(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004829
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 40/166 20200101AFI20230110BHJP
【FI】
G06F40/166
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206551
(22)【出願日】2021-12-20
(62)【分割の表示】P 2021105206の分割
【原出願日】2021-06-24
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】519363649
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】植野 健一
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109QB11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数のオブジェクト内の数値を加算又は減算処理して、異なる数値に変換することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、取得部と、検証部と、変換部とを備える。取得部は、原稿データにおける、全てのオブジェクトに係るデータを取得する。検証部は、それぞれのオブジェクト内に数値が含まれるか否かを検証する。変換部は、オブジェクト内の数値に対して、予め定められた値を加算又は減算処理して、数値を異なる数値に変換する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
取得部と、検証部と、変換部とを備え、
前記取得部は、原稿データにおける、全てのオブジェクトに係るデータを取得し、
前記検証部は、それぞれの前記オブジェクト内に数値が含まれるか否かを検証し、
前記変換部は、前記オブジェクト内の数値に対して、予め定められた値を加算又は減算処理して、前記数値を異なる数値に変換する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記検証部は、前記オブジェクト内の文字列を末尾から検証することで、前記文字列に数値が含まれるか否かを検証する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記検証部は、前記文字列の末尾に0以外の任意の数値を付加した後に、前記文字列を末尾から検証する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置において、
前記検証部は、前記文字列の先頭又は末尾が0か否かを検証する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記取得部は、グループ化されているオブジェクトに係る全ての階層のデータを、階層毎に、前記原稿データから取得する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記検証部は、VAL関数を実行して、前記オブジェクト内に数値が含まれるか否かを検証する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記検証部は、前記オブジェクト内に文字列が含まれない場合、該オブジェクトに対する処理を終了する、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記変換部は、予め定められた上限値と下限値の間に前記数値がある場合に、該数値を異なる数値に変換する、
情報処理装置。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記取得部は、前記オブジェクトに係るデータを前記原稿データの現在のページから取得する、
情報処理装置。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記原稿データは、特許願又は実用新案登録願に添付する図面用のデータである、
情報処理装置。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記原稿データは、VISIO(登録商標)で作成されたデータである、
情報処理装置。
【請求項12】
プログラムであって、
請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の情報処理装置の各部としてコンピュータを機能させる、
プログラム。
【請求項13】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
取得工程と、検証工程と、変換工程とを備え、
前記取得工程では、原稿データにおける、全てのオブジェクトに係るデータを取得し、
前記検証工程では、それぞれの前記オブジェクト内に数値が含まれるか否かを検証し、
前記変換工程では、前記オブジェクト内の数値に対して、予め定められた値を加算又は減算処理して、前記数値を異なる数値に変換する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データベース上の対象文字を他の文字に置換する情報処理システムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る情報処理システムでは、複数のオブジェクト内の数値を加算又は減算処理して、異なる数値に変換することには対応していない。例えば、「101」と「201」のそれぞれに「1」を加算して、「102」と「202」にすることができない。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、複数のオブジェクト内の数値を加算又は減算処理して、異なる数値に変換することができる情報処理装置を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、取得部と、検証部と、変換部とを備える。取得部は、原稿データにおける、全てのオブジェクトに係るデータを取得する。検証部は、それぞれのオブジェクト内に数値が含まれるか否かを検証する。変換部は、オブジェクト内の数値に対して、予め定められた値を加算又は減算処理して、数値を異なる数値に変換する。
【0007】
上記の開示によれば、複数のオブジェクト内の数値を加算又は減算処理して、異なる数値に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】情報処理装置100(制御部110)によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置100によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図5】原稿データのオブジェクト内における数値の第1変換例を示す図である。
【
図6】原稿データのオブジェクト内における数値の第1変換例を示す図である。
【
図7】原稿データのオブジェクト内における数値の第2変換例を示す図である。
【
図8】原稿データのオブジェクト内における数値の第2変換例を示す図である。
【
図9】本実施形態の情報処理の利便性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0014】
図1は、情報処理装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置100は、制御部110、記憶部120、表示情報生成部130、入力受付部140及び通信部150を備え、これらの構成要素が情報処理装置100の内部において通信バス160を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0015】
制御部110は、情報処理装置100に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部110は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部110は、記憶部120に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置100に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部120に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェア構成の一例である制御部110によって具体的に実現されることで、制御部110に含まれる各機能部として実現されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部110は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部110を有するように実施してもよい。またそれらの組み合わせであってもよい。
【0016】
記憶部120は、情報処理装置100の動作に必要な様々な情報を記憶する。記憶部120は、例えば、制御部110によって実行される情報処理装置100に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0017】
表示情報生成部130は、テキスト、画像(静止画及び動画を含む)を表示するものであり、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスに表示する情報を生成する。
【0018】
入力受付部140は、情報処理装置100に種々の情報を入力するものであり、マウス、キーボード、ポインティングデバイス等から入力される信号を受け付ける。ユーザによってなされた操作入力は、命令信号として、通信バス160を介して制御部110に転送される。そして、制御部110は、必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0019】
通信部150は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、情報処理装置100は、通信部150を介して、外部装置とネットワークを介して種々の情報を通信する。
【0020】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部120に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部110によって具体的に実現されることで、制御部110に含まれる各機能部として実行されうる。
【0021】
図2は、情報処理装置100(制御部110)によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理装置100(制御部110)は、取得部111と、検証部112と、変換部113とを備える。
【0022】
取得部111は、種々の情報を取得するように構成される。例えば、取得部111は、情報処理装置100にインストールされたアプリケーションソフトウェアで作成された原稿データにおける、全てのオブジェクトに係るデータを取得する。
【0023】
検証部112は、種々の情報を検証するように構成される。例えば、検証部112は、取得部111で取得されたそれぞれのオブジェクト内に数値が含まれるか否かを検証する。
【0024】
変換部113は、種々の情報を変換するように構成される。例えば、変換部113は、オブジェクト内の数値に対して、予め定められた値を加算又は減算処理して、オブジェクト内の数値を異なる数値に変換する。
【0025】
3.情報処理方法
本節では、情報処理装置100の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法である。情報処理方法は、取得工程と、検証工程と、変換工程とを備える。取得工程では、原稿データにおける、全てのオブジェクトに係るデータを取得する。検証工程では、それぞれのオブジェクト内に数値が含まれるか否かを検証する。変換工程では、それぞれのオブジェクト内の数値に対して、予め定められた値を加算又は減算処理して、それぞれのオブジェクト内の数値を異なる数値に変換する。
【0026】
図3は、情報処理装置100によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、説明するものとする。ここで、原稿データは、VISIO(登録商標)で作成されたデータであるものとして説明する。また、オブジェクトは、VISIO(登録商標)の図面ウィンドウで選択できる全てのものを表すものとして説明する。
【0027】
まず、取得部111は、原稿データにおける、全てのオブジェクトに係るデータを取得する。すなわち、制御部110が、記憶部120に記憶された原稿データを読み出し、取得処理を実行することで、原稿データ内の全てのオブジェクトを選択して、それぞれのオブジェクトから文字列に係るデータを取得する。
【0028】
好ましくは、取得部111は、オブジェクトに係るデータを原稿データの現在のページから取得する(アクティビティA110)。すなわち、取得部111は、情報処理装置100の画面上に表示されている、原稿データの現在のページにおける全てのオブジェクトを選択して、それぞれのオブジェクトから文字列に係るデータを取得する。
【0029】
続いて、検証部112は、それぞれのオブジェクト内に数値が含まれるか否かを検証する(アクティビティA120からアクティビティA170)。すなわち、制御部110が、記憶部120に記憶された、取得部111で取得されたオブジェクトに係るデータを読み出し、検証処理を実行することで、それぞれのオブジェクト内に数値が含まれるか否かを検証する。検証部112の検証処理について、各アクティビティに沿って、説明する。
【0030】
続いて、検証部112は、取得した文字列を先頭から検証する(アクティビティA120)。本実施形態では、検証部112は、VAL関数を実行して、オブジェクト内に数値が含まれるか否かを検証する。VAL関数は、Microsoft Office(登録商標)に含まれるアプリケーションソフトウェアの拡張機能であるVBA(Visual Basic for Applications)で記述された関数であり、文字列を先頭から見ていき、「数値と認識できる部分」までを返す関数である。VAL関数は、例えば、A100のように、数値の前にアルファベットがある場合、0を返す。また、VAL関数は、ABCのように、数値が存在しない場合、0を返す。アクティビティA120によれば、VAL関数を実行することにより、エラーを発生させることなく、情報処理装置100の情報処理を実行することができる。
【0031】
続いて、制御部110は、アクティビティA120におけるVAL関数の実行により、0以外の数値が返ってきたか否かを判断する(アクティビティA130)。0以外の数値が返ってきた場合、制御部110は、対象のオブジェクト内に数値が含まれると判断し、アクティビティA180の処理に移行する。一方で、0が返ってきた場合、制御部110は、対象のオブジェクト内に数値が含まれるか否かが不明であるため、アクティビティA140の処理に移行し、さらに検証処理を実行する。
【0032】
好ましくは、検証部112は、オブジェクト内に文字列が含まれない場合、該オブジェクトに対する処理を終了する。すなわち、制御部110が、記憶部120に記憶された、取得部111で取得されたオブジェクトに係るデータを読み出し、所定の関数を実行することで、当該オブジェクト内に文字列が含まれるか否かを判断し、当該オブジェクト内に文字列が含まれない場合、該オブジェクトに対する処理を終了する。ここで、所定の関数は、例えば、TypeName関数、If関数、IsNumeric関数等が挙げられる。
【0033】
検証部112によるこの処理によれば、例えば図形のオブジェクトに対しての検証処理を省略することができるため、情報処理装置100の負荷を軽減することができる。
【0034】
続いて、検証部112は、取得した文字列の末尾に0以外の任意の数値を付加する(アクティビティA140)。すなわち、制御部110が、記憶部120に記憶された、取得部111で取得されたオブジェクトに係るデータを読み出し、付加処理を実行することで、取得した文字列の末尾に0以外の数値を付加する。例えば、対象の文字列が「A200」である場合に、末尾に0を付加すると、「A2000」となるが、これを反転すると、関数に「2A」と認識される。したがって、上記付加処理では、取得した文字列の末尾に0以外の数値を付加する。
【0035】
図4は、文字列の検証の一例を示す図である。アクティビティA140では、
図4に示すように、例えば、対象の文字列が「A200」であれば、末尾に9を付加して、「A2009」とする処理を実行する。この付加処理は、例えば、&(アンパサンド)記号で文字列結合を行うことでなされる。
【0036】
続いて、検証部112は、オブジェクト内の文字列を末尾から検証することで、文字列に数値が含まれるか否かを検証する。(アクティビティA150)。すなわち、制御部110が、記憶部120に記憶された、取得部111で取得されたオブジェクトに係るデータを読み出し、所定の関数を実行することで、当該オブジェクト内の文字列に数値が含まれるか否かを検証する。
【0037】
アクティビティA150では、
図4に示すように、例えば、アクティビティA140で「A2009」と処理された後、「A2009」を反転して「9002A」とする。この反転処理は、例えば、StrReverse関数を実行することでなされる。
【0038】
次に、「9002A」に対してVAL関数を実行し、数値を抽出すると、「9002」となる。次に、付加した9を削除して、「002」とする。この削除処理は、例えば、Right関数を実行することでなされる。次に、「002」を反転して「200」とする。この反転処理は、前述のように、例えば、StrReverse関数を実行することでなされる。ここで、検証部112による検証処理の結果、対象の文字列「A200」には、「200」の数値が含まれていることが確認できる。
【0039】
続いて、制御部110は、アクティビティA150におけるVAL関数の実行により、0以外の数値が返ってきたか否かを判断する(アクティビティA160)。0以外の数値が返ってきた場合、制御部110は、対象のオブジェクト内に数値が含まれると判断し、アクティビティA180の処理に移行する。一方で、0が返ってきた場合、制御部110は、対象のオブジェクト内に数値が含まれるか否かが不明であるため、アクティビティA170の処理に移行し、さらに検証処理を実行する。
【0040】
アクティビティA140からアクティビティA160の処理によれば、数値以外(例えばアルファベット)の文字列の後ろに数値がある場合であっても、数値を抽出することができる。
【0041】
続いて、検証部112は、文字列の先頭又は末尾が0か否かを検証する(アクティビティA170)。すなわち、制御部110が、記憶部120に記憶された、取得部111で取得されたオブジェクトに係るデータを読み出し、所定の関数を実行することで、文字列の先頭又は末尾が0か否かを検証する。ここで、検証部112は、例えば、If関数、Left関数、Right関数等を実行して、文字列の先頭1文字目が0か否か、又は、文字列の末尾1文字目が0か否かを検証する。
【0042】
アクティビティA160において、0が返ってきた場合、対象のオブジェクト内の文字列は、数値の0なのか、又は、数値が含まれないのか、どちらかである。そこで、アクティビティA170の検証処理により、対象のオブジェクト内の文字列が、数値の0なのか、数値が含まれないのかを、判断処理することができる。
【0043】
続いて、制御部110は、文字列に含まれる数値が、予め定められた上限値と下限値の間にあるか否かを判断する(アクティビティA180)。ここで、制御部110は、例えば、不等号を用いて、上限値と下限値を設定することができる。
【0044】
続いて、変換部113は、オブジェクト内の数値に対して、予め定められた値を加算又は減算処理して、オブジェクト内の数値を異なる数値に変換する。好ましくは、変換部113は、予め定められた上限値と下限値の間に数値がある場合に、該数値を異なる数値に変換する(アクティビティA190)。すなわち、制御部110が、記憶部120に記憶された、取得部111で取得されたオブジェクトに係るデータを読み出し、変換処理を実行することで、オブジェクト内の数値を異なる数値に変換する。この変換処理は、例えば、Replace関数を実行することでなされる。
【0045】
アクティビティA180からアクティビティA190の処理によれば、オブジェクト内の文字列が数値「0」の場合であっても、数値として抽出することができる。
【0046】
図5及び
図6は、原稿データのオブジェクト内における数値の第1変換例を示す図である。
図5では、図面ウィンドウ上に、「210」、「211」、「212」、「213」の数値が存在する。また、数値以外に、四角形、漢字、漢字+数値、引出線の各オブジェクトが存在する。ここで、上限値「300」、下限値「100」の範囲にある数値に「1」を加算するものとする。すると、
図6に示すように、210が211に変換され、211が212に変換され、212が213に変換され、213が214に変換される。
【0047】
図7及び
図8は、原稿データのオブジェクト内における数値の第2変換例を示す図である。
図7では、図面ウィンドウ上に、「A211」、「A212」、「A213」の符号が存在する。また、符号以外に、アルファベットA、円、矢印、漢字+数値、アクティビティ図形、引出線が存在する。ここで、上限値「300」、下限値「212」の範囲にある数値に「1」を加算するものとする。すると、
図8に示すように、A212がA213に変換され、A213がA214に変換される。
【0048】
図9は、本実施形態の情報処理の利便性を示す図である。
図7に示す、処理1と処理2の間に、処理4を挿入したい場合、処理1、処理2、処理3の符号が1刻みで付与されているため、処理2と処理3の符号を変更する必要がある。そこで、
図7の説明において記載した上限値、下限値、加減算値を設定して、本実施形態の情報処理を実行すると、
図8に示すようになる。次に、ユーザは、処理4を挿入すればよい。
【0049】
上記のように、本実施形態の一連の処理を実行すれば、連番になっている符号であっても、任意の符号を容易に変更することができる。これは、原稿データが、特許願又は実用新案登録願に添付する図面用のデータである場合に有効である。
【0050】
続いて、制御部110は、グループ化されている階層があるか否かを判断する(アクティビティA200)。アクティビティA110からアクティビティA190までの処理に係る階層とは別の階層がある場合、取得部111は、グループ化されているオブジェクトに係る全ての階層のデータを、階層毎に、原稿データから取得する(アクティビティA110)。制御部110は、グループ化されている階層毎に、全ての階層について、アクティビティA110からアクティビティA200の情報処理を実行する。
【0051】
アクティビティA200によれば、原稿データのオブジェクトがグループ化されている場合であっても、オブジェクト内の数値を抽出することができる。
【0052】
本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。このプログラムは、情報処理装置100の各部としてコンピュータを機能させる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0054】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記検証部は、前記オブジェクト内の文字列を末尾から検証することで、前記文字列に数値が含まれるか否かを検証する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記検証部は、前記文字列の末尾に0以外の任意の数値を付加した後に、前記文字列を末尾から検証する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記検証部は、前記文字列の先頭又は末尾が0か否かを検証する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記取得部は、グループ化されているオブジェクトに係る全ての階層のデータを、階層毎に、前記原稿データから取得する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記検証部は、VAL関数を実行して、前記オブジェクト内に数値が含まれるか否かを検証する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記検証部は、前記オブジェクト内に文字列が含まれない場合、該オブジェクトに対する処理を終了する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記変換部は、予め定められた上限値と下限値の間に前記数値がある場合に、該数値を異なる数値に変換する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記取得部は、前記オブジェクトに係るデータを前記原稿データの現在のページから取得する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記原稿データは、特許願又は実用新案登録願に添付する図面用のデータである、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記原稿データは、VISIO(登録商標)で作成されたデータである、情報処理装置。
プログラムであって、前記情報処理装置の各部としてコンピュータを機能させる、プログラム。
コンピュータが実行する情報処理方法であって、取得工程と、検証工程と、変換工程とを備え、前記取得工程では、原稿データにおける、全てのオブジェクトに係るデータを取得し、前記検証工程では、それぞれの前記オブジェクト内に数値が含まれるか否かを検証し、前記変換工程では、前記オブジェクト内の数値に対して、予め定められた値を加算又は減算処理して、前記数値を異なる数値に変換する、情報処理方法。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0055】
100 :情報処理装置
110 :制御部
111 :取得部
112 :検証部
113 :変換部
120 :記憶部
130 :表示情報生成部
140 :入力受付部
150 :通信部
160 :通信バス