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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048567
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】机上ブース
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/00 20060101AFI20230331BHJP
   A47B 17/00 20060101ALI20230331BHJP
   A47B 97/00 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
A47B17/00 Z
A47B97/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157966
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】井村 陽美
(72)【発明者】
【氏名】松尾 泰久
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NQ06
3B053NQ07
3B053SE09
(57)【要約】
【課題】机上面に机上ブースを配した際に、机上面が乱雑になることを防止ないし抑制しつつ、当該机上ブースの内側空間と外側との間で電力ケーブルや通信ケーブル等のケーブル類の引き回しを行うことができるようにする。
【解決手段】机上面Daの使用者に対面し得る位置に配されるフロントパネル1と、このフロントパネル1に連続し使用者の左右両側に配置可能なサイドパネル2とを具備してなる机上ブースBにおいて、机上面Daに置かれるフロントパネル1の下縁部1aの略全域に変形可能領域1fが形成されており、この変形可能領域1fが、机上面Daに当接又は近接する通常位置から机上面Daとの間に少なくともケーブルCC類の通過を許容する隙間が形成される変形位置までの間で変形し得るように構成されている構成を採用する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
机上面の使用者に対面し得る位置に配されるフロントパネルと、このフロントパネルに連続し使用者の左右両側に配置可能なサイドパネルとを具備してなり、
前記机上面に置かれる前記フロントパネル及びサイドパネルの少なくとも一方における下縁部に変形可能領域が形成されており、
前記変形可能領域は、前記机上面に当接又は近接する通常位置から前記机上面との間に少なくともケーブル類の通過を許容する隙間が形成される変形位置までの間で変形し得るように構成されている机上ブース。
【請求項2】
前記フロントパネル及び前記サイドパネルは、音漏れ抑制機能を有する材料により構成されている請求項1記載の机上ブース。
【請求項3】
前記フロントパネル及び前記サイドパネルの少なくとも一方は、変形可能な外装材と、この外装材の内側に配された保形性を有する芯材とを備えたものである請求項1又は2記載の机上ブース。
【請求項4】
前記変形可能領域が、前記外装材により構成され前記芯材が除去されている領域である請求項3記載の机上ブース。
【請求項5】
前記サイドパネルは、前記机上面に当接する下辺の前端よりも手前側に延出する延出部を備えたものであり、その延出部が使用者の左右両側に位置するように構成されている請求項1、2、3又は4記載の机上ブース。
【請求項6】
前記フロントパネル及び前記サイドパネルにより囲まれる机上空間の上を覆う屋根パネルを備えている請求項1、2、3、4又は5記載の机上ブース。
【請求項7】
前記屋根パネルは、透光性を有する窓を備えたものである請求項6記載の机上ブース。
【請求項8】
前記フロントパネルと前記屋根パネルとは一体的に連続する中央構造体を構成しており、この中央構造体と前記各サイドパネルとは、スライドファスナを介して着脱可能に接続されている請求項6又は7記載の机上ブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存のデスクやテーブル上に載置して使用するのに適した机上ブースに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、この種の机上ブースとして、使用者に対面し得る位置に配されるフロントパネルと、このフロントパネルに連続し使用者の左右両側に配置可能なサイドパネルとを具備してなり、既存のデスクやテーブル上に載置して使用することができるもの(非特許文献1参照)が、種々開発されている。
【0003】
ところが、従来のものは、例えば、硬質パネル材をヒンジを介して接続することによりフロンパネルとサイドパネルとを形成したものが一般的である。そして、音の拡散を抑制する目的を有した製品等においては、そのフロントパネルとサイドパネルの下縁を机上面に隙間なく当接させて設置しえるように構成されている。
【0004】
そのため、既存のデスクやテーブル上に載置して使用する場合、電力ケーブルや通信ケーブルを当該机上ブースの内側空間に導く必要がある場合、このケーブル類をフロントパネルやサイドパネルを迂回して引き回す必要がある。そのため、机上面が乱雑になり易いという課題がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“UCHIDASウチダス簡易机上ブース(60×40cm机用): 学習支援用品”、[online]、[令和3年9月22日検索]、インターネット<URL: https://www.uchidas.net/shop/g/g86175163/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上に着目してなされたもので、机上面に机上ブースを配した際に、机上面が乱雑になることを防止ないし抑制しつつ、当該机上ブースの内側空間と外側との間で電力ケーブルや通信ケーブル等のケーブル類の引き回しを行うことができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明に係る机上ブースは、机上面の使用者に対面し得る位置に配されるフロントパネルと、このフロントパネルに連続し使用者の左右両側に配置可能なサイドパネルとを具備してなり、前記机上面に置かれる前記フロントパネル及びサイドパネルの少なくとも一方における下縁部に変形可能領域が形成されており、前記変形可能領域は、前記机上面に当接又は近接する通常位置から前記机上面との間に少なくともケーブル類の通過を許容する隙間が形成される変形位置までの間で変形し得るように構成されているものである。
【0008】
請求項2記載の発明に係る机上ブースは、請求項1記載のものであって、前記フロントパネル及び前記サイドパネルは、音漏れ抑制機能を有する材料により構成されているものである。
【0009】
請求項3記載の発明に係る机上ブースは、請求項1又は2記載のものであって、前記フロントパネル及び前記サイドパネルの少なくとも一方は、変形可能な外装材と、この外装材の内側に配された保形性を有する芯材とを備えたものである。
【0010】
請求項4記載の発明に係る机上ブースは、請求項3記載のものであって、前記変形可能領域が、前記外装材により構成され前記芯材が除去されている領域であるものである。
【0011】
請求項5記載の発明に係る机上ブースは、請求項1、2、3又は4記載のものであって、前記サイドパネルは、前記机上面に当接する下辺の前端よりも手前側に延出する延出部を備えたものであり、その延出部が使用者の左右両側に位置するように構成されているものである。
【0012】
請求項6記載の発明に係る机上ブースは、請求項1、2、3、4又は5記載のものであって、前記フロントパネル及び前記サイドパネルにより囲まれる机上空間の上を覆う屋根パネルを備えているものである。
【0013】
請求項7記載の発明に係る机上ブースは、請求項6記載のものであって、前記屋根パネルは、透光性を有する窓を備えたものである。
【0014】
請求項8記載の発明に係る机上ブースは、請求項6又は7記載のものであって、前記フロントパネルと前記屋根パネルとは一体的に連続する中央構造体を構成しており、この中央構造体と前記各サイドパネルとは、スライドファスナを介して着脱可能に接続されているものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、机上面に机上ブースを配した際に、机上面が乱雑になることを防止ないし抑制しつつ、当該机上ブースの内側空間と外側との間で電力ケーブルや通信ケーブル等のケーブル類の引き回しを行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る机上ブースを示す正面図。
図2】同実施形態に係る机上ブースを示す右側面図。
図3】同実施形態に係る机上ブースを示す平面図。
図4図1におけるA-A線に沿った断面図。
図5】同実施形態に係る机上ブースを配置したデスクを示す正面側からの斜視図。
図6】同実施形態に係る机上ブースを配置したデスクを示す背面側からの斜視図。
図7】同実施形態に係る机上ブースの中央構造体を示す正面図。
図8】同実施形態に係る机上ブースのサイドパネル及び中央構造体を示す右側面図。
図9】同実施形態のフロントパネルとサイドパネルとの接合の態様を示す説明図。
図10】同実施形態の屋根パネルとサイドパネルとの接合の態様を示す説明図。
図11】同実施形態に係る机上ブースの変形可能領域の変形を示す説明図。
図12】同実施形態に係る机上ブースの変形可能領域の変形を示す説明図。
図13】同実施形態に係る机上ブースの変形可能領域の変形を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図1図13を参照しつつ説明する。
【0018】
この机上ブースBは、既存のデスク等の机上面に載置して個人的に使用されるものである。図5及び図6では、複数人が対面して着座することが可能なデスクDの一角に載置した状態を示している。
【0019】
しかして、この机上ブースBは、図1及び図4図6に示すように、机上面Daにおける使用者に対面し得る位置に配されるフロントパネル1と、このフロントパネル1に連続し使用者の左右両側に配置可能なサイドパネル2とを具備してなるもので、机上面Daに置かれるフロントパネル1及びサイドパネル2の少なくとも一方における下縁部に変形可能領域が形成されている。この実施形態の机上ブースBでは、フロントパネル1及びサイドパネル2の下縁部1a、2aの一部、具体的には、フロントパネル1の下縁部1aにおける略全域に変形可能領域1fが形成されている。
【0020】
変形可能領域1fは、図11図13に示すように、机上面Daに当接又は近接する通常位置(N)から机上面Daとの間に少なくともケーブル類CCの通過を許容する隙間1f1が形成される変形位置(T)までの間で変形し得るように構成されている。
【0021】
詳述すれば、フロントパネル1及びサイドパネル2は、音漏れ抑制機能を有する材料(吸音材及び遮音材)により構成されており、フロントパネル1及びサイドパネル2の少なくとも一方は、変形可能な外装材と、この外装材の内側に配された保形性を有する芯材とを備えたものである。
【0022】
図示実施形態に即して具体的に説明すれば、フロントパネル1は、図4及び図9に示すように、ブースBの内面側に張設された外装材11と、ブースBの外面側に張設された外装材12と、これら両外装材11、12の内側に配された芯材13とを備えたものである。ブースBの内面側の外装材11は、可撓性を有する布材111と、この布材111の内面に添接した弾性変形可能なウレタンシート112とを備えたものであり、この外装材11には、キルティング風の立体形状が与えられている。ブースBの外面側の外装材12も、可撓性を有する布材121と、この布材121の内面に添接した弾性変形可能なウレタンシート122とを備えているが、この外装材12には、キルティング風の立体形状が与えられていない。ウレタンシート112、122は、フロントパネル1の略全域に配されたもので、吸音機能を有する吸音材としての役割を担っている。芯材13は、フロントパネル1の下縁部1aを除く略全域に配された板状のもので、例えば、MDFにより構成されている。MDFは、保形性を有するとともに遮音性も備えており、遮音材としての役割をも担っている。この芯材13の下縁部には、左右両端部分を除いて凹欠部分13aが形成されており、この凹欠部分13aに対応する部位が前述したフロントパネル1の変形可能領域1fとなっている。しかして、この変形可能領域1fは、ブースBの内面側の外装材11(布材111とウレタンシート112)と、ブースBの外面側の外装材12(布材121とウレタンシート122)のみから形成されており、芯材13(MDF)は除かれている。そのため、この変形可能領域1fは、外力を加えることにより厚み方向に変形可能となっている。また、このフロントパネル1における芯材13と外面側の外装材12のウレタンシート122との間には、PP材により形成された保形材14が配されている。
【0023】
サイドパネル2は、図9及び図10に示すように、ブースBの内面側の外装材21と、遮音性及び保形性を有する芯材23と、ブースBの外面側の外装材22とを具備してなる。ブースBの内面側の外装材21は、可撓性を有する布材211と、この布材211の内面に添接されたウレタンシート212とを具備してなる。ブースBの外面側の外装材22も同様に、可撓性を有する布材221と、この布材221の内面に添接されたウレタンシート222とを具備してなる。ウレタンシート212、222は、サイドパネル2の略全域に配されたもので、前述と同様に吸音機能を有する吸音材としての役割を担っている。芯材23は、例えば、MDFにより構成されている。MDFは、前述したように保形性を有するとともに遮音性も備えており、遮音材としての役割をも担っている。ブースBの外面側の外装材22は、可撓性を有する布材のみにより構成されている。このサイドパネル2は、図2に示すように、前記机上面Daに当接する下辺2dの前端2d1よりも手前側に延出する延出部2eを備えたものであり、その延出部2eが使用者の左右両側に位置するように構成されている。
【0024】
また、この机上ブースBは、図1及び図3図6に示すように、フロントパネル1及びサイドパネル2により囲まれる机上空間Sの上を覆う屋根パネル3を備えている。この屋根パネル3は、透光性を有する窓3aを備えたものであり、図4及び図10に示すように、窓3aに対応する部位をくり抜いたブースBの内面側及びブースBの外面側の外装材31、32と、これら外装材31、32に周縁部を挟持された透光性を有する芯材33とを備えている。透光性を有する芯材33としては、例えば、透明なPP材が用いられている。このPP材は、厚み方向の弾性変形は可能であるものの前後左右方向の保形性は有している。また、フロントパネル1の保形材14は、屋根パネル3の下部、より具体的には窓3aの下縁近傍に達しており、フロントパネル1と屋根パネル3との連結部J及びフロントパネル1の上縁部1bを保形する機能をも有している。しかして、屋根パネル3の各外装材31、32は、対応するフロントパネル1の各外装材11、12にそれぞれ連続している。
【0025】
フロントパネル1と屋根パネル3とは、図1及び図4図8に示すように、一体的に連続する中央構造体Cを構成しており、この中央構造体Cと各サイドパネル1とは、スライドファスナ(線ファスナ)4を介して着脱可能に接続されている。しかして、中央構造体Cは、前述したフロントパネル1と屋根パネル3とからなるもので、その連結部Jにおいて、フロントパネル1の内外の外装材11、12と、屋根パネル3の内外の外装材31、32とが連続している。そして、この連結部Jに配された芯材33(PP材)の弾性変形により、フロントパネル1と屋根パネル3との相対角度を変化させることができるようになっている。この実施形態では、梱包時には図7及び図8に示すようにフロントパネル1と屋根パネル3とを平面状に展開しておき、使用する際に屋根パネル3をフロントパネル1に対して略90°の姿勢をなすように連結部Jを湾曲させて両サイドパネル2に接続し得るように構成されている。中央構造体Cを連結部Jにおいて湾曲させても、この連結部Jに内蔵されている芯材33(PP材)の働きにより、当該連結部Jがフィレット状をなす端正な形態に保たれる。
【0026】
相互に連結されたフロントパネル1と屋根パネル3の一側縁1c、3cは、図1に示すように、一方のサイドパネル2の(上縁部から後縁部に跨がる)縁部2bの内面に1本の連続したスライドファスナ4により着脱可能に連結され、フロントパネル1と屋根パネル3の他側縁1d、3dは、図1図9及び図10に示すように、に示すように、他方のサイドパネル2の(上縁部から後縁部に跨がる)縁部2bの内面に1本の連続したスライドファスナ4により着脱可能に連結されるようになっている。
【0027】
ここで、図1は、本実施形態の机上ブースBを示す正面図である。図2は、同机上ブースBを示す右側面図である。図3は、同机上ブースBを示す平面図である。図4は、図1におけるA-A線に沿った断面図である。図5は、同机上ブースBを配置したデスクDを示す正面側からの斜視図である。図6は、同机上ブースBを配置したデスクDを示す背面側からの斜視図である。図7は、本実施形態の中央構造体Cを示す正面図である。図8の(a)は、本実施形態のサイドパネル2を示す右側面図である。同図の(b)は、本実施形態の中央構造体Cを示す右側面図である。図9は、本実施形態のフロントパネル1とサイドパネル2との接合の態様を示す説明図であり、図2におけるE-E線に沿った断面に対応する部位を示している。図10は、本実施形態の屋根パネル3とサイドパネル2との接合の態様を示す説明図であり、図2におけるF-F線に沿った断面に対応する部位を示している。なお、図1及び図7において、変形可能領域1fに対応する箇所にはパターンを付している。
【0028】
このような構成のものであれば、平面的に梱包されている中央構造体Cを適宜変形させて左右のサイドパネル2と接続するだけで完成品となり、デスクDの机上面Da等に載置して使用することができる。そして、必要に応じて自在に移動させることもできる。
【0029】
しかして、この机上ブースBは、フロントパネル1及びサイドパネル2が音漏れ抑制機能(遮音機能と吸音機能)を有する材料により構成されているため、例えば、これらフロントパネル1及びサイドパネル2の内側の机上空間Sにパーソナルコンピュータを配置して執務エリア等でソロリモート作業等を行う場合でも、音が周囲に漏洩して他のワーカの邪魔になるという不具合を効果的に抑制することができる。この場合、フロントパネル1とサイドパネル2の下縁(下縁部1a、2aの下端)を机上面Daに当接させて隙間を無くしておけば、隙間から机上面Daに沿って音が拡散するのをも抑えることができるが、従来のものでこのような対策を講じると、デスクの配線ダクト等から取り出した電力ケーブルや通信ケーブルを当該机上ブースの内側空間に導く場合に、これらケーブル類をフロントパネルやサイドパネルを迂回して引き回す必要がある。これに対して、この机上ブースBによれば、フロントパネル1の下縁部1aに変形可能領域1fが設けられているため、この変形可能領域1fを部分的に変形させることによって、ブースBの外面側からブースBの内面側にケーブルCCを前述した隙間の増大を招くことなく通過させることが可能となる。図11はケーブルCC類を挿し通す前の状態である。図12はケーブルCCの先端に設けたプラグCC1を挿し通すべく変形可能領域1fを大きく変形させた状態である。図13はケーブルCCの先端に設けたプラグCC1をすべて通過させた後の変形可能領域1fを小さく変形させた状態である。そのため、机上面Daが乱雑になり易いという不具合を招くことなしにケーブル類の引き回しを行うことが可能となる。なお、図11図13は、いずれもフロントパネル1の下縁部及びその近傍の図1におけるA-A線に沿った断面を拡大して示す図である。
【0030】
また、この実施形態の机上ブースBは、フロントパネル1及びサイドパネル2が、変形可能な外装材11、12、21、22と、この外装材11、12、21、22の内側に配された保形性を有する芯材13、23とを備えたものであるたため、下縁部1aの所要位置において芯材13を部分的に除去するだけで変形可能領域1fを形成することができる。かかる変形可能領域1fは、外からは視認不能であり、必要な場合にだけ所要位置を変形させてケーブルCCを通過させることが可能なものとなる。
【0031】
さらに、この実施形態の机上ブースBは、サイドパネル2が、前記机上面Daに当接する下辺2dの前端2d1よりも手前側に延出する延出部2eを備えたものであり、その延出部2eが使用者の左右両側に位置するように構成されている。そのため、使用者にとって囲われている感覚を強く認識ことができ、図5及び図6に示すように複数人が同時使用可能なデスクD等に載置して使用する場合でも集中して作業を行うことが可能となる。
【0032】
また、この机上ブースBは、フロントパネル1及びサイドパネル2により囲まれる机上空間Sの上を覆う屋根パネル3を備えているため、作業に没頭する度合を特に高めることができる。なお、この机上パネルBでは、屋根パネル3が透光性を有する窓3aを備えたものであるため、閉塞感が強くなりすぎることがなく、ソロリモート作業等を行う際には使用者の顔に建築天井等の照明が届くことになり、リモート会議の画面が明るくなって使用者の存在感が強調されるものとなる。
【0033】
しかも、この机上ブースBでは、フロントパネル1と屋根パネル3とは一体的に連続する中央構造体Cを構成しており、この中央構造体Cと各サイドパネル2とがスライドファスナ4を介して着脱可能に接続されている。そのため、組立作業が容易である上に、保管や搬送時には嵩の低い図7及び図8に示すような平面的形態で梱包しておくことができる。
【0034】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0035】
例えば、図示実施形態では、複数人が同時使用可能なデスク上に載置して使用する場合について説明したが、一人用のデスクやテーブル等の机上面に置いて用いることもできるのは勿論である。
【0036】
また、図示実施形態では、変形可能領域をフロントパネルの下縁部に設けた場合について説明したが、フロントパネルではなく一方又は双方のサイドパネルの下縁部に変形可能領域を設けてもよい。さらにフロントパネル及びサイドパネルに跨がって変形可能領域を設けてもよく、フロントパネルにも一方または双方のサイドパネルにも個別に変形可能領域を設けてもよい。
【0037】
さらに、図示実施形態では、フロントパネル及びサイドパネルが音漏れ抑制機能を有する材料により構成されているが、フロントパネル及びサイドパネルの材料は任意のものを採用してよい。但し、フロントパネル及びサイドパネルを音漏れ抑制機能を有する材料により構成すれば、前述したように、これらフロントパネル及びサイドパネルの内側の机上空間にパーソナルコンピュータ等を配置して執務エリア等でソロリモート作業等を行う場合であっても、音が周囲に漏洩して他のワーカの邪魔になるという不具合を効果的に抑制することができるという点でより望ましい。
【0038】
加えて、図示実施形態では、フロントパネルの外装材が内側及び外側の双方とも布材の内面側に吸音ウレタンを添設したものであり、サイドパネルの内側の外装材も布材の内面側に吸音ウレタンを添設したものであり、サイドパネルの外側の外装材は可撓性を有する布材のみにより構成されているが、吸音ウレタン等の吸音材の配置等も任意に設定してよい。特に、図示実施形態のように、変形可能領域が、外装材により構成され芯材が除去されている領域である構成であれば、前述したように、下縁部の所要位置において芯材を部分的に除去するだけで変形可能領域を形成することができ、さらに、かかる変形可能領域は外から視認不能であり、必要な場合にだけ所要位置を変形させてケーブルを通過させることが可能なものとなるという点で望ましい。
【0039】
その上、図示実施形態では、サイドパネルが机上面の使用端よりも手前側に延出する延出部を備え、その延出部が使用者の左右両側に位置するように構成されているが、サイドパネルの形状も任意のものを採用してよい。
【0040】
また、図示実施形態では、フロントパネル及びサイドパネルにより囲まれる机上空間の上を覆う屋根パネルを備えているが、屋根パネルは省略してかまわない。但し、屋根パネルを備えたものであれば、前述したように、作業に没頭する度合を特に高めることができる。なお、特に、屋根パネルが透光性を有する窓を備えたものであれば、これも前述したように、閉塞感が強くなりすぎることがなく、ソロリモート作業等を行う際には使用者の顔に建築天井等の照明が届くことになり、リモート会議の画面が明るくなって使用者の存在感が強調されるものとなる。
【0041】
そして、図示実施形態では、フロントパネルと屋根パネルとが一体的に連続する中央構造体を構成しており、この中央構造体と前記各サイドパネルとがスライドファスナを介して着脱可能に接続されているようにしているが、フロントパネルとサイドパネルとの接続、また、屋根パネルを備えたものである場合の屋根パネルとフロントパネルとの接続、及び屋根パネルとサイドパネルとの接続も、任意の態様を採用してもよい。
【0042】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0043】
B…机上ブース
1…フロントパネル
1a…フロントパネルの下縁部
1f…変形可能領域
11、12…外装材
13…芯材
2…サイドパネル
2e…延出部
21、22…外装材
23…芯材
3…屋根パネル
3a…窓
4…スライドファスナ
Da…机上面
S…机上空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13