(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048407
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】押出プレス装置の製品ガイド装置
(51)【国際特許分類】
B21C 35/02 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
B21C35/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157704
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】UBEマシナリー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】野々上 奨
【テーマコード(参考)】
4E029
【Fターム(参考)】
4E029WA05
(57)【要約】
【課題】プラテンホール内にコイラーシュートやプラー装置を進入させる場合に障害にならず、押出製品が、ダイスから押し出される高さとイニシャルテーブルの高さの差異を接続するような傾斜面を形成可能な製品ガイド装置を提供する。
【解決手段】エンドプラテン10のプラテンホール10a内に配置され、押出製品1を、エンドプラテン10の押出製品1の出口側に配置されるイニシャルテーブル20に案内するガイドプレート51を備える、押出プレス装置の製品ガイド装置であって、ガイドプレート51の傾転により、ガイドプレート51のイニシャルテーブル20側を下降可能に支持するガイドプレート傾転軸部52と、ガイドプレート51を傾転させるガイドプレート傾転駆動部53と、を備えることを特徴とする、押出プレス装置の製品ガイド装置によって達成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドプラテンのプラテンホール内に配置され、押出製品を、該エンドプラテンの該押出製品の出口側に配置されるイニシャルテーブルに案内するガイドプレートを備える、押出プレス装置の製品ガイド装置であって、
前記ガイドプレートの傾転により、前記ガイドプレートの前記イニシャルテーブル側を下降可能に支持するガイドプレート傾転軸部と、
前記ガイドプレートを傾転させるガイドプレート傾転駆動部と、
を備えることを特徴とする、押出プレス装置の製品ガイド装置。
【請求項2】
前記ガイドプレート傾転駆動部が、シリンダ本体部に対して摺動するシリンダロッドを備えるシリンダであって、
前記シリンダ本体部が、前記エンドプラテンの前記イニシャルテーブル側の端面に配置され、
前記シリンダロッドの先端部位と、前記ガイドプレートの前記イニシャルテーブル側と、が、前記ガイドプレートを傾転可能に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の押出プレス装置の製品ガイド装置。
【請求項3】
前記シリンダロッドの前記先端部位と、前記ガイドプレートの前記イニシャルテーブル側と、が、前記ガイドプレートの傾転角を調整可能な傾転角調整機構を介して接続されることを特徴とする、請求項2に記載の押出プレス装置の製品ガイド装置。
【請求項4】
前記シリンダが、前記シリンダロッドを、前記シリンダ本体の両端から突出させた両ロッドシリンダであって、一方の前記シリンダロッドの先端部位が、前記ガイドプレートの前記イニシャルテーブル側と接続され、他方の前記シリンダロッドの先端部位に、前記ガイドプレートの傾転角を調整可能な傾転角調整機構が配置されることを特徴とする、請求項2に記載の押出プレス装置の製品ガイド装置。
【請求項5】
前記傾転角調整機構が、前記シリンダの前記シリンダロッドの摺動ストロークを調整するように構成されていることを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の押出プレス装置の製品ガイド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出プレス装置の製品ガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
押出プレス装置において、
図1に示すように、ダイス(図示せず)から押し出された押出製品1は、エンドプラテン10のプラテンホール10aを経由して、エンドプラテン10の押出製品1の出口側に配置されるイニシャルテーブル20に移動する。押出製品1がイニシャルテーブルにスムーズに移動するために、プラテンホール10a内には固定式の製品ガイド30が配置される。
図1は銅合金等の比較的柔らかい金属材料を押し出す間接押出プレス装置のエンドプラテンのプラテンホール近傍の断面図である。10bはエンドプラテンに埋設されるプレッシャーリングで、40は、図示しない固定部材でエンドプラテン端面に固定されるダイステムで、40aは、ダイステム内面に配置される、カーボン等から構成されるガイドパイプである。
【0003】
ここで、銅合金等の押出製品は、ダイスから押し出される高さと固定式の製品ガイド30高さとの差異が大きい場合、ダイスから出た時点で曲がりが発生してしまい、後面設備での曲がりの矯正が困難な場合がある(
図1のP部)。押出製品1が、ダイスから押し出される高さとイニシャルテーブルの高さの差異を接続するような傾斜面を有する製品ガイドをプラテンホール10a内に配置できれば良いが、プラテンホール10a内にコイラーシュートやプラー装置を進入させる場合があり、また、押出製品毎にダイスから押し出される高さが異なるため、このような傾斜面を有した製品ガイドのプラテンホール内への配置は困難であった。
【0004】
このようなダイスから押出された押出製品の曲がりを矯正する特許文献1の製品矯正ガイド装置が考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の製品矯正ガイド装置は、様々な方向の曲がりが矯正できるものの、エンドプラテン端面に関連する複数の構成が配置されるため、エンドプラテン及びイニシャルテーブル間に所定のスペースが必要になるという問題がある。このような製品矯正ガイド装置に依らず、上述したように、プラテンホール10a内にコイラーシュートやプラー装置を進入させる場合に障害にならず、押出製品1が、ダイスから押し出される高さとイニシャルテーブルの高さの差異を接続するような傾斜面を形成可能な製品ガイド装置が切望される。
【0007】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたもので、プラテンホール内にコイラーシュートやプラー装置を進入させる場合に障害にならず、押出製品が、ダイスから押し出される高さとイニシャルテーブルの高さの差異を接続するような傾斜面を形成可能な製品ガイド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、エンドプラテンのプラテンホール内に配置され、押出製品を、該エンドプラテンの該押出製品の出口側に配置されるイニシャルテーブルに案内するガイドプレートを備える、押出プレス装置の製品ガイド装置であって、
前記ガイドプレートの傾転により、前記ガイドプレートの前記イニシャルテーブル側を下降可能に支持するガイドプレート傾転軸部と、
前記ガイドプレートを傾転させるガイドプレート傾転駆動部と、
を備えることを特徴とする、押出プレス装置の製品ガイド装置によって達成される。
【0009】
また、本発明に係る、押出プレス装置の製品ガイド装置においては、前記ガイドプレート傾転駆動部が、シリンダ本体部に対して摺動するシリンダロッドを備えるシリンダであって、
前記シリンダ本体部が、前記エンドプラテンの前記イニシャルテーブル側の端面に配置され、
前記シリンダロッドの先端部位と、前記ガイドプレートの前記イニシャルテーブル側と、が、前記ガイドプレートを傾転可能に接続されることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係る、押出プレス装置の製品ガイド装置においては、前記シリンダロッドの前記先端部位と、前記ガイドプレートの前記イニシャルテーブル側と、が、前記ガイドプレートの傾転角を調整可能な傾転角調整機構を介して接続されても良い。
【0011】
またさらに、本発明に係る、押出プレス装置の製品ガイド装置においては、前記シリンダが、前記シリンダロッドを、前記シリンダ本体の両端から突出させた両ロッドシリンダであって、一方の前記シリンダロッドの先端部位が、前記ガイドプレートの前記イニシャルテーブル側と接続され、他方の前記シリンダロッドの先端部位に、前記ガイドプレートの傾転角を調整可能な傾転角調整機構が配置されても良い。
【0012】
そして、前記傾転角調整機構が、前記シリンダの前記シリンダロッドの摺動ストロークを調整するように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る、押出プレス装置の製品ガイド装置は、エンドプラテンのプラテンホール内に配置され、押出製品を、該エンドプラテンの該押出製品の出口側に配置されるイニシャルテーブルに案内するガイドプレートを備える、押出プレス装置の製品ガイド装置であって、
前記ガイドプレートの傾転により、前記ガイドプレートの前記イニシャルテーブル側を下降可能に支持するガイドプレート傾転軸部と、
前記ガイドプレートを傾転させるガイドプレート傾転駆動部と、
を備えるため、プラテンホール内にコイラーシュートやプラー装置を進入させる場合に障害にならず、押出製品が、ダイスから押し出される高さとイニシャルテーブルの高さの差異を接続するような傾斜面を形成可能な製品ガイド装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】従来の製品ガイドを示す間接押出プレス装置のエンドプラテン近傍の概略断面側面図である。
【
図2】第1実施形態に係る間接押出プレス装置のエンドプラテン近傍の概略断面側面図である。
【
図3】ガイドプレート傾転駆動部及び傾転角調整機構の詳細を示す概略図である。
【
図4】ガイドプレート傾転駆動部及び傾転角調整機構の別形態を示す概略図である。
【
図5】ガイドプレート傾転駆動部の別配置時のブラケットを示す概略図である。
【
図6】第2実施形態に係る間接押出プレス装置のエンドプラテン近傍の概略断面平面図である。
【
図7】ガイドプレート傾転駆動部及び傾転角調整機構の詳細を示す概略図である。
【
図8】ガイドプレート傾転駆動部及び傾転角調整機構の別形態を示す概略図である。
【
図9】傾転角調整機構の別形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る、押出プレス装置の製品ガイド装置50について、
図2から
図5を参照しながら説明する。
図2は、第1実施形態に係る間接押出プレス装置のエンドプラテン近傍の概略断面側面図である。なお、第1実施形態に係る押出プレス装置の製品ガイド装置50は、
図1に示す製品ガイド30のみ相違する。そのため、相違する製品ガイド装置50についてのみ説明し、
図1中に図示されている押出プレス装置と同じ構成については、同じ符号のみ付し、各構成についての説明は割愛する。
【0017】
第1実施形態に係る、押出プレス装置の製品ガイド装置50は、エンドプラテン10のプラテンホール10a内に配置され、押出製品1を、エンドプラテン10の押出製品1の出口側に配置されるイニシャルテーブル20に案内するガイドプレート51を備える。また、ガイドプレート51の傾転により、ガイドプレート51のイニシャルテーブル20側を下降可能に支持するガイドプレート傾転軸部52と、ガイドプレート51を傾転させるガイドプレート傾転駆動部53と、を備える。
【0018】
ガイドプレート傾転駆動部53は、
図3に示すように、シリンダ本体部53aに対して摺動するシリンダロッド53bを備えるシリンダであって、シリンダ本体部53aが、ガイドプレート51の下方の、エンドプラテン10のイニシャルテーブル20側の端面に配置され、シリンダロッド53bの先端部位と、ガイドプレート51のイニシャルテーブル20側と、が、ガイドプレート51を傾転可能に接続される。
図3は、ガイドプレート傾転駆動部53及び後述する傾転角調整機構54の詳細を示す概略図である。
図3(a)が
図2のA矢視図で、
図3(b)が
図3(a)のB矢視図である。
【0019】
第1実施形態においては、シリンダロッド53bの先端部位と、ガイドプレート51のイニシャルテーブル20側と、が、ガイドプレート51の傾転角を調整可能な傾転角調整機構54を介して接続される。傾転角調整機構54は、例えば、
図3に示すように、おねじが加工されたシリンダロッド53bの先端部位と、ガイドプレート51下面に接続される、おねじが加工された調整ロッド54aとが、連結プレート54bにより連結されている。連結プレート54bは、シリンダロッド53bの先端部位及び調整ロッド54aとそれぞれナット54cで固定されている。シリンダロッド53bの先端部位と、調整ロッド54aとに対する連結プレート54bの位置を調整することにより、シリンダロッド53bの摺動ストロークを調整して、ガイドプレート傾転駆動部53を駆動した際の、ガイドプレート51の傾転角を好適に調整できる。
【0020】
また、第1実施形態の別形態として、
図4に示すような両ロッドシリンダを採用したガイドプレート傾転駆動部153であっても良い。具体的には、一方のシリンダロッド153bの先端部位が、ガイドプレート51のイニシャルテーブル20側下面と接続され、他方のシリンダロッド153cの先端部位に傾転角調整機構154が配置される。この場合の傾転角調整機構154は、他方のシリンダロッド153cの先端部位に、ナット54cにより位置調整可能に取り付けられるストッパブロック154aと、ストッパ154bとで構成される。
図4(c)に示すように、ストッパブロック154aではなく、ストッパ154bのボルト等での取り付け孔を長孔にした、位置調整が可能な形態が採用されても良い。このように、ストッパブロック154a、あるいは、ストッパ154bの位置を調整することにより、シリンダロッド153b、153cの摺動ストロークを調整して、ガイドプレート傾転駆動部153を駆動した際の、ガイドプレート51の傾転角を好適に調整できる。
図4(a)が
図2のA矢視図で、
図4(b)が
図4(a)のC矢視図であり、
図4(c)が位置調整可能なストッパ154bを示す。
【0021】
このような、ガイドプレート51、ガイドプレート傾転軸部52及びガイドプレート傾転駆動部53、153により、プラテンホール10a内にコイラーシュートやプラー装置を進入させる場合には、ガイドプレート51を水平状態にして、これら装置の進入の障害にならないようにし、製品押出時は、ガイドプレート傾転駆動部53、153を駆動させて、押出製品が、ダイスから押し出される高さとイニシャルテーブルの高さの差異を接続するような傾斜面を形成させて、押出製品の変形を抑制することができる。また、ガイドプレート傾転駆動部53、153が、ガイドプレート51と、傾転角調整機構54、154を介して接続されることにより、押出製品が、ダイスから押し出される高さに準じて、ガイドテーブル51の傾斜角を、押出製品の変形を抑制するために、より好適に調整することができる。
【0022】
また、ガイドプレート傾転駆動部53、153や傾転角調整機構54、154が、エンドプラテン10の端面に配置されるため、これら機構へのアクセス性が良く、メンテナンスやガイドプレート51の傾転角の調整が容易である。
【0023】
ここで、第1実施形態においては、ガイドプレート傾転駆動部53、153は、
図3に示すように、シリンダ本体部53aが、ガイドプレート51の下方の、エンドプラテン10のイニシャルテーブル20側の端面に配置される形態を説明した。しかしながら、
図5に示すように、ガイドプレート51の上方にブラケットを配置させて、これまで説明したガイドプレート傾転駆動部53、153が、ガイドプレート51の上方の、エンドプラテン10のイニシャルテーブル20側の端面に配置される形態であっても良い。
図5(a)がガイドプレート51の上方に配置されるブラケットの概略図で、
図5(b)が
図5(a)のD矢視図である。
【0024】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る、押出プレス装置の製品ガイド装置50について、
図6から
図9を参照しながら説明する。
図6は、第2実施形態に係る間接押出プレス装置のエンドプラテン近傍の概略断面平面図である。第2実施形態に係る製品ガイド装置50は、第1実施形態に係る押出プレス装置の製品ガイド装置50と、ガイドプレート傾転駆動部の位置と、傾転角調整機構が異なる。そのため、相違する構成についてのみ説明する。
【0025】
第2実施形態に係る、押出プレス装置の製品ガイド装置50は、ガイドプレート傾転駆動部253のシリンダ本体部53aが、ガイドプレート51の側方の、エンドプラテン10のイニシャルテーブル20側の端面に配置され、シリンダロッド53bの先端部位と、ガイドプレート51のイニシャルテーブル20側と、が、ガイドプレート51を傾転可能に接続される。
【0026】
ガイドプレート傾転駆動部253は、
図7に示すように、シリンダ本体部53aに対して摺動するシリンダロッド53bを備えるシリンダであって、シリンダ本体部53aが、ガイドプレート51の側方の、エンドプラテン10のイニシャルテーブル20側の端面に配置され、シリンダロッド53bの先端部位と、ガイドプレート51のイニシャルテーブル20側と、が、ガイドプレート51を傾転可能に接続される。
図7は、ガイドプレート傾転駆動部253及び後述する傾転角調整機構254の詳細を示す概略図である。
図7(a)が
図6のE矢視図で、
図7(b)が
図7(a)のF矢視図である。
【0027】
第2実施形態においては、シリンダロッド53bの先端部位と、ガイドプレート51のイニシャルテーブル20側と、が、ガイドプレート51の傾転角を調整可能な傾転角調整機構254を介して接続される。傾転角調整機構254は、例えば、
図7に示すように、おねじが加工されたシリンダロッド53bの先端部位と、ガイドプレート51下面に接続される、おねじが加工された調整ロッド254aとが、連結プレート254bにより連結されている。連結プレート254bは、シリンダロッド53bの先端部位及び調整ロッド254aとそれぞれナット54cで固定されている。ガイドプレート51のイニシャルテーブル20側の下面には、傾斜した開口部が形成された傾斜角プレート254cが取り付けられ、傾斜角プレート254cの開口部に挿入されるガイドローラ(図示せず)を備えるガイド部材254dが調整ロッド254aのガイドプレート51側の先端に取り付けられている。このような構造により、ガイドプレート駆動機構253を駆動させると、ガイド部材254dのガイドローラが、傾斜角プレート254cの開口部を移動し、ガイドテーブル51を傾転させることができる。そして、シリンダロッド53bの先端部位と、調整ロッド254aとに対する連結プレート254bの位置を調整することにより、シリンダロッド53bcの摺動ストロークを調整して、ガイドプレート傾転駆動部53を駆動した際の、ガイドプレート51の傾転角を好適に調整できる。
【0028】
また、第2実施形態の別形態として、
図8に示すような両ロッドシリンダを採用したガイドプレート傾転駆動部353であっても良い。具体的には、一方のシリンダロッド353bの先端部位が、ガイドプレート51のイニシャルテーブル20側下面の傾斜角プレート354cとガイドローラ(図示せず)を介し接続され、他方のシリンダロッド353cの先端部位に傾転角調整機構354が配置される。この場合の傾転角調整機構354は、他方のシリンダロッド353cの先端部位に、ナット54cにより位置調整可能に取り付けられるストッパブロック354aと、ストッパ354bとで構成される。
図8(c)に示すように、ストッパブロック354aではなく、ストッパ354bのボルト等での取り付け孔を長孔にした、位置調整が可能な形態が採用されても良い。このように、ストッパブロック354a、あるいは、ストッパ354bの位置を調整することにより、シリンダロッド353b、353cの摺動ストロークを調整して、ガイドプレート傾転駆動部353を駆動した際の、ガイドプレート51の傾転角を好適に調整できる。
図8(a)が
図6のE矢視図で、
図8(b)が
図8(a)のG矢視図であり、
図8(c)が位置調整可能なストッパ353bを示す。
【0029】
また、傾転角調整機構354は、
図9に示すように、傾斜角プレート254cの開口部の形状を変えることによっても、ガイドプレート51の傾転角を好適に調整できる。
図9(a)のように開口部の角度が大きい場合は、ガイドプレート傾転駆動部353の少ない駆動量でガイドプレート51の傾転角を大きく調整でき、
図9(b)のように開口部の角度が少ない場合は、ガイドプレート51の傾転角を小さく調整できる。
図9(c)のように開口部の位置を変えることによっても、ガイドプレート51の傾転角の調整に対応することができる。
【0030】
以上、発明を実施するための形態について、第1及び第2実施形態を説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された内容を逸脱しない範囲で、色々な形で実施できることは言うまでもない。
【0031】
第1、第2実施形態においては、銅合金等の比較的柔らかい金属材料を押し出す間接押出プレス装置を前提に説明したが、通常の直接押出プレス装置において、押出製品の断面積が小さく、ダイスから押し出される高さと固定式の製品ガイド30高さとの差異により、ダイスから出た時点で曲がりが発生してしまうような場合においても、本発明により押出製品の曲がりを抑制できる。
【0032】
また、第1、第2実施形態において、傾転角調整機構を備える形態を説明したが、ガイドプレートの傾転角を調整する必要がない場合、例えば、押出プレス装置のサイズが小さい場合や、同じ押出製品を押出成形する押出プレス装置の場合は、傾転角調整機構は必須ではなく、ガイドプレート傾転駆動部を駆動させて、状況に応じた一定の傾転角にガイドプレートが傾転されるように構成されればよい。
【符号の説明】
【0033】
1 押出製品、10 エンドプラテン、10a プラテンホール、10b プレッシャーリング、20 イニシャルテーブル、30 製品ガイド(固定式)、40 ダイステム、40a ガイドパイプ、50 製品ガイド装置、51 ガイドプレート、52 ガイドプレート傾転軸部、53 ガイドプレート傾転駆動部、53a シリンダ本体部、53b シリンダロッド、54 傾斜角調整機構、54a 調整ロッド、54b 連結プレート、54c ナット、
153 ガイドプレート傾転駆動部、153b/153c シリンダロッド、154 傾転角調整機構、154a ストッパブロック、154b ストッパ、
253 ガイドプレート傾転駆動部、254 傾転角調整機構、254a 調整ロッド、254b 連結プレート、254c 傾斜角プレート、254d ガイド部材、
353 ガイドプレート傾転駆動部、353b/353c シリンダロッド、354 傾転角調整機構、354a ストッパブロック、354b ストッパ、354c 傾斜角プレート、