IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 上海▲けい▼朗智能科技有限公司の特許一覧

特開2023-48142配送ロボットの制御方法、配送システム及びコンピュータ可読記憶媒体
<>
  • 特開-配送ロボットの制御方法、配送システム及びコンピュータ可読記憶媒体 図1
  • 特開-配送ロボットの制御方法、配送システム及びコンピュータ可読記憶媒体 図2
  • 特開-配送ロボットの制御方法、配送システム及びコンピュータ可読記憶媒体 図3
  • 特開-配送ロボットの制御方法、配送システム及びコンピュータ可読記憶媒体 図4
  • 特開-配送ロボットの制御方法、配送システム及びコンピュータ可読記憶媒体 図5
  • 特開-配送ロボットの制御方法、配送システム及びコンピュータ可読記憶媒体 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048142
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】配送ロボットの制御方法、配送システム及びコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20230330BHJP
【FI】
G05D1/02 P
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151658
(22)【出願日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】202111128023.7
(32)【優先日】2021-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521347066
【氏名又は名称】上海▲けい▼朗智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Keenon Robotics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】11/F, Bldg 56, No.1000, Jinghai Rd. China(Shanghai) Pilot Free Trade Zone(China)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 美華
(72)【発明者】
【氏名】劉 玉豪
(72)【発明者】
【氏名】楊 亜運
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB05
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD05
5H301DD15
5H301GG08
5H301GG09
5H301KK03
5H301KK07
5H301KK18
5H301LL03
5H301LL06
5H301LL11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】配送ロボットの制御方法を提供する。
【解決手段】配送エリアには所定のホームポイントがある。制御方法は、第1配送ロボットに対して妨害になる第2配送ロボットを認識するステップであって、前記第1配送ロボットは1つ以上の目標地点へ移動している作動状態にあり、前記第2配送ロボットはアイドル状態にあるステップと、前記第2配送ロボットと前記ホームポイントとの間の距離を算出するステップと、前記第2配送ロボットと前記ホームポイントとの間の距離に基づいて、前記第1配送ロボットを回避するように前記第2配送ロボットを制御するステップと、を含む。本発明は、アイドル状態にある配送ロボットがタスク実行中の配送ロボットを阻む状況に対して回避判断ロジックを提案し、アイドル状態の配送ロボットに回避させるように制御して、配送効率を向上させるとともに混雑を避けることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送ロボットの制御方法であって、
第1配送ロボットに対して妨害になる第2配送ロボットを認識するステップであって、前記第1配送ロボットは1つ以上の目標地点へ移動している作動状態にあり、前記第2配送ロボットはアイドル状態にあるステップと、
前記第2配送ロボットとホームポイントとの間の距離を算出するステップであって、前記ホームポイントは配送エリアにおける予め決められたホームポイントであるステップと、
前記第2配送ロボットと前記ホームポイントとの間の距離に基づいて、前記第1配送ロボットを回避するように前記第2配送ロボットを制御するステップと、を含む
ことを特徴とする制御方法。
【請求項2】
前記第2配送ロボットと前記ホームポイントとの間の距離に基づいて、前記第1配送ロボットを回避するように前記第2配送ロボットを制御する前記ステップは、
前記第2配送ロボットの停止地点と前記ホームポイントとの間の距離が第1所定距離以下である場合、前記ホームポイントに移動して回避するように、前記第2配送ロボットを制御するステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記配送エリアには1つ以上の回避エリアが設けられており、
前記第2配送ロボットと前記ホームポイントとの間の距離に基づいて、前記第1配送ロボットを回避するように前記第2配送ロボットを制御する前記ステップは、
前記停止地点と前記ホームポイントとの間の距離が前記第1所定距離より大きい場合、前記1つ以上の回避エリアのうちの1つの回避エリアに移動して回避するように、前記第2配送ロボットを制御するステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記停止地点に最も近接する回避エリアを特定するステップと、
前記最も近接する回避エリアに移動するように前記第2配送ロボットを制御するステップと、をさらに含む
ことを特徴とする請求項3に記載の制御方法。
【請求項5】
前記第1配送ロボットが前記停止地点を通過した後、前記停止地点に戻るように前記第2配送ロボットを制御するステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記第1所定距離は3mである
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の制御方法。
【請求項7】
前記第1配送ロボットを回避するように前記第2配送ロボットを制御するとともに、前記第2配送ロボットが所定の音声及び/又は所定の動画を再生するように制御することをさらに含む
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項8】
第1配送ロボットに対して妨害になる第2配送ロボットを認識する前記ステップは、
前記第1配送ロボットによって、前記第1配送ロボットのルート上にある第2配送ロボットを検出するステップと、
前記第1配送ロボットによって、前記第2配送ロボットの位置をサーバに送信するステップと、
前記サーバが前記第2配送ロボットの状態を確定するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項9】
配送システムであって、
複数の配送ロボットと、制御システムとを備え、
前記制御システムは、前記複数の配送ロボットと通信するように構成され、且つ、請求項1に記載の制御方法を実行可能に構成される
ことを特徴とする配送システム。
【請求項10】
前記配送ロボットは、音声再生手段と画像表示手段とを備え、
前記音声再生手段と前記画像表示手段はいずれも前記制御システムに通信可能に接続され、
前記制御システムは、前記音声再生手段が前記配送ロボットの回避動作に関する情報を含む音声を再生するように制御可能に構成され、
前記制御システムは、前記画像表示手段が前記配送ロボットの回避動作に関する情報を含む画像を表示するように制御可能に構成される
ことを特徴とする請求項9に記載の配送システム。
【請求項11】
コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能コマンドを含み、
前記コンピュータ実行可能コマンドがプロセッサにより実行されるとき、請求項1に記載の制御方法が実行される
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテリジェントデバイスの技術分野に関し、特に、配送ロボットの制御方法、配送システム及びコンピュータ可読記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
配送ロボットは、所定のエリア内で品物を運搬するインテリジェントデバイスとして、人件費の節約や作業の効率化に寄与しており、レストラン、ホテル、病院、ショールームなどの適用シーンでますます普及されている。適用環境では、通常、使用上の需要に応じて複数の配送ロボットが必要となる。しかしながら、配送エリア内で移動又は停止する際、複数のロボットは互いに影響を与えるという問題がある。特に、一部の配送ロボットがタスクを実行している場合、様々な理由で、タスクを実行していないアイドル状態にある配送ロボットは配送タスクを実行しているロボットの進行ルートを阻むかもしれない。この状況に対して、従来の制御方法はロジックが混乱しており、回避ルールが不明確であるため、配送ロボットの作業効率に深刻な影響を与えてしまう。レストランなどの活動領域が比較的に狭いシーンでは、局所的な渋滞を引き起こして顧客の正常な通行に影響を与える可能性がある。
【0003】
なお、背景技術の記載は発明者の知る限りの技術であり、必ずしも当該分野における従来技術を代表するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術の少なくとも1つの欠陥に対して、配送ロボットの制御方法を提供する。当該制御方法によれば、タスクを実行していないアイドル状態にある配送ロボットがタスク実行中の配送ロボットの進行ルートを阻む場合、アイドル状態にある配送ロボットが回避するように制御することによって、効率化を図り、混雑を避ける。また、本発明は、このような制御方法の実行を支える配送システム及びコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明は以下の技術案を提供する。
配送ロボットの制御方法であって、第1配送ロボットに対して妨害になる第2配送ロボットを認識するステップであって、前記第1配送ロボットは1つ以上の目標地点へ移動している作動状態にあり、前記第2配送ロボットはアイドル状態にあるステップと、前記第2配送ロボットとホームポイントとの間の距離を算出するステップであって、前記ホームポイントは配送エリアにおける予め決められたホームポイントであるステップと、前記第2配送ロボットと前記ホームポイントとの間の距離に基づいて、前記第1配送ロボットを回避するように前記第2配送ロボットを制御するステップと、を含む。
【0006】
本発明の一実施様態において、前記第2配送ロボットと前記ホームポイントとの間の距離に基づいて、前記第1配送ロボットを回避するように前記第2配送ロボットを制御する前記ステップは、前記第2配送ロボットの停止地点と前記ホームポイントとの間の距離が第1所定距離以下である場合、前記ホームポイントに移動して回避するように前記第2配送ロボットを制御するステップを含む。
【0007】
本発明の一実施様態において、前記配送エリアには1つ以上の回避エリアが設けられており、前記第2配送ロボットと前記ホームポイントとの間の距離に基づいて、前記第1配送ロボットを回避するように前記第2配送ロボットを制御する前記ステップは、前記第2配送ロボットの停止地点と前記ホームポイントとの間の距離が前記第1所定距離以上である場合、前記1つ以上の回避エリアのうちの1つの回避エリアに移動して回避するように前記第2配送ロボットを制御するステップをさらに含む。
【0008】
本発明の一実施様態において、当該制御方法は、前記第2配送ロボットの停止地点に最も近接する回避エリアを特定するステップと、前記最も近接する回避エリアに移動するように前記第2配送ロボットを制御するステップと、をさらに含む。
【0009】
本発明の一実施様態において、当該制御方法は、前記第1配送ロボットが前記停止地点を通過した後、前記停止地点に戻るように前記第2配送ロボットを制御するステップ、をさらに含む。
【0010】
本発明の一実施様態において、前記第1所定距離は3mである。
【0011】
本発明の一実施様態において、当該制御方法は、前記第1配送ロボットを回避するように前記第2配送ロボットを制御するとともに、前記第2配送ロボットが所定の音声及び/又は所定の動画を再生するように制御することをさらに含む。
【0012】
本発明の一実施様態において、第1配送ロボットに対して妨害になる第2配送ロボットを認識する前記ステップは、前記第1配送ロボットによって、前記第1配送ロボットのルート上に位置する前記第2配送ロボットを検出するステップと、前記第1配送ロボットによって、前記第2配送ロボットの位置をサーバに送信するステップと、前記サーバが前記第2配送ロボットの状態を確定するステップと、を含む。
【0013】
本発明の一実施様態においては、複数の配送ロボットと、制御システムとを備える配送システムを提供する。前記制御システムは、前記複数の配送ロボットと通信するように構成され、且つ、前記の制御方法を実行可能に構成される。
【0014】
本発明の一実施様態において、前記配送ロボットは音声再生手段と画像表示手段とを備え、前記音声再生手段と前記画像表示手段はいずれも前記制御システムに通信可能に接続され、前記制御システムは、前記音声再生手段が前記配送ロボットの回避動作に関する情報を含む音声を再生するように制御可能に構成され、前記制御システムは、前記画像表示手段が前記配送ロボットの回避動作に関する情報を含む画像を表示するように制御可能に構成される。
【0015】
本発明の一実施様態においては、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体は、それに格納されたコンピュータ実行可能コマンドを含み、前記コンピュータ実行可能コマンドがプロセッサにより実行される場合、前記の制御方法が実行される。
【発明の効果】
【0016】
従来技術に比べて、本発明の実施形態に係る配送ロボットの制御方法は、アイドル状態の配送ロボットがタスク実行中の配送ロボットを阻む状況に対する回避判断ロジックを提案して、アイドル状態の配送ロボットが回避するように制御し、配送効率を向上させて混雑の発生を防ぐ。また、本発明の実施形態は、本発明による配送方法の実行を支える配送システム及びコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
なお、添付の図面は、本発明がよりうまく理解されるために用いられ、本明細書の一部として、本発明の実施形態とともに本発明の解釈に寄与し、本発明に対する限定にはならない。
図1】本発明の一実施形態のフローチャートである。
図2】本発明の一実施形態における、第2配送ロボットとホームポイントとの間の距離を判断することを含むフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態の具体的なフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態における、第2ロボットと目標地点との間の距離を判断することを含むフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態による配送システムの概略図である。
図6】本発明の一実施形態による適用場面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、特定の例示的な実施形態のみについて簡潔に説明する。当業者に認識され得るように、記載された実施形態は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な方法で修正され得る。したがって、添付の図面及び明細書は本質的に、限定的なものではなく、例示的なものとして考えられる。
【0019】
本発明の記載において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などの用語により指示される方向又は位置関係は添付図面に基づいて示された方向又は位置関係であり、これらの用語は容易に本発明を説明し且つ説明を簡略化するためのものに過ぎず、これらの用語により指される装置又は要素が必ず特定の方向を有するか又は特定の方向に従って構成や操作されることを指示又は示唆するわけではない。したがって、これらの用語は本発明を限定するものとして解釈されてはいけない。さらに、「第1」、「第2」などの用語は説明の便宜上で使用されるものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は示唆するか又は暗黙のうちに示される技術的構成の数を特定するものとして理解されてはいけない。したがって、「第1」、「第2」などで修飾された構成は、明示的又は暗黙的に、1つ又は複数の当該構成を含むことができる。本発明の説明において、「複数」とは、別途説明されていない限り、2つ以上のことを意味する。
【0020】
本発明の説明において、明示的に規定又は限定されていない限り、「搭載」、「接続」、「連結」などの用語は広義に理解されるべきである。例えば、固定的な接続であってもよく、取り外し可能の接続であってもよく、一体化した接続であってもよく、また、機械的な接続であってもよく、電気的な接続もしくは相互通信であってもよく、また、直接接続であってもよく、中間媒体を介した間接接続であってもよく、2つの要素の内部での接続もしくは2つの要素間の相互作用であってもよい。当業者であれば、本発明の文脈における上記用語の具体的な意味を具体的な状況に照らして理解することができる。
【0021】
本発明において、特に明示的に限定されていない限り、第1の構成が第2の構成の「上」又は「下」にあることは、第1の構成及び第2の構成が直接接触することを含んでもよく、第1の構成及び第2の構成が直接接触せずにそれらの間にある別の構成を介して接触することを含んでもよい。さらに、第1の構成が第2の構成の「上」、「上方」又は「上部」にあることは、第1の構成が第2の構成の真上又は斜め上にあることを含んでもよく、又は単に第1の構成の水平高さが第2の構成の水平高さより高いことを表してもよい。第1の構成が第2の構成の「下」、「下方」又は「下部」にあることは、第1の構成が第2の構成の真上又は斜め上にあることを含んでもよく、又は単に第1の構成の水平高さが第2の構成の水平高さより低いことを表してもよい。
【0022】
以下の開示は、本発明の異なる構造を実施するための多数の異なる実施形態又は実施例を提供する。以下、本発明の開示を簡略化するために、特定の実施例による構成及び設定について説明する。もちろん、これらは例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。また、本発明は、異なる例において同じ数字及び/又はアルファベットを符号として繰り返して使用することがあるが、このような繰り返しは、簡略化及び明確化のためのものに過ぎず、各実施形態及び/又は設定の間の関係を指示するものではない。さらに、特定のプロセス及び材料の様々な例が本発明によって提供されるが、当業者であれば、プロセスの他の応用及び/又は他の材料の使用について認識することができる。
【0023】
以下、図面を参考しながら本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本明細書に記載の好ましい実施形態は、本発明を説明と解釈するための内容に過ぎず、本発明を限定することを意図していないことが理解されたい。
【0024】
図1は本発明の一実施形態に係る、配送ロボットに適用する制御方法100のフローチャートであり、図6は本発明の一実施形態の適用場面の概略図である。以下、図1図6を参考しながら本発明の実施形態を説明する。
【0025】
図6に示すように、配送が行われる場所(例えば、レストラン、倉庫、デパートなど)は、場所の事情と使用上の需要に応じて予め区分されることができ、区分された後に適用シーンなどに応じてホームポイント(「原点」とも称されることができ、配送を行っていない配送ロボットが泊まる地点を意味する)の位置が設定されることができる。さらに、配送ロボット及び配送タスクにおける目標地点の位置を容易に確認及び説明するとともに配送タスクの実行ルートの計画に役立てるために、縦横に交差するグリッドを利用して配送エリアを区分したうえ、対応する座標系を構築することができる。また、配送が行われる場所の中には1つ以上の回避エリアが設けられている。図6には、回避エリアが場所の曲がり角又はエッジ部分に位置するように概略的に示されているが、本発明はこれに限定されず、回避エリアは他の位置(例えば広い通路のエッジ付近)に設けられてもよい。図6による配送システムは、複数の配送ロボット(図面に示される配送ロボットR1,R2,R3,R4)を含み、かつ、配送ロボットと通信するように構成されるサーバを含む。サーバは、前記配送ロボットの全部又は一部に対する制御機能を実行することができる。
【0026】
図1及び図6に示すように、配送ロボットの制御方法100は以下の内容を含む。
ステップS101において、第1配送ロボットR1に対して妨害になる第2配送ロボットを認識する。ここで、第1配送ロボットR1は作動状態にあり、1つ以上の目標地点に向かって移動している。作動状態とは、第1配送ロボットR1が配送タスクを実行していること、例えば、配送対象物を積載している状態で配送タスクの目標地点に向かって移動していることを意味する。一方、第2配送ロボットR2はアイドル状態にある。ここで、アイドル状態とは、全く具体的なタスクがない停滞状態ではなく、単に現時点の第2配送ロボットR2が品物配送のタスクを実行していないことを指す。例えば、第2配送ロボットR2は宣伝展示、BGMの再生、空気清浄消毒などのタスクを実行しているかもしれない。このとき、第2配送ロボットR2は固定位置にあるか又は固定エリア内で移動している。このステップにおいて、第2配送ロボットR2が第1配送ロボットR1に対して妨害になることは、第2配送ロボットR2の停止位置又は移動エリアが第1配送ロボットR1の配送ルート上にあって、第2配送ロボットR2が第1配送ロボットR1の通過を阻むことを意味する。
【0027】
ステップS102において、第2配送ロボットR2とホームポイントとの間の距離を算出する。配送エリアを図6に示すように区切るとともに座標を設定することができる。このステップにおけるホームポイントは、配送エリアにおいて予め決められた位置又はエリアであり、適用シーンにおける具体的な需要及び作動環境に応じて設定されることができる。第1の配送ロボットR1はホームポイントから出発して目標地点に向かって移動する。ホームポイントは、配送ロボットが配送対象物を積載する位置であってもよい。例えば、レストランにおいて配送ロボットが配膳タスクを担う場合には、ホームポイントを配膳口に設定することができ、配膳口の付近のスペースが不足している場合には、必要に応じて他の位置に設定することができる。また、例えば、顧客のために配送サービスを提供するホテルでは、顧客はホテルのコンビニから商品を注文することができ、その商品は配送ロボットにより部屋まで配送されることができる。この適用場面では、ホームポイントをコンビニ又は所定の発送場所に設定することができ、作業員が商品を積載した後、配送ロボットは目標地点へ移動して配送タスクを実行することができる。ホームポイントは、配送ロボットの充電位置、所定の停止位置あるいは展示用の窓口エリアなどのような他の位置に設定されることもできる。
【0028】
ステップS103において、第2配送ロボットR2とホームポイントとの間の距離に基づいて、第1配送ロボットR1を回避するように第2配送ロボットを制御する。本実施形態においては、配送タスクを実行している第1配送ロボットR1を回避するように、配送タスクがない第2配送ロボットR2を制御する。一方、第1配送ロボットR1は余計な操作又は方向変換、停止などを行う必要がなく、正常に作動して配送タスクの目標地点に向かって移動する。このように、複数の配送ロボットが乱雑に移動することを避けて、回避プロセスを簡略化する。また、配送対象物の種類が異なるため、配送ロボットが頻繁に方向転換することを回避できれば、配送対象物の品質を確保することができ、破損、紛失、こぼれなどの状況を防止することができる。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、図2に示すように、本発明の1つの実施例による制御方法200を開示する。当該制御方法200は、第2の配送ロボットとホームポイントとの間の距離に基づいて判断を行うことの具体的な形態を含む。以下、図2を参照しながら配送ロボットに適用する制御方法200について詳細に説明する。
【0030】
図2に示すように、配送ロボットの制御方法200は以下の内容を含む。
ステップS201において、第1配送ロボットR1に対して妨害になる第2配送ロボットを認識する。このステップにおいて、認識動作は、第1配送ロボットR1及び/又は第2の配送ロボットにより行われることができる。この場合、第1配送ロボットR1又は第2配送ロボットは、カメラ又はレーザレーダなどのような検出装置を備えてもよい。検出装置によって他の配送ロボットの存在が確認された場合、2台の配送ロボットは通信を実行してそれぞれのタスク状態を判断する。例えば、第1配送ロボットR1が目標地点に向かって配送タスクを実行しているとき、検出装置によって第2配送ロボットの位置情報を取得し、かつ相互通信によって第2配送ロボットは配送タスクを実行していないことを確認した場合、第1配送ロボットR1又は第2配送ロボットは、妨害が発生したか、又は妨害が発生する可能性があるかを認識することができる。或いは、第2配送ロボットの検出装置が配送タスク実行中の第1配送ロボットR1を検出した場合、両者は通信を確立し、第2配送ロボットは、第1配送ロボットR1の配送タスクの実行ルートを取得することで、自身が第1配送ロボットR1のタスクルートに位置して第1配送ロボットR1に対して妨害になっているか否かを認識する。さらに、認識プロセスにおいては、配送タスクを実行する第1配送ロボットR1が配送エリア内のすべての他の配送ロボットに自身のルート情報を送信して、他の配送ロボットが、第1配送ロボットR1に対して妨害になっているか否かを判断することもできる。さらに、認識プロセスは、バックグラウンドの制御システムにより実施されることもでき、第1配送ロボットR1及び第2配送ロボットR2の関連情報がすべて配送システムにより一括して処理及び制御される。これについては、後述する他の実施形態において詳しく説明する。
【0031】
ステップS202において、第2配送ロボットR2の停止地点を特定する。このステップにおける停止地点は、第2配送ロボットR2が回避動作を実行する前の位置であり、停止している実際の位置であってもよく、他のタスクで設定された移動エリアの位置であってもよい。停止地点を特定するプロセスは、第2配送ロボットR2が自ら記録するか又はバックグラウンドの制御システムにアップロードすること、又は、第1配送ロボットR1が第2配送ロボットR2を検出した後に第1配送ロボットR1が記録するか又はバックグラウンドの制御システムにアップロードして記憶すること、又は、バックグラウンドの制御システムが配送エリア内の各配送ロボットの位置をリアルタイムにモニタリングするとともに記録すること、を含むことができる。
【0032】
ステップS203において、停止地点とホームポイントとの間の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する。ここで、第1所定距離は予め設定された値であってもよい。例えば、ホームポイント周辺のスペースの大きさ、配送シーンの実際の状況及び需要、配送エリア内の配送ロボットの数などの具体的な状況及び需要に応じて、適切な距離を設定することができ、例えば、3mと設定することができる。
【0033】
ステップS204において、図6に示すように、停止地点とホームポイントとの間の距離が第1所定距離以下である場合、ホームポイントに戻って第1配送ロボットR1を回避するように、第2配送ロボットR2を制御する。このステップにおいて、配送タスクを実行していない第2配送ロボットR2は、ホームポイントからの距離が近く、第1所定距離以下である。この場合、第2配送ロボットR2は他のタスクを実行していないと考えられ、ホームポイント付近に停止しているのは人的な衝突や位置ずれによる可能性がある。このとき、第2配送ロボットR2を制御してホームポイントに戻させ、他のタスクが割り当てられるときまで待機させる。それに、停止地点がホームポイント付近にある配送ロボットは、ホームポイントから出発する配送ロボットに対して繰り返して妨害になるため、配送タスクの実行に重大な影響を与えてしまう。それに鑑みて、本実施形態では、第2配送ロボットR2がホームポイントに戻ってホームポイントに停止するように、制御することを提案する。
【0034】
ステップS205において、図6に示すように、停止地点とホームポイントとの間の距離が第1所定距離より大きい場合(例えば、R3が第2配送ロボットである場合)、所定の回避エリアへ移動するように、第2配送ロボットR3を制御する。ここで、回避エリアは配送エリア内で決められた1つ以上のエリアである。回避エリアは、配送タスクが行われる可能性のあるルート上に設けられず、配送タスクを実行しない配送ロボットが一時的に停止して配送タスク実行中の配送ロボットを回避するように設けられるものである。回避エリアも実際の環境に応じて予め設定されるものであり、人があまり通らないエッジ位置(例えば、壁の隅付近の位置)であってもよい。ステップS205において、第2配送ロボットR3が所定の回避エリアへ移動するように制御することは、第2配送ロボットが配送タスクを実行しない場合に自身又はバックグラウンドの制御システムを利用して第2配送ロボットの現在位置から回避エリアまでの移動ルートを計画することを含んでもよい。妨害が発生しかつ第2配送ロボットが回避エリアへ移動して回避するように制御する状況に該当する場合に、第2配送ロボットが予め計画された移動ルートに従って回避エリアに移動して回避するように制御すればよく、待機時間を最小限に抑えることができる。この場合、第2配送ロボットR3はホームポイントまでの距離が遠いため、ホームポイントに戻ると逆にホームポイント付近の渋滞を引き起こす恐れがある。そこで、配送エリア内に第2配送ロボットR3が一時的に停止するための回避エリアを設けることによって、配送エリア内の隅角位置を活用するとともに、エリア内で活動する他者に対する干渉を少なくし、混雑を回避する。さらに、本発明の一実施形態によると、図6に示すように、このステップにおいて、配送エリア内に複数の回避エリアが設けられた場合、第2配送ロボットR3の停止地点に最も近い回避エリアを選択し、第2配送ロボットR3が最も近い回避エリアに移動するように制御することができる。このように、回避距離を短くし、同じ時刻に移動する配送ロボットの総数を減らし、エネルギー消耗を低減することができる。
【0035】
本発明の一実施形態において、図3は配送ロボットの制御方法の詳細フローを示す。当該制御方法は、配送タスクを実行していない配送ロボットが配送タスク実行中の配送ロボットに対して妨害になることが、サーバにより認識されるプロセスを含む。以下、図3を参照しながら詳細に説明する。
【0036】
図3に示すように、ステップS301において、配送タスクを実行するように第1配送ロボットR1を制御する。すなわち、第1配送ロボットR1を、配送タスクを実行する配送ロボットと設定する。配送タスクは目標地点を含み、第1配送ロボットR1内部の制御システム又はバックグラウンドにある統合的な制御システムは、目標地点の位置情報とホームポイント位置に基づいて第1配送ロボットR1のタスクルートを確定し、第1配送ロボットR1が設定されたタスクルートに沿って目標地点へ移動して配送タスクを実行するように制御する。
【0037】
ステップS302において、タスクルート上に第2配送ロボットが存在するか否かを検出する。本実施形態において、このステップは第1配送ロボットR1により実行されることができる。例えば、第1配送ロボットR1に設置されたカメラ又はレーザレーダなどのデバイスによって、第1配送ロボットR1の前方のタスクルート上の障害物を検出する。衝突などの発生を防止するために、第1配送ロボットR1は、移動する際にカメラ又はレーザレーダなどのデバイスによって自身周辺の環境をリアルタイムに感知するように設置されてもよく、障害物を発見したときに障害物の位置をサーバに報告し、サーバを利用して障害物の種類を特定することができる。例えば、図6に示すように、座標系が構築された配送エリア内において、サーバは、すべての配送ロボットの位置をリアルタイムにモニタリングするように設置されてもよい。第1配送ロボットR1が障害物をサーバに報告した後、サーバは、障害物の座標と配送ロボットの座標とを対比することによって、前方の障害物が配送ロボットであるか否かを確認することができる。
【0038】
配送ロボットが検出されなかった場合、ステップS303において、第1配送ロボットR1が配送タスクを実行し続けるように制御する。ここで、配送タスクが実行されている間、感知動作は継続的に行われる。
【0039】
ステップS302において、前方のタスクルート上に第2配送ロボットが存在することを検出した場合、ステップS304において、図6に示すように、配送ロボットはサーバと通信して第2配送ロボットの停止位置をサーバに報告する。本実施形態において、このステップは、第1配送ロボットR1により実行されてもよく、又は、第1配送ロボットR1と第2配送ロボットとの間の通信によって、第2配送ロボットが停止地点をサーバに報告してもよく、さらに、サーバが配送エリア内のすべての配送ロボットのリアルタイム位置をモニタリングし、サーバ又は第1配送ロボットR1が妨害の発生(すなわち、タスクルート上に第2配送ロボットが存在するか否か)を確認することができる。なお、図3は例示的な図面にすぎず、ステップS304が必ずステップS302による判断の後に行われることに限定するわけではなく、2つのステップの間には必然的な前後順序関係がない。本発明の実施形態において、配送ロボットは自身の現在位置(第2配送ロボットの停止位置を含む)をリアルタイムでサーバに報告するように設置されてもよい。すなわち、ステップS304は配送タスクが実行されている間に継続的に行われる。第2配送ロボットの停止地点情報を取得する必要がある場合に、関連する情報を直接抽出すればよく、さらに、報告された第2配送ロボットの停止地点を利用してチェックを行うことによって、より正確な情報を取得することができる。このステップにおいて、第2配送ロボットは、配送タスクを実行していない配送ロボットのみを指すものではなく、第1配送ロボット以外の他の配送ロボットを指すものである。このステップによる停止地点とは、第2配送ロボットが現在の時点で位置する場所又は移動エリアを指す。例えば、レストランのシーンにおいて、第2配送ロボットが顧客に料理を紹介するタスクを実行するために所定のエリア内で往復移動している。この場合、停止地点は第2配送ロボットの現時点の位置であってもよく、当該エリアの範囲を指してもよい。
【0040】
サーバが第2配送ロボットの停止地点を取得した後、ステップS305においては、サーバによって第2配送ロボットのタスク状態を判断することができる。本実施形態において、第2配送ロボットが配送タスクを実行しているか否かを判断することは、バックグラウンドの制御システムに記録された配送タスクの割り当て状況に基づいて確認されてもよく、又は第2配送ロボットが自身のタスク状態をサーバに報告してもよい。第2配送ロボットも配送タスクを実行している場合、第1配送ロボットR1と第2配送ロボットは優先レベルが同じであって優先度に差異がないと考えられる。このとき、ステップS306においては、第1配送ロボットR1と第2配送ロボットがそれぞれの配送タスクを実行するように制御し、両者のいずれに対しても回避するように制御せず、衝突の発生を回避しながらそれぞれの配送タスクを実行させる。
【0041】
ステップS305において、第2配送ロボットは配送タスクを実行していないとの判断の結果が得られた場合、すなわち待機停止中であるか、又は、宣伝放送、定点巡回、現地待機などの他のタスクを実行している可能性がある場合には、第1配送ロボットR1が優先的に通過することを保証するために、配送タスクを実行している第1配送ロボットR1を回避するように第2配送ロボットを制御する必要がある。ステップS307において、第2配送ロボットの停止地点とホームポイントとの間の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する。ここで、第1所定距離は具体的な状況に応じて設定され、例えば3mであってもよい。第2配送ロボットの停止地点とホームポイントとの間の距離が第1所定距離以下である場合、第2配送ロボットをR2とし、ステップS308においては、第2配送ロボットR2を制御してホームポイントに移動させることで第1配送ロボットR1を回避させる。第2配送ロボットR2はホームポイントに戻り、次のタスクを待つ。第2配送ロボットの停止地点とホームポイントとの間の距離が第1所定距離より大きい場合には、第2配送ロボットをR3とし、ステップS309においては、第2配送ロボットR3を制御して回避エリアまで移動させることで第1配送ロボットR1を回避する。なお、ステップS308とステップS309は、サーバにより統合的に制御されてもよく、又は、制御部分が第2配送ロボットに集積されて、サーバは判断の結果のみを提供する。さらに、停止地点に最も近い回避エリアを選択して回避させることができる。こうすると、移動距離を減らして、第2配送ロボットR3自身のタスクへの影響を低減することができる。
【0042】
ステップS309において、最も近い回避エリアに移動するように第2配送ロボットR3を制御する。このステップは、第2配送ロボットR3を回避動作を行うように制御することと、第2配送ロボットR3が回避エリアに到達して待機することとを含む継続的なプロセスである。ステップS310において、第1配送ロボットR1が第2配送ロボットR3の停止地点を通過したか否かを判断する。このステップは、第1配送ロボットR1が自身の位置を報告することによって実現されてもよく、又は、サーバが第1配送ロボットR1の位置をリアルタイムにモニタリングすることによって実現されてもよい。第1配送ロボットR1が第2配送ロボットR3の停止地点を既に通過した場合、ステップS311においては、第2配送ロボットR3が元のタスクを続いて実行できるように、第2配送ロボットR3を制御して元の停止地点に戻らせる。なお、ここの停止地点が前述したように具体的な一定の範囲を有するエリアを指す場合には、第2配送ロボットR3を、当該エリアに戻るように制御する。第2配送ロボットは元のタスクを続いて実行し、例えば当該範囲内で往復移動する。第1配送ロボットR1がまだ第2配送ロボットR3の停止地点を通過していない場合、ステップS312においては、第1配送ロボットR1が第2配送ロボットR3の停止地点を通過してステップS311が実行されるまで、第2配送ロボットR3を、回避エリアへ移動し続けるか又は回避エリアでそのまま待つように制御する。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、図4は配送ロボットの制御方法400を示しており、本実施形態は、配送タスクを実行するように配送ロボットを制御することの1つの特別な状況である。ここで、第2配送ロボットも配送タスクを有し、かつ、第1配送ロボットR1に対して妨害になると判断される。図4を参照しながら詳細に説明する。
【0044】
通常の場合、配送ロボットはいずれも同じ移動速度を維持する。第2配送ロボットが配送タスクを実行している場合、第1配送ロボットR1を阻むことはない。しかし、第2配送ロボットが配送タスクを完了した後、配送ロボットのタスク状態の更新が遅れると、第2配送ロボットが依然として配送タスクを有すると判断されてしまって、配送ロボットの後続のスケジューリングが影響されてしまう。そのため、図4に示す制御方法400を提案する。なお、図4のステップS401、S402、S403、S404及びS405はそれぞれ、図3のステップS301、S302、S303、S304及びS305と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0045】
図4に示すように、本発明の一実施形態において、ステップS405では、第2配送ロボットが配送タスクを実行しているか否かを判断する。第2配送ロボットが配送タスクを有しない場合、その後のステップは制御方法300と同じである。第2配送ロボットが配送タスクを実行している場合、ステップS406において、第2配送ロボットの停止地点と、第2配送ロボットが実行している配送タスクの目標地点との間の距離を算出する。第2配送ロボットの停止地点とその配送タスクの目標地点との間の距離が第2所定距離以下である(すなわち、第2配送ロボットがその目標地点の近くに停止している)場合、第2配送ロボットは目標地点において他のタスクを実行する予定であるか又はまだ配送タスクを完成していない可能性があると考えられる。ステップS407において、第2配送ロボットが最も近い回避エリアへ移動するように制御する。それによって、第2配送ロボットはできる限りに早く戻ってタスクを実行し続けることができる。
【0046】
第2配送ロボットの停止地点とその配送タスクの目標地点との間の距離が第2所定距離より大きい場合、第2配送ロボットとその配送タスクの目標地点とが遠く離れているため、第2配送ロボットは既に配送タスクを完了して他のタスクを実行している可能性があると考えられる。本実施形態において、第1配送ロボットR1が優先的に通過できることを確保するために、第2配送ロボットのタスクは中断され得る。そのため、距離制限を考慮せず、ステップS408において、第2配送ロボットが回避エリアへ移動するように制御する。
【0047】
ステップS409において、第1配送ロボットR1が第2配送ロボットの停止地点を通過したか否かを判断する。第1配送ロボットR1が既に停止地点を通過した場合、ステップS410においては、第2配送ロボットが元の停止地点に戻るように制御する。また、第1配送ロボットR1がまだ停止地点を通過していない場合、ステップS411においては、第2配送ロボットがそのまま回避エリアで待つか又は回避エリアへ移動し続けるように制御する。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、本実施形態における配送ロボットは音声再生装置及び/又は画像表示装置(例えば、スピーカーや表示ディスプレイ)をさらに備える。第1配送ロボットR1を回避するように第2配送ロボットを制御するときに、対応する音声を再生するように音声再生装置を制御し、対応する画像又は動画を表示するように画像表示装置を制御する。
【0049】
具体的に、上述した実施形態においては、第1配送ロボットR1を回避するように第2配送ロボットが制御されるとき、音声再生装置は所定の音声を再生する。ここで、回避の目的地によって所定の音声を選択する。所定の音声は、第2配送ロボットが回避動作を実行している情報を含むとともに、第2配送ロボットがこれから向かう目的地の情報を含む。例えば、「XX号の配送ロボットを回避しており、配膳口に向かって移動している」、又は「1号の回避エリアへ移動している」であってもよい。第2配送ロボットが元の停止位置に戻って元のスタクを実行するように制御される場合には、元の位置に戻る情報と、あるスタクを実行している情報とを含む所定の音声を再生する。また、第2配送ロボットがホームポイントに戻って回避するように制御される場合には、現在アイドル状態にあることを示す情報を含む所定の音声を再生することができる。本実施形態において、配送ロボットの画像表示装置が表示する画像は、同様に、第2配送ロボットが向かっている目的地の情報によって調整される。さらに、画像表示装置は、配送エリアの全体、第2配送ロボットがこれから向かう目的地、回避動作を実行するときに第2配送ロボットが採用する予定の移動ルートなどを表示することができる。
【0050】
本発明の一実施形態において、図5は、複数の配送ロボット510と、配送ロボット510と通信し且つ上述の制御方法100、200、300又は400を実行可能な制御システム520と、を備える配送システム500を示す。ここで、複数の配送ロボット510はいずれも制御システム520と通信し、制御システムに情報をアップロードすることができる。当該情報は、配送ロボット510の現在の位置及び現在のタスク状態、ならびに配送タスクを実行しているか否か、を含む。複数の配送ロボット510は、制御システム520から送信された情報を受信することもできる。制御システム520は、配送タスク実行中の配送ロボットを回避する(ホームポイント又は回避エリアへの移動を含む)ように、配送タスクを実行していない配送ロボットを制御すること、及び、第1配送ロボットが停止地点を既に通過したとの情報をフィードバックし、第2配送ロボットが回避動作実行前の停止地点に戻るように制御すること、を実施できる。さらに、制御システムは、妨害が発生したか、又は妨害が発生する可能性の有無を判断することを実施する。例えば、配送ロボットがアップロードした位置情報、タスク状態及びタスクルートを通じて判断することができる。
【0051】
配送システム500において、配送ロボットは信号認識素子をさらに備えてもよい。当該信号認識素子は、前方を阻んでいる障害物を認識するために構成されており、所定の方法で障害物の種類や他の配送ロボットの存在を確認することができる。例えば、配送ロボットに認識コードが設置されるか、又は、カメラで映像を取得した後に映像を解析することによって障害物の種類を把握する。
【0052】
本発明の一実施形態においては、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、それに記憶されたコンピュータ実行可能コマンドを含み、前記コンピュータ実行可能コマンドは、プロセッサにより実行されると、前述の配送ロボットの制御方法を実施する。
【0053】
本発明に係る技術案は、ロボットの回避動作をよりインテリジェントで信頼性の高いものにする。従来技術では、タスクを有するロボットは、タスクがないロボットに出会った場合に率先して回避しなければならず、配送時間が長くなって配送効率が影響されてしまう。本発明によれば、タスクを有するロボットがタスクがないロボットに出会った場合、タスクがないロボットが率先して回避するため、タスクを有する配送ロボットは回避せずに本来のルートに沿って配送すればよく、配送の効率が向上する。
【0054】
なお、以上の説明は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、前述の実施形態に基づいて詳細に説明されているが、当業者であれば、前述の実施形態で説明された技術案を変更したり、一部の技術的構成に対して同等の置換を行ったりすることは可能である。本発明の精神及び原理の範囲内で行われる変更、等価置換、改良などは、すべて本発明の保護範囲に属するべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6