(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048196
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】自動販売機、商品排出方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07F 9/00 20060101AFI20230331BHJP
G07F 7/02 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
G07F9/00 B
G07F7/02 Z
G07F9/00 T
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157362
(22)【出願日】2021-09-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】森 新
(72)【発明者】
【氏名】井上 尊之
【テーマコード(参考)】
3E044
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044BA04
3E044BA10
3E044CA10
3E044CB03
3E044CB05
3E044CC06
3E044DB05
3E044DB12
3E044DC05
3E044DE03
(57)【要約】
【課題】従来、簡易な処理により、適切にユーザに利益を与えられる自動販売機を提供できなかった。
【解決手段】記憶領域11を有する端末1からの信号を取得する信号取得部22と、第一条件を満たした場合に商品を排出する排出処理を行い、かつ信号取得部22が信号を取得したことに応じて、第一条件ではない第二条件に基づいて排出処理を行う排出部25と、排出部25が第二条件に基づいて排出処理が行う場合に、排出処理が行われることを特定する使用情報を端末1の記憶領域11に書き込むための書込処理を行う書込処理部242とを具備し、排出部25は、信号取得部22が信号を取得した後、排出可能期間が経過後には、第二条件に基づいた排出処理を行わない、自動販売機2により、適切にユーザに利益を与えられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶領域を有する端末からの信号を取得する信号取得部と、
第一条件を満たした場合に商品を排出する排出処理を行い、かつ前記信号取得部が信号を取得したことに応じて、前記第一条件ではない第二条件に基づいて前記排出処理を行う排出部と、
前記排出部が前記第二条件に基づいて前記排出処理を行う場合に、当該排出処理が行われることを特定する使用情報を前記端末の前記記憶領域に書き込むための書込処理を行う書込処理部とを具備し、
前記排出部は、
前記信号取得部が信号を取得した後、排出可能期間が経過後には、前記第二条件に基づいた前記排出処理を行わない、自動販売機。
【請求項2】
前記信号取得部は、
前記端末を識別する端末識別子を有する信号を取得し、
前記第二条件を満たした場合に前記排出処理を行う状態において、前記排出部が商品を排出することなく、前記排出可能期間が経過した場合に、前記端末識別子に対応する失敗情報を蓄積する失敗蓄積部をさらに具備する請求項1記載の自動販売機。
【請求項3】
前記信号取得部は、
前記端末識別子と前記使用情報に基づく状態情報とを有する信号を取得し、
前記排出部は、
前記信号取得部が取得した前記信号が前記第二条件に基づいて前記排出処理が行うと判断できない場合でも、前記端末識別子に対応する失敗情報が蓄積されている場合には、前記第二条件に基づいた前記排出処理を行う、請求項2記載の自動販売機。
【請求項4】
前記信号取得部が信号を取得したことに応じて、商品の排出に関する第一モードから、当該第一モードとは異なる第二モードに変更するモード変更部を具備し、
前記モード変更部は、
前記第一モードから前記第二モードへの変更のための変更条件を、前記状態情報が満たすか否かを判断する判断手段と、
前記使用情報が前記変更条件を満たすと前記判断手段が判断した場合に、前記第一モードから前記第二モードに変更する変更手段とを具備し、
前記判断手段は、
前記状態情報が前記変更条件を満たさないと判断された場合に、前記端末識別子に対応する失敗情報が蓄積されているか否かを判断し、蓄積されている場合に前記変更条件を満たすと判断する請求項3記載の自動販売機。
【請求項5】
前記失敗情報を用いて前記第二条件に基づいた前記排出処理を前記排出部が行った場合に、前記失敗情報を使用できないようにする使用不可処理を行う使用不可処理部をさらに具備する請求項4記載の自動販売機。
【請求項6】
前記排出部が前記第二条件に基づいた前記排出処理を行った場合に、前記端末の端末識別子に対応する成功情報を蓄積する成功蓄積部をさらに具備する請求項1から請求項5いずれか一項に記載の自動販売機。
【請求項7】
信号取得部と、排出部と、書込処理部とにより実現される、自動販売機における商品排出方法であって、
前記信号取得部が、記憶領域を有する端末からの信号を取得する信号取得ステップと、
前記排出部が、第一条件を満たした場合に商品を排出するための排出処理を行い、かつ前記信号取得部が信号を取得したことに応じて、前記第一条件ではない第二条件に基づいて前記排出処理を行う排出ステップと、
前記書込処理部が、前記排出ステップにおいて前記第二条件に基づいて前記排出処理が行う場合に、当該排出処理が行われることを特定する使用情報を前記端末の前記記憶領域に書き込むための書込処理を行う書込処理ステップとを具備し、
前記信号取得ステップで前記信号が取得された後、排出可能期間が経過後には、前記第二条件に基づいた前記排出処理を行わない、自動販売機における商品排出方法。
【請求項8】
自動販売機を、
記憶領域を有する端末からの信号を取得する信号取得部と、
第一条件を満たした場合に商品を排出する排出処理を行い、かつ前記信号取得部が信号を取得したことに応じて、前記第一条件ではない第二条件に基づいて前記排出処理を行う排出部と、
前記排出部が前記第二条件に基づいて前記排出処理が行う場合に、当該排出処理が行われることを特定する使用情報を前記端末の前記記憶領域に書き込むための書込処理を行う書込処理部として機能させるためのプログラムであって、
前記信号取得部が信号を取得した後、排出可能期間が経過後には、前記第二条件に基づいた前記排出処理を行わないものとして、前記自動販売機を機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フリーベンド対応自動販売機が存在した(例えば、特許文献1参照)。かかる自動販売機において、フリーベンド制御ユニットは、フリーベンド用鍵穴の操作以外の操作による外部信号が外部信号入力部に入力されると主制御ユニットに対してフリーベンド要請信号を送信し、主制御ユニットはフリーベンド要請信号が送信された際に通常モードから無料モードへの切替を行う。当該フリーベンド制御ユニットは、無料での商品の払い出しが完了した旨の信号がフリーベンド完了信号出力部から出力されるまでフリーベンド要請信号の出力を継続し、フリーベンド完了信号の出力があった際にフリーベンド要請信号の出力を終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の自動販売機においては、適切にユーザに利益を与えられる自動販売機を、簡易な処理により、提供できなかった。さらに具体的には、従来の自動販売機においては、フリーベンド要請信号の出力を終了するためには、フリーベンド完了信号の出力が必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の自動販売機は、記憶領域を有する端末からの信号を取得する信号取得部と、第一条件を満たした場合に商品を排出する排出処理を行い、かつ信号取得部が信号を取得したことに応じて、第一条件ではない第二条件に基づいて排出処理を行う排出部と、排出部が第二条件に基づいて排出処理を行う場合に、排出処理が行われることを特定する使用情報を端末の記憶領域に書き込むための書込処理を行う書込処理部とを具備し、排出部は、信号取得部が信号を取得した後、排出可能期間が経過後には、第二条件に基づいた排出処理を行わない、自動販売機である。
【0006】
かかる構成により、第一条件より、ユーザに利益を与えられる第二条件に基づいて、簡易な処理で商品を排出する自動販売機を提供できる。
【0007】
また、本第二の発明の自動販売機は、第一の発明に対して、信号取得部が信号を取得したことに応じて、第一条件に基づいて排出処理を行う第一モードから、第二条件に基づいて排出処理を行う第二モードに変更するモード変更部をさらに具備し、排出部は、カレントモードが第一モードであれば、第一条件を満たした場合に商品を排出する排出処理を行い、カレントモードが第二モードであれば、第二条件を満たした場合に商品を排出する排出処理を行い、モード変更部は、モード変更部が第一モードから第二モードに変更した後、排出可能期間が経過後に、第二モードから第一モードに変更する、自動販売機である。
【0008】
かかる構成により、自動販売機のモードを適切に変更することにより、適切にユーザに利益を与えられる。
【0009】
また、本第三の発明の自動販売機は、第二の発明に対して、信号取得部は、端末を識別する端末識別子と使用情報に基づく状態情報とを有する信号を取得し、モード変更部は、第一モードから第二モードへの変更のための変更条件を、状態情報が満たすか否かを判断する判断手段と、状態情報が変更条件を満たすと判断手段が判断した場合に、カレントモードを第一モードから第二モードに変更する変更手段とを具備する自動販売機である。
【0010】
かかる構成により、自動販売機のモードを適切に変更することにより、適切にユーザに利益を与えられる。
【0011】
また、本第四の発明の自動販売機は、第一から第三いずれか1つの発明に対して、信号取得部は、端末を識別する端末識別子を有する信号を取得し、第二条件を満たした場合に排出処理を行う状態において、排出部が商品を排出することなく、排出可能期間が経過した場合に、端末識別子に対応する失敗情報を蓄積する失敗蓄積部をさらに具備する自動販売機である。
【0012】
かかる構成により、排出可能期間が経過して、第二条件を利用しなかったことの記録が残ることにより、当該記録を利用する環境を与えられる。
【0013】
また、本第五の発明の自動販売機は、第四の発明に対して、信号取得部は、端末識別子と使用情報に基づく状態情報とを有する信号を取得し、排出部は、信号取得部が取得した信号が第二条件に基づいて排出処理が行うと判断できない場合でも、端末識別子に対応する失敗情報が蓄積されている場合には、第二条件に基づいた排出処理を行う、自動販売機である。
【0014】
かかる構成により、商品の排出に失敗したことを示す情報を用いて、より適切にユーザに利益を与えられる。
【0015】
また、本第六の発明の自動販売機は、第五の発明に対して、信号取得部が信号を取得したことに応じて、商品の排出に関する第一モードから、第一モードとは異なる第二モードに変更するモード変更部を具備し、モード変更部は、第一モードから第二モードへの変更のための変更条件を、状態情報が満たすか否かを判断する判断手段と、使用情報が変更条件を満たすと判断手段が判断した場合に、第一モードから第二モードに変更する変更手段とを具備し、判断手段は、状態情報が変更条件を満たさないと判断された場合に、端末識別子に対応する失敗情報が蓄積されているか否かを判断し、蓄積されている場合に変更条件を満たすと判断する自動販売機である。
【0016】
かかる構成により、商品の排出に失敗したことを示す情報を用いて、より適切にユーザに利益を与えられる。
【0017】
また、本第七の発明の自動販売機は、第六の発明に対して、失敗情報を用いて第二条件に基づいた排出処理を排出部が行った場合に、失敗情報を使用できないようにする使用不可処理を行う使用不可処理部をさらに具備する自動販売機である。
【0018】
かかる構成により、商品の排出に失敗したことを示す情報の適切な運用することにより、ユーザに過剰な利益を与えないようにできる。
【0019】
また、本第八の発明の自動販売機は、第一から第七いずれか1つの発明に対して、排出部が第二条件に基づいた排出処理を行った場合に、端末識別子に対応する成功情報を蓄積する成功蓄積部をさらに具備する自動販売機である。
【0020】
かかる構成により、ユーザに利益を与えた場合の記録を残すことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明による自動販売機によれば、第一条件より、ユーザに利益を与えられる第二条件に基づいて、簡易な処理で商品を排出する自動販売機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施の形態1における自販機システムAの概念図を示す図
【
図3】同自動販売機2の動作例について説明するフローチャート
【
図4】同変更条件判断処理の例について説明するフローチャート
【
図5】同第二モード処理の例について説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、自動販売機等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0024】
(実施の形態1)
本実施の形態において、第一条件より、ユーザに利益を与えられる第二条件に基づいて、簡易な処理で商品を排出する自動販売機について説明する。
【0025】
さらに具体的には、本実施の形態において、例えば、記憶領域を有する端末と通信した後、第一モードから第二モードに変更し、第二モードの場合に、第一モードとは異なる第二条件で、商品を排出し、かつ端末に第二モードに変更されたことに関する使用情報を書き込むための処理を行い、かつ所定の時間の経過後に、第一モードに変更する自動販売機について説明する。
【0026】
図1は、本実施の形態における自販機システムAの概念図である。自販機システムAは、1または2以上の端末1、および1または2以上の自動販売機2を備える。なお、
図1では、自動販売機2は一つであるが、端末1は、2以上の自動販売機2と通信可能であっても良い。
【0027】
端末1は、ユーザが使用するものである。ユーザは、例えば、会社の社員であるが、ユーザの立場等は問わないことは言うまでもない。端末1は、例えば、ICカード、携帯端末であるが、その種類は問わない。ICカードは、例えば、非接触ICカードであるが、接触型のICカードでも良い。
【0028】
また、端末1と自動販売機2とは、相互に通信可能であることは好適である。端末1と自動販売機2とは、例えば、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信手段により、通信可能である。なお、端末1と自動販売機2との通信手段は問わない。また、端末1は、自動販売機2に対して、着脱可能であり、自動販売機2は、端末1から情報を読み出せたり、端末1に情報を書き込めたりする構造でも良い。端末1と自動販売機2とは、情報のやり取りができれば良い。
【0029】
図2は、本実施の形態における自販機システムAのブロック図である。自販機システムAを構成する端末1は、記憶領域11を備える。
【0030】
自動販売機2は、格納部21、信号取得部22、指示受付部23、処理部24、および排出部25を備える。処理部24は、モード変更部241、書込処理部242、成功蓄積部243、失敗蓄積部244、および使用不可処理部245を備える。モード変更部241は、判断手段2411、および変更手段2412を備える。
【0031】
端末1の記憶領域11には、情報が格納され得る。格納される情報は、例えば、使用情報、または状態情報である。
【0032】
使用情報は、排出部25が後述する第二条件に基づいて排出処理を行う場合に、当該排出処理が行われることを特定する情報である。使用情報は、これから当該排出処理が行われることを特定する情報である。使用情報は、例えば、第一モードから第二モードに変更されたことに関する情報である。使用情報は、第二モードが使用されたことを示す情報であっても良い。使用情報は、例えば、フラグである。フラグは、第二条件に基づいて排出処理が行われることを示す情報である。フラグは、例えば、第二モードにおいて商品を排出する権利を使用したことを示すフラグである。使用情報は、例えば、単位期間に第二条件に基づいた排出処理を行う権利を得た回数である。使用情報は、例えば、単位期間に第二モードを使用した回数である。使用情報は、例えば、第二条件に基づいて商品を排出できる回数を特定する情報である。商品を排出できる回数は、所定期間における回数でも良いし、期限のない回数でも良い。使用情報は、例えば、時刻情報を含む。時刻情報は、例えば、使用情報が構成された時刻を特定する情報である。時刻情報は、例えば、日時を含む。使用情報は、例えば、端末識別子、自販機識別子を含む。端末識別子は、端末1を識別する情報である。端末識別子は、例えば、ID、ユーザ識別子である。ユーザ識別子は、例えば、社員番号、メールアドレスである。自販機識別子は、自動販売機を識別する情報であり、例えば、IDである。
【0033】
状態情報は、使用情報に対応する情報である。状態情報は、使用情報でも良い。状態情報は、使用情報を用いて取得される情報でることは好適である。使用情報から取得される情報は、例えば、使用可または使用不可のいずれかを示す情報である。状態情報は、例えば、第二条件に基づいて商品を排出できる回数である。商品を排出できる回数は、所定期間における回数でも良いし、期限のない回数でも良い。なお、「使用可」とは、第二条件に基づいて商品の排出処理を行える状態であることを示す。「使用不可」とは第二条件に基づいて商品の排出処理を行えない状態であることを示す。
【0034】
第一モードは、自動販売機2のモードである。第一モードは、第二モードとは異なるモードである。第一モードは、商品の排出に関するモードである。第一モードは、例えば、通常の価格で商品を販売するモードである。第一モードは、第一条件に基づいて、商品を排出できるモードである。第一条件は、例えば、定価の金額で、商品を販売することの条件である。第一条件は、例えば、商品に対応するボタンが押下されたこと、および商品に対応するお金(例えば、定価のお金)が入れられたことである。第一条件は、例えば、商品に対する決済が完了したこと、および、商品に対応するボタンが押下されたことである。
【0035】
第二モードは、自動販売機2のモードである。第二モードは、商品の排出に関するモードである。第二モードは、例えば、第一モードと比較して、有利な条件で、商品を排出するモードである。第二モードは、例えば、無料で商品を排出するモードである。第二モードは、例えば、割引き価格で商品を販売するモードである。第二モードは、例えば、商品に加えて、おまけを排出するモードである。第二モードは、第二条件に基づいて、商品を排出できるモードである。第二条件は、例えば、無料で商品を排出できることに関する条件、割引きして商品を販売できることに関する条件である。第二条件は、例えば、商品に対応するボタンが押下されたこと、およびカレントモードが第二モードであることである。第二条件は、例えば、カレントモードが第二モードであることである。第二条件は、例えば、商品に対応するボタンが押下された場合に、当該ボタンに対応する商品を無料で排出することである。なお、第二条件は、第一条件より、ユーザにとって有利な条件である。
【0036】
自動販売機2を構成する格納部21には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、1以上の失敗情報、1以上の成功情報、排出可能期間、カレントモード、変更条件、時条件、端末条件、管理者条件である。
【0037】
失敗情報は、信号取得部22が信号を取得した後、排出可能期間が経過し、排出処理が行われなかったことに関する情報である。失敗情報は、例えば、第二モードの状態において、排出部25が商品を排出することなく、排出可能期間が経過した場合に取得される情報である。失敗情報は、例えば、端末識別子に対応付いている。端末識別子に対応付いていることは、例えば、端末識別子を有することである。失敗情報は、例えば、時刻情報を有する。時刻情報は、例えば、排出可能期間が経過した時を特定する情報、第二モードから自動的に第一モードに変更された時を特定する情報である。
【0038】
成功情報は、第二条件に基づいて排出処理が行われたことに関する情報である。成功情報は、例えば、第二モードの状態において、排出部25が商品を排出した場合に取得される情報である。成功情報は、例えば、端末識別子を有する。成功情報は、例えば、時刻情報を有する。時刻情報は、例えば、商品を排出した時を特定する情報である。
【0039】
信号取得部22は、端末1からの信号を取得する。信号は、情報と言っても良い。信号は、端末識別子、使用情報を有することは好適である。信号は、端末識別子と状態情報とを有しても良い。ここで、信号の取得とは、通常、端末1からの信号の受信であるが、信号の読み出し等でも良く、信号が得られれば良い。つまり、信号の取得の経路等は問わない。
【0040】
排出可能期間は、信号取得部22が信号を取得した後、第二条件に基づく商品の排出処理が可能な期間である。排出可能期間は、例えば、第一モードから第二モードに変更になった後に、第二モードの状況において、商品を排出することが可能な期間である。排出可能期間は、例えば、30秒、1分である。排出可能期間は、通常、予め決められた固定の時間であるが、動的に変化しても良い。排出可能期間は、例えば、信号に含まれる端末識別子に応じて、動的に変化しても良い。排出可能期間は、例えば、当該端末識別子と対になるユーザ属性値(例えば、年齢、性別、役職)に応じて、動的に変化しても良い。
【0041】
カレントモードは、現在のモードを特定する情報である。カレントモードは、例えば、第一モード、または第二モードであるが、第一モードでも第二モードでも無い第三モード等でも良い。
【0042】
変更条件は、第一条件に基づいて排出処理を行う状態から、第二条件に基づいて排出処理を行う状態への変更のための条件である。変更条件は、例えば、第一モードから第二モードへの変更のための条件である。変更条件は、例えば、単位期間において、第二条件で商品を排出できる回数の制限に関する条件である。第二条件で商品を排出できる回数の制限に関する条件は、第二モードにおいて商品を排出できる回数の制限に関する条件である。単位期間は、例えば、1日、予め決められた時間帯(例えば、9時から12時、13時から17時等)、1週間、1ヶ月である。回数は、例えば、「1回」「5回」である。変更条件は、例えば、単位期間にN回(Nは1以上の自然数)、未だに、第二モードが使用されていないことである。なお、第二モードの使用とは、第二条件に基づく排出処理の実行である、と言っても良い。
【0043】
時条件は、第二条件に基づいて排出処理が行える時に関する条件である。時条件は、第二モードが使用できる時に関する条件であると言える。時条件は、例えば、時間帯を特定する情報、曜日を特定する情報、日を特定する情報のうちの1または2以上の情報に基づく条件である。時条件は、例えば、「土日祝日を除く、9時~17時まで」である。
【0044】
端末条件は、第二条件に基づいて排出処理が行える端末1に関する条件である。端末条件は、第二モードが使用できる端末1に関する条件であるとも言える。端末条件は、例えば、第二条件に基づいて排出処理が行える各端末1の端末識別子に関する条件である。端末条件は、例えば、第二条件に基づいて排出処理が行える1以上の各端末1の端末識別子である。端末識別子に関する条件は、例えば、端末識別子を構成する上2桁が「01」または「10」であることである。端末識別子に関する条件は、例えば、端末識別子が10桁の数字列であることである。
【0045】
管理者条件は、管理者の端末1を特定するための条件である。管理者は、一般のユーザとは異なる。管理者は、例えば、一般のユーザより、有利な条件で第二条件に基づいて排出処理の利益を享受できる者である。管理者は、例えば、無条件で第二条件に基づいて排出処理の利益を享受できる者である。管理者は、例えば、何回でも、第二条件に基づいて排出処理の利益を享受できる者である。管理者は、例えば、一般のユーザより多くの回数、第二条件に基づいて排出処理の利益を享受できる者である。管理者条件は、例えば、端末識別子に基づく条件である。管理者条件は、例えば、特定の端末識別子であることである。管理者条件は、例えば、端末識別子の最初の文字が特定の文字(例えば、「S」)であることである。
【0046】
指示受付部23は、商品指示を受け付ける。商品指示は、排出する商品を特定する指示である。商品指示は、例えば、商品に対応するボタンに対する指示である。ボタンは、実体的なボタンでも、液晶ディスプレイに表示された電子的なボタン等でも良い。かかる商品指示は、排出する商品を特定できる指示であれば何でも良い。商品指示により、通常、商品識別子を特定できる。商品識別子は、商品を特定する情報である。商品識別子は、ボタンを識別する情報でも良く、商品を特定できる情報であれば良い。
【0047】
処理部24は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、モード変更部241、書込処理部242、成功蓄積部243、失敗蓄積部244、使用不可処理部245が行う処理である。
【0048】
モード変更部241は、第一条件に基づいて商品の排出処理を行う状態から、第二条件に基づいて商品の排出処理を行う状態にする。モード変更部241は、信号取得部22が信号を取得したことに応じて、第一条件に基づいて商品の排出処理を行う状態から、第二条件に基づいて商品の排出処理を行う状態にする。
【0049】
モード変更部241は、例えば、カレントモードを第一モードから第二モードに変更する。モード変更部241は、例えば、信号取得部22が信号を取得したことに応じて、カレントモードを第一モードから第二モードに変更する。モード変更部241は、カレントモードを第二モードから第一モードに変更する。第一モードから第二モードに変更することは、例えば、格納部21の変数「カレントモード」に値「第二モード」を書き込むことである。なお、モードの変更は、商品の排出処理を行う条件が変更されることであれば良く、カレントモードにモード識別子(例えば、「第二モード」)を書き込むことまでは必須ではない。
【0050】
モード変更部241は、第一条件に基づいて商品の排出処理を行う状態から、第二条件に基づいて商品の排出処理を行う状態にした後、排出可能期間が経過後に、第一条件に基づいて商品の排出処理を行う状態に変更することは好適である。モード変更部241は、例えば、モード変更部241が第一モードから第二モードに変更した後、排出可能期間が経過後に、第二モードから第一モードに変更する。第二モードから第一モードに変更することは、例えば、格納部21の変数「カレントモード」に値「第一モード」を書き込むことである。
【0051】
さらに詳細には、モード変更部241は、例えば、判断手段2411と変更手段2412とにより動作する。
【0052】
判断手段2411は、第一モードから第二モードへの変更のための変更条件を、信号取得部22が取得した信号に対応する状態情報が満たすか否かを判断する。信号に対応する状態情報とは、例えば、信号が有する状態情報、または信号が有する使用情報から取得した状態情報である。
【0053】
判断手段2411は、例えば、信号取得部22が信号を取得した後に、図示しない時計から時刻情報を取得し、当該時刻情報が、格納部21の時条件を満たすか否かを判断する。
【0054】
判断手段2411は、例えば、信号取得部22が信号に含まれる端末識別子を取得し、当該端末識別子が、格納部21の端末条件を満たすか否かを判断する。
【0055】
判断手段2411は、例えば、信号取得部22が信号に含まれる端末識別子を取得し、当該端末識別子が、格納部21の管理者条件を満たすか否かを判断する。
【0056】
判断手段2411は、信号取得部22が取得した信号に対応する状態情報が変更条件を満たさないと判断された場合に、端末識別子に対応する失敗情報が蓄積されているか否かを判断し、当該失敗情報が蓄積されている場合に変更条件を満たすと判断する。
【0057】
変更手段2412は、例えば、取得された状態情報または使用情報が変更条件を満たすと判断手段2411が判断した場合に、第一条件に基づいて排出処理を行う状態から、第二条件に基づいて排出処理を行う状態に変更する。変更手段2412は、例えば、取得された状態情報が変更条件を満たすと判断手段2411が判断した場合に、第一モードから第二モードに変更する。
【0058】
変更手段2412は、例えば、第二条件により排出処理を行える状態とした後、排出可能期間が経過後に、第二モードから第一モードに自動的に変更する。変更手段2412は、例えば、第一モードから第二モードに変更した後、排出可能期間が経過後に、第二モードから第一モードに自動的に変更する。
【0059】
変更手段2412は、判断手段2411が時条件を満たさないと判断した場合、第二条件に基づいて排出処理を行う状態には変更しないことは好適である。
【0060】
変更手段2412は、判断手段2411が端末条件を満たさないと判断した場合、第二条件に基づいて排出処理を行う状態には変更しないことは好適である。
【0061】
変更手段2412は、判断手段2411が管理者条件を満たすと判断した場合、第二条件に基づいて排出処理を行う状態に変更することは好適である。
【0062】
書込処理部242は、第二条件に基づいて排出処理が行われることを特定する使用情報を端末1の記憶領域11に書き込むための書込処理を行う。書込処理部242は、例えば、第一モードから第二モードに変更されたことに関する使用情報を端末1の記憶領域11に書き込むための書込処理を行う。
【0063】
ここで、書込処理は、使用情報を書き込むことでも良いし、端末1に書き込むことの指示を送信することでも良い。
【0064】
成功蓄積部243は、第二条件に基づいて排出処理が行われた場合に、端末識別子を有する成功情報を構成し、当該成功情報を蓄積する。成功蓄積部243は、例えば、第二モードの状態において、排出部25が商品を排出した場合に、端末識別子を有する成功情報を構成し、当該成功情報を蓄積する。成功情報は、排出部25が商品を排出した時刻を特定する時刻情報を有することは好適である。
【0065】
ここでの成功情報の蓄積先は、通常、自動販売機2の格納部21であるが、他の装置でも良い。
【0066】
失敗蓄積部244は、第二条件を満たした場合に排出処理を行う状態において、排出部25が商品を排出することなく、排出可能期間が経過した場合に、端末識別子に対応する失敗情報を蓄積する。失敗蓄積部244は、例えば、第一モードから第二モードに変更された後、排出部25が商品を排出することなく、排出可能期間が経過した場合に、端末識別子を有する失敗情報を構成し、当該失敗情報を蓄積する。失敗情報は、排出可能期間が経過した時刻を特定する時刻情報を有することは好適である。
【0067】
ここでの失敗情報の蓄積先は、通常、自動販売機2の格納部21であるが、他の装置でも良い。
【0068】
使用不可処理部245は、使用された失敗情報を使用できないようにする使用不可処理を行う。さらに詳細には、使用不可処理部245は、失敗情報を用いて第二条件に基づいた排出処理を排出部25が行った場合に、当該失敗情報を使用できないようにする使用不可処理を行う。例えば、変更条件が満たされないと判断された場合であり、端末識別子を含む失敗情報が蓄積されているか否かを判断し、蓄積されている場合に変更条件を満たすと判断し、変更手段2412が第一モードから第二モードに変更した場合に、使用不可処理部245は、失敗情報を使用できないようにする使用不可処理を行う。
【0069】
なお、使用不可処理は、例えば、失敗情報の削除、失敗情報に削除フラグを付加する処理等である。使用不可処理は、失敗情報を使用できないようにする処理であれば良い。
【0070】
排出部25は、排出処理を行う。ここで、排出処理とは、商品を排出するための処理であれば何でも良い。排出処理は、1または2以上の商品を排出する処理である。
【0071】
排出部25は、例えば、カレントモードが第一モードであれば、第一モードに対応する第一条件を満たした場合に商品を排出する排出処理を行い、カレントモードが第二モードであれば、第二モードに対応する第二条件を満たした場合に商品を排出する排出処理を行う。
【0072】
記憶領域11、および格納部21は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0073】
記憶領域11、格納部21に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が記憶領域11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が記憶領域11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が記憶領域11等で記憶されるようになってもよい。
【0074】
信号取得部22は、例えば、無線または有線の通信手段で実現される。信号取得部22は、近距離無線通信により実現されることは好適であるが、その種類は問わない。
【0075】
指示受付部23は、実体ボタンまたはタッチパネル等の入力手段と、そのデバイスドライバー等で実現され得る。
【0076】
処理部24、モード変更部241、書込処理部242、成功蓄積部243、失敗蓄積部244、使用不可処理部245、判断手段2411、変更手段2412、および排出部25は、は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部24等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0077】
次に、自販機システムAの動作例について説明する。まず、端末1の動作例について説明する。
【0078】
端末1は、記憶領域11の使用情報または状態情報、および端末識別子を読み出する。端末1は、送信する信号を構成する。次に、端末1は、当該信号を自動販売機2に送信する。なお、信号は、端末識別子と、使用情報または状態情報を有する。端末1は、例えば、自動販売機2との通信が可能であると判断した場合、または自動販売機2からの指示を受信した場合に、信号を構成し、送信する。但し、端末1が信号を構成し、送信するトリガーは問わない。例えば、ユーザ指示により、端末1が信号を構成し、送信しても良い。
【0079】
また、端末1は、自動販売機2から使用情報を受信する。次に、端末1は、受信した使用情報、または受信した使用情報から構成した状態情報を、記憶領域11に蓄積する。
【0080】
次に、自動販売機2の動作例について、
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0081】
(ステップS301)信号取得部22は、端末1からの信号を取得したか否かを判断する。信号を取得した場合はステップS302に行き、取得しない場合はステップS313に行く。
【0082】
(ステップS302)モード変更部241は、図示しない時計から時刻情報を取得する。なお、図示しない時計は、通常、自動販売機2が具備するが、外部のサーバ(例えば、NTPサーバ)に存在しても良い。
【0083】
(ステップS303)モード変更部241は、ステップS302で取得した時刻情報が、格納部21の時条件を満たすか否かを判断する。時条件を満たす場合はステップS304に行き、時条件を満たさない場合はステップS301に戻る。なお、時刻情報は、通常、日時を含む。時刻情報は、曜日の情報、祝日であるか否かの情報、業務が行われる日または行われない日の情報、就業時間の情報等を含んでも良い。
【0084】
(ステップS304)モード変更部241は、ステップS301で取得した信号に含まれる端末識別子を取得する。
【0085】
(ステップS305)モード変更部241は、ステップS304で取得した端末識別子が、格納部21の端末条件を満たすか否かを判断する。端末条件を満たす場合はステップS306に行き、端末条件を満たさない場合はステップS301に戻る。
【0086】
(ステップS306)モード変更部241は、ステップS304で取得した端末識別子が、格納部21の管理者条件を満たすか否かを判断する。管理者条件を満たす場合はステップS309に行き、管理者条件を満たさない場合はステップS307に行く。
【0087】
(ステップS307)モード変更部241は、変更条件判断処理を行う。変更条件判断処理は、第二条件に基づいて商品の排出処理を行う状態にするか否かの判断のための処理を含む。変更条件判断処理は、例えば、カレントモードを第二モードに変更するか否かの判断のための処理を含む。変更条件判断処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0088】
(ステップS308)モード変更部241は、ステップS307における変更条件判断処理の結果が「変更条件を満たす」であったか否かを判断する。「変更条件を満たす」である場合はステップS309に行き、「変更条件を満たさない」である場合はステップS301に戻る。
【0089】
(ステップS309)変更手段2412は、カレントモードを「第二モード」に変更する。なお、カレントモードを「第二モード」に変更することは、第二条件に基づいて商品の排出処理を行う状態にすることと同意義である。
【0090】
(ステップS310)書込処理部242は、使用情報を取得する。書込処理部242は、例えば、図示しない時計から時刻情報を取得し、当該時刻情報を用いて使用情報を構成する。なお、使用情報は、時刻情報のみを有する情報でも良い。また、書込処理部242は、ステップS301で取得された信号に含まれる端末識別子、格納部21の自販機識別子のうちの1以上の情報を有する使用情報を構成しても良い。
【0091】
(ステップS311)書込処理部242は、ステップS310で構成した使用情報の書込処理を行う。なお、書込処理部242は、例えば、当該使用情報を端末1に送信する。
【0092】
(ステップS312)処理部24は、第二モード処理を行う。ステップS301に戻る。なお、第二モード処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。第二モード処理とは、第二条件に基づいて商品の排出処理を行える状態第における各種の処理である。
【0093】
(ステップS313)指示受付部23は、商品指示を受け付けたか否かを判断する。商品指示を受け付けた場合はステップS314に行き、受け付けなかった場合はステップS301に戻る。
【0094】
(ステップS314)処理部24は、ステップS313で受け付けられた商品指示に対応する商品識別子を取得し、図示しないバッファに一時蓄積する。
【0095】
(ステップS315)処理部24は、第一条件を満たすか否かを判断する。第一条件を満たす場合はステップS316に行き、第一条件を満たさない場合はステップS301に戻る。
【0096】
(ステップS316)排出部25は、図示しないバッファに一時蓄積された商品識別子に対応する商品の排出処理を行う。ステップS301に戻る。
【0097】
なお、
図3のフローチャートにおいて、ステップS313からステップS316までの第一条件に基づく商品の排出処理は、公知の自動販売機の処理である。
【0098】
また、
図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0099】
次に、ステップS307の変更条件判断処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0100】
(ステップS401)判断手段2411は、ステップS301で取得された信号が変更条件を満たすか否かを判断する。変更条件を満たす場合はステップS402に行き、変更条件を満たさない場合はステップS403に行く。
【0101】
(ステップS402)判断手段2411は、変数「判断結果」に「変更条件を満たす」を代入する。上位処理にリターンする。
【0102】
(ステップS403)判断手段2411は、ステップS301で取得された信号が有する端末識別子に対応する失敗情報が格納部21に存在するか否かを判断する。失敗情報が存在する場合はステップS404に行き、存在しない場合はステップS405に行く。なお、ここでの失敗情報は、有効に利用できる失敗情報であることは言うまでもない。
【0103】
(ステップS404)使用不可処理部245は、当該端末識別子に対応する失敗情報に対して、使用不可処理を行う。ステップS402に行く
【0104】
(ステップS405)判断手段2411は、変数「判断結果」に「変更条件を満たさない」を代入する。上位処理にリターンする。
【0105】
次に、ステップS312の第二モード処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0106】
(ステップS501)モード変更部241は、格納部21から排出可能期間を取得する。
【0107】
(ステップS502)モード変更部241は、タイマーの動作を開始する。なお、自動販売機2は、タイマーを具備する。
【0108】
(ステップS503)指示受付部23は、商品指示を受け付けたか否かを判断する。商品指示を受け付けた場合はステップS504に行き、商品指示を受け付けなかった場合はステップS506に行く。なお、ここで、ステップS313で受け付けられている商品指示に対応する商品識別子が図示しないバッファに蓄積されている場合も、商品指示を受け付けたと判断するものとする。
【0109】
(ステップS504)排出部25は、受け付けられた商品指示に対応する商品識別子を取得する。
【0110】
(ステップS505)排出部25は、ステップS504で取得した商品識別子に対応する商品の排出処理を行う。ステップS509に行く。
【0111】
(ステップS506)判断手段2411は、タイマーの値が排出可能期間を経過したか否かを判断する。排出可能期間を経過した場合はステップS507に行き、排出可能期間を経過していない場合はステップS503に戻る。
【0112】
(ステップS507)失敗蓄積部244は、端末識別子を有する失敗情報を構成する。なお、ここで、失敗情報は、時刻情報を有しても良い。
【0113】
(ステップS508)失敗蓄積部244は、ステップS507で構成した失敗情報を格納部21に蓄積する。
【0114】
(ステップS509)モード変更部241は、タイマーのリセットを行う。上位処理にリターンする。
【0115】
以下、本実施の形態における自販機システムAの具体的な動作について説明する。本具体例において、自販機システムAは、ある会社において使用される、とする。また、自動販売機2は、各種のドリンクを提供する装置である、とする。自動販売機2は、
図6である、とする。
図6において、例えば、601は、非接触ICカードのリーダライタである。つまり、601は、信号取得部22および書込処理部242を兼ねる、とする。
【0116】
さらに、端末1は、会社の多数の社員に配布されている非接触ICカードである、とする。端末1は、ここでは、ドリンクカードという名称である、とする。また、端末1の一例である非接触ICカード1の記憶領域11には、社員ID(端末識別子)が格納されている、とする。一般社員の社員IDは「E」から始まる文字列であり、管理者の社員IDは「S」から始まる文字列である、とする。また、格納部21には、使用情報が格納されている。ここでの使用情報は、自動販売機2から最近に送信された使用情報、または「NULL」である。なお、自動販売機2から送信された使用情報は、第二条件に基づいて排出処理が可能となった時刻を特定する時刻情報であり、ここでは、「年月日時分秒」を有する、とする。
【0117】
今、第一条件は、自動販売機2の商品を定価で販売するための条件であり、第二条件は、自動販売機2の商品を無料で提供するための条件である、とする。
【0118】
また、自動販売機2の格納部21には、排出可能期間「30秒」、デフォルトのカレントモード「第一モード」、変更条件「1回/日」、時条件「月曜日から日曜日の9時~17時」、端末条件「5文字の文字列」、管理者条件「S.*」が格納されている、とする。
【0119】
排出可能期間「30秒」は、第二条件に基づいて商品の排出処理をする第二モードになってからの第二モードの有効期限が「30秒」であることを示す。変更条件「1回/日」は、一つの端末1(通常、一人)につき、1日に1回、第二モードを利用できることを示す。つまり、当該変更条件は、一つの端末1につき、1日に1回、無料で1つ、ドリンクを得ることができることを示す。時条件「月曜日から日曜日の9時~17時」は、第二モードが利用できる時が、月曜日から日曜日の9時から17時であることを示す。管理者条件「S.*」は「S」で始まる文字列であることである。
【0120】
かかる状態において、以下の4つの具体例を説明する。具体例1は、ユーザAが、ある日に、第二モードを利用して、1つのドリンクを無料で手に入れる場合である。具体例2は、ユーザAが、1つのドリンクを無料で手に入れた後、同じ日に、さらに1つのドリンクを無料で手に入れようとし、非接触ICカード1を自動販売機2の信号取得部22を含むリーダライタ601に近づけた場合である。具体例3は、ユーザBが、ある日に、第二モードを利用して、1つのドリンクを無料で手に入れようとして、非接触ICカード1を自動販売機2のリーダライタ601に近づけた後、排出可能期間が経過した場合である。具体例4は、ユーザBが、排出可能期間が経過して、第二モードが利用できなかった場合に、リカバリーされる場合である。
【0121】
(具体例1)
ユーザAの非接触ICカード1の記憶領域11には、社員ID「E1001」、使用情報「2021/9/9 10:15:25」が格納されている、とする。
【0122】
かかる状況において、ユーザAは、
図6に示すように、非接触ICカード1を自動販売機2のリーダライタ601に近づけた、とする。
【0123】
次に、自動販売機2の信号取得部22を含むリーダライタ601は、非接触ICカード1から、社員ID「E1001」および使用情報「2021/9/9 10:15:25」を有する信号を受信する。
【0124】
次に、モード変更部241は、図示しない時計から時刻情報「2021/9/10 12:22:31」を取得する。次に、モード変更部241は、取得した時刻情報が時条件「月曜日から日曜日の9時~17時」を満たす、と判断する。
【0125】
また、モード変更部241は、信号に含まれる端末識別子「E1001」を取得する。次に、モード変更部241は、取得した端末識別子が端末条件「5文字の文字列」を満たす、と判断する。次に、モード変更部241は、取得した端末識別子が管理者条件を満たさない、と判断する。
【0126】
次に、取得された信号が有する使用情報「2021/9/9 10:15:25」と現在の時刻情報「2021/9/10 12:22:31」とから、判断手段2411は、変更条件「1回/日」を満たす、と判断する。そして、判断手段2411は、変数「判断結果」に「変更条件を満たす」を代入する。
【0127】
次に、変更手段2412は、カレントモードを「第一モード」から「第二モード」に変更する。
【0128】
次に、書込処理部242を含むリーダライタ601は、使用情報「2021/9/10 12:22:31」を取得する。次に、書込処理部242は、当該使用情報を用いて、端末1に対する書込処理を行う。そして、端末1の記憶領域11において、使用情報が「2021/9/10 12:22:31」に上書きされる。
【0129】
次に、モード変更部241は、格納部21から排出可能期間「30秒」を取得する。次に、モード変更部241は、タイマーの動作を開始する。
【0130】
そして、ユーザAは、非接触ICカード1を自動販売機2のリーダライタ601に近づけた後(
図6参照)、自分の欲しいドリンクのボタンを指示した、とする。すると、指示受付部23は、商品指示を受け付ける。かかる時点で、排出可能期間は経過していない、とする。
【0131】
次に、排出部25は、商品指示に対応する商品識別子を取得し、当該商品識別子に対応する商品の排出処理を行う。そして、モード変更部241は、タイマーのリセットを行う。
【0132】
次に、成功蓄積部243は、端末識別子「E1001」と時刻情報「2021/9/10 12:22:31」とを有する成功情報を構成し、当該成功情報を格納部21に蓄積する。
【0133】
以上の処理により、ユーザは、第二モードを利用して、1つのドリンクを無料で手に入れることができた。
【0134】
(具体例2)
「2021/9/10」の15時を過ぎ、ユーザAは、ドリンクが欲しくなり、自動販売機2の近くに行き、
図6に示すように、非接触ICカード1を自動販売機2のリーダライタ601に近づけた、とする。
【0135】
次に、自動販売機2のリーダライタ601は、ユーザAの非接触ICカード1から、社員ID「E1001」および使用情報「2021/9/10 12:22:31」を有する信号を受信する。
【0136】
次に、モード変更部241は、図示しない時計から時刻情報「2021/9/10 15:05:22」を取得し、当該時刻情報を用いて、時条件を満たす、と判断する。また、具体例1と同様に、モード変更部241は、端末条件を満たす、と判断する。また、具体例1と同様に、モード変更部241は、管理者条件を満たさない、と判断する。
【0137】
次に、取得された信号が有する使用情報「2021/9/10 12:22:31」と現在の時刻情報「2021/9/10 15:05:22」とから、判断手段2411は、変更条件「1回/日」を満たさない、と判断する。次に、判断手段2411は、取得された信号が有する端末識別子「E1001」に対応する失敗情報が格納部21に存在しない、と判断した、とする。そして、判断手段2411は、変数「判断結果」に「変更条件を満たさない」を代入する。
【0138】
以上により、ユーザAは、1日に、2本目のドリンクを無料で得ようとしたが、変更条件「1回/日」を満たさないため、得ることができなかった。
【0139】
(具体例3)
ユーザBの非接触ICカード1の記憶領域11には、社員ID「E1002」、使用情報「2021/9/8 11:21:05」が格納されている、とする。
【0140】
かかる状況において、ユーザBは、
図6に示すように、非接触ICカード1を自動販売機2のリーダライタ601に近づけた、とする。
【0141】
次に、自動販売機2のリーダライタ601は、非接触ICカード1から、社員ID「E1002」および使用情報「2021/9/8 11:21:05」を有する信号を受信する。
【0142】
次に、モード変更部241は、図示しない時計から時刻情報「2021/9/10 12:22:31」を取得する。次に、モード変更部241は、取得した時刻情報が時条件を満たす、と判断する。
【0143】
また、モード変更部241は、信号に含まれる端末識別子「E1002」を取得する。次に、モード変更部241は、取得した端末識別子が端末条件を満たす、と判断する。次に、モード変更部241は、取得した端末識別子が管理者条件を満たさない、と判断する。
【0144】
次に、取得された信号が有する使用情報「2021/9/8 11:21:05」と現在の時刻情報「2021/9/10 12:22:31」とから、判断手段2411は、変更条件「1回/日」を満たす、と判断する。そして、判断手段2411は、変数「判断結果」に「変更条件を満たす」を代入する。
【0145】
次に、変更手段2412は、カレントモードを「第一モード」から「第二モード」に変更する。
【0146】
次に、書込処理部242を含むリーダライタ601は、使用情報「2021/9/10 12:22:31」を取得する。次に、リーダライタ601は、当該使用情報を用いて、端末1に対する書込処理を行う。そして、端末1の記憶領域11において、使用情報が「2021/9/10 12:22:31」に上書きされる。
【0147】
次に、モード変更部241は、格納部21から排出可能期間「30秒」を取得する。次に、モード変更部241は、タイマーの動作を開始する。
【0148】
そして、ユーザBは、商品の選択に迷い、排出可能期間である30秒以上が経過した、とする。つまり、その間、指示受付部23は、商品指示を受け付けなかった、とする。
【0149】
そして、失敗蓄積部244は、端末識別子「E1002」と使用情報「2021/9/10 12:22:31」とを有する失敗情報を構成する。そして、失敗蓄積部244は、当該失敗情報を格納部21に蓄積する。
【0150】
以上の処理により、ユーザが第二モードを上手く使用できなかった場合に、失敗情報が蓄積される。
【0151】
なお、かかる失敗情報は、例えば、「<端末識別子>E1002 <時刻情報>2021/9/10 12:22:31」である。また、かかる失敗情報は、具体例4におけるリカバリーに利用されるだけではなく、後に、統計処理されたり等の他の目的に利用されても良い。例えば、多くの失敗情報が蓄積される場合には、排出可能期間が短すぎるので、長い排出可能期間に設定し直しても良い。
【0152】
(具体例4)
ユーザBは、具体例3で説明した第二モードの使用の失敗後、再度、
図6に示すように、非接触ICカード1を自動販売機2のリーダライタ601に近づけた、とする。
【0153】
次に、自動販売機2のリーダライタ601は、非接触ICカード1から、社員ID「E1002」および使用情報「2021/9/10 12:22:31」を有する信号を受信する。
【0154】
次に、モード変更部241は、図示しない時計から時刻情報「2021/9/10 12:23:52」を取得する。次に、モード変更部241は、取得した時刻情報が時条件を満たす、と判断する。
【0155】
また、モード変更部241は、信号に含まれる端末識別子が端末条件を満たす、と判断する。次に、モード変更部241は、取得した端末識別子が管理者条件を満たさない、と判断する。
【0156】
次に、取得された信号が有する使用情報「2021/9/10 12:22:31」と現在の時刻情報「2021/9/10 12:23:52」とから、判断手段2411は、変更条件「1回/日」を満たさない、と判断する。
【0157】
次に、判断手段2411は、取得された信号が有する端末識別子「E1002」に対応する失敗情報「<端末識別子>E1002 <時刻情報>2021/9/10 12:22:31」を格納部21から検知する。
【0158】
次に、判断手段2411は、変数「判断結果」に「変更条件を満たす」を代入する。
【0159】
また、使用不可処理部245は、当該端末識別子「E1002」に対応する失敗情報に、使用済みの削除フラグ「-1」を対応付ける。なお、削除フラグ「-1」に対応する失敗情報は、削除された情報であると判断され、モードの変更のために使用されない。
【0160】
次に、変更手段2412は、カレントモードを「第二モード」に変更する。
【0161】
次に、書込処理部242を含むリーダライタ601は、使用情報「2021/9/10 12:23:52」を取得する。次に、リーダライタ601は、使用情報「2021/9/10 12:23:52」を非接触ICカード1に書き込むための書込処理を行う。そして、端末1の記憶領域11において、使用情報が「2021/9/10 12:23:52」に上書きされる。
【0162】
次に、モード変更部241は、格納部21から排出可能期間「30秒」を取得する。次に、モード変更部241は、タイマーの動作を開始する。
【0163】
そして、ユーザBは、自分の欲しいドリンクのボタンを指示した、とする。すると、指示受付部23は、商品指示を受け付ける。かかる時点で、排出可能期間は経過していない、とする。
【0164】
次に、排出部25は、商品指示に対応する商品識別子を取得し、当該商品識別子に対応する商品の排出処理を行う。そして、モード変更部241は、タイマーのリセットを行う。
【0165】
次に、成功蓄積部243は、端末識別子「E1002」と時刻情報「2021/9/10 12:23:52」とを有する成功情報を構成し、当該成功情報を格納部21に蓄積する。
【0166】
以上の処理により、ユーザBは、一度は失敗したものの、再度の端末1と自動販売機2との通信により、第二モードを利用して、1つのドリンクを無料で手に入れることができた。
【0167】
以上、本実施の形態によれば、ユーザに利益を与えられる第二条件に基づいて、簡易な処理で商品を排出する自動販売機を提供できる。
【0168】
また、本実施の形態によれば、自動販売機のモードを適切に変更することにより、適切にユーザに利益を与えられる。
【0169】
また、本実施の形態によれば、排出可能期間が経過して、第二条件を利用しなかったことの記録が残ることにより、当該記録を利用する環境を与えられる。
【0170】
また、本実施の形態によれば、商品の排出に失敗したことを示す失敗情報を用いて、より適切にユーザに利益を与えられる。
【0171】
また、本実施の形態によれば、失敗情報を使用した場合に、当該失敗情報に対して使用不可処理を行うことにより、ユーザに過剰な利益を与えないようにできる。
【0172】
さらに、本実施の形態によれば、成功情報を蓄積することにより、ユーザに利益を与えた場合の記録を残すことができる。
【0173】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における自動販売機2を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、自動販売機を、記憶領域を有する端末からの信号を取得する信号取得部と、第一条件を満たした場合に商品を排出する排出処理を行い、かつ前記信号取得部が信号を取得したことに応じて、前記第一条件ではない第二条件に基づいて前記排出処理を行う排出部と、前記排出部が前記第二条件に基づいて前記排出処理が行う場合に、当該排出処理が行われることを特定する使用情報を前記端末の前記記憶領域に書き込むための書込処理を行う書込処理部として機能させるためのプログラムであって、前記信号取得部が信号を取得した後、排出可能期間が経過後には、前記第二条件に基づいた前記排出処理を行わないものとして、前記自動販売機を機能させるためのプログラムである。
【0174】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0175】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0176】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0177】
以上のように、本発明にかかる自動販売機は、自動販売機のモードを適切に変更することにより、適切にユーザに利益を与えられるという効果を有し、自動販売機等として有用である。
【符号の説明】
【0178】
1 端末
2 自動販売機
11 記憶領域
21 格納部
22 信号取得部
23 指示受付部
24 処理部
25 排出部
241 モード変更部
242 書込処理部
243 成功蓄積部
244 失敗蓄積部
245 使用不可処理部
2411 判断手段
2412 変更手段
【手続補正書】
【提出日】2021-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶領域を有する端末からの信号であり、前記端末を識別する端末識別子を有する信号を取得する信号取得部と、
第一条件を満たした場合に商品を排出する排出処理を行い、かつ前記信号取得部が信号を取得したことに応じて、前記第一条件ではない第二条件に基づいて前記排出処理を行う排出部と、
前記排出部が前記第二条件に基づいて前記排出処理を行う場合に、当該排出処理が行われることを特定する使用情報を前記端末の前記記憶領域に書き込むための書込処理を行う書込処理部とを具備し、
前記排出部は、
前記信号取得部が信号を取得した後、排出可能期間が経過後には、前記第二条件に基づいた前記排出処理を行わず、
前記第二条件を満たした場合に前記排出処理を行う状態において、前記排出部が商品を排出することなく、前記排出可能期間が経過した場合に、前記端末識別子に対応する失敗情報を蓄積する失敗蓄積部をさらに具備する、自動販売機。
【請求項2】
前記信号取得部は、
前記端末識別子と前記使用情報に基づく状態情報とを有する信号を取得し、
前記排出部は、
前記信号取得部が取得した前記信号が前記第二条件に基づいて前記排出処理が行うと判断できない場合でも、前記端末識別子に対応する失敗情報が蓄積されている場合には、前記第二条件に基づいた前記排出処理を行う、請求項1記載の自動販売機。
【請求項3】
前記信号取得部が信号を取得したことに応じて、商品の排出に関する第一モードから、当該第一モードとは異なる第二モードに変更するモード変更部を具備し、
前記モード変更部は、
前記第一モードから前記第二モードへの変更のための変更条件を、前記状態情報が満たすか否かを判断する判断手段と、
前記使用情報が前記変更条件を満たすと前記判断手段が判断した場合に、前記第一モードから前記第二モードに変更する変更手段とを具備し、
前記判断手段は、
前記状態情報が前記変更条件を満たさないと判断された場合に、前記端末識別子に対応する失敗情報が蓄積されているか否かを判断し、蓄積されている場合に前記変更条件を満たすと判断する請求項2記載の自動販売機。
【請求項4】
前記失敗情報を用いて前記第二条件に基づいた前記排出処理を前記排出部が行った場合に、前記失敗情報を使用できないようにする使用不可処理を行う使用不可処理部をさらに具備する請求項3記載の自動販売機。
【請求項5】
前記排出部が前記第二条件に基づいた前記排出処理を行った場合に、前記端末の端末識別子に対応する成功情報を蓄積する成功蓄積部をさらに具備する請求項1から請求項4いずれか一項に記載の自動販売機。
【請求項6】
信号取得部と、排出部と、書込処理部と、失敗蓄積部とにより実現される、自動販売機における商品排出方法であって、
前記信号取得部が、記憶領域を有する端末からの信号であり、前記端末を識別する端末識別子を有する信号を取得する信号取得ステップと、
前記排出部が、第一条件を満たした場合に商品を排出するための排出処理を行い、かつ前記信号取得部が信号を取得したことに応じて、前記第一条件ではない第二条件に基づいて前記排出処理を行う排出ステップと、
前記書込処理部が、前記排出ステップにおいて前記第二条件に基づいて前記排出処理が行う場合に、当該排出処理が行われることを特定する使用情報を前記端末の前記記憶領域に書き込むための書込処理を行う書込処理ステップとを具備し、
前記信号取得ステップで前記信号が取得された後、排出可能期間が経過後には、前記第二条件に基づいた前記排出処理を行わず、
前記失敗蓄積部が、前記第二条件を満たした場合に前記排出処理を行う状態において、前記排出部が商品を排出することなく、前記排出可能期間が経過した場合に、前記端末識別子に対応する失敗情報を蓄積する失敗蓄積ステップをさらに具備する、自動販売機における商品排出方法。
【請求項7】
自動販売機を、
記憶領域を有する端末からの信号であり、前記端末を識別する端末識別子を有する信号を取得する信号取得部と、
第一条件を満たした場合に商品を排出する排出処理を行い、かつ前記信号取得部が信号を取得したことに応じて、前記第一条件ではない第二条件に基づいて前記排出処理を行う排出部と、
前記排出部が前記第二条件に基づいて前記排出処理が行う場合に、当該排出処理が行われることを特定する使用情報を前記端末の前記記憶領域に書き込むための書込処理を行う書込処理部として機能させるためのプログラムであって、
前記信号取得部が信号を取得した後、排出可能期間が経過後には、前記第二条件に基づいた前記排出処理を行わず、
前記第二条件を満たした場合に前記排出処理を行う状態において、前記排出部が商品を排出することなく、前記排出可能期間が経過した場合に、前記端末識別子に対応する失敗情報を蓄積する失敗蓄積部として、前記自動販売機をさらに機能させるためのプログラム。