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特開2023-48497情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048497
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/30 20230101AFI20230331BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20230331BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230331BHJP
【FI】
G06Q10/00 400
G06Q30/06 312
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157841
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】518294317
【氏名又は名称】株式会社ソーシャルインテリア
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】町野 健
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
5L049BB53
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】設備の譲渡における報酬を、その譲渡を直接行う者以外に還元するサーバを提供する。
【解決手段】サーバ1は、物品管理手段52と、報酬付与手段56と、を備える。物品管理手段52は、物品を識別する識別子、当該物品の現使用権者、当該物品の過去使用権者の履歴を含む物品管理情報を管理する。報酬付与手段52は、他者が対価を支払うことを条件として、物品の使用権を現使用権者から当該他者へ譲渡する契約が締結された場合、締結前に現使用権者であった者に対して契約の締結の報酬として、対価の一部を付与すると共に、物品管理情報の履歴として管理されている1以上の過去使用権者の夫々に対して、連帯貢献の報酬として、対価の一部を付与する。物品管理手段52は、契約が締結された場合、物品管理情報において、現使用権者を他者に変更すると共に、契約の締結前に現使用権者であった者を過去使用権者に変更して履歴に追加する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を識別する識別子、当該物品の現使用権者、当該物品の1人以上の過去使用権者の履歴を含む当該物品に関する情報を、物品管理情報として管理する物品管理手段と、
他者が対価を支払うことを条件として、前記物品の使用権を前記現使用権者から当該他者へ譲渡する契約が締結された場合、締結前に前記現使用権者であった者に対して前記契約の締結の報酬として、前記対価の一部を付与すると共に、前記物品管理情報の前記履歴として管理されている前記1以上の過去使用権者の夫々に対して、連帯貢献の報酬として、前記対価の一部を付与する報酬付与手段と、
を備え、
前記物品管理手段は、前記契約が締結された場合、前記物品管理情報において、前記現使用権者を前記他者に変更すると共に、前記契約の締結前に前記現使用権者であった者を前記過去使用権者に変更して前記履歴に追加する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記物品管理手段は、前記識別子を特定可能な媒体が前記物品に付されるときに、前記物品管理手段は、前記物品についての前記物品管理情報を生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記媒体は、前記識別子を含む情報を送信可能なTAGであり、
前記TAGから送信された前記情報に基づいて認識された情報であって、前記物品の前記識別子及び位置を含む情報を、当該物品の現在位置情報として取得する物品位置情報取得手段
をさらに備え、
前記物品管理手段は、前記物品についての前記物品管理情報として、さらに、前記現在位置情報も管理する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記物品の前記現使用権者から、当該使用権の譲渡の依頼を受け付ける譲渡依頼受付手段と、
前記依頼に基づいて、前記他者から前記対価を受け取ることを条件として、前記物品の使用権を他者へ譲渡する契約を締結する制御を実行する譲渡制御手段と、
をさらに備える請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記現使用権者からの依頼に基づいて、前記物品の前記識別子を発行する識別子発行手段、
をさらに備える請求項1乃至3のうちの何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
物品を識別する識別子、当該物品の現使用権者、当該物品の1人以上の過去使用権者の履歴を含む当該物品に関する情報を、物品管理情報として管理する情報処理装置が実行する情報処理において、
他者が対価を支払うことを条件として、前記物品の使用権を前記現使用権者から当該他者へ譲渡する契約が締結された場合、締結前に前記現使用権者であった者に対して前記契約の締結の報酬として、前記対価の一部を付与すると共に、前記物品管理情報の前記履歴として管理されている前記1以上の過去使用権者の夫々に対して、連帯貢献の報酬として、前記対価の一部を付与する報酬付与ステップと、
前記契約が締結された場合、前記物品管理情報において、前記現使用権者を前記他者に変更すると共に、前記契約の締結前に前記現使用権者であった者を前記過去使用権者に変更して前記履歴に追加する物品管理ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
物品を識別する識別子、当該物品の現使用権者、当該物品の1人以上の過去使用権者の履歴を含む当該物品に関する情報を、物品管理情報として管理する情報処理装置が実行する情報処理において、
他者が対価を支払うことを条件として、前記物品の使用権を前記現使用権者から当該他者へ譲渡する契約が締結された場合、締結前に前記現使用権者であった者に対して前記契約の締結の報酬として、前記対価の一部を付与すると共に、前記物品管理情報の前記履歴として管理されている前記1以上の過去使用権者の夫々に対して、連帯貢献の報酬として、前記対価の一部を付与する報酬付与ステップと、
前記契約が締結された場合、前記物品管理情報において、前記現使用権者を前記他者に変更すると共に、前記契約の締結前に前記現使用権者であった者を前記過去使用権者に変更して前記履歴に追加する物品管理ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを用いる所定の役務に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業のオフィスに置かれる家具等の設備は、当該企業の資産として当該企業に所有されるものであった(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-182454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような企業の設備は、設備の劣化や企業の移転・廃止等に伴い、廃棄されるのが通常であった。
また、設備の一部は、中古品販売業者等に譲渡され再利用されることもあったが、使用していた者の個々の判断に委ねられていたため、まだ利用できるような(即ち、劣化の少ない)設備についても廃棄されてしまうことが多々あった。
更に言えば、設備が再利用されることで、その設備を製造・販売する者にとっては利益が減ってしまう側面もあった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、設備の譲渡における報酬を、その譲渡を直接行う者以外に還元できるようにすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
ユーザが使用する所定空間に配置させる設備の候補のうち1以上の新規の設備を管理する新規設備管理手段と、
前記所定空間に配置させる設備の候補のうち、他空間に既に配置されていた1以上の設備を管理する他使用設備管理手段と、
前記新規設備管理手段及び前記他使用設備管理手段の夫々に管理されている前記候補のうち、N(Nは1以上の整数値)の設備を前記所定空間に配置させる契約として、所定期間毎に所定の対価を支払う契約を管理する契約管理手段と、
前記契約の対象となる前記Nの設備の夫々毎に、現物に付された識別子と対応付けて、当該設備に関する情報を登録して管理する設備情報管理手段と、
前記契約の対象となる前記Nの設備のうち1以上について、前記設備に関する情報を前記ユーザに提示する提示手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、設備の譲渡における報酬を、その譲渡を直接行う者以外に還元できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバの適用対象となる本サービスの概要を示す図である。
図2図1の本サービスの一部として提供されるサブスクリプションサービスの概要を説明する図である。
図3図1の本サービスの適用の他の例を説明する図である。
図4】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図5図4の情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6図5のサーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
まず、図1乃至図3を参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ(例えば後述の図4のサーバ1参照)の適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態の情報処理装置に係るサーバの適用対象となる本サービスの概要を示す図である。
【0013】
本サービスは、ユーザが指定する所定の場(例えばユーザが企業ならばオフィス)において利用される資産(ここでは家具)の譲渡を支援するサービスである。
即ち、従来においては、企業のオフィスの家具は、当該企業の資産として当該企業に所有されるものであった。そして、企業は、オフィスの家具が不要になったときには、その家具を廃棄するか、中古家具として中古買取業者に販売することで処分していた。
これに対して、本サービスでは、企業は、購入した家具を使用しなくなった際に、家具を単に廃棄するのではなく、本サービスの販売管理サイトに出品することにより、家具の循環を形成させることができる。更に言えば、本サービスは、出品された家具が購入された場合において、その家具のメーカ等にも利益が恒常的にシェアされることを支援するものである。
【0014】
以下、本サービスについて具体的に説明する。
まず、サービス提供者SAは、本サービスに係る家具の販売管理サイトを運営している。
そこで、ステップS11において、家具メーカは、家具M1を、サービス提供者SAの運営する家具の販売管理サイトに出品する。
なお、詳しくは後述するが、企業C1も、家具メーカと同様に使用しなくなった家具を、サービス提供者SAの運営する家具の販売管理サイトに出品することができる。
【0015】
次に、ステップS12において、企業C2は、家具の販売管理サイトを介して出品されている家具M1を一括払い購入する。
次に、ステップS13において、家具メーカは、家具M1を企業C2に配送する。
これにより、家具M1の使用権は、企業C2に属することになる。
【0016】
次に、ステップS14において、サービス提供者SAから、上述のステップS12における一括払い購入の費用のうち70%が家具メーカに成約料として支払われる。このとき、サービス提供者SAは、企業C2から支払われた金額の30%を成約料の課金、即ち、本サービスを介して家具の販売の成約手数料とすることができる。
【0017】
次に、ステップS15において、企業C2は、家具M1を、サービス提供者SAの運営する家具の販売管理サイトに出品する。
具体的には例えば、企業C2は、家具M1を使用しなくなった際、即ち、家具M1が不要となった際に、家具M1を出品することができる。
【0018】
次に、ステップS16において、企業C3は、家具の販売管理サイトを介して家具M1を購入する。
具体的には例えば、企業C3は、家具の販売管理サイトを閲覧することで、家具メーカ等により出品されている新品の家具や、企業C2にとって不要となって出品されている家具M1等から、企業C2により出品されている家具M1を購入する。
次に、ステップS17において、企業C2は、家具M1を企業C3に配送する。
次に、ステップS18において、サービス提供者SAから、上述のステップS16における購入の費用のうち70%が企業C2に成約料として支払われる。
これにより、家具M1の使用権は、企業C3に属することになる。
このように、企業C2は、本サービスを用いることにより、容易に家具M1を処分するとともに、家具M1を売却した費用を取得することが可能となる。
【0019】
次に、ステップS19において、家具メーカに上述のステップS16における購入の費用のうち10%が家具メーカに連帯貢献金として支払われる。このとき、サービス提供者SAは、企業C2から支払われた金額の20%を成約料の課金、即ち、本サービスを介して家具の販売の成約手数料とすることができる。
【0020】
即ち、サービス提供者SAは、企業C2から支払われた金額の20%~30%(ステップS144の際には30%、ステップS19の際には20%)を成約料の課金、即ち、本サービスを介して家具の販売の成約手数料とすることができる。
【0021】
そして、ステップS15における企業C2による出品と同様に、ステップS11′に示すように、企業C1も、家具メーカと同様に使用しなくなった家具を、サービス提供者SAの運営する家具の販売管理サイトに出品することができる。このように、各企業、各家具メーカが、各々家具を本サービスの販売管理サイトを介して出品や購入することで、家具の循環構造が構築される。
【0022】
上述をまとめると、本サービスは、このように、家具M1が廃棄されずに企業の間での循環を促すことができる。これにより、家具の製造や廃棄による環境負荷を低減し、持続可能性を高めることができる。即ち、いわゆる、SDGsの観点での貢献が可能となるのである。
また、家具M1の使用権を有する企業において、家具M1が不要となる度に、本サービスの家具の販売管理サイトを介して家具M1の出品と購入が繰り返される度に、家具メーカに対して連帯貢献金が支払われる。
これにより、従来、新品の家具を販売する際にのみ対価(ここでは、ステップS14の成約料)を得ることしかできなかった家具メーカは、家具M1の使用権の譲渡が行われる度に連帯貢献金を得ることができるようになる。
これにより、家具メーカにとっては、耐用年数の高い家具を製造することで連帯貢献金を得る機会を増やすことができるようになるともいえる。
【0023】
なお、詳しくは後述するが、図1の家具M1の循環において、家具M1には、タグシール(以下、単に「タグ」、或いは「TAG」と呼ぶことがある)が付される。これにより、サービス提供者SAによる家具M1の管理が行われ、家具M1の型番や使用年数等が管理されることで、容易に家具M1の出品や購入が可能となる。タグシールを用いた本サービスにおける家具M1の循環の詳細については、図3を持ちいて後述する。
【0024】
図2は、図1の本サービスの一部として提供されるサブスクリプションサービスの概要を説明する図である。
例えば図2に示すように、ステップS21において、新規の家具の企画及び生産がなされる。この企画及び生産においては、後述するステップS25の利用済みの家具のシェアにおいて取得された顧客動向がフィードバックされて考慮される。これにより、顧客動向に即した適切な新規の家具の企画及び生産が可能になる。
【0025】
ステップS22において、このようにして企画及び生産がなされた新規の家具を含むN(Nは1以上の整数値)の家具を、ユーザUが指定する所定の場(例えばユーザUが企業ならばオフィス)においてサブスクリプションで利用させる旨の提案がなされる。
なお、詳細については後述するが、ステップS22Sとして示すように、ステップS25でシェアされる利用済みの家具(即ち循環商品)も、サブスクリプションの対象となる点である。
ここで、サブスクリプションの利用期間は、特に限定されず、例えばここでは3ケ月乃至24ケ月の範囲内でユーザUが自由に選択できるものとする。
【0026】
このサブスクリプションの提案がユーザUに受け入れられて契約が締結されると、ステップS23において、サブスクリプションの対象となる複数の家具が、ユーザUが指定する所定の場(例えばユーザUが企業ならばオフィス)に納品される。
これにより、ユーザUは、複数の家具をサブスクリプションで利用し続けることができる。
つまり、サブスクリプションで利用される複数の家具は、ユーザUにとって図1の自動棚卸しの対象になる。
サブスクリプションの契約の終了後、処理はステップS24に進む。
【0027】
ステップS24において、利用済みの複数の家具のうち少なくとも一部は回収される。ここで、少なくとも一部としたのは、当該家具については、ユーザUが購入してもよいからである。即ち、ユーザUは、家具の利用後、購入と返却を自由に選択することができる。
なお、ステップS24の段階で利用済みとなった複数の家具は、ユーザUにとって図1の自動棚卸しの対象から除外される。
ステップS25において、回収された家具、即ち利用済みの家具は、シェア(レンタル)の対象になる。即ち、別のユーザUのステップS22Sにおいて、サブスクリプションの対象のひとつとして当該別のユーザUに提案される。
このように、利用済みの家具は、従来資産として扱われていたため廃棄されることが多かったが、本サービスによればシェアされて別のユーザのサブスクリプションの対象として再利用される。
【0028】
換言すると、本サービスによれば、「家の中を、世界一、豊かな国へ。」というビジョンの実現が可能になると共に、「良質な家具が、長く利用され続ける世界」への貢献が可能になる。また、「良質なモノ(家具)づくりを行うメーカへの利益還元」も可能になり、これにより当該メーカの業界発展への貢献が可能になる。
【0029】
図3は、図1の本サービスの適用の他の例を説明する図である。
図3の例では、本サービスにおいて、メーカMaが販売した家具が、ユーザUAにより購入され、2次ユーザUBと、3次ユーザUCにより、順次その家具が中古品として購入されている。
以下、図3の例について具体的に説明する。
【0030】
まず、ステップS31において、メーカMaは、サービス提供者SAに対して販売したい家具について申請とタグ購入依頼を行う。即ち、メーカMaは販売したい家具についての写真や商品名、仕様等をサービス提供者SAに申請し、その家具にタグシールを付すため、タグシールの購入依頼を行う。
次に、ステップS32において、サービス提供者は、メーカMaからの申請とタグ購入依頼に基づいて、サーバ1を用いてタグシールをアクティベートする(そのタグシールが有効であるものとして管理する)ための操作を実行する。
次に、ステップS33において、ステップS32におけるサーバ1のアクティベート処理の後、アクティベートされたタグシールが、メーカMaに発送される。
【0031】
このように、サーバ1により、メーカMaにより申請された家具の情報と紐づけられて管理され、アクティベートされたタグシールが、メーカMaに発送されるのである。
なお、サーバ1のタグシールの発行や管理の詳細については、図6を用いて後述する。
【0032】
また、メーカMaが販売する家具は、図1を用いて説明したようにサービス提供者SAの運営する家具の販売管理サイトに出品される。
以下、家具がユーザ(利用者)UAにより購入されたものとして説明する。
【0033】
次に、ステップS34において、メーカMaは、家具にタグシールを張り付けてユーザ(利用者)UAに納品する。
以下、ユーザUAが購入した家具が不要になったものとして説明する。即ち、ユーザUAは、ステップS34の後、購入した家具が必要な任意の期間、購入した家具を使用する。そして、例えば、ユーザUAは、オフィスの拡張や縮小を行う際に、その家具が不要となる。
【0034】
ステップS35において、購入した家具が不要になったユーザUAは、家具を中古品販売業者Taに売却する。
これにより、ユーザUAは、中古品販売業者Taから、売却した家具に応じた売却の対価(金銭)を受領することができる。
【0035】
次に、ステップS36において、中古品販売業者Taは、サーバ1に届け出を行う。
例えば、タグシールには、中古品販売業者Taがサーバ1へアクセスするための情報や、それを促す言葉等が印刷されている。具体的には例えば、「本家具を譲受された方はこちらへアクセスしてください。」といった印字されており、URL(Uniform Resource Locator)や、URLに対応する二次元バーコード等が印字されている。
中古品販売業者Taは、タグシールを読み込み、サーバ1にアクセスして所定の情報を入力することで、本サービスのタグシールにより管理されている家具が譲受された旨を届け出する。
【0036】
次にステップS37において、ステップS36においてサーバ1に入力された所定の情報に基づいて、タグシールのデータ認証がなされると共に、届出報酬が与えられ、また、メーカへの連帯貢献金の支払いがなされる。即ち、中古品販売業者Taに対して、ステップS36の届出の行為への対価として、届出報酬がサービス提供者SAから支払われる。また、メーカMaに対しては、図1の説明におけるステップS19に対応する連帯貢献金の支払いがなされる。
このように、ステップS37において中古品販売業者Taに対して届出報酬が支払われるからこそ、中古品販売業者Taは、より一層ステップS36の届出を行うモチベーションを得ることができる。
そして、図1において説明したように、届出された家具は、サービス提供者SAの運営する家具の販売管理サイトに出品される。
【0037】
次に、ステップS38において、中古品販売業者Taは、2次ユーザ(利用者)UBに対して、中古品としての家具を販売する。
即ち、2次ユーザUBは、サービス提供者SAの運営する家具の販売管理サイトに出品された家具を購入する(図1におけるステップS16に相当)。その結果、中古品販売業者Taから2次ユーザUBに対して家具が発送される(図1におけるステップS17に相当)。
このように、2次ユーザUBは、メーカMaでの家具の販売時から、タグシールを用いて管理されてきた家具を購入できる。その結果、2次ユーザUBにとっては、家具の正確な仕様や、使用年数等を正確に把握できるため、安心して中古品としての家具を購入することが可能となる。
【0038】
ステップS39において、購入した家具が不要になったユーザUBは、家具を中古品販売業者Taに売却する。
これにより、ユーザUAは、中古品販売業者Taから、売却した家具に応じた売却の対価(金銭)を受領することができる。
次に、ステップS40において、中古品販売業者Tbは、サーバ1に届け出を行う。
次に、ステップS41において、ステップS40においてサーバ1に入力された所定の情報に基づいて、タグシールのデータ認証がなされると共に、届出報酬が与えられる。
【0039】
なお、本実施形態では、図示はしないが、ステップS41においても、上述のステップS37におけるメーカへの連帯貢献金の支払いがなされるものとする。また、ステップS41において、ユーザUA及び中古品販売業者Taにも、連帯貢献金が適宜支払われるものとする。
このように、家具の売却(と、それに伴う届出)がなされるたびに、これまで家具の使用権を有していた者(メーカMa、ユーザUA、中古品販売業者Ta、2次ユーザUB、中古品販売業者Tb等)に対して連帯貢献金が適宜支払われる。
これにより、家具の使用権を有した者は、本サービスの届出を行うことに対するインセンティブを得ることができるため、本サービスを継続的に利用するモチベーションを得ることになる。
更に言えば、家具の使用権を手放した後にも、連帯貢献金が支払われるため、家具を安易にごみとして処分せずに、繰り返し出品するため、家具の製造や廃棄による環境負荷を低減し、持続可能性を高めることができるのである。
【0040】
以下、ステップS41の続きの段階の説明に戻る。
次に、ステップS42において、中古品販売業者Tbは、3次ユーザ(利用者)UCに対して、中古品としての家具を販売する。
【0041】
ここで、3次ユーザUCは、家具が損耗しているため、中古品としての価値を失っており、処分すべきと判断したとする。
この場合、ステップS43において、3次ユーザUCは、処分業者CTに対して、処分依頼をする。
次に、ステップS44において、処分依頼を受けた処分業者CTは、サーバ1に所定の情報を入力することで、家具を処分しますという届出を行う。
次に、ステップS45において、ステップS44においてサーバ1に入力された所定の情報に基づいて、タグシールのデータ認証がなされると共に、届出報酬が与えられる。
【0042】
このように、本サービスでは、メーカMaから処分業者CTまで一貫して、家具の使用権を有した者には報酬が支払われるため、家具が適切に管理されるのである。
【0043】
なお、上述の説明では、タグシールに、中古品販売業者Taがサーバ1へアクセスするための情報や、それを促す言葉等が印刷されているものとしたが、特にこれに限定されない。例えば、サービス提供者SAは、中古品販売業者Ta,Tb等に対し、本サービスを利用すれば、利益が恒常的にシェアされる旨を事前に案内する。これにより、例えば、単に二次元バーコードが付されたタグシールが付されているだけで、中古品販売業者Ta,Tbが届出を行うことが期待される。
【0044】
以上、図1乃至図3を参照して、本サービスについて説明した。
以下、図4乃至図6を参照して、本サービスを実現するための情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成等について説明する。
【0045】
図4は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0046】
図4に示す情報処理システムは、サーバ1と、現使用権者端末2と、過去使用権者端末3-1乃至3-n(nは正の整数値)とを含む。
なお、以下、過去使用権者3-1乃至3-nを個々に区別する必要が無い場合、「過去使用権者3」と呼ぶ。
サーバ1と、現使用権者端末2と、過去使用権者端末3とは、インターネット(Internet)等のネットワークNWを介して相互に接続されている。なお、ネットワークNWは、本実施形態ではインターネッとされているが、その形態は特に本実施形態のものに限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、LAN(Local Area Network)等を採用することができる。
【0047】
図5は、図4の情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memoy)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0049】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0050】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0051】
入力部16は、各種ハードウェア釦等で構成され、操作者の指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。
【0052】
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNWを介して他の装置(現使用権者端末2等)との間で行う通信を制御する。
【0053】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0054】
このような図5のサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理の実行が可能になる。
なお、図示はしないが、図4の情報処理システムのうち、現使用権者端末2及び過去使用権者端末3も、図5に示すハードウェア構成を有している。このため、現使用権者端末2及び過去使用権者端末3のハードウェア構成についての説明は省略する。ただし、ユーザ端末2がスマートフォンやタブレットで構成される場合には、入力部16及び出力部17として、タッチパネルを有している。
【0055】
図6は、図5のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0056】
図6に示すように、サーバ1においては、物品位置情報取得部51と、物品管理部52と、譲渡依頼受付部53と、譲渡制御部54と、識別子発行部55と、報酬付与部56戸が機能する。物品管理部52は、新規設備管理部61と、他使用設備管理部62とを有する。
また、サーバ1の記憶部18には、物品管理情報DB71が設けられている。
【0057】
まず、前提として、家具にはTAGが付されている。現時点で家具を所有する現使用権者(例えば、図1の例のステップS14からステップS15の間における企業C2)は、家具に付されているTAGを、現使用権者端末2を用いて読み取ることにより、家具の位置を検出することができる。
物品位置情報取得部51は、TAGが付された家具の位置情報を取得する。
具体的には、TAGは家具を一意に特定する識別子等を有している。このTAGが現使用権者端末2により読み取られることで、その位置情報が、サーバ1に送信される。サーバ1は、家具が所定位置に所定時点において存在するか否かを判定することができる。
即ち、TAGは、識別子を含む情報を送信可能なTAGであるといえる。
このように、現時点で家具を所有する現使用権者(例えば、図1の企業C2)は、オフィス内の家具の管理にTAGを活用することができる。
【0058】
物品位置情報取得部51は、TAGから送信された情報に基づいて認識された情報であって、家具の識別子及び位置を含む情報を、当該家具の現在位置情報として取得する。
【0059】
物品管理部52は、家具を識別する識別子、当該家具の現使用権者、当該家具の1人以上の過去使用権者の履歴を含む当該家具に関する情報を、物品管理情報として管理する。
また、物品管理部52は、識別子を特定可能な媒体が家具に付されるときに、家具についての物品管理情報を生成する。
更に、物品管理部52は、家具についての物品管理情報として、さらに、現在位置情報も管理する。
【0060】
譲渡依頼受付部53は、家具の現使用権者から、当該使用権の譲渡の依頼を受け付ける。
【0061】
譲渡制御部54は、依頼に基づいて、他者から対価を受け取ることを条件として、家具の使用権を他者へ譲渡する契約を締結する制御を実行する。
【0062】
物品管理部52は、契約が締結された場合、物品管理情報において、現使用権者を他者に変更すると共に、契約の締結前に現使用権者であった者を過去使用権者に変更して履歴に追加する。
【0063】
報酬付与部56は、他者が対価を支払うことを条件として、家具の使用権を現使用権者から当該他者へ譲渡する契約が締結された場合、締結前に現使用権者であった者に対して契約の締結の報酬(図1等における「成約料」)として、対価の一部を付与すると共に、物品管理情報の履歴として管理されている1以上の過去使用権者の夫々に対して、連帯貢献の報酬(図1等における「連帯貢献金」)として、対価の一部を付与する。
【0064】
識別子発行部55は、現使用権者からの依頼に基づいて、家具の識別子を発行する。新たな家具は、識別子発行部により発行された識別子に対応付けられたTAGが付されて管理される。
【0065】
以上、本発明の情報処理装置の一実施形態について説明したが、本発明は上述した本実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙に過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0066】
上述の実施形態では、サブスクリプションの対象は、家具であるものとしたが、特にこれに限定されず、ユーザが使用する所定空間に配置させる設備であればよい。
【0067】
また、図4に示すシステム構成、図5に示すハードウェア構成、及び図6に示す機能的構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0068】
換言すると、図6に示す機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が、図6に示す情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図8の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図8に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックを、ユーザ端末2、あるいは図示せぬ他の情報処理装置等に移譲してもよい。即ち、サーバ1による設備の情報の管理をユーザ端末2が行えるようにすることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0069】
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0070】
また例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成される。
【0071】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図5のリムーバブルメディア30により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア30は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図5のROM12や、図7の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0072】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0073】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば、図6のサーバ1)は、
物品を識別する識別子、当該物品の現使用権者、当該物品の1人以上の過去使用権者の履歴を含む当該物品に関する情報を、物品管理情報として管理する物品管理手段(例えば、図6の物品管理部52)と、
他者が対価を支払うことを条件として、前記物品の使用権を前記現使用権者から当該他者へ譲渡する契約が締結された場合、締結前に前記現使用権者であった者に対して前記契約の締結の報酬(明細書でいう「成約料」)として、前記対価の一部を付与すると共に、前記物品管理情報の前記履歴として管理されている前記1以上の過去使用権者の夫々に対して、連帯貢献の報酬(明細書でいう「連帯貢献金」)として、前記対価の一部を付与する報酬付与手段(例えば、図6の報酬付与部56)と、
を備え、
前記物品管理手段は、前記契約が締結された場合、前記物品管理情報において、前記現使用権者を前記他者に変更すると共に、前記契約の締結前に前記現使用権者であった者を前記過去使用権者に変更して前記履歴に追加する、
ことができる。
【0074】
前記物品管理手段は、前記識別子を特定可能な媒体が前記物品に付されるときに、前記管理手段は、前記物品についての前記物品管理情報を生成する、
ことができる。
【0075】
前記媒体は、前記識別子を含む情報を送信可能なTAGであり、
前記TAGから送信された前記情報に基づいて認識された情報であって、前記物品の前記識別子及び位置を含む情報を、当該物品の現在位置情報として取得する物品位置情報取得手段(例えば、図6の物品位置情報取得部51)
をさらに備え、
前記物品管理手段は、前記物品についての前記物品管理情報として、さらに、前記現在位置情報も管理する
ことができる。
【0076】
前記物品の前記現使用権者から、当該使用権の譲渡の依頼を受け付ける譲渡依頼受付手段(例えば、図6の譲渡依頼受付部53)と、
前記依頼に基づいて、前記他者から前記対価を受け取ることを条件として、前記物品の使用権を他者へ譲渡する契約を締結する制御を実行する譲渡制御手段(例えば、図6の譲渡制御部54)と、
をさらに備えることができる。
【0077】
前記現使用権者からの依頼に基づいて、前記物品の前記識別子を発行する識別子発行手段(例えば、図6の識別子発行部55)、
をさらに備えることができる。
【符号の説明】
【0078】
1・・・サーバ、2・・・現使用権者端末、3,3-1乃至3-n・・・過去使用権者端末、11・・・CPU、20・・・ドライブ、21・・・リムーバブルメディア、51・・・物品位置情報取得部、52・・・物品管理部、53・・・譲渡依頼受付部、54・・・譲渡制御部、55・・・識別子発行部、56・・・報酬付与部、61・・・物品管理情報DB

図1
図2
図3
図4
図5
図6