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  • 特開-ホッチキスの後付けストッパー 図1
  • 特開-ホッチキスの後付けストッパー 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048176
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】ホッチキスの後付けストッパー
(51)【国際特許分類】
   B25C 7/00 20060101AFI20230331BHJP
   B25C 5/02 20060101ALI20230331BHJP
   F16B 2/20 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
B25C7/00 Z
B25C5/02 Z
F16B2/20 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157340
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】520493049
【氏名又は名称】坂口 照子
(74)【代理人】
【識別番号】100095245
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】坂口 照子
【テーマコード(参考)】
3C068
3J022
【Fターム(参考)】
3C068AA04
3C068AA07
3C068BB02
3C068GG14
3J022DA11
3J022EA41
3J022FB12
3J022HA02
3J022HA05
3J022HB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来の後付けストッパーの欠点が解消されたホッチキスの後付けストッパーを提供する。
【解決手段】湾曲凹面2aを互いに対峙させて平行に延在する一対の半筒体2と、前記一対の半筒体を付勢して対峙する一対の湾曲凹面を互いに接近させるバネ3と、前記一対の半筒体とバネとに係合し半筒体から離隔する側の長手延在方向一端部が互いに接近離隔すると前記一対の湾曲凹面が互いに離隔接近する一対の腕部材4とを有するクリップ1と、前記一対の半筒体の長手延在方向一端部に且つ湾曲凸面に接着固定され、半筒体の長手延在方向一端から当該長手延在方向へ突出する一端が前記一対の半筒体の長手延在方向に直交する面一の一対の平坦面5aを形成する半筒体とは別体の一対の厚肉小片5と、を備え、ホッチキス100の本体下部103を挟持して着脱可能にホッチキスに取り付けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲凹面を互いに対峙させて平行に延在する一対の半筒体と、前記一対の半筒体を付勢して対峙する一対の湾曲凹面を互いに接近させるバネと、前記一対の半筒体とバネとに係合し半筒体から離隔する側の長手延在方向一端部が互いに接近離隔すると前記一対の湾曲凹面が互いに離隔接近する一対の腕部材とを有するクリップと、前記一対の半筒体の長手延在方向一端部に且つ湾曲凸面に接着固定され、半筒体の長手延在方向一端から当該長手延在方向へ突出する一端が前記一対の半筒体の長手延在方向に直交する面一の一対の平坦面を形成する半筒体とは別体の一対の厚肉小片と、を備え、ホッチキスの本体下部を挟持して着脱可能にホッチキスに取り付けられることを特徴とするホッチキスの後付けストッパー。
【請求項2】
湾曲凹面を互いに対峙させて平行に延在する一対の半筒体と、前記一対の半筒体を付勢して対峙する一対の湾曲凹面を互いに接近させるバネと、前記一対の半筒体とバネとに係合し半筒体から離隔する側の長手延在方向一端部が互いに接近離隔すると前記一対の湾曲凹面が互いに離隔接近する一対の腕部材とを有するクリップと、前記一対の半筒体の長手延在方向一端部の湾曲凸面側に一体形成され、一端が半筒体の長手延在方向一端と協働して半筒体の長手延在方向に直交する面一の一対の平坦面を形成する一対の厚肉小片と、を備え、ホッチキスの本体下部を挟持して着脱可能にホッチキスに取り付けられることを特徴とするホッチキスの後付けストッパー。
【請求項3】
湾曲凹面を互いに対峙させて平行に延在する一対の厚肉の半筒体と、前記一対の半筒体を付勢して対峙する一対の湾曲凹面を互いに接近させるバネと、前記一対の半筒体とバネとに係合し半筒体から離隔する側の長手延在方向一端部が互いに接近離隔すると前記一対の湾曲凹面が互いに離隔接近する一対の腕部材とを有するクリップを備え、前記一対の半筒体の長手延在方向一端が半筒体の長手延在方向に直交する面一の一対の平坦面を形成し、ホッチキスの本体下部を挟持して着脱可能にホッチキスに取り付けられることを特徴とするホッチキスの後付けストッパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホッチキスの後付けストッパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
薄板で形成された溝形断面部材であって両脚部が内側へ折り返されてバネを形成し、当該バネでホッチキスの本体下部を挟持してホッチキスに取り付けられるホッチキスの後付けストッパーが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-074338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の後付けストッパーには、バネが強いとストッパーをホッチキスの本体下部に嵌合させて当該下部を挟持させるのが困難になり、バネを弱くしてストッパーをホッチキスの本体下部に嵌合させて当該下部を挟持するのを容易にすると挟持力が減少して紙を綴じるべく紙の縁をストッパーに当接させる際にストッパーが移動し、複数の針で紙の縁に沿って離散的に紙を綴じる場合、ホッチキスの針を紙の縁に平行に整列させられないという問題がある。また、ストッパーと紙との一対の係合部間の距離がホッチキスの本体下部の幅と略同一になり狭いので、またストッパーと紙との接触が点接触になり接触面積が小さいので、ストッパーを紙の縁に正確に当接させることができず、ホッチキスの針が紙の縁に対して傾斜する事態が発生しがちだった。この結果、例えばA4サイズの複数の印字書面を長縁に沿った2箇所でホッチキスで綴じて、複数ページから成る報告書を作成する場合に、ホッチキスの針が長縁に沿って整列せず或いは長縁に対して斜めになって見栄えが悪くなる事態が発生していた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、従来の後付けストッパーの欠点が解消されたホッチキスの後付けストッパーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明においては、湾曲凹面を互いに対峙させて平行に延在する一対の半筒体と、前記一対の半筒体を付勢して対峙する一対の湾曲凹面を互いに接近させるバネと、前記一対の半筒体とバネとに係合し半筒体から離隔する側の長手延在方向一端部が互いに接近離隔すると前記一対の湾曲凹面が互いに離隔接近する一対の腕部材とを有するクリップと、前記一対の半筒体の長手延在方向一端部に且つ湾曲凸面に接着固定され、半筒体の長手延在方向一端から当該長手延在方向へ突出する一端が前記一対の半筒体の長手延在方向に直交する面一の一対の平坦面を形成する半筒体とは別体の一対の厚肉小片と、を備え、ホッチキスの本体下部を挟持して着脱可能にホッチキスに取り付けられることを特徴とするホッチキスの後付けストッパーを提供する。
本発明においては、クリップの一対の腕部材の半筒体から離隔する側の長手延在方向一端部を拇指と人指し指で挟み押圧してクリップを開き、ホッチキスの揺動軸から針押し出し部へ向かう方向を、クリップの一対の半筒体の長手延在方向他端から厚肉小片が接着固定された長手延在方向一端へ向かう方向に一致させた後、ホッチキスの本体下部をクリップの一対の半筒体の対峙する湾曲凹面の間に挿入し、クリップの一対の厚肉小片の前記面一の一対の平坦面をホッチキスの針押し出し部に対して適正に位置決めし、その後クリップの腕部材の押圧を解除する。バネの付勢力により、一対の半筒体の湾曲凹面でホッチキスの本体下部を挟持した状態で、クリップはホッチキスの本体下部の適正位置に確りと固定される。クリップの一対の厚肉小片の前記面一の一対の平坦面を綴る紙の縁に当接させた状態で、ホッチキスの針を紙に貫通させて紙を綴じる。
腕部材の長さを大きくすると共にバネの付勢力を大きくすることにより、クリップの開閉の容易化と、クリップの挟持力の強化とを同時に実現できる。
この結果、ストッパーによるホッチキスの本体下部の挟持を容易化でき、且つ紙を綴じるべく紙の縁を厚肉小片の前記面一の一対の平坦面に当接させる際のストッパーの移動を阻止して、紙の縁に沿って複数の針で離散的に紙を綴じる際に、前記複数の針を紙の縁に平行に整列させることができる。
また、厚肉小片の前記面一の一対の平坦面と紙との一対の当接部間の距離がホッチキスの本体下部の幅よりも大きくなり、また厚肉小片の前記面一の一対の平坦面と紙との接触が線接触になって接触面積が大きくなるので、一対の厚肉小片の前記面一の一対の平坦面を紙の縁に正確に当接させることができる。従って、ホッチキスの針が紙の縁に対して傾斜する事態は発生しない。
【0006】
また本発明においては、湾曲凹面を互いに対峙させて平行に延在する一対の半筒体と、前記一対の半筒体を付勢して対峙する一対の湾曲凹面を互いに接近させるバネと、前記一対の半筒体とバネとに係合し半筒体から離隔する側の長手延在方向一端部が互いに接近離隔すると前記一対の湾曲凹面が互いに離隔接近する一対の腕部材とを有するクリップと、前記一対の半筒体の長手延在方向一端部の湾曲凸面側に一体形成され、一端が半筒体の長手延在方向一端と協働して半筒体の長手延在方向に直交する面一の一対の平坦面を形成する一対の厚肉小片と、を備え、ホッチキスの本体下部を挟持して着脱可能にホッチキスに取り付けられることを特徴とするホッチキスの後付けストッパーを提供する。
半筒体と厚肉小片を一体成形する場合、半筒体の長手延在方向一端は厚肉小片の一端と面一の平坦面を形成することになる。
また本発明においては、湾曲凹面を互いに対峙させて平行に延在する一対の厚肉の半筒体と、前記一対の半筒体を付勢して対峙する一対の湾曲凹面を互いに接近させるバネと、前記一対の半筒体とバネとに係合し半筒体から離隔する側の長手延在方向一端部が互いに接近離隔すると前記一対の湾曲凹面が互いに離隔接近する一対の腕部材とを有するクリップを備え、前記一対の半筒体の長手延在方向一端が半筒体の長手延在方向に直交する面一の一対の平坦面を形成し、ホッチキスの本体下部を挟持して着脱可能にホッチキスに取り付けられることを特徴とするホッチキスの後付けストッパーを提供する。
厚肉小片の配設に代えて、クリップの半筒体を厚肉に形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例に係る後付けストッパーの外観斜視図である。
図2】本発明の実施例に係る後付けストッパーが取り付けられたホッチキスの外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示すように、ホッチキスの後付けストッパーAは、市販の目玉クリップ1を備えている。目玉クリップ1は、湾曲凹面2aを互いに対峙させた一対の平行に延在する半筒体2と、前記一対の半筒体2を付勢して対峙する一対の湾曲凹面2aを互いに接近させるバネ3と、前記一対の半筒体2とバネ3とに係合し、半筒体2から離隔する側の長手延在方向一端部が互いに接近離隔すると前記一対の湾曲凹面2aが互いに離隔接近する一対の腕部材4とを備えている。
目玉クリップ1の前記一対の半筒体2の長手延在方向一端部に且つ湾曲凸面2bに半筒体2とは別体の一対の厚肉小片5が接着固定されている。前記一対の半筒体2の長手延在方向一端から当該長手延在方向へ突出する前記一対の厚肉小片5の一端が、前記一対の半筒体2の長手延在方向に直交する面一の一対の平坦面5aを形成している。
【0009】
後付けストッパーAの作動を説明する。
一対の腕部材4の半筒体2から離隔する側の長手延在方向一端部を拇指と人指し指で挟み押圧して目玉クリップ1を開き、図2に示すように、ホッチキス100の揺動軸101から針押し出し部102へ向かう方向を、目玉クリップ1の一対の半筒体2の長手延在方向他端から厚肉小片5が接着固定された長手延在方向一端へ向かう方向に一致させた後、ホッチキス100の本体下部103を目玉クリップ1の一対の半筒体2の対峙する湾曲凹面2aの間に挿入し、目玉クリップ1の一対の厚肉小片5の前記面一の一対の平坦面5aをホッチキス100の針押し出し部101に対して適正に位置決めし、その後目玉クリップ1の腕部材4の押圧を解除する。バネ3の付勢力により、一対の半筒体2の湾曲凹面2aでホッチキス100の本体下部103を挟持した状態で、目玉クリップ1はホッチキス100の本体下部103の適正位置に確りと固定される。目玉クリップ1の一対の厚肉小片5の前記面一の一対の平坦面5aを、綴る紙の縁に当接させた状態で、ホッチキス100の針を紙に貫通させて紙を綴じる。
【0010】
腕部材4の長さを大きくすると共にバネ3の付勢力を大きくすることにより、目玉クリップ1の開閉の容易化と、目玉クリップ1の挟持力の強化とを同時に実現できる。市販の目玉クリップは前記条件を充分に備えている。この結果、後付けストッパーAによるホッチキスの本体下部103の挟持を容易化でき、且つ紙を綴じるべく紙の縁を一対の厚肉小片5の前記面一の一対の平坦面5aに当接させる際のストッパーAの移動を阻止して、紙の縁に沿って複数の針で離散的に紙を綴じる際に、前記複数の針を紙の縁に平行に整列させることができる。
また、一対の厚肉小片5の前記面一の一対の平坦面5aと紙との一対の当接部間の距離がホッチキスの本体下部103の幅よりも大きくなり、また一対の厚肉小片の前記面一の一対の平坦面5aと紙との接触が線接触になって接触面積が大きくなるので、一対の厚肉小片の前記面一の一対の平坦面5aを紙の縁に正確に当接させることができる。従って、ホッチキス100の針が紙の縁に対して傾斜する事態は発生しない。
【0011】
厚肉小片5の素材は特に限定されない。プラスチック、ゴム、金属、セラミック、その他の適宜の素材で良い。
厚肉小片5の断面形状も特定形状に限定されない。半筒体2の湾曲凸面2aに密着できる形状であれば良い。
市販の目玉クリップに代えて市販の山形クリップを使用しても良く、或いは一対の半筒体を3角形断面のバネ板で連結し、当該バネ板に腕部材を連結した、ダブルクリップの先端に一対の半筒体を取り付けたような形状のクリップを作成使用しても良い。
市販の目玉クリップや山形クリップに代えて、湾曲凹面を互いに対峙させて平行に延在する一対の半筒体と、前記一対の半筒体を付勢して対峙する一対の湾曲凹面を互いに接近させるバネと、前記一対の半筒体とバネとに係合し半筒体から離隔する側の長手延在方向一端部が互いに接近離隔すると前記一対の湾曲凹面が互いに離隔接近する一対の腕部材とを有するクリップを後付けストッパー専用部品として作成しても良い。
クリップ1の半筒体2と厚肉小片5とを同じ素材で一体成形しても良い。この場合、半筒体2の長手延在方向一端は厚肉小片の一端5aと面一の平坦面を形成することになる。
厚肉小片5の配設に代えて、クリップ1の半筒体2を厚肉に形成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明はホッチキスの後付けストッパーに広く利用可能である。
【符号の説明】
【0013】
A 後付けストッパー
1 目玉クリップ
2 半筒体
2a 湾曲凹面
2b 湾曲凸面
3 バネ
4 腕部材
5 厚肉小片
5a 平坦面
100 ホッチキス
101 揺動軸
102 針押し出し部
103 本体下部
図1
図2