができる。図2に示すように、金属リードフレーム100は、プラスチックバンプ102によって、基板10の第2の面16にしっかりと固定され、このプラスチックバンプ102は、金属リードフレーム100の貫通孔を通って、部分的に金属リードフレーム100上に延びる。
【0083】
別の製造変形形態において、基板10は、金属リードフレーム100にオーバモールドされたプラスチックベース16によって形成される。
【0084】
リードフレーム100は、接触領域106、108を第1の群G1のコンタクトピンc1~c7および第2の群G2のコンタクトピンC1~C3に接続する複数の導電性経路104を有して設計される。
【0085】
接触領域106は、凹部18、20、22、24のうちの1つまたは複数の近くでAC端子およびDC端子の温度を監視するように構成されている。基板10に温度センサを設けることができ、この温度センサは、基板10が充電インレットに組み付けられたときに電気端子に接触するように配置された熱伝導性パッド110で覆われている。
【0086】
凹部28、30の接触領域108は、特に信号ピンをクランプするように構成されている弾性ばねアーム112によって、充電インレットの信号ピンに電気的に接触するように構成されている。したがって、凹部28、30には、弾性ばねアーム112に加えて、凹部18、20、22、24、26、32、34に関して説明したような、各信号ピンを維持するためのスナップ嵌め手段38、44を必ずしも設ける必要はない。
【0087】
接地保護機能を有する中央凹部26には、接触領域が必要ないことに留意されたい。
【0088】
接触領域106、108のそれぞれからの電気信号を、コンタクトピンc1~c7およびC1~C3によって、充電インレットの相手側コネクタに伝送することができる。第1の実施形態の例において、コンタクトピンc1~c7、C1~C3はフラットピンである。図示しない変形形態において、コンタクトピンc1~c7、C1~C3のうちの1本または複数本は、フラットタブの代わりに波形可撓性脚端子を有する摺動導体コンタクトであってよい。
【0089】
7本のコンタクトピンc1~c7は、第1の群G1のコンタクトピンを形成し、凹部18、20、22、24、26、28、30の接触領域106、108に関連する。3本のコンタクトピンC1~C3は、第2の群G2のコンタクトピンを形成し、DCピンを受け入れることを見越した凹部32、34の接触領域106に関連する。コンタクトピンの数、1つの群当たりのコンタクトピンの数、およびコンタクトピンの群の数は限定されない。
【0090】
各コンタクトピンc1~c7、C1~C3は、嵌合方向Mに沿って、基板10の長手方向側面58(図1に示す)から垂直に、長さL3にわたって外方に突出する。長手方向側面58は、基板10の長さL1に沿って延びる。長手方向側面58は側面36に垂直である。前述したように、長手方向軸Aは長さL1に平行である。
【0091】
これにより、コンタクトピンc1~c7、C1~C3は、凹部18、20、22、24、26、28、30、32、34の長手方向軸Aに垂直に延びる。したがって、長手方向軸Aがロック方向Lに平行であるため、コンタクトピンc1~c7、C1~C3はまた、ロック方向Lに垂直に延びる。したがって、コンタクトピンc1~c7、C1~C3は嵌合方向Mに沿って延びるため、嵌合方向Mはロック方向Lに垂直である。
【0092】
第1の群のコンタクトピンc1~c7は、嵌合方向Mに沿って互いに平行であり、ロック方向Lに沿って所定のピッチPで離間している。同様に、平行なコンタクトピンC1、C2およびC2、C3は、ロック方向Lに沿って所定のピッチPで離間している。第1の実施形態の例において、所定のピッチPは、2つの群G1、G2のコンタクトピンについて同じである。しかしながら、変形形態において、所定のピッチPは、2つの群G1、G2の間で異なっていてもよい。
【0093】
凹部18、20、22、24、26、28、30の長手方向長さL2は、所定のピッチPの長さに比例し、特に所定のピッチPの長さに相当する。
【0094】
図3は、図1および図2に示す基板10と、電気車両またはハイブリッド車両(図示せず)用の充電インレットのハウジング300とのアセンブリ200を示す。図3において、ハウジング300の部分図のみを見ることができることに留意されたい。
【0095】
前述し、図1および図2に示したものと同じ参照符号の要素は、再び詳細には説明せず、上記の説明を参照する。
【0096】
ハウジング300は、ベース306から延びる側壁304によって境界を定めたキャビティ302を含む。ハウジング300は、プラスチック、特に電気絶縁プラスチック材料から、射出成形技術を使用して形成されている。
【0097】
ハウジング300のベース306に、図3に示す電気ピンDC+、DC-、AC、G(接地コンタクト用)などの充電インレットの電気ピンをそれぞれ受け入れるための複数のコンタクトチャンバが設けられている。信号ピンは、凹部28、30のベース28A、30Aの後ろに隠れているため、図3では見ることができない。電気ピンの数およびタイプは、充電インレットの規格に従って異なっていてよいことを理解されたい。
【0098】
図3に示すように、ハウジング300の側壁304に2つの嵌合開口部308、310が設けられ、これらの嵌合開口部308、310は、相手側コネクタまたは試験プローブ(図3には示さず。図4および図5参照)のコンタクトピンを嵌合方向Mに受け入れるように構成されている。
【0099】
嵌合開口部308、310は、嵌合開口部308、310における相手側コネクタ(図3には示さず)とハウジング300との嵌合方向Mに沿って延びる、長さL4のリム308A、310Aによって、それぞれ囲まれている。
【0100】
図3に示すアセンブリ200において、基板10は、基板10のロック解除位置で、ハウジング300のキャビティ302内に位置決めされている。リードフレーム100が設けられた基板10の第2の面14は、ハウジング300のベース306に面している。したがって、基板10の第2の面14(図3の図では見ることができない)に設けられた接触領域106、108を、電気ピンDC+、DC-、AC、Gおよび信号ピン(図3の図では見ることができない)に接触させることができる。
【0101】
ハウジング300の嵌合開口部308、310と基板10の側壁58とは、群G1、G2のコンタクトピンが嵌合方向Mに沿って嵌合開口部308、310に向かってそれぞれ突出するように、アセンブリ200において配置されている。
【0102】
嵌合開口部308の長手方向寸法L5は、ロック方向Lに沿った第1の群G1の最初のコンタクトピンc1と最後のコンタクトピンc7との間の距離L6よりも大きい。
【0103】
また(respectively)、嵌合開口部310の長手方向寸法L7は、ロック方向Lに沿った第2の群G2の最初のコンタクトピンC1と最後のコンタクトピンC3との間の距離L8よりも大きい。
【0104】
特に、嵌合開口部308、310の長手方向寸法L5、L7は、それぞれの距離L6、L8よりも少なくとも1ピッチP長い。
【0105】
その結果、ハウジング300の嵌合開口部308、310のそれぞれは、それぞれの群G1、G2に含まれるコンタクトピンの数よりも少なくとも1本多いコンタクトピンを含む相手側コネクタ(図4および図5にのみ、参照符号400、402で示す)をそれぞれ収容するように寸法決めされ、前記相手側コネクタのコンタクトピンは、同じ所定のピッチPで離間している。第1の実施形態の例において、嵌合開口部308は、所定のピッチPで離間した8本のコンタクトピンを含む相手側コネクタを受け入れるように適合させた長手方向寸法L5を有する。嵌合開口部310は、所定のピッチPで離間した4本のコンタクトピンを含む相手側コネクタを受け入れるように適合させた長手方向寸法L7を有する。
【0106】
図3は、本発明による組立方法の第1のステップも示す。組立方法の第1のステップで、基板10は、第2の面16がハウジング300のベース306に面するように、ハウジング300のキャビティ302に設置される。AC端子および接地端子が、それぞれの端面E2で長円形凹部18、20、22、24、26を通して挿入される。したがって、基板10のロック解除位置では、AC端子および接地端子は、各長円形凹部の長手方向軸Aに沿って端面E2とは反対側の端面E1に設けられたスナップ嵌め固定手段38によって、基板10に固定して維持されていない。
【0107】
DC+端子、DC-端子が、開口凹部32、34の開口面32A、34Aに位置決めされる。したがって、基板10のロック解除位置で、DC+端子、DC-端子は、半円形切欠き44において基板10に固定して維持されていない。
【0108】
群G1、G2のすべてのコンタクトピンが、基板10の凹部の長手方向軸Aに垂直に、それぞれ嵌合開口部308、310に向かって延びる。したがって、ロック解除位置で、群G1、G2のすべてのコンタクトピンに、相手側コネクタが嵌合開口部308、310からアクセスできる。
【0109】
図3に示すようなロック解除位置で、基板10はハウジング300にロックされていない。したがって、基板10のスナップ嵌め手段46のラッチアーム48は、基板10の開口部50に突出するハウジング300の対応する相補保持手段312にロックされていない。
【0110】
ハウジング300への基板10のロックは、基板10がハウジング300に対してロック方向Lに沿って並進移動することによって実現することができる。
【0111】
図4図3の上面図を示す。図5は、基板10のロック位置におけるアセンブリ200の上面図を示す。図4および図5の上面図により、ロック解除位置からロック位置への基板10の移動をより良く示すことができる。
【0112】
前述し、図1図3に示したものと同じ参照符号の要素は、再び詳細には説明せず、上記の説明を参照する。
【0113】
ロック方向Lに沿った並進移動により、基板10はロック解除位置から、図5に示すようなロック位置に移動することができる。
【0114】
前述したように、本発明によれば、ロック方向Lは、コンタクトピンc1~c7、C1~C3の長さL3に垂直である。その結果、本発明によれば、ロック方向Lは嵌合方向Mに垂直である。嵌合方向Mは、相手側コネクタのコンタクトピンを嵌合開口部308、310に挿入可能な方向として定義される。
【0115】
ロック位置で、基板10は、スナップ嵌め手段46によってハウジング300にロックされる。図5に示すように、ロック位置で、ラッチアーム48のフック部52Aが、ハウジング300の対応する相補保持手段312に当接する。
【0116】
さらに、ロック位置で、基板10がハウジング300に対してロック方向Lに沿って並進移動したことにより、各凹部18、20、22、24、26、28、30が、内部に挿入された対応する電気ピン(AC、DC、信号コンタクト)に対して並進移動している。その結果、対応する電気ピン(AC、DC、信号コンタクト)は、凹部の端面E1、すなわち、スナップ嵌め固定手段38または半円形切欠き44が設けられている凹部の端面に位置決めされる。したがって、ロック位置で、電気ピン(AC、DC、信号コンタクト)は、特にスナップ嵌め接続によって、すなわち摩擦によって、基板10に維持される。
これにより、リードフレーム100(図5では見ることができない)との接触の確実性に影響し得る電気ピン(AC、DC、信号コンタクト)の移動を防ぐことができる。実際には、基板10は接触領域106、108(図5では見ることができない)を担持しているため、ロック位置で、電気ピン(AC、DC、信号コンタクト)と接触領域106、108(図5では見ることができない)との安定した確実な電気的および/または熱的接触を、基板10によって得ることができる。
【0117】
したがって、接触機能とロック機能とが、基板10において有利に統合されている。
【0118】
したがって、基板10により、電気車両またはハイブリッド車両用の充電インレットの部品の数を有利に減らすことができ、それにより、アセンブリを簡略化することができ、コストおよび組立時間の両方を削減することができる。
【0119】
ハウジング300にスナップ嵌め接続することによって取り付けられた、基板10を部分的に囲むためのカバー(図示せず)が、ハウジング300に設けられていてもよいことに留意されたい。カバー(図示せず)は、基板10をロック解除位置からロック位置へ移動させるための工具または指を受け入れるように構成されている少なくとも1つの開口部を含むことができる。したがって、基板10により、電気車両またはハイブリッド車両用の充電インレットの部品の数を有利に減らすことができ、それにより、アセンブリ200を簡略化することができ、コストおよび組立時間の両方を削減することができる。
【0120】
さらに、本発明によれば、嵌合方向Mがロック方向Lに垂直であり、基板10がロック方向Lに沿って移動することにより、コンタクトピンc1~c7、C1、C3がロック方向Lに沿ってずれる。したがって、ロック方向Lに沿ったコンタクトピンc1~c7、C1、C3のずれを、ハウジング300に対して固定された基準と比べて検出することができる。
【0121】
試験プローブのコンタクトピンを固定された基準として使用すると、ロック解除位置からロック位置へのコンタクトピンc1~c7、C1、C3のずれを生じさせる基板10の構造により、ハウジング300に対する基板10の位置を有利に判定することができる。したがって、基板10がロック位置に正しく移動したかどうかを判定するための試験を行うことができる。
【0122】
そのような試験を示すために、図4および図5は、相手側ハウジング308に挿入された第1の試験プローブコネクタ400を示し、第2の試験プローブコネクタ402は、相手側ハウジング310に挿入されている。試験プローブコネクタ400、402は、嵌合方向Mに沿ってハウジング300に挿入されている。
【0123】
ロック方向Lに沿った7本のコンタクトピンc1~c7のずれを検出するために、試験プローブコネクタ400は、群G1よりも1本多いコンタクトピンを含む。その結果、図4および図5の例で、試験プローブコネクタ400は、8本のコンタクトピンT1~T8を含む。同じ理由で、試験プローブコネクタ402は、4本のコンタクトピンTT1~TT4、すなわち、群G2の3本のコンタクトピンC1、C2、C3よりも1本多いコンタクトピンを含む。
【0124】
試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT1~T8は、群G1のコンタクトピンc1~c7間と同じピッチ、すなわちピッチPで離間している。同様に、図4および図5の例で、試験プローブコネクタ402のコンタクトピンTT1~TT4は、ピッチPで離間している。
【0125】
図4に示すようなロック解除位置で、
- 基板10のコンタクトピンc1は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT1に位置合わせされ、コンタクトピンT1に接触する。
- 基板10のコンタクトピンc2は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT2に位置合わせされ、コンタクトピンT2に接触する。
- 基板10のコンタクトピンc3は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT3に位置合わせされ、コンタクトピンT3に接触する。
- 基板10のコンタクトピンc4は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT4に位置合わせされ、コンタクトピンT4に接触する。
- 基板10のコンタクトピンc5は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT5に位置合わせされ、コンタクトピンT5に接触する。
- 基板10のコンタクトピンc6は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT6に位置合わせされ、コンタクトピンT6に接触する。
- 基板10のコンタクトピンc7は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT7に位置合わせされ、コンタクトピンT7に接触する。
【0126】
基板10は試験プローブコネクタ400よりも1本少ないコンタクトピンを有しているため、ロック解除位置で、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT8は、基板10のコンタクトピンに接触しない。接触しないことは、従来技術のプローブ試験方法によって電気的または機械的に識別することができる。
【0127】
同様に、図4に示すようなロック解除位置で、
- 基板10のコンタクトピンC1は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ402のコンタクトピンTT1に位置合わせされ、コンタクトピンTT1に接触する。
- 基板10のコンタクトピンC2は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ402のコンタクトピンTT2に位置合わせされ、コンタクトピンTT2に接触する。
- 基板10のコンタクトピンC3は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ402のコンタクトピンTT3に位置合わせされ、コンタクトピンTT3に接触する。
【0128】
ロック解除位置で、試験プローブコネクタ402のコンタクトピンTT4は、基板10のコンタクトピンに接触しない。
【0129】
基板10がハウジング300に対して、嵌合方向Mに垂直なロック方向Lに沿って並進移動すると、基板10の各コンタクトピンc1~c7、C1~C3はハウジング300に対して変位する。一方、試験プローブコネクタ400、402のコンタクトピンT1~T7、TT1~TT4は、基板10のロック位置およびロック解除位置の両方で、ハウジング300に対して固定されたままである。
【0130】
特に、基板10の複数の凹部の長さL2により、基板10は、ハウジング300に対して、ロック方向Lに沿って1ピッチPの並進移動をすることができる。
【0131】
その結果、図5に示すようなロック位置で、
- 基板10のコンタクトピンc1は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT2に位置合わせされ、コンタクトピンT2に接触する。
- 基板10のコンタクトピンc2は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT3に位置合わせされ、コンタクトピンT3に接触する。
- 基板10のコンタクトピンc3は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT4に位置合わせされ、コンタクトピンT4に接触する。
- 基板10のコンタクトピンc4は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT5に位置合わせされ、コンタクトピンT5に接触する。
- 基板10のコンタクトピンc5は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT6に位置合わせされ、コンタクトピンT6に接触する。
- 基板10のコンタクトピンc6は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT7に位置合わせされ、コンタクトピンT7に接触する。
- 基板10のコンタクトピンc7は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT8に位置合わせされ、コンタクトピンT8に接触する。
【0132】
基板10は試験プローブコネクタ400よりも1本少ないコンタクトピンを有しているため、ロック位置で、試験プローブコネクタ400のコンタクトピンT1は、基板10のコンタクトピンに接触しない。
【0133】
同様に、図5に示すようなロック位置で、
- 基板10のコンタクトピンC1は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ402のコンタクトピンTT2に位置合わせされ、コンタクトピンTT2に接触する。
- 基板10のコンタクトピンC2は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ402のコンタクトピンTT3に位置合わせされ、コンタクトピンTT3に接触する。
- 基板10のコンタクトピンC3は、嵌合方向Mに沿って、試験プローブコネクタ402のコンタクトピンTT4に位置合わせされ、コンタクトピンTT4に接触する。
【0134】
ロック位置で、試験プローブコネクタ402のコンタクトピンTT1は、基板10のコンタクトピンに接触しない。
【0135】
したがって、ロック解除位置からロック位置まで、試験プローブコネクタ400、402のそれぞれの異なるコンタクトピンが、基板10のコンタクトピンに接触しない。これにより、ハウジング300内におけるロック方向Lに沿った基板10の並進移動位置を推定することができる。
【0136】
それにより、基板10の正しいロックを試験するための、使いやすく費用効果の高い試験方法が提供される。
【0137】
図面を参照しながら、本発明の追加の特徴および利点について説明した。説明において、本発明の好ましい実施形態を示すものである添付図面を参照した。そのような実施形態は、本発明の全範囲を表すものではないことを理解されたい。
【符号の説明】
【0138】
10 基板
12 基板の第1の面
14 基板の第2の面
16 電気絶縁ベース
18、20、22、24、26 貫通凹部
28、30 非貫通凹部
28A、30A ベース
32、34 開口凹部
32A、34A 開口面
32B、34B 切欠き
36 側面
38 スナップ嵌め固定手段
40 肩部
42 側壁
44 半円形切欠き
46 スナップ嵌め手段
48 ラッチアーム
50 開口部
52 自由端
52A フック部
54、56 凹部
58 側面
100 金属リードフレーム
102 プラスチックバンプ
104 導電性経路
106、108 接触領域
110 熱伝導性パッド
112 弾性ばねアーム
200 アセンブリ
300 ハウジング
302 キャビティ
304 側壁
306 ベース
308、310 嵌合開口部
312 ハウジングの相補保持手段
400、402 試験プローブコネクタ
E1、E2 長円形凹部の端面
c1~c7、C1~C3 基板10のコンタクトピン
G1、G2 コンタクトピンの群
L ロック方向
L1 基板の長さ
L2 凹部の長手方向長さ
L3 コンタクトピンc1~c7、C1~C3の長さ
L4 嵌合開口部308、310のリムの長さ
L5 長さ嵌合開口部308
L6 長さ第1の群G1
L7 長さ嵌合開口部310
L8 長さ第2の群G2
M 嵌合方向
P 所定のピッチ
R 半径
T1~T8 コンタクトピン
TT1~TT4 コンタクトピン
W1 基板の幅
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車両またはハイブリッド車両用の充電インレットのハウジング(300)に配置された少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)に接触するための基板(10)であって、
前記基板(10)には、前記少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)を受け入れるように構成されている少なくとも1つの凹部(18、20、22、24、26、28、30、32、34)と、金属リードフレーム(100)とが設けられ、

前記金属リードフレーム(100)には、
前記少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)に電気的および/または熱的に接触するための少なくとも1つの接触領域(106、108)と、
前記金属リードフレーム(100)に平行な平面において嵌合方向(M)に沿って延び、かつ相手側コネクタ(400、402)の対応するコンタクトピン(T1~T8、TT1~TT4)に電気的に接触するように構成されている少なくとも1本のコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)と、
が設けられており、

前記金属リードフレーム(100)は、前記金属リードフレーム(100)と前記基板(10)との相対移動を防ぐように、前記基板(10)にしっかりと固定され、
前記基板(10)は、前記充電インレットの前記ハウジング(300)に対して、ロック方向(L)に沿って、前記基板(10)が前記ハウジング(300)にロックされないロック解除位置から、前記基板(10)が前記ハウジング(300)にロックされて、前記少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)に対する前記少なくとも1つの接触領域(106、108)の移動を防ぐロック位置へ可動であることを特徴とする、
基板(10)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの凹部(18、20、22、24、26、28、30、32、34)は、前記ロック方向(L)に沿って延びる長手方向軸(A)を有する長円形凹部(18、20、22、24、26、28、30)である、
請求項1に記載の基板(10)。
【請求項3】
前記少なくとも1本のコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)は、前記少なくとも1つの凹部(18、20、22、24、26、28、30)の前記長手方向軸(A)に垂直な前記嵌合方向(M)に沿って、前記基板(10)から外方に突出する、
請求項2に記載の基板(10)。
【請求項4】
前記凹部(18、20、22、24、26、28、30)の一部(E1)が、前記ロック位置で前記少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)に係合するためのスナップ嵌め固定手段(38)を含む、
請求項2に記載の基板(10)。
【請求項5】
前記スナップ嵌め固定手段(38)は肩部(40)によって形成され、
前記肩部(40)は、前記凹部(18、20、22、24、26、28、30)を画定する側壁(42)から部分的に突出し、前記基板(10)が延びる平面にある、
請求項4に記載の基板(10)。
【請求項6】
前記肩部(40)は、前記少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)に対して相補形状を有する半円形切欠き(44)を画定する、
請求項5に記載の基板(10)。
【請求項7】
電気ピン(AC、DC、G)をそれぞれ受け入れるための複数の凹部(18、20、22、24、26、28、30、32、34)を備え、
前記凹部(18、20、22、24、26、28、30、32、34)は、
- 貫通凹部(18、20、22、24、26)、
- 前記基板が延びる平面に平行なベースまで延びる非貫通凹部(28、30)、および/または、
- 前記基板に切欠きを形成する、長手方向軸に沿った開口面を有する開口凹部(32、34)
のうちの1つまたは複数である、
請求項2に記載の基板(10)。
【請求項8】
前記基板(10)は、前記金属リードフレーム(100)にオーバモールドされたプラスチック要素である、
請求項1に記載の基板(10)。
【請求項9】
前記ロック位置で前記ハウジング(300)の相補保持手段(312)に係合するように構成されているスナップ嵌め手段(46)をさらに備える、
請求項1に記載の基板(10)。
【請求項10】
前記金属リードフレーム(100)は、前記基板(10)の同じ面から互いに平行に延びる複数のコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)の少なくとも1つの群(G1、G2)を含み、
前記少なくとも1つの群(G1、G2)の前記コンタクトピン(c1~c7、C1~C3)は、前記ロック方向(L)に所定のピッチ(P)で離間している、
請求項1または2に記載の基板(10)。
【請求項11】
前記長手方向軸(A)に沿った前記少なくとも1つの凹部(18、20、22、24、26、28、30)の長手方向長さ(L2)が、前記所定のピッチ(P)に比例し、特に前記所定のピッチ(P)に相当する、
請求項2と組み合わせた、請求項10に記載の基板(10)。
【請求項12】
請求項1からのいずれか一項に記載の基板(10)と、
電気車両またはハイブリッド車両用の充電インレットのハウジング(300)と、
を備えるアセンブリ(200)であって、
前記ハウジング(300)は、前記充電インレットの少なくとも1本の電気ピン(AC、DC、G)を収容するように構成され、相手側コネクタ(400、402)のコンタクトピン(T1~T8、TT1~TT4)を嵌合方向(M)に受け入れるための少なくとも1つの嵌合開口部(308、310)を含み、
前記基板(10)は、前記ハウジング(300)に対して、前記嵌合方向(M)に垂直なロック方向(L)に沿って、ロック解除位置からロック位置へ可動である、
アセンブリ(200)。
【請求項13】
前記金属リードフレーム(100)は、前記基板(10)の同じ面から互いに平行に延びる複数のコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)の少なくとも1つの群(G1、G2)を含み、
前記少なくとも1つの群(G1、G2)の前記コンタクトピン(c1~c7、C1~C3)は、前記ロック方向(L)に所定のピッチ(P)で離間しており、

前記ハウジング(300)の前記少なくとも1つの嵌合開口部(308、310)は、前記ロック解除位置および前記ロック位置の両方で、前記少なくとも1つの群(G1、G2)の前記複数のコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)が前記少なくとも1つの嵌合開口部(308、310)に面するように、前記基板(10)に対して配置されている、
請求項12に記載のアセンブリ(200)。
【請求項14】
前記基板(10)の前記少なくとも1つの凹部(18、20、22、24、26、28、30、32、34)は、前記ロック方向(L)に沿って延びる長手方向軸(A)を有する長円形凹部(18、20、22、24、26、28、30)であり、

前記ハウジング(300)の前記少なくとも1つの嵌合開口部(308、310)は、前記少なくとも1つの群(G1、G2)に含まれるコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)の数よりも少なくとも1本多いコンタクトピン(T1~T8、TT1~TT4)を含む相手側コネクタ(400、402)を収容するようにさらに寸法決めされ、
前記相手側コネクタ(400、402)の前記コンタクトピン(T1~T8、TT1~TT4)は、同じ所定のピッチ(P)で離間している、
請求項13に記載のアセンブリ(200)。
【請求項15】
前記ロック位置で、特に、前記基板(10)のスナップ嵌め手段(46)を前記ハウジング(300)の相補保持手段(312)に係合させることによって、前記基板(10)は前記ハウジング(300)にスナップ嵌めされる、
請求項12に記載のアセンブリ(200)。
【請求項16】
特にスナップ嵌め接続によって前記ハウジング(300)に取り付けられた、前記基板(10)を部分的に囲むためのカバーをさらに備え、前記カバーは、前記基板(10)を前記ロック解除位置から前記ロック位置へ移動させるための工具または指を受け入れるように構成されている少なくとも1つの開口部を含む、
請求項12に記載のアセンブリ(200)。
【請求項17】
請求項12に記載の前記アセンブリ(200)を形成するための組立方法であって、
a)前記基板(10)の前記少なくとも1本のコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)が、前記嵌合方向(M)に沿って、前記ハウジング(300)の前記嵌合開口部(308、310)に向かって延びる前記ロック解除位置において、前記基板(10)を前記ハウジング(300)に装着するステップと、次に、
b)前記嵌合方向(M)に垂直な前記ロック方向(L)に沿って、前記基板(10)を前記ハウジング(300)に対して前記ロック解除位置から前記ロック位置へ移動させるステップとを含む、組立方法。
【請求項18】
前記ステップa)の後および前記ステップb)の前に、前記組立方法は、特にスナップ嵌め接続によってカバーを前記ハウジング(300)に取り付けるステップを含み、
ステップb)は、前記カバーの開口部を通して工具または指を挿入することによって、前記基板(10)を前記ロック方向(L)に沿って移動させることを含む、
請求項17に記載の組立方法。
【請求項19】
c)前記嵌合開口部(308、310)に面した前記基板(10)のコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)の数よりも1本多いコンタクトピン(T1~T8、TT1~TT4)を含む試験プローブ(400、402)を、前記嵌合方向(M)に沿って前記嵌合開口部(308、310)に導入するステップであって、前記基板(10)および前記試験プローブ(400、402)の両方の前記コンタクトピン(c1~c7、C1~C3、T1~T8、TT1~TT4)は、同じ所定のピッチ(P)で離間している、ステップと、次に、
d)前記基板(10)の対応するコンタクトピン(c1~c7、C1~C3)に接触しない前記試験プローブ(400、402)のコンタクトピン(T1~T8、TT1~TT4)の位置を電気的および/または機械的に検出するステップと、
によって、前記ハウジング(300)に対する前記基板(10)の位置を判定することをさらに含む、
請求項17に記載の組立方法。
【外国語明細書】