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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004831
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】不織布およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   D04H 1/541 20120101AFI20230110BHJP
   D04H 1/74 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
D04H1/541
D04H1/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208375
(22)【出願日】2021-12-22
(31)【優先権主張番号】P 2021104554
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000229542
【氏名又は名称】日本バイリーン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】花岡 博克
(72)【発明者】
【氏名】川崎 和将
(72)【発明者】
【氏名】小路 喜朗
【テーマコード(参考)】
4L047
【Fターム(参考)】
4L047AA21
4L047AA27
4L047AB02
4L047BA05
4L047BA08
4L047BD02
4L047CA02
4L047CA12
4L047CB02
4L047CC03
4L047CC04
4L047CC05
4L047DA00
(57)【要約】
【課題】メディカル用品や衛生用品などに使用できる、伸縮性を有する嵩高な不織布およびその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】
潜在捲縮繊維を含んだウェブに対し、エンボスロールを作用させることでウェブに複数の高密度結合部分を形成すると共に、一方の主面に露出し存在する前記潜在捲縮繊維を加熱して捲縮を発現させた後、ウェブに含まれている潜在捲縮繊維全体に捲縮を発現させることで、伸縮性を有する嵩高な不織布を提供できる。なお、このようにして製造された凹凸を有する不織布は、「凸部分における、前記両主面および前記隣り合う前記凹部分に囲まれた部分に存在する前記捲縮繊維よりも、前記一方の主面側の表面に存在する前記捲縮繊維は、捲縮数が多い」という構成を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成繊維に捲縮繊維を含んでいる両主面を有する不織布であって、
一方の主面側に、複数の凹部分と、隣り合う前記凹部分の間に存在する凸部分とを有しており、
前記凹部分では前記構成繊維同士が結合しており、
前記凸部分における、前記両主面および前記隣り合う前記凹部分に囲まれた部分に存在する前記捲縮繊維よりも、前記一方の主面側の表面に存在する前記捲縮繊維は、捲縮数が多い、
不織布。
【請求項2】
(1)潜在捲縮繊維を含んだウェブを用意する工程、
(2)前記ウェブにおける一方の主面からエンボスロールを作用させることで、前記ウェブに複数の高密度結合部分を形成すると共に、前記一方の主面に露出し存在する前記潜在捲縮繊維を加熱して捲縮を発現させる工程、
(3)工程(2)を経たウェブを加熱処理へ供することで、前記ウェブに含まれている前記潜在捲縮繊維に捲縮を発現させる工程、
を備えた、請求項1に記載の不織布の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、メディカル用品や衛生用品などに使用できる、伸縮性を有する嵩高な不織布およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、おむつのウエスト周りや足の付根周り、サポーターや包帯、貼付薬用基材やプラスター基材、フェイシャルマスクといったメディカル用品や衛生用品などの構成部材として、追従性に優れることから伸縮性を有する不織布が採用されている。また、触った際にクッション性に富み肌触りが良いことから、当該不織布には嵩高さが求められている。
【0003】
このような要望を満たし得る、伸縮性を有する嵩高な不織布の具体例として、例えば、特開2003-52749号公報(特許文献1)には、図1に図示するように、捲縮が発現した潜在捲縮性繊維で構成されており、多数のエンボス部(2)が非連続のパターンで点在している繊維集合体(不織布)が開示されている。そして、当該不織布を用いることで、伸縮性を有する嵩高な吸収性物品用シート(1)を提供できることが開示されている。また、特許文献1には当該不織布の製造方法として、潜在捲縮性繊維からなるウエブにエンボス処理を施した後、エンボス部(2)間に嵩高さと伸縮性を有する伸縮領域(3)を形成するため、当該ウエブを所定温度に加熱してエンボス部(2)間に存する潜在捲縮性繊維の捲縮作用を発現させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-52749
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願出願人は検討を続けた結果、特許文献1に開示されている不織布およびその製造方法を用いる限り、伸縮性を有する更に嵩高な不織布を提供することは困難であると考えた。つまり、特許文献1に開示されている不織布およびその製造方法では、主として、伸縮領域(3)に存在する捲縮繊維(特許文献1では、捲縮が発現した潜在捲縮繊維)によって、不織布が嵩高になっている。つまり、潜在捲縮繊維の捲縮が発現することで伸縮性を有する捲縮繊維となり、伸縮領域(3)が形成され不織布が嵩高なものとなっている。そのため、捲縮繊維の伸縮性(捲縮繊維の捲縮状態)と不織布の嵩高さとは直接的な比例関係を有するものであることから、捲縮繊維の伸縮性(捲縮繊維の捲縮状態)を超えて更に嵩高な不織布を実現することは困難であると考えた。
【0006】
本願発明では、伸縮性を有すると共に、更に嵩高な不織布の提供を一課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の本願発明は、
「構成繊維に捲縮繊維を含んでいる両主面を有する不織布であって、
一方の主面側に、複数の凹部分と、隣り合う前記凹部分の間に存在する凸部分とを有しており、
前記凹部分では前記構成繊維同士が結合しており、
前記凸部分における、前記両主面および前記隣り合う前記凹部分に囲まれた部分に存在する前記捲縮繊維よりも、前記一方の主面側の表面に存在する前記捲縮繊維は、捲縮数が多い、
不織布。」
であり、第二の本願発明は、
「(1)潜在捲縮繊維を含んだウェブを用意する工程、
(2)前記ウェブにおける一方の主面からエンボスロールを作用させることで、前記ウェブに複数の高密度結合部分を形成すると共に、前記一方の主面に露出し存在する前記潜在捲縮繊維を加熱して捲縮を発現させる工程、
(3)工程(2)を経たウェブを加熱処理へ供することで、前記ウェブに含まれている前記潜在捲縮繊維に捲縮を発現させる工程、
を備えた、請求項1に記載の不織布の製造方法。」
である。
【発明の効果】
【0008】
本願出願人は検討を続けた結果、更に嵩高な不織布を提供するに至ったものであり、当該不織布は「凸部分における、前記両主面および前記隣り合う前記凹部分に囲まれた部分に存在する前記捲縮繊維よりも、前記一方の主面側の表面に存在する前記捲縮繊維は、捲縮数が多い」という構成を有する。
【0009】
また、本願出願人が検討を続けた結果、本願発明にかかる不織布の製造方法によって、上述した構成を有する、更に嵩高な不織布を提供できることを見出した。
【0010】
特許文献1に開示されているように、従来技術にかかる凹凸のある伸縮性を有する不織布の製造方法では、潜在捲縮繊維を含んだウェブにおける一方の主面からエンボスロールを作用させることで複数の高密度結合部分を形成している。そして、その後、ウェブを加熱処理へ供することでウェブに存在する潜在捲縮繊維全体に捲縮を発現させる方法を採用している。
【0011】
当該製造方法に対し本願発明にかかる不織布の製造方法では、潜在捲縮繊維を含んだウェブにおける一方の主面からエンボスロールを作用させることで複数の高密度結合部分を形成すると共に、選択的に一方の主面に露出し存在する前記潜在捲縮繊維を加熱して捲縮を発現させることを特徴としている。
【0012】
本願出願人は当該工程において、ウェブに複数の高密度結合部分が形成された状態で、ウェブに存在する潜在捲縮繊維全体に捲縮を発現させることなく、選択的に一方の主面に露出し存在する潜在捲縮繊維の捲縮を発現させた。つまり、本工程を経たウェブでは、ウェブの内部に存在する潜在捲縮繊維よりも、ウェブの表面に存在する潜在捲縮繊維は捲縮が十分発現した状態になっている。そのため、ウェブの表面は構成繊維同士が強く絡み合っているためか変形し難い状態にあり、他の部位(ウェブの内部や、ウェブにおけるもう一方の主面など)の変形に追従し難い。なお、当該工程ではウェブへ複数の高密度結合部分を形成するにあたり、ウェブはエンボスロールの作用を受け固定されており、収縮など変形し難い状態にある。例えば、エンボスロールのピンと受けロールとに挟まれ固定されており、収縮など変形し難い状態にある。そして、この状態下においてエンボスロールにより加熱されることで、選択的に一方の主面に露出し存在する潜在捲縮繊維の捲縮を発現させる。そのため、ウェブ全体に収縮が生じるのを防止した状態で、当該潜在捲縮繊維の捲縮が発現する。
【0013】
そして、その後、ウェブを加熱処理へ供することでウェブに存在する潜在捲縮繊維全体に捲縮を発現させる。本工程(工程(3))において、加熱処理へ供することで前記ウェブに含まれている前記潜在捲縮繊維全体に捲縮を発現させると、ウェブの内部に存在する捲縮繊維が収縮することによって隣り合う高密度結合部分の間の長さが短くなるのに対し、ウェブの表面はその収縮に追従し難いことで大きく突出するものとなる。つまり、本願発明にかかる不織布の製造方法では、本工程(工程(3))においてウェブの表面と内部とに変形し易さの違いがあることによって、更に嵩高な不織布が製造される。
【0014】
なお、本願発明にかかる製造方法によって製造された不織布では、凸部分の表面(一方の主面側の表面)に存在する捲縮繊維は少なくとも二段階で熱を受けて捲縮が発現されたものであるため、凸部分の内部(凸部分における、両主面および隣り合う前記凹部分に囲まれた部分)に存在する潜在捲縮繊維よりも、捲縮数が多いものとなる。
【0015】
以上から、本願発明により、伸縮性を有する更に嵩高な不織布を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】特許文献1にかかる吸収性物品用シートの断面を示す、模式断面図である。
図2】本願発明にかかる不織布を一方の主面側からみた、模式正面図である。
図3】本願発明にかかる不織布の断面を示す、模式断面図である。
図4】本願発明にかかる不織布の製造工程を表した、模式断面図である。
図5】実施例1で調製した不織布を一方の主面側の斜め上方向から写した、写真である。
図6】実施例1で調製した不織布をもう一方の主面側の斜め上方向から写した、写真である。
図7】比較例1で調製した不織布を一方の主面側の斜め上方向から写した、写真である。
図8】比較例1で調製した不織布をもう一方の主面側の斜め上方向から写した、写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願発明では、例えば以下の構成など、各種構成を適宜選択できる。なお、本願発明で説明する各種測定は特に記載のない限り、大気圧下のもと測定を行った。また、25℃温度条件下で測定を行った。そして、本願発明で説明する各種測定結果は特に記載のない限り、求める値よりも一桁小さな値まで測定で求め、前記値を四捨五入することで求める値を算出した。具体例として、小数第一位までが求める値である場合、測定によって小数第二位まで値を求め、得られた小数第二位の値を四捨五入することで小数第一位までの値を算出し、この値を求める値とした。そして、本願発明で例示する各上限値および各下限値は、任意に組み合わせることができる。
【0018】
本願発明にかかる不織布について、主として図2図4を用いて説明する。なお、図2に図示した不織布を線分A-A間で切断してなる不織布の断面について、その模式断面図を図3として図示している。
【0019】
本願発明にかかる、構成繊維に捲縮繊維を含んでいる両主面を有する不織布(100、以降、不織布と称することがある)は、一方の主面側(M側)に、複数の凹部分(101)と、隣り合う前記凹部分(101)の間に存在する凸部分(102)とを有している。前記凹部分(101)は、エンボス処理によって構成繊維同士が溶融一体化する、あるいは、バインダや繊維接着により構成繊維同士が接着一体化することで結合し、不織布(100)の厚みが薄くなるよう潰され高密度化している部分(103、以降、高密度結合部分と称することがある)を含む。なお、図2図4では高密度結合部分(103)を灰色に塗った箇所として表現している。そして、不織布(100)よりも高密度結合部分(103)は厚みが薄いため、高密度結合部分(103)を中心にして凹部分(101)が形成されている。なお、不織布(100)を一方の主面側(M側)から見た際に、高密度結合部分(103)同士を最短距離を成し結ぶ直線(図1では破線として図示している)部分もまた、不織布(100)よりも厚みが薄い部分となり得る。
【0020】
前記凸部分(102)は上述した、隣り合う凹部分(101)に囲まれた範囲、あるいは、隣り合う凹部分(101)に囲まれていると共に前述した破線に囲まれている範囲に存在する。
【0021】
なお、本願発明にかかる不織布(100)では、もう一方の主面側(M´側)に凹部分(101)と凸部分(102)を有していないのが好ましい。このような態様であることによって、より突出した凸部分(102)が形成され、伸縮性を有する更に嵩高な不織布(100)を提供でき好ましい。
【0022】
本願発明にかかる不織布(100)では、凸部分(102)における、両主面(M側の主面とM´側の主面)および隣り合う凹部分(101)に囲まれた部分(104)よりも、一方の主面側(M側)の表面(105)に存在する前記捲縮繊維は捲縮数が多いことを特徴とする。凸部分の内部(104)に存在する捲縮繊維と凸部分の表面(105)に存在する捲縮繊維のいずれの方が、捲縮数が多いかは、以下の確認方法を用いて比較し判断できる。
【0023】
(捲縮数の確認方法)
(1)複数の凹部分と、隣り合う凹部分の間に存在する凸部分とを有する不織布を用意する。
(2)不織布を一方の主面側(M側)から見た際の一つの凸部分の表面における、中央部分の光学顕微鏡写真あるいは電子顕微鏡写真(以降、併せて顕微鏡写真と称する)を撮影(撮影範囲:3mm×3mmの正方形形状の範囲)する。なお、必要に応じて、顕微鏡写真を複数枚撮影し、撮影された複数枚の顕微鏡写真をつなぎ合わせて、顕微鏡写真を調製してもよい。
(3)顕微鏡写真に写る前記範囲に存在する捲縮を有する繊維から、ランダムに30本の繊維を選出する。そして、各繊維が有する捲縮数(当該各繊維における繊維長2mm間に存在する捲縮数)を目視によって数え、捲縮数の平均値を算出する。
(4)他の5箇所の凸部分に対しても上述した(2)~(3)と同様にして捲縮数の平均値を各々算出し、更にこれら値の平均値Aを求める。
(5)顕微鏡写真を撮った凸部分から凸部分の表面(105)を除去することで、凸部分の内部(104)を露出させる。顕微鏡写真を撮った他の5か所の凸部分についても、同処理を行う。
(6)不織布を一方の主面側(M側)から見た際の、凸部分の内部(104)が露出している部分の表面における、中央部分の顕微鏡写真を撮影(撮影範囲:3mm×3mmの正方形形状の範囲)する。なお、必要に応じて、顕微鏡写真を複数枚撮影し、撮影された複数枚の顕微鏡写真をつなぎ合わせて、顕微鏡写真を調製してもよい。
(7)顕微鏡写真に写る、凸部分の内部(104)が露出している部分における前記範囲に存在する捲縮を有する繊維から、ランダムに30本の繊維を選出する。そして、各繊維が有する捲縮数(当該各繊維における繊維長2mm間に存在する捲縮数)を目視によって数え、捲縮数の平均値を算出する。
(8)他の5箇所の凸部分の内部(104)が露出している部分に対しても上述した(6)~(7)と同様にして捲縮数の平均値を各々算出し、更にこれら値の平均値Bを求める。
(9)平均値A>平均値Bの場合、測定した不織布は「凸部分における、両主面および隣り合う凹部分に囲まれた部分に存在する捲縮繊維よりも、一方の主面側の表面に存在する捲縮繊維は、捲縮数が多い」と判断する。それ以外の場合(平均値A≦平均値Bの場合)、測定対象とした不織布は前述した構成を満足していないと判断する。
【0024】
なお、本発明にかかる不織布(100)において、凸部分の内部(104)よりも凸部分の表面(105)では、構成繊維同士が多く結合しているのが好ましい。このような態様であることによって、更に嵩高な不織布(100)であることができる。ここでいう構成繊維同士が結合しているとは、凸部分(102)を構成している繊維同士(特に捲縮繊維同士)が溶融一体化して、あるいは、バインダや繊維接着により接着一体化していることを意味する。凸部分の内部(104)と凸部分の表面(105)のいずれの方が、構成繊維同士が多く結合しているかは、以下の確認方法を用いて比較し判断できる。
【0025】
(構成繊維同士の結合状態の確認方法)
(1)複数の凹部分と、隣り合う凹部分の間に存在する凸部分とを有する不織布を用意する。
(2)不織布を一方の主面側(M側)から見た際の一つの凸部分の表面における、中央部分の光学顕微鏡写真あるいは電子顕微鏡写真(以降、併せて顕微鏡写真と称する)を撮影(撮影範囲:3mm×3mmの正方形形状の範囲)する。なお、必要に応じて、顕微鏡写真を複数枚撮影し、撮影された複数枚の顕微鏡写真をつなぎ合わせて、顕微鏡写真を調製してもよい。
(3)顕微鏡写真に写る前記範囲に存在する構成繊維同士の結合部分の個数を数える。なお、結合部分とは2本以上の構成繊維同士の少なくとも一部が、接着剤や融着により一体化している部分を指す。
(4)他の5箇所の凸部分に対しても上述した(2)~(3)と同様にして結合部分の個数を各々算出し、更にこれら値の平均値Aを求める。
(5)顕微鏡写真を撮った凸部分から凸部分の表面(105)を除去することで、凸部分の内部(104)を露出させる。顕微鏡写真を撮った他の5か所の凸部分についても、同処理を行う。
(6)不織布を一方の主面側(M側)から見た際の、凸部分の内部(104)が露出している部分の表面における、中央部分の顕微鏡写真を撮影(撮影範囲:3mm×3mmの正方形形状の範囲)する。なお、必要に応じて、顕微鏡写真を複数枚撮影し、撮影された複数枚の顕微鏡写真をつなぎ合わせて、顕微鏡写真を調製してもよい。
(7)顕微鏡写真に写る、凸部分の内部(104)が露出している部分における前記範囲に存在する構成繊維同士の結合部分の個数を数える。
(8)他の5箇所の凸部分の内部(104)が露出している部分に対しても上述した(6)~(7)と同様にして結合部分の個数を各々算出し、更にこれら値の平均値Bを求める。
(9)平均値A>平均値Bの場合、測定した不織布は「凸部分における、両主面および隣り合う凹部分に囲まれた部分よりも、一方の主面側の表面は、構成繊維同士が多く結合している」と判断する。それ以外の場合(平均値A≦平均値Bの場合)、測定対象とした不織布は前述した構成を満足していないと判断する。
【0026】
なお、伸縮性を有する更に嵩高な不織布(100)を効率よく提供できるよう、上述した凸部分の内部(104)に存在する捲縮繊維と、凸部分の表面(105)に存在する捲縮繊維は、同一種類の捲縮繊維(例えば、共に同一種類の潜在捲縮繊維の捲縮が発現してなる捲縮繊維)であるのが好ましい。
【0027】
不織布(100)は構成繊維として捲縮繊維を含んでいる。ここでいう捲縮繊維とは、例えば、クリンプを有する繊維や潜在捲縮繊維の捲縮が発現してなる複合繊維(例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型などの複合繊維など)であり、不織布(100)は捲縮繊維を含んでいることによって、凸部分(102)が形成され嵩高であると共に伸縮性に富むものである。
【0028】
不織布(100)は捲縮繊維以外にも、単繊維や接着繊維(全溶融型の接着繊維や、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、バイメタル型などの一部溶融型の接着繊維)など、他の繊維を含有していても良い。これらの捲縮繊維以外の繊維は、後述するように捲縮繊維と同様の樹脂で構成でき、繊維長や繊度も捲縮繊維と同様の構成とすることができる。
【0029】
不織布(100)を構成する繊維の質量に占める捲縮繊維の質量割合は適宜調整するものであるが、より突出した凸部分(102)が形成されることで嵩高であると共に伸縮性に富む不織布(100)を提供できるよう、30質量%以上であるのが好ましく、40質量%以上であるのが好ましく、50質量%以上であるのが好ましく、60質量%以上であるのが好ましく、70質量%以上であるのが好ましく、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのが好ましく、構成繊維が捲縮繊維のみであるのがより好ましい。
【0030】
捲縮繊維を含む不織布(100)の構成繊維(以降、構成繊維と称することがある)をなすポリマーは適宜選択でき、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をニトリル基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など、公知のポリマーを採用できる。なお、これらのポリマーは、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、またポリマーがブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、またポリマーの立体構造や結晶性の有無がいかなるものでもよい。更には、多成分の樹脂を混ぜ合わせたものでも良い。
【0031】
構成繊維は、一種類の樹脂から構成されてなるものでも、複数種類の樹脂から構成されてなるものでも構わない。複数種類の樹脂から構成されてなる繊維として、一般的に複合繊維と称される、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、バイメタル型などの態様であることができる。
【0032】
また、構成繊維は上述した樹脂以外にも、例えば、難燃剤、香料、顔料、染料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤などの添加剤を含有していてもよい。顔料が含有されていることによって、肌の色をイメージした色(例えば、薄いオレンジ色など)の繊維など、原着繊維であることができる。また、染料を用いて繊維を染色してもよい。
【0033】
また、構成繊維は、略円形の繊維や楕円形の繊維以外にも異形断面繊維を含んでいてもよい。なお、異形断面繊維として、中空形状、三角形形状などの多角形形状、Y字形状などのアルファベット文字型形状、不定形形状、多葉形状、アスタリスク形状などの記号型形状、あるいはこれらの形状が複数結合した形状などの繊維断面を有する繊維であってもよい。
【0034】
構成繊維の繊度も適宜選択でき、柔軟性や追従性ならびに伸縮性や伸張回復性に優れた、嵩高な不織布を提供できるよう、例えば0.01~100dtexであることができ、0.1~50dtexであることができ、0.5~30dtexであることができ、1~10dtexであることができる。
【0035】
また、構成繊維の繊維長は適宜選択でき、特定長にカットされた短繊維や長繊維、連続繊維(直接紡糸法を用いて調製された特定長にカットされていない繊維など)であることができるが、より突出した凸部分(102)が形成されることで嵩高であると共に伸縮性に富む不織布(100)を提供できるよう、特定長にカットされた繊維であるのが好ましい。繊維長は、特に乾式法を用いてウェブを作成する場合には、20~150mmであることができ、25~100mmであることができ、30~90mmであることができ、40~80mmであることができる。また、特に湿式法を用いてウェブを作成する場合には1~30mmであることができ、3~20mmであることができ、5~15mmであることができる。なお、「繊維長」は、JIS L1015(2010)、8.4.1c 直接法(C法)に則って測定された繊維長をいう。
【0036】
構成繊維は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
【0037】
なお、不織布(100)は一方向ウェブやクロスレイウェブまたはランダムウェブ、あるいは、これらのウェブを積層してなるクリスクロスウェブを用いて調製された不織布であることができる。更に、これらのウェブへ水流やニードルを作用させたウェブ(水流絡合ウェブやニードルパンチウェブ)を用いて調製された不織布であることができる。水流やニードルを作用させてなるウェブを用いることで、構成繊維が強く絡合していることで強度に富む不織布(100)を提供でき好ましい。
【0038】
特に、複数の繊維配向を有するあるいは特定の繊維配向を有していないことで、より突出した凸部分(102)が形成されており、嵩高であると共に伸縮性に富む不織布(100)を提供できるよう、クロスレイウェブ、クロスレイウェブと一方向ウェブまたはクロスレイウェブとランダムウェブを積層させてなるクリスクロスウェブ、あるいは、ランダムウェブを用いて調製された不織布(100)であるのが好ましい。
【0039】
これらウェブの目付や厚みなどの諸構成や諸物性は適宜調整できるものであるが、目付は5~1000g/mであることができ、10~800g/mであることができ、20~500g/mであることができ、30~300g/mであることができ、40~100g/mであることができる。そして、厚みは0.05~30mmであることができ、0.1~20mmであることができ、0.5~10mmであることができる。なお、本願発明でいう「目付」とは主面における面積1mあたりの質量をいう。また、厚みとは、20gf/cmの荷重時における荷重を作用させている部分の厚みをいう。
【0040】
不織布(100)は機能性成分を含んでいてもよい。機能性成分の種類は求められる機能によって適宜選択できるため、限定されるものではないが、例えば、抗菌剤や殺菌剤、抗ウイルス剤、抗カビ剤、触媒(例えば、酸化チタンや二酸化マンガンあるいは白金担持アルミナなど)、調湿剤(例えば、シリカゲルやシリカマイクロカプセルなど)、活性炭やカーボンブラックなどの脱臭剤、顔料、芳香剤、陽イオン交換樹脂や陰イオン交換樹脂、薬効成分や美容成分などを挙げることができる。なお、機能性成分は構成繊維の表面および/または内部に粒子状、あるいは、構成繊維の表面の一部または全部を被覆するように皮膜状で存在していることができる。構成繊維に機能性成分を担持する方法は適宜選択できるが、例えば、機能性成分の溶液や分散液、あるいはバインダを含んだ機能性成分の溶液や分散液を、不織布(100)における、一方の主面あるいは両主面へ、噴霧あるいは既知のコーティング方法(例えば、グラビアロールを用いたキスコーティング法、ダイコーティング法など)を用いて担持した後、溶媒や分散媒を除去する方法や、不織布(100)を上述の溶液や分散液に浸漬し引き上げた後、溶媒や分散媒を除去する方法などを採用できる。
【0041】
不織布(100)が備える、凹部分(101)ならびに高密度結合部分(103)の数は2以上であれば良いが、3以上あるいは4以上であるのが好ましい。
【0042】
凹部分(101)ならびに高密度結合部分(103)の分布態様は適宜調整できる。具体的には、凹部分(101)ならびに高密度結合部分(103)が、線状や格子状をなし存在している態様、ランダムに分布して存在している態様、模様をなし存在している態様、等間隔の水玉模様をなし存在している態様などを挙げることができる。このうち、より突出した凸部分(102)が形成されることで嵩高であると共に伸縮性に富む不織布(100)を提供できるよう、凹部分(101)同士の間隔ならびに高密度結合部分(103)同士の間隔は等間隔であるのが好ましい。このような態様として、図1に図示するように、等間隔に存在する格子を想定した際の当該格子の交点上に、凹部分(101)ならびに高密度結合部分(103)が存在している態様(等間隔の水玉模様をなし存在している態様)であるのが好ましい。
【0043】
一方の主面側(M側)から不織布(100)を見た際の、隣り合う凹部分(101)の中心同士の間隔、ならびに、隣り合う高密度結合部分(103)の中心同士の間隔は、より突出した凸部分(102)が形成されることで嵩高であると共に伸縮性に富む不織布(100)を提供できるよう適宜調整する。具体的には、0.1~200mmであることができ、0.5~100mmであることができ、1~75mmであることができ、5~50mmであることができる。
【0044】
一方の主面側(M側)から不織布(100)を見た際の、高密度結合部分(103)の大きさは、より突出した凸部分(102)が形成されることで嵩高であると共に伸縮性に富む不織布(100)を提供できるよう、適宜調整する。具体的には、直径0.1~15mmであることができ、直径1~10mmであることができ、直径2~5mmであることができる。
【0045】
高密度結合部分(103)の厚みは不織布(100)の用途や求められる物性に合わせ適宜調整するが、その厚みは不織布(100)の厚み(後述するように凸部分(102)の高さ)よりも小さいものである。なお、高密度結合部分(103)の厚みと不織布(100)の厚み(後述するように凸部分(102)の高さ)の比較は、図2に図示したように凸部分(102)の中心同士を通過する線分A-A間で切断してなる、不織布(100)の断面を観察し確認できる。
【0046】
不織布(100)が備える、凸部分(102)の数は1以上であれば良いが、嵩高であると共に伸縮性に富む不織布(100)を提供できるよう、凸部分(102)の数は2以上であるのが好ましい。凸部分(102)の分布態様は適宜調整できる。具体的には、凹部分(101)の分布態様と同様であることができる。このうち、嵩高であると共に伸縮性に富む不織布(100)を提供できるよう、凸部分(102)同士の間隔は等間隔をなし分布しているのが好ましい。このような態様として、図1に図示するように、等間隔に存在する格子を想定した際の当該格子の交点上に、凸部分(102)が存在している態様であるのが好ましい。
【0047】
不織布(100)が複数の凸部分(102)を有している場合、隣り合う、凸部分(102)の中心同士の間隔は、嵩高であると共に伸縮性に富む不織布(100)を提供できるよう、適宜調整する。具体的には、0.1~100mmであることができ、0.5~180mmであることができ、1~75mmであることができ、5~50mmであることができる。
【0048】
凸部分(102)の厚みは不織布(100)の用途や求められる物性に合わせ適宜調整するが、その厚みの下限は0.1mm以上であることができ、0.3mm以上であることができ、0.5mm以上であることができ、上限は100mm以下であることができ、80mm以下であることができ、50mm以下であることができ、20mm以下であることができ、10mm以下であることができる。
なお、凸部分(102)の厚みは後述する不織布(100)の厚みと同じ値となり得る。
【0049】
不織布(100)の目付や厚みなどの諸構成や諸物性は適宜調整できるものであるが、目付は5~1000g/mであることができ、10~500g/mであることができ、20~400g/mであることができる。そして、その厚みの下限は0.1mm以上であることができ、0.3mm以上であることができ、0.5mm以上であることができ、上限は100mm以下であることができ、80mm以下であることができ、50mm以下であることができ、20mm以下であることができ、10mm以下であることができる。
【0050】
不織布(100)における、もう一方の主面(M´側の主面)の態様は適宜調整できるが、嵩高であると共に伸縮性に富む不織布(100)を提供できるよう、凹部分(101)および凸部分(102)を有していない平坦な形状を有しているのが好ましい。また、嵩高であると共に伸縮性に富む不織布(100)を提供できるよう、もう一方の主面(M´側の主面)よりも、一方の主面(M側)における凸部分(102)の表面(105)に存在する捲縮繊維は捲縮数が多いのが好ましい。
【0051】
なお、もう一方の主面(M´側)に存在する捲縮繊維の捲縮数は、以下のようにして確認できる。
(1)上述した(捲縮数の確認方法)において、平均値Aを求めるため選出した凸部分(102)に対向する、もう一方の主面側(M´側)の表面部分における、中央部分の顕微鏡写真を撮影(撮影範囲:3mm×3mmの正方形形状の範囲)する。なお、必要に応じて、顕微鏡写真を複数枚撮影し、撮影された複数枚の顕微鏡写真をつなぎ合わせて、顕微鏡写真を調製してもよい。
(2)顕微鏡写真に写る前記範囲に存在する捲縮を有する繊維から、ランダムに30本の繊維を選出する。そして、各繊維が有する捲縮数(当該各繊維における繊維長2mm間に存在する捲縮数)を目視によって数え、捲縮数の平均値を算出する。
(3)他の5箇所の平均値Aを求めるため選出した凸部分(102)に対しても上述した(1)~(2)と同様にして捲縮数の平均値を各々算出し、更にこれら値の平均値Cを求める。
平均値A>平均値Cの場合、測定した不織布は、「もう一方の主面(M´側の主面)よりも、一方の主面(M側)における凸部分(102)の表面(105)に存在する捲縮繊維は捲縮数が多い」と判断する。それ以外の場合(平均値A≦平均値Cの場合)、測定対象とした不織布は前述した構成を満足していないと判断する。
【0052】
本願発明の不織布(100)の調製方法は適宜選択できるが、例えば、以下の工程(1)~(3)を備えた製造方法を例示できる。なお、本工程について図4を用いて説明する。
【0053】
(1)潜在捲縮繊維を含んだウェブ(10)を用意する、
(2)ウェブ(10)における一方の主面(M側の主面)からエンボスロールを作用させることで、当該ウェブ(10)に複数の高密度結合部分(103)を形成すると共に、一方の主面(M側の主面)に露出し存在する潜在捲縮繊維を加熱して捲縮を発現させる、
(3)工程(2)を経たウェブ(11)を加熱処理へ供することで、当該ウェブ(11)に含まれている潜在捲縮繊維に捲縮を発現させる、
という工程を備えた不織布(100)の製造方法であることができる。
【0054】
また、工程(1)で使用するウェブの種類は上述したものを採用できる。ウェブへ水流やニードルを作用させることで、水流絡合ウェブやニードルパンチウェブを調製し、当該水流絡合ウェブやニードルパンチウェブを次の工程(2)へ供しても良い。なお、水流絡合ウェブに含まれる水分は、工程(2)へ供する前に除去しても、工程(2)においてエンボスロールを作用させることで一部あるいは全部を蒸発させ除去してもよい。
【0055】
上述した工程(2)で使用するエンボスロールとして、ロールの表面にウェブ(10)を加熱して高密度結合部分(103)を形成可能な突起を有する、エンボスロールを使用できる。突起の温度はウェブ(10)の構成繊維同士を溶融一体化して、ウェブ(10)の厚みが薄くなるよう潰され高密度化している部分(103)を形成できるよう、適宜調整する。具体的には、構成繊維を成す樹脂のうち最も低い融点を有する樹脂の、融点以上の温度となるように突起を加熱するのが好ましい。なお、ロールの表面に存在する突起の数は2以上であれば良いが、3以上あるいは4以上であるのが好ましい。また、その分布態様は適宜調整できるが、ウェブ(10)に求める分布態様の凹部分(101)を形成できるよう、突起の配置を調製する。
【0056】
上述したエンボスロールの作用が発揮されると共に、一方の主面(M側の主面)に露出し存在する潜在捲縮繊維を加熱して捲縮を発現させる。具体的には、エンボスロールの非エンボス部分(エンボスロール表面の突起が存在していない部分)を加熱して一方の主面(M側の主面)に接触させることで、一方の主面(M側の主面)に露出し存在する潜在捲縮繊維を加熱して捲縮を発現させる。非エンボス部分の加熱温度は適宜調整できるが、潜在捲縮繊維を成す樹脂のうち最も低い融点を有する樹脂の融点以上の温度となるように加熱するのが好ましい。なお、本工程によって一方の主面(M側の主面)に露出し存在する潜在捲縮繊維に捲縮を発現させるのが好ましいが、凸部分の内部(104)に存在する潜在捲縮繊維すべてに捲縮が発現することが無いよう、非エンボス部分の加熱温度や非エンボス部分による加熱時間を調製する。
【0057】
特に、エンボスロール表面の突起が存在していない部分の温度を、前記構成繊維を成す樹脂のうち最も低い融点を有する樹脂の融点以上の温度となるように加熱し、当該加熱されたエンボスロール表面の突起が存在していない部分を、ウェブ(10)における一方の主面(M側の主面)に当接する方法を採用するのが好ましい。このようにエンボスロール表面の突起が存在していない部分の温度を調整することによって、一方の主面上に存在する構成繊維の一部を溶融させて当該構成繊維同士を結合できる。このようにして製造されたウェブでは、ウェブの表面はウェブの内部よりも構成繊維同士が多く結合した状態にあり、ウェブの表面はウェブの内部よりも更に変形し難い状態となる。その結果、ウェブの表面と内部により変形し易さの違いが生じ、更に嵩高な不織布を製造できる。
【0058】
なお、伸縮性を有する更に嵩高な不織布(100)を効率よく提供できるよう、もう一方の主面(M´側の主面)に露出し存在する潜在捲縮繊維すべてに捲縮が発現することが無いよう、非エンボス部分の加熱温度や非エンボス部分による加熱時間を調製するのが好ましい。
【0059】
上述の工程(2)を経たウェブ(11)はそのまま、次の工程(3)へ供してもよいが、放冷あるいは冷却してから次の工程(3)へ供するのが好ましい。
【0060】
上述した工程(3)において、ウェブ(11)に含まれている潜在捲縮繊維の捲縮を発現させることができるよう、加熱処理の方法や加熱温度は適宜選択できる。加熱処理の方法として、例えば、ロールにより加熱または加熱加圧する方法、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する方法、無圧下で赤外線を照射して含まれている有機樹脂を加熱する方法などを用いることができる。加熱温度は適宜調整するが、潜在捲縮繊維の捲縮が発現する温度以上であって、構成繊維の溶融する温度未満の範囲に調整するのが好ましい。本工程によって、ウェブ(11)を構成する潜在捲縮繊維全体に捲縮を発現させて捲縮繊維にできる。
【0061】
そして、加熱処理へ供し潜在捲縮繊維の捲縮を発現させた後、放冷あるいは冷却することで本願発明にかかる不織布(100)を調製できる。
【0062】
本願発明の不織布(100)は、更に別の多孔体、フィルム、発泡体などの部材を備えていてもよい。更に、本願発明の不織布(100)をリライアントプレス処理などの、表面を平滑とするために加圧処理する工程へ供してもよい。また、用途や使用態様に合わせて形状を打ち抜いた後に加熱成形する工程や、機能性成分を担持する工程、薬剤との親和性を向上するための親水化処理工程など、各種二次加工工程へ供してもよい。
【実施例0063】
以下、実施例によって本願発明を具体的に説明するが、これらは本願発明の範囲を限定するものではない。なお、調製した不織布の物性は以下の方法で測定した。
【0064】
(引張強度(単位:N/20mm)の測定方法)
測定対象の生産方向と長辺方向を平行にして、長さ:80mm、幅:20mmの大きさの試験片を3枚採取する。このようにして採取した試験片を定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン、チャック間の距離(つかみ間隔):50mm、引張速度:100mm/分)へ供し、試験片を引張り、試験片が破断するまでの最大荷重を測定する。この最大荷重の測定を3枚の試験片について行い、これら最大荷重の算術平均値をMD方向の「引張強度」とする。
【0065】
同様にして、測定対象の生産方向と短辺方向を平行にして、長さ:80mm、幅:20mmの大きさの試験片を3枚採取し、測定されたこれら最大荷重の算術平均値をCD方向の「引張強度」とする。
【0066】
(伸び率(Sr、単位:%)の測定方法)
前述の引張強度の測定を行った時の、最大荷重時の試験片の伸び(Smax、単位:mm)[=(最大荷重時の長さ、単位:mm)-(つかみ間隔=50mm)]のつかみ間隔(50mm)に対する百分率をいう。つまり、次の式から得られる値である。この測定を3回行い、前記百分率の算術平均値をMD方向あるいはCD方向の「伸び率」とする。
Sr=(Smax/50)×100
【0067】
(伸長時強さ(単位:N/20mm)の測定方法)
測定対象の生産方向と長辺方向を平行にして、長さ:80mm、幅:20mmの大きさの試験片を3枚採取する。
このようにして採取した試験片を定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン、チャック間の距離(つかみ間隔):50mm、引張速度:100mm/分)へ供し、試験片を引張り、試験片を10mm(=20%)伸長するまでに測定された最大荷重、25mm(=50%)伸長するまでに測定された最大荷重を各々測定する。この最大荷重の測定を3枚の試験片について行い、これら最大荷重の算術平均値をMD方向の「20%伸長時強さ」と「50%伸長時強さ」とする。
同様にして、測定対象の生産方向と短辺方向を平行にして、長さ:80mm、幅:20mmの大きさの試験片を3枚採取し、測定されたこれら最大荷重の算術平均値をCD方向の「20%伸長時強さ」と「50%伸長時強さ」とする。
【0068】
(50%伸長時回復率(単位:%)の測定方法)
測定対象の生産方向と長辺方向を平行にして、長さ:80mm、幅:20mmの大きさの試験片を3枚採取する。
このようにして採取した試験片を定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン、チャック間の距離(つかみ間隔):50mm、引張速度:100mm/分)へ供し、このつかみ間隔50mmの位置を始点とし、始点から25mmの位置、即ち50%伸長位置(L50=25mm)まで速度100mm/分で引っ張った後、同速度で始点まで戻す。この引張時に試験片の引張応力が0.05Nになったときの伸び(Lf)と、戻す操作の時に試験片の引張応力が0.05Nとなったときの伸び(Lb)を測定する。
この測定を3枚の試験片について行い、前記伸び(Lf、Lb)をそれぞれ算術平均して、引っ張り操作時の平均伸び(Lfav)と戻し操作時の平均伸び(Lbav)を算出する。そして、次の式から算出される値を「50%伸長時回復率(R、単位:%)とする。
R=〔{(L50-Lfav)-(Lbav-Lfav)}/(L50-Lfav)〕×100
また、上述の測定を3回行い求めた50%伸長時回復率(%)を、CD方向の「3回繰り返し50%伸長時回復率(単位:%)」とする。
同様にして、測定対象の生産方向と短辺方向を平行にして、長さ:80mm、幅:20mmの大きさの試験片を3枚採取し、算出された数値をCD方向の「50%伸長時回復率(R、単位:%)」とする。
また、上述の測定を3回行い求めた50%伸長時回復率(%)を、CD方向の「3回繰り返し50%伸長時回復率(単位:%)」とする。
【0069】
(実施例1)
融点が異なる二種類のポリエステル系樹脂で構成された潜在捲縮繊維(サイドバイサイド型、繊維の断面形状:円形、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm、融点が低い方のポリエステル系樹脂の融点:230℃)のみをカード機へ供し、一方向ウェブを調製した。このようにして調製した一方向ウェブをクロスラッパー装置へ供し折り畳み、潜在捲縮繊維が主面方向内で二方向性の繊維配向を有しているクロスレイウェブ(目付:80g/m)を調製した。
エンボスロール(突起の温度:230℃、エンボスロール表面の突起が存在していない部分の温度:230℃)を用意した。
クロスレイウェブにおける一方の主面(M側の主面)に対し、エンボスロールを作用させて、クロスレイウェブに複数のエンボス部分(高密度結合部分、等間隔の水玉模様をなし直径2mmの円形のエンボスが複数存在、エンボス部分の中心同士の間隔:12mm)を形成した。また、それと同時に、エンボスロール表面の突起が存在していない部分をクロスレイウェブにおける一方の主面(M側の主面)に接触させることで、当該主面に存在する潜在捲縮繊維を加熱して捲縮を発現させた。
そして、エンボスロールを処理した後のクロスレイウェブを放冷した。
その後、オーブンドライヤー(加熱温度:145℃)へ供しクロスレイウェブを加熱することで、クロスレイウェブを構成する潜在捲縮繊維の捲縮を全体的に発現させて、一方の主面側に複数の凹部分と凸部分を有する不織布(等間隔の水玉模様をなし直径2mmの円形のエンボスが複数存在、エンボス部分の中心同士の間隔:8mm)を調製した。
なお、調製した不織布では、凸部分の内部に存在する捲縮繊維およびもう一方の主面に存在する捲縮繊維よりも、凸部分の表面に存在する捲縮繊維は捲縮数が多いものであった。加えて、凸部分の内部よりも凸部分の表面では、構成繊維(捲縮繊維)同士が多く結合しているものであった。
【0070】
実施例1で調製した不織布を一方の主面側の斜め上方向から写した写真を図5に、もう一方の主面側の斜め上方向から写した写真を図6に示した。
【0071】
(比較例1)
先端の形状が直径2mmの円形である金属丸棒を用意した。そして当該金属棒の先端を230℃に加熱した。次いで、実施例1で使用したクロスレイウェブにおける一方の主面(M側の主面)に対し、加熱された金属棒の先端を作用させることで、クロスレイウェブに複数のエンボス部分(高密度結合部分、等間隔の水玉模様をなし直径2mmの円形のエンボスが複数存在、エンボス部分の中心同士の間隔:12mm)を形成した。
なお、本工程において、クロスレイウェブにおける一方の主面(M側の主面)において、加熱された金属棒の先端を作用させなかった部分に存在する潜在捲縮繊維には、捲縮は発現していなかった。そして、金属棒を処理した後のクロスレイウェブを放冷した。
その後、オーブンドライヤー(加熱温度:145℃)へ供しクロスレイウェブを加熱することで、クロスレイウェブを構成する潜在捲縮繊維の捲縮を全体的に発現させて、不織布(等間隔の水玉模様をなし直径2mmの円形のエンボスが複数存在、エンボス部分の中心同士の間隔:8mm)を調製した。
なお、調製した不織布では、凸部分の内部に存在する捲縮繊維、もう一方の主面に存在する捲縮繊維、凸部の表面に存在する捲縮繊維のいずれも、その捲縮数は同じものであった。加えて、凸部分の内部と凸部分の表面のいずれも、その構成繊維(捲縮繊維)同士の結合数は同じものであった。
【0072】
比較例1で調製した不織布を一方の主面側の斜め上方向から写した写真を図7に、もう一方の主面側の斜め上方向から写した写真を図8に示した。
【0073】
なお、本比較例で採用した不織布の製造方法は、エンボスロール表面の突起が存在していない部分を、ウェブにおける一方の主面(M側の主面)を接触させることなくエンボス部分を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、不織布(等間隔の水玉模様をなし直径2mmの円形のエンボスが複数存在、エンボス部分の中心同士の間隔:8mm)を調製することを想定した製造方法である。
【0074】
(実施例2)
オーブンドライヤーによるクロスレイウェブの加熱温度を160℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、一方の主面側に複数の凹部分と凸部分を有する不織布(等間隔の水玉模様をなし直径2mmの円形のエンボスが複数存在、エンボス部分の中心同士の間隔:7mm)を調製した。
なお、調製した不織布では、凸部分の内部に存在する捲縮繊維およびもう一方の主面に存在する捲縮繊維よりも、凸部の表面に存在する捲縮繊維は捲縮数が多いものであった。加えて、凸部分の内部よりも凸部分の表面では、構成繊維(捲縮繊維)同士が多く結合しているものであった。
【0075】
(実施例3)
オーブンドライヤーによるクロスレイウェブの加熱温度を190℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、一方の主面側に複数の凹部分と凸部分を有する不織布(等間隔の水玉模様をなし直径2mmの円形のエンボスが複数存在、エンボス部分の中心同士の間隔:7mm)を調製した。
なお、調製した不織布では、凸部分の内部に存在する捲縮繊維およびもう一方の主面に存在する捲縮繊維よりも、凸部の表面に存在する捲縮繊維は捲縮数が多いものであった。加えて、凸部分の内部よりも凸部分の表面では、構成繊維(捲縮繊維)同士が多く結合しているものであった。
【0076】
以上のようにして調製した各不織布の諸物性を評価し、表1にまとめた。
【0077】
【表1】
【0078】
実施例1の不織布は、本願発明の構成を満足するものであり、伸縮性(例えば、伸び率(%))に富む嵩高な不織布であった。それに比べ、比較例1の不織布は、本願発明の構成を満足するものではなく、伸縮性(例えば、伸び率(%))と嵩高さに劣る不織布であった。
【0079】
また、実施例1よりも目付の大きい実施例2~3の不織布もまた、本願発明の構成を満足するものであり、伸縮性(例えば、伸び率(%))に富む嵩高な不織布であった。
【0080】
(実施例4)
融点が異なる二種類のポリエステル系樹脂で構成された潜在捲縮繊維(サイドバイサイド型、繊維の断面形状:円形、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm、融点が低い方のポリエステル系樹脂の融点:230℃)のみをカード機へ供し、一方向ウェブを調製した。このようにして調製した一方向ウェブをクロスラッパー装置へ供し折り畳み、潜在捲縮繊維が主面方向内で二方向性の繊維配向を有しているクロスレイウェブ(目付:40g/m)を調製した。
次いで、クロスレイウェブを水流絡合装置へ供することで、水流を作用させクロスレイウェブの構成繊維同士を強く絡合させた。その後、室温雰囲気下で自然乾燥させることで、水流絡合ウェブに含まれる水分を除去した。
エンボスロール(突起の温度:230℃、エンボスロール表面の突起が存在していない部分の温度:230℃)を用意した。
水流絡合装置へ供した後のクロスレイウェブ(以降、水流絡合ウェブと称する)における一方の主面(M側の主面)に対し、エンボスロールを作用させて、水流絡合ウェブに複数のエンボス部分(高密度結合部分、等間隔の水玉模様をなし直径2mmの円形のエンボスが複数存在、エンボス部分の中心同士の間隔:12mm)を形成した。また、それと同時に、エンボスロール表面の突起が存在していない部分を水流絡合ウェブにおける一方の主面(M側の主面)に接触させることで、当該主面に存在する潜在捲縮繊維を加熱して捲縮を発現させた。
そして、エンボスロールを処理した後の水流絡合ウェブを放冷した。
その後、オーブンドライヤー(加熱温度:180℃)へ供し水流絡合ウェブを加熱することで、水流絡合ウェブを構成する潜在捲縮繊維の捲縮を全体的に発現させて、一方の主面側に複数の凹部分と凸部分を有する不織布(等間隔の水玉模様をなし直径2mmの円形のエンボスが複数存在、エンボス部分の中心同士の間隔:8mm)を調製した。
なお、調製した不織布では、凸部分の内部に存在する捲縮繊維およびもう一方の主面に存在する捲縮繊維よりも、凸部分の表面に存在する捲縮繊維は捲縮数が多いものであった。加えて、凸部分の内部よりも凸部分の表面では、構成繊維(捲縮繊維)同士が多く結合しているものであった。
【0081】
(比較例2)
先端の形状が直径2mmの円形である金属丸棒を用意した。そして当該金属棒の先端を230℃に加熱した。次いで、実施例4で使用した水分を除去した後の水流絡合ウェブにおける一方の主面(M側の主面)に対し、加熱された金属棒の先端を作用させることで、水流絡合ウェブに複数のエンボス部分(高密度結合部分、等間隔の水玉模様をなし直径2mmの円形のエンボスが複数存在、エンボス部分の中心同士の間隔:12mm)を形成した。
なお、本工程において、水流絡合ウェブにおける一方の主面(M側の主面)において、加熱された金属棒の先端を作用させなかった部分に存在する潜在捲縮繊維には、捲縮は発現していなかった。そして、金属棒を処理した後の水流絡合ウェブを放冷した。
その後、オーブンドライヤー(加熱温度:175℃)へ供し水流絡合ウェブを加熱することで、水流絡合ウェブを構成する潜在捲縮繊維の捲縮を全体的に発現させて、不織布(等間隔の水玉模様をなし直径2mmの円形のエンボスが複数存在、エンボス部分の中心同士の間隔:8mm)を調製した。
なお、調製した不織布では、凸部分の内部に存在する捲縮繊維、もう一方の主面に存在する捲縮繊維、凸部の表面に存在する捲縮繊維のいずれも、その捲縮数は同じものであった。加えて、凸部分の内部と凸部分の表面のいずれも、その構成繊維(捲縮繊維)同士の結合数は同じものであった。
【0082】
なお、本比較例で採用した不織布の製造方法は、エンボスロール表面の突起が存在していない部分を、ウェブにおける一方の主面(M側の主面)を接触させることなくエンボス部分を形成したこと以外は、実施例4と同様にして、不織布(等間隔の水玉模様をなし直径2mmの円形のエンボスが複数存在、エンボス部分の中心同士の間隔:8mm)を調製することを想定した製造方法である。
【0083】
以上のようにして調製した各不織布の諸物性を評価し、表2にまとめた。
【0084】
【表2】
【0085】
実施例4の不織布は、本願発明の構成を満足するものであり、嵩高な不織布であった。それに比べ、比較例2の不織布は、本願発明の構成を満足するものではなく、嵩高さに劣る不織布であった。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本願発明の不織布によって、例えば、おむつのウエスト周りや足の付根周り、サポーターや包帯、貼付薬用基材やプラスター基材、フェイシャルマスクといったメディカル用品や衛生用品などの構成部材を提供できる。また、伸張性や嵩高さあるいはクッション性が求められる他の産業用途にも好適に使用できる。
【符号の説明】
【0087】
1・・・吸収性物品用シート
2・・・エンボス部
3・・・伸縮領域
100・・・構成繊維に捲縮繊維を含んでいる両主面を有する不織布
101・・・複数の凹部分
102・・・隣り合う凹部分の間に存在する凸部分
103・・・高密度化している部分
104・・・両主面および隣り合う凹部分に囲まれた部分
105・・・凸部分の表面
M・・・一方の主面
M´・・・もう一方の主面
10・・・潜在捲縮繊維を含んだウェブ
11・・・エンボスロールを作用させた後のウェブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8