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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048615
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】車両用サイドドア構造
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/00 20060101AFI20230331BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
B60J5/00 P
B60J5/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158037
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】中島 真
(72)【発明者】
【氏名】松並 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】徳増 信哉
(57)【要約】
【課題】ドア閉塞時の衝撃によって生じる衝突センサの誤検出を抑制でき、サイドエアバッグ装置の誤動作を防止する上で有利な車両用サイドドア構造を提供する。
【解決手段】衝突センサ18をドアインナパネル22に取り付けるセンサブラケット20の第1固定点2004Aが、第2部分32Bの稜線3210、3212の近傍に位置するドアインナパネル本体30の箇所に設けられているので、第1固定点2004Aが設けられるドアインナパネル本体30の部分の剛性が第2部分32Bの稜線3210、3212によって高められる。ドア閉塞時の衝撃によって生じる、第1固定点2004Aが設けられるドアインナパネル22の部分の共振を抑制する上で有利となり、衝突センサ18の誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作を防止する上で有利となる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアインナパネルの車幅方向内側に位置する内面にセンサブラケットを介して衝突センサが取り付けられた車両用サイドドア構造であって、
前記ドアインナパネルから車幅方向内側に突設されその周囲に稜線が形成された第1凸部が設けられ、
前記第1凸部は、吸着パッドが吸着可能な第1部分と、前記第1部分から細長状に延在する第2部分とを有し、
前記センサブラケットは、センサ取り付け部と、前記ドアインナパネルに固定される第1固定部及び第2固定部とにより断面ハット形状を有し、
前記ドアインナパネルに対する前記第1固定部の第1固定点及び前記ドアインナパネルに対する前記第2固定部の第2固定点の一方は、前記第2部分の稜線の近傍に位置する、
ことを特徴とする車両用サイドドア構造。
【請求項2】
前記第1部分は略円形を呈している、
ことを特徴とする請求項1記載の車両用サイドドア構造。
【請求項3】
前記第1固定点及び前記第2固定点の他方は、前記第1部分の稜線の内側の部分に設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用サイドドア構造。
【請求項4】
前記第1固定点と前記第2固定点とを結ぶ直線は、前記第2部分の延在方向と略一致している、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の車両用サイドドア構造。
【請求項5】
前記第1凸部から上方に離間した前記ドアインナパネルの箇所に、車幅方向内側に突設されその周囲に稜線が形成された第2凸部が設けられ、
前記第1固定点及び前記第2固定点の一方は、前記第1凸部と前記第2凸部との間に挟まれた前記ドアインナパネルの箇所に設けられている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の車両用サイドドア構造。
【請求項6】
前記ドアインナパネルはサービスホールを有し、
前記第1固定点及び前記第2固定点の一方は、車両前後方向において前記第2部分を挟んで前記サービスホールと反対側に位置する前記ドアインナパネルの箇所に設けられている、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の車両用サイドドア構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用サイドドア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のサイドドアを構成するドアインナパネルに衝突センサを取り付け、衝突センサによって側面衝突が検出された際にサイドドアエアバッグ装置を膨張展開させ乗員の保護を図るようにした車両用サイドドア構造が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-162392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用サイドドア構造では、サイドドアが勢いよく閉じられた際に生じるドア閉塞時の衝撃によってドアインナパネルが共振した場合、衝突センサが側面衝突を誤検出すると、サイドドアエアバッグ装置の誤動作を招くおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、ドア閉塞時の衝撃によって生じる衝突センサの誤検出を抑制でき、サイドエアバッグ装置の誤動作を防止する上で有利な車両用サイドドア構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の一実施形態は、ドアインナパネルの車幅方向内側に位置する内面にセンサブラケットを介して衝突センサが取り付けられた車両用サイドドア構造であって、前記ドアインナパネルから車幅方向内側に突設されその周囲に稜線が形成された第1凸部が設けられ、前記第1凸部は、吸着パッドが吸着可能な第1部分と、前記第1部分から細長状に延在する第2部分とを有し、前記センサブラケットは、センサ取り付け部と、前記ドアインナパネルに固定される第1固定部及び第2固定部とにより断面ハット形状を有し、前記ドアインナパネルに対する前記第1固定部の第1固定点及び前記ドアインナパネルに対する前記第2固定部の第2固定点の一方は、前記第2部分の稜線の近傍に位置することを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記第1部分は略円形を呈していることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記第1固定点及び前記第2固定点の他方は、前記第1部分の稜線の内側の部分に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記第1固定点と前記第2固定点とを結ぶ直線は、前記第2部分の延在方向と略一致していることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記第1凸部から上方に離間した前記ドアインナパネルの箇所に、車幅方向内側に突設されその周囲に稜線が形成された第2凸部が設けられ、前記第1固定点及び前記第2固定点の一方は、前記第1凸部と前記第2凸部との間に挟まれた前記ドアインナパネルの箇所に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記ドアインナパネルはサービスホールを有し、前記第1固定点及び前記第2固定点の一方は、車両前後方向において前記第2部分を挟んで前記サービスホールと反対側に位置する前記ドアインナパネルの箇所に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、センサブラケットの第1固定部の第1固定点と第2固定部の第2固定点の一方が固定されるドアインナパネルの部分の剛性が第2部分の稜線によって高められているため、ドア閉塞時の衝撃によって生じるドアインナパネルの部分の共振を抑制する上で有利となり、衝突センサの誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作を防止する上で有利となる。
また、本発明の一実施形態によれば、第1部分の稜線が略円形を呈しているため、センサブラケットの第1固定部と第2固定部の一方が取り付けられるドアインナパネルの部分の近傍の剛性を高める上で有利となり、ドア閉塞時の衝撃によって生じるドアインナパネルの部分の共振を抑制する上でより有利となり、衝突センサの誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作の防止を図る上でより有利となる。
また、本発明の一実施形態によれば、第1固定部の第1固定点と第2固定部の第2固定点の他方が設けられるドアインナパネルの部分の剛性が第1部分の稜線によって高められるため、ドア閉塞時の衝撃によって生じるドアインナパネルの部分の共振を抑制する上でより有利となり、衝突センサの誤検出、サイドエアバッグ装置の誤動作を防止する上でより有利となる。
また、本発明の一実施形態によれば、少なくとも一対の固定点(第1固定点、第2固定点)を結ぶ直線方向、すなわちセンサブラケットの延在方向に沿ったドアインナパネルの部分の剛性を向上させる上で有利となり、ドア閉塞時の振動によって生じるドアインナパネルの部分の共振を抑制する上でより有利となり、衝突センサの誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作の防止を図る上でより有利となる。
また、本発明の一実施形態によれば、第1凸部の稜線と第2凸部の稜線との間に挟まれることで剛性が高められたドアインナパネルの箇所に第1固定部の第1固定点と第2固定部の第2固定点の一方が設けられるので、ドアインナパネルの部分の共振を抑制する上でより有利となり、衝突センサの誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作の防止を図る上でより有利となる。
また、本発明の一実施形態によれば、第2部分の稜線によってドアインナパネルのうちサービスホールに近接する部分の剛性を高めることができるため、ドア閉塞時の振動によって生じるドアインナパネルの部分の共振を抑制する上でより有利となり、衝突センサの誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作の防止を図る上でより有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態の車両用サイドドア構造が適用されたサイドドアを車幅方向内側から見た正面図である。
図2】衝突センサの取り付け部分を車幅方向内側から見た正面図である。
図3図2のA-A線断面図である。
図4図2のB-B線断面図である。
図5】衝突センサの取り付け部分を車幅方向内側から見た斜視図である。
図6】第2の実施の形態の車両用サイドドア構造における衝突センサの取り付け部分を車幅方向内側から見た斜視図である。
図7】第3の実施の形態の車両用サイドドア構造における衝突センサの取り付け部分を車幅方向内側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、図中、符号FRは車両前後方向の前方を示し、符号INは車幅方向内側を示し、符号OUTは車幅方向外側を示し、符号UPは車両上方を示す。
図1図2に示すように、本実施の形態では、車両のサイドドア10が運転席側方あるいは助手席側方の乗降口を開閉するフロントサイドドアである場合について説明する。なお、本発明は、フロントサイドドアの後方に配置されたリアサイドドアなどにも無論適用可能である。
【0009】
図1図2に示すように、サイドドア10は、ドア本体12と、ドア本体12の上部に設けられた窓開口14と、窓開口14を開閉する不図示のウインドガラスと、ドアインパクトバー16と、衝突センサ18と、センサブラケット20とを含んで構成されている。
ドア本体12の前端部が不図示のヒンジを介して不図示のフロントピラーに回動可能に結合され、これによりサイドドア10はその前端部を支点として車幅方向に揺動し乗降口が開閉される。
図3に示すように、ドア本体12は、車幅方向内側の面を構成するドアインナパネル22と、車幅方向外側の面を構成するドアアウタパネル24とが重ね合わされることで構成されている。
図1に示すように、ドアインナパネル22の窓開口14の下方で前後方向の中間部には、例えば、ウインドガラスの昇降装置の取付作業などを行なうためのサービスホール26が形成されている。
【0010】
図1図3に示すように、ドアインパクトバー16は、ドアインナパネル22とドアアウタパネル24の間に設けられ、側面衝突時の衝突荷重に対する衝撃を吸収して乗員を保護する部材である。
ドアインパクトバー16は、金属製で円筒状を呈し、窓開口14の下方において車両前後方向に沿って配置されている。
ドアインパクトバー16は、前端部および後端部が、それぞれ前側インパクトバーブラケット28A、後側インパクトバーブラケット28Bを介してドアインナパネル22の車幅方向外側に位置する外面に取り付けられている。
本実施の形態では、前側インパクトバーブラケット28Aおよび後側インパクトバーブラケット28Bはドアインナパネル22の外面にスポット溶接によって接合されている。
【0011】
衝突センサ18は、側面衝突時にドア本体12に入力する衝突荷重によって衝突センサ18が移動する際の加速度に基づいて側面衝突の発生を検出するものである。
衝突センサ18により側面衝突の発生が検出されると、不図示のサイドエアバッグ装置が膨張展開され、乗員が保護される。
衝突センサ18は、ドアインナパネル22の車幅方向内側に位置する内面にセンサブラケット20を介して取り付けられている。
【0012】
図2図4図5に示すように、センサブラケット20は、センサ取り付け部2002と、第1固定部2004と、第2固定部2006とを備えている。
センサ取り付け部2002は、衝突センサ18がボルトなどの締結具を介して取り付けられる箇所である。
センサ取り付け部2002は衝突センサ18よりも一回り大きな矩形板状を呈し、センサ取り付け部2002の互いに対向する二辺からそれぞれ同じ方向に屈曲された屈曲片が形成され、第1固定部2004および第2固定部2006は、それら屈曲片の先部から互いに離れる方向に突設されることで形成されている。
すなわち、センサブラケット20は、これらセンサ取り付け部2002と、第1固定部2004と、第2固定部2006とにより断面ハット形状をなしている。
第1固定部2004および第2固定部2006は、各々スポット溶接等によりドアインナパネル22の内面に固定されている。なお、図中、記号*は、接合箇所を示している。
以降、ドアインナパネル22に対する第1固定部2004の固定点を第1固定点2004A、ドアインナパネル22に対する第2固定部2006の固定点を第2固定点2006Aとする。
【0013】
図2に示すように、ドアインナパネル22は、サイドドア10の車幅方向内側の面を構成するドアインナパネル本体30と、ドアインナパネル本体30の車幅方向内側に突設されその周囲に稜線3210、3212が形成された第1凸部32を備えている。
本実施の形態では、第1凸部32は、サービスホール26の後方に位置するドアインナパネル本体30の部分に設けられている。
第1凸部32は、不図示の吸着パッドが吸着可能な第1部分32Aと、第1部分32Aから細長状に延在する第2部分32Bとを有している。
吸着パッドは、例えば、ドアインナパネル22の溶接に際して、第1部分32Aを吸着保持することでインナパネルの運搬を行なうものである。
図4図5に示すように、詳細には、第1凸部32は、ドアインナパネル本体30から起立する周面3202と、周面3202の上端を接続する平坦な頂面3204とを含んで構成されている。
頂面3204は、吸着パッドよりも大きい外径の略円形の平坦な第1頂面3204Aと、第1頂面3204Aの上部から連続状に上方に延在する第2頂面3204Bとを含んで構成されている。
第1部分32Aは、第1頂面3204Aとその周囲の周面3202とを含んで構成され、第2部分32Bは、第2頂面3204Bとその周囲の周面3202とを含んで構成されている。
稜線3210、3212は、ドアインナパネル本体30と周面3202との境の箇所および周面3202と頂面3204との境の箇所にそれぞれ形成され、したがって、稜線3210、3212は、第1部分32Aの周囲と第2部分32Bの周囲に位置している。
【0014】
また、図4図5に示すように、ドアインナパネル22は、ドアインナパネル本体30の車幅方向内側に突設されその周囲に稜線3410、3412が形成された第2凸部34を備えている。
第2凸部34は、第1凸部32から上方に離間したドアインナパネル本体30の箇所に設けられている。
第2凸部34は、ドアインナパネル本体30から起立する周面3402と、周面3402の上端を接続する平坦な第3頂面3404とを有している。
本実施の形態では、第3頂面3404は、第1頂面3204Aよりも小さい略円形を呈している。
稜線3410、3412は、ドアインナパネル本体30と周面3402との境の箇所および周面3402と第3頂面3404との境の箇所にそれぞれ形成されている。
【0015】
次にセンサブラケット20のドアインナパネル22への取り付けについて説明する。
図2図4図5に示すように、第1固定部2004は、第1凸部32と第2凸部34との間に挟まれたドアインナパネル本体30の箇所に接合されている。
詳細には、第1固定点2004Aは、第2部分32Bの稜線3210、3212の近傍に位置するドアインナパネル本体30の箇所に設けられている。
第1固定点2004Aは、車両前後方向において第2部分32Bを挟んでサービスホール26と反対側に位置するドアインナパネル本体30の箇所に設けられている。
図2図3に示すように、後側インパクトバーブラケット28Bがドアインナパネル本体30の外面に接合されている箇所は、第1固定点2004Aに近接している。
図2図5に示すように、第2固定点2006Aは第1頂面3204Aに接合され、言い換えると、第2固定点2006Aは、第1部分32Aの稜線3210、3212の内側の部分に位置している。
図2に示すように、平面視した場合、センサ取り付け部2002と第2部分32Bとは一部が重なっており、第1固定点2004Aと第2固定点2006Aとを結ぶ直線は、第2部分32Bの延在方向と略一致している。
【0016】
本実施の形態によれば、センサブラケット20の第1固定点2004Aが、第2部分32Bの稜線3210、3212の近傍に位置するドアインナパネル本体30の箇所に設けられているので、第1固定点2004Aが設けられるドアインナパネル本体30の部分の剛性が第2部分32Bの稜線3210、3212によって高められる。
そのため、ドア閉塞時の衝撃によって生じる、第1固定点2004Aが設けられるドアインナパネル22の部分の共振を抑制する上で有利となり、衝突センサ18の誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作を防止する上で有利となる。
また、第2部分32Bは、吸着パッドが吸着されるために設けられた第1部分32Aを利用して形成するため、ドアインナパネル22を加工するコストが最小限で足り、コストの抑制を図る上でも有利となる。
【0017】
また、ドアインナパネル22のうちサービスホール26に近接する部分の剛性が低下しやすいが、本実施の形態によれば、センサブラケット20の第1固定点2004Aが、車両前後方向において第2部分32Bを挟んでサービスホール26と反対側に位置するドアインナパネル本体30の箇所に設けられている。
したがって、第2部分32Bの稜線3210、3212によってドアインナパネル22のうちサービスホール26に近接する部分の剛性を高めることができるため、ドア閉塞時の振動によって生じる、第1固定点2004Aが設けられるドアインナパネル22の部分の共振を抑制する上でより有利となり、衝突センサ18の誤検出を抑制し、サイドサイドエアバッグ装置の誤動作の防止を図る上でより有利となる。
【0018】
また、本実施の形態によれば、第1凸部32の第1部分32Aは略円形を呈していることから、第1部分32Aの稜線3210、3212が略円形を呈している。
そのため、センサブラケット20の第1固定点2004Aが取り付けられるドアインナパネル22の部分の近傍の剛性を高める上で有利となり、ドア閉塞時の振動によって生じる、第1固定点2004Aが設けられるドアインナパネル22の部分の共振を抑制する上でより有利となり、衝突センサ18の誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作の防止を図る上でより有利となる。
【0019】
また、本実施の形態によれば、センサブラケット20の第2固定部2006は第1頂面3204Aに設けられ、言い換えると、第1凸部32の第1部分32Aの稜線3210、3212の内側の部分に設けられている。
そのため、第2固定部2006が設けられるドアインナパネル22の部分の剛性が第1部分32Aの稜線3210、3212によって高められるので、ドア閉塞時の振動によって生じる、第2固定部2006が設けられるドアインナパネル22の部分の共振を抑制する上でより有利となり、衝突センサ18の誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作の防止を図る上でより有利となる。
【0020】
また、本実施の形態によれば、センサブラケット20の第1固定点2004Aと第2固定点2006Aとを結ぶ直線は、第1凸部32の第2部分32Bの延在方向と略一致している。
そのため、センサブラケット20の延在方向に沿ったドアインナパネル22の部分の剛性を向上させる上で有利となり、ドア閉塞時の振動によって生じる、第1固定点2004Aおよび第2固定点2006Aが設けられるドアインナパネル22の部分の共振を抑制する上でより有利となり、衝突センサ18の誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作の防止を図る上でより有利となる。
【0021】
また、本実施の形態によれば、第1凸部32から上方に離間したドアインナパネル22の箇所に、車幅方向内側に突設されその周囲に稜線3410、3412が形成された第2凸部34が設けられ、センサブラケット20の第1固定点2004Aは第1凸部32と第2凸部34との間に挟まれたドアインナパネル22の箇所に設けられている。
そのため、第1凸部32の稜線3210、3212と第2凸部34の稜線3410、3412との間に挟まれることで剛性が高められたドアインナパネル22の箇所に第1固定点2004Aが設けられるので、第1固定部2004が設けられるドアインナパネル22の部分の共振を抑制する上でより有利となり、衝突センサ18の誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作の防止を図る上でより有利となる。
【0022】
また、本実施の形態では、後側インパクトバーブラケット28Bがドアインナパネル22の外面に設けられている箇所は、第1固定点2004Aが設けられているドアインナパネル22の内面の箇所に近接している。
そのため、後側インパクトバーブラケット28Bが設けられることで剛性が高められたドアインナパネル22の箇所に第1固定点2004Aが設けられるので、第1固定点2004Aが設けられるドアインナパネル22の部分の共振を抑制する上でより有利となり、衝突センサ18の誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作の防止を図る上でより有利となる。
【0023】
(第2の実施の形態)
次に図6を参照して第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、センサブラケット20の第1固定部2004が第2頂面3204Bに設けられており、すなわち、第1固定点2004Aがドアインナパネル22に設けられる箇所が、第1凸部32の第2部分32Bの稜線3210、3212の内側に位置している点が第1の実施の形態と異なっている。
このような第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、センサブラケット20の第1固定点2004Aが、第2部分32Bの稜線3210、3212の近傍に位置するドアインナパネル22の箇所に設けられている。
そのため、第1の実施の形態と同様に、第1固定点2004Aが設けられるドアインナパネル22の部分の剛性が第2部分32Bの稜線3210、3212によって高められ、ドア閉塞時の衝撃によって生じる、第1固定点2004Aが設けられるドアインナパネル22の部分の共振を抑制する上で有利となり、衝突センサ18の誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作を防止する上で有利となる。
【0024】
(第3の実施の形態)
次に図7を参照して第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、センサブラケット20の第1固定点2004Aおよび第2固定点2006Aが第2部分32Bの長手方向と交差する方向において第2部分32Bを挟んだドアインナパネル本体30の箇所に設けられている点が第1の実施の形態と異なっている。
このような第3の実施の形態によれば、センサブラケット20の第1固定点2004Aおよび第2固定点2006Aの双方が、第2部分32Bの稜線3210、3212の近傍に位置するドアインナパネル22の箇所に設けられている。
そのため、第1固定点2004Aおよび第2固定点2006Aが設けられるドアインナパネル22の部分の剛性が第2部分32Bの稜線3210、3212によって高められ、ドア閉塞時の衝撃によって生じる、第1固定点2004Aおよび第2固定点2006Aが設けられるドアインナパネル22の部分の共振を抑制する上で有利となり、衝突センサ18の誤検出を抑制し、サイドエアバッグ装置の誤動作を防止する上で有利となる。
【0025】
なお、上述した実施の形態では、第1凸部32の第2部分32Bが第1部分32Aから上方に延在する場合について説明したが、第2部分32Bの延在方向は限定されない。
【符号の説明】
【0026】
10 サイドドア
12 ドア本体
14 窓開口
16 ドアインパクトバー
18 衝突センサ
20 センサブラケット
2002 センサ取り付け部
2004 第1固定部
2004A 第1固定点
2006 第2固定部
2006A 第2固定点
22 ドアインナパネル
24 ドアアウタパネル
26 サービスホール
28A 前側インパクトバーブラケット
28B 後側インパクトバーブラケット
30 ドアインナパネル本体
32 第1凸部
32A 第1部分
32B 第2部分
3202 周面
3204頂面
3204A 第1頂面
3204B 第2頂面
3210 稜線
3212 稜線
34 第2凸部
3402 周面
3404 第3頂面
3410 稜線
3412 稜線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7