(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004815
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】駆動機構及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20230110BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20230110BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230110BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
G06F1/16 312F
H04M1/02 C
G09F9/30 308Z
G09F9/00 350Z
G09F9/00 302
G06F1/16 312Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177453
(22)【出願日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】202110711442.7
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 振▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲鵬飛▼
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
5K023
【Fターム(参考)】
5C094AA60
5C094BA27
5C094DA06
5C094HA08
5G435AA06
5G435BB05
5G435CC09
5G435DD01
5G435EE13
5G435EE14
5G435EE20
5G435EE50
5G435GG42
5G435KK02
5G435LL07
5G435LL08
5K023AA07
5K023BB02
5K023DD08
5K023HH06
5K023LL06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】伸縮スクリーン構造ディスプレイの駆動機構及び電子機器を提供する。
【解決手段】駆動機構99は、筐体並びに駆動コンポーネント及び伝動コンポーネントを含む。駆動コンポーネントは駆動部品31及び駆動部品に接続されたギアボックス構造32を含む。伝動コンポーネントは、第1の伝動部品14及び第1の伝動部品に移動可能に接続された第2の伝動部品15を含む。第1の伝動部品は、ギアボックス構造に接続され、第2の伝動部品は、伸縮スクリーン構造のフレキシブルディスプレイに伝動可能に接続される。駆動部品は、ギアボックス構造に第1のトルクを出力する。ギアボックス構造は、第1のトルクを第2のトルクに変換し第1の伝動部品を回転するように駆動する。第2の伝動部品は、第1の伝動部品に対して移動することによってフレキシブルディスプレイを移動するように動かす。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮スクリーン構造に使用される駆動機構であって、筐体、並びに前記筐体に取り付けられた駆動コンポーネントと伝動コンポーネントを含み、
前記駆動コンポーネントは駆動部品及び前記駆動部品に接続されたギアボックス構造を含み、前記駆動部品及び前記ギアボックス構造はいずれも前記筐体に取り付けられ、
前記伝動コンポーネントは第1の伝動部品及び前記第1の伝動部品に移動可能に接続された第2の伝動部品を含み、前記第1の伝動部品は前記筐体に取り付けられて前記ギアボックス構造に接続され、前記第2の伝動部品は伸縮スクリーン構造のフレキシブルディスプレイに伝動可能に接続され、
前記駆動部品は前記ギアボックス構造に第1のトルクを出力し、前記ギアボックス構造は前記第1のトルクを第2のトルクに変換し且つ前記第1の伝動部品に出力して前記第1の伝動部品を回転するように駆動し、前記第2の伝動部品は前記第1の伝動部品に対して移動することによって前記フレキシブルディスプレイを移動するように動かし、前記第1のトルクは前記第2のトルクより小さい、
ことを特徴とする駆動機構。
【請求項2】
前記第1の伝動部品はリードスクリューであり、前記第2の伝動部品は前記リードスクリューに螺合されたナットであり、前記リードスクリューの両端は軸受を介して前記筐体に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動機構。
【請求項3】
前記筐体に設けられたガイドロッドをさらに含み、前記ガイドロッドは前記リードスクリューと平行に設けられ、
前記ナットは第1の套設部と第2の套設部を含み、前記第1の套設部は前記リードスクリューに螺合され、前記第2の套設部は前記ガイドロッドに套設される、
ことを特徴とする請求項2に記載の駆動機構。
【請求項4】
前記駆動部品は出力軸を含み、前記ギアボックス構造は第1のギアボックスと第2のギアボックスを含み、
前記第1のギアボックスは第1のギアを含み、前記第2のギアボックスは第2のギア及び前記第2のギアに嵌合する第3のギアを含み、前記第3のギアは前記第1の伝動部品に接続され、前記第2のギアは前記第1のギアに嵌合し、前記第1のギアは前記出力軸に接続され、
前記出力軸は前記第1のギアに第1のトルクを出力し、前記第1のトルクは前記第2のギア及び前記第3のギアによって第2のトルクに変換されて前記第1の伝動部品に出力される、
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動機構。
【請求項5】
前記ギアボックス構造はギアボックス端部カバーをさらに含み、前記筐体の片側に固定的に接続され、
前記第1のギア及び前記第2のギアはいずれも前記ギアボックス端部カバーに接続され、前記第3のギアは前記第1の伝動部品を介して前記ギアボックス端部カバーに接続される、
ことを特徴とする請求項4に記載の駆動機構。
【請求項6】
前記第1のギアボックスは第1のブッシュを含み、前記ギアボックス端部カバーに固定され、前記第1のギアは前記第1のブッシュに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項5に記載の駆動機構。
【請求項7】
前記第2のギアボックスは前記ギアボックス端部カバーに固定された柱状ストッパを含み、前記第2のギアは前記柱状ストッパに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項5に記載の駆動機構。
【請求項8】
前記第1の伝動部品はリードスクリューであり、前記リードスクリューの端部は軸受を介して前記ギアボックス端部カバーに接続され、前記第3のギアは前記リードスクリューに嵌合する、
ことを特徴とする請求項5に記載の駆動機構。
【請求項9】
第1のギアボックスは、
前記駆動部品に接続される固定リングギアであって、前記出力軸が前記固定リングギア内に差し込む固定リングギアと、
前記固定リングギア内に取り付けられ、前記出力軸に固定される駆動ギアと、
前記固定リングギア内に取り付けられ、前記第1のギアに嵌合して固定される遊星ギアキャリヤと、
前記遊星ギアキャリヤに取り付けられ、前記駆動ギアに嵌合する遊星ギアと、をさらに含み、
前記出力軸は前記駆動ギアに第1のトルクを出力し、前記第1のトルクは前記駆動ギア、前記遊星ギア、前記遊星ギアキャリヤによって前記第2のギアに伝達される、
ことを特徴とする請求項4に記載の駆動機構。
【請求項10】
電子機器であって、
第1の筐体及び第1の方向に沿ってスライド可能に前記第1の筐体に設けられた第2の筐体を含む筐体であって、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが囲んで開口部を備える収容構造を形成する筐体と、
前記収容構造内に設けられた伸縮スクリーン構造であって、前記伸縮スクリーン構造がブラケット及びフレキシブルディスプレイを含み、前記フレキシブルディスプレイの第1端が前記ブラケットに接続されて前記筐体の底部の片側に近く、前記フレキシブルディスプレイの第2端が前記第1の筐体に接続されて前記開口部をカバーする伸縮スクリーン構造と、
前記収容構造内に設けられる請求項1~9のいずれか一項に記載の駆動機構であって、前記駆動機構が前記ブラケットに接続され、前記ブラケットを第1の方向に沿って移動するように駆動し、
前記駆動機構が、前記ブラケットを前記第1の方向に沿って移動するように駆動し、前記第2の筐体及び前記フレキシブルディスプレイの第1端を、前記第1の筐体に対して前記第1の方向に沿って移動するように動かして、前記フレキシブルディスプレイが回収状態と展開状態との間で切り替えられるようにする駆動機構と、をさらに含む、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
スライドレールコンポーネントをさらに含み、前記第1の方向に沿ってスライド可能に前記ブラケットに設けられ、前記スライドレールコンポーネントは前記フレキシブルディスプレイの第1端に接続され、
前記フレキシブルディスプレイは前記第1の方向に沿って移動する時、前記スライドレールコンポーネントを、前記ブラケットに対して前記第1の方向に沿ってスライドするように動かす、
ことを特徴とする請求項10に記載された電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は伸縮スクリーン製品技術の分野に関し、特に駆動機構及び電子機器に関す。
【背景技術】
【0002】
スクリーン技術がどんどん進歩するにつれて、折り畳み式のフレキシブルスクリーンは大規模に量産され、グロバルで厚さ0.01mmのフレキシブルディスプレイは世に出て、端末製品の形態をますます豊富にし、ウェアラブルデバイスからスマートルーム、さらにはスマートフォン端末まで、超薄型フレキシブルスクリーンは、将来の製品の設計に多方向性を持たせ、折りたたみスマホ、環状スマホ、異型曲面端末製品などがある。同時に、5Gの到来により、すべてのスマート製品を電気的に接続し、データ伝送の加速により、スマート端末製品の一部のモジュール、例えば写真モジュール、BOX音響学モジュールなどをスマート端末製品から分離しても、その機能を実現することができる。電池技術の更なる発展は、端末製品の体積をより小さくし、電池の容量をより高くし、端末製品の設計形式をより柔軟にする。
【0003】
フレキシブルスクリーン製品に対する要件が高まるにつれて、ビデオを見たり、電話をかけたりするような異なる作業任務を処理する場合、表示面積を増やしたり縮小したりすることによって製品の体験度を向上させる必要があり、現在は主に、折りたたみスクリーン構造と伸縮スクリーン構造という2種類のスクリーン拡張構造が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
関連技術における一部の課題を解決するために、本開示は駆動機構及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の様態によれば、本開示の実施例は伸縮スクリーン構造に使用される駆動機構を提供し、筐体、並びに前記筐体に取り付けられた駆動コンポーネント及び伝動コンポーネントを含み、
前記駆動コンポーネントは駆動部品及び前記駆動部品に接続されたギアボックス構造を含み、前記駆動部品及び前記ギアボックス構造はいずれも前記筐体に取り付けられ、
前記伝動コンポーネントは第1の伝動部品及び前記第1の伝動部品に移動可能に接続された第2の伝動部品を含み、前記第1の伝動部品は前記筐体に取り付けられて前記ギアボックス構造に接続され、前記第2の伝動部品は伸縮スクリーン構造のフレキシブルディスプレイに伝動可能に接続され、
前記駆動部品は前記ギアボックス構造に第1のトルクを出力し、前記ギアボックス構造は前記第1のトルクを第2のトルクに変換し且つ前記第1の伝動部品に出力して前記第1の伝動部品を回転するように駆動し、前記第2の伝動部品は前記第1の伝動部品に対して移動することによって前記フレキシブルディスプレイを移動するように動かし、前記第1のトルクは前記第2のトルクより小さい。
【0006】
いくつかの可能な実施例では、前記第1の伝動部品はリードスクリューであり、前記第2の伝動部品は前記リードスクリューに螺合されたナットであり、前記リードスクリューの両端は軸受を介して前記筐体に接続される。
【0007】
いくつかの可能な実施例では、前記筐体に設けられたガイドロッドをさらに含み、前記ガイドロッドは前記リードスクリューと平行に設けられ、
前記ナットは第1の套設部と第2の套設部を含み、前記第1の套設部は前記リードスクリューに螺合され、前記第2の套設部は前記ガイドロッドに套設される。
【0008】
いくつかの可能な実施例では、前記駆動部品は出力軸を含み、前記ギアボックス構造は第1のギアボックスと第2のギアボックスを含み、
前記第1のギアボックスは第1のギアを含み、前記第2のギアボックスは第2のギア及び前記第2のギアに嵌合する第3のギアを含み、前記第3のギアは前記第1の伝動部品に接続され、前記第2のギアは前記第1のギアに嵌合し、前記第1のギアは前記出力軸に接続され、
前記出力軸は前記第1のギアに第1のトルクを出力し、前記第1のトルクは前記第2のギア及び前記第3のギアによって第2のトルクに変換されて前記第1の伝動部品に出力される。
【0009】
いくつかの可能な実施例では、前記ギアボックス構造はギアボックス端部カバーをさらに含み、前記筐体の片側に固定的に接続される。
【0010】
前記第1のギア及び前記第2のギアはいずれも前記ギアボックス端部カバーに接続され、前記第3のギアは前記第1の伝動部品を介して前記ギアボックス端部カバーに接続される。
【0011】
いくつかの可能な実施例では、前記第1のギアボックスは第1のブッシュを含み、前記ギアボックス端部カバーに固定され、前記第1のギアは前記第1のブッシュに取り付けられる。
【0012】
いくつかの可能な実施例では、前記第2のギアボックスは前記ギアボックス端部カバーに固定された柱状ストッパを含み、前記第2のギアは前記柱状ストッパに取り付けられる。
【0013】
いくつかの可能な実施例では、前記第1の伝動部品はリードスクリューであり、前記リードスクリューの端部は軸受を介して前記ギアボックス端部カバーに接続され、前記第3のギアは前記リードスクリューに嵌合する。
【0014】
いくつかの可能な実施例では、前記第1のギアボックスは、
前記駆動部品に接続される固定リングギアであって、前記出力軸が前記固定リングギア内に差し込む固定リングギアと、
前記固定リングギア内に取り付けられ、前記出力軸に固定される駆動ギアと、
前記固定リングギア内に取り付けられ、前記第1のギアに嵌合して固定される遊星ギアキャリヤと、
前記遊星ギアキャリヤに取り付けられ、前記駆動ギアに嵌合する遊星ギアと、をさらに含み、
前記出力軸は前記駆動ギアに第1のトルクを出力し、前記第1のトルクは前記駆動ギア、前記遊星ギア、前記遊星ギアキャリヤによって前記第2のギアに伝達される。
【0015】
第2の様態によれば、本開示の実施例は電子機器を提供し、
第1の筐体及び第1の方向に沿ってスライド可能に前記第1の筐体に設けられた第2の筐体を含む筐体であって、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが囲んで開口部を備える収容構造を形成する筐体と、
前記収容構造内に設けられた伸縮スクリーン構造であって、前記伸縮スクリーン構造がブラケット及びフレキシブルディスプレイを含み、前記フレキシブルディスプレイの第1端が前記ブラケットに接続されて前記筐体の底部の片側に近く、前記フレキシブルディスプレイの第2端が前記第1の筐体に接続されて前記開口部をカバーする伸縮スクリーン構造と、
前記収容構造内に設けられる第1の様態の実施例に記載された駆動機構であって、前記駆動機構が前記ブラケットに接続され、前記ブラケットを第1の方向に沿って移動するように駆動し、
前記駆動機構が、前記ブラケットを前記第1の方向に沿って移動するように駆動し、前記第2の筐体及び前記フレキシブルディスプレイの第1端を、前記第1の筐体に対して前記第1の方向に沿って移動するように動かして、前記フレキシブルディスプレイが回収状態と展開状態との間で切り替えられるようにする駆動機構と、を含む。
【0016】
いくつかの可能な実施例では、スライドレールコンポーネントをさらに含み、前記第1の方向に沿ってスライド可能に前記ブラケットに設けられ、前記スライドレールコンポーネントは前記フレキシブルディスプレイの第1端に接続され、
前記フレキシブルディスプレイは前記第1の方向に沿って移動する時、前記スライドレールコンポーネントを、前記ブラケットに対して前記第1の方向に沿ってスライドするように動かす。
【発明の効果】
【0017】
本開示によって提供される駆動機構は、ギアボックス構造を介して、駆動部品によって出力された第1のトルクをトルクのより大きい第2のトルクに変換し、さらに第1の伝動部品に伝達して第1の伝動部品を回転させ、これによってフレキシブルディスプレイを移動するように動かし、駆動部品の低トルクを高トルクに変換し、第1の伝動部品を回転するように駆動して、よりよくフレキシブルディスプレイを移動するように動かすことができる。
【0018】
上記一般的な説明及び後文の詳細な説明は、単なる例示的及び解釈的なものであり、本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
ここでの図面は、明細書に組み込まれ、本明細書の一部として構成され、本開示に適合する実施例を示し、本開示の原理を説明するために明細書とともに使用される。
【
図1】本開示の例示的な一実施例に係る伸縮スクリーン構造の分解図である。
【
図2】本開示の例示的な一実施例に係るスライドレール機構のスライドレールコンポーネントの分解概略図である。
【
図3】本開示の例示的な一実施例に係るスライドレール機構の概略構成図である。
【
図4】本開示の例示的な一実施例に係るスライドレール機構のスライドレールコンポーネントの概略構成図である。
【
図9】本開示の例示的な一実施例に係るスライドレール機構の弾性コンポーネントの概略構成図である。
【
図10】本開示の例示的な一実施例に係る伸縮スクリーン構造の概略構成図である。
【
図11】本開示の例示的な一実施例に係る伸縮スクリーン構造の回転軸コンポーネントの概略構成図である。
【
図13】本開示の別の例示的な一実施例に係る伸縮スクリーン構造の回転軸コンポーネントの概略構成図である。
【
図14】それぞれ本開示の例示的な一実施例に係る電子機器のフレキシブルディスプレイが回収状態にある場合の概略図である。
【
図15】それぞれ本開示の例示的な一実施例に係る電子機器のフレキシブルディスプレイが展開状態にある場合の概略図である。
【
図16】それぞれ本開示の例示的な一実施例に係る電子機器のフレキシブルディスプレイが回収状態と展開状態にある場合の比較図である。
【
図17】それぞれ本開示の例示的な一実施例に係る電子機器の駆動機構の概略斜視図である。
【
図18】それぞれ本開示の例示的な一実施例に係る電子機器の駆動機構の概略分解図である。
【
図19】それぞれ本開示の例示的な一実施例に係る電子機器の駆動機構の第1のギアボックスの概略分解図である。
【
図20】それぞれ本開示の例示的な一実施例に係る電子機器の駆動機構の取付位置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、例示的な実施形態を詳細に説明し、その例を図に示す。以下の説明が図面に関連する場合、別段の表現がない限り、異なる図面の同じ数字は同じまたは類似の要素を表す。以下の例示的な実施例に記載の実施形態は、本開示と一致する全ての実施形態を表すものではない。むしろ、それらは、添付の特許請求の範囲に記載されたように、本開示のいくつかの態様に一致する装置及び方法の例にすぎない。
【0021】
本開示の実施例に使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものにすぎず、本開示を制限することを意図していない。別途定義しない限り、本開示で使用される技術用語または科学用語は、本開示の属する分野において当業者によって理解される通常の意味であるべきである。本開示の明細書及び請求項で使用される「第1」、「第2」及び同様の用語は、任意の順序、数量または重要性を表さず、異なる構成部分を区別することだけに使用される。同様に、「1つ」又は「一」などの類似語も数量への制限を表さず、少なくとも1つの存在を表す。別途に指摘しない限り、「前部」、「後部」、「下部」、及び/又は「上部」などの類似語は、単に説明を容易にするためのものであり、1つの位置または1種の空間定向に限定されるものではない。「含む」または「含まれる」などの類似語は、「含む」または「含まれる」の前に現れる要素または物件が、「含む」または「含む」の後に列挙される要素または物件を含むか、それと同等であることを表し、他の要素や物件は排除されない。「接続する」または「つながる」などの類似語は物理的または機械的な接続に限定されず、直接または間接を問わず、電気的な接続を含むことができる。
【0022】
本開示の実施例に使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものにすぎず、本開示を制限することを意図していない。本開示と添付請求項に使用される単数形の「1種」、「前記」及び「当該」も、コンテキストにおいて他の意味を明確に示さない限り、複数形を含むことを意図する。なお、本明細書で使用される用語の「及び/又は」とは、1つ又は複数の関連する列挙項目の任意の組み合わせ又は全ての可能な組み合わせを指す。
【0023】
本開示は、駆動機構及び電子機器を提供し、以下、図面と併せて、本開示のレール機構、伸縮スクリーン構造に対して詳細に説明し、衝突しない場合、以下の実施例及び実施形態における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0024】
図1~
図3に示すように、本開示の実施例は電子機器を提供し、ブラケットコンポーネント10、回転軸コンポーネント12、フレキシブルディスプレイ90及びスライドレールコンポーネント20を含む。ブラケットコンポーネント10はブラケット11を含む。スライドレールコンポーネント20は固定台21、伸縮スクリーン構造を接続するフレキシブルディスプレイ90のスライド部品22、及び弾性コンポーネント23を含む。前記固定台21は前記ブラケット11に固着され、前記スライド部品22は第1の方向Xに沿ってスライド可能に(
図3に示す縦方向)前記固定台21に設けられ、前記弾性コンポーネント23の第1端2301は前記固定台21に接続され、前記弾性コンポーネント23の第2端2302は前記スライド部品22に接続される。前記スライド部品22は前記固定台21に対して前記第1の方向Xに沿ってスライドする時、前記弾性コンポーネント23の第2端及びフレキシブルディスプレイ90を同時に移動するように動かす。弾性コンポーネント23は、スライド部品22の駆動によって引っ張られまたは圧縮されて変形し、これによってフレキシブルディスプレイ90に予圧を与える。スライド部品22は
図3の矢印方向に沿って固定台21に対してスライドし、弾性コンポーネント23を引っ張って弾性コンポーネント23に逆方向の引張力を生じる。
【0025】
上記設置により、本開示によって提供されるスライドレール機構では、スライド部品22は固定台21に対して第1の方向Xに沿って移動することにより、伸縮スクリーン構造のフレキシブルディスプレイ90を同時に移動するように動かすことができ、これによってフレキシブルディスプレイ90の展開と回収を実現する。スライド部品22は弾性コンポーネント23を同時に移動するように動かし、弾性コンポーネント23を引っ張る役割を果たし、フレキシブルディスプレイ90に予圧を加えることができ、フレキシブルディスプレイ90が展開する時にさらに平らになるようにし、完成機が展開してスクリーンが突起、膨張及び変形するように見えるという問題を防止する。
【0026】
いくつかの可能な実施例では、前記スライドレールコンポーネント20は少なくとも1つのガイドレール24をさらに含み、前記ガイドレール24は前記固定台21に設けられて前記第1の方向Xに沿って延設され、前記スライド部品22にはガイドレール24に対応するスライド溝220が設けられ、スライド部品22はスライド溝220を介してスライド可能に前記ガイドレール24に設けられる。本実施例では、ガイドレール24の数量は4組であり、対称的に固定台21に設けられることにより、スライド部品22がスライドする時にさらに牢固になる。他の例では、ガイドレール24は他の数量であってもよく、本開示はこれに対して限定するものではない。
【0027】
いくつかの可能な実施例では、前記スライドレールコンポーネント20は少なくとも1つのリミットストッパ25をさらに含み、前記固定台21の前記ブラケット11から離れた一端(
図3に記載された上端)に設けられ、前記スライド部品22には、前記リミットストッパ25に当接されて嵌合するリミット部221が設けられる。リミットストッパ25はスライド部品22のリミット部221に当接されて嵌合し、スライド部品22の開始位置に対してリミットすることができ、スライド部品22がガイドレール24から離脱することを防止することもできる。本実施例では、リミット部221は溝部として理解することができ、リミットストッパ25の数量は2つであり、対称的に固定台21に設けられ、リミット部221の数量は2つであり、リミットストッパ25に対応して設けられ、本開示はこれに対して限定するものではない。
図2に示す例では、リミットストッパ25は固定台21の上端に設けられ、スライド部品22の開始位置は固定台21の上端に位置し、弾性コンポーネント23がこの状態では、スライド部品22に弾性予圧を加え、これによってスライド部品22を当該開始位置に保持する。
【0028】
図4~
図6に示すように、いくつかの可能な実施例では、前記ガイドレール24の少なくとも1つの側部には係着部241が設けられ、前記スライド部品22には、前記係着部241に係着されて嵌合する第1の係合部222が設けられる。スライド部品22は第1の係合部222によってガイドレール24の係着部241に当接されて嵌合することにより、ガイドレール24との接続をより牢固にし、スライド部品22がガイドレール24に沿ってスライドする時にさらに牢固になる。係着部241は板金を加工して形成された逆棘状構造であってもよく、スライド部品22がガイドレール24から離脱して運動することを防止する。本実施例では、ガイドレール24の両側にはいずれも前記係着部241が設けられ、本開示はこれに対して限定するものではない。
【0029】
図7に示すように、いくつかの可能な実施例では、前記スライド部品22の側部には前記固定台21の側辺に係着されて嵌合した第2の係合部223が設けられる。スライド部品22は第2の係合部223を介して固定台21の側辺に係着されて嵌合することにより、スライド部品22と固定台21との間の接続がさらに牢固になり、スライド部品22がスライドする時に固定台21から離脱することを防止し、スライド部品22がスライドする時の安定性を向上させる。さらに、前記スライドレールコンポーネント20はプラスチックバックル224をさらに含み、前記固定台21の側辺をカバーし且つ前記固定台21の側辺に嵌合し、前記第2の係合部223は前記プラスチックバックル224に係着される。プラスチックバックル224は第2の係合部223と固定台21の側辺との摩擦力を減少させることができ、磨耗を軽減して順調なスライドを保証する。本実施例では、プラスチックバックル224はPOM(Polyoxymethylene、ポリアセタール樹脂)ビニールを用いてもよく、自己潤滑のビニールである。スライド部品22とプラスチックバックル224とはインサート成形プロセス(insert-molding)によって1つ部品として結合することができ、プラスチックバックル224と固定台21の側辺との間の設計された隙間は0.05mmであり、スライド部品22がガイドレール24の延長方向、すなわち第1の方向Xのみに沿ってスライドするように保証し、構造の安定性を向上させる。
【0030】
図8に示すように、いくつかの可能な実施例では、前記固定台21には前記第1の方向Xに沿って延在する階段部211が設けられ、前記スライド部品22には前記階段部211に当接されて嵌合する当接ブロック225が設けられ、当接ブロック225を介して階段部211に嵌合し、スライド部品22がスライドする時に固定台21から離脱することをさらに防止することができる。
【0031】
図9に示すように、いくつかの可能な実施例では、前記弾性コンポーネント23は第1のレバー231、第2のレバー232及び弾性部品233を含み、前記第1のレバー231と前記第2のレバー232とは互いに挿設され且つスライドすることができ、前記弾性部品233は前記第1のレバー231と前記第2のレバー232の間に接続される。前記第1のレバー231は前記固定台21に接続され、前記第2のレバー232は前記スライド部品22に接続される。弾性部品233はばね、引張りばねなどであってもよく、組み立て時に予圧があり、スライド部品22を開始位置に保持することができる。第1のレバー231、第2のレバー232が引き離される時にばねは作動し始める。前記スライド部品22が前記固定台21に対してスライドする時、前記第2のレバー232を前記第1のレバー231に対してスライドするように動かし、これによって前記第1のレバー231と併せて前記弾性部品233を引っ張り又は圧縮し、それによって弾性部品233が変形して、スライド部品22に弾性力を与える。
【0032】
さらに、第1のレバー231と第2のレバー232にはいずれもスライド溝が設けられ、両者は互いに挿設され且つスライドする。第1のレバー231の第1端(
図9に示す下端)はリベットによって固定台21に固定され、第2のレバー232の第1端(
図9に示す上端)はリベットによってスライド部品22に固定され、第1のレバー231の第2端は外へ突出して第1の突出ブロック234が形成され、第2のレバー232の第2端は外へ突出して第2の突出ブロック235が形成され、弾性部品233の数量は複数組であり、第1の突出ブロック234と第2の突出ブロック235の間に均一に配置され、十分な弾性力を提供することができる。前記スライド部品22は前記固定台21に対してスライドする時、前記第2のレバー232を前記第1のレバー231に対してスライドするように動かして、前記第1のレバー231と併せて弾性部品233を引っ張り、これによって弾性部品233が変形して、スライド部品22に対して逆方向の引張力を生成し、フレキシブルディスプレイが「張り切る」という状態にあることを保証する。
【0033】
いくつかの可能な実施例では、前記弾性コンポーネント23の数量は複数であり、第1の弾性コンポーネント23A、第2の弾性コンポーネント23B及び第3の弾性コンポーネント23Cを含み、前記第2の弾性コンポーネント23Bと前記第3の弾性コンポーネント23Cは前記第1の弾性コンポーネント23Aの両側に対称的に設けられる。前記第1の弾性コンポーネント23Aの弾性部品233は前記第1の方向Xに沿って延設され、前記第2の弾性コンポーネント23Bと前記第3の弾性コンポーネント23Cの弾性部品233とは前記第1の方向Xに沿って対称的に設けられ、前記第1の方向Xに沿って傾斜して設けられる。
【0034】
空間が限られているため、単一のガイドレールがこれほど大きいな弾性ストロークを有することは難しい。上記設置により、3組の弾性コンポーネントはリレーの形を作り、弾性コンポーネントのスライドストロークを向上させることができ、前記第2の弾性コンポーネント23Bと前記第3の弾性コンポーネント23Cとは同じ設計であり、第1の弾性コンポーネント23Aの両側に対称的に配置され、第1の弾性コンポーネント23Aの弾性部品の初期圧縮量は第2の弾性コンポーネント23B及び第3の弾性コンポーネント23Cの弾性部品の初期圧縮量よりも若干大きいであってもよく、これによってスライドストロークをより大きく向上させる。設計された総スライドストロークが30.00mmであると仮定すると、第1の弾性コンポーネント23Aは、スライド部品22が19mmスライドする時から動作することができる。
【0035】
いくつかの可能な実施例では、スライドレールコンポーネント20全体は鋲締めによってブラケット11に固定されることができる。ブラケット11の一端は接続板111を含むことができ、固定台21はプレス金属板を用いて、鋲締めプロセスによって接続板111に固定されることができる。フレキシブルディスプレイ90はスライドレールコンポーネント20のスライド部品22に固定される。ブラケット11はアルミニウム合金材質を用いてもよく、構造強度を向上させる。スライド部品22はSUSステンレス鋼板及びPOMプラスチックビニールによるインサート成形プロセスを用いて加工して形成されることができる。強度ステンレス鋼板は主体として鋼性支持の役割を果たすことができ、スライド溝はPOMプラスチックビニールによって射出成形され、固定台21及びガイドレール24と互いにスライドして、摩擦力を低減することができる。リミットストッパ25はプラスチック材質を用いて、スライド部品22の開始位置を制限することができ、スライド部品22がガイドレール24から離脱することを防止することもできる。ガイドレール24はステンレスプレスプロセスを用いて加工して形成されてもよく、スポット溶接を介して固定台21に溶接固定される。スライド部品22におけるスライド溝220と互いに嵌合し、逆棘状構造を形成し、スライド部品22がスライドする時にガイドレール24から離脱して運動することを防止する。スライド部品22の露出表面は接着剤エリア226としてフレキシブルディスプレイ90に粘着固定されることができる。
【0036】
図1と
図10に示すように、本開示の実施例は伸縮スクリーン構造を提供し、上記実施例に記載のスライドレール機構及びフレキシブルディスプレイ90を含む。回転軸コンポーネント12は前記ブラケット11の前記スライドレールコンポーネント20から離れた側に設けられ、前記回転軸コンポーネント12の軸方向は前記第1の方向Xに垂直である。前記フレキシブルディスプレイ90の第1端は前記スライド部品22に接続され、前記フレキシブルディスプレイ90の第2端は前記回転軸コンポーネント12に周設される。
【0037】
前記回転軸コンポーネント12は回転軸ホルダ、回転軸122及び転輪を含み、前記回転軸ホルダは前記ブラケット11のスライドレールコンポーネント20から離れた側に接続され、前記回転軸ホルダには軸穴が設けられ、軸穴の円周方向は前記第1の方向Xに垂直である。前記回転軸122は前記軸穴を通過して設けられ、前記転輪は前記回転軸122に套設される。前記フレキシブルディスプレイ90は前記転輪に周設され、前記フレキシブルディスプレイ90は展開や回収の時に、前記転輪を回転するように動かす。フレキシブルディスプレイ90の第1端901はスライドレールコンポーネント20のスライド部品22に接続され、フレキシブルディスプレイ90の第2端902は前記転輪に周設され、本実施例では、フレキシブルディスプレイ90はフレキシブルOLEDスクリーンにごく薄い一枚のステンレスメッシュを貼り付けて形成され、高いフレシキブル性を有する。
【0038】
上記設置により、フレキシブルディスプレイ90は回転軸コンポーネント12の転輪に周設され、フレキシブルディスプレイ90は展開や回収の時に、転輪を回転するように動かし、すなわち転輪は受動的に回転し、転輪は滑車の役割を果たすことができ、それによってフレキシブルディスプレイ90がよりスムーズに展開し且つ回収され、フレキシブルディスプレイ90の展開や回収における摩擦力及びエネルギー消費を効果的に低減し、フレキシブルディスプレイ90の展開や回収をよりスムーズにすることができる。
【0039】
いくつかの可能な実施例では、前記回転軸122は前記軸穴と固定接続され、前記転輪は前記回転軸122と回転接続される。回転軸122は回転軸ホルダと固定接続され、転輪は回転軸122に対して回転可能であり、回転軸は回転軸ホルダに対して回転しないことが理解できる。フレキシブルディスプレイ90は展開や回収の時に、転輪のみ回転するように動かする。
【0040】
図1及び
図11に示すように、いくつかの可能な実施例では、前記回転軸ホルダは複数のサブホルダ121を含み、第1の方向Xに垂直な方向に沿って離間して前記ブラケット11に設けられ、前記サブホルダ121にはサブ軸穴が設けられ、前記複数のサブホルダ121のサブ軸穴は同軸に設けられて前記軸穴を形成し、前記回転軸122は複数の前記サブ軸穴を通過して設けられ、これによって複数のサブホルダ121に固定的に接続される。前記転輪は複数のサブ転輪123を含み、隣接する2つの前記サブホルダ121の間には1つの前記サブ転輪123が設けられる。回転軸ホルダを複数のサブホルダ121として設け、転輪を複数のサブ転輪123として設け、サブホルダ121及びサブ転輪123を交互に設けて、転輪の回転性能を保証すると同時に、回転軸ホルダの強度を強化し、全体構造の強度を向上させることができる。回転軸ホルダの各サブホルダ121はいずれもブラケット11に固定的に接続され、ブラケット11に一体成形するように加工されてもよい。なお、各サブホルダ121の大きさは異なってもよく、例えば小さいホルダと大きいホルダに分けてもよく、両側に位置するサブホルダには小さいホルダを用いて、中間に位置するサブホルダには大きいホルダを用いる。各サブ転輪123の大きさは異なってもよく、例えば大転輪と小転輪に分け、実際の需要に応じて設けてもよく、本開示はこれに対して限定するものではない。
【0041】
いくつかの可能な実施例では、回転軸コンポーネント12は、前記回転軸122に套設された複数の第1の軸受124をさらに含み、前記サブ転輪123の両側にはそれぞれ前記第1の軸受124が設けられる。前記第1の軸受124は軸受内輪と、前記軸受内輪に回転可能に接続された軸受外輪とを含み、前記軸受内輪は前記回転軸122に接続され、前記軸受外輪は前記サブ転輪123に接続される。サブ転輪123は第1の軸受124を介して回転軸122に対して回転し、第1の軸受124はサブ転輪123の回転による摩擦磨耗を低減することができ、軸受内輪及び回転軸122は径方向において隙間のない設計であってもよく、軸受内輪がサブ転輪123の回転とともに回転しないことを保証する。サブ転輪123及び回転軸122は径方向において回避設計であってもよく、サブ転輪123と回転軸122との間に回転を実現するための隙間があることを保証する。
【0042】
図12に示すように、軸受内輪がサブ転輪123の回転とともに回転することを防止するために、すなわち軸受内輪が回転軸122に対して回転しないことを保証するために、前記回転軸コンポーネント12は前記回転軸122に套設された複数の軸受ガスケット125をさらに含み、各前記第1の軸受124の側部にはいずれも前記軸受ガスケット125が設けられる。前記軸受ガスケット125の一端は前記軸受内輪に当接され、前記軸受ガスケット125の他端は隣接する前記サブホルダ121に当接され、このように、軸受内輪及び隣接するサブホルダ121を互いに圧着することができ、軸受内輪がサブ転輪123の回転とともに回転することを防止し、軸受内輪が回転軸122に対して回転しないことを保証する。このように、サブ転輪123の回転は完全に軸受外輪の回転に依存し、摩擦磨耗は低い。
【0043】
選択可能に、いくつかの可能な実施例では、前記軸受ガスケット125は銅材またはステンレス金属から作られ、断面は碗状構造になっており、厚み方向に軽く圧縮可能な機械的性質を有し、前記碗状構造の底端は前記軸受内輪に当接され、前記碗状構造の口縁の一端は隣接する前記サブホルダ121に当接され、これによって軸受内輪及び隣接するサブホルダ121を互いに圧着する。
【0044】
いくつかの可能な実施例では、前記回転軸コンポーネント12は2組の第1の締結部品126をさらに含み、前記回転軸122の一端はそのうちの1組の前記第1の締結部品126を介して前記回転軸ホルダに固定的に接続され、他端は他の一組の前記第1の締結部品126を介して前記回転軸ホルダに固定的に接続される。第1の締結部品126は一番外側に位置するサブホルダ121を通過して回転軸122の端部に固定的に接続され、これによって回転軸122及び回転軸ホルダを固定する。選択可能に、前記第1の締結部品126と前記回転軸ホルダとの間にはさらにガスケット127が設けられる。第1の締結部品126はボルトとナットを用いてもよく、第1の締結部品126と一番外側に位置するサブホルダ121との間にガスケット127が設けられることにより、回転軸122と回転軸ホルダとの間の接続をより牢固にすることができる。さらに、サブホルダ121と軸受内輪との間の隙間は、隙間がないかまたはわずかな干渉(材料及び部品のサイズ次第)があってもよく、このように、両端のボルトとナットからの締付力により、軸受ガスケット125及び軸受内輪に圧力が存在するようにし、この圧力は軸受内輪が回転軸122に対して回転しないことを保証することができる。
【0045】
本実施例では、サブ転輪123はエンジニアリングビニールPOMを用いて射出成形されてもよく、中央にスルーホールがあり、両端には第1の軸受124を収納できる溝があり、回転軸122に套設され、組立て後に第1の軸受124を介して回転軸122において受動的に回転することができる。回転軸122はD字状の軸を用いてもよく、断面はD字状であり、主な役割は軸受内輪を固定し、軸受内輪が回転軸に対して回転することを防止することである。回転軸122はステンレス材質を用いてもよく、複数のサブホルダ121を通過して設けられる。回転軸122両端にはネジ山1220が設けられてもよく、第1の締結部品126に牢固に接続され、電子機器の中枠に固定することも容易になり、これによって回転軸を固定する。第1の締結部品126は金属材質を用いてもよく、例えばボルトとナットを用いてもよく、ガスケット127を通過して回転軸122にロックされ、回転軸122及び回転軸ホルダを締め付ける。第1の軸受124の材質はステンレスまたはセラミックスを用いてもよく、サブ転輪123に組み立てられ、各転輪123の両端にはそれぞれ1つの第1の軸受124が組み立てられ、軸受ガスケット125を組み立てる。軸受ガスケット125は金属材質を用いてもよい。サブ転輪を回転軸に取り付ける時、各転輪の両側にはいずれも1つの軸受ガスケットが置かれ、回転軸を軸受ガスケットの内穴を通過させ、回転軸の両端がボルトとナットによって締め付けられた後、ガスケットは軸受内輪を固定し、軸受内輪が軸受外輪に共に回転することを防止し、且つ第1の軸受及びブラケットを接地するという役割を有する。
【0046】
図1と
図13に示すように、いくつかの可能な実施例では、前記回転軸122は回転可能に前記軸穴に接続され、前記転輪は固定的に前記回転軸122に接続される。なお、回転軸122は固定的に転輪に接続され、転輪は回転軸122に対して回転せず、回転軸122は回転軸ホルダに対して回転可能であり、フレキシブルディスプレイ90は展開や回収の時に、転輪及び回転軸122を同時に回転するように動かす。
【0047】
いくつかの可能な実施例では、前記回転軸ホルダは複数のサブホルダ121を含み、第1の方向Xに垂直な方向に沿って離間して前記ブラケット11に設けられ、前記サブホルダ121にはサブ軸穴が設けられ、前記複数のサブホルダ121のサブ軸穴は同軸に設けられて前記軸穴を形成し、前記回転軸122は複数の前記サブ軸穴を通過して設けられ、これによって複数のサブホルダ121に固定的に接続される。前記転輪は複数のサブ転輪123を含み、隣接する2つの前記サブホルダ121の間には1つの前記サブ転輪123が設けられる。回転軸ホルダを複数のサブホルダ121として設け、転輪を複数のサブ転輪123として設け、サブホルダ121及びサブ転輪123を交互に設けて、転輪の回転性能を保証すると同時に、回転軸ホルダの強度を強化し、全体構造の強度を向上させることができる。回転軸ホルダの各サブホルダ121はいずれもブラケット11に固定的に接続され、ブラケット11に一体成形するように加工されてもよい。なお、各サブホルダ121の大きさは異なってもよく、例えば小さいホルダと大きいホルダに分けてもよく、両側に位置するサブホルダには小さいホルダを用いて、中間に位置するサブホルダには大きいホルダを用いる。各サブ転輪123の大きさは異なってもよく、例えば大転輪と小転輪に分け、実際の需要に応じて設けてもよく、本開示はこれに対して限定するものではない。
【0048】
いくつかの可能な実施例では、前記回転軸コンポーネント12は2つの第2の軸受128をさらに含み、それぞれ前記回転軸122の両端に套設され、前記回転軸122の端部は前記第2の軸受128を介して前記回転軸ホルダに回転可能に接続される。前記第2の軸受128は軸受内輪と、前記軸受内輪に回転可能に接続される軸受外輪とを含み、前記軸受内輪は前記回転軸ホルダに接続され、前記軸受外輪は前記回転軸122に接続される。回転軸122は第2の軸受128を介して回転軸ホルダのサブホルダ121に対して回転し、第2の軸受128は回転軸122の回転による摩擦磨耗を低減することができる。サブ転輪123及び回転軸122は径方向において隙間のない設計であってもよく、サブ転輪123が回転軸122の回転とともに回転することを保証する。回転軸ホルダのサブホルダ121及び回転軸122は径方向において回避設計であってもよく、サブ転輪123と回転軸122との間に回転を実現するための隙間があることを保証する。本実施例では、2つの第2の軸受128を設けるだけで回転軸122が回転軸ホルダに対して回転することを実現することができ、軸受の数量を減少させ、モデル設計を簡素化する。
【0049】
いくつかの可能な実施例では、前記回転軸コンポーネント12は2つの軸カバー130をさらに含み、そのうちの1つの前記軸カバー130は前記軸穴の一端から隣接する前記回転軸122内輪に当接され、もう1つの前記軸カバー130は前記軸穴の他端から隣接する前記回転軸122内輪に当接され、軸カバー130を介して軸受内輪を圧着し、軸方向において回転軸122を制限する役割を果たし、回転軸122が軸方向に沿って変位することを防止することができる。
【0050】
いくつかの可能な実施例では、前記回転軸コンポーネント12は複数の第2の締結部品129をさらに含み、前記第2の締結部品129は前記サブ転輪123を通過して前記回転軸122に固定的に接続される。1つのサブ転輪123は1つの第2の締結部品129を介して回転軸122に固定的に接続されてもよく、複数の第2の締結部品129を介して回転軸122に固定的に接続されてもよく、本開示はこれに対して限定するものではない。
【0051】
図17~
図20に示すように、本開示の実施例は電子機器を提供し、携帯電話、携帯端末、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、画面付き端末のハンドヘルドデバイス、車載表示装置などであってもよい。電子機器は、筐体、上記実施例に記載された伸縮スクリーン構造、及び駆動機構99を含む。
【0052】
筐体は第1の筐体91と、前記第1の方向Xに沿って前記第1の筐体91にスライド可能に設けられた第2の筐体92とを含み、前記第1の筐体91と前記第2の筐体92とは囲んで開口部を備える収容構造991を形成する。伸縮スクリーン構造は前記収容構造991内に設けられ、前記回転軸コンポーネント12は前記第2の筐体92に近い側に位置し、前記フレキシブルディスプレイ90の第1端901は前記筐体底部に近い側に位置し、前記フレキシブルディスプレイ90の第2端902は前記第1の筐体91に接続されて前記開口部をカバーする。駆動機構99は前記収容構造991内に設けられ、前記駆動機構99は前記スライドレール機構に接続され、前記スライドレール機構を前記第1の方向Xに沿って移動するように駆動する。選択可能に、第1の筐体91には支持板93が設けられてもよく、フレキシブルディスプレイ90の第2端は支持板93に接続され、支持板93はフレキシブルディスプレイ90を支持し且つ保護の役割を果たすことができる。
【0053】
駆動機構99は、筐体30、並びに前記筐体30に取り付けられた駆動コンポーネント及び伝動コンポーネントを含む。筐体30には電子機器の中枠に接続された取り付け金具302が設けられてもよく、締結部品を介して取り付け金具302を中枠に固定し、これによって駆動機構99を中枠に取り付ける。選択可能に、駆動機構99の数量は実際の需要に応じて設定されもよく、
図20に示す例では、駆動機構99の数量は2つである。
【0054】
前記駆動コンポーネントは駆動部品31、及び前記駆動部品31に接続されたギアボックス構造32を含み、前記駆動部品31及び前記ギアボックス構造32はいずれも前記筐体30に取り付けられる。選択可能に、駆動部品31は駆動モータまたは駆動電機であってもよい。
【0055】
前記伝動コンポーネントは第1の伝動部品14、及び前記第1の伝動部品14移動可能に接続された第2の伝動部品15を含み、前記第1の伝動部品14は前記筐体30に取り付けられて前記ギアボックス構造32に接続され、前記第2の伝動部品15は伸縮スクリーン構造のフレキシブルディスプレイに伝動可能に接続される。
【0056】
前記駆動部品31は前記ギアボックス構造32に第1のトルクを出力し、前記ギアボックス構造32は前記第1のトルクを第2のトルクに変換し且つ前記第1の伝動部品14に出力して前記第1の伝動部品14を回転するように駆動し、前記第2の伝動部品15は前記第1の伝動部品14に対して移動し、これによって前記フレキシブルディスプレイを移動するように動かす。前記第1のトルクは前記第2のトルクより小さい。前記駆動機構は前記スライドレール機構を前記第1の方向Xに沿って移動するように駆動し、前記第2の筐体92、前記スライドレールコンポーネント20、前記フレキシブルディスプレイ90の第1端及び前記スライド部品22を、前記第1の筐体91に対して前記第1の方向Xに沿って移動するように動かして、前記フレキシブルディスプレイ90が回収状態と展開状態の間で切り替えるようにする。
【0057】
上記設置により、駆動機構99はギアボックス構造を介して、駆動部品によって出力された第1のトルクをトルクのより大きい第2のトルクに変換し、さらに第1の伝動部品に伝達して第1の伝動部品を回転させ、これによってフレキシブルディスプレイを移動するように動かし、駆動部品の低トルクを高トルクに変換し、第1の伝動部品を回転するように駆動して、よりよくフレキシブルディスプレイを移動するように動かすことができる。
【0058】
いくつかの可能な実施例では、駆動コンポーネントは駆動部品31に接続された制御回路基板312をさらに含むことができ、命令に基づいて駆動部品31を制御する。制御回路基板312はフレキシブルFPC回路基板であってもよい。制御回路基板312は電子機器の端末のマザーボードに導通し、フレキシブルディスプレイが展開する必要がある場合、端末のマザーボードは伸びる命令を制御回路基板312に送り、制御回路基板312は駆動モータを回転するように制御し、駆動モータはギアボックス構造32を介して駆動モータのトルクを増幅させ、第2の伝動部品15を第1の伝動部品14に対して線形動作するように駆動し、第2の伝動部品15を介してフレキシブルディスプレイを外に伸びるように動かし、このようにフレキシブルディスプレイが伸びる動作が完了する。フレキシブルディスプレイを回収する必要がある場合、電子機器のディスプレイをクリックすることによって回収の命令を端末のマザーボードに送信することができ、端末のマザーボードは回収の命令を制御回路基板312に送り、制御回路基板312は駆動モータを回転するように制御し(伸びる際の回転方向と逆である)、駆動モータはギアボックス構造32を介して駆動モータのトルクを増幅させ、第2の伝動部品15を第1の伝動部品14に対して線形動作するように駆動し、第2の伝動部品15を介してフレキシブルディスプレイを初期位置に回収されるように動かす。本実施例では、制御回路基板312は溶接によって駆動モータに接続され、制御回路基板312は端末のマザーボードに導通し、またはBTBコネクタを介してマザーボード端末に導通し、それによって駆動モータの通電を達成し、制御信号を介して駆動モータを回転するように制御する。
【0059】
いくつかの可能な実施例では、駆動モータは、直流ステッピングモータを用いてもよく、ステッピングモータは、電気パルス信号を角変位または線変位に変換するオープンループ制御モータである。オーバーロードでない場合、モータの回転速度、停止位置は、負荷変化の影響を受けず、パルス信号の周波数とパルス数だけによって決められ、ステッピングドライバはパルス信号を受信すると、ステッピングモータを設定された方向に沿って固定角度だけ回転するように駆動し、その回転は固定された角度で一歩ずつ動作する。パルスの数を制御することによって角変位量を制御することができ、これによって正確な位置決めという目的を達成する。同時に、パルス周波数を制御することにより、モータの回転速度と加速度を制御することができ、これによって速度調整という目的を達成し、回転のトルクを入力する。
【0060】
前記第1の伝動部品14はリードスクリューであり、前記第2の伝動部品15は前記リードスクリューに螺合されたナットであり、前記リードスクリューの両端は軸受141を介して前記筐体30に接続される。伸縮スクリーン構造のブラケット11には伝動部品13が設けられる。前記リードスクリューは前記第1の方向Xに沿って延設され、前記ナットは前記伝動部品13に当接される。前記駆動モータは前記リードスクリューを回転するように駆動し、前記ナットと前記伝動部品を前記第1の方向Xに沿って移動するように動かし、これによって前記スライドレール機構を前記第1の方向Xに沿って移動するように動かす。なお、第1の伝動部品及び第2の伝動部品はギアラック、ウォームタービンなどの構造を用いてもよく、本開示はこれに対して限定するものではない。
【0061】
いくつかの可能な実施例では、駆動機構99は前記筐体30に設けられたガイドロッド33をさらに含み、前記ガイドロッド33と前記リードスクリューとは平行に設けられる。前記ナットは第1の套設部151と第2の套設部152を含み、前記第1の套設部151は前記リードスクリューに螺合され、前記第2の套設部152は前記ガイドロッド33に套設される。前記第2の伝動部品15には突出ブロック153が設けられ、伸縮スクリーン構造のブラケット11の伝動部品13に当接される。ナットは第1の套設部151を介してリードスクリューに螺合され、リードスクリューが回転する時、ナットはリードスクリューに対して線形移動する。移動する中で、第2の套設部152は前記ガイドロッド33に沿って移動し、ナットを案内する役割を果たすことができる。
【0062】
いくつかの可能な実施例では、前記駆動部品31は出力軸311を含み、前記ギアボックス構造32は第1のギアボックスと第2のギアボックスを含む。前記第1のギアボックスは第1のギアを含み321、前記第2のギアボックスは第2のギア322及び前記第2のギア322に嵌合した第3のギア323(リードスクリュー歯として理解することができる)を含み、前記第3のギア323は前記第1の伝動部品14に接続され、前記第2のギア322は前記第1のギア321に嵌合し、前記第1のギア321は前記出力軸311に接続される。前記出力軸311は前記第1のギア321に第1のトルクを出力し、前記第1のトルクは前記第2のギア322及び前記第3のギア323によって第2のトルクに変換されて前記第1の伝動部品14に出力される。第1のギア321、第2のギア322及び第3のギア323の歯の嵌合は、駆動モータによって出力された低トルクを高トルクに変換することができる。
【0063】
いくつかの可能な実施例では、前記ギアボックス構造32はギアボックス端部カバー34をさらに含み、前記筐体30の片側に固定的に接続される。選択可能に、筐体30の側部には、ギアボックス端部カバー34に固定的に接続される側枠301が設けられ、ギアボックス端部カバー34は当該側枠301に固定されている。ギアボックス端部カバー34は複数の締結部品342(例えばねじ)によって当該側枠301に固定される。前記第1のギア321と前記第2のギア322はいずれも前記ギアボックス端部カバー34に接続され、前記第3のギア323は前記第1の伝動部品14によって前記ギアボックス端部カバー34に接続され、ギアボックス端部カバー34は第1のギア321、第2のギア322、第3のギア323及び第1の伝動部品14を固定する役割を果たす。
【0064】
いくつかの可能な実施例では、前記第1のギアボックスは第1のブッシュ324を含み、前記ギアボックス端部カバー34に固定され、前記第1のギア321は前記第1のブッシュ324に取り付けられる。選択可能に、ギアボックス端部カバー34には第1のスルーホール341が設けられ、第1のブッシュ324は前記第1のスルーホール341に固定され、第1のギア321は太陽歯であり、前記第1のブッシュ324に取り付けられる。前記第2のギアボックスは前記ギアボックス端部カバー34に固定された柱状ストッパ35を含み、前記第2のギア322は前記柱状ストッパ35に取り付けられ、柱状ストッパ35は第2のギア322を制限し且つ固定する役割を果たす。
【0065】
いくつかの可能な実施例では、前記第1の伝動部品14はリードスクリューであり、前記リードスクリューの端部は軸受141によって前記ギアボックス端部カバー34に接続され、前記第3のギア323は前記リードスクリューに嵌合する。選択可能に、ギアボックス端部カバー34には第2のスルーホール343が設けられ、当該第2のスルーホール343内には軸受141が取り付けられ、リードスクリューの一端は当該軸受141に取り付けられ、これによって筐体30に固定される。
【0066】
いくつかの可能な実施例では、前記第1のギアボックスは、固定リングギア36、駆動ギア37、遊星ギアキャリヤ38及び遊星ギア39をさらに含む。
【0067】
固定リングギア36は前記駆動部品31に接続され、前記出力軸311は前記固定リングギア36内に差し込む。
【0068】
駆動ギア37は前記固定リングギア36内に取り付けられ、前記出力軸311に固定される。選択可能に、第1のギアボックスは第2のブッシュ371をさらに含み、駆動ギア37は第2のブッシュ371に取り付けられ、駆動ギア37を保護し且つ制限する役割を果たすことができる。
【0069】
遊星ギアキャリヤ38は前記固定リングギア36内に取り付けられ、前記第1のギア321に嵌合して固定される。選択可能に、第1のギアボックスは第3のブッシュ381をさらに含み、遊星ギアキャリヤ38は第3のブッシュ381に取り付けられ、遊星ギアキャリヤ38を保護し且つ制限する役割を果たすことができる。
【0070】
遊星ギア39は前記遊星ギアキャリヤ38に取り付けられ、前記駆動ギア37に嵌合する。
【0071】
前記出力軸311は前記駆動ギア37に第1のトルクを出力し、前記第1のトルクは前記駆動ギア37、前記遊星ギア39、前記遊星ギアキャリヤ38によって減速した後に第1のギア321に伝達され、一次減速効果を達成する。それから当該トルクはさらに第1のギア321によって減速した後に第2のギア322に伝達され、二次減速効果を達成する。その後に当該トルクは第2のギア322によって減速した後に第2のトルクに変換して第3のギア323に伝達され、三次減速効果に達成する。第3のギア323はさらに第2のトルクを第1の伝動部品14に伝達し、第1の伝動部品14を回転するように駆動する。
【0072】
上記設置により、駆動ギア37、及び遊星ギアキャリヤ38と遊星ギア39との歯の嵌合により、一次ギアボックスを構成する。第1のギア321、及び第2のギア322と第3のギア323との歯の嵌合により、二次、三次ギアボックスを構成する。遊星ギア39は一次減速歯とすることができ、第1のギア321は第2の減速歯とすることができ、第2のギア322は第3の減速歯とすることができ、第3のギア323はリードスクリューギアとすることができる。
【0073】
第1のギアボックスは駆動機構の中心となる部品であり、一端は溶接によって駆動モータに取り付けられ、他端は溶接によって筐体30に固定される。第1のギアボックスは駆動モータの出力軸311、駆動ギア37、第2のブッシュ371、遊星ギア39、遊星ギアキャリヤ38、第3のブッシュ381、固定リングギア36、及び第1のギア321を含む。すべての部品はギアを介して嵌合して固定され、出力軸311、駆動ギア37、第2のブッシュ371、遊星ギア39、遊星ギアキャリヤ38、第3のブッシュ381及び第1のギア321はいずれも固定リングギア内に固定的に嵌合し、駆動ギア37は駆動モータの出力軸311に固定され、遊星ギアキャリヤ38と第1のギア321とは嵌合して固定され、第1のギア321の他端は第1のブッシュ324に固定され、第1のブッシュ324を介してギアボックス端部カバー34に固定される。第2のギア322は柱状ストッパ35によって筐体30とギアボックス端部カバー34に固定される。第3のギア323は第1の伝動部品14に固定され、第1の伝動部品14の一端は軸受141によって筐体30に固定され、他端も軸受141によってギアボックス端部カバー34に固定される。ギアボックス端部カバー34は締結部品342によって筐体30に固定され、第1のギア321、第2のギア322及び第3のギア323という3つのギアは歯の嵌合により、二次、三次ギアボックスを構成する。駆動モータによって出力されたトルクは第1のギアボックスと第2のギアボックスを介して減速し、出力トルクの数倍または何十倍を超過する1つのトルクをリードスクリューに出力し、リードスクリューを回転するように動かす。リードスクリューはナットを運動するように動かす。ギアボックス構造の主な役割は駆動モータによって出力された低トルクを高トルクに変換することである。
【0074】
いくつかの選択可能な実施方式では、筐体30はMIM(粉末冶金)で製造されることができ、口径及び一部のサイズは旋盤またはCNCマニシングセンタで加工される必要がある。筐体30の主な役割はギアボックス構造、リードスクリュー、ナット、軸受、ガイドロッドなどの部品を固定することである。そのため、当該筐体30の精度要件は比較的高く、平面度要件も高く、筐体30の精度は駆動機構全体の安定性に直接影響を与える。筐体30全体は電子機器の中枠の第1の筐体91に固定することができる。
【0075】
ナットはMIM(粉末冶金)及びプラスチックを用いる二色射出成形で形成されてもよく、プラスチックはエンジニアリングプラスチック(通常、POM材料を用いる)を用い、当該材料は自己潤滑の効果を有し、ナットの片側はガイドパイルに固定され、一端はリードスクリューに固定され、リードスクリュー側に固定するにはリードスクリュー案内溝を設計する必要があり、ナットが線形運動をするように駆動することを容易にする。このナットは突き出しコンポーネントの構造の需要に応じて、補強リブと横スライダーとが固定的に接続されるという構造を設計し、スライダーを移動するように押す。ガイドパイルはステンレス材質を用いてもよく、表面粗さに対する要件が高く、ナットを案内し且つ固定する役割を果たす。リードスクリューは、通常、強度の高い工具鋼材を用い、旋盤やマシニングセンタで何回も加工製造する。リードスクリューの両端に軸受を固定し、一端はフレームに固定され、他端は減速ギアボックス端部カバーに固定され、駆動モータは減速ギアボックス構造を介してリードスクリューを回転するように駆動し、リードスクリューはナットを線形運動するように駆動する。従ってリードスクリューの強度と精度は、ナットがスライダーを押す安定性とスムーズさに直接影響する。
【0076】
再び
図14~
図16を参照すると、弾性コンポーネントの弾性部品の事前締付によると、スライダー22は開始位置で弾性コンポーネントの事前締付力を受け、さらに、リミットストッパ25が存在するため、静止状態が開始位置にあり、フレキシブルディスプレイ90が回収状態にあることを保持する。
【0077】
駆動機構は、動力源として完成機の中枠(すなわち筐体)に固定され、電子機器はUIを介して命令を受信した後、駆動機構を制御し、したがって駆動機構は駆動スライドレール機構を第1方向Xに沿って移動する(
図15に示される左に移動する)ように駆動し、それにより、スライドレール機構全体は第1筐体91に対して第1筐体91から離れる方向に沿って引き出される。この過程で、フレキシブルディスプレイ90の第1端はスライダー22と共にスライドし、回転軸コンポーネントの転輪はフレキシブルディスプレイ90の力を受けて受動的に回転し、フレキシブルディスプレイ90の第2端が第1筐体91に接続されるため、スライドレール機構が徐々に引き出されるにつれて、フレキシブルディスプレイ90が徐々に展開される効果を実現することができ、
図15に示すとおりである。スライドレール機構がスライドする過程で、スライダー22がフレキシブルディスプレイによって引っ張られて固定台21の一端から他端に移動することができ、フレキシブルディスプレイ90の展開長さをさらに増加させることができる。さらに、スライドする過程で、弾性コンポーネントがスライダー22に引っ張られることによってスライダー22にはスライド方向と反対の弾性張力が生じ、フレキシブルディスプレイ90は常に当該逆方向の引張力を受け、つまりフレキシブルディスプレイ90を右に引っ張り、伸びたフレキシブルディスプレイ90がより平坦になり、フレキシブルディスプレイ90が曲がる軌跡が設計意図に従って運動するように保証し、完成機が展開してスクリーンが突起、膨張及び変形するように見えるという問題を防止する。
【0078】
全体の過程では、スライダー22はフレキシブルディスプレイ90の第2端によって引っ張られて、固定台21の一端から他端に移動することができる。スライドレール機構が第1筐体91に対して引き出されたストロークがSであると仮定すると、スライダー22がスライドするストロークはSであり、フレキシブルディスプレイ90の第1端はスライドレール機構とともに第1筐体91に対して2Sの距離だけ運動した。
【0079】
完成機が外部命令を受けて回収される場合、駆動モータは逆方向に駆動し始め、スライドレール機構及びフレキシブルディスプレイを回収する。この過程で、ブラケット及び固定台は駆動機構の駆動で逆方向に移動し、フレキシブルディスプレイ及びスライダーは弾性コンポーネントの弾性力の作用で徐々に回収され、スライダーは弾性コンポーネントの弾性応力によって開始位置に戻り、これによってフレキシブルディスプレイを回収状態に戻らせる。従って、本開示のスライドレール機構を用いることにより、フレキシブルディスプレイの機械全体の展開と回収の過程でその外観の湾曲形態を安定的且つ効果的に保持することができ、スクリーンの展開と回収の過程で発生した摩擦力による電力損失を低いレベルに維持し、操作性及び実現しやすい方法を有し、製品の信頼性を確保する。
【0080】
当業者は、明細書を検討し、かつ、ここで開示された出願を実践した後、本開示の他の実施案を容易に想到し得る。本開示は、本発明の任意の変形、用途または適応的変化をカバーすることを意図し、これらの変形、用途または適応的変化は、本開示の一般原理に従い、本開示で開示されていない本技術分野における技術常識または慣用されている技術手段を含む。明細書および実施例は、単なる例示と見なされ、本開示の真の範囲および精神は、以下の請求項によって指摘される。
【0081】
本開示は、上で説明され且つ図面に示された正確な構造に限定されず、その範囲から逸脱することなく、様々な修正や変更を行うことができることを理解されたい。本開示の範囲は、添付の請求項の範囲のみによって制限される。