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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048438
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157748
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100147625
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】真田 智之
(72)【発明者】
【氏名】松原 充寿
(72)【発明者】
【氏名】藤原 徹
(72)【発明者】
【氏名】原 英治
(72)【発明者】
【氏名】野村 知仁
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC03
3E082DD01
3E082EE01
3E082EE02
3E082FF09
(57)【要約】
【課題】供給される飲料の種類を表示する表示ラベルを交換しやすくするとともに、ハウジングの前面の見栄えを良くする。
【解決手段】飲料供給装置10は、ハウジング11内にて複数種の飲料を供給可能とする飲料供給部30と、ハウジング11の前部にて飲料供給部30から供給される飲料を受ける容器を載置する載置部23と、ハウジング11の前面部にて載置部に載置した容器に複数種から選択される1つの飲料を飲料供給部30から供給させるための操作信号を出力する供給操作部62,63とを備え、ハウジング11の前面部の供給操作部62,63に隣接する位置には供給される飲料を表示する表示ラベルLを裏面に保持するための透光性を有する表示用パネル61を着脱可能に設け、表示用パネル61の裏面にはリブ61aを後方に突出して形成し、リブ61aには表示ラベルLの端部が差し込まれて表示ラベルLを保持するための差込保持部61eを設けた。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に設けられて複数種の飲料を供給可能とする飲料供給部と、
前記ハウジングの前部に設けられて前記飲料供給部から供給される飲料を受ける容器を載置する載置部と、
前記ハウジングの前面部に設けられて前記載置部に載置した容器に前記複数種から選択される1つの飲料を前記飲料供給部から供給させるための操作信号を出力する供給操作部とを備えた飲料供給装置であって、
前記ハウジングの前面部の前記供給操作部に隣接する位置には供給される飲料を表示する表示ラベルを裏面に保持するための透光性を有する表示用パネルを着脱可能に設け、
前記表示用パネルの裏面には長手方向と直交する方向の両端部に前記長手方向に延びるリブを後方に突出して形成し、前記リブには前記表示ラベルの端部が差し込まれて前記表示ラベルを保持するための差込保持部を設けたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記ハウジングの前面部には前記表示用パネルが嵌合される嵌合凹部が形成され、
前記表示用パネルの長手方向の一方の端部には係合突部が形成され、前記嵌合凹部の長手方向の一方の端部には前記係合突部が係合される係合凹部が形成され、
前記ハウジングの前面部には前記表示用パネルの長手方向の他方の端部を固定するための固定部材を設けたことを特徴とする飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を供給する飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には飲料ディスペンサの発明が開示されている。この飲料ディスペンサは、ハウジング内に設けられて水(湯)を含めて4種類の飲料を供給可能とする飲料供給部と、ハウジングの前部に設けられて飲料供給部から供給される飲料を受けるカップ等の容器を載置する載置部と、ハウジングの前面部に設けられて4種類から選択される1つの飲料を飲料供給部から供給させる操作をするための供給操作部とを備えている。また、飲料供給部は4種類の飲料を温かい飲料または冷たい飲料として供給可能としており、供給操作部はハウジングの前面にて4種類の飲料を温かい飲料または冷たい飲料として供給させるための操作入力部として8つの操作ボタンが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-148593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の飲料ディスペンサにおいては、ハウジングの前面部には、左右方向の中央部より左側に冷たい飲料を供給するための4つの操作ボタンが上下に並べて配置され、左右方向の中央部より右側に温かい飲料を供給するための4つの操作ボタンが上下に並べて配置されている。左右に配置されている冷たい飲料と温かい飲料を供給するための各操作ボタンは、同じ高さ位置で同じ種類の飲料が供給されるように配置されている。
【0005】
この種の飲料ディペンサでは、ハウジングの前面部には左右方向の中央部に左右両側の各操作ボタンにより供給される飲料の種類を表示するための表示ラベルが貼り付けられている。飲料ディスペンサにおいては、供給される飲料の種類を変更するときは、表示ラベルをハウジングの前面部から剥がして再度新たな表示ラベルを貼り付ける必要がある。この場合に、表示ラベルを剥がす作業が面倒であり、また、ハウジングの前面部に表示ラベルの糊が残って汚れるおそれがある。本発明は、飲料供給装置において、供給される飲料の種類を表示する表示ラベルを交換しやすくするとともに、ハウジングの前面の見栄えを良くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するため、ハウジング内に設けられて複数種の飲料を供給可能とする飲料供給部と、ハウジングの前部に設けられて飲料供給部から供給される飲料を受ける容器を載置する載置部と、ハウジングの前面部に設けられて載置部に載置した容器に複数種から選択される1つの飲料を飲料供給部から供給させるための操作信号を出力する供給操作部とを備えた飲料供給装置であって、ハウジングの前面部の供給操作部に隣接する位置には供給される飲料を表示する表示ラベルを裏面に保持するための透光性を有する表示用パネルを着脱可能に設け、表示用パネルの裏面には長手方向と直交する方向の両端部に長手方向に延びるリブを後方に突出して形成し、リブには表示ラベルの端部が差し込まれて表示ラベルを保持するための差込保持部を設けたことを特徴とする飲料供給装置を提供するものである。
【0007】
上記のように構成した飲料供給装置においては、ハウジングの前面部の供給操作部に隣接する位置には供給される飲料を表示する表示ラベルを裏面に保持するための透光性を有する表示用パネルを着脱可能に設け、表示用パネルの裏面には長手方向と直交する方向の両端部に長手方向に延びるリブを後方に突出して形成し、リブには表示ラベルの端部が差し込まれて表示ラベルを保持するための差込保持部が設けられている。表示用パネルの裏面には長手方向と直交する方向の両端部に長手方向に延びるリブが後方に突出して形成されているので、表示用パネルが長手方向に反る変形を防ぐことができる。これにより、ハウジングの前面は表示用パネルの変形に起因して見栄えが悪くなりにくい。
【0008】
また、飲料の種類を変更するために表示ラベルを交換するときには、表示用パネルをハウジングの前面部から取り外した後で、古い表示ラベルを表示用パネルから取り外し、新しい表示ラベルの端部を表示用パネルの裏面の長手方向と直交する方向の両端部のリブに設けた差込保持部に保持させ、表示用パネルをハウジングの前面部に取り付けるようにする。このように、表示ラベルの両端部を表示用パネルの差込保持部に差し込んで保持させるだけであるので、表示ラベルの交換作業が面倒でない。また、表示ラベルは表示用パネルとハウジングの前面部との間で挟まれるので、表示ラベルが表示用パネルの裏側でずれにくくなる。
【0009】
上記のように構成した飲料供給装置においては、ハウジングの前面部には表示用パネルが嵌合される嵌合凹部が形成され、表示用パネルの長手方向の一方の端部には係合突部が形成され、嵌合凹部の長手方向の一方の端部には係合突部が係合される係合凹部が形成され、ハウジングの前面部には表示用パネルの長手方向の他方の端部を固定するための固定部材を設けるのが好ましい。このようにしたときには、表示用パネルの長手方向の一方の端部の係合突部をハウジングの嵌合凹部の係合凹部に係合させた状態で、表示用パネルの長手方向の他方の端部を固定部材によりハウジングの前面部に固定することで、表示用パネルをハウジングの前面部に取り付けることができる。また、表示用パネルの長手方向の他方の端部を固定部材により固定している状態から取り外し、表示用パネルの係合突部を嵌合凹部の係合凹部から解離させることで、表示用パネルをハウジングの前面部から取り外すことができる。これにより、表示ラベルを交換するときに、表示用パネルの脱着作業が容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の飲料供給装置の正面図である。
図2図1の斜視図である。
図3図1の前面パネルを取り外した状態の斜視図である。
図4】A-A線での縦方向断面図である。
図5】ベースに形成した原料水供給口に給湯部と給水部が接続された状態を示す概略図である。
図6】給湯部と給水部の概略図である。
図7】前面パネルから表示用パネルと固定部材とを取り外した一部拡大分解斜視図である。
図8】表示用パネルの前側からみた斜視図(a)であり、表示用パネルの後側から見た斜視図(b)である。
図9】B-B線での横方向断面図である。
図10】C-C線での一部拡大断面図である。
図11】制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の飲料供給装置の一実施形態を図面を参照して説明する。本発明の飲料供給装置10は、飲料ディスペンサとも呼ばれるものであり、カップ等の容器内に湯を含めた5種類の温かい茶等の温飲料、冷水(水)を含めた5種類の冷たい茶等の冷飲料を供給可能としている。図1図4に示したように、飲料供給装置10は、略直方体形状のハウジング11内の前部に茶等の飲料を生成するための茶等の粉末原料と湯及び/または冷水(水)とを混合して飲料を生成する飲料生成室20と、ハウジング11の後部に機械室21とを備え、ハウジング11内は仕切板22によって飲料生成室20と機械室21とに仕切られている。
【0012】
図1~4に示したように、ハウジング11は前側が開口したハウジング本体12と、ハウジング本体12の前面開口を塞ぐ前面パネル13とを備え、前面パネル13はハウジング本体12の右側部に鉛直軸線回りに回動可能に軸支されている。図1及び図2に示したように、前面パネル13の下部には左右方向の中央部に開口部13aが形成されており、飲料生成室20内の下部にはこの開口部13aが形成された位置にカップ等の容器を載置する載置部23が設けられている。図1図4に示したように、載置部23は、カップ等の容器を載置する受台部24と、受台部24の上側を覆うカバー部25とを備えている。受台部24は簀の子状に形成され、カップ等の容器から溢出した飲料を下側に流すことができるようになっている。受台部24の上面にはカップ等の容器を置く目印となる円形の凹部24aが形成されており、この円形の凹部24aは飲料供給部30で生成された飲料が注ぎ出される飲料注出部35aの直下に配置されている。
【0013】
図3に示したように、飲料生成室20には載置部23に載置した容器内に飲料を供給する飲料供給部30が設けられている。この実施形態では、飲料生成室20には湯または冷水と、湯または冷水以外に4種類の温かいまたは冷たい飲料の粉末原料を供給するために4つの飲料供給部30が設けられている。湯または冷水以外の4つの飲料供給部30は実質的に同一の構成となっているので、以後の説明では主として1つの飲料供給部30を用いて説明する。
【0014】
図3及び図4に示したように、飲料供給部30は、載置部23に載置した容器に飲料を供給するものであり、湯及び/または冷水(水)よりなる原料水と飲料の粉末原料とから飲料を生成する飲料生成部31と、飲料生成部31で生成した飲料を載置部23の容器に案内する飲料ガイド35とを備えている。飲料生成部31は、飲料の粉末原料を貯える粉末原料容器32と、飲料の粉末原料と原料水を混合する混合容器33と、混合容器33内で粉末原料と原料水とを撹拌して混合させる撹拌装置34とを備えている。
【0015】
粉末原料容器32は、茶等の粉末よりなる飲料の粉末原料を貯えるものであり、飲料生成室20に設けたベース14に着脱可能に取り付けられている。粉末原料容器32の底部には粉末原料の搬出口32aが設けられており、粉末原料は搬出口32aから混合容器33に搬出される。粉末原料容器32の下部にはスクリュー32bが設けられており、スクリュー32bはカップリング部材32cを介してモータ32dの駆動が伝達される。モータ32dの回転によってスクリュー32bが回転すると、粉末原料容器32内の粉末原料は搬出口32aから混合容器33内に搬出される。
【0016】
図4に示したように、混合容器33は、粉末原料と湯及び/または冷水(水)よりなる原料水とを撹拌して混合させるものであり、飲料生成室20に設けたベース14に着脱可能に支持されている。混合容器33は粉末原料容器32の下側で開口しており、粉末原料容器32の搬出口32aから搬出される粉末原料は混合容器33内に搬入される。混合容器33の底部には放出口33aが形成されており、混合容器33内で撹拌されて混合された飲料は放出口33aから下側に設けた飲料ガイド35に放出される。
【0017】
図5に示したように、ベース14には混合容器33内に湯及び/または冷水(水)よりなる原料水を供給するための原料水供給口14aが設けられている。原料水供給口14aには後述する給湯部40及び給水部50が接続されており、混合容器33には給湯部40及び/または給水部50から送られる原料水としての湯及び/または冷水が原料水供給口14aを通って供給される。
【0018】
図4に示したように、混合容器33には撹拌装置34が設けられており、撹拌装置34は、混合容器33の後側のベース14に設けた撹拌用モータ34aと、撹拌用モータ34aによって回転する回転軸34dと、回転軸34dの先端に設けられた円板部34eとを備えている。撹拌用モータ34aの出力軸にはカップリング用のマグネット34bが設けられ、回転軸34dの撹拌用モータ34a側となる基端にはカップリング用のマグネット34cが設けられている。回転軸34dはカップリング用のマグネット34b,34cによって撹拌用モータ34aに着脱可能に連結され、撹拌用モータ34aはカップリング用のマグネット34b,34cを介して回転軸34dを回転させる。回転軸34dは混合容器33の底部の放出口33aの上側に延出し、回転軸34dの先端には放出口33aの上側で円板部34eが設けられている。回転軸34dの先端の円板部34eの下面には撹拌羽根34fが設けられており、混合容器33内の粉末原料と原料水とは円板部34eの回転によって撹拌混合されて飲料となる。
【0019】
図3に示したように、飲料ガイド35は飲料生成部31で生成した飲料を載置部23に載置した容器に案内するものである。飲料ガイド35は、混合容器33の放出口33aの下側から載置部23の前部で左右方向の中央部まで延びる浅い箱形をし、載置部23のカバー部25の上側に支持されている。飲料ガイド35には載置部23の前部で左右方向の中央部の上側で下方に延びる円筒形をした飲料注出部35aが設けられており、混合容器33から飲料ガイド35に放出された飲料は飲料注出部35aから載置部23の容器に注出される。
【0020】
図6に示したように、給湯部40は、載置部23のカップ等の容器で受ける飲料の原料水となる湯を供給するものである。給湯部40は、飲料の原料水となる湯を貯える貯湯タンク41を備えており、貯湯タンク41には水道等の給水源から導出された第1給水管42が接続されている。第1給水管42には第1及び第2給水弁42a,42bが介装されており、給水源の水は第1及び第2給水弁42a,42bを開放することによって貯湯タンク41に供給される。
【0021】
貯湯タンク41にはヒータ43と温度センサ44とが設けられている。ヒータ43は貯湯タンク41内の水(湯)を加熱して湯を生成するものである。温度センサ44は貯湯タンク41内の水(湯)の温度を検出するものである。ヒータ43は温度センサ44の検出温度に基づいて作動するように制御され、貯湯タンク41内の湯はヒータ43によって主に飲むのに適した温度となるように加熱(保温)されている。また、貯湯タンク41内には水位センサ45が設けられており、水位センサ45は貯湯タンク41内の水位を検出する。第1及び第2給水弁42a,42bは水位センサ45の検出水位によって開閉されるように制御され、貯湯タンク41内の水(湯)は所定の水位の範囲となるように維持されている。
【0022】
貯湯タンク41の下部には送湯管46が接続されており、送湯管46には送湯ポンプ47が介装されている。貯湯タンク41内の湯は送湯ポンプ47によって送湯管46に送られる。また、送湯管46には三方弁よりなる第1~第5湯送出弁48a~48eが介装されており、第1~第5湯送出弁48a~48eには第1~第5湯送出管49a~49eが接続されている。第1湯送出管49aの導出端部は左側の飲料供給部30の原料水供給口14aに接続されており、第2湯送出管49bの導出端部は左から2番目の飲料供給部30の原料水供給口14aに接続されており、第3湯送出管49cの導出端部は左から3番目(右から2番目)の飲料供給部30の原料水供給口14aに接続され、第4湯送出管49dの導出端部は右側の飲料供給部30の原料水供給口14aに接続されている。第5湯送出管49eの導出端部は飲料ガイド35の飲料注出部(図示省略)に接続されている。
【0023】
送湯ポンプ47を作動させ、第1~第4湯送出弁48a~48dの何れか1つを開放させることで、貯湯タンク41内の湯は、送湯管46と、開放させた第1~第4湯送出弁48a~48dに対応する第1~第4湯送出管49a~49dとを通って混合容器33内に供給される。また、送湯ポンプ47を作動させ、第5湯送出弁48eを開放させることで、貯湯タンク41内の湯は送湯管46と第5湯送出管49eとを通って載置部23に載置したカップ等の容器に供給される。
【0024】
図6に示したように、給水部50は、載置部23のカップ等の容器で受ける飲料の原料水となる冷水(水)を供給するものである。給水部50は、飲料の原料水となる冷水を生成するための冷却タンク51を備えており、冷却タンク51には冷却水が貯えられている。また、冷却タンク51内には冷凍装置の蒸発管52が設けられており、冷却タンク51内の冷却水は冷凍装置の蒸発管52を循環する冷媒が気化する気化熱によって冷却されている。冷却タンク51内には原料水となる水を冷却するための水冷却管53が設けられている。
【0025】
水冷却管53の水の導入端部には第1給水管42の第1給水弁42aの直ぐ下流側(第1給水弁42aと第2給水弁42bの間)から導出した第2給水管54が接続されており、水道等の給水源の水は第1給水管42の一部と第2給水管54を通って冷却タンク51内の水冷却管53に送出される。水冷却管53の水の導出端部には送水管55が接続されており、水冷却管53により冷却された冷水は送水管55に送出される。送水管55には4つの分岐部55a~55dが設けられており、分岐部55a~55dから導出された管部と送水管55の先端部55eには第1~第5冷水送出弁56a~56eが介装されている。第1~第5冷水送出弁56a~56eには第1~第5冷水送出管57a~57eが接続されており、第1~第5冷水送出管57a~57eの導出端部は第1~第5湯送出管49a~49eの中間部に接続されている。
【0026】
第1給水弁42aと第1~第4冷水送出弁56a~56dの何れか1つとを開放させることで、給水源の水は第1給水管42の一部と第2給水管54を通って冷却タンク51の水冷却管53に送られて冷却されて冷水となる。冷却タンク51内の水冷却管53で冷却された冷水は、送水管55と、開放させた第1~第4冷水送出弁56a~56dに対応する第1~第4冷水送出管57a~57dと、第1~第4冷水送出管57a~57dに対応して接続された第1~第4湯送出管49a~49dとを通って混合容器33内に供給される。また、第1給水弁42aと第5冷水送出弁56eとを開放させることで、給水源の水は、第1給水管42の一部と第2給水管54を通って冷却タンク51の水冷却管53に送られて冷却されて冷水となり、冷却タンク51内の水冷却管53で冷却された冷水は、送水管55と第5冷水送出管57eと第5湯送出管49eとを通って載置部23に載置したカップ等の容器に供給される。
【0027】
図1及び図2に示したように、前面パネル13の前面には開口部13aの上側に飲料供給部30から飲料を供給させるための操作パネル部60が設けられている。操作パネル部60の左右方向の中央部には飲料の種類を表示するための表示用パネル61が設けられ、操作パネル部60の表示用パネル61の左右両側の隣接する位置に飲料供給部30から飲料を供給させる操作をするための供給操作部として接触式供給操作部62と、非接触式供給操作部63とが設けられている。
【0028】
この実施形態では、表示用パネル61の左側に5種類の冷たい飲料を供給するための5つの接触式供給操作部62A~62Eが上下に並べて配置され、接触式供給操作部62A~62Eの左側に接触式供給操作部62A~62Eと同じ飲料を供給するための5つの非接触式供給操作部63A~63Eが配置されている。また、表示用パネル61の右側に5種類の温かい飲料を供給するための5つの接触式供給操作部62F~62Jが上下に並べて配置され、接触式供給操作部62F~62Jの右側に接触式供給操作部62F~62Jと同じ飲料を供給するための5つの非接触式供給操作部63F~63Jが配置されている。また、温度の異なる(冷たいのと温かい)同じ飲料を供給するための接触式供給操作部62A~62E(非接触式供給操作部63A~63E)と接触式供給操作部62F~62J(非接触式供給操作部63F~63J)とが同じ高さ位置で左右に並べて配置されている。
【0029】
図7に示したように、操作パネル部60の左右方向の中央部には上下方向に延びる略長方形の嵌合凹部60aが形成されており、嵌合凹部60aには表示用パネル61が着脱可能に取り付けられている。表示用パネル61は、裏面に設けた飲料の表示ラベルL(L1~L5)を表示可能とするために透光性を有するポリカーボネート製の樹脂板を用いたものであり、嵌合凹部60aと同様に上下方向に延出している。嵌合凹部60a内にて取り付けられた表示用パネル61の前面は操作パネル部60の前面と面一となっている。
【0030】
図8示したように、表示用パネル61の裏面には左右方向の両端部(長手方向と直交する方向の両端部)に上下方向(長手方向)に延びるリブ61aが後方に突出して形成されており、リブ61aは表示用パネル61が前後に反るのを防ぐ機能を有している。表示用パネル61の裏面には左右両側のリブ61aの間に表示ラベルLを配置するための5つの表示ラベル用凹部61bが形成されており、5つの表示ラベル用凹部61bは上記の接触式操作入力部62A~62E、62F~62J、非接触式操作入力部63A~63E、63F~63Jに応じた高さ位置で上下に並んで配置されている。5つの表示ラベル用凹部61bには飲料の種類を表示するため表示ラベルL(L1~L5)が取り付け可能となっている。5つの表示ラベル用凹部61bに上下に並べて配置された表示ラベルL1,L2・・・L5は、接触式操作入力部62A,62B・・・62E,62F,62G・・・62J及び非接触式操作入力部63A,63B・・・63E,63F,63G・・・63Jを操作したときに供給される飲料の種類を表示する。なお、表示ラベルLは可撓性を有するラミネート加工した紙や、薄い樹脂製のシート等が用いられる。
【0031】
図8及び図9に示したように、左右両側のリブ61aには表示ラベル用凹部61bの上部及び下部位置に内側に突出する係止突部61cが形成されている。図8及び図9に示したように、表示用パネル61には係止突部61cと対向する位置に孔部61dが形成されており、リブ61aには係止突部61cと孔部61dとの間に表示ラベルLの左右の上端部及び下端部が差し込まれて表示ラベルLを保持するための差込保持部61eが形成されている。表示ラベル用凹部61bに配置される表示ラベルLの左右両側の上端部及び下端部はこの差込保持部61eに差し込まれて表示用パネル61に保持される。
【0032】
図8及び図10に示したように、表示用パネル61の上端部(長手方向の一方の端部)には斜め後上方に突出する係合突部61fが形成され、嵌合凹部60aの上端部(長手方向の一方の端部)には係合突部61fが係合される係合凹部60bが形成されている。係合突部61fが嵌合凹部60aの係合凹部60bに係合することで、表示用パネル61の上部が前側への移動が規制された状態で嵌合凹部60a内に取り付けられている。図7及び図8に示したように、表示用パネル61の下端部(長手方向の他方の端部)には下方に突出する舌部61gが形成されている。舌部61gの背面の基端部には後方に突出する係合突部61hが形成され、嵌合凹部60aの下部には係合突部61hに係合される係合凹部60cが形成されている。係合突部61hが係合凹部60cに係合することで、表示用パネル61は上下方向の移動が規制されている。
【0033】
図7及び図10に示したように、前面パネル13には操作パネル部60の下側にてこの舌部61gより下側位置に後方に凹む取付凹部13bが形成されており、取付凹部13bには表示用パネル61の下部を操作パネル部60に固定するための固定部材64が設けられている。取付凹部13bにはねじ部材が挿通される挿通孔13cが形成されており、挿通孔13cの下側には前方に突出する突起部13dが形成されている。固定部材64は、取付凹部13bの前側を覆うカバー部64aと、カバー部64aの左右方向の中央部にて取付凹部13b側となる後方に突出するブロック形の取付部64bとを備えている。取付部64bの後面には、雌ねじが形成されたねじ部64cと、ねじ部64cの下側に突起部13dが係合する係合孔部64dが形成されている。
【0034】
固定部材64の取付部64bが取付凹部13b内に嵌挿された状態で、取付凹部13b内の突起部13dが取付部64bの係合孔部64dに係合し、前面パネル13の後側から挿通孔13cを挿通した取付ねじ64eがねじ部64cにねじ締結され、固定部材64は前面パネル13に固定される。固定部材64が前面パネル13に固定された状態で、固定部材64のカバー部64aは表示用パネル61の舌部61gの前側に配置されて表示用パネル61の前方及び下方への移動を規制している。固定部材64は、載置部23の上側に配置されるとともに、操作パネル部60を含めた前面パネル13と異なる配色となっているので、飲料が供給される載置部23を案内する目印の機能も有している。
【0035】
図11に示したように、飲料供給装置10は、載置部23に載置した容器に飲料の供給を制御する制御装置70を備えており、制御装置70は、飲料原料搬出用モータ32d、撹拌用モータ34a、第1及び第2給水弁42a,42b、ヒータ43、温度センサ44、水位センサ45、送湯ポンプ47、第1~第5湯送出弁48a~48e、第1~第5冷水送出弁56a~56e及び操作パネル部60に接続されている。
【0036】
制御装置70は、飲料供給部30にて生成した飲料を供給する飲料供給手段として、冷却タンク51内で冷却された冷水(水)を用いた冷飲料をカップ等の容器の容量に応じた量で供給する冷飲料供給手段と、冷却タンク51内で冷却された冷水をカップ等の容器に供給する冷水供給手段と、貯湯タンク41内の湯を用いた温飲料をカップ等の容器の容量に応じた量で供給する温飲料供給手段と、貯湯タンク41内の湯をカップ等の容器に供給する湯供給手段を備えている。
【0037】
接触式供給操作部62A~62Dの何れか1つを押下操作したときの操作信号、または、非接触式供給操作部63A~63Dの何れか1つの前側に手指等の物体をかざして非接触操作したときの操作信号が制御装置70に入力されると、制御装置70は、接触式供給操作部62A~62Dまたは非接触式供給操作部63A~63Dに対応した冷飲料供給手段を実行して飲料供給部30から冷たい飲料を供給するように制御する。接触式供給操作部62Eを押下操作したときの操作信号、または、非接触式供給操作部63Eの前側に手指等の物体をかざして非接触操作したときの操作信号が制御装置70に入力されると、制御装置70は、冷水供給手段を実行して飲料供給部30から冷水を供給するように制御する。
【0038】
接触式供給操作部62F~62Iの何れか1つを押下操作したときの操作信号、または、非接触式供給操作部63F~63Iの何れか1つの前側に手指等の物体をかざして非接触操作したときの操作信号が制御装置70に入力されると、制御装置70は、接触式供給操作部62F~62Iまたは非接触式供給操作部63F~63Iに対応した温飲料供給手段を実行して飲料供給部30から温かい飲料を供給するように制御する。接触式供給操作部62Jを押下操作したときの操作信号、または、非接触式供給操作部63Jの前側に手指等の物体をかざして非接触操作したときの操作信号が制御装置70に入力されると、制御装置70は、湯供給手段を実行して飲料供給部30から湯を供給するように制御する。
【0039】
次に、冷飲料供給手段と、冷水供給手段と、温飲料供給手段及び湯供給手段の制御について説明する。接触式供給操作部62A~62Dの何れか1つを押下操作による操作信号、または、非接触式供給操作部63A~63Dの何れか1つの前側に手指等の物体をかざして非接触操作による操作信号が制御装置70に入力されると、制御装置70は冷飲料供給手段を実行する。制御装置70は、冷飲料供給手段の実行によって、接触式供給操作部62A~62Dまたは非接触式供給操作部63A~63Dに対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ32dを作動させ、第1給水弁42aと接触式供給操作部62A~62Dまたは非接触式供給操作部63A~63Dに対応する第1~第4冷水送出弁56a~56dを開放させる。粉末原料容器32内の粉末原料は混合容器33内に搬出され、冷却タンク51内で冷却された冷水は混合容器33内に供給される。また、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させることで、混合容器33内に供給された飲料の粉末原料と冷水は撹拌混合されて冷飲料となり、生成された冷飲料は飲料ガイド35を通って載置部23のカップ等の容器に注出され、ユーザに冷飲料が供給される。
【0040】
接触式供給操作部62Eを押下操作による操作信号、または、非接触式供給操作部63Eの前側に手指等の物体をかざして非接触操作による操作信号が制御装置70に入力されると、制御装置70は冷水供給手段を実行する。制御装置70は、冷水供給手段段の実行によって、第1給水弁42aと第5冷水送出弁56eを容器に応じた時間で開放させる。冷却タンク51内で冷却された冷水は載置部23のカップ等の容器に注出され、ユーザに冷水(冷飲料)が供給される。
【0041】
接触式供給操作部62F~62Iの何れか1つを押下操作による操作信号、または、非接触式供給操作部63F~63Iの何れか1つの前側に手指等の物体をかざして非接触操作による操作信号が制御装置70に入力されると、制御装置70は温飲料供給手段を実行する。制御装置70は、温飲料供給手段の実行により、接触式供給操作部62F~62Iまたは非接触式供給操作部63F~63Iに対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ32dを作動させ、送湯ポンプ47を作動させ、接触式供給操作部62F~62Iまたは非接触式供給操作部63F~63Iに対応する第1~第4湯送出弁48a~48dを開放させる。粉末原料容器32内の粉末原料は混合容器33内に搬出され、貯湯タンク41内の湯は混合容器33内に供給される。また、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させることで、混合容器33内に供給された飲料の粉末原料と湯は撹拌混合されて温飲料となり、生成された温飲料は飲料ガイド35を通って載置部23のカップ等の容器に注出され、ユーザに温飲料が供給される。
【0042】
接触式供給操作部62Jを押下操作による操作信号、または、非接触式供給操作部63Jの前側に手指等の物体をかざして非接触操作による操作信号が制御装置70に入力されると、制御装置70は湯供給手段を実行する。制御装置70は、湯供給手段の実行により、送湯ポンプ47を容器に応じた時間で作動させるとともに第5湯送出弁48eを開放させる。貯湯タンク41内の湯は載置部23のカップ等の容器に注出され、ユーザに湯(温飲料)が供給される。
【0043】
上記のように構成した飲料供給装置10は、ハウジング11内に設けられて5種類(複数種)の飲料を供給可能とする飲料供給部30と、ハウジング11の前部に設けられて飲料供給部30から供給される飲料を受ける容器を載置する載置部23と、ハウジング11の前面パネル(前面部)13に設けられて載置部23に載置した容器に5種類(複数種)から選択される1つの飲料を飲料供給部30から供給させるための操作信号を出力する供給操作部62(62A~62J),63(63A~63J)とを備えている。
【0044】
ハウジング11の前面パネル13の供給操作部62(62A~62J),63(63A~63J)に隣接する位置には供給される飲料を表示する表示ラベルL(L1~L5)を裏面に保持するための透光性を有する表示用パネル61が着脱可能に取り付けられている。表示用パネル61の裏面には左右方向の両端部(長手方向である上下方向と直交する方向の両端部)に上下方向(長手方向)に延びるリブ61aが後方に突出して形成されているので、表示用パネル61が上下方向(長手方向)に反る変形を防ぐことができる。これにより、ハウジング11の前面は表示用パネル61の変形に起因して見栄えが悪くなりにくい。
【0045】
飲料供給装置10で供給される飲料の種類を変更するために表示ラベルLを交換するときには、表示用パネル61をハウジング11の前面パネル13から取り外した後で、古い表示ラベルLを表示用パネル61から取り外し、新しい表示ラベルLの左右の両端部を表示用パネル61の裏面の左右方向(長手方向と直交する方向)の両端部のリブ61aに設けた差込保持部61eに差し込んで保持させ、表示用パネル61をハウジング11の前面パネル13に取り付けるようにする。このように、表示ラベルLの左右両端部を表示用パネル61のリブ61aに設けた差込保持部61eに差し込んで保持させるだけであるので、表示ラベルLの交換作業が面倒となりにくい。また、表示ラベルLは表示用パネル61とハウジング11の前面パネル13との間で挟まれるので、表示ラベルLが表示用パネル61の裏側でずれにくくなる。
【0046】
前面パネル13の操作パネル部60には表示用パネル61が嵌合される嵌合凹部60aが形成され、表示用パネル61の上端部(長手方向の一方の端部)には係合突部61fが形成され、嵌合凹部60aの上端部(長手方向の一方の端部)には係合突部61fが係合される係合凹部60bが形成されている。また、前面パネル13には表示用パネル61の下端部(長手方向の他方の端部)を固定するための固定部材64が設けられている。表示用パネル61の上端部の係合突部61fを嵌合凹部60aの係合凹部60bに係合させた状態で、表示用パネル61の下端部を固定部材64により前面パネル13に固定することで、表示用パネル61を前面パネル13に容易に取り付けることができる。また、表示用パネル61の下端部を固定部材64により固定している状態から取り外し、表示用パネル61の係合突部61fを嵌合凹部60aの係合凹部60bから解離させることで、表示用パネル61をハウジング11の前面パネル13から取り外すことができる。これにより、表示ラベルLを交換するときに表示用パネル61の脱着作業を容易とすることができる。
【0047】
表示用パネル61は長手方向として上下方向に延出するものであるが、本発明はこれに限られるものでなく、表示用パネル61を左右方向が長手方向となるように延出させたものであってもよい。この場合に、表示用パネル61の裏面には左右方向と直交する方向の両端部として上下の両端部に左右方向に延びるリブ61aを後方に突出して形成してもよい。また、この場合には、表示用パネル61の左右方向の一方の端部に係合突部61fを形成し、左右方向に延びる嵌合凹部60aの左右方向の一方の端部には係合突部61fが係合される係合凹部60bを形成し、左右方向の他方の端部に固定部材64を設けるようにしてもよい。
【0048】
10…飲料供給装置、11…ハウジング、23…載置部、30…飲料供給部、60a…嵌合凹部、60b…係合凹部、61…表示用パネル、61a…リブ、61e…差込保持部、61f…係合突部、62…供給操作部(接触式供給操作部)、63…供給操作部(非接触式供給操作部),64…固定部材、L…表示ラベル。
図1
図2
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図5
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図7
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図9
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図11