(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004843
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】口角鈎器
(51)【国際特許分類】
A61B 90/96 20160101AFI20230110BHJP
A61C 5/90 20170101ALN20230110BHJP
【FI】
A61B90/96
A61C5/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016921
(22)【出願日】2022-02-07
(62)【分割の表示】P 2021105646の分割
【原出願日】2021-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】521280604
【氏名又は名称】久保 浩太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100173680
【弁理士】
【氏名又は名称】納口 慶太
(72)【発明者】
【氏名】久保 浩太郎
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA20
4C052FF07
4C052FF10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】単に口を広げるだけではなく、歯を含めてこの口の全体の撮影画像が傾かない、かつ指定の範囲を正確に容易に撮影させることができる一方、その口腔写真がどこの誰かを識別させることができる口角鈎器を提供する。
【解決手段】口角鈎器10は、右側外鍔20と、左側外鍔22とに二次元バーコード(QRコード(登録商標))を印字した右側本人認証識別コード板部16、左側本人認証識別コード板部18を設け、右側本人認証識別コード板部16と左側本人認証識別コード板部18との近くのアーム24を手で持ち、バネ力に抗して内側に向かって押し込むことにより、患者の口腔に装着し、右側本人認証識別コード12及び左側本人認証識別コード14を含めて撮影できる構成とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内に挿入されて撮影される口角鉤器であって、
口腔内に挿入されて、口角を押し広げるための一対の口角鉤と、この一対の口角鉤に連結された略U字状のアームとを備え、
口の外側となる左右又は一方の鍔には、
口腔に挿入された被挿入者を識別するための所定サイズの識別子が印字又は貼り付けられた識別子部を有している
ことを特徴とする口角鉤器。
【請求項2】
前記識別子は、二次元バーコード又は一次元バーコードであることを特徴とする請求項1記載の口角鉤器。
【請求項3】
前記識別子部は、板であり、縦幅は前記鍔の上側突起と下側突起程度にされ、かつ外側端は、引っ張るための凸部を形成していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の口角鉤器。
【請求項4】
前記左右又は一方の鍔には、孔が縦軸上に所定間隔で形成されており、
前記識別子部は前記孔に勘合する凸ピンを有し、
この識別部と前記鍔とは、前記孔と前記凸ピンとで勘合させられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の口角鉤器。
【請求項5】
前記アームには、
このアームの左右を跨ぐ横バーを接続しており、
この横バーは、左右に摺動するスライダーを有し、このスライダーには、一端が上唇までとなる所定長さの色付きの縦棒の他端が固着されていることを特徴とする請求項1記載の口角鉤器。
【請求項6】
前記横バーと前記アームとは、所定長の支柱部材によって着脱可能に接続されていることを特徴とする請求項5記載の口角鈎器。
【請求項7】
前記横バーには、目盛りが刻印されていることを特徴とする請求項5記載の口角鈎器。
【請求項8】
前記目盛りは、前記横バーの中央を基準にして、左右に一定間隔で整数値又は縦刻印とこの整数値が刻印されていることを特徴とする請求項7記載の口角鈎器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口角鈎器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、初診又は再初診の患者の口腔を撮影し、この撮影した写真画像(以下、口腔写真という)をコンピュータ画面に表示して、患者の口腔がどのように変わって行くかを説明した後に、治療を行うようにしている場合がある。また、口腔写真からデンタルチャートに記録して口腔写真と共に歯科用医療機器データベースに登録して、将来の身元確認に用いる場合もある。
【0003】
一方、近年は歯科医が遠隔地点にいる方又は来院できない方用に、歯科医師の責任のもとで医学的に可能だと判断した場合に、口腔内の状況や基礎疾患の情報を把握した上で、リモートで診断や処方等を行う行うことも多くなってきた。この診断や処方を行うための撮影及び通信手段としてスマートフォンを用いるシステムもある。
【0004】
このような場合でも、口腔内写真画像を用いて行うようにしている。口腔写真の撮影には、例えば特許文献1又は特許文献2のような口角鈎を用いるのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4486227号公報
【特許文献2】特開2011-30675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、口腔写真からデンタルチャートに記録して口腔写真と共に歯科用医療機器データベースに登録しても、その照合は人手によるものであるから時間を要する。
また、従来の口角鈎器は、例えば特許文献1及び特許文献2のように、もっぱら口(唇を含む)を広げるためのものである。
【0007】
さらに、口角鈎器を使用して口を広げたとしても、歯を含めてこの口の全体の撮影画像が傾かないようにスマートフォン等の撮影装置で撮影するのは容易ではない。
さらに、口腔鈎器で口を広げさせたとしても、歯科医の指示に従って、どこまでの範囲を収めて撮影すればよいかは分からない。
【0008】
本願発明は、単に口を広げるだけではなく、歯を含めてこの口の全体の撮影画像が傾かない、かつ指定の範囲を正確に容易に撮影させることができる一方、その口腔写真がどこの誰かを識別させることができる口角鈎器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る口角鈎器は、口腔内に挿入されて撮影される口角鉤器であって、
口腔内に挿入されて、口角を押し広げるための一対の口角鉤と、この一対の口角鉤に連結された略U字状のアームとを備え、
口の外側となる左右又は一方の鍔には、
口腔に挿入された被挿入者を識別するための所定サイズの識別子が印字又は貼り付けられた識別子部を有していることを特徴とする。
また、本発明の口角鈎器は、前記識別子は、二次元バーコード又は一次元バーコードであることを特徴とする。
また、本発明の口角鈎器は、前記識別子部は、板であり、縦幅は前記鍔の上側突起と下側突起程度にされ、かつ外側端は、引っ張るための凸部を形成していることを特徴とする。
また、本発明の口角鈎器は、前記左右又は一方の鍔には、孔が縦軸上に所定間隔で形成されており、
また、本発明の口角鈎器は、前記識別子部は前記孔に勘合する凸ピンを有し、
この識別部と前記鍔とは、前記孔と前記凸ピンとで勘合させられていることを特徴とする。
さらに、本発明の口角鈎器は、前記アームには、
このアームの左右を跨ぐ横バーを接続しており、
この横バーは、左右に摺動するスライダーを有し、このスライダーには、一端が上唇までとなる所定長さの色付きの縦棒の他端が固着されていることを特徴とする。
さらに、本発明の口角鈎器は、前記横バーと前記アームとは、所定長の支柱部材によって着脱可能に接続されていることを特徴とする。
さらに、本発明の口角鈎器は、前記横バーには、目盛りが刻印されていることを特徴とする。
さらに、本発明の口角鈎器は、前記目盛りは、前記横バーの中央を基準にして、左右に一定間隔で整数値又は縦刻印とこの整数値が刻印されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明によれば、単に口を広げるだけではなく、歯を含めてこの口の全体の撮影画像が傾かない、かつ指定の範囲を正確に容易に撮影させることができる一方、その口腔写真がどこの誰かを識別させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施1の形態の口角鈎器10を説明する斜視図である。
【
図2】
図2は
図1の口角鈎器10を上(A方向)から見た場合の図面である。
【
図5】口外右側鍔20と、QRコード(登録商標)付き右側本人認証識別コード板部16とを一体成型した場合の斜視図である。
【
図6】一次元バーコード13付の右側本人認証識別コード板17(左側は同様であるので省略する)とした例の斜視図である。
【
図7】本実施の形態の口角鈎器10の使用例の説明図(1)である。
【
図8】本実施の形態の口角鈎器10の使用例の説明図(2)である。
【
図9】実施の形態2の口角鈎器100を説明する斜視図である。
【
図10】実施の形態2の口角鈎器100の詳細説明図(1)である。
【
図11】実施の形態2の口角鈎器100の詳細説明図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施の形態1>
図1は本実施の形態1の口角鈎器10を説明する斜視図である。
図2は
図1の口角鈎器10を上(A方向)から見た場合の図面である。
図3は
図2の一部の拡大図である。口角鈎器10の材質は、プラスチック、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態1の口角鈎器10は、右側外鍔20と、左側外鍔22とに二次元バーコード(QRコード(登録商標))を印字又はレベルで設けている。このQRコード(登録商標)は、右側は右側本人認証識別コード12と称し、左側は左側本人認証識別コード14と称する。
【0014】
また、この口角鈎器10は、左右一対の口角鉤(口外右側鍔20、口外左側鍔22)の下方は、略U字状のアーム24で連結(一体成型でもよい)している。このアームも、弾力性があるプラス チック、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材である。
【0015】
前述の右側本人認証識別コード12が設けられている板部を右側本人認証識別コード板部16と称し(識別子部ともいう)し、左側本人認証識別コード14が設けられている板部を左側本人認証識別コード板部18(識別子部ともいう)と称する。さらに、板部には、縦状の凸部が設けられている。この縦状の凸部は、指でつまんでさらに口を横に広げるためのものである。右側を右側縦凸部26と称し、左側を左側縦凸部28と称する。
【0016】
なお、
図1においては、右側本人認証識別コード12、右側本人認証識別コード板部16、左側本人認証識別コード14、左側本人認証識別コード板部18は拡大して示している。また、本実施の形態1の口腔鈎器10は横幅amm(120mm~150mm:好ましくは135mm)程度であり、口外右側鍔20の上端と口外左側鍔22の上端とを通る水平線(図示せず)からアーム24端までの長さは80mm~100mm(90mm程度が好ましい)であり、中、小サイズがある。
【0017】
一方、口角鈎器10を使用する場合には、右側本人認証識別コード板部16と左側本人認証識別コード板部18との近くのアーム24を手で持ち、バネ力に抗して内側に向かって押し込むことにより、口角鈎の幅寸法を縮小させてから、患者の口腔内に挿入させて口角(唇)の両側部に引っ掛ける。
【0018】
そして、アーム24から手を離すと、バネアームの復帰力により左右の口角鉤が開く方向に移動して口角が左右に押し広げられる。これによって、口腔内の診査、診療、撮影等を可能となる。
【0019】
すなわち、左右の鍔(口外右側鍔20、口外左側鍔22)にQRコード(登録商標)付のバーコード板部(右側本人認証識別コード板部16、左側本人認証識別コード板部18)を一体化又は連結しているので、撮影者(看護師、介護者、リモート者(診察要求者)等)は、右側本人認証識別コード12及び左側本人認証識別コード14を含めて撮影することになるので、唇を横、上下に広げた状態(口全体)で歯を収まるように撮影できる。
【0020】
そして、これらのバーコードは、左右共に、患者の識別情報(患者住所、氏名、年齢、性別、電話番号、保険証番号、マイナンバー番号、口角鈎提供歯科医情報等)であるので、例えば、口腔画像をセンターに通信ネットワークで送信して記憶させた場合は、この撮影画像のバーコード(QRコード(登録商標))を解析することで、どこの誰であるかを把握させることができる。
【0021】
さらに、本実施の形態1の口角鈎器10は、右側本人認証識別コード板部16及び左側本人認証識別コード板部18板には、縦状の凸部が設けられている。この縦状の凸部は、指でつまんでさらに口を横に広げるためのものである。右側を右側縦凸部26と称し、左側を左側縦凸部28と称する。
【0022】
右側本人認証識別コード板部16及び左側本人認証識別コード板部18のサイズは、縦横(b)が10mm~40mm程度(例えば、15mm又は24mm)、厚みが2mm~4mm(例えば、3.5mm)が好ましい。
【0023】
従って、右側縦凸部26及び左側縦凸部28を指でつまみながら広げることができるので歯の奥部側まで撮影可能となる。
【0024】
図2に示すように、本実施の形態1の口角鈎器10は、右側口角鉤部10aと、左側口角鈎部10bとが左右一対で成型されている(いずれか一方でも構わな)。
【0025】
右側口角鉤部10aは、略三日月状の部材(以下、右側三日月状部材34という)を挟んで口腔内右側鍔30と口外右側鍔20とを成型している。この右側三日月状部材34の厚み「m:
図3参照」は、2mm~4mm程度であり(34a参照(例えば。3.5mm))、幅は
図3に示すようにr(8mm~1.5mm:好ましくは9mm)程度である。
また、口腔内右側鍔30(口外右側鍔20)は、厚みは、2mm~4mm程度である(例えば。3.5mm))。この口腔内右側鍔30(口外右側鍔20)は、湾曲していてもよいし、34aから少しの角度(水平軸から3度~8度)の傾斜で直線上にしていてもか
まらない。また、口腔内右側鍔30(口外右側鍔20)の外側縁のR(半径)は18mm~22mm程度(例えば、20mm)であり、内側縁のR(半径)は13mm~18mm程度(例えば、16mm)であり、内側縁と外側縁とは最大で10mm程度(例えば、8mm)である。
【0026】
一方、左側口角鉤部10bは同様に、略三日月状の部材(以下、左側三日月状部材36という)を挟んで口腔内左側鍔32と口外左側鍔22とを成型している。この左側三日月状部材36の厚みも、2mm~4mm程度である(34b参照)。
【0027】
また、
図2に示すように、口腔内右側鍔30及び口腔内左側鍔32は内側方向に湾曲しており、口外右側鍔20及び口外左側鍔22は直線状になっている(多少内側に湾曲してもよい)。
【0028】
そして、右側本人認証識別コード板部16が右側外鍔20に連結され、左側本人認証識別コード板部18が左側外鍔22に連結(一体成型してもよい)されている。
【0029】
右側口角鉤部10a(左側口角鉤部10bは同様であるので説明を省略する)について
図3を用いて説明する。
右側本人認証識別コード板部16は、右側ピン36(凸ピンともいう)により右側外鍔20に連結されている(接着材で固定してもよい)。右側ピン36(左側ピン)の直径は、3mm~5mm程度(例えば4mm)が好ましい。
【0030】
右側本人認証識別コード板部16の右側縦凸部26は、横幅dが3mm~4mm程度が好ましい。また、右側本人認証識別コード板部16の右側本人認証識別コード12の部分(f)は、右側縦凸部26から2mm~3mmの間隔(g)をおいて印字又は貼り付けられている(白色の上に印字するのかが好ましい)。
【0031】
また、右側ピン36の左端から右側本人認証識別コード板部16の左端は、「k」mm(5mm~8mm)程度である。
【0032】
図4は右側口角鉤部10aの斜視図である。なお、
図4は右側ピン36(36a、36b)で右側外鍔20に連結した例である。右側ピン36(36a、36b:凸)で連結する効果を説明する。
【0033】
なお、右側ピン36(36a、36b)をはめ込むための孔(図示せず:直径3mm~5mm程度(これより0.1mm~0.3mm程度小さいのが好ましい)が貫通成型されている。
なお、この孔(上側孔、下側孔)は、右側外鍔20の中心(1mm又は2mm程度ずれても構わない)を通る水平線Li(
図9参照)を直角(1mm又は2mm程度ずれても構わない)に通る垂直線(図示せず)上において、前述の中心から上及び下の5mm~9mm(好ましくは、6mm)の位置に設けられている。
【0034】
口角鈎器10を使用する場合には、右側本人認証識別コード板部16と左側本人認証識別コード板部18との近くのアーム24を手で持ち、バネ力に抗して内側に向かって押し込むことにより、口角鈎の幅寸法を縮小させてから、患者の口腔内に挿入させて口角(唇)の両側部に引っ掛けるが、本実施の形態ではQRコード(登録商標)付きの右側口角鉤部10a(左側口角鉤部10bは同様であるので説明を省略する)にしているので、右側口角鉤部10a(左側口角鉤部10bは同様であるので説明を省略する)が邪魔になって入れにくい場合がある。
【0035】
このため、患者の口腔内に挿入させて口角(唇)の両側部に引っ掛けて挿入した後に、右側ピン36(36a、36b)で右側本人認証識別コード板部16を連結することで、解消できる。
【0036】
<他の実施の形態>
図5は口外右側鍔20と、QRコード(登録商標)付き右側本人認証識別コード板部16とを一体成型した場合の斜視図である。
【0037】
図6はQRコード(登録商標)付き右側本人認証識別コード板部16に代えて一次元バーコード13付の右側本人認証識別コード板17(左側は同様であるので省略する)とした例の斜視図である。この右側本人認証識別コード板17(縦15mm~30mm程度、横8mm~15mm程度)は、右側ピン36(36a、36b)で口外右側鍔20に連結されている(一体成型しても構わない)。
【0038】
左右とも一次元バーコード13付のバーコード板にした場合は、左右の外側鍔(20、22)とほぼ同じ程度の幅になる。
【0039】
また、スマフォ、カメラ等の撮影装置で
図6の口角鈎器を撮影する場合は、撮影装置の画面に横線を表示し、この横線に左右の一次元バーコードの中央付近の横バーを容易に合わせることができる。また、QRコード(登録商標)の場合よりも幅も狭いので、撮影装置で口全体を撮影しやすい。
図7は本実施の形態の口角鈎器10の使用例の説明図であり、遠隔歯科診療等の例である。本実施の口角鈎器10を患者の口に装着させた状態にする。
そして、スマートフォン(以下、スマフォ40という)のカメラ42又は、パソコン60に接続されたカメラ50で撮影する。
図7のスマフォ40又はパソコン60に示すように、画面には、患者の口に装着されたQRコード(登録商標)付の口角鈎器10の画像(以下、識別子付き口角鈎器口腔写真10Aという)が表示される。
【0040】
この識別子付き口角鈎器口腔写真10Aを通信ネットワーク(専用回線、インターネット回線等)で認証サイト80(サーバ)に送信する。この送信にあたっては、図示しない患者識別情報(氏名、電話番号、メールアドレス、年齢、性別)を入力させるための画面を表示させ、この患者識別情報を識別子付き口角鈎器口腔写真10Aに付加して送信させる。
【0041】
認証サイト80では、識別子付き口角鈎器口腔写真10Aをメモリに記憶し(患者識別情報を含む)、識別子付き口角鈎器口腔写真10Aに含まれている口の形、歯の形、並び等(以下総称して歯情報という)の特徴点を求め、これらを認証情報として記憶する。
【0042】
そして、何等かの理由で公的機関から通信ネットワークを介して口を開いた状態で、口を撮影した画像(以下、被検査画像という)が送られてきた場合は、この被検査画像に含まれているの口を開いた(口角鈎を用いるのが好ましい)状態での画像より、口の形、歯の形、並び等の特徴点(以下、被検査画像特徴)を求め、この被検査画像特徴特徴点と認証情報の特徴点とを照合して、同一の人の歯情報かどうかを判断する。同一と判断した場合は、認証情報に含まれている患者識別情報(QRコード(登録商標)又は一次元バーコード)と照合して、どこの誰かを検出(住所、電話番号、氏名、年齢、性別、口角鈎器提供歯科医師情報等)する。
【0043】
前述の識別子付き口角鈎器口腔写真10Aは、図示しない歯科医端末(サーバ、パソコン含む)を送信し、歯科医側で
図8に示すデンタルチャートに、必要事項(歯の数、虫歯の有無、並び、諸見等)を書き込む。デンタルチャートには、患者IDコードを書き込む。
【0044】
そして、歯科医端末を操作して識別子付き口角鈎器口腔写真10Aを関連付けて登録させるのが好ましい。従って、被検査画像に、そのときのデンタルチャート(口角鈎器口腔写真10A付)を含ませて送信させると、予め記憶されているデンタルチャート(口角鈎器口腔写真10A付)と照合して、さらに照合精度を向上させることができる。
【0045】
<実施の形態2>
歯科医が口角鈎写真を撮影させる場合には、口全体もあるし、両脇、奥歯側を撮影させたい場合もある。しかし、遠隔ではどのあたりかは患者が分からないし、歯科医側でもどこの範囲かを指示するのに戸惑うことがある。このようなことを解消するのが実施の形態2である。
【0046】
図9は実施の形態2の口角鈎器100を説明する斜視図である。
図10及び
図11は実施の形態2の口角鈎器100の詳細説明図である。
【0047】
実施の形態2の口角鈎器100は、縦棒116付きのスライダー114付の横バー112をアーム24に連接している。口角鈎器100の材質は、プラスチック、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材である。
【0048】
この縦棒116(幅3mm~5mm、縦長30mm~55mm)には、
図9、
図10(a)、
図10(c)に示すように、表面には色116が施されている。また、図示しないが横バー112には、目盛(5mm、1cm間隔)が左右の端にわたる範囲に施されている。
【0049】
例えば、横バー112の両端(内側端又は外側端)の中心(基準位置)から左右に例えば1cm間隔で、「1」、「2」、「3」、「4」・・:整数と刻印している。右側は「‐1」、「‐2」、「‐3」、「‐4」・・と刻印し、左側は「+1」、「+2」、「+3」、「+4」と刻印するのが好ましい。さらに、これらの数字と共に、1cm間隔で目盛りを刻印し、各々のcm単位の間に5mm目盛りを刻印してもよい。なお、基準位置には「0」を刻印するのが好ましい。
【0050】
もしくは、横バー112のいずれか一方端(内側端又は外側端)から左右に1cm、2cm、3cm、4cm、5cm、6cm、7cm・・と目盛り刻印し、各々のcm単位の間に5mm目盛りを刻印する。
【0051】
図9に示すように、横バー112の端部(左右とも)には、ピン113(113A、113B)が設けられており、このピン113(113A、113B)の中心は、右側口角鉤部10aの外右側鍔20の中心と、左側口角鉤部10bの口外左側鍔22の中心を通る横線Liから下方にJmm程度(20mm~50mm:例えば40mm)の位置となる。
【0052】
また、
図10(a)に示すように、スライダー114は左右に摺動可能にされている(
図10(c)参照)。さらに、
図10(b)に示すように、横バー112の端部(左右とも)には、ピン113(113A、113B)が着脱可能に設けられている(固着でも構わないが、着脱できることが好ましい)。ピン113はプラスチック製の打込ピン、ねじ、が好ましい。
【0053】
また、
図11(左側を示す)に示すように、横バー112(直線状が好ましいが、多少湾曲してもよい)は、支柱115によってアーム24との間隔がQ1(例えば、10mm~30mm)程度になるようにされている。Q2は、5mm~10mm、Q3は70mm~120mm、Q4は5mm~10mm程度が好ましい。
【0054】
なお、連結は左側ピン113B(右側は113A:プラスチック製の打込ピン、ねじ、が好ましい。)によって連結される。また、中心を通る横線Li(図示せず)から下方にJmm程度(20mm~50mm:例えば40mm)のアーム24の位置(左右とも)には、ホール114(例えば、直径2mm~4mm程度(例えば、3mm))を成型し、一方、アーム24に接する支柱115の面側には、凸型の左側止めピン113B´(右側も同様)を成型して、アーム24に接続固定にしている。
【0055】
なお、横バー112の材質は、湾曲できるように、例えば、ポリアミド樹脂(66ナイロン)でもよい。
【0056】
すなわち、アーム24を顎にかけたとしても、支柱115の長さがQ1(例えば、10mm~30mm)程度であるので、スライダー115(凹形状)を動かしても唇に縦棒116が当たらない。
【0057】
また、連結は左側ピン113B(右側は113A)にしているので、実施の形態1のように、口角鈎器100のアーム24を手で持ち、バネ力に抗して内側に向かって押し込むことにより、口角鈎の幅寸法を縮小させてから、患者の口腔内に挿入させて口角(唇)の両側部に引っ掛け、アーム24から手を離して装着した後に、と縦棒116付きのスライダー114付の横バー112(支柱113(左右)付)の左又は右の支柱、アーム24にそのピン(左側止めピン113B´(右側も同様))で連結して、その後に右又は左の支柱をそのピンで連結してもよい。
【0058】
従って、医師が指示した位置(例えば、右から数センチ)にスライダー114を移動すると、縦棒116がその位置の歯の上に来るので、左又は右のQRコード(登録商標)を含めて撮影装置で撮影させることができる。
【0059】
そして、QRコード(登録商標)付の撮影画像を例えば、口腔画像をセンターに通信ネットワークで送信して記憶させた場合は、この撮影画像のバーコード(QRコード(登録商標))を解析することで、どこの誰であるかを把握させることができる。
なお、右側または左側本人認証識別コード板部の縦横サイズは、QRコード(登録商標)を印字又は貼り付けする場合は、8mm、12mm、13mm、22.5mm、24.5mm、28.5mm程度が好ましい。
【0060】
なお、ピン(36、38、113)は、プラスチック製ロックピン、リベットピン等であってもよい。
さらに、左右の識別子部(例えば、16、18)は、大きさが異なってもよい。例えば、右側のサイズが小さい10mm×10mm、左側が大きい20mm程度であってもよい。
従って、左右の頬、唇の状況に応じて対応できる。
【0061】
QRコード(登録商標)又は一次元バーコードの印刷は、凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、3Dプリンタ、レーザマーカプリンタ、サーマルプリンタなどで行うのが好ましい。
【0062】
また、支柱四角柱として例示しているが、丸柱(楕円含む)でも良い。さらに、本人認証識別コード板部は、円、楕円であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 口角鈎器10
12 右側本人認証識別コード12
14 左側本人認証識別コード14
16 右側本人認証識別コード板部
20 右側外鍔20
22 左側外鍔22