(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048368
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】LED照明装置及びLED照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20230331BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20230331BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230331BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20230331BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230331BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230331BHJP
【FI】
F21V19/00 510
F21S8/04 110
F21V23/00 170
F21V23/00 120
F21V17/00 150
F21S2/00 230
F21Y115:10 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157640
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】三枝 浩和
(72)【発明者】
【氏名】中村 恭平
(72)【発明者】
【氏名】高島 淳
(72)【発明者】
【氏名】丸山 和則
【テーマコード(参考)】
3K011
3K013
3K014
【Fターム(参考)】
3K011AA03
3K011EF06
3K011FA07
3K011GA02
3K013AA01
3K013BA01
3K013EA09
3K013EA10
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】フレームの強度を確保しつつ、フレームの凹部のスペースを確保することができるLED照明装置等を提供する。
【解決手段】LED20が配置された基板10と、基板10が取り付けられたフレーム40と、基板10を覆うようにフレーム40に取り付けられたカバー部材30と、を備え、フレーム40は、基板10が取り付けられる長尺状の主板部41と、主板部41の短手方向の両端部の各々からLED20側とは反対側に突出する一対の側板部42とを有し、一対の側板部42のうちの一方の側板部42の少なくとも一部の突出量は、一対の側板部42のうちの他方の側板部の突出量よりも小さい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDが配置された基板と、
前記基板が取り付けられたフレームと、
前記基板を覆うように前記フレームに取り付けられたカバー部材と、を備え、
前記フレームは、前記基板が取り付けられる長尺状の主板部と、前記主板部の短手方向の両端部の各々から前記LED側とは反対側に突出する一対の側板部とを有し、
前記一対の側板部のうちの一方の側板部の少なくとも一部の突出量は、前記一対の側板部のうちの他方の側板部の突出量よりも小さい、
LED照明装置。
【請求項2】
前記カバー部材は、カバー本体部と、前記カバー本体部から前記フレーム側に向かって延在し且つ前記フレームに取り付けられる一対の取付部とを有し、
前記一対の取付部の各々は、前記一対の側板部の各々の外側に位置している、
請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項3】
前記一対の取付部のうち少なくとも一方の取付部は、前記一方の側板部の先端部が嵌め込まれる凹部を有し、
前記凹部は、前記一方の取付部の先端部に設けられている、
請求項2に記載のLED照明装置。
【請求項4】
前記一対の取付部のうち少なくとも一方の取付部は、前記一方の側板部の先端部が嵌め込まれる凹部を有し、
前記凹部は、前記一方の取付部における延在方向の途中に設けられている、
請求項2に記載のLED照明装置。
【請求項5】
前記フレームの長手方向の全長にわたって、前記一方の側板部の突出量は、前記他方の側板部の突出量よりも小さい、
請求項1~4のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項6】
前記一方の側板部は、前記フレームの長手方向において、部分的に突出量が小さくなるように第1切り欠き部を有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項7】
前記第1切り欠き部は、端子台に接続された電源線が通る位置に対応して形成されている、
請求項6に記載のLED照明装置。
【請求項8】
前記他方の側板部は、前記フレームの長手方向において、部分的に突出量が小さくなるように第2切り欠き部を有する、
請求項6又は7に記載のLED照明装置。
【請求項9】
前記第1切り欠き部及び前記第2切り欠き部は、隣り合う2つのLED照明装置のうち一のLED照明装置から他のLED照明装置に交流電力を供給するための電源線が通る位置に対応して形成されている、
請求項8に記載のLED照明装置。
【請求項10】
前記一対の側板部は、前記主板部から遠ざかるにつれて互いに近づく方向に傾斜している、
請求項1~9のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のLED照明装置と、
前記LED照明装置を保持する器具本体と、を備える、
LED照明器具。
【請求項12】
前記LED照明装置は、前記他方の側板部側が回転軸側となるように回転することで前記器具本体に取り付けられる、
請求項11に記載のLED照明器具。
【請求項13】
前記LEDに電力を供給する電源装置を備え、
前記電源装置は、前記主板部の前記基板側とは反対側に配置されている、
請求項11又は12に記載のLED照明器具。
【請求項14】
前記電源装置は、前記他方の側板部側に寄せて配置されている、
請求項13に記載のLED照明器具。
【請求項15】
前記LED照明装置は、着脱自在に前記器具本体に取り付けられている、
請求項11~14のいずれか1項に記載のLED照明器具。
【請求項16】
前記LED照明装置は、前記器具本体に引っ掛けられる引っ掛け金具を有し、
前記引っ掛け金具は、前記フレームにおける前記他方の側板部側の部分に設けられている、
請求項15に記載のLED照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明装置及びLED照明装置を備えるLED照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)を用いたLED照明器具が知られている。例えば、天井に設置されるLED照明器具として、ライトバーと呼ばれる長尺状のLED照明装置と、LED照明装置が着脱可能に取り付けられる凹部を有する長尺状の器具本体とを備える照明器具が知られている(特許文献1)。
【0003】
この種のLED照明装置は、長尺状の基板と、基板に実装された複数のLEDと、複数のLEDを覆う長尺状で透光性を有するカバー部材と、基板を支持するとともにカバー部材が取り付けられる長尺状のフレームとを備える。
【0004】
フレームは、例えば、基板が取り付けられる主板部と、主板部の短手方向(幅方向)の両端部から折り曲げられた一対の側板部とを有する。つまり、フレームは、主板部と一対の側板部とで囲まれる凹部を有する。このフレームの凹部には、電源線等の導電線が配置されるだけではなく、電源装置、引っ掛け金具等の取付部材、及び、センサユニット等の機能拡張モジュール等が収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、フレームの凹部のスペース(空間)は狭いので、導電線、電源装置、取付部材及び機能拡張モジュール等の部品をフレームの凹部に収納することが難しい場合がある。一方、フレームの凹部のスペースを広くしようとして一対の側板部の各々の幅(主板部からの突出量)を大きくすると、フレームの強度が低下するおそれがある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、フレームの強度を確保しつつ、フレームの凹部のスペースを確保することができるLED照明装置及びLED照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るLED照明装置の一態様は、LEDが配置された基板と、前記基板が取り付けられたフレームと、前記基板を覆うように前記フレームに取り付けられたカバー部材と、を備え、前記フレームは、前記基板が取り付けられる長尺状の主板部と、前記主板部の短手方向の両端部の各々から前記LED側とは反対側に突出する一対の側板部とを有し、前記一対の側板部のうちの一方の側板部の少なくとも一部の突出量は、前記一対の側板部のうちの他方の側板部の突出量よりも小さい。
【0009】
また、本発明に係るLED照明器具の一態様は、LED照明装置と、前記LED照明装置を保持する器具本体と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
フレームの強度を確保しつつ、フレームの凹部のスペースを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係るLED照明器具の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係るLED照明器具の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係るLED照明器具の断面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係るLED照明装置をカバー部材側から見たときの斜視図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係るLED照明装置を裏側から見たときの斜視図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係るLED照明装置の断面斜視図である。
【
図7】
図7は、実施の形態1に係るLED照明装置の分解斜視図である。
【
図8】
図8は、実施の形態1に係るLED照明器具において、LED照明装置を器具本体に取り付けるときの取付方法を説明するための図である。
【
図9】
図9は、比較例のLED照明器具において、LED照明装置を器具本体に取り付けるときの取付方法を説明するための図である。
【
図10】
図10は、実施の形態1の変形例1に係るLED照明装置の構成を示す図である。
【
図11】
図11は、実施の形態1の変形例2に係るLED照明装置の構成を示す図である。
【
図12】
図12は、実施の形態2に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置の断面図である。
【
図13】
図13は、実施の形態3に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置の断面図である。
【
図14】
図14は、実施の形態4に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置の断面図である。
【
図15】
図15は、実施の形態5に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置の断面図である。
【
図16】
図16は、実施の形態6に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置の断面図である。
【
図17】
図17は、実施の形態7に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置の断面図である。
【
図18】
図18は、実施の形態7の変形例に係るLED照明装置の断面図である。
【
図19】
図19は、実施の形態8に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置の断面図である。
【
図20】
図20は、実施の形態8の変形例に係るLED照明装置の断面図である。
【
図21】
図21は、実施の形態9に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置の断面図である。
【
図22】
図22は、実施の形態9の変形例に係るLED照明装置の断面図である。
【
図23】
図23は、変形例1に係るLED照明装置の断面図である。
【
図24】
図24は、変形例2に係るLED照明装置の断面図である。
【
図25】
図26は、変形例3に係るLED照明装置の断面図である。
【
図26】
図26は、変形例1~3に係るLED照明装置に用いられるフレームの構成を示す斜視図である。
【
図27】
図27は、変形例4に係るLED照明装置の断面図である。
【
図28】
図28は、変形例5に係るLED照明装置の断面図である。
【
図29】
図29は、変形例6に係るLED照明装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、各図において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、本実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。X軸及びY軸は、互いに直交し、かつ、いずれもZ軸に直交する軸である。なお、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
【0014】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係るLED照明器具1の構成について、
図1~
図3を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係るLED照明器具1の斜視図である。
図2は、同LED照明器具1の分解斜視図である。
図3は、同LED照明器具1の断面図である。なお、
図3は、LED照明器具1の短手方向と平行な平面で切断したときの断面を示している。
【0015】
本実施の形態に係るLED照明器具1は、
図1~
図3に示すように、器具本体2と、器具本体2に取り付けられるLED照明装置3とを備える。
【0016】
器具本体2は、LED照明装置3を保持している。器具本体2は、建物における所定の箇所に設置される。本実施の形態におけるLED照明器具1は、天井直付け型の照明器具である。したがって、器具本体2は、ボルト等を用いて室内の天井に取り付けられる。
【0017】
本実施の形態において、器具本体2は、板金製であり、金属板に曲げ加工等を施すことにより、Y軸方向に長尺且つ扁平な箱形状に形成されている。
図2に示すように、器具本体2には、矩形状の開口面を有する凹部2aが設けられている。凹部2aは、器具本体2の長手方向に沿って長尺状に設けられている。凹部2aは、LED照明装置3を収納するための収納部であり、器具本体2の略全長に亘って設けられている。また、
図2及び
図3に示すように、器具本体2の幅方向における凹部2aの両側には、凹部2aの開口端縁から延出し且つ外側に行くほど上側(天井側)に傾斜する傾斜面2bがそれぞれ設けられている。
【0018】
LED照明装置3は、LEDを光源として用いた光源ユニットである。LED照明装置3は、器具本体2の凹部2aに着脱自在に取り付けられている。例えば、LED照明装置3を器具本体2の凹部2aに取り付けたり、器具本体2の凹部2aに取り付けられたLED照明装置3を凹部2aから取り外したりすることができる。LED照明装置3と器具本体2とは、LED照明装置3に設けられた引っ掛け金具5及び弾性保持部材6(本実施の形態ではキックバネ)を器具本体2に引っ掛けて係止させることで固定することができる。
【0019】
図3に示すように、LED照明装置3は、器具本体2に収納された電源装置4から供給される電力によって発光する。電源装置4は、電気的な機能部品の一例であり、LED照明装置3に電力を供給する。電源装置4は、LED照明装置3の背面側に配置されている。具体的には、電源装置4は、器具本体2の凹部2aに配置される。本実施の形態において、電源装置4は、LED照明装置3の一部としてLED照明装置3に取り付けられており、LED照明装置3と一体になっている。なお、電源装置4は、LED照明装置3と一体ではなく、LED照明装置3と分離して器具本体2に配置されていてもよい。
【0020】
電源装置4は、LED照明装置3を発光させるための電力を生成する電源回路によって構成されている。例えば、電源装置4は、複数の電子部品が実装されたプリント回路基板と、プリント回路基板を収納する回路ケースとを有する。電源装置4は、例えば、商用電源等の外部電源からの交流電力を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換し、当該直流電力をLED照明装置3に供給する。
【0021】
電源装置4には、天井裏から器具本体2の貫通孔に挿通されて器具本体2の凹部2aに引き出された電源線が接続された電源端子台8(
図2参照)を介して交流電力が供給される。電源端子台8は、器具本体2の凹部2aに設置されている。
【0022】
次に、
図1~
図3を参照しつつ、
図4~
図7を用いて、LED照明装置3の詳細な構造について説明する。
図4は、実施の形態1に係るLED照明装置3をカバー部材30側から見たときの斜視図であり、
図5は、同LED照明装置3を裏側から見たときの斜視図である。
図6は、同LED照明装置3の断面斜視図である。
図7は、同LED照明装置3の分解斜視図である。
【0023】
図2、
図4及び
図5に示すように、LED照明装置3は、ライトバーと呼ばれる長尺状のライン光源である。LED照明装置3は、例えば白色光等の所定の色の光を発光する。
【0024】
図3、
図6及び
図7に示すように、LED照明装置3は、基板10と、基板10に配置されたLED20と、LED20を覆うカバー部材30と、基板10を支持するフレーム40と、エンドキャップ50とを備える。
【0025】
基板10は、LED20を実装するための実装基板である。本実施の形態において、基板10は、フレーム40の長手方向(Y軸方向)に長尺状をなす略矩形状に形成されている。基板10の厚みは、例えば1.0mmである。基板10は、フレーム40の長手方向の全長と略同等の長さでもよいし、フレーム40の長手方向に沿って複数枚並べられていてもよい。
図7に示すように、本実施の形態において、基板10は、フレーム40の長手方向に沿って2枚並べられている。
【0026】
図6及び
図7に示すように、基板10は、一方の面である第1面10aと、第1面10aに背向する他方の面である第2面10bとを有する。基板10の第1面10aは、LED20が実装される面であるオモテ面である。一方、基板10の第2面10bは、フレーム40に対面するウラ面である。本実施の形態において、基板10の第2面10bは、フレーム40に接触している。
【0027】
基板10は、例えば金属配線が所定のパターンで形成されたプリント配線基板(プリント基板)である。なお、基板10の表面には、配線を保護するとともに絶縁耐圧を確保するために、配線を覆うように絶縁性樹脂材料からなるレジストが形成されていてもよい。基板10は、LED20が実装される第1面10aのみに配線が形成された片面配線基板であってもよいし、第1面10a及び第2面10bの各々に配線が形成された両面配線基板であってもよい。
【0028】
基板10を構成する基材としては、絶縁性樹脂材料からなる樹脂基板、アルミナ等のセラミック材料の焼結体からなるセラミック基板、アルミニウムまたは銅等の金属材料からなる金属基材の表面に絶縁被膜を施すことで得られるメタルベース基板等が用いられる。
【0029】
基板10が樹脂基板によって構成されている場合、樹脂基板としては、例えば、ガラス繊維とエポキシ樹脂とからなるガラスエポキシ基板(CEM-3、FR-4等)、クラフト紙等とフェノール樹脂とによって構成された紙フェノール基材(FR-1、FR-2)、紙とエポキシ樹脂とによって構成された紙エポキシ基材(FR-3)、又は、ポリイミド等からなるポリイミド基板等を用いることができる。また、基板10が、リジッド基板であってもよいし、フィルム状のフレキシブル基板であってもよい。
【0030】
図6及び
図7に示すように、基板10の第1面10aには、複数のLED20が実装されている。本実施の形態において、複数のLED20は、基板10の長手方向(Y軸方向)に沿って直線状に一列に且つ所定の間隔をおいて実装されている。具体的には、複数のLED20は、カバー部材30及びフレーム40の長手方向の略全長にわたって実装されている。なお、複数のLED20は、基板10の長手方向に沿って、一列ではなく、複数列で実装されていてもよい。
【0031】
LED20は、発光素子の一例である。本実施の形態において、複数のLED20の各々は、個々にパッケージ化されたSMD構造のLED素子(LED光源)である。この場合、各LED20は、樹脂製又はセラミック製の白色の容器(パッケージ)と、容器内に配置されたLEDチップ(ベアチップ)と、LEDチップを封止する封止部材とを備える。本実施の形態において、LED20は、白色光を放出する白色LED素子である。この場合、例えば、LEDチップとしては、通電されると青色光を発する青色LEDチップが用いられ、容器に充填される封止部材としては、YAG等の黄色蛍光体が含有されたシリコーン樹脂(蛍光体含有樹脂)が用いられる。
【0032】
複数のLED20は、カバー部材30で覆われている。具体的には、全てのLED20がカバー部材30で覆われている。カバー部材30は、透光性を有する透光カバーの一例であり、LED20から出射する光を透過する。本実施の形態において、カバー部材30は、透光性を有するだけではなく、拡散性を有する拡散カバーである。したがって、カバー部材30に入射したLED20の光は、カバー部材30で拡散(散乱)しながらカバー部材30を透過する。
【0033】
図3及び
図6に示すように、カバー部材30は、基板10を覆っている。具体的には、カバー部材30は、複数のLED20を覆うように基板10の第1面10aと対向して配置されている。
【0034】
本実施の形態において、カバー部材30は、LED20が配置された基板10の全体を覆っている。
図5及び
図6に示すように、カバー部材30は、さらに、基板10が配置されたフレーム40の全体を覆っている。したがって、カバー部材30は、基板10及びフレーム40と同様に、Y軸方向に長尺状に形成されている。
【0035】
カバー部材30は、フレーム40に取り付けられる。また、カバー部材30とフレーム40とによって筒体が構成されており、基板10と基板10に実装された複数のLED20とは、この筒体内に収納されている。
【0036】
カバー部材30は、基板10及びLED20を覆うようにフレーム40に取り付けられている。
図3及び
図6に示すように、カバー部材30は、カバー本体部31と、カバー本体部31に接続された取付部32と、取付部32に接続された延設片33とを有する。
【0037】
図7に示すように、カバー本体部31は、Y軸方向に長尺状であり、樋状に形成されている。カバー本体部31は、例えば扁平状の略セミシリンドリカル形状である。したがって、カバー本体部31は、Y軸方向に延在する長尺矩形状の開口端面を有する。また、X軸方向に沿って切断したときのカバー本体部31の断面形状は、略円弧状に湾曲した湾曲形状を有する。
【0038】
図3及び
図6に示すように、カバー本体部31は、取付部32からカバー本体部31の幅方向の外方に突出する突出部31aを含む。突出部31aは、カバー本体部31の短手方向(幅方向)の両端部に形成されている。各突出部31aは、フレーム40側とは反対側に凹む凹部31a1を有する。なお、凹部31a1が形成されていると、この凹部31a1に虫の死骸や異物が溜まってしまい、カバー本体部31の短手方向の端部がきれいに光らなくなるおそれがある。そこで、各突出部31aには凹部31a1を形成しなくてもよい。この場合、例えば、突出部31aのXZ断面の形状をV字形状とし、突出部31aの天井側の部分が取付部32を介して延設片33と同一の平面をなすように形成されていてもよい。
【0039】
取付部32は、フレーム40に取り付けられる部分である。具体的には、取付部32は、フレーム40の側板部42に取り付けられる。また、取付部32は、カバー本体部31からフレーム40側に向かって延在する延在部である。
【0040】
取付部32は、カバー本体部31に一対設けられている。具体的には、取付部32は、カバー本体部31の短手方向(X軸方向)の両端部の各々からカバー本体部31に立設するように一対の脚部として形成されている。したがって、一対の取付部32は、カバー本体部31から天井側に向かって突出している。なお、
図7に示すように、一対の取付部32の各々は、Y軸方向に沿って長尺状に形成されている。一対の取付部32のY軸方向の長さは、互いに同じである。
【0041】
図3、
図6及び
図7に示すように、一対の取付部32のうちの一方の取付部32の少なくとも一部の突出量は、一対の取付部32のうちの他方の取付部32の突出量よりも小さい。具体的には、一対の取付部32は、X軸方向において対向して設けられた第1取付部321と第2取付部322とによって構成されており、第1取付部321の少なくとも一部の突出量が第2取付部322の突出量よりも小さくなっている。
【0042】
本実施の形態において、第1取付部321(一方の取付部32)の突出量と第2取付部322(他方の取付部32)の突出量とは、それぞれカバー部材30の長手方向の全長にわたって一定である。つまり、カバー部材30の長手方向の全長にわたって、第1取付部321の脚の長さ(Z軸方向の長さ)が第2取付部322の脚の長さ(Z軸方向の長さ)よりも短くなっている。
【0043】
図6及び
図7に示すように、一対の取付部32の各々は、フレーム40の側板部42の先端部が嵌め込まれる凹部32aを有する。本実施の形態において、凹部32aは、一対の取付部32の各々の先端部に設けられている。具体的には、凹部32aは、一対の取付部32の各々の先端部における幅方向(X軸方向)の内側に設けられている。
【0044】
この凹部32aにフレーム40の側板部42の先端部に設けられた折曲部42aが嵌め込まれることで、カバー部材30の一対の取付部32とフレーム40の一対の側板部42とが互いに係止して固定される。本実施の形態において、カバー部材30の一対の取付部32の各々は、フレーム40の一対の側板部42の各々の外側に位置している。したがって、カバー部材30の一対の取付部32は、フレーム40を抱え込むようにしてフレーム40に固定されて保持されている。
【0045】
図3及び
図6に示すように、延設片33は、フレーム40の主板部41に至るように延在する延在部である。具体的には、延設片33は、取付部32からカバー部材30の短手方向(X軸方向)に沿って延設されており、主板部41の段差部41aに当接している。したがって、延設片33は、取付部32よりも内側に位置している。具体的には、延設片33は、基板10の第1面10a及び第2面10bと平行な方向に延在している。一例として、延設片33は、厚みが一定の板状に形成された板片である。なお、延設片33には段差部が形成されているが、段差部は形成されていなくてもよい。
【0046】
延設片33は、フレーム40の主板部41を押さえ付けるストッパーとしての機能を有する。つまり、延設片33は、フレーム40がLED20の光出射側(床側)にずれないようにしている。本実施の形態において、延設片33は、主板部41の段差部41aを床側(LED20の光出射側)から天井側に向かって押さえ付けることでフレーム40が床側にずれないようにしている。
【0047】
また、延設片33は、カバー部材30のカバー本体部31とフレーム40の主板部41との間の空間に虫が侵入することを抑制する機能も有する。つまり、主板部41を押さえ付けるように延設片33を設けることで、カバー部材30の取付部32とフレーム40の側板部42との間に隙間から虫が侵入したときの経路に迷路構造を形成することができるので、虫が内部に侵入することを抑制できる。
【0048】
また、延設片33は、一対の取付部32の各々から立設している。つまり、カバー部材30は、一対の延設片33を有する。本実施の形態において、一対の延設片33のX軸方向の長さは、同じである。なお、
図7に示すように、一対の延設片33の各々は、Y軸方向に沿って長尺状に形成されている。一対の延設片33のY軸方向の長さも互いに同じである。一例として、一対の延設片33は、同じ形状及び同じ形状であるが、これに限らない。また、一対の延設片33は、Z軸方向の同じ高さ位置に設けられている。
【0049】
カバー部材30は、アクリルやポリカーボネート等の透光性樹脂材料又はガラス材料等の透光性を有する材料で構成されている。本実施の形態において、カバー部材30は、透光性樹脂材料によって構成されている。この場合、カバー部材30は、光拡散材が内部に分散された乳白色のカバー部材とすることができる。このようなカバー部材30は、光拡散材を混合した透光性樹脂材料を所定形状に樹脂成型することによって作製することができる。光拡散材としては、シリカ粒子等の光反射性微粒子を用いることができる。
【0050】
なお、カバー部材30としては、内部に光拡散材を分散させるのではなく、透明カバーの表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成することによって構成されていてもよい。また、カバー部材30は、光拡散材を用いるのではなく、拡散加工を施すことによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。例えば、カバー部材30は、シボ加工等の表面処理を施すことによって透明カバーの表面に微小凹凸を形成したり、透明カバーの表面にドットパターンを印刷したりすることによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。なお、カバー部材30は、拡散加工する場合であっても、光拡散性を高めるために、さらに光拡散材を含有させてもよい。
【0051】
本実施の形態において、カバー部材30を構成するカバー本体部31、取付部32及び延設片33は、一体に形成されている。したがって、カバー本体部31、取付部32及び延設片33は、同じ材料によって構成されている。
【0052】
フレーム40は、基板10を支持する長尺状の支持部材(ベース部材)である。フレーム40には、基板10が取り付けられる。具体的には、フレーム40に基板10を載置して基板10をフレーム40に固定することで、基板10はフレーム40に支持される。本実施の形態において、フレーム40は、基板10だけではなく、カバー部材30も支持している。具体的には、カバー部材30は、フレーム40に固定されている。
【0053】
一例として、フレーム40は、板金製のフレームである。フレーム40は、例えばSPCC(Steel Plate Cold Commercial;冷間圧延鋼板)製の板金(金属板)にロール成形加工又はプレス加工等を施すことにより所定の形状に形成されている。本実施の形態において、フレーム40は、X軸方向に沿って切断したときの断面(XZ断面)の形状が略U字形状となるように形成されている。また、フレーム40は、基板10及び器具本体2と同様に、Y軸方向に長尺状に形成されている。フレーム40を構成する金属板の厚みは、例えば、0.2mm~2mmであり、本実施の形態では0.5mmである。
【0054】
図3~
図7に示すように、フレーム40は、板状の主板部41と、板状の一対の側板部42とを有する。
図7に示すように、主板部41及び一対の側板部42は、長尺状であり、Y軸方向に延在している。
【0055】
主板部41は、フレーム40の本体部である。主板部41には、幅方向(X軸方向)に一対をなす段差部41aが長手方向に沿って形成されている。段差部41aは、平坦部である。また、一対の段差部41aを形成することで、主板部41には凹部41bが形成されている。一対の段差部41a及び凹部41bは、主板部41の長手方向の全長にわたって形成されている。
【0056】
図3及び
図6に示すように、主板部41には、基板10が取り付けられる。具体的には、主板部41の凹部41bに基板10が載置される。つまり、主板部41は、基板10を支持している。本実施の形態において、基板10と主板部41とは接している。
【0057】
なお、
図7に示すように、主板部41には、板金製のフレーム40の一部を切り起こすことによって形成された爪部43が形成されており、主板部41に載置された基板10は、この爪部43に係止されることで主板部41に固定される。また、主板部41には、基板10の配線と電源装置4とを電気的に接続するための導電線が挿通される貫通孔が設けられている。
【0058】
一対の側板部42は、フレーム40の側面部を構成している。一対の側板部42は、主板部41の短手方向(X軸方向)の両端部の各々からLED20側とは反対側(天井側)に突出している。つまり、一対の側板部42は、主板部41に立設するように一対の脚部として形成されている。例えば、一対の側板部42と主板部41とは、板金を略90度に折り曲げることで形成することができる。なお、
図7に示すように、一対の側板部42の各々は、Y軸方向に沿って長尺状に形成されている。一対の側板部42のY軸方向の長さは、互いに同じである。
【0059】
図3、
図6及び
図7に示すように、一対の側板部42のうちの一方の側板部42の少なくとも一部の突出量は、一対の側板部42のうちの他方の側板部42の突出量よりも小さい。具体的には、一対の側板部42は、X軸方向において対向して設けられた第1側板部421と第2側板部422とによって構成されており、第1側板部421の少なくとも一部の突出量が第2側板部422の突出量よりも小さくなっている。つまり、フレーム40の脚部を構成する一対の側板部42の片足が短くなっている。
【0060】
本実施の形態において、第1側板部421(一方の側板部42)の突出量と第2側板部422(他方の側板部42)の突出量とは、それぞれフレーム40の長手方向の全長にわたって一定である。したがって、突出量が小さい部分を有する第1側板部421の脚の長さ(Z軸方向の長さ)は、フレーム40の長手方向の全長にわたって、第2側板部422の脚の長さ(Z軸方向の長さ)よりも短くなっている。
【0061】
一対の側板部42には、カバー部材30が取り付けられる。具体的には、一対の側板部42の各々には、カバー部材30の取付部32が取り付けられる。この場合、突出量が小さい第1側板部421が、突出量が小さい第1取付部321に取り付けられ、突出量が大きい第2側板部422が、突出量が大きい第2取付部322に取り付けられる。
【0062】
図6及び
図7に示すように、各側板部42の先端部には、先端部を外側にカールさせて巻き上げた折曲部42aが設けられており、カバー部材30の取付部32に設けられた凹部32aに側板部42の折曲部42aをスナップインにより係止させて嵌め合わせることで、カバー部材30をフレーム40に固定することができる。
【0063】
このように構成されるフレーム40は、主板部41と一対の側板部42とで囲まれる凹部44を有する。このフレーム40の凹部44には、電源装置4、引っ掛け金具5及び導電線等の部品が収納される。つまり、電源装置4、引っ掛け金具5及び導電線等の部品は、フレーム40の凹部44に収納されるとともに、器具本体2の凹部2aに収納されている。また、フレーム40の凹部44には、機能拡張モジュールが収納されてもよい。機能拡張モジュールは、例えば、人感センサや明るさセンサの各種センサ、無線調光信号を受信する無線受信部や赤外線リモコン信号を受信する赤外線受信部等の受信部(受光部)、又は、表示モニタ等の機能部品である。
【0064】
図3に示すように、フレーム40の凹部44に収納された電源装置4は、フレーム40の主板部41の基板10側とは反対側に配置されている。本実施の形態において、電源装置4は、第2側板部422側に寄せて配置されている。つまり、電源装置4は、第1側板部421及び第2側板部422のうち突出量が大きい第2側板部422に片寄せて配置されている。
【0065】
カバー部材30とフレーム40とが固定されることで長尺状の筒体が構成される。カバー部材30とフレーム40とで構成される筒体の長手方向の両端部の各々にエンドキャップ50が取り付けられている。
【0066】
本実施の形態において、エンドキャップ50は、カバー部材30とフレーム40とで構成される筒体の開口端部を封鎖するように設けられている。つまり、エンドキャップ50は、カバー部材30とフレーム40とで構成される筒体の開口端部に蓋をするように筒体に取り付けられており、筒体の開口端部を閉塞している。これにより、カバー部材30とフレーム40とで構成される筒体の内部に埃や虫等が入ることを抑制することができる。なお、エンドキャップ50は、カバー部材30とフレーム40とで構成される筒体の開口端部を完全に閉塞せずに、エンドキャップ50とフレーム40との間に多少の隙間が空いていてもよい。
【0067】
エンドキャップ50は、カバー部材30の長手方向の両端部の各々に設けられている。つまり、エンドキャップ50は、カバー部材30の端部に設けられたカバーエンドである。エンドキャップ50は、カバー部材30の長手方向の端部に直接又は間接的に接続されている。例えば、エンドキャップ50とカバー部材30とは、接着剤により固着されている。
【0068】
エンドキャップ50は、樹脂材料によって構成されている。また、エンドキャップ50は、透光性を有していてもよいし、透光性を有していなくてもよい。透光性を有するエンドキャップ50は、例えば、ポリカーボネート又はアクリル等の透明樹脂材料によって構成されている。また、エンドキャップ50は、透光性及び拡散性を有していてもよい。この場合、エンドキャップ50は、カバー部材30と同じ材料によって構成されていてもよいし、カバー部材30と異なる材料によって構成されていてもよい。
【0069】
このように構成されるLED照明装置3は、器具本体2の凹部2aに収納されて器具本体2に取り付けられる。具体的には、LED照明装置3は、
図4及び
図5に示される引っ掛け金具5及び弾性保持部材6を用いて器具本体2に取り付けられる。引っ掛け金具5及び弾性保持部材6は、フレーム40に固定されている。
【0070】
引っ掛け金具5は、板金製の板部材である。引っ掛け金具5は、フレーム40の短手方向の一方の端部に固定されている。本実施の形態において、引っ掛け金具5は、フレーム40における第2側板部422側の部分に設けられている。一例として、引っ掛け金具5は、ネジ等の固定部材によって主板部41に固定されており、フレーム40の第2側板部422から外側にはみ出すように延在している。引っ掛け金具5は、器具本体2に引っ掛けられる。本実施の形態では、器具本体2の凹部2aの内壁面にスリット2cが設けられており、引っ掛け金具5は、このスリット2cに引っ掛けられる。
【0071】
弾性保持部材6は、例えばキックバネ等のスプリングである。弾性保持部材6は、フレーム40の短手方向の他方の端部に固定されている。つまり、弾性保持部材6は、フレーム40の幅方向において、引っ掛け金具5とは反対側に固定されている。本実施の形態において、弾性保持部材6は、フレーム40における第1側板部421側の部分に設けられている。一例として、弾性保持部材6は、フレーム40に固定された固定金具等によってフレーム40に固定されている。弾性保持部材6は、器具本体2に着脱可能に取り付けられる。具体的には、弾性保持部材6は、器具本体2に固定された受け金具7に着脱可能に係止されている。
【0072】
なお、引っ掛け金具5及び弾性保持部材6は、2つずつ設けられているが、これに限らない。また、引っ掛け金具5及び弾性保持部材6は、フレーム40の短手方向に対向する位置に設けられているが、これに限らない。
【0073】
ここで、LED照明装置3を器具本体2に取り付けるときの取付方法について、
図8を用いて説明する。
図8は、実施の形態1に係るLED照明器具1において、LED照明装置3を器具本体2に取り付けるときの取付方法を説明するための図である。
【0074】
天井100に設置された器具本体2にLED照明装置3を取り付ける場合、まず、
図8の(a)に示すように、器具本体2に設けられたスリット2c(
図2参照)に引っ掛け金具5を引っ掛けることでLED照明装置3を片持ち状態で吊り下げるとともに、キックバネである弾性保持部材6の一方の端部を器具本体2に固定された受け金具7に係止させる。
【0075】
次に、
図8の(b)に示すように、引っ掛け金具5をスリット2cの奥に押し込みながら引っ掛け金具5を支点としてLED照明装置3を回転させることでLED照明装置3を器具本体2の凹部2a内に押し上げていく。このとき、本実施の形態では、引っ掛け金具5がフレーム40の第2側板部422側(突出量の大きい方の側板部42側)に配置されているので、LED照明装置3は、フレーム40の短手方向(X軸方向)において第2側板部422側が回転軸側となる。なお、LED照明装置3を回転させるときに回転軸は、LED照明装置3の長手方向(Y軸方向)と平行である。
【0076】
そして、LED照明装置3を第2側板部422側が回転軸側となるように回転させてLED照明装置3を器具本体2の凹部2aに押し込むことで、
図8の(c)に示すように、LED照明装置3を器具本体2の凹部2aに嵌め込むことができる。これにより、LED照明装置3を器具本体2に取り付けることができる。
【0077】
以上、本実施の形態に係るLED照明装置3及びLED照明器具1では、フレーム40が、基板10が取り付けられる長尺状の主板部41と、主板部41の短手方向の両端部の各々からLED20側とは反対側に突出する一対の側板部42とを有しており、一対の側板部42のうちの一方の側板部42の少なくとも一部の突出量が一対の側板部42のうちの他方の側板部42の突出量よりも小さくなっている。具体的には、第1側板部421の少なくとも一部の突出量が第2側板部422の突出量よりも小さくなっている。
【0078】
この構成により、一対の側板部42の一方の突出量を小さくした分、フレーム40の凹部44のスペースを広くすることができるので、電源装置4、引っ掛け金具5や弾性保持部材6等の取付部材、及び/又は、センサユニット等の機能拡張モジュール等の部品をフレーム40の凹部44に容易に収納することができる。また、一対の側板部42のうちの一方の突出量を小さくすることで、一対の側板部42の両方の突出量を小さくする場合と比べて、フレーム40の強度が低下することを抑制することができる。
【0079】
したがって、本実施の形態に係るLED照明装置3及びLED照明器具1によれば、フレーム40の強度を確保しつつ、フレーム40の凹部44のスペースを確保することができる。
【0080】
また、本実施の形態におけるLED照明装置3では、フレーム40の長手方向の全長にわたって、第1側板部421の突出量は、第2側板部422の突出量よりも小さくなっている。
【0081】
この構成により、フレーム40の長手方向の全長にわたって、フレーム40の凹部44のスペースを確保することができる。
【0082】
また、本実施の形態において、カバー部材30は、カバー本体部31と、カバー本体部31からフレーム40側に向かって延在し且つフレーム40に取り付けられる一対の取付部32とを有し、一対の取付部32の各々は、フレーム40における一対の側板部42の各々の外側に位置している。
【0083】
この構成により、カバー部材30は、フレーム40を抱え込むようにしてフレーム40に取り付けられる。これにより、カバー部材30がフレーム40から外れにくくすることができるとともに、LED照明装置3の強度を向上させることができる。
【0084】
この場合、本実施の形態では、カバー部材30の取付部32は、フレーム40の側板部42の先端部が嵌め込まれる凹部32aを有する。
【0085】
この構成により、ネジ等の固定部材を別途用いることなくカバー部材30とフレーム40とを係止させて固定することができる。これにより、簡単にカバー部材30とフレーム40とを組み立てることができるとともに、部材点数を削減することができる。なお、本実施の形態において、カバー部材30の凹部32aは、取付部32の先端部に設けられている。
【0086】
また、
図8に示すように、本実施の形態に係るLED照明器具1では、LED照明装置3は、フレーム40における一対の側板部42のうち突出量が大きい側板部42側(第2側板部422側)が回転軸側となるように回転することで器具本体2に取り付けられている。具体的には、回転軸側となる第2側板部422側の部分に引っ掛け金具5が設けられている。
【0087】
この構成により、LED照明装置3を器具本体2に容易に取り付けることができる。この点について、
図8とともに
図9を用いて説明する。
図9は、比較例のLED照明器具1Xにおいて、LED照明装置3Xを器具本体2に取り付けるときの取付方法を説明するための図である。
【0088】
図9の(a)に示すように、比較例のLED照明装置3Xでは、カバー部材30Xにおける一対の取付部32Xの長さが互いに同じであり、また、フレーム40Xにおける一対の側板部42Xの長さが互いに同じである。このため、本実施の形態のように、器具本体2に形成されたスリットに引っ掛け金具5を引っ掛けて、引っ掛け金具5を支点としてLED照明装置3Xを回転させたときに、引っ掛け金具5のスリット2cへの押し込みが少なかったりした場合等には、
図9の(b)に示すように、カバー部材30Xの取付部32Xが器具本体2の一部に当たって引っ掛かってしまい、LED照明装置3Xが器具本体2の凹部2aにスムーズに装着することができないことがある。また、仮に装着できたとしても、LED照明装置3Xが器具本体2に当たってしまっているので、LED照明装置3X又は器具本体2に傷が付くこともある。
【0089】
これに対して、本実施の形態に係るLED照明器具1では、LED照明装置3を回転させて器具本体2に装着する場合、フレーム40における一対の側板部42のうち突出量が大きい側板部42側(第2側板部422側)が回転軸側になっている。したがって、
図8の(b)に示すように、LED照明装置3を回転させたときに、フレーム40における一対の側板部42のうち突出量が小さい側板部42(第1側板部421)及びカバー部材30における一対の取付部32のうち突出量が小さい取付部32(第1取付部321)が器具本体2に近づいていくことになる。このため、カバー部材30の第1取付部321が器具本体2に当たって意図しない箇所に傷が付くことを抑制することができる。つまり、LED照明装置3を器具本体2に容易に取り付けることができる。つまり、LED照明器具1の施工性を向上させることができる。
【0090】
また、フレーム40における一対の側板部42のうち突出量が大きい側板部42側(第2側板部422側)を回転軸側にすることで、LED照明装置3を回転させて器具本体2に装着する際に、フレーム40の凹部44に引き回された電源線等の導電線がLED照明装置3の一部(例えばカバー部材30の取付部32)と器具本体2との間に挟まることを抑制することができる。つまり、導電線の線噛みを抑制することができる。
【0091】
また、本実施の形態のようにLED照明装置3を回転させて器具本体2に取り付ける場合、電源装置4は、一対の側板部42のうち突出量が大きい側板部42側(第2側板部422側)に寄せて配置されているとよい。つまり、電源装置4は、回転軸側に寄せて配置されているとよい。
【0092】
このように、重量のある電源装置4を突出量が大きい側板部42側(回転軸側)に寄せて配置することで、電源装置4を突出量が小さい側板部42側(第1側板部421)に寄せて配置する場合と比べて、小さな力でLED照明装置3を回転させることができる。したがって、LED照明装置3の器具本体2への取付作業を容易に行うことができる。なお、引っ掛け金具5又は機能拡張モジュール等のようにフレーム40の側板部42の脚の長さよりも背の高い部品についても、電源装置4と同様に、突出量が大きい側板部42側に寄せて配置するとよい。この場合も、LED照明装置3の器具本体2への取付作業を容易に行うことができる。
【0093】
なお、本実施の形態において、第1側板部421の突出量と第2側板部422の突出量とは、それぞれフレーム40の長手方向の全長にわたって一定であり、突出量の小さい部分を有する第1側板部421の脚の長さは、フレーム40の長手方向の全長にわたって、第2側板部422の脚の長さよりも短くなっていたが、これに限らない。
【0094】
例えば、第1側板部421は、フレーム40の長手方向において、部分的に突出量が小さい箇所を有していてもよい。つまり、フレーム40の脚部を構成する一対の側板部42の片足の一部が短くなっていてもよい。具体的には、
図10の(a)に示されるLED照明装置3Aのように、フレーム40Aにおける一対の側板部42Aのうちの一方の側板部42A(例えば第1側板部421)において、部分的に突出量が小さくなるように切り欠き部42bが形成されていてもよい。例えば、切り欠き部42bは、
図10の(b)に示すように、器具本体2の凹部2aの底部に設けられた貫通孔2dから電源端子台8までの区間L1に対応する部分に形成される。貫通孔2dには、外部電源(商用交流電源)に接続される電源線9(VVFケーブル等)が挿通される電源挿通孔である。つまり、切り欠き部42bは、フレーム40Aの凹部44において電源線9が通る位置に対応して形成されている。電源線9は、天井裏から器具本体2の貫通孔2dに挿通されてフレーム40Aの内側に引き出されて電源端子台8に接続されている。電源線9は比較的に太い導電線であることから、フレームの凹部のスペースが狭いと電源線9を引き回すことが難しくなるが、
図10に示されるLED照明装置3Aのように、第1側板部421における電源線9に対応する位置に切り欠き部42bを形成することで、フレーム40Aの凹部44に電源線9を引き回す分だけのスペースを容易に確保することができる。
【0095】
また、
図11の(a)に示されるLED照明装置3Bのように、第1側板部421だけではなく、第2側板部422にも突出量が小さい箇所を部分的に有していてもよい。つまり、フレーム40Bの脚部を構成する一対の側板部42Bの両方が部分的に足が短くなっていてもよい。この場合、第1側板部421は、フレーム40Bの長手方向において、送り配線9Bが通る位置に対応して部分的に突出量が小さくなるように切り欠き部42b(第1切り欠き部)を有するとよい。同様に、第2側板部422は、フレーム40Bの長手方向において、送り配線9Bが通る位置に対応して部分的に突出量が小さくなるように切り欠き部42b(第2切り欠き部)を有するとよい。
図11の(b)に示すように、送り配線9Bは、2つ以上のLED照明器具を連結する際に、隣り合う2つのLED照明装置3Bのうち一のLED照明装置3から他のLED照明装置3Bに交流電力を供給するための電源線であり、器具本体2の凹部2aの幅方向の両端部を行き来するように引き回される。例えば、
図11の(b)に示すように、送り配線9Bは、器具本体2の凹部2aにおける区間L2、L3、L4に引き回される。区間L3は、器具本体2の凹部2aにおける第1側板部421側の端部に対応する位置であり、区間L2及び区間L4は、器具本体2の凹部2aにおける第2側板部422側の端部に対応する位置である。したがって、第1側板部421の切り欠き部42b(第1切り欠き部)は、区間L3に対応する位置に形成され、第2側板部422の切り欠き部42b(第2切り欠き部)は、区間L2及び区間L4に対応する位置に形成される。送り配線9Bは比較的に太い導電線であることから、フレームの凹部のスペースが狭いと送り配線9Bを引き回すことが難しくなるが、
図11に示されるLED照明装置3Bのように、第1側板部421及び第2側板部422における送り配線9Bに対応する位置に切り欠き部42bを形成することで、フレーム40Bの凹部44に送り配線9Bを引き回す分だけのスペースを容易に確保することができる
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、
図12を用いて説明する。
図12は、実施の形態2に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置3Cの断面図である。
【0096】
本実施の形態に係るLED照明装置3Cは、上記実施の形態1に係るLED照明装置3に対して、カバー部材30Cの構成が異なる。具体的には、上記実施の形態1に係るLED照明装置3では、カバー部材30における第1取付部321は、フレーム40の第1側板部421と同様に、突出量が小さくなっていたが、本実施の形態に係るLED照明装置3Cでは、第1取付部321は、突出量が小さくなっておらず、第2取付部322と同じ突出量になっている。
【0097】
このため、上記実施の形態1に係るLED照明装置3では、カバー部材30における取付部32の凹部32a(フレーム40の側板部42の先端部が嵌め込まれる箇所)は、取付部32の先端部に設けられていたが、本実施の形態に係るLED照明装置3Cでは、突出量が小さい方の取付部32C(第1取付部321)の凹部32aが取付部32Cにおける延在方向の途中に設けられている。具体的には、本実施の形態におけるカバー部材30Cの第1取付部321は、上記実施の形態におけるカバー部材30の第1取付部321に対して、凹部32aの箇所からさらに突出する延在部32bを有する。つまり、本実施の形態では、上記実施の形態1に対して、凹部32aの位置を変えずに、第1取付部321の脚の長さを伸ばした構成になっている。具体的には、カバー部材30Cにおける一方の取付部32C(第1取付部321)の突出量が小さくなっておらず、一対の取付部32Cの突出量は同じになっている。
【0098】
なお、カバー部材30C以外の構成については、本実施の形態に係るLED照明装置3Cは、上記実施の形態に係るLED照明装置3と同じ構成である。
【0099】
したがって、本実施の形態に係るLED照明装置3Cにおいても、フレーム40における一対の側板部42のうちの一方の側板部42の少なくとも一部の突出量が一対の側板部42のうちの他方の側板部42の突出量よりも小さくなっている。
【0100】
この構成により、フレーム40の強度を確保しつつ、フレーム40の凹部44のスペースを確保することができる。
【0101】
また、本実施の形態におけるLED照明装置3Cでは、フレーム40において突出量が小さい第1側板部421に取り付けられるカバー部材30Cの第1取付部321の凹部32aは、当該第1取付部321における延在方向の途中に設けられており、第1取付部321には延在部32bが設けられている。
【0102】
この構成により、LED照明装置3Cを器具本体2に取り付けたときにLED照明器具の内部を見えにくくすることができる。この点について、以下説明する。
【0103】
上記実施の形態1のように、フレーム40における一方の側板部42(第1側板部421)の突出量を小さくするだけではなく、それに合わせてカバー部材30の一方の取付部32(第1取付部321)の突出量も小さくすると、天井に設置された器具本体2の凹部2aにLED照明装置3を取り付けたときに、突出量を小さくした方の第1側板部421側において、器具本体2とカバー部材30との境界部分に隙間が生じるおそれがある。このため、突出量を小さくした方の第1側板部421側からユーザがLED照明器具1を見上げたときに、LED照明器具1の内部が見えて意匠性が低下するおそれがある。
【0104】
これに対して、本実施の形態では、フレーム40における一方の側板部42(第1側板部421)の突出量を小さくしつつ、カバー部材30Cにおける一方の取付部32C(第1取付部321)の脚の長さを伸ばしている。これにより、器具本体2の凹部2aにLED照明装置3Cを取り付けたときに器具本体2とカバー部材30Cとの境界部分に隙間が生じることを抑制できる。したがって、フレーム40の凹部44のスペースを確保しつつ、LED照明器具1の意匠性が低下することを抑制することができる。
【0105】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について、
図13を用いて説明する。
図13は、実施の形態3に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置3Dの断面図である。
【0106】
本実施の形態に係るLED照明装置3Dは、上記実施の形態1に係るLED照明装置3に対して、フレーム40Dの構成が異なる。具体的には、上記実施の形態1では、フレーム40の主板部41の凹部41bの深さは、凹部41bに載置される基板10の厚さと同程度であったが、本実施の形態では、フレーム40Dの主板部41Dの凹部41bの深さは、少なくとも基板10の厚さとLED20の高さとの合計の長さよりも深くなっている。したがって、LED20の発光面は、フレーム40Dの主板部41Dの段差部41aの表面よりも天井側(
図13の下側)に位置している。つまり、LED20の発光面は、主板部41Dの段差部41aの表面よりも後退した位置に存在している。
【0107】
本実施の形態に係るLED照明装置3Dにおいても、フレーム40Dにおける一対の側板部42のうちの一方の側板部42の少なくとも一部の突出量が一対の側板部42のうちの他方の側板部42の突出量よりも小さくなっている。
【0108】
この構成により、フレーム40Dの強度を確保しつつ、フレーム40Dの凹部44のスペースを確保することができる。
【0109】
また、本実施の形態では、フレーム40Dの主板部41Dの凹部41bが深くなっており、LED20の発光面は、主板部41Dの段差部41aの表面よりも後退した位置に存在している。
【0110】
この構成により、LED20から出射した光が段差部41aに当接するカバー部材30の延設片33に到達することを抑制することができる。これにより、LED20の光が延設片33によって遮光されないので、カバー部材30の短手方向の端部の発光面に明暗差が生じることを抑制することができる。したがって、LED照明装置3Dの短手方向(X軸方向)の端部をきれいに光らせることができる。
【0111】
しかも、延設片33にLED20の光が到達しないことで、LED20の光が延設片33に入射することもなくなる。これにより、LED20の光が延設片33及び取付部32を導光して取付部32の端部等から漏れることがなくなる。したがって、所望の配光や所望の明かりの雰囲気を得ることができる。
【0112】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について、
図14を用いて説明する。
図14は、実施の形態4に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置3Eの断面図である。
【0113】
本実施の形態に係るLED照明装置3Eは、上記実施の形態1に係るLED照明装置3に対して、フレーム40Eの構成が異なる。具体的には、上記実施の形態1では、フレーム40の主板部41には凹部41bが形成されていたが、本実施の形態では、フレーム40Eの主板部41Eには凹部41bが形成されていない。したがって、主板部41Eは、平坦な平板である。
【0114】
本実施の形態に係るLED照明装置3Eにおいても、フレーム40Eにおける一対の側板部42のうちの一方の側板部42の少なくとも一部の突出量が一対の側板部42のうちの他方の側板部42の突出量よりも小さくなっている。
【0115】
この構成により、フレーム40Eの強度を確保しつつ、フレーム40Eの凹部44のスペースを確保することができる。
【0116】
また、本実施の形態では、フレーム40Eの主板部41Eに凹部41bが形成されておらず、フレーム40Eの形状を単純化している。
【0117】
この構成により、上記実施の形態1におけるフレーム40と比べて、フレーム40Eを容易に作製することができる。
【0118】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について、
図15を用いて説明する。
図15は、実施の形態5に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置3Fの断面図である。
【0119】
本実施の形態に係るLED照明装置3Fは、上記実施の形態1に係るLED照明装置3に対して、カバー部材30Fとフレーム40Fの構成が異なる。
【0120】
具体的には、本実施の形態において、フレーム40Fの主板部41Fは、窪み部41cを有する。窪み部41cは、主板部41FにおけるLED20の発光面側の面が凹んだ形状になっている。具体的には、窪み部41cは、主板部41Fの一部を天井側に凹ませることで形成されている。この場合、窪み部41cは、例えばプレス加工により主板部41Fの一部を天井側に後退するように窪ませることで形成することができる。したがって、窪み部41cの底部の板厚と、主板部41Fの窪み部41cが形成されていない部分の板厚とは、同じである。
【0121】
窪み部41cは、主板部41Fの短手方向(X軸方向)の端部に設けられている。本実施の形態において、窪み部41cは、主板部41Fの短手方向の両端部の各々に設けられている。具体的には、各窪み部41cは、主板部41Fと側板部42との角部を無くすように主板部41Fと側板部42との接続部分に形成されている。なお、窪み部41cは、主板部41Fの長手方向(Y軸方向)に沿って設けられている。本実施の形態において、窪み部41cは、主板部41Fの長手方向の全長にわたって設けられている。
【0122】
また、本実施の形態において、カバー部材30Fの延設片33Fは、フレーム40Fの窪み部41cに位置している。具体的には、延設片33Fは、カバー部材30Fの取付部32からカバー部材30Fの短手方向(X軸方向)に沿って延設されている。
【0123】
また、延設片33Fは、窪み部41cからはみ出さないように窪み部41c内に収納されている。つまり、延設片33Fは、LED20の発光面よりも後退した位置に存在しており、LED20の発光面よりも床側にはみ出していない。したがって、上記実施の形態1の延設片33とは異なり、本実施の形態における延設片33Fには段差部が形成されておらず、平板状になっている。
【0124】
本実施の形態に係るLED照明装置3Fにおいても、フレーム40Fにおける一対の側板部42のうちの一方の側板部42の少なくとも一部の突出量が一対の側板部42のうちの他方の側板部42の突出量よりも小さくなっている。
【0125】
この構成により、フレーム40Fの強度を確保しつつ、フレーム40Fの凹部44のスペースを確保することができる。
【0126】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3Fでは、フレーム40Fの主板部41Fに窪み部41cが設けられており、カバー部材30Fの延設片33Fは、その窪み部41cに位置している。
【0127】
この構成により、LED20から出射した光が延設片33Fに到達することを抑制することができる。これにより、LED20の光が延設片33Fによって遮光されないので、カバー部材30Fの短手方向の端部の発光面に明暗差が生じることを抑制することができる。したがって、LED照明装置3Fの短手方向(X軸方向)の端部をきれいに光らせることができる。
【0128】
しかも、延設片33FにLED20の光が到達しないことで、LED20の光が延設片33Fに入射することもなくなる。これにより、LED20の光が延設片33F及び取付部32を導光して取付部32の端部等から漏れることがなくなる。したがって、所望の配光や所望の明かりの雰囲気を得ることができる。
【0129】
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について、
図16用いて説明する。
図16は、実施の形態6に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置3Gの断面図である。
【0130】
本実施の形態に係るLED照明装置3Gは、上記実施の形態1に係るLED照明装置3に対して、フレーム40Gの構成が異なる。具体的には、上記実施の形態1では、フレーム40は、1つの部品で構成されていたが、本実施の形態では、フレーム40Gは、第1フレーム部材40aと第2フレーム部材40bとの2つの部品によって構成されている。
【0131】
第1フレーム部材40aは、主板部41の2つの段差部41aのうちの一方の段差部41aと、一対の側板部42のうちの一方の側板部42(第1側板部421)とを有する。つまり、第1フレーム部材40aは、突出量が小さい第1側板部421を有している。
【0132】
第2フレーム部材40bは、主板部41の凹部41bが形成された部分及び2つの段差部41aと、一対の側板部42のうちの他方の側板部42(第2側板部422)とを有する。つまり、第2フレーム部材40bは、突出量が大きい第2側板部422を有している。
【0133】
このように形成された第1フレーム部材40aと第2フレーム部材40bとは、段差部41aを重ね合わせることで接合されている。第1フレーム部材40aと第2フレーム部材40bとは、例えば、溶接又はネジによって接合される。
【0134】
本実施の形態に係るLED照明装置3Gにおいても、フレーム40Gにおける一対の側板部42のうちの一方の側板部42の少なくとも一部の突出量が一対の側板部42のうちの他方の側板部42の突出量よりも小さくなっている。
【0135】
この構成により、フレーム40Gの強度を確保しつつ、フレーム40Gの凹部44のスペースを確保することができる。
【0136】
また、本実施の形態では、フレーム40Gは、第1フレーム部材40aと第2フレーム部材40bとの2つの部品によって構成されている。具体的には、第1フレーム部材40aが第1側板部421を有しており、第2フレーム部材40bが第2側板部422を有している。
【0137】
この構成により、突出量が小さい第1側板部421をフレーム40Gに容易に形成することができる。
【0138】
(実施の形態7)
次に、実施の形態7について、
図17を用いて説明する。
図17は、実施の形態7に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置3Hの断面図である。
【0139】
本実施の形態に係るLED照明装置3Hは、上記実施の形態1に係るLED照明装置3に対して、フレーム40Hの構成が異なる。具体的には、上記実施の形態1では、フレーム40の主板部41には、平坦部である段差部41aと凹部41bとが設けられていた。これに対して、本実施の形態では、フレーム40Hの主板部41Hには、基板10が載置される凹部41bは設けられているが、平坦部である段差部41aが設けられていない。このため、フレーム40HのXZ断面の形状は、略M字形状になっている。
【0140】
本実施の形態に係るLED照明装置3Hにおいても、フレーム40Hにおける一対の側板部42のうちの一方の側板部42の少なくとも一部の突出量が一対の側板部42のうちの他方の側板部42の突出量よりも小さくなっている。
【0141】
この構成により、フレーム40Hの強度を確保しつつ、フレーム40Hの凹部44のスペースを確保することができる。
【0142】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3Hのように、フレーム40HのXZ断面の形状を略M字形状にすることで、フレーム40Hの強度を強くすることができるとともに、電源装置4の配置スペースを広く確保することができたり下方配光での光束ロスを低減したりすることができる。
【0143】
なお、
図18に示されるLED照明装置3Iのように、フレーム40Iの主板部41Iの凹部41bの深さをさらに深くしてもよい。
【0144】
(実施の形態8)
次に、実施の形態8について、
図19を用いて説明する。
図19は、実施の形態8に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置3Jの断面図である。
【0145】
本実施の形態に係るLED照明装置3Jは、上記実施の形態1に係るLED照明装置3に対して、カバー部材30Jとフレーム40Jの構成が異なる。
【0146】
具体的には、本実施の形態において、フレーム40Jの一対の側板部42Jは、主板部41から遠ざかるにつれて互いに近づく方向に傾斜している。同様に、フレーム40Jに取り付けられるカバー部材30Jについても、一対の取付部32Jは、フレーム40Jの一対の側板部42Jの傾斜に沿って互いに近づく方向に傾斜している。
【0147】
本実施の形態に係るLED照明装置3Jにおいても、フレーム40Jにおける一対の側板部42Jのうちの一方の側板部42Jの少なくとも一部の突出量が一対の側板部42Jのうちの他方の側板部42Jの突出量よりも小さくなっている。
【0148】
この構成により、フレーム40Jの強度を確保しつつ、フレーム40Jの凹部44のスペースを確保することができる。
【0149】
また、本実施の形態におけるLED照明装置3Jでは、フレーム40Jの一対の側板部42Jが主板部41から遠ざかるにつれて互いに近づく方向に傾斜している。また、カバー部材30Jの一対の取付部32Jも互いに近づく方向に傾斜している。
【0150】
この構成により、天井に設置された器具本体2の凹部2aにLED照明装置3Jを嵌め込む際に、カバー部材30J又はフレーム40Jの一部が器具本体2に当たって意図しない箇所に傷が付くことを抑制することができる。
【0151】
この場合、上記実施の形態1のように、フレーム40Jにおける一対の側板部42Jのうち突出量が大きい側板部42J側(第2側板部422側)が回転軸側になっているとよい。これにより、カバー部材30J又はフレーム40Jの一部が器具本体2に当たって意図しない箇所に傷が付くことを一層抑制することができる。つまり、一対の側板部42J及び一対の取付部32Jを内側に向けて傾斜させることで、LED照明器具の施工性を一層向上させることができる。
【0152】
なお、
図20に示されるLED照明装置3Kのように、フレーム40Kの主板部41Kに凹部41bを形成することなく基板10を主板部41Kに載置してもよい。
【0153】
(実施の形態9)
次に、実施の形態9について、
図21を用いて説明する。
図21は、実施の形態9に係るLED照明器具に用いられるLED照明装置3Lの断面図である。
【0154】
本実施の形態に係るLED照明装置3Lは、上記実施の形態1に係るLED照明装置3に対して、カバー部材30Lとフレーム40Lの構成が異なる。
【0155】
具体的には、本実施の形態において、フレーム40Lの一対の側板部42Lは、主板部41から遠ざかるにつれて互いに離れる方向に傾斜している。同様に、フレーム40Lに取り付けられるカバー部材30Lについても、一対の取付部32Lは、フレーム40Lの一対の側板部42Lの傾斜に沿って互いに離れる方向に傾斜している。つまり、本実施の形態における一対の側板部42L及び一対の取付部32Lは、上記実施の形態8における一対の側板部42J及び一対の取付部32Jとは、傾斜方向が逆になっている。
【0156】
本実施の形態に係るLED照明装置3Lにおいても、フレーム40Lにおける一対の側板部42Lのうちの一方の側板部42Lの少なくとも一部の突出量が一対の側板部42Lのうちの他方の側板部42Lの突出量よりも小さくなっている。
【0157】
この構成により、フレーム40Lの強度を確保しつつ、フレーム40Lの凹部44のスペースを確保することができる。
【0158】
また、本実施の形態におけるLED照明装置3Lでは、フレーム40Lの一対の側板部42Lが主板部41から遠ざかるにつれて互いに離れる方向に傾斜している。また、カバー部材30Lの一対の取付部32Lも互いに離れる方向に傾斜している。
【0159】
この構成により、LED照明装置3の意匠性及びこのLED照明装置3を備えるLED照明器具の意匠性を向上させることができる。
【0160】
なお、
図22に示されるLED照明装置3Mのように、フレーム40Mの主板部41Mに凹部41bを形成することなく基板10を主板部41Mに載置してもよい。
【0161】
(その他の変形例)
以上、本発明に係るLED照明器具及びLED照明装置について、実施の形態1~9に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態1~9に限定されるものではない。
【0162】
例えば、上記実施の形態1等において、基板10全体がフレーム40の主板部41の金属部分に接触していたが、これに限らない。具体的には、
図23に示されるLED照明装置3Nに示すように、フレーム40Nの主板部41Nに開口部41eが形成されており、基板10の第2面10bの一部がフレーム40Nの開口部41eから露出するように構成されていてもよい。この場合、基板10の第2面10bをフレーム40Nの主板部41Nの外側面に接触させるのではなく、
図24に示されるLED照明装置3Oのように、基板10の第1面10aをフレーム40Nの主板部41Nの内側面に接触させてもよい。つまり、基板10をフレーム40Nの外側ではなく内側に配置してもよい。また、基板10をフレーム40Nの内側に配置する場合、
図25に示されるLED照明装置3Pのように、基板10を支持する支持部材60を別途配置してもよい。なお、開口部41eが形成された主板部41Nを有するフレーム40Nとしては、
図26に示される構成のものを用いることができる。
図26に示されるフレーム40Nでは、主板部41Nに3つの開口部41eが形成されているが、これに限らない。また、フレーム40Nは、左右2つに分離された2つのパーツによって構成されていてもよい。
【0163】
また、基板10を支持する場合、
図27に示されるLED照明装置3Qのように、フレーム40Qは、さらに、基板10を支持する支持部材45を有していてもよい。支持部材45は、基板10の短手方向の両端部を上から押さえ付けることで基板10を支持している。
【0164】
また、基板10を支持する方法としては、
図28に示されるLED照明装置3Rのように、基板10の両端部を挟み込んで基板10を支持する方法であってもよい。この場合、
図28に示すように、フレーム40Rの主板部41Rは、基板10の端部を挟み込む挟み込み部41dを有する。
【0165】
また、上記実施の形態1等において、基板10は、フレーム40の主板部41に設けられた爪部43によってフレーム40に固定されていたが、これに限らない。例えば、
図29に示されるLED照明装置3Sのように、基板10とフレーム40の主板部41とは、接着剤70によって固定されていてもよい。接着剤70は、基板10と主板部41との間に挿入されている。
【0166】
また、上記実施の形態1等では、LED照明装置3を器具本体2に取り付ける場合、突出量の大きい第2側板部422側が回転軸側となるようにLED照明装置3を回転させたが、これに限らない。つまり、突出量の小さい第1側板部421側が回転軸側となるようにLED照明装置3を回転させて器具本体2に取り付けてもよい。
【0167】
また、LED照明装置3を回転させることなく、LED照明装置3を器具本体2に取り付けてもよい。具体的には、天井に設置された器具本体2に向かってLED照明装置3を平行移動させるようにLED照明装置3を鉛直方向に移動させて、LED照明装置3を器具本体2の凹部2aに鉛直方向に押し込んで嵌め込むことで、LED照明装置3を器具本体2に取り付けてもよい。
【0168】
また、上記実施の形態1等では、LED20としてLEDチップがパッケージに実装されたSMDタイプのLED素子を用いており、基板10とLED20とからなる発光モジュールがSMDタイプのLEDモジュールであったが、これに限らない。例えば、基板10とLED20とからなる発光モジュールは、COB(Chip On Board)タイプのLEDモジュールであってもよい。この場合、LED20として、LEDチップ(ベアチップ)そのものを用いて、基板10に複数のLED20(LEDチップ)を直線状に配列し、封止部材(例えば蛍光体含有樹脂)によって複数のLED20を一括又は個別に封止すればよい。
【0169】
また、上記実施の形態1等では、拡散性及び透光性を有するカバー部材30を用いたが、これに限らない。例えば、カバー部材30に代えて、拡散性及び透光性のうち透光性のみを有する透光カバーを用いてもよい。この場合、透光カバーとして、向こう側が透けて見えるくらいに透過率が高い透明カバーを用いてもよい。
【0170】
その他、上記各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0171】
1 LED照明器具
2 器具本体
3、3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G、3H、3I、3J、3K、3L、3M、3N、3O、3P、3Q、3R、3S LED照明装置
4 電源装置
5 引っ掛け金具
8 電源端子台
9 電源線
10 基板
20 LED
30、30C、30F、30J、30L カバー部材
31 カバー本体部
31a 突出部
31a1 凹部
32、32C、32J、32L 取付部
33、33F 延設片
40、40A、40B、40D、40E、40F、40G、40H、40I、40J、40K、40L、40M、40N、40Q、40R フレーム
41、41D、41E、41F、41H、41I、41K、41M、41N、41R 主板部
41b 凹部
42、42A、42B、42J、42L 側板部