(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048600
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】サーバ装置及びロボット制御装置
(51)【国際特許分類】
B25J 19/06 20060101AFI20230331BHJP
B25J 9/22 20060101ALI20230331BHJP
G05B 19/42 20060101ALI20230331BHJP
G05B 19/18 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
B25J19/06
B25J9/22 A
G05B19/42 L
G05B19/18 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158016
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】赤路 雄一
【テーマコード(参考)】
3C269
3C707
【Fターム(参考)】
3C269BB11
3C269KK08
3C269MN03
3C269MN27
3C269MN46
3C269PP03
3C269PP09
3C707JS03
3C707JS07
3C707JU14
3C707KS11
3C707KT01
3C707MS27
3C707MS29
3C707MT01
(57)【要約】
【課題】ロボット制御装置に補助端末を連携させる場合において、当該補助端末を監視しつつ、産業用ロボットの動作の安全性を適切に確保することができるサーバ装置、及びそれに伴うロボット制御装置を提供することである。
【解決手段】ロボットシステム10におけるサーバ装置100は、ロボットRの動作を制御するロボット制御装置110に連携させて使用する補助端末120と、当該ロボット制御装置とが接続している期間に撮像された接続中画像を取得する画像取得部101と、予め記録されている認証用画像と接続中画像とに基づいて、補助端末とロボット制御装置との接続を維持するか否かを判定する接続維持判定部103と、接続を維持すると判定された場合には、ロボット制御装置に接続維持信号を送信しつつ、補助端末で操作されたロボットに対する動作命令をロボット制御装置に送信する連携制御部104と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業用ロボットの動作を制御するロボット制御装置に連携させて使用する補助端末と、当該ロボット制御装置とが接続している期間に撮像された接続中画像を取得する画像取得部と、
予め記録されている認証用画像と前記接続中画像とに基づいて、前記補助端末と前記ロボット制御装置との接続を維持するか否かを判定する接続維持判定部と、
前記接続を維持すると判定された場合には、前記ロボット制御装置に接続維持信号を送信しつつ、前記補助端末で操作された前記産業用ロボットに対する動作命令を前記ロボット制御装置に送信する連携制御部と、を備える、
サーバ装置。
【請求項2】
前記画像取得部は、前記接続中画像を所定時間毎に取得する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記連携制御部は、所定の時間閾値以上、前記接続を維持すると判定されない場合には、前記ロボット制御装置への接続維持信号の送信を停止する、
請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記連携制御部は、前記ロボット制御装置への接続維持信号の送信を停止した場合、前記ロボット制御装置へ前記産業用ロボットを停止する動作命令を送信する、
請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記画像取得部は、前記補助端末の所定の接続時に、前記補助端末を用いて撮像された前記認証用画像を取得して、メモリに記録する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記認証用画像は、前記産業用ロボット、前記ロボット制御装置又は当該ロボット制御装置に含まれるティーチングペンダントのうち、少なくとも1つ以上に予め設定されている、
請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
産業用ロボットの動作を制御するロボット制御装置であって、
当該ロボット制御装置に連携させて使用する補助端末と当該ロボット制御装置との接続を維持することを示す接続維持信号を受信する受信部と、
前記接続維持信号を受信している期間は、前記補助端末で操作された前記産業用ロボットに対する動作命令を受け付けて、当該動作命令に基づいて前記産業用ロボットの動作を制御する制御部と、を備える、
ロボット制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置及びロボット制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、産業界において、多くのロボットが普及している。当該ロボットは、例えば、電子部品及び機械部品の組み立て、溶接及び搬送等に用いられ、工場の生産ラインの効率化及び自動化が図られている。このようなロボットは、所望の動作をさせるためのプログラムを作成して、所謂教示データとして予め記憶させておく必要がある。当該教示データは、操作者がティーチングペンダントを用いて、ロボット制御装置と連携し、実際のロボットを操作することによって、その動作を記録させて生成される。
【0003】
ここで、ロボットを稼働させている際に異常を検知した場合には、当該ロボットを停止させて安全性を確保しなければならないように求められている。
【0004】
特許文献1では、非常停止手段を備えるティーチングペンダントが開示されている。当該ティーチングペンダントは、通信データ及び通信状態を検出し、当該検出結果に応じて非常停止操作手段の表示色を変更することによって、オペレータに対して、非常停止操作手段が有効であるか、或いは無効であるかを認識させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、操作者がティーチングペンダントを用いてロボット制御装置と連携し、実際のロボットを操作する際に、さらに、例えば、スマートフォンやタブレット等を補助端末として用いることによって操作性の向上及び機能の拡張を図ることが期待されている。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたティーチングペンダントであっても、スマートフォンやタブレット等を補助端末として用いることを想定しておらず、当該補助端末を監視しながら、ロボットを稼働させている際に異常を検知した場合には、当該ロボットを停止させて安全性を確保しなければならないという課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、ロボット制御装置に補助端末を連携させる場合において、当該補助端末を監視しつつ、産業用ロボットの動作の安全性を適切に確保することができるサーバ装置、及びそれに伴うロボット制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るサーバ装置は、産業用ロボットの動作を制御するロボット制御装置に連携させて使用する補助端末と、当該ロボット制御装置とが接続している期間に撮像された接続中画像を取得する画像取得部と、予め記録されている認証用画像と接続中画像とに基づいて、補助端末とロボット制御装置との接続を維持するか否かを判定する接続維持判定部と、接続を維持すると判定された場合には、ロボット制御装置に接続維持信号を送信しつつ、補助端末で操作された産業用ロボットに対する動作命令をロボット制御装置に送信する連携制御部と、を備える。
【0010】
この態様によれば、画像取得部は、補助端末とロボット制御装置とが接続している期間に撮像された接続中画像を取得し、接続維持判定部は、予め記録されている認証用画像と接続中画像とに基づいて、補助端末とロボット制御装置との接続を維持するか否かを判定する。連携制御部は、接続を維持すると判定された場合には、ロボット制御装置に接続維持信号を送信しつつ、補助端末で操作された産業用ロボットに対する動作命令をロボット制御装置に送信する。これにより、ロボット制御装置に補助端末を連携させる場合において、当該補助端末を監視しつつ、産業用ロボットの動作の安全性を適切に確保することができる。
【0011】
上記態様において、画像取得部は、接続中画像を所定時間毎に取得してもよい。
【0012】
この態様によれば、画像取得部は、接続中画像を所定時間毎に取得するため、継続的に補助端末を監視することができる。
【0013】
上記態様において、連携制御部は、所定の時間閾値以上、接続を維持すると判定されない場合には、ロボット制御装置への接続維持信号の送信を停止してもよい。
【0014】
この態様によれば、連携制御部は、所定の時間閾値以上、接続を維持すると判定されない場合には、ロボット制御装置への接続維持信号の送信を停止するため、適切に、補助端末とロボット制御装置との接続を遮断し、産業用ロボットの動作の安全性を確保することができる。
【0015】
上記態様において、連携制御部は、ロボット制御装置への接続維持信号の送信を停止した場合、ロボット制御装置へ産業用ロボットを停止する動作命令を送信してもよい。
【0016】
この態様によれば、連携制御部は、ロボット制御装置への接続維持信号の送信を停止した場合、ロボット制御装置へ産業用ロボットを停止する動作命令を送信するため、適切に、産業用ロボットを停止させて、安全性を確保することができる。
【0017】
上記態様において、画像取得部は、補助端末の所定の接続時に、補助端末を用いて撮像された認証用画像を取得して、メモリに記録してもよい。
【0018】
この態様によれば、画像取得部は、補助端末の所定の接続時に、補助端末を用いて撮像された認証用画像を取得して、メモリに記録するため、容易に、認証用画像を記録することができる。また、事前に認証用画像を登録する等の処理を軽減することができる。
【0019】
上記態様において、認証用画像は、産業用ロボット、ロボット制御装置又は当該ロボット制御装置に含まれるティーチングペンダントのうち、少なくとも1つ以上に予め設定されていてもよい。
【0020】
この態様によれば、認証用画像は、産業用ロボット、ロボット制御装置又は当該ロボット制御装置に含まれるティーチングペンダントのうち、少なくとも1つ以上に予め設定されているため、操作者は、汎用的に使用しているスマートフォンやタブレット等を補助端末として用いて、容易に、認証用画像を撮像することができる。
【0021】
本発明の一態様に係るロボット制御装置は、産業用ロボットの動作を制御するロボット制御装置であって、当該ロボット制御装置に連携させて使用する補助端末と当該ロボット制御装置との接続を維持することを示す接続維持信号を受信する受信部と、接続維持信号を受信している期間は、補助端末で操作された産業用ロボットに対する動作命令を受け付けて、当該動作命令に基づいて産業用ロボットの動作を制御する制御部と、を備える。
【0022】
この態様によれば、受信部は、ロボット制御装置に連携させて使用する補助端末と当該ロボット制御装置との接続を維持することを示す接続維持信号を受信し、制御部は、接続維持信号を受信している期間は、補助端末で操作された産業用ロボットに対する動作命令を受け付けて、当該動作命令に基づいて産業用ロボットの動作を制御する。これにより、ロボット制御装置に補助端末を連携させる場合において、当該補助端末を監視しつつ、産業用ロボットの動作の安全性を適切に確保することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ロボット制御装置に補助端末を連携させる場合において、当該補助端末を監視しつつ、産業用ロボットの動作の安全性を適切に確保することができるサーバ装置、及びそれに伴うロボット制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係るロボットシステム10の概要を示すシステム概要図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るロボットシステム10において、主に、サーバ装置100の各機能を示す機能ブロックである。
【
図3】ティーチングペンダントTPの表示画面に表示される認証用画像の一具体例を示す図である。
【
図4】ロボット制御装置110と補助端末120との接続を管理する接続管理方法M10を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。また、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する場合がある。
【0026】
<一実施形態>
[ロボットシステムの概要]
図1は、本発明の一実施形態に係るロボットシステム10の概要を示すシステム概要図である。
図1に示されるように、ロボットシステム10は、サーバ装置100と、ロボット制御装置110と、補助端末120とを備え、これらは、有線又は無線接続されており、インターネット、イントラネット、又はLAN等のネットワークを介してデータ通信可能な構成となっている。
【0027】
ロボット制御装置110は、ティーチングペンダントTPを含み、ロボットRの動作制御及び設定等を行う。ロボットRは、例えば、溶接ロボット等の産業用ロボットである。典型的には、操作者がティーチングペンダントTPを操作することによってロボット制御装置110がロボットRを動作させて、当該動作に基づく教示データが生成される。当該教示データは、ロボットRを動作制御するプログラムとして記録され、ロボット制御装置110は、当該プログラムに基づいてロボットRを動作制御する。
【0028】
補助端末120は、操作者がティーチングペンダントTPを用いてロボットRを操作する際、及び教示データに基づいてロボットRを動作させる際に、例えば、スマートフォンやタブレット等を用いることによって操作性の向上及び機能の拡張等を図るものである。
【0029】
操作者が補助端末120を操作することによりロボットRに対する動作命令をサーバ装置100に送信し、当該サーバ装置100を介してロボット制御装置110と連携して、ロボットRを動作させる。
【0030】
例えば、操作者が補助端末120を操作することにより、ロボットRの動作を開始又は終了させたり、ロボットRのアームや溶接トーチを移動させたり、アーク溶接を開始又は終了させたり、ロボットRに関する種々の設定を行なったり、その他各種調整したり等しても構わない。さらに、既存のティーチングペンダントTPには含まれない機能である、例えば、マイク機能を用いて、操作者が音声で動作命令を入力することにより、ロボットRを動作させても構わない。
【0031】
また、補助端末120は、カメラ機能を用いて、ロボット制御装置110との接続を維持するか否かを判定するための認証用画像及び接続中画像を撮像し、サーバ装置100に送信する。
【0032】
ここで、認証用画像とは、ロボット制御装置110に対する接続を認証するために予め設定される画像であって、例えば、ロボットR、ロボット制御装置110又はティーチングペンダントTP等、さらに、それらの周辺に貼付されていても構わないし、ティーチングペンダントTP等の表示画面に表示させても構わない。また、認証用画像は、2次元コード、モザイク画像、及び個人情報カード等で構成されていても構わない。
【0033】
接続中画像とは、ロボットRの動作を制御するロボット制御装置110に連携させて使用する補助端末120と当該ロボット制御装置110とが接続している期間に撮像された画像である。典型的には、補助端末120とロボット制御装置110との接続を維持するために、当該接続期間中は、上述した認証用画像と同様の画像を撮像するようにして、接続中画像としてサーバ装置100に送信すればよい。なお、補助端末120とロボット制御装置110との接続を維持するか否かの判定について、詳細は後述する。
【0034】
サーバ装置100は、ロボット制御装置110と補助端末120との接続を管理しつつ、補助端末120からのロボットRに対する動作命令を受信し、当該動作命令をロボット制御装置110に送信する。換言すれば、補助端末120は、サーバ装置100を介してロボット制御装置110と連携し、ロボットRの動作させている。
【0035】
なお、サーバ装置100は、補助端末120からの接続中画像を受信し、当該接続中画像と認証用画像とに基づいて、ロボット制御装置110と補助端末120との接続を維持するか否かを判定する。サーバ装置100は、ロボット制御装置110と補助端末120との接続を維持する場合には、ロボット制御装置110に接続維持信号を送信し、ロボット制御装置110と補助端末120との接続を維持しない場合には、当該接続維持信号を送信せず、ロボットRを停止させる動作命令を送信する。
【0036】
[ロボットシステムにおける各部の機能]
図2は、本発明の一実施形態に係るロボットシステム10において、主に、サーバ装置100の各機能を示す機能ブロックである。
図2に示されるように、サーバ装置100は、画像取得部101と、メモリ102と、接続維持判定部103と、連携制御部104とを備える。
【0037】
画像取得部101は、ロボットRの動作を制御するロボット制御装置110に連携させて使用する補助端末120と、当該ロボット制御装置110とが接続している期間に撮像された接続中画像を取得する。
【0038】
例えば、認証用画像がティーチングペンダントTPの表示画面に表示されている場合には、操作者は、補助端末120に搭載されているカメラを当該ティーチングペンダントTPの表示画面が撮像可能なように設定し、継続して当該ティーチングペンダントTPの表示画面を撮像して、撮像した画像を接続中画像としてサーバ装置100に送信する。
【0039】
なお、接続中画像は、所定時間毎(例えば、100~500msec等)に、補助端末120によって撮像されて、サーバ装置100に送信される。換言すれば、サーバ装置100における画像取得部101は、所定時間毎に、補助端末120から接続中画像を取得する。
【0040】
メモリ102には、所定時間毎に画像取得部101によって取得される接続中画像と照合するための認証用画像が記録されている。例えば、認証用画像は、予めメモリ102に記録されていても構わないし、補助端末120によって撮像された認証用画像を、当該補助端末120から取得してメモリ102に記録されても構わない。
【0041】
認証用画像を補助端末120から取得する場合、補助端末120は、ロボット制御装置110との接続を確立しようとする際(接続時)に、例えば、ティーチングペンダントTPの表示画面に表示された認証用画像を撮像して、サーバ装置100に送信すればよい。このとき、補助端末120からサーバ装置100に対して、認証用画像を送信する旨を通知することが好ましく、サーバ装置100における画像取得部101は、取得した認証用画像をメモリ102に記録させることができる。
【0042】
図3は、ティーチングペンダントTPの表示画面に表示される認証用画像の一具体例を示す図である。
図3に示されるように、ティーチングペンダントTPの表示画面にモザイク画像が表示されており、補助端末120は、当該ティーチングペンダントTPの表示画面に表示されたモザイク画像を撮像して、認証用画像としてサーバ装置100に送信する。そして、当該認証用画像が、メモリ102に記録されることになる。
【0043】
接続維持判定部103は、メモリ102に記録されている認証用画像と、所定時間毎に画像取得部101によって取得される接続中画像とに基づいて、補助端末120とロボット制御装置110との接続を維持するか否かを判定する。
【0044】
例えば、
図3に示されたようなモザイク画像が認証用画像としてメモリ102に記録されている場合、操作者は、補助端末120を用いて、ティーチングペンダントTPの表示画面に表示されているモザイク画像を撮像しつつ、当該補助端末120を操作する。補助端末120によって、所定時間毎に、撮像されたモザイク画像は、接続中画像として補助端末120からサーバ装置100に送信されて、画像取得部101によって取得される。接続維持判定部103は、当該接続中画像と、メモリ102に記録されている認証用画像とを照合し、所定の閾値以上の一致性を有している場合、補助端末120とロボット制御装置110との接続を維持すると判定する。
【0045】
一方、接続維持判定部103は、当該接続中画像と、メモリ102に記録されている認証用画像とを照合し、所定の閾値以上の一致性を有していない場合、補助端末120とロボット制御装置110との接続を維持しないと判定する。具体的には、補助端末120を操作する操作者が、ティーチングペンダントTPを含むロボット制御装置110の傍から離れて、当該ティーチングペンダントTPの表示画面に表示されているモザイク画像を撮像できない状況になった場合等が考えられる。
【0046】
連携制御部104は、接続維持判定部103によって、補助端末120とロボット制御装置110との接続を維持すると判定された場合には、ロボット制御装置110に接続維持信号を送信しつつ、補助端末120で操作されたロボットRに対する動作命令をロボット制御装置110に送信する。より詳細には、連携制御部104は、ロボット制御装置110に対して、補助端末120との接続が維持されている旨を示す接続維持信号を継続して送信する。そして、連携制御部104によって継続して接続維持信号が送信されている期間に、補助端末120で操作されたロボットRに対する動作命令を当該補助端末120から受信した場合には、当該サーバ装置100を介してロボット制御装置110と連携して、ロボットRを動作させることになる。
【0047】
一方、連携制御部104は、接続維持判定部103によって、補助端末120とロボット制御装置110との接続を維持すると判定されない場合には、ロボット制御装置110に接続維持信号を送信しない。すなわち、連携制御部104は、補助端末120とロボット制御装置110との接続を遮断し、仮に、補助端末120で操作されたロボットRに対する動作命令を当該補助端末120から受信した場合であっても、ロボット制御装置110には送信しない。また、連携制御部104は、ロボット制御装置110へロボットRを停止する動作命令を送信しても構わない。
【0048】
なお、連携制御部104は、所定の時間閾値以上、接続維持判定部103によって、補助端末120とロボット制御装置110との接続を維持すると判定されない場合に、ロボット制御装置110に接続維持信号を送信しないようにしても構わない。例えば、所定時間毎(例えば、100~500msec等)に接続中画像を取得して、認証用画像と照合されているにもかかわらず、所定の時間閾値以上(例えば、1~2sec等)、接続維持判定部103によって、補助端末120とロボット制御装置110との接続を維持すると判定されない場合には、セキュリティ上の問題、通信障害、又は端末や装置の故障等を含む異常が発生している可能性があるとして、ロボット制御装置110への接続維持信号の送信を停止し、ロボットRを停止する動作命令を送信して、ロボットRを停止させる。
【0049】
このように、サーバ装置100は、ロボット制御装置110と補助端末120との接続を管理しつつ、補助端末120からのロボットRに対する動作命令をロボット制御装置110に連携してロボットRを動作させ、一方、ロボット制御装置110と補助端末120との接続を維持しない場合には、ロボットRを停止させて安全性を確保している。
【0050】
[ロボット制御装置と補助端末との接続を管理する接続管理方法]
次に、ロボットシステム10におけるロボット制御装置110と補助端末120との接続を管理する接続管理方法について、具体的に詳しく説明する。
【0051】
図4は、ロボット制御装置110と補助端末120との接続を管理する接続管理方法M10を示すフローチャートである。
図4に示されるように、接続管理方法M10は、ステップS110~S160を含み、各ステップは、サーバ装置100に含まれるプロセッサによって実行される。
【0052】
ステップS110では、サーバ装置100は、所定時間毎に、補助端末120から接続中画像を取得する(接続中画像取得ステップ)。具体例としては、サーバ装置100における画像取得部101は、補助端末120によって撮像されたティーチングペンダントTPの表示画面に表示されている画像を、当該補助端末120から受信して取得する。
【0053】
ステップS120では、サーバ装置100は、認証用画像と、ステップS110で所定時間毎に取得した接続中画像とに基づいて、補助端末120とロボット制御装置110との接続を維持するか否かを判定する(接続維持判定ステップ)。具体例としては、サーバ装置100における接続維持判定部103は、ティーチングペンダントTPの表示画面に表示されて認証用画像として、予めメモリ102に記録されている画像と、ステップS110で所定時間毎に取得された接続中画像とを照合し、所定の閾値以上の一致性を有している場合、補助端末120とロボット制御装置110との接続を維持すると判定する(ステップS120で「接続維持」)。
【0054】
一方、サーバ装置100における接続維持判定部103は、認証用画像と接続中画像とが所定の閾値以上の一致性を有していない場合、補助端末120とロボット制御装置110との接続を維持しないと判定する(ステップS120で「接続遮断」)。なお、典型的には、接続維持判定部103は、所定の時間閾値以上、「接続維持」と判定できない場合に、「接続遮断」と判定しても構わない。
【0055】
ステップS120で「接続維持」と判定された場合、ステップS130では、サーバ装置100は、ロボット制御装置110に接続維持信号を送信する(接続維持ステップ)。具体例としては、サーバ装置100における連携制御部104は、ロボット制御装置110に対して、補助端末120との接続が維持されている旨を示す接続維持信号を継続して送信する。
【0056】
そして、ステップS140では、サーバ装置100は、ロボット制御装置110と補助端末120とを連携する(補助端末連携ステップ)。具体例としては、サーバ装置100における連携制御部104は、補助端末120で操作されたロボットRに対する動作命令を当該補助端末120から受信して、当該サーバ装置100を介してロボット制御装置110と連携して、ロボットRを動作させる。
【0057】
一方、ステップS120で「接続遮断」と判定された場合、ステップS150では、サーバ装置100は、ロボット制御装置110と補助端末120との接続を遮断する(接続遮断ステップ)。具体例としては、サーバ装置100における連携制御部104は、ロボット制御装置110に接続維持信号を送信せず、補助端末120で操作されたロボットRに対する動作命令を当該補助端末120から受け付けないようにする。
【0058】
そして、ステップS160では、サーバ装置100は、ロボットRを停止させる(ロボット停止ステップ)。具体例としては、サーバ装置100における連携制御部104は、ロボット制御装置110にロボットRを停止する動作命令を送信して、ロボットRを停止させる。
【0059】
以上のように、本発明の一実施形態に係るロボットシステム10(サーバ装置100)及び接続管理方法M10によれば、画像取得部101は、補助端末120とロボット制御装置110とが接続している期間に撮像された接続中画像を取得し、接続維持判定部103は、予めメモリ102に記録されている認証用画像と接続中画像とに基づいて、補助端末120とロボット制御装置110との接続を維持するか否かを判定する。連携制御部104は、接続を維持すると判定された場合には、ロボット制御装置110に接続維持信号を送信しつつ、補助端末120で操作されたロボットに対する動作命令をロボット制御装置110に送信する。これにより、ロボット制御装置110に補助端末120を連携させる場合において、当該補助端末120を監視しつつ、ロボットの動作の安全性を適切に確保することができる。
【0060】
さらに、既存のティーチングペンダントTPのハードウェアを変更せずに、操作性の向上及び機能の拡張等を図る補助端末120を、容易に、ロボット制御装置110に連携させることができる。
【0061】
なお、本実施形態では、認証用画像は、ティーチングペンダントTPの表示画面に表示されるモザイク画像とし、さらに、2次元コード及び個人情報カード等を挙げていたが、これに限定されるものではない。例えば、ロボット制御装置110を操作する権限が与えられている操作者の顔を認証用画像とし、補助端末120に搭載されるインカメラを用いて操作者の顔を撮像するようにしても構わない。この場合、認証用画像と接続中画像との照合は、顔認証システムを用いるようにしても構わない。
【0062】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0063】
10…ロボットシステム、100…サーバ装置、101…画像取得部、102…メモリ、103…接続維持判定部、104…連携制御部、110…ロボット制御装置、120…補助端末、R…ロボット、TP…ティーチングペンダント、M10…接続管理方法、S110~S160…接続管理方法M10の各ステップ