(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048611
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】ゲーム機、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法、並びにそれに接続される外部装置、及びその外部装置を備えるゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/48 20140101AFI20230331BHJP
A63F 13/44 20140101ALI20230331BHJP
A63F 13/54 20140101ALI20230331BHJP
A63F 13/814 20140101ALI20230331BHJP
A63F 13/31 20140101ALI20230331BHJP
A63F 13/98 20140101ALI20230331BHJP
【FI】
A63F13/48
A63F13/44
A63F13/54
A63F13/814
A63F13/31
A63F13/98
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158031
(22)【出願日】2021-09-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.電気通信回線を通じた公開 ウェブサイトの掲載日 令和2年9月29日、その他9件 ウェブサイトのアドレス https://www.youtube.com/watch?v=pX2p1YqpFMw、その他9件 2.電気通信回線を通じた公開 ウェブサイトの掲載日 令和3年6月12日、その他24件 ウェブサイトのアドレス https://www.youtube.com/watch?v=MKJF0KYcbEk、その他31件 3.電気通信回線を通じた公開 ウェブサイトの掲載日 令和3年8月11日、その他2件 ウェブサイトのアドレス https://www.youtube.com/watch?v=rKBbb-7CSJM、その他2件
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】西村 宜隆
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 直之
(72)【発明者】
【氏名】植松 斎永
(72)【発明者】
【氏名】片桐 翔太
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 貴広
(57)【要約】
【課題】必要に応じて一連の工程の進行を待機させることができるゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機3は、ユーザUに楽曲選択機会を付与する第1選択工程を含む一連の工程を提供する第1モニタ12と、各工程を進行させるための操作を入力するコントロールパネル14と、を備え、一連の工程をゲームのプレイを準備する工程として順に提供する。また、ゲーム機3は、バックヤード装置2の接続を要件に含む所定の切替条件が満たされた場合に、バックヤード装置2からの許可信号の取得を待機する第1進行許可工程等が一連の工程に追加されるように、第1選択工程に続く第2選択工程への進行を待機させるとともに、バックヤード装置2から許可信号が出力された場合にその待機が終了するように、第2選択工程の提供を開始する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに選択機会を付与する選択工程を含む一連の工程を提供する出力装置と、各工程を進行させるための前記ユーザの操作を入力する入力装置と、を備え、前記一連の工程をゲームのプレイに関連する工程として順に提供するゲーム機であって、
前記一連の工程において前記選択工程の後に提供される特定の工程への進行を許可する許可信号を出力する外部装置の接続を要件に含む所定の条件が満たされる場合に、当該許可信号の取得を待機する待機工程が前記一連の工程において前記選択工程と前記特定の工程との間に追加されるように、前記特定の工程への進行を待機させる進行待機手段と、
前記待機工程において前記外部装置から前記許可信号が出力された場合に、前記特定の工程への進行の待機が終了するように、前記特定の工程の提供を開始する提供開始手段と、
を備える、ゲーム機。
【請求項2】
前記ゲームとして、前記入力装置を介して入力されるべき操作の実行時期をプレイ用の楽曲のリズムに合わせて案内、及び評価するタイプの音楽ゲームが提供され、
前記選択機会は、複数の候補から前記プレイ用の楽曲を選択するための楽曲選択機会を含んでいる、請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記選択機会は、前記音楽ゲームのプレイで使用される要素として前記プレイ用の楽曲とは別に用意されるゲーム要素を選択するための別の選択機会を更に含み、
前記選択工程は、前記楽曲選択機会を付与する第1選択工程、及び前記別の選択機会を付与する第2選択工程の二つの選択工程を、前記一連の工程において前記第1選択工程が前記第2選択工程よりも先に提供されるように含み、
前記特定の工程は、前記第1選択工程、及び前記第2選択工程にそれぞれ対応して待機される第1特定の工程、及び第2特定の工程を含み、
前記一連の工程は、前記音楽ゲームのプレイ開始として前記プレイ用の楽曲の再生が開始されるプレイ工程を含み、
前記第1特定の工程として、前記第2選択工程が機能し、
前記第2特定の工程として、前記プレイ工程が機能する、請求項2に記載のゲーム機。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のゲーム機に接続される外部装置であって、
前記選択機会における前記ユーザの選択結果を取得する結果取得手段と、
前記選択機会における選択結果の適切性を判別するための判別情報が記述された判別データに基づいて前記選択結果が適切と判別される場合に、前記許可信号を前記ゲーム機に出力する信号出力手段と、
を備える、外部装置。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載のゲーム機に接続される外部装置であって、
前記選択機会における前記ユーザの選択結果を取得する結果取得手段と、
前記外部装置のユーザとしての操作者に前記選択結果を通知する結果通知手段と、
前記操作者よる許可指示に基づいて前記許可信号を前記ゲーム機に出力する信号出力手段と、
を備える、外部装置。
【請求項6】
前記ゲーム機としてそれぞれ機能する複数のゲーム機に前記許可信号が同時に出力されるように、当該複数のゲーム機が接続される、請求項4又は5に記載の外部装置。
【請求項7】
請求項4~6のいずれか一項に記載の外部装置を備えるゲームシステムであって、
前記ゲーム機に接続され、前記選択機会における選択結果を表示するモニタが前記ゲーム機とは別に設けられている、ゲームシステム。
【請求項8】
前記モニタは、前記外部装置に設けられている、請求項7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記出力装置、及び前記入力装置に接続されるコンピュータを、請求項1~3のいずれか一項に記載のゲーム機の各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項10】
ユーザに選択機会を付与する選択工程を含む一連の工程を提供する出力装置と、各工程を進行させるための前記ユーザの操作を入力する入力装置と、を備え、前記一連の工程をゲームのプレイに関連する工程として順に提供するゲーム機に組み込まれるコンピュータに、
前記一連の工程において前記選択工程の後に提供される特定の工程への進行を許可する許可信号を出力する外部装置の接続を要件に含む所定の条件が満たされる場合に、当該許可信号の取得を待機する待機工程が前記一連の工程において前記選択工程と前記特定の工程との間に追加されるように、前記特定の工程への進行を待機させる進行待機手順と、
前記待機工程において前記外部装置から前記許可信号が出力された場合に、前記特定の工程への進行の待機が終了するように、前記特定の工程の提供を開始する提供開始手順と、
を実行させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに選択機会を付与する選択工程を含む一連の工程を提供する出力装置と、各工程を進行させるためのユーザの操作を入力する入力装置と、を備え、一連の工程をゲームのプレイに関連する工程として順に提供するゲーム機等に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに選択機会を付与する選択工程を含む一連の工程を提供する出力装置と、各工程を進行させるためのユーザの操作を入力する入力装置と、を備え、一連の工程をゲームのプレイに関連する工程として順に提供するゲーム機が存在する。例えば、音楽ゲームを提供するゲーム機が知られている(例えば特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2又は3が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-96061号公報
【特許文献2】特許第4448814号公報
【特許文献3】特許第6576644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような音楽ゲームでは、一般的にプレイ開始の準備としてプレイ用の楽曲を選択するための選択機会が付与される。そして、その選択機会において選択された楽曲を利用したプレイが提供される。つまり、選択機会を付与する工程、及びそれを利用したプレイを実行する工程といった一連の工程がプレイの開始のために順に提供される。また、特許文献1のゲーム機は、いわゆるアーケードゲーム機であるが、スタンドアローン型のため、特に外部装置との通信を必要とせずにプレイ開始のための一連の工程を提供することができる。
【0005】
一方、イベント施設においてゲーム機を利用したゲームイベントが開催される場合がある。このようなゲームイベントにおいて特許文献1のようなゲーム機が利用される場合もある。例えば、特許文献1のゲーム機がユーザ毎に用意され、各ゲーム機の音楽ゲームのプレイを通じて各ユーザが対戦するゲームイベントが提供される場合がある。ゲームイベントでは、プレイ用の楽曲の指定等、公平の観点等により対戦の前提となるルールが設定される場合が多い。一方で、特許文献1のゲーム機は特に他の外部装置との連携を必要とせずに、楽曲の選択を含む一連の工程を提供可能である。このため、適切な楽曲が選択されているか否を確認するためには、イベントの開催者等がゲーム機毎の選択内容を事前に確認していく必要がある。結果として、プレイ開始までの手間暇が増加してしまう可能性が高い。少なくとも同じ楽曲の選択等、対戦者間における条件の調整に時間がかかってしまう。また、ゲームイベントを盛り上げる観点からすれば、プレイの開始時期が対戦者(複数のゲーム機)間で一致していた方がよい場合も多いが、このような開始時期の調整も容易ではない。
【0006】
特許文献2のシステムでは、ゲーム装置が親機と子機とに分けられ、子機にはメニュー選択権が与えられず、親機の選択結果が子機にも共有される場合がある。この場合、親機の選択結果を子機に強制的に適用することができるので、指定楽曲の使用等、ゲームイベントにおいて要求される選択の共通化(ルールの適用)は比較的容易に実現できるかもしれない。しかし、このような親機、及び子機といった序列の形成は好ましくない場合も多い。また、開始時期の調整までは難しい可能性が高い。
【0007】
特許文献3のゲームシステムでは、時間の短縮等を目的に事前設定が許容される。具体的には、このゲームシステムでは、ゲーム装置が事前設定データをサーバシステムから受信し、これから実行するゲームのセッティングにその事前設定データを適用する場合がある。この場合も、事前設定データを利用し、指定楽曲の使用等、ゲームイベントにおいて要求される選択の共通化(ルールの適用)を比較的容易に実現できるかもしれない。しかし、事前設定データを利用した選択機会等の省略は、ゲームイベントの臨場感を低下させてしまう可能性もあり、好ましくない場合もある。また、やはり開始時期の調整までは難しい可能性が高い。
【0008】
そこで、本発明は、必要に応じて一連の工程の進行を待機させることができるゲーム機等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のゲーム機は、ユーザに選択機会を付与する選択工程を含む一連の工程を提供する出力装置と、各工程を進行させるための前記ユーザの操作を入力する入力装置と、を備え、前記一連の工程をゲームのプレイに関連する工程として順に提供するゲーム機であって、前記一連の工程において前記選択工程の後に提供される特定の工程への進行を許可する許可信号を出力する外部装置の接続を要件に含む所定の条件が満たされる場合に、当該許可信号の取得を待機する待機工程が前記一連の工程において前記選択工程と前記特定の工程との間に追加されるように、前記特定の工程への進行を待機させる進行待機手段と、前記待機工程において前記外部装置から前記許可信号が出力された場合に、前記特定の工程への進行の待機が終了するように、前記特定の工程の提供を開始する提供開始手段と、を備えるものである。
【0010】
また、本発明のコンピュータプログラムは、前記出力装置、及び前記入力装置に接続されるコンピュータを、上述のゲーム機の各手段として機能させるように構成されたものである。
【0011】
同様に、本発明の制御方法は、ユーザに選択機会を付与する選択工程を含む一連の工程を提供する出力装置と、各工程を進行させるための前記ユーザの操作を入力する入力装置と、を備え、前記一連の工程をゲームのプレイに関連する工程として順に提供するゲーム機に組み込まれるコンピュータに、前記一連の工程において前記選択工程の後に提供される特定の工程への進行を許可する許可信号を出力する外部装置の接続を要件に含む所定の条件が満たされる場合に、当該許可信号の取得を待機する待機工程が前記一連の工程において前記選択工程と前記特定の工程との間に追加されるように、前記特定の工程への進行を待機させる進行待機手順と、前記待機工程において前記外部装置から前記許可信号が出力された場合に、前記特定の工程への進行の待機が終了するように、前記特定の工程の提供を開始する提供開始手順と、を実行させるものである。
【0012】
一方、本発明の外部装置は、上述のゲーム機に接続される外部装置であって、前記選択機会における前記ユーザの選択結果を取得する結果取得手段と、前記選択機会における選択結果の適切性を判別するための判別情報が記述された判別データに基づいて前記選択結果が適切と判別される場合に、前記許可信号を前記ゲーム機に出力する信号出力手段と、を備えるものである。
【0013】
あるいは、本発明の外部装置は、上述のゲーム機に接続される外部装置であって、前記選択機会における前記ユーザの選択結果を取得する結果取得手段と、前記外部装置のユーザとしての操作者に前記選択結果を通知する結果通知手段と、前記操作者よる許可指示に基づいて前記許可信号を前記ゲーム機に出力する信号出力手段と、を備えるものである。
【0014】
さらに、本発明のゲームシステムは、上述の外部装置を備えるゲームシステムであって、前記ゲーム機に接続され、前記選択機会における選択結果を表示するモニタが前記ゲーム機とは別に設けられているものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
【
図2】ゲームシステムが適用されるゲームイベントの一例を説明するための説明図。
【
図3】音楽ゲームの案内画面の一例を模式的に示す図。
【
図4】ゲームイベントの流れの一例を説明するための説明図。
【
図5】第1形態に係るゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図7】選択処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図8】
図7に続く選択処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図9】第1形態に係る第1選択処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図10】第2選択処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図11】第2形態に係るゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図12】第2形態に係る第1選択処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、外部装置としてのバックヤード装置2と、そのバックヤード装置2に接続されるクライアント装置としてのゲーム機3とを含む。なお、バックヤード装置2、或いはゲーム機3には、例えばその他にもこれらに各種データ等を配信するデータ配信サービス等を提供するセンターサーバ等の他の装置がインターネット等の各種のネットワークを介して適宜に接続されてもよい。
【0017】
バックヤード装置2は、ゲーム機3に所定の信号を出力可能な各種の装置を含み得る。例えば、バックヤード装置2として、押す操作に伴い所定の信号を出力する押釦スイッチ等の操作部のみが設けられた装置が利用されてもよいが、
図1の例ではコンピュータ装置が利用されている。また、コンピュータ装置としてのバックヤード装置2には適宜の出力装置等が設けられてよいが、
図1の例では出力装置としてのモニタ20A、及び入力装置としてのキーボード20Bが設けられている。
【0018】
バックヤード装置2には、一台、或いは複数台の適宜の数のゲーム機3が接続されてよいが、一例として二台のゲーム機3が接続される。また、バックヤード装置2と、各ゲーム機3とは適宜に接続されてよく、例えばインターネット等の各種のネットワークを介して接続されてもよいが、一例としてケーブル等を介して有線接続される。
【0019】
ゲーム機3は、ゲーム装置の一例であって、所定のサービスとしてゲームを提供する装置である。ゲーム機3は、ゲームを無償で提供してもよいが、一例として有償で提供する。また、ゲーム機3は、ゲームを提供する各種のゲーム装置(コンピュータ装置)を含んでいてよく、例えば携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置といったユーザ端末装置(コンピュータ装置)を含んでいてよいが、
図1の例では商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。商業用のゲーム機は、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせるゲーム装置である。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、適宜の場所に設置されてよいが、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の適宜の施設に設置される場合が多い。
【0020】
ゲーム機3は、プレイに関連する一連の工程を含むゲームを提供する。このようなゲームにはアクションゲーム、ロールプレイングゲーム、或いはシミュレーションゲームといった各種のゲームが適宜に含まれるが、一例としてゲーム機3はタイミングゲームを提供する。タイミングゲームは、適切なプレイ行為の実行時期を案内及び評価するタイプのゲームである。ゲーム機3は各種のタイミングゲームを適宜に提供し得るが、以下ではその一例として音楽ゲームを提供する場合を説明する。
【0021】
音楽ゲームは、音楽のリズムに合わせて適切なプレイ行為(操作)の時期を案内、及び評価するタイプのタイミングゲームである。具体的には、音楽ゲームの場合、適切なプレイ行為を実行すべき実行時期が楽曲とともに提供される。また、音楽ゲームでは、楽曲のリズムと一致する時期が実行時期として利用される。つまり、音楽ゲームは、適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内するとともに、プレイ行為が実行された場合にそのプレイ行為の実際の実行時期を評価するタイプのゲームである。このため、音楽ゲームにはプレイ用に複数の楽曲が用意され、そこから選択された楽曲が実際のプレイに使用される。
【0022】
また、音楽ゲームにおいて各実行時期の案内は適宜に実現されてよく、例えば音声を通じて実現されてもよいが、一例として表示装置に表示されるゲーム画面を通じて実現される。具体的には、各実行時期は、各実行時期に対応する指示標識及び現在時刻の基準として機能する基準標識を含むゲーム画面において、各実行時期において指示標識の位置と基準標識の位置とが一致するように生じる指示標識と基準標識との間の相対的変位を通じて案内される。各実行時期を案内するためのゲーム画面については後述する。
【0023】
ゲーム機3は適宜に構成されてよいが、
図1の例では筐体10と、その筐体10の前方に配置されるステージ11とを有している。ステージ11は、ゲームをプレイするためにユーザが乗る場所を提供する。ステージ11上のユーザから見て筐体10の正面には、表示装置の一例としての第1モニタ12及び第2モニタ13が配置されている。第1モニタ12はユーザと向かい合うように配置され、第2モニタ13はユーザから見て斜め下方に配置されている。第2モニタ13の前方にはコントロールパネル14が設けられている。
【0024】
ゲーム機3には音楽ゲームにて要求されるプレイ行為(操作)に応じて各種の入力装置が設けられ得るが、
図1の例ではコントロールパネル14がそのような入力装置として機能する。また、コントロールパネル14には、プレイ行為としての操作が実行される各種の操作部材が適宜に設けられてよいが、
図1の例では左右一対の操作部15が設けられている。各操作部15は適宜に利用されてよいが、一例として操作部15毎にユーザによってプレイに使用される。つまり、二つの操作部15は二人のユーザによってそれぞれ使用され、音楽ゲームではそれらの二人のユーザによる同時プレイが許容される。
【0025】
各操作部15には、押釦スイッチ17とターンテーブル19とが設けられている。ターンテーブル19、及び押釦スイッチ17は適宜に設けられてよいが、
図1の例では一つのターンテーブル19、及び前後ニ列で千鳥状に並べられた七つの押釦スイッチ17(図では一部にのみ参照符号を付してある。)が設けられている。各押釦スイッチ17はユーザの押込操作に応答して操作信号を出力する。一方、ターンテーブル19は、右回転(右回りの回転)及び左回転(左回りの回転)の両方に回転する回転型の操作部である。ターンテーブル19には、プレイ行為の一例として右回転、或いは左回転に回転させる回転操作が実行される。そして、ターンテーブル19は、ユーザによる回転操作に応じた操作信号を出力する。なお、操作部15には、押釦スイッチ17及びターンテーブル19に限定されず、例えばスライダ、つまみ(回転型の操作部の他の例)といったその他の適宜の操作部材が設けられてよい。
【0026】
また、第1モニタ12の上方、側方等の適宜の位置には楽曲の再生音、或いは操作部15の操作に対応して発音させるべき効果音等を出力するためのスピーカ18が設けられている。なお、ゲーム機3には、例えばその他にもユーザを認証する(例えばIDカードに記録されたIDの情報を取得する)ためのカードリーダ(電子通貨等の適宜の価値を徴収するために使用されてもよい)、プレイ料金を徴収するためのコインセレクタといった各種の付属装置が設けられ得るが、図示は省略した。
【0027】
次に、
図2を参照して、ゲームシステム1が適用されるゲームイベントについて説明する。ゲームシステム1は適宜に利用されてよいが、ゲームイベントの開催に利用される場合がある。例えば、ゲーム機3がイベント施設に設置され、ゲーム機3が提供するゲームを利用したゲームイベントが開催される場合、そのゲームイベントにゲームシステム1が適用される。以下では、ゲームシステム1がゲームイベントに適用される場合について説明する。
【0028】
図2は、ゲームシステム1が適用されるゲームイベントの一例を説明するための説明図である。
図2の例は、ゲームイベントが開催されるイベント施設の構成の概要を模式的に示している。
図2に示すように、イベント施設EFには、ゲームシステム1が設けられる。具体的には、イベント施設EFには、ゲームイベントを開催するための場としてのイベントステージESが設けられ、そのイベントステージES上にゲームシステム1が配置される。ゲームシステム1は適宜の数のバックヤード装置2、及びゲーム機3を含んでいてよいが、
図2の例では一台のバックヤード装置2、及び2台のゲーム機3を含んでいる。なお、バックヤード装置2、及び各ゲーム機3は一例として上述のとおり有線接続されるが、
図2の例ではその接続に使用されるケーブルの表示は省略されている。
【0029】
各ゲーム機3は複数のユーザにてプレイされてもよいが、一例として一台のゲーム機3は一人のユーザUによってプレイに使用される。また、各ゲーム機3はゲーム機3毎に異なる音楽ゲームを提供しても、互いに独立的に進行する音楽ゲームを提供してもよいが、一例として二台のゲーム機3間で共通に進行する対戦型の音楽ゲームを提供する。一方、バックヤード装置2はユーザOP(以下、操作者OPと呼ぶ場合がある)によって操作される。操作者OPはゲーム機3のユーザUであってもよいが、一例としてゲーム機3のユーザUとは別に用意される。
【0030】
また、ゲームシステム1にはゲームイベントを演出するための各種の演出機器が適宜に接続され得るが、
図2の例ではそのような演出機器として二台のスピーカSP、及び一台の大型モニタMOが接続されている。各スピーカSP、及び大型モニタMOはそれぞれ周知の音声再生装置、及び表示装置であるが、イベント施設EF内において音声関連、或いは映像関連の演出にそれぞれ使用される。このような演出には各種の音声、或いは映像が含まれるが、一例としてゲーム機3が提供する音楽ゲームで再生される音声、及びゲーム画面が含まれる。つまり、音楽ゲームでプレイに使用される楽曲等の音声は、ゲーム機3だけでなく、スピーカSPを通じても再生され、イベント施設EF内において他のユーザや有観客の場合の観客等に共有される。ゲーム画面についても同様である。つまり、音楽ゲームでプレイに使用されるゲーム画面は、大型モニタMOにも表示され、イベント施設EF内において他のユーザ等に共有される。なお、各スピーカSP、及び大型モニタMOは一例としてゲームシステム1とケーブル等を介して有線接続されるが、
図2の例ではその接続に使用されるケーブル等の表示は省略されている。
【0031】
次に、
図3を参照して、ゲーム画面、及び音楽ゲームについて更に説明する。
図3は、音楽ゲームの案内画面の一例を模式的に示す図である。案内画面50は各操作部15に対する操作が実行されるべき実行時期を案内するためのゲーム画面である。つまり、案内画面50は音楽ゲームのプレイのために表示されるゲーム画面であり、二人プレイの場合にはユーザU毎(操作部15毎)に表示される。また、音楽ゲームは各ユーザUに各種の操作を実行対象のプレイ行為として要求し得るが、
図3の例はそのようなプレイ行為として押釦スイッチ17への押す操作、及びターンテーブル19への回転操作が要求される場合の案内画面50を示している。
【0032】
図3に示すように、案内画面50は、案内実行領域51、三つの小スイッチ画像52(参照符号は一部のみ)、四つの大スイッチ画像53(参照符号は一部のみ)、及びテーブル画像54を含んでいる。案内実行領域51は、各操作部15に対する操作が実行されるべき各実行時期を実際に案内するための領域である。案内実行領域51は、各実行時期を案内するように適宜に構成されてよいが、
図3の例では指示標識としての指示オブジェクト55、七つの押釦スイッチ17にそれぞれ対応する七つの通常レーンLN1、ターンテーブル19に対応する特別レーンLN2、及び基準標識としての判定ライン57を含んでいる。
【0033】
七つの通常レーンLN1、及び特別レーンLN2(以下、これらを代表してレーンLNと呼ぶ場合がある)は適宜に形成されてよいが、
図3の例ではいずれも上方から下方に位置する判定ライン57に向かって直線状に延びるように形成されている。各レーンLNは指示オブジェクト55の移動経路(指示標識と基準標識との間の相対的変位における経路)として使用され、時間軸としても機能する。また、七つの通常レーンLN1は七つの押釦スイッチ17に適宜に対応してよいが、一例として上側の列を形成する三つの押釦スイッチ17にそれぞれ対応する三つの小レーンLNs(参照符号は一部のみ)と、下側の列を形成する四つの押釦スイッチ17にそれぞれ対応する四つの大レーンLNb(参照符号は一部のみ)とに区別される。
【0034】
判定ライン57は適宜の形態に形成されてよく、例えば円形や星印等としてレーンLN毎に形成されてもよいが、一例として全レーンLNを跨ぐように延びる直線状に形成され、全レーンLNにおいて共通に使用される。また、判定ライン57は適宜の位置に配置されてよく、例えばレーンLN毎に異なる位置に配置されてもよいが、
図3の例では下端側に位置するように全レーンLNにおいて共通の位置に配置されている。このため、案内実行領域51には、適宜の時期に適宜の数の指示オブジェクト55が各レーンLNの上端側に出現し、時間の経過とともに下端側の判定ライン57に向かって移動するように表示される。
【0035】
指示オブジェクト55は各種の操作を指示するように適宜に構成されてよいが、一例として通常オブジェクト55A(参照符号は一部のみ)、及び回転オブジェクト55B(参照符号は一部のみ)を含んでいる。通常オブジェクト55Aは各押釦スイッチ17に対する押す操作を指示する指示オブジェクト55である。通常オブジェクト55Aは、押す操作が実行されるべき押釦スイッチ17を案内するように、七つの通常レーンLN1のうちその押釦スイッチ17に対応する通常レーンLN1に配置される。このような通常オブジェクト55Aを通じて、その通常オブジェクト55Aが判定ライン57に到達する時期に合わせてその通常オブジェクト55Aが配置された通常レーンLN1に対応する押釦スイッチ17を押す操作がユーザに要求される。そして、通常オブジェクト55Aが判定ライン57に到達した時期と押釦スイッチ17を押す操作の実行時期との間のずれ時間が、小さいほど高評価(高得点)となるように評価される。
【0036】
回転オブジェクト55Bは、ターンテーブル19に対する回転操作を指示する指示オブジェクト55である。回転オブジェクト55Bは適宜の回転操作を指示してよく、例えばターンテーブル19を右回りに回転させる回転操作、或いはそれとは反対に左回りに回転させる回転操作といった回転方向も指定するように回転操作を指示してもよいが、一例として任意の方向に対する回転操作を指示する。つまり、回転オブジェクト55Bは特に回転方向まで指定せず、右回り或いは左回りのうちの任意の方向への回転操作を許容する。回転オブジェクト55Bは、このような回転操作を指示するように特別レーンLN2に配置される。このような回転オブジェクト55Bを通じて、回転オブジェクト55Bが判定ライン57に到達する時期に合わせてターンテーブル19を任意の方向に回転させる回転操作がユーザに要求される。そして、回転オブジェクト55Bが判定ライン57に到達した時期とターンテーブル19への回転操作の実行時期との間のずれ時間が、小さいほど高評価となるように評価される。
【0037】
三つの小スイッチ画像52は、七つの押釦スイッチ17のうち上側の列を形成する三つの押釦スイッチ17にそれぞれ対応する画像である。各小スイッチ画像52は、各通常レーンLN1と各押釦スイッチ17との関係を示すように、案内実行領域51の下において各小レーンLNsに対応する位置に配置される。同様に、四つの大スイッチ画像53は、七つの押釦スイッチ17のうち下側の列を形成する四つの押釦スイッチ17にそれぞれ対応する画像である。各大スイッチ画像53は、各通常レーンLN1と各押釦スイッチ17との関係を示すように、案内実行領域51の下において各大レーンLNbに対応する位置に配置される。テーブル画像54は、ターンテーブル19に対応する画像である。テーブル画像54は、ターンテーブル19と特別レーンLN2との関係を示すように、案内実行領域51の下において特別レーンLN2に対応する位置に配置される。一例として、このような案内画面50を通じて音楽ゲームはプレイされる。そして、各指示オブジェクト55に対するプレイ行為の結果として得られる得点の大小を通じて対戦者間の勝敗が判別される。
【0038】
次に、
図4を参照して、ゲームイベントの流れについて説明する。
図4は、ゲームイベントの流れの一例を説明するための説明図である。ゲームイベントでは、対戦形式等に応じて適宜の工程を含み得るが、
図4の例は1対1の対戦を伴う団体戦形式で勝敗を競うタイプのゲームイベントが開催される場合を示している。具体的には、ゲームイベントは、例えば1対1、或いは1対多等の適宜の形式で対戦が実現されてよいが、一例として多対多のチーム対戦(団体戦)の形式で対戦が実現される。また、チーム対戦は全ユーザが同時に対戦するように実行されてもよいが、一例として一人ずつ順に1対1で対戦するように実行される。さらに、1対1の対戦は勝ち抜き形式で実現されてもよいが、一例として勝利数の多い方が勝者となるように一人一回ずつの対戦を通じて実現される。
図4の例は、このような場合の流れを示している。
【0039】
図4に示すように、ゲームイベントの流れは、対戦フェイズ(F1)、及び勝敗発表フェイズ(F2)を含んでいる。対戦フェイズは、1対1の対戦を伴う団体戦形式の対戦を実現するための段階であり、団体戦における1対1の対戦毎に繰り返し提供される。団体戦における各団体は適宜の数のユーザUによって構成されてよいが、例えば三人のユーザUによって提供される場合、第1対戦(先鋒戦)、或いは第2対戦(中堅戦)といった具合に第3対戦(大将戦)まで繰り返し対戦フェイズが提供される。対戦フェイズは、団体戦を実現するための各種工程を適宜に含み得るが、
図4の例では選手登場工程(S1)、楽曲発表工程(S2)、第1選択工程(S3)、第1進行許可工程(S4)、第2選択工程(S5)、第2進行許可工程(S6)、プレイ工程(S7)、及び結果発表工程(S8)を順に含んでいる。また、
図3の例では、バックヤード装置2によって実行される工程がドット柄で、各ゲーム機3によって実行される工程が右斜線で、それぞれ示されている。
【0040】
具体的には、選手紹介工程は、各対戦において対戦する各ユーザU(以下、選手Uと呼ぶ場合がある)を紹介する工程である。また、各選手Uは、選手紹介工程においてイベントステージESに登場する。楽曲発表工程は、各対戦にて音楽ゲームのプレイに使用される楽曲を発表する工程である。各対戦では、ゲームイベントの開催者による指定、或いは抽選結果といった各種の条件に基づいて決定される楽曲が適宜に使用されてよいが、
図4の例では各対戦にて対戦する二人の選手Uによってそれぞれ事前に指定される二つの楽曲が使用される。このため、各対戦(先鋒戦等)には二つの楽曲をそれぞれプレイに使用する二つの対戦(プレイ)が含まれる。そして、対戦フェイズでは、第1対戦等の一つの対戦(同じ選手U間の対戦)において、これらの二つの楽曲をそれぞれ使用する二つのプレイが実現されるように、第1選択工程から結果発表工程までは繰り返し、二度実行される。つまり、対戦フェイズでは、一曲目のプレイに対応する結果発表工程が終了すると、二曲目のプレイに対応する第1選択工程から結果発表工程までが実行されるように再度第1選択工程に戻る。
【0041】
選手紹介工程における紹介、及び楽曲発表工程における楽曲の発表は適宜に実現されてよいが、例えば大型モニタMO、及びスピーカSPを通じて演出の一部として実現される。また、これらの大型モニタMO等の制御は適宜の装置によって実現されてよく、例えばバックヤード装置2とは別のコンピュータ装置によって実現されてもよいが、一例としてバックヤード装置2によって実現される。
【0042】
第1選択工程、及び第2選択工程は、いずれも音楽ゲームに用意されるプレイ用の各種の選択肢を選択するための選択機会を付与する工程である。これらの工程は一つの工程として構成されてもよいが、一例として二つの工程に分けられて提供される。このため、プレイ用の各種の選択肢を選択するための選択機会は、第1選択工程にて付与される第1選択機会、及び第2選択工程にて付与される第2選択機会を含んでいる。音楽ゲームには各種の要素がプレイで使用されるゲーム要素として用意されてよく、例えばそのようなゲーム要素には、プレイ用の楽曲、プレイ用のモード、スピード、及びその他オプションが含まれる。これらは第1選択機会、及び第2選択機会に適宜に振り分けられて選択されてよいが、一例としてプレイ用の楽曲、プレイ用のモード、及びその他オプションが第1選択機会にて選択され、スピードが第2選択機会にて選択される。この例において、第1選択工程、及び第2選択工程が本発明の選択工程として機能する。
【0043】
具体的には、第1選択工程は、第1選択機会を付与するための工程である。第1選択機会は、楽曲選択機会、モード選択機会、及びオプション選択機会を含んでいる。これらの選択機会は適宜に提供されてよく、例えば全ての機会が一度に提供されても、適宜の二つが組合せされて提供されてもよいが、一例としてモード選択機会、楽曲選択機会、及びオプション選択機会にそれぞれ対応するモード選択画面、楽曲選択画面、オプション選択画面(いずれも不図示)を通じて順に別々に提供される。
【0044】
モード選択機会は、複数の候補からプレイ用のモードを選択するための選択機会である。音楽ゲームにはプレイ形式を設定する各種のモードが適宜に用意されてよく、モード選択機会ではそれらのモードからプレイ用のモードが選択される。例えば音楽ゲームには、練習のために音楽ゲームをプレイする練習モード、ユーザの腕前を示す段位の認定のために音楽ゲームをプレイする認定モード、或いは通常の音楽ゲームをプレイする通常モードといったモードが用意され得るが、そのようなモードにはゲームイベント用のイベントモードも含まれる。イベントモードは、対戦予定の各選手Uが1曲ずつ選曲し、リアルタイムで結果を競うタイプのモードである。このため、モード選択機会では、各選手Uにはイベントモードの選択が要求される。
【0045】
また、イベントモードは、
図4の例のゲームイベントの流れにて音楽ゲームがプレイされるか、通常の流れで音楽ゲームがプレイされるかを切り替えるための所定の条件(以下、切替条件と呼ぶ場合がある)として機能する。具体的には、ゲーム機3は通常時には当然単独で音楽ゲームを提供する。このため、通常の流れでは、バックヤード装置2によって実行される各工程は省略される。例えば、ゲームイベントに特有の選手紹介工程、及び楽曲発表工程は、通常の流れでは当然省略される。同様に、バックヤード装置2によって実行される第1進行許可工程、及び第2進行許可工程も省略される。つまり、一台のゲーム機3が単独で音楽ゲームを提供する場合、ゲーム機3は第1選択工程、第2選択工程、プレイ工程、及び結果発表工程をプレイ開始のための一連の工程として単独で提供し、それらの間に第1進行許可工程等が介在することはない。この場合、第1選択工程、及び第2選択工程は一つの工程として把握されてもよい。このようにゲームイベントでは本来単独で提供される一連の工程に適宜にバックヤード装置2が介在し、ゲームイベントの流れは通常の流れとは別の流れとして実現される。
【0046】
通常の流れとゲームイベントの流れとの切替は各種の条件に基づいて適宜に実現されてよく、例えばバックヤード装置2の接続に伴う自動切り替え、或いはイベント開催者や操作者OP等による手動切替によって実現されてもよいが、一例としてイベントモードの選択によって実現される。つまり、モード選択機会におけるイベントモードの選択がこれらの流れを切り替えるための切替条件として機能し、モード選択機会においてイベントモードが選択された場合(イベントモードの選択を条件)に通常の流れからゲームイベントの流れに切り替えられる。そして、ゲームイベントの流れでは、ゲーム機3が本来単独で提供可能な一連の工程の間に第1進行許可工程等のバックヤード装置2によって提供される工程が適宜に追加される。
【0047】
楽曲選択機会は、複数の候補からプレイ用の楽曲を選択するための選択機会である。楽曲選択機会では、プレイ用の楽曲として事前に指定された楽曲、つまり楽曲紹介工程において紹介された楽曲の選択が各選手Uに要求される。プレイ用の二曲の楽曲のうち適宜の楽曲が先に選択されてもよいが、一例としてチーム単位で先行、及び後攻が設定され、先行のチームに属する選手Uの指定した楽曲が先に選択される。
【0048】
オプション選択機会は、複数の候補からプレイ用のオプションを選択するための選択機会である。音楽ゲームにはその他のオプションとして各種の要素が用意されてよいが、例えば譜面の配置、所定のゲージの減少幅、或いはアシストプレイの有無といったオプションが用意される。譜面の配置は、案内実行領域51における各レーンLNの配置を設定するためのオプションである。各指示オブジェクト55は後述のシーケンスデータを介して予め配置されるべきレーンLNが指定されるが、譜面の配置を通じてその各指示オブジェクト55が配置されるべきレーンLNの位置が変更される。譜面の配置には、例えば各レーンLNがランダムに配置されるランダム配置、所定の基準に基づいて反転されて配置されるミラー配置、或いは通常どおりに配置される通常配置といった選択肢が用意される。所定のゲージの減少幅は、音楽ゲームに用意される所定のゲージの減り方を設定するためのオプションである。例えば、所定のゲージの減少幅には、減り幅が大きい順に大、小の選択肢、及び通常どおりの通常といった選択肢が用意される。アシストプレイの有無は、適宜のアシストの有無を設定するためのオプションである。これらのオプションの設定はゲームイベントにおけるルール等に則って適宜に要求されてよく、オプション選択機会ではそのルール等に応じた設定が各選手Uに要求される。
【0049】
第1選択工程等の各工程は操作部15に対する所定の操作を通じて進行するが、各工程では適宜の操作が許容され得る。そのような操作は適宜の操作を含んでいてよいが、一例としてユーザ認証操作が含まれる。ユーザ認証操作は、各選手Uを認証するための操作である。ユーザ認証操作は適宜に実現されてよいが、例えばゲーム機3に設けられるカードリーダに認証用のユーザカードを読み込ませる操作(動作)により実現される。このようなユーザ認証操作は適宜の工程において許容されてよいが、例えば第1選択工程において許容される。また、ユーザ認証操作は第1選択工程において適宜のタイミングで実行されてよいが、一例としてまずユーザ認証操作が要求され、その認証後にモード選択機会等が順に提供される。つまり、第1選択工程ではユーザカードを利用したユーザ認証が実行されてもよく、その場合にはユーザ認証後に選手U毎の設定を記録するプレイデータを通じて各選手Uの設定が、音楽ゲームのプレイに引き継がれる。このようなプレイデータは予めゲーム機3に記憶されていてもよいが、ゲーム機3に別途センターサーバが接続される場合にはセンターサーバから提供される。
【0050】
第2選択工程は、第2選択機会を付与するための工程である。第2選択機会は、スピード選択機会を含んでいる。スピード選択機会は適宜に提供されてよいが、一例としてスピード選択機会を提供するためのスピード選択画面(不図示)を通じて提供される。スピード選択機会は、複数の候補からプレイ用のスピードを選択するための選択機会である。プレイ用のスピードは、各指示オブジェクト55の移動速度に影響を与える設定である。プレイ用のスピードの設定はゲームイベントにおけるルール等に則って適宜に要求されてよく、スピード選択機会ではそのルール等に応じた設定が各選手Uに要求される。この例において、スピード選択機会が本発明の別の選択機会として機能する。また、第2選択工程が本発明の第1特定の工程として機能する。
【0051】
一方、第1進行許可工程、及び第2進行許可工程は、いずれも特定の工程への進行の可否を判別するための工程である。進行の可否は、各選択工程における選択結果の可否に基づいて判別される。このため、第1進行許可工程、及び第2進行許可工程は統合され、一つの工程として提供されてもよいが、一例として第1選択工程、及び第2選択工程にそれぞれ対応するように別々に提供される。また、特定の工程として以降の適宜の工程が機能してよく、例えば第1選択工程と第1進行許可工程との間に適宜の工程が介在していてもよいが、一例としていずれも直後の工程が機能する。つまり、第1進行許可工程、及び第2進行許可工程の特定の工程として、第2選択工程、及びプレイ工程がそれぞれ機能する。そして、第1進行許可工程において進行が許可された場合に第2選択工程が、第2進行許可工程において進行が許可された場合にプレイ工程が、それぞれ提供される。換言すれば、第1進行許可工程、及び第2進行許可工程は、それぞれ第2選択工程、及びプレイ工程の提供(あるいはバックヤード装置2からの進行許可の信号)をゲーム機3に待機させるための工程として機能する。この例において、第1進行許可工程、及び第2進行許可工程がいずれも本発明の待機工程として機能する。
【0052】
より具体的には、第1進行許可工程は、第1選択工程で付与される各選択機会における選択結果に基づいて第2選択工程への進行の可否を判別するための工程である。つまり、第1選択工程と第2選択工程との間には第1進行許可工程が介在し、第1進行許可工程において進行が許可された場合にゲームイベントは第2選択工程に進行する。例えば、第1選択工程で提供される楽曲選択機会では、上述のように事前に指定された楽曲の選択が要求される。あるいは、ゲームイベントがトーナメント形式であったり、同じ選手Uが複数回の対戦を行う大会であったりする場合には、その同じ選手Uに複数の楽曲選択機会が提供されるが、それらの楽曲選択機会間において重複的な楽曲の選択の排除が要求される場合もある。仮に楽曲選択機会において適切な楽曲が選択されなければ、ゲームイベントが成立しない可能性がある。このため、第1進行許可工程では楽曲選択機会における楽曲の選択結果の可否が判別される。そして、その選択結果が適切な場合に第2選択工程への進行が許可される。
【0053】
なお、楽曲選択機会以外の選択機会における選択結果にも同様に適切性が求められるが、一例として他の選択機会(ただし、切替条件としてイベントモードの選択が機能する場合のモード選択機会におけるイベントモードの選択は除く)における選択は各選手Uに委ねられる。つまり、他の選択機会における選択結果の適切性も同様に判別されてもよいが、一例としてその判別は省略される。
【0054】
第2進行許可工程は、プレイ工程への進行の可否を判別するための工程である。上述のとおりスピード選択機会におけるスピードの選択は各選手Uに委ねられるため、スピード選択機会における選択結果に適否は生じない。ただし、ゲームイベントではプレイ工程の開始タイミングが対戦者間で一致している方が好ましい。一方で、選択機会における選択に要する時間は選手Uに応じて相異する可能性がある。このため、第2進行許可工程では、主として開始タイミングを一致させるために、プレイ工程への進行の可否が判別される。また、第2進行許可工程では、このようなタイミングの一致を実現するためにカウントダウンも提供される。そして、第2進行許可工程では、カウントダウンの終了(カウントゼロの提示)に伴いプレイ工程への進行が許可される。
【0055】
プレイ工程は、音楽ゲームを実際にプレイするための工程である。プレイ工程では、案内画面50を通じてプレイ行為の実行時期の案内、及び評価が開始される。また、音楽ゲームでは、楽曲のリズムに合わせてプレイ行為の実行時期が案内される。このため、プレイ工程の開始は、楽曲の再生の開始時期にも該当する。つまり、第2進行許可工程における進行許可に伴い、楽曲の再生が開始され、案内画面50の表示が開始される。
【0056】
結果発表工程は、音楽ゲームのプレイの結果、つまり対戦結果を発表するための工程である。音楽ゲームでは、各プレイ行為が実行されるべき実行時期は予めシーケンスデータQDにて定義され、その実行時期を基準に実際のプレイ行為の実行時期が評価される。そして、それらの実行時期間のずれ時間が小さいほど高い得点として評価される。各対戦では、この得点の累計値の大小により勝敗が判定され、その勝敗結果が対戦結果として結果発表工程にて発表される。この発表は適宜に実現されてよいが、一例として対戦結果画面(不図示)を通じて実現される。対戦結果画面は、対戦結果を表示するためのゲーム画面である。対戦結果画面はゲーム機3のみに表示されてもよいが、一例として大型モニタMO、及びスピーカSPを通じてイベント施設EFにおいて共有される。つまり、対戦結果画面は演出の一部として利用される。対戦結果画面を共有するための大型モニタMO等の制御は適宜のコンピュータ装置を通じて実現されてよいが、一例としてバックヤード装置2を通じて実現される。
【0057】
第1選択工程から結果発表工程までが繰り返し二度(二曲分)提供されると、一回の対戦(先鋒戦等)が終了し、次の対戦(中堅戦等)に進む。具体的には、例えば第1対戦では二人の選手Uがそれぞれ選択した二曲のプレイが実現されるように第1選択工程から結果発表工程までが二度提供されるが、二度目の結果発表工程の終了に伴い、第1対戦は終了し、次の第2対戦に進む。第2対戦でも第1対戦と同様にS1~S8の工程が提供され、それも終了すると第3対戦に進む。そして、第3対戦が終了すると、対戦フェイズが終了し、勝敗発表フェイズに進む。
【0058】
勝敗発表フェイズは、チーム対戦の勝敗を発表するための段階である。各対戦の勝敗は二曲のプレイ結果に基づいて一方の勝利、或いは引き分けとして判定される。そして、これらの三回の対戦における勝利数の多い方が、チーム対戦における勝者と判定される。勝敗発表フェイズでは、この勝者、及び敗者の発表が実行される。この発表は適宜に実行されてよいが、一例として大型モニタMO、及びスピーカSPを通じてイベント施設EFにおいて共有されるように実行される。この発表のための大型モニタMO等の制御は適宜のコンピュータ装置を通じて実現されてよいが、一例としてバックヤード装置2を通じて実現される。
【0059】
次に、ゲームシステム1の制御系の要部について説明する。ゲームシステム1に設けられる制御系の要部は、バックヤード装置2の役割に応じて相異する。例えば、楽曲選択機会において選択された楽曲の適切性は、バックヤード装置2によって判別されても、操作者OPによって判別されてもよく、これらのいずれが判別するかに応じてゲームシステム1に設けられる制御系の要部が相違し得る。また、第1進行許可工程、及び第2進行許可工程の進行は適宜に実現されてよく、例えば楽曲選択機会の終了、或いはスピード選択機会の終了といった進行条件が満たされた場合等の適宜の条件に基づいて自動的に実行されても、操作者OP等による手動によって実行されてもよいが、自動的に進行するか否かに応じてゲームシステム1に設けられる制御系の要部は相異する可能性がある。このため、以下では、バックヤード装置2の役割に応じて形成され得るゲームシステム1の制御系の各形態の一例を形態毎に説明する。
【0060】
(第1形態)
図5を参照して、第1形態に係るゲームシステム1の制御系の要部を説明する。上述のとおり、第1進行許可工程、及び第2進行許可工程の進行は手動で実行されてもよいが、第1形態では主として自動で実行される。また、第1形態では、楽曲選択機会において選択された楽曲の適切性は、バックヤード装置2によって自動で判別される。
図5の例は、このような場合の第1形態に係るゲームシステム1の制御系の要部を示している。
【0061】
図5に示すように、まずバックヤード装置2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。また、制御ユニット21には、上述の大型モニタMO、及びスピーカSPが接続される。
【0062】
記憶部22は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ゲームイベントの各工程を提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。
【0063】
また、記憶部22には、ゲームイベントの各工程を提供するために必要なイベントデータ23が記憶される。そのようなイベントデータ23は各種のデータを適宜に含み得るが、
図5の例ではそのようのデータの一種として選曲データSDが示されている。選曲データSDは、各チームの各選手Uが対戦においてプレイ用に使用する楽曲として事前に指定した楽曲を管理するためのデータである。選曲データSDは、第1進行許可工程において楽曲の適切性の判別に使用される。選曲データSDの詳細は後述する。
【0064】
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置が設けられる。このような論理的装置として適宜の論理的装置が設けられ得るが、
図5の例では機器用サービス管理部24、及びゲーム機サービス管理部25が示されている。機器用サービス管理部24は、大型モニタMO、及びスピーカSPに対する制御を実現するための各種の処理を実行する論理的装置である。このような処理には、上述の選手紹介工程、楽曲発表工程、或いは勝敗発表フェイズにおける各種の演出を実行するための処理が含まれる。
【0065】
ゲーム機サービス管理部25は、ゲーム機3に対して実行される各種処理を実行する論理的装置である。このような処理には各種データ、或いは信号の送受信等を含む適宜の処理が含まれるが、第1選択処理、及び第2選択処理が含まれる。ゲーム機サービス管理部25はこれらの第1選択処理、及び第2選択処理を単独で実行してもよいが、一例としてゲーム機3と協働で実行する。第1選択処理、及び第2選択処理の手順の詳細は後述する。なお、制御ユニット21には、例えば上述のキーボード20B等の入力装置、或いは上述のモニタ20A等の出力装置等が必要に更に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0066】
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0067】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、音楽ゲーム等の各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット31に実行させるコンピュータプログラムの一例として、ゲームプログラムPG2が記録される。また、記憶部32には、音楽ゲームの提供に必要なゲームデータGDが記録される。そのようなゲームデータGDにはゲーム用の各種のデータが適宜に含まれるが、
図5の例では楽曲データMD、及びシーケンスデータQDが示されている。
【0068】
楽曲データMDは、音楽ゲームのプレイで使用される各楽曲を再生するためのデータである。シーケンスデータQDは、音楽ゲームにおいて適切なプレイ行為を実行すべき各実行時期が記述されたデータである。シーケンスデータQDは、このような各実行時期をユーザに案内するために使用される。また、ユーザによって実際にプレイ行為が実行された場合には、シーケンスデータQDの実行時期に基づいてそのプレイ行為が評価される。つまり、シーケンスデータQDは各実行時期の案内及びその評価に使用される。このため、シーケンスデータQDには、各実行時期、及びその実行時期に実行されるべき適切なプレイ行為の情報(押釦スイッチ17等の操作部材を指示する情報。ゲーム画面において操作部材と経路とが関連づけられる場合、このような情報として経路の情報が機能する。)が互いに関連付けられるように記述される。また、音楽ゲームにおいて、複数の楽曲或いは複数の難易度が用意される場合には、シーケンスデータQDは楽曲毎或いは難易度毎に用意される。
【0069】
シーケンスデータQD等の各種ゲームデータGDは、適宜の手法により記憶部32に記憶されてよく、例えばセンターサーバがネットワークを介して接続される場合、センターサーバを介してセンターサーバから提供されてもよいが、一例としてゲーム機3にプレインストールされる。なお、ゲームデータGDは、例えばその他にも画像データ、ID管理データ、或いは上述のプレイデータといった各種のデータを適宜に含み得る。画像データは、ゲーム画面の表示に必要な各種の画像を表示するためのデータである。ID管理データは、ユーザ認証用に各種の情報をユーザU毎に管理するために使用されるユーザID(各ユーザUを識別するためにユーザU毎にユニークなID)等、各種のIDを管理するためのデータである。プレイデータは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータは、例えば、前回までのプレイ結果(獲得したアイテム等を含む各種の過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。しかし、これらの図示は省略した。
【0070】
制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラムPG2との組合せによって各種の論理的装置が構成される。そして、それらの論理的装置を通じてゲームの提供に必要な各種の処理が実行されるが、
図5の例では、音楽ゲームに関連する論理的装置として、進行制御部33、案内実行部34、及び評価実行部35が示されている。
【0071】
進行制御部33は、音楽ゲームをプレイするための一連の工程の進行を制御するための各種処理を行う論理的装置である。このような処理には、通常の流れにおいて進行を制御するための処理、及びゲームイベントの流れにおいて進行を制御するための処理が含まれる。これらの処理は別々の処理として実行されてもよいが、一例として一つの選択処理として構成される。つまり、進行制御部33が実行する処理には選択処理が含まれる。進行制御部33は選択処理を単独で実行してもよいが、一例としてバックヤード装置2のゲーム機サービス管理部25と協働で実行する。選択処理の詳細は後述する。
【0072】
案内実行部34は、音楽ゲームにおいて各実行時期を案内するための各種の処理を行う論理的装置である。音楽ゲームは各実行時期において各種のプレイ行為(操作部15の各操作部材への各種の操作)を適宜に要求し得るため、各実行時期の案内には各実行時期において実行されるべきプレイ行為の案内が含まれる。つまり、案内実行部34が実行する処理には、各実行時期、及び各実行時期において操作部15の各操作部材に実行されるべき操作を案内するための処理が含まれる。
【0073】
評価実行部35は、音楽ゲームにおいてユーザによって実行された操作(プレイ行為)を評価するための各種の処理を行う論理的装置である。このような処理を通じて、評価実行部35は音楽ゲームにて要求される各種の操作に応じた評価を実行する。このため、評価実行部35が実行する処理には各種の操作を評価するための適宜の処理が含まれる。
【0074】
また、ゲーム機3にはアーケードゲーム機として機能するための各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられる。このような出力装置には、例えば上述の第1モニタ12、第2モニタ13、及びスピーカ18が含まれる。また、上述の案内画面50、モード選択画面、楽曲選択画面、オプション選択画面、及び対戦結果画面は、第1モニタ12、及び第2モニタ13のいずれに表示されてもよいが、一例としていずれも第1モニタ12に表示される。この例において、第1モニタ12が本発明の出力装置として機能する。
【0075】
一方、ゲーム機3には、入力装置として上述のコントロールパネル14が設けられる。コントロールパネル14には上述のように各操作部15が設けられており、各操作部15は操作部材として各押釦スイッチ17及びターンテーブル19を含んでいる。このため、コントロールパネル14は、各押釦スイッチ17、及び各ターンテーブル19への操作に応じた信号を制御ユニット31に出力する。また、案内画面50におけるプレイ用の操作、或いはモード選択画面等における選択操作といったゲームイベントの流れを進行させるための各操作は操作部15を介して実行される。この例において、このような操作部15を有するコントロールパネル14が本発明の入力装置として機能する。
【0076】
なお、ゲーム機3にはその他にも各種の入力装置等が適宜に設けられ得る。そのような入力装置には、例えば無線通信による非接触型リーダ、或いは磁気読み取り装置等の接触型リーダといったユーザカードへのユーザID等の記憶手法に応じた周知のカードリーダが含まれる。しかし、それらの図示は省略した。
【0077】
次に、選曲データSDの詳細について説明する。
図6は、選曲データSDの構成の一例を示す図である。選曲データSDは、楽曲選択機会における選択結果の適切性を判別するために必要な各種の情報を適宜に含み得るが、
図6の例は事前に指定された楽曲に基づく適切性の判別に関連する部分を示している。
図6に示すように、選曲データSDは、各チームの選手(ユーザ)U毎にその選手Uが各対戦において使用する楽曲として事前に指定した楽曲を管理するための選曲レコードSDRを含んでいる。また、その選曲レコードSDRは、“チーム”、“対戦”、“ユーザ”、及び“予定楽曲”の情報を含んでいる。
【0078】
“チーム”は、各選手Uが属するチームを識別するためにチーム毎にユニークに付与されるチームIDを示す情報である。“対戦”は、第1対戦、第2対戦、或いは第3対戦といったチーム対戦における各対戦を示す情報である。“ユーザ”は、各ユーザを識別するためのユーザIDを示す情報である。“予定楽曲”は、予め対戦前に各対戦において使用する楽曲として各選手Uによって指定された楽曲を示す情報である。“予定楽曲”において各楽曲は適宜に特定されてよいが、一例として各楽曲を識別するために楽曲毎にユニークに付与される楽曲IDを通じて識別される。つまり、“予定楽曲”には、事前に指定された楽曲の楽曲IDが記述される。そして、“予定楽曲”の情報は、楽曲選択機会において選択された楽曲の適切性の判別に使用される。選曲レコードSDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。この例において、“予定楽曲”に記述される楽曲IDの情報が本発明の判別情報として機能する。また、このような“予定楽曲”の情報を含む選曲データSDが本発明の判別データとして機能する。
【0079】
なお、選曲データSDには、これらに限定されず、選曲の適切性の判別に必要な適宜の情報が含まれていてよい。あるいは、上述の各情報が適宜に省略されてもよい。具体的には、例えば、同じ選手Uによって複数回の対戦が実行され、それらの対戦における同じ楽曲の重複的な使用が排除されるべき場合には、選曲レコードSDRは、“選択楽曲”の情報を含んでいてもよい。“選択楽曲”は、各対戦において各選手Uによって実際に選択された楽曲を示す情報である。この場合、“予定楽曲”の情報は省略されてもよい。そして、“選択楽曲”に記述される楽曲IDの情報(“予定楽曲”が適切な楽曲を示す情報であるのに対して、不適切な楽曲を示す情報)が楽曲選択機会において選択された楽曲の適切性の判別に使用され、本発明の判別情報として機能してもよい。
【0080】
次に、
図7~
図10を参照して、第1形態に係る選択処理、第1選択処理、及び第2選択処理の手順について説明する。選択処理は、第1選択工程、第2選択工程、及びプレイ工程の一連の工程を提供するための処理である。
図7、及び
図8は、選択処理の手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、一連の工程は通常の流れで提供される場合とゲームイベントの流れで提供される場合とがあり、それらは切替条件に応じて切り替えられるが、
図7及び
図8の例はイベントモードの選択が切替条件として利用される場合の選択処理を示している。この場合、第1選択工程を要求する所定の提供開始操作が実行されると、進行制御部33は
図7の選択処理を開始し、まず第1選択工程を提供する(ステップS101)。第1選択工程では、上述のとおり第1選択機会が付与される。このため、進行制御部33は、ステップS101においてモード選択機会、楽曲選択機会、或いはオプション選択機会といった第1選択機会を付与する。
【0081】
続いて進行制御部33は、通常の流れとゲームイベントの流れとの間で流れを切り替えるための切替条件が満たされるか否か判別する(ステップS102)。切替条件は、モード選択機会においてイベントモードが選択されている場合に満たされる。このため、進行制御部33は、ステップS102においてモード選択機会における選択結果がイベントモードに該当するか否か判別する。
【0082】
切替条件が満たされない場合(ステップS102:No)、つまりモード選択機会においてイベントモード以外のモードが選択されている場合、進行制御部33は、第2選択工程を付与する(ステップS103)。第2選択工程では、上述のとおり第2選択機会が付与される。このため、進行制御部33は、ステップS103においてスピード選択機会といった第2選択機会を付与する。続いて進行制御部33は、プレイ工程を提供する(ステップS104)。プレイ工程は上述のとおり音楽ゲームをプレイするための工程であり、案内画面50を通じて各実行時期を案内、及び評価する工程である。このため、進行制御部33は、ステップS104において案内画面50の表示、及びプレイ用の楽曲の再生を開始する。そして、案内画面50の表示等を開始した後に進行制御部33は今回の通常選択処理を終了する。
【0083】
一方、切替条件が満たされる場合(ステップS102:Yes)、つまりモード選択機会においてイベントモードが選択されている場合、進行制御部33は、第1選択機会における選択結果をバックヤード装置2に送信する(ステップS105)。この選択結果には、第1選択機会における選択結果が適宜に含まれていてよいが、少なくとも楽曲選択機会における選択結果(選曲結果)が含まれる。そして、この選択結果の送信後に進行制御部33は、バックヤード装置2から進行の可否に関する信号を取得するまで次の処理への進行を待機する(ステップS106)。進行の待機は適宜に実現されてよいが、一例として直前に表示されるゲーム画面の継続的な表示により実現される。この場合において、“待機中”等の待機を示す情報が適宜に表示されてもよい。
【0084】
バックヤード装置2から進行の可否に関する信号が送信されると、進行制御部33はその信号を取得し、その信号が許可信号であるか否か、つまり許可信号を取得したか否か判別する(ステップS107)。許可信号を取得していない場合(ステップS107:No)、例えば不許可の信号を取得した場合、或いは一定時間を経過してもバックヤード装置2から進行の可否に関する信号を取得できない場合、進行制御部33はステップS101に戻り、以降の処理を再度実行する。
【0085】
一方、許可信号を取得した場合(ステップS107:Yes)、進行制御部33は
図8の手順に進み、第2選択工程を提供する(ステップS108)。第2選択工程の提供は、ステップS103と同様に実現される。続いて進行制御部33は、第2選択機会における選択結果を再度バックヤード装置2に送信する(ステップS109)。そして、この選択結果の送信後に進行制御部33は、バックヤード装置2から許可信号を取得するまで次の処理への進行を再度待機する(ステップS110)。この進行の待機は、ステップS107と同様に実現されてよい。
【0086】
バックヤード装置2から許可信号が送信されると、進行制御部33はその許可信号を取得する(ステップS111)。続いて進行制御部33は、
図7の手順に戻り、プレイ工程を提供する(ステップS104)。プレイ工程の提供は上述のとおりである。そして、進行制御部33はプレイ工程の提供の後(案内画面50の表示等を開始した後)に今回の通常選択処理を終了する。
【0087】
図7、及び
図8の手順より、第1選択工程、第2選択工程、及びプレイ工程の一連の工程が実現される。また、モード選択機会においてイベントモードが選択されているか否か(切替条件が満たされるか否か)に応じて通常の流れとゲームイベントの流れとの間で一連の工程の流れが切り替えられる。そして、イベントモード以外が選択されている場合には、一連の工程がゲーム機3によって単独で提供される。つまり、通常の流れが実現される。一方で、イベントモードが選択されている場合には、一連の工程の間にバックヤード装置2からの指示を待つように進行の待機が適宜追加される。このため、この待機を通じて、第1進行許可工程、或いは第2進行許可工程といったバックヤード装置2による工程の介在が実現される。つまり、ゲームイベントの流れが実現される。
【0088】
第1選択処理は、第1進行許可工程を実現するための処理である。
図9は、第1選択処理の手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、
図9の例は、
図7の手順と連携して実行される場合の第1選択処理を示している。この場合、ゲーム機サービス管理部25は、
図7のステップS105においてゲーム機3から選択結果が送信されると
図9の第1選択処理を開始し、まずその選択結果を取得する(ステップS301)。
【0089】
続いてゲーム機サービス管理部25は、ステップS301で取得した送信結果に基づいて進行の可否を判別する(ステップS302)。進行の可否は第1選択機会の選択結果に基づいて適宜に判別されてよいが、一例として楽曲選択機会における選択結果が適切か否かに基づいて判別される。また、楽曲選択機会における選択結果の適切性は、その選択結果が事前に指定された楽曲に該当するか否か基づいて判別される。このため、ゲーム機サービス管理部25は、ステップS302において楽曲選択機会における選択結果がその対戦でプレイに使用する楽曲として事前に指定された楽曲に該当するか否か判別する。具体的には、ゲーム機サービス管理部25は、選曲データSDの“対戦”及び“予定楽曲”の情報を参照し、楽曲選択機会において選択された楽曲が、対応する対戦のその“予定楽曲”の楽曲に該当するか否か判別する。そして、進行制御部33は、楽曲選択機会における選択結果が不適切な場合(楽曲選択機会において選択された楽曲が対応する対戦のその“予定楽曲”の楽曲に該当しない場合)に進行不可と、適切な場合(楽曲選択機会において選択された楽曲が対応する対戦のその“予定楽曲”の楽曲に該当する場合)に進行可と、それぞれ判別する。
【0090】
次にゲーム機サービス管理部25は、ステップS302の判別結果を送信する(ステップS303)。具体的には、ゲーム機サービス管理部25は、ステップS302において進行可と判別した場合には許可信号を、進行不可と判別した場合には不許可信号を、判別結果として
図7の手順のステップS107においてゲーム機3が取得するように出力(送信)する。そして、この出力(送信)の後にゲーム機サービス管理部25は今回の第1選択処理を終了する。これにより、楽曲選択機会における選択結果の適切性に基づいて第2選択工程への進行の可否が自動的に判別される。つまり、ゲームイベントの流れにおける第1進行許可工程が自動で実現される。具体的には、選曲データSD、及び楽曲選択機会における選択結果に基づいてその選択結果の適切性が判別され、適切な場合に進行可と、不適切な場合に進行不可と判別される。そして、進行可の場合には第2選択工程を提供させるように許可信号が、進行不可の場合には第2選択工程に進行せず第1選択工程を再度提供させるように不許可信号が、それぞれゲーム機3に出力される。
【0091】
第2選択処理は、第2進行許可工程を実現するための処理である。
図10は、第2選択処理の手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、
図10の例は、
図8の手順と連携して実行される場合の第2選択処理を示している。この場合、ゲーム機サービス管理部25は、
図8のステップS109においてゲーム機3から選択結果が送信されると
図10の第2選択処理を開始し、まずその選択結果を取得する(ステップS501)。
【0092】
続いてゲーム機サービス管理部25は、選択結果を操作者OPに通知する(ステップS502)。この通知は適宜に実現されてよく、例えばバックヤード装置2のモニタ20Aへの表示を通じて実現されてもよいが、一例として大型モニタMOを通じて実現される。つまり、ゲーム機サービス管理部25は、ステップS502において大型モニタMOに表示することによりステップS501で取得した選択結果を操作者OPに通知する。また、第2選択機会における選択の終了が、各選手Uによる右手を挙げるジェスチャ等を通じて別途操作者OPに通知されてもよい。
【0093】
次にゲーム機サービス管理部25は、操作者OPによる進行の許可を待機する(ステップS503)。進行の許可は適宜に実現されてよいが、例えばバックヤード装置2に接続されるキーボード20Bに実行される所定の許可操作(例えばEnterボタンの押下)を通じて実現される。また、待機中には許可操作のタイミングを計るためのカウントダウンが適宜に実行され得る。カウントダウンは、大型モニタMOにカウントダウンの数値を表示するために別途実行されるカウントダウン処理等を通じてバックヤード装置2によって実行されてもよいが、一例として操作者OPが自己の指やジェスチャ等を利用して実行する。
【0094】
ステップS503において許可の待機中に許可操作が実行されると、ゲーム機サービス管理部25はその許可信号を、
図8の手順のステップS111において取得されるようにゲーム機3に出力する(ステップS504)。そして、その出力の後にゲーム機サービス管理部25は今回に第2選択処理を終了する。これにより、ゲームイベントの流れにおける第2進行許可工程が実現される。具体的には、第2選択機会の後にバックヤード装置2からの許可信号を待ってプレイ工程が開始されるが、その許可信号は対戦者間に共通に出力される。このため、開始時期が対戦者間において一致するようにプレイ工程が提供される。
【0095】
以上に説明したように、第1形態によれば、モード選択機会においてイベントモードが選択された(切替条件が満たされた)場合に、第1進行許可工程、及び第2進行許可工程といったバックヤード装置2からの許可信号の取得を待機する工程が一連の工程に追加され、第2選択工程、或いはプレイ工程といった特定の工程への進行が待機される。そして、ゲーム機3は、バックヤード装置2からの許可信号を待ってそれらの特定の工程の提供を開始する。つまり、本来の一連の工程に対して第1選択工程等の各選択工程とその直後の工程との間に第1進行許可工程等が追加され、バックヤード装置2から許可信号が取得されるまで第2選択工程等の次の工程への進行は待機される。これにより、必要に応じて一連の工程の進行を待機させることができる。
【0096】
具体的には、例えば第1選択工程の楽曲選択機会において特定の楽曲(予め指定された楽曲)の選択が要求される場合に、第1進行許可工程を通じてその特定の楽曲が選択されるまで一連の工程の進行を待機させることができる。あるいは、第2選択工程の後にプレイ開始の時期を対戦者間で一致させるためにプレイ工程への進行を待機させることができる。結果として、楽曲選択機会において要求される特定の楽曲の選択を促すとともに、プレイ工程の開始時期を調整することができる。
【0097】
また、第1形態によれば、第1進行許可工程では、楽曲選択機会において選択された楽曲の適切性が選曲データSDに基づいてバックヤード装置2によって判別され、その選択結果が適切である場合に次の第2選択工程への進行を許可する許可信号がゲーム機3に出力される。そして、ゲーム機3では、許可信号が取得されると、第2選択工程への進行の待機が終了し、第2選択工程への進行が開始される。このため、第2選択工程の提供をゲーム機3に開始させるための許可信号を選曲データSDに基づいて自動で出力することができる。
【0098】
以上の第1形態において、ゲーム機3の進行制御部33が、
図7の手順を実行することにより本発明の進行待機手段、及び提供開始手段として機能する。具体的には、進行制御部33が、
図7のステップS106を実行することにより進行待機手段として、
図8の手順を経て
図7のステップS104を実行することにより提供開始手段として、それぞれ機能する。一方、バックヤード装置2のゲーム機サービス管理部25が、
図9の手順を実行することにより本発明の結果取得手段、及び信号出力手段として機能する。具体的には、ゲーム機サービス管理部25が、
図9のステップS301を実行することにより結果取得手段として、ステップS303を実行することにより信号出力手段として、それぞれ機能する。
【0099】
(第2形態)
図11を参照して、第2形態に係るゲームシステム1の制御系の要部を説明する。第2の形態では、第1進行許可工程、及び第2進行許可工程の進行が主として手動で実行される。具体的には、各ゲーム機3は第1選択工程、つまり第1選択機会に含まれる各選択機会の終了に伴い、続いてゲーム機3が提供すべき第2選択工程への進行を待機する。つまり、ゲーム機3は各選択機会の提供後にプレイ開始のための処理を一時停止する。一方で、各選択機会における選択の終了に伴い、各選手Uには適宜の終了ジェスチャ(例えば右手を挙げる動作)が要求される。そして、対戦を行う両選手Uによる終了ジェスチャを確認すると、第1進行許可工程として操作者OPによって進行の可否が判別される。具体的には、例えば第1進行許可工程では、楽曲選択機会において選択された楽曲の適切性は、バックヤード装置2の操作者OPによって判別される。
図11の例は、このような場合の第2形態に係るゲームシステム1の制御系の要部を示している。以下では、第1形態と共通の構成には、
図11~
図12に同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】
図11は、第2形態に係るゲームシステム1の制御系の要部を示す機能ブロック図である。
図11に示すように、第2形態では、第1形態と比べてイベントデータ23としての選曲データSDの記憶部22への記憶が省略される。つまり、第2形態ではイベントデータ23は選曲データSDを含んでいなくてもよい。また、大型モニタMO及びスピーカSPのバックヤード装置2への接続も省略され、それらは別の装置(例えばゲーム機3)によって制御されてもよく、その場合にはバックヤード装置2は単なる押釦スイッチとして構成されてもよいが、
図11の例ではバックヤード装置2はコンピュータ装置として構成され、大型モニタMO等も接続されている。
【0101】
図12は、第2形態に係る第1選択処理の手順の一例を示すフローチャートである。第2形態に係る第1選択処理では、
図9の例の第1形態に係る第1選択処理に比べてステップS312、及びステップS313の処理において相異している。具体的には、第2形態に係る第1選択処理では、第1形態に係る第1選択処理のステップS302が省略され、その代わりにステップS312、及びステップS313が実行される。
【0102】
図12に示すように、ゲーム機サービス管理部25は、
図9の例と同様に第1選択処理を開始し、ステップS301においてゲーム機3から選択結果を取得した後に、その選択結果を操作者OPに通知する(ステップS312)。この通知は適宜に実現されてよく、例えばバックヤード装置2のモニタ20Aへの表示を通じて実現されてもよいが、一例として大型モニタMOを通じて実現される。つまり、ゲーム機サービス管理部25は、ステップS312において大型モニタMOに表示することによりステップS301で取得した選択結果を操作者OPに通知する。この例において、大型モニタMOが本発明のモニタとして機能する。一方、ゲーム機3から取得した選択結果が、大型モニタMOの代わりにバックヤード装置2のモニタ20Aに表示される場合、そのモニタ20Aが本発明のモニタとして機能する。
【0103】
続いてゲーム機サービス管理部25は、操作者OPによる進行の可否の判別結果を待機する(ステップS313)。例えば進行の可否が楽曲選択機会における選択結果が適切か否かに基づいて判別される場合、選曲データSDの代わりにそれに相当するリストが操作者OPに渡される。このため、操作者OPは、そのリストに基づいて楽曲選択機会における選択結果が適切か否か判別する。具体的には、操作者OPは、大型モニタMOに表示される選択結果、及び選曲データSDに相当するリストを参照しつつ、楽曲選択機会において選択された楽曲が、その対戦で使用される楽曲として事前に指定された楽曲に該当するか否か判別する。そして、操作者OPは、楽曲選択機会における選択結果が適切な場合(楽曲選択機会において選択された楽曲が事前に指定された楽曲に該当する場合)に進行可と、楽曲選択機会における選択結果が不適切な場合(楽曲選択機会において選択された楽曲が事前に指定された楽曲に該当しない場合)に進行不可と、それぞれ判別する。
【0104】
進行の可否の判別結果は適宜に入力されてよいが、例えば進行可を示す許可の結果はバックヤード装置2に接続されるキーボード20Bに実行される所定の許可操作(例えばEnterボタンの押下)を通じて入力される。進行不可を示す不許可の結果も同様にキーボード20Bに実行される所定の不許可操作を通じて入力され、ゲーム機3に送信されてもよいが、一例として不許可操作の入力は省略される。具体的には、操作者OPによる不許可を示すジェスチャによって対象の選手U(不適切な選択をした選手U)に通知される。つまり、バックヤード装置2からゲーム機3への信号ではなく、操作者OPから選手Uへの合図により不許可は通知される。そして、不許可を受け取った選手Uは現在の選択結果を取消し、再度第1選択機会の提供をうけ、そこで適切な選択を実行する。また、不許可を通知した場合、操作者OPは第1選択処理を適宜中止してよい。この例において、キーボード20Bに実行される所定の許可操作が本発明の許可指示として機能する。
【0105】
ステップS313において判別結果の待機中に所定の許可操作が実行されると、ゲーム機サービス管理部25はその判別結果をゲーム機3に送信する(ステップS303)。つまり、ゲーム機サービス管理部25は、
図7の手順のステップS107においてゲーム機3が取得するように、判別結果として許可信号を出力する。そして、この出力の後にゲーム機サービス管理部25は今回の第1選択処理を終了する。これにより、ゲームイベントの流れにおける第1進行許可工程が操作者OPによる手動で実現される。なお、例えばバックヤード装置2が単なる押釦スイッチとして構成される場合等、大型モニタMO等への表示がバックヤード装置2とは別の装置によって実行される場合、ステップS301~ステップS313の処理は省略され、第1選択処理は許可操作に伴い単に許可信号を出力するだけの処理として構成されてもよい。
【0106】
以上に説明したように、第2形態によれば、第1形態と同様に、第1選択工程の楽曲選択機会において特定の楽曲(予め指定された楽曲)の選択が要求される場合に、第1進行許可工程を通じてその特定の楽曲が選択されるまで一連の工程の進行を待機させることができる。あるいは、第2選択工程の後にプレイ開始の時期を対戦者間で一致させるためにプレイ工程への進行を待機させることができる。結果として、楽曲選択機会において要求される特定の楽曲の選択を促すとともに、プレイ工程の開始時期を調整することができる。
【0107】
また、第2形態によれば、ゲーム機3の楽曲選択機会における選択結果がバックヤード装置2の操作者OPに通知される。そして、その操作者OPによって所定の許可操作(許可指示)が実行された場合に、第2選択工程を開始させるための許可信号がゲーム機3に出力される。このため、操作者OPによる許可操作の有無によって第2選択工程への進行の可否、或いは第2選択工程の提供時期を調整することができる。これにより、楽曲選択機会における特定の楽曲の選択、及び第2選択工程の開始時期の調整といった必要な状況を比較的柔軟に実現することができる。また、楽曲選択機会における選択結果が大型モニタMOへの表示を通じて操作者OPに通知される場合、その大型モニタMOの表示を通じて操作者OPだけでなく、他の選手U、或いはイベント施設EFの観客といった楽曲の選択を行った選手U以外の他者に選択結果が通知される。これにより、楽曲選択機会における選択結果を他者に認識させることができる。結果として、そのような他者を通じて、楽曲選択機会における特定の楽曲の選択等の必要な状況をより促すことができる。
【0108】
以上の第2形態において、バックヤード装置2のゲーム機サービス管理部25が、
図12の手順を実行することにより本発明の結果取得手段、結果通知手段、及び信号出力手段として機能する。具体的には、ゲーム機サービス管理部25が、
図12のステップS301を実行することにより結果取得手段として、ステップS312を実行することにより結果通知手段として、ステップS303を実行することにより信号出力手段として、それぞれ機能する。
【0109】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、通常の流れにおける本来の一連の工程は記憶部22に予め記憶されるゲームデータGDに基づいてゲーム機3によって単独で提供されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、一連の工程は、各種データの送受信をセンターサーバ等の他の装置との間で実行する工程を適宜に含んでいてもよい。つまり、ゲームイベントの流れにおいて許可信号を待つ工程が適宜に追加される限り、一連の工程はゲーム機3によって単独で提供される工程に限定されず、他の装置と協働で実現される工程を含む適宜の工程であってよい。
【0110】
上述の形態では、一連の工程は主にプレイを開始するための準備を行う工程として構成されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。一連の工程は、ゲーム機3が提供するゲームに関連する限り、例えばゲームの継続等のためにプレイの途中に提供される工程であっても、ゲームの終了時に提供される工程であってもよい。
【0111】
上述の形態では、通常の流れとゲームイベントの流れとを切り替えるための切替条件として、イベントモードの選択が利用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。切替条件は、許可信号を出力するバックヤード装置2との接続を要件に含む適宜の条件であってよい。例えば、切替条件は、ゲームイベントの開催者によってゲームイベントを提供するための特別の設定が実行された場合(例えばイベント施設EFへのゲーム機3の設置時等、ゲームイベントの開始前に実行される)に満たされてもよい。あるいは、切替条件は、バックヤード装置2から出力される所定の信号に基づいてバックヤード装置2の接続に伴い自動的に満たされてもよい。つまり、特別の設定が実行された場合、或いはバックヤード装置2が接続された場合に通常の流れからゲームイベントの流れに切替られてもよい。これらの場合、例えば
図7の例における切替条件の判別(ステップS102)は省略され、通常の流れを実現する処理と、ゲームイベントを実現する処理とは別々の処理として実現されてもよい。
【0112】
また、上述の形態では、ゲームシステム1は、ゲーム機3を含んでいる。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム機3は単なるクライアント装置として本発明のゲームシステムに接続されてもよい。つまり、バックヤード装置2単体が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
【0113】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0114】
本発明のゲーム機は、ユーザに選択機会を付与する選択工程(S3、S5)を含む一連の工程(S3、S5、S7、S8)を提供する出力装置(12)と、各工程を進行させるための前記ユーザの操作を入力する入力装置(14)と、を備え、前記一連の工程をゲームのプレイに関連する工程として順に提供するゲーム機(3)であって、前記一連の工程において前記選択工程の後に提供される特定の工程(S5、S7)への進行を許可する許可信号を出力する外部装置(2)の接続を要件に含む所定の条件が満たされる場合に、当該許可信号の取得を待機する待機工程(S4、S6)が前記一連の工程において前記選択工程と前記特定の工程との間に追加されるように、前記特定の工程への進行を待機させる進行待機手段(33)と、前記待機工程において前記外部装置から前記許可信号が出力された場合に、前記特定の工程への進行の待機が終了するように、前記特定の工程の提供を開始する提供開始手段(33)と、を備えるものである。
【0115】
本発明によれば、所定の条件が満たされる場合に、外部装置からの許可信号の取得を待機する待機工程が一連の工程において選択工程と特定の工程との間に追加されるように、特定の工程への進行を待機され、外部装置からの許可信号を待って特定の工程の提供が開始される。つまり、本来の一連の工程に対して選択工程と特定の工程との間に待機工程が追加され、外部装置から許可信号が取得されるまで特定の工程への進行は待機される。これにより、待機工程を通じて必要に応じて一連の工程の進行を待機させることができる。結果として、例えば選択機会において特定の選択を促したり、特定の工程の開始時期を調整したりすることができる。
【0116】
一連の工程は、ゲームに関連する限り、適宜の工程であってよい。例えば、一連の工程は、プレイを開始するための準備を行う工程であってもよいし、プレイの継続等に関連するようにプレイ途中に介在する工程であってもよい。あるいは、プレイの終了のための工程であってもよい。また、本発明のゲーム機は、このような一連の工程に関連する各種のゲームを適宜に提供してよい。例えば、本発明のゲーム機は、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、アクションゲームといった各種のゲームを適宜に提供してよい。具体的には、例えば、本発明のゲーム機の一例において、前記ゲームとして、前記入力装置を介して入力されるべき操作の実行時期をプレイ用の楽曲のリズムに合わせて案内、及び評価するタイプの音楽ゲームが提供され、前記選択機会は、複数の候補から前記プレイ用の楽曲を選択するための楽曲選択機会を含んでいてもよい。
【0117】
選択機会を付与する選択工程は適宜に提供されてよく、例えばその提供回数は一度であっても、複数回であってもよい。選択工程が複数回提供される場合、複数の工程が特定の工程として機能してもよいし、一つの工程(複数の選択工程のいずれかに対応して待機されても、二以上の選択工程に対応するように待機されてもよい)が特定の工程として機能してもよい。また、特定の工程は、一連の工程において選択工程の後に提供される適宜の工程であってよい。例えば、特定の工程は、一連の工程における選択工程の直後の工程であってもよいし、直後の工程でなくてもよい。
【0118】
具体的には、例えば、ゲームとして音楽ゲームが提供される態様において、前記選択機会は、前記音楽ゲームのプレイで使用される要素として前記プレイ用の楽曲とは別に用意されるゲーム要素を選択するための別の選択機会を更に含み、前記選択工程は、前記楽曲選択機会を付与する第1選択工程(S3)、及び前記別の選択機会を付与する第2選択工程(S5)の二つの選択工程を、前記一連の工程において前記第1選択工程が前記第2選択工程よりも先に提供されるように含み、前記特定の工程は、前記第1選択工程、及び前記第2選択工程にそれぞれ対応して待機される第1特定の工程(S5)、及び第2特定の工程(S7)を含み、前記一連の工程は、前記音楽ゲームのプレイ開始として前記プレイ用の楽曲の再生が開始されるプレイ工程(S7)を含み、前記第1特定の工程として、前記第2選択工程が機能し、前記第2特定の工程として、前記プレイ工程が機能してもよい。この場合、例えば楽曲選択機会における特定の楽曲の選択を促したり、プレイ工程の開始時期を調整したりすることができる。
【0119】
また、本発明のコンピュータプログラム(PG2)は、前記出力装置、及び前記入力装置に接続されるコンピュータ(21)を、上述のゲーム機の各手段として機能させるように構成されたものである。
【0120】
同様に、本発明の制御方法は、ユーザに選択機会を付与する選択工程(S3、S5)を含む一連の工程(S3、S5、S7、S8)を提供する出力装置(12)と、各工程を進行させるための前記ユーザの操作を入力する入力装置(14)と、を備え、前記一連の工程をゲームのプレイに関連する工程として順に提供するゲーム機(3)に組み込まれるコンピュータ(21)に、前記一連の工程において前記選択工程の後に提供される特定の工程(S5、S7)への進行を許可する許可信号を出力する外部装置(2)の接続を要件に含む所定の条件が満たされる場合に、当該許可信号の取得を待機する待機工程(S4、S6)が前記一連の工程において前記選択工程と前記特定の工程との間に追加されるように、前記特定の工程への進行を待機させる進行待機手順と、前記待機工程において前記外部装置から前記許可信号が出力された場合に、前記特定の工程への進行の待機が終了するように、前記特定の工程の提供を開始する提供開始手順と、を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲーム機を実現することができる。
【0121】
一方、本発明の外部装置は、上述のゲーム機に接続される外部装置(2)であって、前記選択機会における前記ユーザの選択結果を取得する結果取得手段(25)と、前記選択機会における選択結果の適切性を判別するための判別情報が記述された判別データ(SD)に基づいて前記選択結果が適切と判別される場合に、前記許可信号を前記ゲーム機に出力する信号出力手段(25)と、を備えるものである。
【0122】
本発明の外部装置によれば、ゲーム機の選択機会において選択された選択結果の適切性が判別データに基づいて判別され、その選択結果が適切である場合に許可信号がゲーム機に出力される。そして、ゲーム機では、許可信号が取得されると、特定の工程への進行の待機が終了し、特定の工程の提供が開始される。このため、特定の工程の提供を開始させるための許可信号を判別データに基づいて自動で出力することができる。
【0123】
あるいは、本発明の外部装置は、上述のゲーム機に接続される外部装置(2)であって、前記選択機会における前記ユーザの選択結果を取得する結果取得手段(25)と、前記外部装置のユーザとしての操作者(OP)に前記選択結果を通知する結果通知手段(25)と、前記操作者よる許可指示に基づいて前記許可信号を前記ゲーム機に出力する信号出力手段(25)と、を備えるものである。
【0124】
本発明の外部装置によれば、ゲーム機の選択機会において選択された選択結果が外部装置の操作者に通知される。そして、その操作者によって許可指示が実行された場合に、特定の工程を開始させるための許可信号がゲーム機に出力される。このため、操作者による許可指示の有無によって特定の工程への進行の可否、或いは特定の工程の提供時期を調整することができる。これにより、選択機会における特定の選択、及び特定の工程の開始時期の調整といった必要な状況を比較的柔軟に実現することができる。
【0125】
外部装置には、一台或いは複数台といった適宜の数のゲーム機が接続されてよい。例えば、本発明の外部装置の一態様において、前記ゲーム機としてそれぞれ機能する複数のゲーム機(3)に前記許可信号が同時に出力されるように、当該複数のゲーム機が接続されてもよい。この場合、複数のゲーム機間において共通に待機工程を生じさせることができる。これにより、例えば複数のゲーム機間において特定の選択を促したり、特定の工程の開始時期を調整したりすることができる。
【0126】
さらに、本発明のゲームシステムは、上述の外部装置を備えるゲームシステム(1)であって、前記ゲーム機に接続され、前記選択機会における選択結果を表示するモニタ(MO、若しくは20A)が前記ゲーム機とは別に設けられているものである。
【0127】
本発明のゲームシステムによれば、選択機会における選択結果がモニタ(ゲーム機3に直接接続されても、例えば外部装置等の他の装置を介して間接的に接続されてもよい)に表示される。このため、モニタの表示を通じて外部装置の操作者等、ゲーム機のユーザ以外の他者に選択機会における選択結果を認識させることができる。結果として、そのような他者を通じて、例えば選択機会における特定の選択を促したり特定の工程の開始時期を調整したりすることができる。
【0128】
選択機会における選択結果が表示されるモニタは適宜のモニタであってよい。例えば、外部装置等がイベント施設等の所定の施設に設置される場合、その施設において共用される大型モニタであってもよい。また、例えば、選択機会における選択結果がモニタに表示される態様において、前記モニタ(20A)は、前記外部装置に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1 ゲームシステム
2 バックヤード装置(外部装置)
3 ゲーム機
12 第1モニタ(出力装置)
14 コントロールパネル(入力装置)
21 制御ユニット
25 ゲーム機サービス管理部(結果取得手段、結果通知手段、信号出力手段)
31 制御ユニット(コンピュータ)
33 進行制御部(進行待機手段、提供開始手段)
20A モニタ
MO 大型モニタ(モニタ)
PG2 ゲームプログラム(コンピュータプログラム)