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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048648
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】電池モジュール支持体
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/262 20210101AFI20230331BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230331BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20230331BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20230331BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20230331BHJP
   H01M 50/264 20210101ALI20230331BHJP
【FI】
H01M50/262 S
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6563
H01M10/6556
H01M50/264
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158080
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000142115
【氏名又は名称】株式会社協豊製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 吉道
(72)【発明者】
【氏名】磯谷 幸宏
(72)【発明者】
【氏名】清水 紀雄
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA14
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT02
5H040AY04
5H040CC13
5H040CC20
5H040CC34
5H040CC38
5H040CC59
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】冷却風が流れる機能を有するとともに剛性が高められた一対の支持部材によって、電池モジュールを強固に支持することができる電池モジュール支持体を提供する。
【解決手段】電池モジュール支持体1は、電池モジュール2と、一対の支持部材4及び一対の拘束部材5によるモジュールブラケット3とを備える。一対の支持部材4には、支持部材4と電池モジュール2との間に冷却風Cを流すための、対面部41よりも外側に膨らむビード部42,43とが形成されている。一対の拘束部材5は、拘束本体部51の両端部において拘束本体部51から屈曲して形成され、支持部材4にネジ61によって連結される一対の連結部52を有する。一対の連結部52は、ビード部42,43の内側に形成された凹部に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池モジュールと、前記電池モジュールを支持して設置対象に設置するためのモジュールブラケットとを備える電池モジュール支持体であって、
前記モジュールブラケットは、前記電池モジュールにおける、前記電池セルの積層方向の両端に位置する一対の支持側面に配置された一対の支持部材と、一対の前記支持部材に架け渡され、ネジの締め付けを受けて一対の前記支持部材の間隔を狭くするよう構成された一対の拘束部材とを有しており、
一対の前記支持部材には、前記支持側面に対面する対面部と、前記支持部材と前記電池モジュールとの間に冷却風を流すための、前記対面部よりも外側に膨らむビード部とが形成されており、
一対の前記拘束部材は、一対の前記支持側面に直交する一対の直交側面に対向して配置された拘束本体部と、前記拘束本体部の両端部において前記拘束本体部から屈曲して形成され、前記支持部材に前記ネジによって連結される一対の連結部とを有しており、
一対の前記連結部は、前記ビード部の内側に形成された凹部に配置されている、電池モジュール支持体。
【請求項2】
前記ビード部は、一対の前記支持部材における、一対の前記拘束部材が繋がる一対の側端の間に連続して形成された連続ビード部と、一対の前記支持部材における、前記連続ビード部の形成方向の複数箇所において、前記連続ビード部に交差する状態で形成された複数の交差ビード部とによって形成されており、
一対の前記連結部は、前記連続ビード部の両端部の内側に形成された凹部に配置されている、請求項1に記載の電池モジュール支持体。
【請求項3】
一対の前記直交側面が並ぶ方向を幅方向、前記積層方向及び前記幅方向の両方に直交する方向を高さ方向としたとき、
前記連続ビード部は、前記幅方向に平行に形成されており、前記交差ビード部は、前記高さ方向に平行に形成されており、
複数の前記交差ビード部は、前記高さ方向において、前記支持部材の下端位置から、前記連続ビード部と上端位置との間の位置まで形成されており、
複数の前記交差ビード部における上端部には、前記交差ビード部の下端位置から前記交差ビード部の内側に流入する前記冷却風を前記交差ビード部の外側へ排出するための通気孔が形成されている、請求項2に記載の電池モジュール支持体。
【請求項4】
前記ネジは、一対の前記拘束部材の一対の前記連結部において、外側に向けて突出する状態で設けられるとともに、前記支持部材に形成された貫通穴に挿通されており、
一対の前記連結部と前記電池モジュールとの間には、隙間が形成されており、
前記支持部材の外側から前記ネジにナットを締め付けることにより、前記支持部材の前記対面部を前記電池モジュールに密着させるよう構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の電池モジュール支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュール及びモジュールブラケットを備える電池モジュール支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールは、組電池とも呼ばれ、例えば、充放電可能な複数の電池セルが重ねられて電気接続されることによって構成される。そして、電池モジュールは、モジュールブラケットによって支持され、電池モジュール支持体として、自動車等のボディ等の設置箇所にボルト等によって固定される。
【0003】
モジュールブラケットには、種々の構造のものが用いられる。例えば、特許文献1の電池パックにおいては、電池セルの配列方向の外側に一対の拘束板が配置され、一対の拘束板を架橋するように締付け用ビーム材が取り付けられることが記載されている。そして、締付け用ビーム材の両端部をビスによって各拘束板に締め付けることにより、電池セルの配列方向に所定の拘束荷重が加わるようにして、複数の電池セルを拘束している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-184470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電池パックは、複数の電池セルの発熱によって加熱されるため、冷却風等によって冷却される。特許文献1の電池パックにおいては、電池セルと、冷媒通路としての溝が形成されたスペーサとが交互に複数積層されており、溝に冷媒が流れることによって電池セルが冷却される。
【0006】
しかし、特許文献1の電池パックにおいては、締付け用ビーム材の両端部が一対の拘束板の外側に配置されており、締付け用ビーム材の両端部をビスによって一対の拘束板に締め付けるときに、ビスによる締め付け力が一対の拘束板に作用しにくい。また、特許文献1の電池パックにおいては、一対の拘束板と電池セルとの間に冷媒を流通させる工夫はなされておらず、一対の拘束板の剛性を高める工夫もなされていない。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、冷却風が流れる機能を有するとともに剛性が高められた一対の支持部材(拘束板)によって、電池モジュールを強固に支持することができる電池モジュール支持体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、
複数の電池セルが積層された電池モジュールと、前記電池モジュールを支持して設置対象に設置するためのモジュールブラケットとを備える電池モジュール支持体であって、
前記モジュールブラケットは、前記電池モジュールにおける、前記電池セルの積層方向の両端に位置する一対の支持側面に配置された一対の支持部材と、一対の前記支持部材に架け渡され、ネジの締め付けを受けて一対の前記支持部材の間隔を狭くするよう構成された一対の拘束部材とを有しており、
一対の前記支持部材には、前記支持側面に対面する対面部と、前記支持部材と前記電池モジュールとの間に冷却風を流すための、前記対面部よりも外側に膨らむビード部とが形成されており、
一対の前記拘束部材は、一対の前記支持側面に直交する一対の直交側面に対向して配置された拘束本体部と、前記拘束本体部の両端部において前記拘束本体部から屈曲して形成され、前記支持部材に前記ネジによって連結される一対の連結部とを有しており、
一対の前記連結部は、前記ビード部の内側に形成された凹部に配置されている、電池モジュール支持体にある。
【発明の効果】
【0009】
前記一態様の電池モジュール支持体においては、モジュールブラケットを構成する一対の支持部材及び一対の拘束部材の構造に工夫をしている。具体的には、一対の支持部材には、電池モジュールの支持側面に対面する対面部と、対面部よりも外側に膨らむビード部とを形成している。そして、ビード部の形成によって、各支持部材と電池モジュールとの間に冷却風を流して、電池モジュールを冷却することができ、かつ各支持部材の剛性を高めることができる。
【0010】
また、各拘束部材は、各拘束本体部の両端部に、各支持部材にネジによって連結される一対の連結部を有しており、各連結部は、各支持部材のビード部の内側に形成された凹部に配置されている。各拘束部材の連結部が各ビード部の内側の凹部に配置されていることによって、ネジによる締め付けが行われるときには、各支持部材が各連結部に引き寄せられるようにして電池モジュールに接近する。そして、各支持部材の対面部が電池モジュールの各支持側面に押し当てられ、ネジによる締め付け力を受けて、一対の支持部材の間に複数の電池セルが強固に拘束される。これにより、一対の支持部材及び一対の拘束部材によって電池モジュールを強固に支持することができる。
【0011】
それ故、前記一態様の電池モジュール支持体によれば、冷却風が流れる機能を有するとともに剛性が高められた一対の支持部材によって、電池モジュールを強固に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態にかかる、電池モジュール支持体を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態にかかる、電池モジュール支持体を幅方向から見た状態で示す説明図である。
図3図3は、実施形態にかかる、電池モジュール支持体を積層方向から見た状態で示す説明図である。
図4図4は、実施形態にかかる、図3におけるIV-IV断面の一部を示す説明図である。
図5図5は、実施形態にかかる、図3におけるV-V断面の一部を示す説明図である。
図6図6は、実施形態にかかる、図3におけるVI-VI断面の一部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
前述した電池モジュール支持体にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態>
本形態の電池モジュール支持体1は、図1図3に示すように、複数の電池セル21が積層された電池モジュール2と、電池モジュール2を支持して設置対象に設置するためのモジュールブラケット3とを備える。モジュールブラケット3は、電池モジュール2における、電池セル21の積層方向Dの両端に位置する一対の支持側面201に配置された一対の支持部材4と、一対の支持部材4に架け渡され、ネジ61の締め付けを受けて一対の支持部材4の間隔を狭くするよう構成された一対の拘束部材5とを有する。
【0014】
図4図6に示すように、一対の支持部材4には、支持側面201に対面する対面部41と、支持部材4と電池モジュール2との間に冷却風Cを流すための、対面部41よりも外側に膨らむビード部42,43とが形成されている。一対の拘束部材5は、一対の支持側面201に直交する一対の直交側面202に対向して配置された拘束本体部51と、拘束本体部51の両端部において拘束本体部51から屈曲して形成され、支持部材4にネジ61によって連結される一対の連結部52とを有する。一対の連結部52は、ビード部42,43の内側に形成された凹部44に配置されている。
【0015】
以下に、本形態の電池モジュール支持体1について詳説する。
図1に示すように、本形態の電池モジュール支持体1が設置される設置対象は車両のボディである。電池モジュール支持体1のモジュールブラケット3は、車両のボディに設けられたフレーム7に設置される。フレーム7は、ボディの床部に設けられたものとしてもよい。
【0016】
電池モジュール支持体1には、車両のボディ等の設置対象に設けられた冷却ファンによって冷却風Cが送られる。冷却風Cは、電池モジュール支持体1の下方から電池モジュール支持体1へ吹き付けられる。冷却風Cは、電池モジュール2の下面203を冷却するとともに、電池モジュール2と支持部材4との隙間に流れて、電池モジュール2の支持側面201を冷却する。
【0017】
(電池モジュール2)
図1図3に示すように、電池モジュール2は、複数の電池セル21が積層されたものである。複数の電池セル21は、直列接続又は並列接続されており、電池モジュール2として電源の供給が可能である。電池モジュール2は、充放電可能な二次電池として形成される。電池モジュール2は、複数の電池セル21によって直方体形状に形成されている。一対の支持側面201は、複数の電池セル21のうちの両側の最も外側に位置する電池セル21の表面によって構成され、一対の直交側面202は、複数の電池セル21の端面によって構成される。図2においては、複数の電池セル21のうちのいくつかを破線によって示す。
【0018】
(積層方向D,幅方向W,高さ方向H)
図1図6に示すように、本形態の電池モジュール支持体1においては、複数の電池セル21及び一対の支持側面201が並ぶ方向を積層方向Dという。また、積層方向Dに直交して一対の直交側面202が並ぶ方向を幅方向Wといい、積層方向D及び幅方向Wの両方に直交する方向を高さ方向Hという。
【0019】
(支持部材4)
図1に示すように、支持部材4は、板金のプレス加工が行われることによって、対面部41に対して外側へ膨らむ状態でビード部42,43が形成されたものである。ビード部42,43は、支持部材4における、幅方向W及び高さ方向Hに交差する状態で形成されている。ビード部42,43は、幅方向Wに平行な状態で支持部材4の積層方向Dの全長にわたって形成された連続ビード部42と、高さ方向Hに平行な状態で支持部材4の高さ方向Hの下端から上方に向けて形成された交差ビード部43とによって構成されている。
【0020】
図1図3に示すように、連続ビード部42は、一対の支持部材4における、一対の拘束部材5が繋がる幅方向Wの一対の側端の間に連続して形成されている。連続ビード部42は、支持部材4の高さ方向Hの中央位置に、幅方向Wに平行に1つ形成されている。連続ビード部42の両端部には、連続ビード部42の一般部に対して高さ方向Hに幅が拡大して、拘束部材5の連結部52が配置されるビード拡大部421が形成されている。連続ビード部42の積層方向Dの内側に形成された凹部44は、ビード拡大部421において、高さ方向Hに幅が拡大した拡大凹部441として形成されている。連続ビード部42は、交差ビード部43よりも積層方向Dの外側に突出して形成されている。
【0021】
交差ビード部43は、一対の支持部材4における、連続ビード部42の形成方向(幅方向W)の複数箇所において、連続ビード部42に交差(直交)する状態で形成されている。複数の交差ビード部43は、高さ方向Hに平行に形成されている。複数の交差ビード部43は、高さ方向Hにおいて、支持部材4の下端位置から、連続ビード部42と上端位置との間の位置まで形成されている。複数の交差ビード部43における上端部には、交差ビード部43の下端位置等から交差ビード部43の積層方向Dの内側に流入する冷却風Cを、交差ビード部43の積層方向Dの外側へ排出するための通気孔431が形成されている。
【0022】
図4図6に示すように、連続ビード部42及び各交差ビード部43の積層方向Dの内側、換言すれば、電池モジュール2の一対の支持側面201と、連続ビード部42及び各交差ビード部43との間には、冷却風Cが流通する冷却流路30が形成されている。また、各支持部材4における、連続ビード部42のビード拡大部421には、ネジ61を挿通させるための貫通穴422が形成されている。
【0023】
図1図3及び図4に示すように、一対の支持部材4の対面部41には、電池モジュール2の支持側面201から突出する位置決め用突起22が配置される位置決め穴411が形成されている。これにより、電池モジュール2と一対の支持部材4との、幅方向W及び高さ方向Hの位置決めを行うことができる。
【0024】
図1図2図4及び図5に示すように、一対の支持部材4の高さ方向Hの下端位置には、支持部材4から積層方向Dの外側へ屈曲して形成され、車両のボディのフレーム7にボルトによって取り付けられる取付部45が形成されている。一対の支持部材4の高さ方向Hの上端位置及び下端位置には、支持部材4から積層方向Dの内側へ屈曲して形成され、電池モジュール2が高さ方向Hに位置ずれすることを阻止する爪部46が形成されている。爪部46は、一対の支持部材4の幅方向Wの複数箇所に形成されている。
【0025】
(拘束部材5)
図1図2及び図6に示すように、各拘束部材5は、一対の支持部材4を互いに接近させるための、屈曲する帯板状の部材として形成されている。各拘束部材5の拘束本体部51の板面(面積が最も大きな表面)が電池モジュール2の直交側面202に対向して配置されている。この拘束部材5の構成により、電池モジュール支持体1の体格を小さく維持することができる。
【0026】
図4及び図6に示すように、各拘束部材5において、一対の連結部52は、拘束本体部51の両端部から同じ方向に90°屈曲して形成されている。各拘束部材5の一対の連結部52には、ネジ61が積層方向Dの外側に向けて突出する状態で設けられている。ネジ61は、連結部52の板面に対して垂直な状態で、連結部52に溶接等を行って設けられている。ネジ61は、支持部材4の連続ビード部42のビード拡大部421に形成された貫通穴422に挿通されている。
【0027】
(電池モジュール2の冷却)
図1図2及び図5に示すように、冷却ファンから吹き出される冷却風Cは、複数の交差ビード部43の内側の冷却流路30に下方から流入し、この冷却流路30を上方へ流れることができる。また、複数の交差ビード部43の内側の冷却流路30を流れる冷却風Cは、連続ビード部42の内側の冷却流路30へ流れることもできる。そして、複数の交差ビード部43の内側の冷却流路30を上方へ流れる冷却風Cは、通気孔431から冷却流路30の外部に流出する。また、連続ビード部42の内側の冷却流路30を流れる冷却風Cは、連続ビード部42の幅方向Wの端部から外部に流出されてもよい。
【0028】
(モジュールブラケット3による電池モジュール2の拘束)
モジュールブラケット3は、電池モジュール2の冷却、支持部材4の剛性、複数の電池セル21の拘束の3つの観点において優れたものである。複数の電池セル21の拘束を効果的に行うために、次の工夫がなされている。
【0029】
図1図3及び図4に示すように、各拘束部材5の一対の連結部52は、各支持部材4の連続ビード部42の両端部におけるビード拡大部421の内側に形成された拡大凹部441に配置されている。各支持部材4の対面部41を電池モジュール2の各支持側面201に密着させるために、一対の連結部52と電池モジュール2の各支持側面201との間には、隙間Sが形成されている。また、ビード拡大部421における拡大凹部441の積層方向Dの形成深さは、連結部52の積層方向Dの厚みよりも大きい。
【0030】
図4及び図6に示すように、電池モジュール支持体1においては、支持部材4の積層方向Dの外側からネジ61にナット62を締め付けることにより、支持部材4の対面部41を電池モジュール2の支持側面201に密着させるよう構成されている。より具体的には、各支持部材4の各ビード拡大部421の貫通穴422には、各拘束部材5の各連結部52におけるネジ61が挿通され、ネジ61には、各ビード拡大部421の表面に配置されたナット62が螺合されている。
【0031】
ネジ61に対してナット62が締め付けられるときには、支持部材4が連結部52に引き寄せられ、支持部材4の対面部41における積層方向Dの内側表面が、連結部52における積層方向Dの内側表面よりも、積層方向Dの内側に位置する。これにより、連結部52と電池モジュール2の各支持側面201との間の隙間Sの分だけ、支持部材4が電池モジュール2に接近し、支持部材4の対面部41が電池モジュール2の支持側面201に押し当てられる。このような構成により、モジュールブラケット3による複数の電池セル21の拘束を効果的に行うことができる。
【0032】
(作用効果)
本形態の電池モジュール支持体1においては、モジュールブラケット3を構成する一対の支持部材4及び一対の拘束部材5の構造に工夫をしている。具体的には、一対の支持部材4には、電池モジュール2の支持側面201に対面する対面部41と、対面部41よりも積層方向Dの外側に膨らむ連続ビード部42及び交差ビード部43とを形成している。そして、各支持部材4の連続ビード部42及び複数の交差ビード部43と電池モジュール2の支持側面201との間の冷却流路30に冷却風Cを流して、電池モジュール2を冷却することができる。また、連続ビード部42及び複数の交差ビード部43による凹凸形状によって、各支持部材4の剛性を高めることができる。
【0033】
また、各拘束部材5は、拘束本体部51の両端部に、支持部材4にネジ61によって連結される一対の連結部52を有しており、各連結部52は、各支持部材4の連続ビード部42のビード拡大部421の内側に形成された拡大凹部441に配置されている。この構成により、ネジ61にナット62が締め付けられるときには、各支持部材4が各連結部52に引き寄せられるようにして電池モジュール2に接近する。そして、各支持部材4の対面部41が電池モジュール2の各支持側面201に押し当てられ、ネジ61及びナット62の締め付け力を受けて、一対の支持部材4の間に複数の電池セル21が強固に拘束される。これにより、一対の支持部材4及び一対の拘束部材5によって電池モジュール2を強固に支持することができる。
【0034】
それ故、本形態の電池モジュール支持体1によれば、冷却風Cが流れる機能を有するとともに剛性が高められた一対の支持部材4によって、電池モジュール2を強固に支持することができる。
【0035】
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。
【符号の説明】
【0036】
1 電池モジュール支持体
2 電池モジュール
201 支持側面
202 直交側面
21 電池セル
3 モジュールブラケット
30 冷却流路
4 支持部材
41 対面部
42 連続ビード部
421 ビード拡大部
422 貫通穴
43 交差ビード部
431 通気孔
44 凹部
441 拡大凹部
45 取付部
46 爪部
5 拘束部材
51 拘束本体部
52 連結部
61 ネジ
62 ナット
7 フレーム
C 冷却風
D 積層方向
W 幅方向
H 高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6