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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048402
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】照明ランプ及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20230331BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20230331BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20230331BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230331BHJP
【FI】
F21S8/04 130
F21V3/00 320
F21V3/02
F21S8/04 100
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157695
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000103633
【氏名又は名称】オーデリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久冨 淳
(72)【発明者】
【氏名】落合 俊太
(72)【発明者】
【氏名】三澤 貴宏
(57)【要約】
【課題】 透光性カバーの前面方向のみならず、側面方向を広範囲に亘って明るく照らすことができる照明ランプ及び照明器具を提供する。
【解決手段】 本発明に係る照明ランプは、光源及び該光源を実装した基板を有する照明ランプ本体と、照明ランプ本体の出射面側を覆うドーム部、及び該ドーム部の外縁から照明ランプ本体側に向けて延びるカバー側部を有し、照明ランプ本体に対して取り付け可能に構成された透光性カバーとを備え、カバー側部の厚みがドーム部の厚み以下である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源及び該光源を実装した基板を有する照明ランプ本体と、
前記照明ランプ本体の出射面側を覆うドーム部、及び該ドーム部の外縁から前記照明ランプ本体側に向けて延びるカバー側部を有し、前記照明ランプ本体に対して取り付け可能に構成された透光性カバーと
を備え、
前記カバー側部の厚みが前記ドーム部の厚み以下である
ことを特徴とする照明ランプ。
【請求項2】
前記カバー側部の厚みが前記ドーム部の厚みと均一である
ことを特徴とする請求項1に記載の照明ランプ。
【請求項3】
前記照明ランプ本体は、前記基板と交差する方向に沿って延びる側面部を更に備え、
前記基板は、前記側面部で囲われた空間内に配置されており、
前記側面部は、前記光源の発光面よりも出射方向側に向けて突出した突出部を備え、
前記突出部の出射方向に沿う長さは、前記光源の発光面から前記ドーム部の内面の頂点までの出射方向に沿う距離の20%以下である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明ランプ。
【請求項4】
前記突出部は、前記カバー側部よりも短い長さを有する
ことを特徴とする請求項3に記載の照明ランプ。
【請求項5】
前記透光性カバーは、前記照明ランプ本体の外径よりも小さい外径を有する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の照明ランプ。
【請求項6】
前記カバー側部は、前記照明ランプ本体の外径よりも大きい内径を有し、該照明ランプ本体の側方を覆うように構成されている
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の照明ランプ。
【請求項7】
前記カバー側部の内面又は前記照明ランプ本体の外面のいずれか一方に、前記透光性カバーを前記照明ランプ本体に取り付け可能な取付部を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の照明ランプ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の照明ランプと、
前記照明ランプを装着可能なソケットと
を備えることを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明ランプ及び照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、GX53形の口金を用いた照明ランプと、該照明ランプが装着されるソケットとを備える照明器具が知られている(特許文献1)。照明ランプは、LEDを有する照明ランプ本体と、該照明ランプ本体の出射面側を覆う透光性カバーとを備えており、照明ランプ本体に設けられたランプピンをソケットに挿入し、該ソケットに対して周方向に沿って回転させることにより、ソケットに対して電気的に接続されるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-192335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の照明ランプも含め、従来のGX53形の照明ランプの透光性カバーは、LEDから照射された指向性の高い光の粒々感を緩和しつつ、前面に向けて強い光を照射するために、拡散面が平面形状となっている。しかしながら、このような拡散面が平面形状の照明ランプでは、透光性カバーの側面方向に向けて光を十分に拡散させることができないという問題がある。このため、従来のGX53形の照明ランプでは、例えば図10に示すように、照明ランプ50を設置台3に取り付けた状態において、照明ランプ50の周囲を透光性パネル4等で囲い、該透光性パネル4全体をぼんやりと光らせるような用途で使用した場合に、照明ランプ50の透光性カバーよりも後部側の領域RAが暗くなり、デザイン性を損ねてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、透光性カバーの前面方向のみならず、側面方向を広範囲に亘って明るく照らすことができる照明ランプ及び照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明に係る照明ランプは、光源及び該光源を実装した基板を有する照明ランプ本体と、前記照明ランプ本体の出射面側を覆うドーム部、及び該ドーム部の外縁から前記照明ランプ本体側に向けて延びるカバー側部を有し、前記照明ランプ本体に対して取り付け可能に構成された透光性カバーとを備え、前記カバー側部の厚みが前記ドーム部の厚み以下であることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る照明ランプにおいて、前記カバー側部の厚みが前記ドーム部の厚みと均一であることが好ましい。
【0008】
本発明に係る照明ランプにおいて、前記照明ランプ本体は、前記基板と交差する方向に沿って延びる側面部を更に備え、前記基板は、前記側面部で囲われた空間内に配置されており、前記側面部は、前記光源の発光面よりも出射方向側に向けて突出した突出部を備え、前記突出部の出射方向に沿う長さは、前記光源の発光面から前記ドーム部の内面の頂点までの出射方向に沿う距離の20%以下であっても良い。
【0009】
本発明に係る照明ランプにおいて、前記突出部は、前記カバー側部よりも短い長さを有することが好ましい。
【0010】
本発明に係る照明ランプにおいて、前記透光性カバーは、前記照明ランプ本体の外径よりも小さい外径を有していることが好ましい。
【0011】
本発明に係る照明ランプにおいて、前記カバー側部は、前記照明ランプ本体の外径よりも大きい内径を有し、該照明ランプ本体の側方を覆うように構成されていても良い。
【0012】
この場合において、前記カバー側部の内面又は前記照明ランプ本体の外面のいずれか一方に、前記透光性カバーを前記照明ランプ本体に取り付け可能な取付部を備えることが好ましい。
【0013】
本発明に係る照明器具は、上述した照明ランプと、前記照明ランプを装着可能なソケットとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、透光性カバーの前面方向のみならず、側面方向を広範囲に亘って明るく照らすことができる照明ランプ及び照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態に係る照明器具を示す側面図である。
図2】第1の実施形態に係る照明ランプの断面図である。
図3図2に示す照明ランプの拡大図である。
図4】第1の実施形態に係る照明ランプを示す分解斜視図である。
図5】第1の実施形態に係る照明器具の使用状態を示す側面図である。
図6】第2の実施形態に係る照明器具を示す側面図である。
図7】第2の実施形態に係る照明ランプの断面図である。
図8図7に示す照明ランプの拡大図である。
図9】第2の実施形態に係る照明ランプを示す分解斜視図である。
図10】従来の照明器具を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、本実施形態においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
【0017】
[第1の実施形態]
図1に示すように、本実施形態に係る照明器具100は、照明ランプ1と、該照明ランプ1を装着可能なソケット2とを備えている。照明器具100は、例えば、照明器具100の周囲を透光性パネル4等で覆い(図5参照)、透光性パネル4全体をぼんやり光らせる用途で使用できる他、天井や壁等の様々な箇所に設置して使用することもできる。また、照明器具100は、非調光、非調色の態様であっても良いし、調光、調色可能に構成されていても良い。
【0018】
[照明ランプの構成]
図2及び図3に示すように、本実施形態に係る照明ランプ1は、光源11及び該光源11を実装した基板12を有する照明ランプ本体10と、該照明ランプ本体10に対して取り付け可能に構成された透光性カバー20とを備えており、ソケット2に対して着脱可能に構成されている。
【0019】
本実施形態において、透光性カバー20は、例えば、アクリル樹脂(PMMA)やポリカーボネート樹脂(PC)等の材料によって形成することができるが、これに限定されず、種々の公知の材料によって形成することができる。
【0020】
以下、本実施形態において、照明ランプ1をソケット2に対して装着する方向を後方、これとは反対の方向(すなわち、光源11から光が出射される方向)を前方とする。
【0021】
図1~4に示すように、照明ランプ本体10は、底面部13と、底面部13の外周縁から前方に向かって延びる側面部14とを備えており、全体として略有底筒状を有している。また、図2及び図3に示すように、照明ランプ本体10は、側面部14で囲われた空間Sを有しており、該空間S内には光源11、基板12及び電源回路(図示せず)が配置されている。
【0022】
図4に示すように、底面部13は、照明ランプ本体10を後方から視た状態において、円状に形成されている。また、底面部13の後方には口金部15及び一対の電極ピン16が配置されている。
【0023】
図1~4に示すように、口金部15は、底面部13の中心部分から後方に突出して形成されている。また、口金部15は、例えば、GX53形の口金構造を有しているが、これに限定されず、ソケット2の形状に対応した任意の形状であっても良い。
【0024】
図1~4に示すように、一対の電極ピン16は、底面部13から後方に向けて突出しており、照明ランプ本体10の側面視において、口金部15の左右端部近傍にそれぞれ配置されている。また、一対の電極ピン16は、照明ランプ1がソケット2に対して装着された状態において、ソケット2に形成された開口(図示せず)に挿入される。そして、ソケット2に対して照明ランプ1を回転させることで、電極ピン16がソケット2に固定され、照明ランプ1をソケット2に取り付けることができる。
【0025】
一対の電極ピン16は、照明ランプ1がソケット2に装着された状態において、ソケット2を介して、施設の電力源と電気的に接続可能に構成されている。また、一対の電極ピン16は、空間S内に配置された電源回路と電気的に接続可能に構成されている。よって、使用者がスイッチを押すことで、ソケット2及び一対の電極ピン16を介して電源回路に電力が供給される。
【0026】
図1~4に示すように、側面部14は、底面部13の外周縁から前方に向けて垂直に延びて形成されている。すなわち、側面部14は、基板12と交差する方向(本実施形態では直交する方向)に沿って延びて形成されている。また、図2及び図3に示すように、側面部14は、光源11の発光面よりも出射方向側に向けて突出した突出部14aを備えている。すなわち、突出部14aは、側面部14の内、前後方向において光源11の発光面と一致する位置から側面部14の前端までの部分である。具体的には、図3に示すように、突出部14aの長さL1は、側面部14の前後方向に沿う長さ、すなわち、底面部13の後面から側面部14の前端までの長さL3の15%以下であることが好ましく、12%以下であることがより好ましい。
【0027】
図3に示すように、突出部14aは、透光性カバー20の後述するカバー側部22の長さL4、すなわち、仮想線VLから突出部14aの前端までの長さよりも短い長さで形成されている。また、突出部14aの前後方向に沿う長さL1は、光源11の発光面から後述するドーム部21の内面の頂点までの前後方向に沿う距離L2の20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。
【0028】
以上の観点から、突出部14aの前後方向に沿う長さL1は、5mm以下で形成されていることが好ましく、2mm以下で形成されていることがより好ましい。
【0029】
突出部14aがこのように構成されていることにより、透光性カバー20の側面方向を透過した光を遮る障害が小さくなるため、透光性カバー20の側面方向を広範囲に亘って明るく照らすことができる。
【0030】
図2及び図3に示すように、光源11は、例えば、LEDや有機EL等の発光素子であり、電源回路から供給される電力により、前方に向けて発光するように構成されている。また、光源11は、基板12の表面に複数配置されている。基板12は、板状のプリント基板であり、側面部14の内径よりも小さい外径を有している。また、基板12は、前後方向において底面部13と平行して配置されており、底面部13と基板12との間には電源回路が配置されている。
【0031】
図1図4に示すように、透光性カバー20は、照明ランプ本体10の出射面側を覆うドーム部21と、該ドーム部21の外縁から照明ランプ本体10側に向けて延びるカバー側部22と、カバー側部22の後端から後方に向けて延出する装着部23とを有しており、後方に向けて開口する凹形状を有している。
【0032】
また、透光性カバー20は、照明ランプ本体10の外径よりも小さい外径を有している。具体的には、透光性カバー20は、カバー側部22の最も径が大きい部分における外径が、照明ランプ本体10の底面部13の最も径が大きい部分における外径よりも小さくなるよう形成されている。より具体的には、透光性カバー20の外径は、70mm以下であることが好ましく、68mm以下であることがより好ましい。
【0033】
図2に示すように、透光性カバー20は、ドーム部21とカバー側部22との境界部を通る水平な仮想線VLを境として、該仮想線VLよりも前方にドーム部21が位置し、仮想線VLよりも後方にカバー側部22が位置している。ここで、仮想線VLは、透光性カバー20の前後方向に沿う断面において、前後方向に平行なカバー側部22の内面から、前方に向けて凸となる曲面状のドーム部21の内面に向けて推移するR状の角部の始点(カバー側部22側の端)を通る水平線である。
【0034】
図1~3に示すように、ドーム部21は、照明ランプ本体10の中心かつ前方に向かって膨らんで形成された半球形状を有している。具体的には、図3に示すように、ドーム部21は、ドーム部21の頂点と仮想線VLの基準とした始点とを通る直線SL1と、カバー側部22の後端と前端を通る直線SL2とのなす角θが90°よりも大きい角度となるよう形成されており、好ましくは、100°以上となるよう形成されている。また、ドーム部21は、この直線SL1と直線SL2とのなす角θが125°以下となるよう形成されていることが好ましく、120°以下となるよう形成されていることがより好ましい。
【0035】
また、ドーム部21は、前方方向において、光源11から出射された光がドーム部21に反射してカバー側部22まで光を拡散するのに十分な膨らみを有している。具体的には、図3に示すように、光源11の発光面からドーム部21の内面の頂点までの前後方向に沿う距離L2は、透光性カバー20の内径の長さの36%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましい。より具体的には、光源11の発光面からドーム部21の内面の頂点までの前後方向に沿う距離L2は、5mm以上25mm以下であることが好ましく、10mm以上15mm以下であることがより好ましい。
【0036】
このように、ドーム部21が前方に膨らんだ形状を有していることにより、光源11から出射される光を透光性カバー20の前面方向のみならず、側面方向の広範囲に亘って拡散させることができる。
【0037】
図2に示すように、カバー側部22は、ドーム部21の後端から後方に向けて延びて形成されており、カバー側部22の後端が突出部14aの前端と接するように構成されている。また、図3に示すように、カバー側部22の前後方向に沿う長さL4、すなわち、仮想線VLから突出部14aの前端までの長さは、突出部14aの長さL1よりも長い長さで形成されている。具体的には、カバー側部22は、前後方向に沿う長さL4が3mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。
【0038】
また、カバー側部22は、該カバー側部22の厚みがドーム部21の厚み以下になるように構成されている。より好適には、カバー側部22の厚みがドーム部21の厚みと均一になるように形成されることが好ましい。カバー側部22及びドーム部21の厚みは、透光性カバー20を透過する光の減衰を抑制し、優れた光透過性を実現するために、例えば、2.5mm以下であることが好ましく、1.5mm以下であることがより好ましい。また、カバー側部22及びドーム部21の厚みは、剛性を確保するために、例えば、1mm以上であることが好ましい。
【0039】
図2図4に示すように、装着部23は、透光性カバー20を照明ランプ本体10に取り付けた状態において、透光性カバー20の脱落を防止するように構成されている。具体的には、装着部23は、カバー側部22の後端の内、内面側近傍から後方に向けて延びて形成されており、照明ランプ本体10に対して透光性カバー20を取り付けた状態において、突出部14aの内面に装着されるように構成されている。照明ランプ本体10に対する透光性カバー20の装着態様は、様々な方法を採用することが可能であり、例えば、一方に形成された凹部と他方に形成された凸部とを嵌合させる態様であっても良いし、双方に形成されたねじ山を螺合させる態様であっても良いし、突出部14aの内側に透光性カバー20の装着部23を圧入する態様であっても良いし、突出部14aの内面と装着部23とを接着剤等により接着させる態様であっても良い。該装着部23が突出部14aに装着されることにより、透光性カバー20を照明ランプ本体10に対して取り付けることができる。
【0040】
[ソケットの構成]
図1に示すように、ソケット2は、照明ランプ1を装着可能に構成されている。また、ソケット2には、口金部15及び一対の電極ピン16を挿入可能な開口(図示せず)が設けられている。なお、ソケット2は、公知な種々の形状及び構造を採用することができるため、その詳細な説明を省略する。
【0041】
[照明器具の使用方法]
次に、本実施形態に係る照明器具100の使用例について説明する。図5に示すように、照明器具100は、例えば、設置台3に設置され、照明器具100の周囲を透光性パネル4で囲った状態で使用される。具体的には、設置台3にソケット2を取り付けた状態において、該ソケット2に形成された複数の開口に照明ランプ本体10の口金部15及び一対の電極ピン16を挿入する。該口金部15及び一対の電極ピン16を挿入した状態において、照明ランプ1を回転させることにより、一対の電極ピン16がソケット2に固定され、照明ランプ1をソケット2に取り付けることができる。すなわち、照明ランプ1を設置台3に取り付けることができる。また、ソケット2を介して設置台3と照明ランプ1が電気的に接続される。
【0042】
次に、照明器具100の周囲を覆うようにして透光性パネル4を設置台3に嵌め込むように取り付ける。この状態において、設置台3に設けられた配線を施設等の電源と接続し、使用者が設置台3に設けられたスイッチや遠隔操作手段(リモートコントローラ)等を操作することで、施設等から供給される電力が設置台3、ソケット2、電極ピン16及び電気回路を介して光源11まで供給され、光源11が発光し、透光性パネル4をぼんやりと光らすことができる。この際、図5に示すように、本実施形態に係る照明ランプ本体10は、透光性カバー20の前面方向だけでなく、側面方向の広範囲に亘って明るく照らすことができる。すなわち、透光性カバー20の後部領域RAまで明るく照らすことができるため、透光性パネル4を外側から見たときに、透光性パネル4の略全域に亘って明るく照らすことができる。
【0043】
[第1の実施形態に係る照明器具の利点]
このように、本実施形態に係る照明ランプ1は、光源11及び該光源11を実装した基板12を有する照明ランプ本体10と、該照明ランプ本体10の出射面側を覆うドーム部21、及び該ドーム部21の外縁から照明ランプ本体10側に向けて延びるカバー側部22を有し、照明ランプ本体10に対して取り付け可能に構成された透光性カバー20とを備え、カバー側部22の厚みがドーム部21の厚み以下である。
【0044】
このような構成を備える照明ランプ1によれば、透光性カバー20の拡散面がドーム状に形成されているため、透光性カバー20の前面方向のみならず、側面方向にまで光を拡散させることができる。よって、透光性カバー20の表面全体を明るく照らすことができる。このため、本実施実施形態に係る照明ランプ1によれば、デザイン性の高い照明態様を実現することができる。
【0045】
また、本実施形態に係る照明ランプ1において、カバー側部22の厚みがドーム部21の厚みと均一である。このような構成を備える照明ランプ1によれば、カバー側部22の厚みがドーム部21の厚みと均一の厚みで形成されているため、透光性カバー20の前面方向と側面方向とで、光の透過率を略一致させることができ、透光性カバー20の表面部分全体を明るく照らすことができる。
【0046】
さらに、本実施形態に係る照明ランプ1において、照明ランプ本体10は、基板12と交差する方向に沿って延びる側面部14を更に備え、基板12は、側面部14で囲われた空間内に配置されており、側面部14は、光源11の発光面よりも出射方向側に向けて突出した突出部14aを備え、突出部14aの出射方向に沿う長さは、光源11の発光面からドーム部21の内面の頂点までの出射方向に沿う距離の20%以下である。このような構成を備える照明ランプ1によれば、突出部14aの出射方向に沿う長さが光源11の発光面からドーム部21の内面の頂点までの出射方向に沿う距離の20%以下で形成されているため、透光性カバー20の側面方向を透過した光を遮る障害が小さくなり、透光性カバー20の前面方向のみならず、側面方向を広範囲に亘って明るく照らすことができる。
【0047】
またさらに、本実施形態に係る照明ランプ1において、突出部14aは、カバー側部22よりも短い長さを有する。このような構成を備える照明ランプ1によれば、突出部14aがカバー側部22よりも短い長さで形成されているため、透光性カバー20の側面方向を透過した光を遮る部分が小さくなり、透光性カバー20の前面方向のみならず、側面方向を広範囲に亘って明るく照らすことができる。
【0048】
また、本実施形態に係る照明ランプ1において、透光性カバー20は、照明ランプ本体10の外径よりも小さい外径を有する。このような構成を備える照明ランプ1によれば、透光性カバー20の外径を照明ランプ本体10の外径よりも小さくすることで、カバー側部22の厚みをドーム部21の厚み以下、好ましくはドーム部21の厚みと均一に形成することができる。
【0049】
[第2の実施形態]
第2実施形態に係る照明器具200について説明する。なお、第1実施形態に係る照明器具100と同一の構成を備えるものについては、同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。また、第2実施形態に係る照明器具200の使用方法については、第1実施形態に係る照明器具100の使用方法と同一であるため、その説明を省略する。
【0050】
第2の実施形態に係る照明器具200は、透光性カバー20´のカバー側部22´が照明ランプ本体10の外径よりも大きい内径を有し、該照明ランプ本体10の側方を覆うように構成されている点及び取付部24を有する点で第1の実施形態に係る照明器具100と異なる。以下、図面を用いて説明する。
【0051】
図6図8に示すように、透光性カバー20´は、照明ランプ本体10よりも大きい径を有している。具体的には、透光性カバー20´は、カバー側部22´の最も径が小さい部分における内径が、照明ランプ本体10の側面部14の最も径が大きい部分における外径よりも大きくなるよう形成されている。より具体的には、カバー側部22´の内径は、68mm以上であることが好ましく、70mm以上であることがより好ましい。
【0052】
図6図8に示すように、透光性カバー20´のドーム部21´は、第1の実施形態に係るドーム部21同様、前方に膨らんで形成されている。具体的には、図8に示すように、ドーム部21´の頂点と仮想線VLの基準とした始点とを通る直線SL1と、カバー側部22´の後端と前端を通る直線SL2とのなす角θ´が90°よりも大きい角度となるよう形成されており、好ましくは、100°以上となるよう形成されている。また、ドーム部21´は、この直線SL1と直線SL2とのなす角θ´が125°以下となるよう形成されていることが好ましく、120°以下となるよう形成されていることがより好ましい。
【0053】
また、ドーム部21´は、第1の実施形態に係るドーム部21同様、前方方向において、光源11から出射された光がドーム部21´に反射してカバー側部22´まで光を拡散するのに十分な膨らみを有している。具体的には、図8に示すように、光源11の発光面からドーム部21´の内面の頂点までの前後方向に沿う距離L2´が透光性カバー20´の内径の長さの32%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。より具体的には、光源11の発光面からドーム部21´の内面の頂点までの前後方向に沿う距離L2´は、5mm以上25mm以下であることが好ましく、10mm以上15mm以下であることがより好ましい。
【0054】
また、突出部14aの前後方向に沿う長さL1は、第1の実施形態と同様に、光源11の発光面からドーム部21´の内面の頂点までの前後方向に沿う距離L2´の20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。
【0055】
さらに、透光性カバー20´は、カバー側部22´が照明ランプ本体10の側方を覆うように構成されている。具体的には、図7及び図8に示すように、カバー側部22´は、ドーム部21´の後端から側面部14の後端まで延びて形成されている。図8に示すように、カバー側部22´の前後方向に沿う長さ、すなわち、仮想線VLからカバー側部22´の後端までの長さL4´は、側面部14の長さL3よりも長い長さで形成されている。なお、側面部14の長さL3は、10mm以上となるよう形成されていることが好ましく、15mm以上となるよう形成されていることがより好ましい。
【0056】
取付部24は、カバー側部22´の内面又は照明ランプ本体10の側面部14の外面のいずれか一方に形成されている。具体的には、図7及び図9に示すように、取付部24は、カバー側部22´の内面の内、後端部近傍に周方向に沿って間隔を置いて複数(図示の例では120°間隔で3つ)配置されており、カバー側部22´から内側に向けて突出する断面略三角形状を有する突起である。
【0057】
また、図7及び図9に示すように、側面部14の外面には、透光性カバー20´を照明ランプ本体10に対して取り付けた状態において、各取付部24と対応する位置にそれぞれ、該取付部24と係合可能な取付溝14bが形成されている。該取付溝14bと取付部24とが係合することにより、透光性カバー20´を照明ランプ本体10に対して相対回転不能な状態で取り付けることができる。
【0058】
なお、本実施形態において、取付部24は、透光性カバー20´のカバー側部22´の内面に複数形成されており、照明ランプ本体10の側面部14に取付部24と係合可能な取付溝14bが形成されているものとして説明したが、これに限定されず、カバー側部22´の内面に取付溝が形成され、側面部14の外面に取付部が形成される態様であっても良い。また、取付部24は、一方に形成された凹部と他方に形成された凸部とを嵌合させる態様の他、例えば、双方に形成されたねじ山を螺合させる構成等の種々の任意の構成を採用することが可能である。
【0059】
[第2の実施形態に係る照明器具の利点]
以上説明したとおり、第2実施形態に係る照明ランプ1´は、カバー側部22´の内面又は照明ランプ本体10の側面部14の外面のいずれか一方に、透光性カバー20´を照明ランプ本体10に取り付け可能な取付部24を備えている。
【0060】
このような構成を備える照明ランプ1´によっても、カバー側部22´の厚みをドーム部21´の厚み以下、好ましくは均一にすることが可能であるため、上述した第1実施形態に係る照明ランプ1と同様の利点を有している。
【0061】
[変形例]
本発明に係る照明器具は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において種々の改変を行なうことができる。
【0062】
例えば、上述した実施形態では、カバー側部22の厚みは、ドーム部21の厚みと均一なものとして説明したが、これに限定されず、カバー側部22の厚みがドーム部21の厚みよりも薄い厚みを有していても良い。
【0063】
また、上述した実施形態では、側面部14は、光源11の発光面よりも出射方向側に向けて突出した突出部14aを備えているものとして説明したが、これに限定されず、例えば、側面部14の前端が前後方向において光源11の発光面と一致する位置又は後方に存在しており、突出部14aを形成しない態様としても良い。
【0064】
さらに、上述した実施形態では、取付部24は、カバー側部22´の内面又は照明ランプ本体10の側面部14の外面のいずれか一方に形成されているものとして説明したが、これに限定されず、例えば、取付部24を設けず、カバー側部22´及び側面部14を装着させる態様であっても良い。
【0065】
また、上述した実施形態では、照明ランプ本体10は、口金部15を備えるものとして説明したが、これに限定されず、口金部15を備えない構成であっても良い。すなわち、本明細書において、「ランプ」には、例えば照明モジュールのような、口金部を備えない態様の照明手段も含まれている。
【0066】
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0067】
1 照明ランプ
1´ 照明ランプ
2 ソケット
3 設置台
4 透光性パネル
10 照明ランプ本体
11 光源
12 基板
13 底面部
14 側面部
14a 突出部
14b 取付溝
15 口金部
16 電極ピン
20 透光性カバー
20´ 透光性カバー
21 ドーム部
21´ ドーム部
22 カバー側部
22´ カバー側部
23 装着部
24 取付部
100 照明器具
200 照明器具
S 空間
VL 仮想線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10