IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-モータ、駆動装置 図1
  • 特開-モータ、駆動装置 図2
  • 特開-モータ、駆動装置 図3
  • 特開-モータ、駆動装置 図4
  • 特開-モータ、駆動装置 図5
  • 特開-モータ、駆動装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048350
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】モータ、駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/16 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
H02K5/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157614
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホ クアン ヅアン
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼岸 憲一朗
(72)【発明者】
【氏名】上谷 卓寛
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA12
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC04
5H605DD09
5H605EB30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】導電部材をより容易に取り付ける。
【解決手段】モータハウジングは、第1ベアリングを保持するベアリングホルダを有して、ロータ及びステータを収容する。第2ベアリングは、モータシャフト10の軸方向一方端部においてモータシャフト10の内部に配置され、第1ベアリングよりも電気抵抗が低い。導電部材8は、第2ベアリングをモータハウジングと電気的に接続する。第2ベアリングの径方向外端部は、モータシャフト10の内周面に接する。導電部材8の接触部81は、第2ベアリングの径方向内端部に接する。固定部は、モータシャフト10よりも径方向外方においてモータハウジングに固定される。架橋部は、接触部81と固定部とを接続する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸に沿って軸方向に延びる筒状のモータシャフトと、
前記回転軸を中心として前記モータシャフトとともに回転可能なロータと、
前記ロータと径方向に隙間を空けて対向するステータと、
前記モータシャフトを回転可能に支持する第1ベアリングと、
前記第1ベアリングを保持するベアリングホルダを有して、前記ロータ及び前記ステータを収容するモータハウジングと、
前記モータシャフトの軸方向一方端部において前記モータシャフトの内部に配置され、前記第1ベアリングよりも電気抵抗が低い第2ベアリングと、
前記第2ベアリングを前記モータハウジングと電気的に接続する導電部材と、
を備え、
前記第2ベアリングの径方向外端部は、前記モータシャフトの内周面に接し、
前記導電部材は、
前記第2ベアリングの径方向内端部に接する接触部と、
前記モータシャフトよりも径方向外方において前記モータハウジングに固定される固定部と、
前記接触部と前記固定部とを接続する架橋部と、
を有する、モータ。
【請求項2】
前記架橋部は、軸方向と交差する方向に広がる板状であり、
前記架橋部の軸方向幅は、前記架橋部の周方向幅よりも狭い、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記架橋部は、軸方向に可撓性を有する、請求項1又は請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記モータハウジングは、前記固定部の周方向端面に沿って延びて前記固定部の周方向端面と接する第1接触面を有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項5】
前記モータハウジングは、前記固定部の径方向内端面に沿って延びて前記固定部の径方向内端面と接する第2接触面を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項6】
前記架橋部の径方向外端部における第1周方向幅は、前記架橋部の径方向内端部における第2周方向幅よりも広い、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項7】
前記架橋部は、軸方向に屈曲する屈曲部を有する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項8】
前記接触部は、径方向内方に凹む第1凹部を有し、
前記第2ベアリングの径方向内端部は、前記第1凹部に嵌る、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項9】
軸方向と垂直な第1方向から見て、
前記接触部が前記第2ベアリングと接する部分の一部は、軸方向及び前記第1方向と垂直な第2方向において前記回転軸よりも一方に配置され、
前記接触部が前記第2ベアリングと接する部分の他の一部は、前記第2方向において前記回転軸よりも他方に配置される、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項10】
前記接触部の少なくとも一部は、前記第2ベアリングの径方向内側面に沿って周方向に延びる、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項11】
前記接触部は、前記架橋部とは別部材である、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項12】
前記接触部及び前記架橋部のうちの一方は、第2凹部を有し、
前記接触部及び前記架橋部のうちの他方は、凸部を有し、
前記第2凹部は、軸方向において前記他方から前記一方に向かって凹み、
前記凸部は、軸方向において前記他方から前記一方に向かって突出し、前記架橋部の径方向内端部において前記第2凹部に嵌る、請求項11に記載のモータ。
【請求項13】
前記固定部は、前記モータシャフトの軸方向一方端部よりも軸方向他方に配置される、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項14】
前記モータシャフトの回転角度を検出する検出器をさらに備え、
前記検出器は、前記モータシャフトよりも径方向外方に配置され、
前記固定部は、前記検出器よりも径方向外方に配置される、請求項13に記載のモータ。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のモータと、
前記モータの動力を駆動シャフトに伝達する動力伝達装置と、
を備える、駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロータ放電軸受のような導通ベアリングと導電性タブのような導電部材とを用いて、モータシャフトを除電する駆動装置が知られている。たとえば、モータシャフトには、ロータ放電軸受が取り付けられる。導電性タブは、モータシャフトの軸方向端部を覆うケースの一部分から延び、ロータ放電軸受と接する。モータシャフトは、ロータ放電軸受及び導電性タブを介してケースと電気的に接続される(たとえば特表2019-517766号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2019-517766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、モータシャフトの軸方向端部を覆う蓋のようなケースの一部分に導電部材を配置すると、モータシャフト及びケースの一方に対する他方の組み立てと、導通ベアリングに対する導電部材の接触とを同時行う必要が生じることがある。この場合、導電部材の取り付けが難しい。
【0005】
本発明は、導電部材をより容易に取り付けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的なモータは、筒状のモータシャフトと、ロータと、ステータと、第1ベアリングと、モータハウジングと、第2ベアリングと、導電部材と、を備える。前記モータシャフトは、回転軸に沿って軸方向に延びる。前記ロータは、前記回転軸を中心として前記モータシャフトとともに回転可能である。前記ステータは、前記ロータと径方向に隙間を空けて対向する。前記第1ベアリングは、前記モータシャフトを回転可能に支持する。前記モータハウジングは、前記第1ベアリングを保持するベアリングホルダを有して、前記ロータ及び前記ステータを収容する。前記第2ベアリングは、前記モータシャフトの軸方向一方端部において前記モータシャフトの内部に配置され、前記第1ベアリングよりも電気抵抗が低い。前記導電部材は、前記第2ベアリングを前記モータハウジングと電気的に接続する。前記第2ベアリングの径方向外端部は、前記モータシャフトの内周面に接する。前記導電部材は、接触部と、固定部と、架橋部と、を有する。前記接触部は、前記第2ベアリングの径方向内端部に接する。前記固定部は、前記モータシャフトよりも径方向外方において前記モータハウジングに固定される。前記架橋部は、前記接触部と前記固定部とを接続する。
【0007】
本発明の例示的な駆動装置は、上述のモータと、動力伝達装置と、を備える。前記動力伝達装置は、前記モータの動力を駆動シャフトに伝達する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の例示的なモータ、駆動装置によれば、導電部材をより容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、駆動装置の構成例を示す概念的な断面図である。
図2図2は、駆動装置を搭載する車両の一例を示す概略図である。
図3図3は、実施形態に係る駆動装置の+Y方向側の外観図である。
図4図4は、実施形態に係る駆動装置の要部の概念的な断面図である。
図5図5は、変形例に係る駆動装置の+Y方向側の外観図である。
図6図6は、変形例に係る駆動装置の要部の概念的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して例示的な実施形態を説明する。
【0011】
以下の説明では、駆動装置100が水平な路面上に位置する車両300に搭載された場合の位置関係を基に、重力方向を規定して説明する。また、図面においては、適宜、三次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向(すなわち上下方向)を示す。+Z方向は、上方(重力方向とは向きが反対の鉛直上方)を示す。-Z方向は、下方(重力方向と同じ向きの鉛直下方)を示す。
【0012】
また、X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であり、駆動装置100が搭載される車両300の前後方向を示す。+X方向は、車両300の前方を示す。-X方向は、車両300の後方の他方を示す。但し、+X方向が車両300の後方であるとともに、-X方向が車両300の前方であることもありうる。
【0013】
Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両300の幅方向(左右方向)を示す。Y軸方向は、本発明の「軸方向」の一例であり、たとえばモータ1の回転軸J1などと平行である。+Y方向は、本発明の「軸方向一方」の一例であり、車両300の右方を示す。-Y方向は、本発明の「軸方向他方」の一例であり、車両300の左方を示す。但し、+X方向が車両300の後方となる場合には、-Y方向が車両300の右方を示し、+Y方向が車両300の左方を示すこともありうる。すなわち、X軸方向に関わらず、単に-Y方向が車両300の左右方向の一方側となり、+Y方向が車両300の左右方向の他方側となる。また、駆動装置100の車両300への搭載方法によっては、X軸方向が車両300の幅方向(左右方向)で、Y軸方向が車両300の前後方向であることもありうる。
【0014】
以下の説明において、回転軸J1などの所定の軸と直交する方向を単に「径方向」と呼び、所定の軸を中心とする周方向を「周方向」と呼ぶ。径方向のうち、所定の軸へと近づく向きを「径方向内方」と呼び、所定の軸から離れる向きを「径方向外方」と呼ぶ。
【0015】
また、本明細書において、方位、線、及び面のうちのいずれかと他のいずれかとの位置関係において、「平行」は、両者がどこまで延長しても全く交わらない状態のみならず、実質的に平行である状態を含む。また、「垂直」は、両者が互いに90度で交わる状態のみならず、実質的に垂直である状態を含む。つまり、「平行」及び「垂直」はそれぞれ、両者の位置関係に本発明の主旨を逸脱しない程度の角度ずれがある状態を含む。
【0016】
また、本明細書において、「環状」は、回転軸J1などの所定の軸を中心とする周方向の全域に渡って切れ目の無く連続的に一繋がりとなる形状のほか、所定の軸を中心とする全域の一部に1以上の切れ目を有する形状を含む。また、所定の軸を中心として、所定の軸と交差する曲面において閉曲線を描く形状も含む。
【0017】
なお、これらは単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係、方向、及び名称などを限定する意図はない。
【0018】
<1.実施形態>
図1は、駆動装置100の構成例を示す概念的な断面図である。図2は、駆動装置100を搭載する車両300の一例を示す概略図である。図3は、実施形態に係る駆動装置100の+Y方向側の外観図である。図4は、実施形態に係る駆動装置の要部の概念的な断面図である。なお、図1から図4は、あくまで概念図であり、各部の配置及び寸法は、実際の駆動装置100と厳密に同じであるとは限らない。図4は、図1の破線で囲まれた部分IVに対応する。
【0019】
駆動装置100は、本実施形態では図2に示すように、少なくともモータ1を動力源とする車両300に搭載される。車両300は、たとえば、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、又は電気自動車(EV)である。車両300は、駆動装置100を有する。
【0020】
図2において、駆動装置100は、車両300の前輪を駆動する。但し、図2の例示に限定されず、駆動装置100は、少なくともいずれかの車輪を駆動すればよい。また、車両300は、バッテリ200をさらに有する。バッテリ200は、駆動装置100に供給するための電力を蓄積する。
【0021】
図1に示すように、駆動装置100は、モータ1と、ギヤ部3と、を備える。ギヤ部3は、モータ1の動力を駆動シャフトDsに伝達する動力伝達装置である。駆動装置100によれば、後述するように、モータ1における電食の発生を効果的に抑制又は防止でき、さらに、モータシャフト10を除電する導電部材8をモータハウジング401に容易に取り付けできる。また、駆動装置100は、ハウジング4と、流体循環部5と、導通ベアリング6と、検出器7と、導電部材8と、をさらに備える。
【0022】
<1-1.モータ1>
モータ1は、直流のブラシレスモータである。モータ1は、駆動装置100の駆動源であり、インバータ(図示省略)から供給される電力によって駆動される。モータ1は、ステータ22の径方向内方にロータ21が回転可能に配置されたインナーロータ型である。図1に示すように、モータ1は、モータシャフト10と、ロータ21と、ステータ22と、を有する。
【0023】
<1-1-1.モータシャフト10>
モータシャフト10は、回転軸J1周りに回転可能である。モータシャフト10は、回転軸J1に沿ってY軸方向に延びる筒状である。前述の如く、モータ1は、モータシャフト10を備える。モータシャフト10の内側には、流体Fが流れる。駆動装置100は、この流体Fをさらに備える。なお、流体Fは、本実施形態では、ギヤ部3及び駆動装置100の各々のベアリングなどを潤滑する潤滑液であり、たとえばATF(automatic transmission fluid)である。また、流体Fは、モータ1などを冷却する冷媒としても利用される。
【0024】
モータシャフト10は、ロータシャフト11と、ギヤシャフト12と、を有する。ロータシャフト11は、ロータ21を保持する。ギヤシャフト12は、ロータシャフト11の-Y方向側の端部に接続される。ロータシャフト11及びギヤシャフト12は、Y軸方向に延びる筒状であり、回転軸J1に沿って延びる。本実施形態では、両者は、スプライン嵌合される。或いは、雄ねじ及び雌ねじを用いたねじカップリングにより連結されてもよいし、圧入及び溶接等の固定方法にて接合されてもよい。圧入、溶接等の固定方法を採用する場合、Y軸方向に延びる凹部及び凸部を組み合わせるセレーションを採用してもよい。このような構成とすることで、ロータシャフト11からギヤシャフト12に回転を確実に伝達することが可能である。なお、本実施形態の例示に限定されず、モータシャフト10は、単一の部材であってもよい。
【0025】
モータシャフト10は、シャフト貫通孔111を有する。シャフト貫通孔111は、ロータシャフト11に配置され、筒状のロータシャフト11を径方向に貫通する。シャフト貫通孔111の数は、単数であってもよいし、複数であってもよい。モータシャフト10が回転する際、その内部の流体Fは遠心力によって、シャフト貫通孔111を通じてロータシャフト11の外部に流出する。なお、上述の例示は、シャフト貫通孔111及び後述するロータ貫通孔2111が省略された構成を排除しない。
【0026】
また、モータシャフト10は、流入口121を有する。流入口121は、モータシャフト10の-Y方向側の端部における開口であり、本実施形態では後述するギヤシャフト12の-Y方向側の端部における開口である。流入口121は、後述するギヤ蓋部46の流路464と繋がる。流体Fは、流入口121を介して流路464からモータシャフト10の内部に流入する。
【0027】
また、モータシャフト10は、シャフト壁部13をさらに有する。シャフト壁部13は、ロータシャフト11の+Y方向側においてその内部に配置され、径方向に広がる。シャフト壁部13の径方向外端部は、ロータシャフト11の内側面に接続される。また、シャフト壁部13は、シャフト貫通孔111よりも+Y方向に配置され、ロータシャフト11の+Y方向側の端部の開口を塞ぐ。シャフト壁部13は、ロータシャフト11と一体であってもよいし、ロータシャフト11とは別体であってもよい。
【0028】
<1-1-2.ロータ21>
ロータ21は、回転軸J1を中心としてモータシャフト10とともに回転可能である。前述の如く、モータ1は、ロータ21を備える。言い換えると、駆動装置100は、ロータ21を備える。ロータ21は、モータシャフト10に固定される。ロータ21は、駆動装置100のインバータからステータ22に電力が供給されることで回転する。ロータ21は、ロータコア211と、マグネット212と、を有する。ロータコア211は、磁性体であり、たとえば薄板状の電磁鋼板をY軸方向に積層して形成される。ロータコア211は、ロータシャフト11の径方向外側面に固定される。ロータコア211には、複数のマグネット212が固定される。複数のマグネット212は、磁極を交互にして周方向に沿って並ぶ。
【0029】
また、ロータコア211は、ロータ貫通孔2111を有する。ロータ貫通孔2111は、ロータコア211をY軸方向に貫通するとともに、シャフト貫通孔111と繋がる。ロータ貫通孔2111は、冷媒としても機能する流体Fが流れる通路として利用される。ロータ21が回転する際、モータシャフト10の内部を流通する流体Fは、シャフト貫通孔111を経由してロータ貫通孔2111に流入できる。また、ロータ貫通孔2111に流入した流体Fは、ロータ貫通孔2111のY軸方向両端部から外部に流出できる。流出した流体Fは、ステータ22に向かって飛び、たとえば後述するコイル部222(特にコイルエンド2221)などを冷却する。また、流出した流体Fは、モータシャフト10を回転可能に支持する第1モータベアリング4211及び第2モータベアリング4331などに向かって飛び、これらを潤滑するとともに冷却する。
【0030】
<1-1-3.ステータ22>
ステータ22は、ロータ21と径方向に隙間を空けて対向する。前述の如く、モータ1は、ステータ22を備える。言い換えると、駆動装置100は、ステータ22を備える。ステータ22は、ロータ21よりも径方向外方に配置される。ステータ22は、ロータ21と径方向に隙間を空けて対向する。ステータ22は、ステータコア221と、コイル部222と、を有する。ステータ22は、後述する第1ハウジング筒部41に保持される。ステータコア221は、環状のヨーク(図示省略)の内側面から径方向内方に延びる複数の磁極歯(図示省略)を有する。コイル部222は、インシュレータ(図示省略)を介して、磁極歯に導線を巻き付けることで形成される。コイル部222の導線は、バスバー223(図3参照)を介してインバータに接続される。コイル部222は、ステータコア221のY軸方向端面から突出するコイルエンド2221を有する。
【0031】
<1-2.ギヤ部3>
次に、ギヤ部3は、モータシャフト10の-Y方向側に接続され、本実施形態ではギヤシャフト12に接続される。ギヤ部3は、モータ1の動力を後述する駆動シャフトDsに伝達する動力伝達装置である。ギヤ部3は、減速装置31と、差動装置32と、を有する。
【0032】
<1-2-1.減速装置31>
減速装置31は、ギヤシャフト12に接続される。減速装置31は、モータ1の回転速度を減じて、モータ1から出力されるトルクをその減速比に応じて増大させる。減速装置31は、モータ1から出力されるトルクを差動装置32に伝達する。減速装置31は、第1ギヤ311と、第2ギヤ312と、第3ギヤ313と、中間シャフト314と、を有する。
【0033】
第1ギヤ311は、モータシャフト10の-Y方向側においてモータシャフト10の径方向外側面に固定される。ギヤ部3は、第1ギヤ311を有する。たとえば、第1ギヤ311は、ギヤシャフト12の径方向外側面に配置される。第1ギヤ311は、ギヤシャフト12と一体であってもよいし、ギヤシャフト12と別体であってギヤシャフト12の径方向外側面に強固に固定されてもよい。第1ギヤ311は、モータシャフト10とともに、回転軸J1を中心に回転可能である。
【0034】
中間シャフト314は、中間軸J2に沿って延び、中間軸J2を中心として回転可能である。なお、中間軸J2は、Y軸方向に延びる。ギヤ部3は、中間シャフト314を有する。中間シャフト314の両端は、第1中間ベアリング4231及び第2中間ベアリング4621により、中間軸J2を中心として回転可能に支持される。
【0035】
第2ギヤ312は、中間シャフト314の径方向外側面に固定されて、第1ギヤ311と噛み合う。第3ギヤ313は、中間シャフト314の径方向外側面に固定される。ギヤ部3は、第2ギヤ312及び第3ギヤ313を有する。第3ギヤ313は、第2ギヤよりも+Y方向に配置されて、差動装置32の後述する第4ギヤ321と噛み合う。第2ギヤ312及び第3ギヤ313はそれぞれ、中間シャフト314と一体であってもよいし、中間シャフト314とは別体であって中間シャフト314の径方向外側面に強固に固定されてもよい。第2ギヤ312及び第3ギヤ313とは、中間シャフト314とともに、中間軸J2を中心に回転可能である。
【0036】
モータシャフト10のトルクは、第1ギヤ311から第2ギヤ312に伝達される。そして、第2ギヤ312に伝達されたトルクは、中間シャフト314を介して第3ギヤ313に伝達される。さらに、第3ギヤ313から、差動装置32の第4ギヤ321にトルクが伝達される。
【0037】
<1-2-2.差動装置32>
差動装置32は、駆動シャフトDsに取り付けられ、減速装置31から伝達されるトルクを駆動シャフトDsに伝達する。差動装置32は、第3ギヤ313と噛み合う第4ギヤ321を有する。第4ギヤ321は、いわゆるリングギヤである。第4ギヤ321のトルクは、駆動シャフトDsに出力される。
【0038】
駆動シャフトDsは、第1駆動シャフトDs1と、第2駆動シャフトDs2と、を有する。第1駆動シャフトDs1は、差動装置32の+Y方向側に取り付けられる。第2駆動シャフトDs2は、差動装置32の-Y方向側に取り付けられる。差動装置32は、たとえば、車両300の旋回時に、Y軸方向両側の駆動シャフトDs1,Ds2の回転速度差を吸収しつつ、駆動シャフトDs1,Ds2にトルクを伝える。
【0039】
<1-3.ハウジング4>
ハウジング4は、モータ1を収容する。詳細には、ハウジング4は、モータシャフト10、ロータ21、ステータ22、及びギヤ部3などを収容する。ハウジング4は、第1ハウジング筒部41と、側板部42と、モータ蓋部43と、カバー部材44と、第2ハウジング筒部45と、ギヤ蓋部46と、を有する。なお、第1ハウジング筒部41、側板部42、モータ蓋部43、カバー部材44、第2ハウジング筒部45、及びギヤ蓋部46は、たとえば、導電材料を用いて形成され、本実施形態では鉄、アルミ、これらの合金などの金属材料を用いて形成される。また、接触部分での異種金属接触腐食を抑制するため、これらは、好ましくは同一の材料を用いて形成される。但し、この例示に限定されず、これらは金属材料以外を用いて形成されてもよいし、これらのうちの少なくとも一部は異なる材料を用いて形成されてもよい。
【0040】
また、ハウジング4は、モータハウジング401と、ギヤハウジング402と、をさらに有する。これらは後に説明する。
【0041】
<1-3-1.第1ハウジング筒部41>
第1ハウジング筒部41は、Y軸方向に延びる筒状である。第1ハウジング筒部41の内側には、ロータシャフト11、ロータ21、ステータ22,及び、後述する流体リザーバ54などが配置される。また、第1ハウジング筒部41の内側面には、ステータコア221が固定される。
【0042】
<1-3-2.側板部42>
側板部42は、第1ハウジング筒部41の-Y方向側の端部を覆うとともに、第2ハウジング筒部45の+Y方向側の端部を覆う。側板部42は、回転軸J1と交差する方向に広がり、第1ハウジング筒部41及び第2ハウジング筒部45を区画する。本実施形態は、第1ハウジング筒部41及び側板部42は、一体である。これにより、これらの剛性を高めることができる。但し、この例示に限定されず、両者は、別体であってもよい。
【0043】
側板部42は、側板貫通孔4201と、第1駆動シャフト貫通孔4202と、を有する。側板貫通孔4201及び第1駆動シャフト貫通孔4202は、側板部42をY軸方向に貫通する。側板貫通孔4201の中央は、回転軸J1と一致する。側板貫通孔4201には、モータシャフト10が挿通される。第1駆動シャフト貫通孔4202の中央は、差動軸J3と一致する。第1駆動シャフト貫通孔4202には、第1駆動シャフトDs1が挿通される。第1駆動シャフトDs1と第1駆動シャフト貫通孔4202との隙間には、両者間をシールするオイルシール(不図示)が配置される。
【0044】
また、側板部42は、第1モータベアリングホルダ421、第1ギヤベアリングホルダ422、第1中間ベアリングホルダ423、及び、第1駆動ベアリングホルダ424をさらに有する。第1モータベアリングホルダ421は、側板貫通孔4201の内側面の+Y方向側に配置され、第1モータベアリング4211を保持する。第1モータベアリング4211は、モータシャフト10を回転可能に支持する。モータ1は、第1モータベアリング4211を備える。なお、第1モータベアリング4211は、本発明の「第1ベアリング」の一例であり、本実施形態ではボールベアリングである。詳細には、第1モータベアリング4211は、ロータシャフト11の-Y方向側の端部を回転可能に支持する。第1ギヤベアリングホルダ422は、側板貫通孔4201の内側面の-Y方向側に配置され、第1ギヤベアリング4221を保持する。第1ギヤベアリング4221は、ギヤシャフト12の+Y方向側の端部を回転可能に支持する。第1中間ベアリングホルダ423は、側板部42の-Y方向側の端面に配置され、第1中間ベアリング4231を保持する。第1中間ベアリング4231は、中間シャフト314の+Y方向側の端部を回転可能に支持する。第1駆動ベアリングホルダ424は、第1駆動シャフト貫通孔4202の内側面に配置され、第1駆動ベアリング4241を保持する。第1駆動ベアリング4241は、第1駆動シャフトDs1を回転可能に支持する。
【0045】
<1-3-3.モータ蓋部43>
モータ蓋部43は、回転軸J1と交差する方向に広がり、第1ハウジング筒部41の+Y方向側の端部を覆う。モータ蓋部43の第1ハウジング筒部41への固定は、たとえば、ねじによる固定を挙げることができるが、これに限定されず、ねじ込み、圧入等、モータ蓋部43を第1ハウジング筒部41に強固に固定できる方法を広く採用できる。これにより、モータ蓋部43は、第1ハウジング筒部41の+Y方向側の端部に密着できる。なお、密着とは、部材内部の流体Fが外部に漏れない程度、及び外部の水、埃、塵等の異物が侵入しない程度の密閉性を有していることを指す。密着については、以下同様とする。
【0046】
モータ蓋部43は、板部431と、壁部432と、第2モータベアリングホルダ433と、を有する。板部431は、回転軸J1と交差する方向に広がり、第1ハウジング筒部41の+Y方向側の端部に取り付けられる。壁部432は、板部431の+Y方向側の端面から+Y方向に突出して、周方向に広がる。壁部432は、回転軸J1、ロータシャフト11の+Y方向側の端部、開口部4332、及び導電部材8などを囲む。第2モータベアリングホルダ433は、第2モータベアリング4331を保持する。第2モータベアリング4331は、モータシャフト10を回転可能に支持する。モータ1は、第2モータベアリング4331を備える。なお、第2モータベアリング4331は、本発明の「第1ベアリング」の他の一例であり、本実施形態ではボールベアリングである。詳細には、第2モータベアリング4331は、ロータシャフト11の+Y方向側の端部を回転可能に支持する。第2モータベアリングホルダ433は、開口部4332を有する。開口部4332は、板部431をY軸方向に貫通し、Y軸方向から見て回転軸J1を囲む。開口部4332には、ロータシャフト11が挿通される。
【0047】
また、モータ蓋部43は、第1接触面4341と、第2接触面4342と、をさらに有する(たとえば図3参照)。第1接触面4341及び第2接触面4342は、板部431の+Y方向側の端部に配置され、モータ蓋部43に固定される導電部材8の後述する固定部82と接する。第1接触面4341及び第2接触面4342は、後に説明する。
【0048】
<1-3-4.カバー部材44>
カバー部材44は、モータ蓋部43に取り付けられ、壁部432の+Y方向側の端部を覆う。カバー部材44のモータ蓋部43への取り付けは、たとえば、ねじ止めを挙げることができるが、これに限定されず、ねじ込み、圧入等、モータ蓋部43にカバー部材44を強固に固定できる方法を広く採用できる。
【0049】
<1-3-5.第2ハウジング筒部45>
第2ハウジング筒部45は、ギヤ部3を囲む筒状であり、Y軸方向に延びる。第2ハウジング筒部45の+Y方向側の端部は、側板部42に接続され、側板部42で覆われる。第2ハウジング筒部45は、本実施形態では、側板部42の-Y方向側の端部に取り付けられる。また、第2ハウジング筒部45の側板部42への取り付けは、たとえば、ねじによる固定を挙げることができるが、これに限定されず、ねじ込み、圧入等、側板部42に第2ハウジング筒部45を強固に固定できる方法を広く採用できる。これにより、第2ハウジング筒部45は、側板部42の-Y方向側の端部に密着できる
【0050】
<1-3-6.ギヤ蓋部46>
ギヤ蓋部46は、回転軸J1と交差する方向に広がる。本実施形態では、第2ハウジング筒部45及びギヤ蓋部46は、一体である。但し、この例示に限定されず、両者は、別体であってもよい。
【0051】
ギヤ蓋部46は、第2駆動シャフト貫通孔460を有する。第2駆動シャフト貫通孔460は、ギヤ蓋部46をY軸方向に貫通する。第2駆動シャフト貫通孔460の中央は、差動軸J3と一致する。第2駆動シャフト貫通孔460には、第2駆動シャフトDs2が挿通される。第2駆動シャフトDs2と第2駆動シャフト貫通孔460との隙間には、オイルシール(不図示)が配置される。
【0052】
また、ギヤ蓋部46は、第2ギヤベアリングホルダ461、第2中間ベアリングホルダ462、及び、第2駆動ベアリングホルダ463をさらに有する。第2ギヤベアリングホルダ461及び第2中間ベアリングホルダ462は、ギヤ蓋部46の+Y方向側の端面に配置される。第2ギヤベアリングホルダ461は、第2ギヤベアリング4611を保持する。第2ギヤベアリング4611は、ギヤシャフト12の-Y方向側の端部を回転可能に支持する。第2中間ベアリングホルダ462は、第2中間ベアリング4621を保持する。第2中間ベアリング4621は、中間シャフト314の-Y方向側の端部を回転可能に支持する。第2駆動ベアリングホルダ463は、第2駆動シャフト貫通孔460の内側面に配置され、第2駆動ベアリング4631を保持する。第2駆動ベアリング4631は、第2駆動シャフトDs2を回転可能に支持する。
【0053】
また、ギヤ蓋部46は、流路464を有する。流路464は、流体Fの通路であり、受け皿部465とモータシャフト10の流入口121とを繋ぐ。受け皿部465は、-Z方向に凹む凹部を有する。受け皿部465には、ギヤ部3のギヤ(たとえば第4ギヤ321)によって掻き上げられた流体Fを貯めることができる。本実施形態では、ギヤ蓋部46は、受け皿部465を有する。受け皿部465は、ギヤ蓋部46の+Y方向側の端面に配置され、+Y方向に延びる。受け皿部465に貯まる流体Fは、流路464に供給され、モータシャフト10の-Y方向側の端部の流入口121からモータシャフト10の内部に流入する。
【0054】
<1-3-7.モータハウジング401>
モータハウジング401は、第1モータベアリング4211を保持する第1モータベアリングホルダ421と第2モータベアリング4331を保持する第2モータベアリングホルダ433とを有して、ロータ21及びステータ22を収容する。モータ1は、モータハウジング401を備える。また、モータハウジング401は、ロータシャフト11などを収容する。本実施形態では、モータハウジング401は、第1ハウジング筒部41、側板部42、モータ蓋部43、及び、カバー部材44で構成される。
【0055】
モータハウジング401は、収容空間4011を含む。収容空間4011は、ロータシャフト11の+Y方向側の端部、検出器7、及び、導電部材8などを収容する。本実施形態では、収容空間4011は、板部431、壁部432、及びカバー部材44で構成される。
【0056】
<1-3-8.ギヤハウジング402>
ギヤハウジング402は、ギヤシャフト12及びギヤ部3などを収容する。本実施形態では、ギヤハウジング402は、側板部42、第2ハウジング筒部45、及びギヤ蓋部46で構成される。
【0057】
ギヤハウジング402内の下部には、流体Fが溜る流体貯留部Pが配置される。流体貯留部Pには、ギヤ部3の一部(たとえば第4ギヤ321)が浸かる。流体貯留部Pに溜る流体Fは、ギヤ部3の動作によって掻きあげられて、ギヤハウジング402の内部に供給される。たとえば、流体Fは、差動装置32の第4ギヤ321が回転するときに、第4ギヤ321の歯面によって掻きあげられる。掻きあげられた流体Fの一部は、ギヤハウジング402内において、減速装置31及び差動装置32の各ギヤ及び各ベアリングに供給され、潤滑に利用される。また、掻きあげられた流体Fの他の一部は、受け皿部465に貯められてモータシャフト10の内部に供給され、モータ1のロータ21及びステータ22、ギヤハウジング402内の各ベアリングに供給されて、その冷却・潤滑に利用される。
【0058】
<1-4.流体循環部5>
次に、流体循環部5を説明する。流体循環部5は、配管部51と、ポンプ52と、熱交換器53と、流体リザーバ54と、を有する。
【0059】
配管部51は、ポンプ52と第1ハウジング筒部41の内部に配置された流体リザーバ54とを繋ぐ。ポンプ52は、流体貯留部Pに貯留される流体Fを吸い込み、流体リザーバ54に流体Fを供給する。ポンプ52は、本実施形態では電動ポンプである。
【0060】
熱交換器53は、配管部51においてポンプ52と流体リザーバ54との間に配置される。つまり、ポンプ52で吸引された流体Fは、配管部51を介して熱交換器53を通過した後、流体リザーバ54に送られる。熱交換器53には、配管部51とは別の流路から冷媒が供給される。熱交換器53では、モータ1を冷却するための流体Fが冷媒と熱交換可能である。駆動装置100は、熱交換器53を備える。両者の熱交換により、流体Fの温度を下げることができる。
【0061】
流体リザーバ54は、モータハウジング401の内部においてステータ22よりも鉛直上方に配置されたトレイである。流体リザーバ54の底部には、滴下孔(符号省略)が形成されており、滴下孔から流体Fを滴下することで、モータ1を冷却する。滴下孔は、例えば、ステータ22のコイル部222のコイルエンド2221の上部に形成され、コイル部222が流体Fによって冷却される。
【0062】
<1-5.導通ベアリング6>
次に、導通ベアリング6を説明する。導通ベアリング6は、モータシャフト10の+Y方向側の端部において、モータシャフト10の内部に配置される。モータ1は、導通ベアリング6を備える。なお、導通ベアリング6は、本発明の「第2ベアリング」の一例であり、本実施形態ではボールベアリングである。本実施形態では、導通ベアリング6は、ロータシャフト11の+Y方向側の端部の内側に嵌る。たとえば、導通ベアリング6の径方向外端部(たとえばボールベアリングの外輪63)は、モータシャフト10(特にロータシャフト11)の内周面に接する。なお、導通ベアリング6は、上述のような嵌合構造以外の手段(溶接、ろう付けなど)により、ロータシャフト11内に固定されてもよい。
【0063】
導通ベアリング6は、第1モータベアリング4211及び第2モータベアリング4331よりも電気抵抗が低い。導通ベアリング6は、たとえば流体Fよりも電気伝導性が高い潤滑材61によって潤滑される。本実施形態では、潤滑材61には、導電グリスが用いられる。導電グリスでは、銅紛、カーボン紛などの導電材料がグリスなどの潤滑油に添加される。導通ベアリング6は、潤滑材61によって、導通ベアリング6の内輪62及び外輪63を電気的に接続できる。従って、モータシャフト10のロータシャフト11は、モータハウジング401と電気的に接続される。
【0064】
<1-6.検出器7>
次に、検出器7を説明する。図1及び図3から図4に示すように、検出器7は、モータ蓋部43の+Y方向側に取り付けられる。検出器7は、モータシャフト10よりも径方向外方に配置されて、モータシャフト10の回転角度を検出する。モータ1は、検出器7を備える。検出器7は、本実施形態ではレゾルバロータ及びレゾルバステータを有するレゾルバである。検出器7は、ロータシャフト11に固定されるレゾルバロータ(図示省略)と、モータ蓋部43の板部431に固定されるレゾルバステータ(図示省略)と、を有する。レゾルバロータ及びレゾルバステータは環状である。レゾルバステータの内周面は、レゾルバロータの外周面と径方向に対向する。レゾルバステータは、ロータ21の回転時に定期的にレゾルバロータの回転角度位置を検出する。これにより、検出器7は、ロータ21の回転角度位置の情報を取得する。なお、本実施形態の例示に限定されず、検出器7は、レゾルバでなくてもよく、たとえばロータリーエンコーダなどであってもよい。
【0065】
<1-7.導電部材8>
次に、図1及び図3から図4を参照して、導電部材8を説明する。導電部材8は、導通ベアリング6をモータハウジング401と電気的に接続する。導電部材8は、モータハウジング401内に収容される。モータ1は、導電部材8を備える。導電部材8は、たとえばモータ蓋部43とカバー部材44との間に配置され、詳細には、収容空間4011内に収容される。
【0066】
導電部材8は、接触部81と、固定部82と、架橋部83と、を有する。接触部81は、導通ベアリング6の径方向内端部に接する。固定部82は、モータシャフト10よりも径方向外方において、モータハウジング401に固定される。架橋部83は、接触部81と固定部82とを接続する。こうすれば、モータシャフト10の内周面に接する導通ベアリング6が導電部材8によりモータハウジング401と電気的に接続される。そのため、導通ベアリング6及び導電部材8を介して、モータシャフト10内に生じる電位変動により発生する電流をモータハウジング401に放電できる。さらに、モータシャフト10を除電する導電部材8の固定部82がモータシャフト10よりも径方向外方においてモータハウジング401に固定される。従って、モータハウジング401に対して導電部材8をより容易に取り付けできる。
【0067】
なお、固定部82及び架橋部83は、本実施形態では単数であるが、この例示に限定されず、複数であってもよい。たとえば、固定部82及び架橋部83が周方向に配置され、各々の架橋部83の径方向内端部が1つの接触部に接続されてもよい。
【0068】
<1-7-1.接触部81>
接触部81は、架橋部83の径方向内端部の-Y方向側に配置され、導通ベアリング6と電気的に接続される。接触部81は、壁部811と、鉤部812と、を有する。壁部811は、架橋部83の径方向内端部から-Y方向に延びる。壁部811の径方向外端部は、導通ベアリング6の内輪62に接する。壁部811には、第1凹部8111が配置される。第1凹部8111は、壁部811の径方向外側面から径方向内方に凹む。言い換えると、接触部81は、径方向内方に凹む第1凹部8111をさらに有する。導通ベアリング6の径方向内端部は、第1凹部8111に嵌る。こうすれば、導通ベアリング6に対して、接触部81がY軸方向に移動し難くなる。従って、導通ベアリング6に対する接触部81の接触を安定的に維持できる。また、第1凹部8111の内側面は、導通ベアリング6のY軸方向における端面の一部とも接触できる。従って、導通ベアリング6に対する接触部81の接触面積をより広くできる。従って、両者間の電気伝導性を向上できる。
【0069】
たとえば図4に示すように、鉤部812は、壁部811の-Y方向側の端部から延び、-Y方向に突出するように曲がる。鉤部812の先端8121は、導通ベアリング6の径方向内端部(たとえば内輪62)と接触する。
【0070】
好ましくは、接触部81の少なくとも一部は、導通ベアリング6の径方向内側面に沿って周方向に延びる。たとえば、壁部811と鉤部812の先端8121との少なくともどちらかは、導通ベアリング6の内輪62に沿って周方向に延びる。こうすれば、上述の部分は、導通ベアリング6(特にその内輪62)の径方向内側面と面で接触して、導通ベアリング6との接触面積をさらに広くできる。従って、導通ベアリング6と導電部材8との電気伝導性をさらに向上できる。但し、この例示は、接触部81の少なくとも一部が導通ベアリング6の径方向内側面に沿って周方向に延びない構成を排除しない。たとえば、壁部811と鉤部812の先端8121との少なくともどちらかは、導通ベアリング6の内輪62と点又は線で接触してもよい。
【0071】
接触部81が導通ベアリング6と接する部分の一部は、回転軸J1を挟んで、上述の部分の他の一部に対して回転軸J1と垂直な方向に対向する。たとえば図4において、図面と垂直な方向を「第1方向D1」とし、図面の上下方向を「第2方向D2」とする。また、図面の下側から上側に向かう方向を第2方向の一方の向きとして「+D2方向」とする。図面の上側から下側に向かう方向を第2方向の他方の向きとして「-D2方向」とする。図4に示すように、第1方向D1から見て、接触部81が導通ベアリング6と接する部分の一部は、第2方向D2において回転軸J1よりも一方に配置される。なお、第1方向D1は、Y軸方向と垂直な方向である。第2方向D2は、Y軸方向及び第1方向D1と垂直な方向である。さらに、第1方向D1から見て、接触部81が導通ベアリング6と接する部分の他の一部は、第2方向D2において回転軸J1よりも他方に配置される。詳細には、X軸方向から見て、壁部811の少なくとも一部は、回転軸J1よりも+D2方向に配置され、鉤部812の先端8121に対して回転軸J1と垂直な方向に対向する。X軸方向から見て、鉤部812の先端8121は、回転軸J1よりも-D2方向に配置される。接触部81が導通ベアリング6と接する部分を上述のように配置することで、接触部81は、導通ベアリング6の径方向内端部に対してより安定的に接触できる。たとえば、周方向において回転対称な位置で両者が接触することにより、径方向における導通ベアリング6に対する接触部81のガタツキを防止できる。
【0072】
本実施形態では、接触部81は、架橋部83と一体である。但し、本実施形態の例示に限定されず、接触部81は、架橋部83と別体であってもよい。たとえば、接触部81及び架橋部83のうちの一方に配置される凹部とその他方に配置される凸部との嵌合構造により、接触部81は、架橋部83の径方向内端部に接続されてもよい(たとえば後述する変形例に係る図5及び図6参照)。こうすれば、両者が一体である構成と比べて、導電部材8をより容易に製造できる。
【0073】
<1-7-2.固定部82>
固定部82は、本実施形態では、モータ蓋部43に固定される。なお、本実施形態の例示に限定されず、固定部82は、カバー部材44に固定されてもよい。この場合、第1接触面4341及び第2接触面4342は、カバー部材44に配置される。
【0074】
好ましくは、固定部82の周方向端面には、第1接触面4341が接する。モータハウジング401は、第1接触面4341を有する。第1接触面4341は、固定部82の周方向端面に沿って延び、少なくともY軸方向に広がる。なお、本実施形態では、第1接触面4341は、固定部82の周方向の片側のみに配置され、固定部82の周方向における片側の端面のみに接する。但し、この例示に限定されず、第1接触面4341は、固定部82の周方向両側に配置され、固定部82の周方向一方端面及び周方向他方端面の両方と接してもよい。第1接触面4341の接触により、固定部82をモータハウジング401に取り付ける際、第1接触面4341により、固定部82の周方向位置を容易に決定できる。さらに、第1接触面4341により、固定部82の周方向における移動を防止できる。但し、上述の例示は、固定部82の周方向端面に第1接触面4341が接しない構成を排除しない。この構成において、第1接触面4341は、モータハウジング401に配置されていなくてもよい。
【0075】
また、好ましくは、固定部82の径方向内端面には、第2接触面4342が接する。モータハウジング401は、第2接触面4342を有する。第2接触面4342は、固定部82の径方向内端面に沿って延び、少なくともY軸方向に広がる。第2接触面4342の接触により、固定部82をモータハウジング401に取り付ける際、第2接触面4342により、固定部82の径方向位置を容易に決定できる。さらに、第2接触面4342により、固定部82の径方向内方への移動を防止できる。但し、上述の例示は、固定部82の径方向内端面に第2接触面4342が接しない構成を排除しない。この構成において、第2接触面4342は、モータハウジング401に配置されていなくてもよい。
【0076】
このほか、モータハウジング401は、固定部82の径方向外端面に沿って延びて固定部82の径方向外端面に接する第3接触面(図示省略)を有してもよい。
【0077】
好ましくは、固定部82は、モータシャフト10の+Y方向側の端部よりも-Y方向に配置される。こうすれば、導電部材8をより-Y方向に配置できるので、モータ1のY軸方向におけるサイズの増大をより効果的に抑制又は防止できる。
【0078】
また、好ましくは、固定部82は、ステータ22のバスバー223から離れた位置に配置される。こうすれば、固定部82を取り付ける際、バスバー223が邪魔になり難い。従って、固定部82の取付作業性を向上できる。
【0079】
<1-7-3.架橋部83>
架橋部83は、Y軸方向と交差する方向に広がる板状である。好ましくは、架橋部83のY軸方向における幅Wyは、架橋部83の周方向幅よりも狭い。なお、幅Wyは、本発明の「軸方向幅」の一例である。こうすれば、架橋部83をより薄くできるので、導電部材8の配置に起因するモータ1のY軸方向におけるサイズの増大を抑制又は防止できる。但し、この例示は、架橋部83のY軸方向における幅Wyが架橋部83の周方向幅以上である構成を排除しない。
【0080】
また、好ましくは、架橋部83は、Y軸方向に可撓性を有する。こうすれば、モータシャフト10のY軸方向における振動を架橋部83で緩和できる。これにより、導電部材8は、導通ベアリング6と接触部81との接続を安定的に維持できる。但し、この例示は、架橋部83の剛性が高く且つその可撓性が低い構成を排除しない。
【0081】
本実施形態では、架橋部83の径方向外端部における第1周方向幅Wr1は、架橋部83の径方向内端部における第2周方向幅Wr2よりも広い。なお、架橋部83の周方向幅は、径方向において不連続に変化してもよいし、径方向において連続的に変化してもよい。たとえば、後者において、架橋部83の周方向幅は、径方向外方に向かうにつれて徐々に広くなってもよい。こうすれば、架橋部83の径方向における固定部82側の周方向幅Wr1をより広くできる。従って、固定部82及び架橋部83間の接続強度を向上できる。さらに、架橋部83から固定部82に伝達される振動をより少なくできる。但し、この例示は、Wr1≦Wr2となる構成を排除しない。
【0082】
架橋部83は、支持部831と、延伸部832と、を有する。支持部831は、固定部82の径方向内端部から+Y方向に延びる。延伸部832は、少なくとも径方向に延び、本実施形態ではY軸方向と交差する方向に広がる板状である。延伸部832の径方向内端部は、接触部81に接続される。
【0083】
また、架橋部83は、Y軸方向に屈曲する屈曲部833をさらに有する。本実施形態では、屈曲部833は、周方向から見てジグザグ(zigzag)な形状であり、少なくとも1つの山折り部分と少なくとも1つの谷折り部分とを含む。ここで、山折り部分とは、Y軸方向及び径方向の両方と斜めに交差する2つの平面の+Y方向側の端部同士が直に接続された部分であり、周方向から見て+Y方向に突出するV字形状である。谷折り部分とは、Y軸方向及び径方向の両方と斜めに交差する2つの平面の-Y方向側の端部同士が直に接続された部分であり、周方向から見て-Y方向に突出するV字形状である。但し、この例示に限定されず、山折り部分及び谷折り部分の少なくともどちらかは、Y軸方向と斜めに交差する2つの平面のY軸方向における片側の端部同士が曲面を介して接続された部分であってもよく、たとえば周方向から見てU字形状であってもよい。屈曲部833は、支持部831及び延伸部832間に配置される。屈曲部833の径方向外端部は、支持部831の+Y方向側の端部に接続される。屈曲部833の径方向内端部は、延伸部832の径方向外端部に接続される。屈曲部833は、特にY軸方向に対して大きな弾性を有する。屈曲部833の配置により、架橋部83は、屈曲部833において他の部分よりも大きくY軸方向に撓むことができる。従って、モータシャフト10のY軸方向における振動をより大きく緩和できる。よって、導電部材8は、導通ベアリング6と接触部81との接続をより安定的に維持できる。
【0084】
屈曲部833は、ロータシャフト11よりも径方向外方に配置され、好ましくは第2モータベアリングホルダ433よりも径方向外方に配置される。こうすれば、ロータシャフト11又は第2モータベアリングホルダ433よりも+Y方向側に、Y軸方向におけるサイズが延伸部832よりも大きい屈曲部833を配置するスペースを確保しなくてもよい。従って、屈曲部833をコンパクトに配置できるので、モータ1の大型化を抑制又は防止できる。
【0085】
<1-8.実施形態の変形例>
次に、図5及び図6を参照して、実施形態の変形例を説明する。図5は、変形例に係る駆動装置100の+Y方向側の外観図である。図6は、変形例に係る駆動装置100の要部の概念的な断面図である。なお、図5及び図6は、あくまで概念図であり、各部の配置及び寸法は、実際の駆動装置100と厳密に同じであるとは限らない。図6は、たとえば、図1の破線で囲まれた部分IVに対応する。また、以下では、変形例のうちの上述の実施形態と異なる構成を説明する。また、上述の実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
【0086】
変形例では、導電部材8aの接触部81aは、架橋部83aとは別部材である。こうすれば、両者が一体である構成と比べて、導電部材8aをより容易に製造できる。但し、この例示は、接触部81aが架橋部83aとは一体である構成を排除しない。
【0087】
また、変形例では、接触部81aは、柱部813aと、凸部814aと、を有する。柱部813aは、中実(solid)な部材であり、回転軸J1に沿って延びる。凸部814aは、柱部813aの+Y方向側の端部から+Y方向に突出する。柱部813aの径方向外側面は、回転軸J1を中心とする周方向に全域に渡って、導通ベアリング6(特に内輪62)の径方向内側面に接する。但し、この例示に限定されず、柱部813aは、回転軸J1に沿って延びる円筒形状であってもよい。また、上述の例示は、回転軸J1を中心とする周方向の一部領域において柱部813aの径方向外側面が導通ベアリング6(特に内輪62)の径方向内側面と接しない構成を排除しない。
【0088】
また、導電部材8aの固定部82a及び架橋部83aはそれぞれ、複数であって、周方向に並ぶ。固定部82a及び架橋部83aは、図5及び図6では2個であるが、この例示に限定されず、単数又は3以上の複数であってもよい。
【0089】
また、架橋部83aは、支持部831a、延伸部832a、及び屈曲部833aのほか、取付部834aをさらに有する。取付部834aは、回転軸J1と交差する方向に広がる板状であり、各々の架橋部83aの径方向内端部と接続される。たとえば、取付部834aの径方向外端部は、各々の延伸部832aの径方向内端部と接続される。
【0090】
取付部834aには、接触部81aが接続される。たとえば、架橋部83aは、第2凹部835aを有する。第2凹部835aは、架橋部83aの径方向内端部に配置され、図5及び図6では取付部834に配置される。第2凹部835aは、取付部834の-Y方向側の端面に配置され、+Y方向に凹む。但し、図5及び図6の例示に限定されず、第2凹部835aは、取付部834をY軸方向に貫通する貫通孔であってもよい。第2凹部835aには、接触部81aの凸部814aが嵌る。この嵌合構造により、接触部81aは、架橋部83aに接続される。
【0091】
なお、図5及び図6の例示に限定されず、架橋部83aには凸部814aが配置されてもよく、接触部81aには凸部814aが嵌る第2凹部835aが配置されてもよい。つまり、接触部81a及び架橋部83aのうちの一方は、第2凹部835aを有すればよい。接触部81a及び架橋部83aのうちの他方は、凸部814aを有すればよい。第2凹部835aは、Y軸方向において上述の他方から上述の一方に向かって凹む。凸部814aは、Y軸方向において上述の他方から上述の一方に向かって突出し、架橋部83aの径方向内端部において第2凹部835aに嵌る。こうすれば、第2凹部835a及び凸部814aの嵌合により、簡易な構成で接触部81aを架橋部83aの径方向内端部に接続できる。
【0092】
<2.その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾が生じない範囲で適宜且つ任意に組み合わせることができる。
【0093】
また、本実施形態及び変形例では、本発明は、車載用の駆動装置100に適用されている。但し、この例示に限定されず、本発明は、車載以外の用途で用いられる駆動装置などにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、たとえば、モータシャフトに電位変動の発生の虞がある装置に有用である。
【符号の説明】
【0095】
100・・・駆動装置、200・・・バッテリ、300・・・車両、1・・・モータ、10・・・モータシャフト、11・・・ロータシャフト、111・・・シャフト貫通孔、12・・・ギヤシャフト、13・・・シャフト壁部、21・・・ロータ、211・・・ロータコア、2111・・・ロータ貫通孔、212・・・マグネット、22・・・ステータ、221・・・ステータコア、222・・・コイル部、2221・・・コイルエンド、223・・・バスバー、3・・・ギヤ部、31・・・減速装置、311・・・第1ギヤ、312・・・第2ギヤ、313・・・第3ギヤ、314・・・中間シャフト、32・・・差動装置、321・・・第4ギヤ、4・・・ハウジング、401・・・モータハウジング、4011・・・収容空間、402・・・ギヤハウジング、41・・・第1ハウジング筒部、42・・・側板部、4201・・・側板貫通孔、4202・・・第1駆動シャフト貫通孔、421・・・第1モータベアリングホルダ、4211・・・第1モータベアリング、422・・・第1ギヤベアリングホルダ、4221・・・第2ギヤベアリング、423・・・第1中間ベアリングホルダ、4231・・・第1中間ベアリング、424・・・第1駆動ベアリングホルダ、4241・・・第1駆動ベアリング、43・・・モータ蓋部、431・・・板部、432・・・壁部、433・・・第2モータベアリングホルダ、4331・・・第2モータベアリング、4332・・・開口部、4341・・・第1接触面、4342・・・第2接触面、44・・・カバー部材、45・・・第2ハウジング筒部、46・・・ギヤ蓋部、460・・・第2駆動シャフト貫通孔、461・・・第2ギヤベアリングホルダ、4611・・・第2ギヤベアリング、462・・・第2中間ベアリングホルダ、4621・・・第2中間ベアリング、463・・・第2駆動ベアリングホルダ、4631・・・第2駆動ベアリング、464・・・流路、465・・・受け皿部、5・・・流体循環部、51・・・配管部、52・・・ポンプ、53・・・熱交換器、54・・・流体リザーバ、6・・・導通ベアリング、61・・・潤滑材、61・・・内輪、63・・・外輪、7・・・検出器、8,8a・・・導電部材、81、81a・・・接触部、811・・・壁部、8111・・・第1凹部、812・・・鉤部、8121・・・先端部、813a・・・柱部、814a・・・凸部、82,82a・・・固定部、83,83a・・・架橋部、831,831a・・・支持部、832,832a・・・延伸部、833,833a・・・屈曲部、834a・・・取付部、835a・・・第2凹部、F・・・流体、P・・・流体貯留部、Ds・・・駆動シャフト、Ds1・・・第1駆動シャフト、Ds2・・・第2駆動シャフト、J1・・・回転軸、J2・・・中間軸、J3・・・差動軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6