(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048710
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】部品搭載装置及び部品供給装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
H05K13/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158175
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】金井 一憲
(72)【発明者】
【氏名】田中 聖史
(72)【発明者】
【氏名】奥 康夫
(72)【発明者】
【氏名】羽場 直也
(72)【発明者】
【氏名】北川 貴之
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353EE31
5E353HH08
5E353HH42
5E353HH47
5E353HH48
5E353JJ01
5E353JJ43
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】整列された複数の部品から順次部品を取り出して部品供給位置に搬送する部品搭載装置を提供する。
【解決手段】本開示の部品搭載装置は、部品を収納する複数の部品収納凹部(90c)が設けられた外周面(90b)を有し、水平方向に延びる中心軸(CX2)を中心として回転するホイール(90)と、ホイールを回転可能に収納し、ホイールの外周面(90b)の一部を露出させる部品供給開口(2a)が設けられたホイール保持部(91)と、複数の部品を一列に整列させ、ホイール保持部内で1つの部品収納凹部に対して1つの部品(80)を搬送する部品搬送路(6)と、ホイールを回転させ、部品収納凹部に搬送された部品を部品供給開口へ移動させるホイール駆動部(92)と、部品供給開口から、部品収納凹部に配置された部品を取り出して所定の位置へ搭載する部品移載部(101)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収納する複数の部品収納凹部が設けられた外周面を有し、水平方向に延びる中心軸を中心として回転するホイールと、
前記ホイールを回転可能に収納し、前記ホイールの前記外周面の一部を露出させる部品供給開口が設けられたホイール保持部と、
複数の部品を一列に整列させ、前記ホイール保持部内で1つの部品収納凹部に対して1つの部品を搬送する部品搬送路と、
前記ホイールを回転させ、前記部品収納凹部に搬送された前記部品を前記部品供給開口へ移動させるホイール駆動部と、
前記部品供給開口から、前記部品収納凹部に配置された前記部品を取り出して所定の位置へ搭載する部品移載部と、
を備える、部品搭載装置。
【請求項2】
前記部品搬送路は、エアーを利用して前記部品を前記部品収納凹部に搬送する、
請求項1に記載の部品搭載装置。
【請求項3】
前記部品を前記部品収納凹部に保持する部品保持部を更に備える、
請求項1又は2に記載の部品搭載装置。
【請求項4】
前記部品保持部は、前記部品収納凹部に配置された前記部品を負圧により保持する負圧導入路を有する、
請求項3に記載の部品搭載装置。
【請求項5】
前記部品保持部は、前記部品収納凹部に配置された前記部品を磁力により保持する磁石を有する、
請求項3又は4に記載の部品搭載装置。
【請求項6】
前記複数の部品は、それぞれ、第1長手方向を有し、
前記複数の部品収納凹部は、それぞれ、前記ホイールの中心軸の延びる方向に平行な第2長手方向を有し、
前記部品搬送路は、
前記複数の部品を前記第1長手方向に一列に連ねて搬送し、
前記部品の前記第1長手方向を前記部品収納凹部の前記第2長手方向に向けて、前記1つの部品を前記1つの部品収納凹部に搬送する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の部品搭載装置。
【請求項7】
前記ホイール駆動部を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記ホイールの回転量を補正することによって、前記部品供給開口における部品収納凹部の位置を補正する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の部品搭載装置。
【請求項8】
複数の部品供給装置を備え、
前記複数の部品供給装置のそれぞれは、前記ホイール、前記ホイール保持部、前記ホイール駆動部及び前記部品搬送路を有し、
前記部品移載部は、前記複数の部品供給装置から前記複数の部品をまとめてピックアップする複数のピックアップ部を有し、
前記制御部は、前記複数のピックアップ部の並ぶ方向に対して直交する方向における前記複数のピックアップ部の位置のばらつきに基づいて前記ホイールの回転量を補正する、
請求項7に記載の部品搭載装置。
【請求項9】
部品を収納する複数の部品収納凹部が設けられた外周面を有し、水平方向に延びる中心軸を中心として回転するホイールと、
前記ホイールを回転可能に収納し、前記ホイールの前記外周面の一部を露出させる部品供給開口が設けられたホイール保持部と、
複数の部品を一列に整列させ、前記ホイール保持部内で1つの部品収納凹部に対して1つの部品を搬送する部品搬送路と、
前記ホイールを回転させ、前記部品収納凹部に搬送された前記部品を前記部品供給開口へ移動させるホイール駆動部と、
を備える、部品供給装置。
【請求項10】
前記部品搬送路は、エアーを利用して前記部品を前記部品収納凹部に搬送する、
請求項9に記載の部品供給装置。
【請求項11】
前記部品を前記部品収納凹部に保持する部品保持部を更に備える、
請求項9又は10に記載の部品供給装置。
【請求項12】
前記部品保持部は、前記部品収納凹部に配置された前記部品を負圧により保持する負圧導入路を有する、
請求項11に記載の部品供給装置。
【請求項13】
前記部品保持部は、前記部品収納凹部に配置された前記部品を磁力により保持する磁石を有する、
請求項11又は12に記載の部品供給装置。
【請求項14】
前記複数の部品は、それぞれ、第1長手方向を有し、
前記複数の部品収納凹部は、それぞれ、前記ホイールの中心軸の延びる方向に平行な第2長手方向を有し、
前記部品搬送路は、
前記複数の部品を前記第1長手方向に一列に連ねて搬送し、
前記部品の前記第1長手方向を前記部品収納凹部の前記第2長手方向に向けて、前記1つの部品を前記1つの部品収納凹部に搬送する、
請求項9~13のいずれか一項に記載の部品供給装置。
【請求項15】
前記ホイール駆動部を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記ホイールの回転量を補正することによって、前記部品供給開口における部品収納凹部の位置を補正する、
請求項9~14のいずれか一項に記載の部品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品搭載装置及び部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、部品供給装置が開示されている。特許文献1に記載の装置は、部品収納室にバラの状態で収納されたチップ部品を整列装置により縦方向に順次一列に整列させた後、チップ部品を水平方向に搬送通路内を搬送して順次部品取出し位置に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、整列された複数の部品から順次部品を取り出して部品供給位置に搬送するという点で未だ改善の余地がある。
【0005】
したがって、本開示の目的は、前記課題を解決することにあって、整列された複数の部品から順次部品を取り出して部品供給位置に搬送する部品搭載装置及び部品供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本開示の一態様に係る部品搭載装置は、
部品を収納する複数の部品収納凹部が設けられた外周面を有し、水平方向に延びる中心軸を中心として回転するホイールと、
前記ホイールを回転可能に収納し、前記ホイールの前記外周面の一部を露出させる部品供給開口が設けられたホイール保持部と、
複数の部品を一列に整列させ、前記ホイール保持部内で1つの部品収納凹部に対して1つの部品を搬送する部品搬送路と、
前記ホイールを回転させ、前記部品収納凹部に搬送された前記部品を前記部品供給開口へ移動させるホイール駆動部と、
前記部品供給開口から、前記部品収納凹部に配置された前記部品を取り出して所定の位置へ搭載する部品移載部と、
を備える。
【0007】
また、本開示の一態様に係る部品供給装置は、
部品を収納する複数の部品収納凹部が設けられた外周面を有し、水平方向に延びる中心軸を中心として回転するホイールと、
前記ホイールを回転可能に収納し、前記ホイールの前記外周面の一部を露出させる部品供給開口が設けられたホイール保持部と、
複数の部品を一列に整列させ、前記ホイール保持部内で1つの部品収納凹部に対して1つの部品を搬送する部品搬送路と、
前記ホイールを回転させ、前記部品収納凹部に搬送された前記部品を前記部品供給開口へ移動させるホイール駆動部と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る部品搭載装置及び部品供給装置によれば、整列された複数の部品から順次部品を取り出して部品供給位置に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の実施の形態1に係る部品搭載装置の一例の概略斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施の形態1に係る部品供給装置の一例の概略斜視図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施の形態1に係る部品供給装置の一例の概略正面図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施の形態1に係る部品搭載装置の一例の制御ブロック図である。
【
図5】
図5は、
図2においてA-A線で切断した概略断面図である。
【
図6】
図6は、
図3においてB-B線で切断した概略断面図である。
【
図7】
図7は、
図3においてC-C線で切断した概略断面図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施の形態1に係る部品供給装置におけるエアーの流れの一例を示す概略図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施の形態1に係る部品供給装置の動作の一例を示す概略図である。
【
図10】
図10は、本体部の部品供給位置周辺の概略平面図である。
【
図13】
図13は、部品収納凹部に部品を搬送する動作の一例を示す概略図である。
【
図14】
図14は、本開示の実施の形態1に係る部品供給装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、本開示の実施の形態1に係る部品搭載装置の動作の一例を示す概略図である。
【
図16】
図16は、本開示の実施の形態1に係る部品搭載装置の別の動作の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の第1態様に係る部品搭載装置は、部品を収納する複数の部品収納凹部が設けられた外周面を有し、水平方向に延びる中心軸を中心として回転するホイールと、ホイールを回転可能に収納し、ホイールの外周面の一部を露出させる部品供給開口が設けられたホイール保持部と、複数の部品を一列に整列させ、ホイール保持部内で1つの部品収納凹部に対して1つの部品を搬送する部品搬送路と、ホイールを回転させ、部品収納凹部に搬送された部品を部品供給開口へ移動させるホイール駆動部と、部品供給開口から、部品収納凹部に配置された部品を取り出して所定の位置へ搭載する部品移載部と、を備える。
【0011】
本開示の第2態様に係る部品搭載装置においては、部品搬送路は、エアーを利用して部品を部品収納凹部に搬送してもよい。
【0012】
本開示の第3態様に係る部品搭載装置においては、部品を部品収納凹部に保持する部品保持部を更に備えてもよい。
【0013】
本開示の第4態様に係る部品搭載装置においては、部品保持部は、部品収納凹部に配置された部品を負圧により保持する負圧導入路を有していてもよい。
【0014】
本開示の第5態様に係る部品搭載装置においては、部品保持部は、部品収納凹部に配置された部品を磁力により保持する磁石を有していてもよい。
【0015】
本開示の第6態様に係る部品搭載装置においては、複数の部品は、それぞれ、第1長手方向を有し、複数の部品収納凹部は、それぞれ、ホイールの中心軸の延びる方向に平行な第2長手方向を有し、部品搬送路は、複数の部品を第1長手方向に一列に連ねて搬送し、部品の第1長手方向を部品収納凹部の第2長手方向に向けて、1つの部品を1つの部品収納凹部に搬送してもよい。
【0016】
本開示の第7態様に係る部品搭載装置においては、ホイール駆動部を制御する制御部を更に備え、制御部は、ホイールの回転量を補正することによって、部品供給開口における部品収納凹部の位置を補正してもよい。
【0017】
本開示の第8態様に係る部品搭載装置においては、複数の部品供給装置を備え、複数の部品供給装置のそれぞれは、ホイール、ホイール保持部、ホイール駆動部及び部品搬送路を有し、部品移載部は、複数の部品供給装置から複数の部品をまとめてピックアップする複数のピックアップ部を有し、制御部は、複数のピックアップ部の並ぶ方向に対して直交する方向における前記複数のピックアップ部の位置のばらつきに基づいてホイールの回転量を補正してもよい。
【0018】
本開示の第9態様に係る部品供給装置は、部品を収納する複数の部品収納凹部が設けられた外周面を有し、水平方向に延びる中心軸を中心として回転するホイールと、ホイールを回転可能に収納し、ホイールの外周面の一部を露出させる部品供給開口が設けられたホイール保持部と、複数の部品を一列に整列させ、ホイール保持部内で1つの部品収納凹部に対して1つの部品を搬送する部品搬送路と、ホイールを回転させ、部品収納凹部に搬送された部品を部品供給開口へ移動させるホイール駆動部と、を備える。
【0019】
本開示の第10態様に係る部品供給装置においては、部品搬送路は、エアーを利用して部品を部品収納凹部に搬送してもよい。
【0020】
本開示の第11態様に係る部品供給装置においては、部品を部品収納凹部に保持する部品保持部を更に備えてもよい。
【0021】
本開示の第12態様に係る部品供給装置においては、部品保持部は、部品収納凹部に配置された部品を負圧により保持する負圧導入路を有していてもよい。
【0022】
本開示の第13態様に係る部品供給装置においては、部品保持部は、部品収納凹部に配置された部品を磁力により保持する磁石を有していてもよい。
【0023】
本開示の第14態様に係る部品供給装置においては、複数の部品は、それぞれ、第1長手方向を有し、複数の部品収納凹部は、それぞれ、ホイールの中心軸の延びる方向に平行な第2長手方向を有し、部品搬送路は、複数の部品を第1長手方向に一列に連ねて搬送し、部品の第1長手方向を部品収納凹部の第2長手方向に向けて、1つの部品を1つの部品収納凹部に搬送してもよい。
【0024】
本開示の第15態様に係る部品供給装置においては、ホイール駆動部を制御する制御部を更に備え、制御部は、ホイールの回転量を補正することによって、部品供給開口における部品収納凹部の位置を補正してもよい。
【0025】
以下、本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。また、各図においては、説明を容易なものとするため、各要素を誇張して示している。
【0026】
本明細書において、「第1」、「第2」などの用語は、説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性または技術的特徴の順位を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。「第1」と「第2」と限定されている特徴は、1つまたはさらに多くの当該特徴を含むことを明示または暗示するものである。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1に係る部品搭載装置100の一例の概略斜視図である。なお、図中のX,Y,Z方向は、部品搭載装置100の奥行き方向、幅方向及び高さ方向を示す。
【0028】
図1に示すように、部品搭載装置100は、複数の部品供給装置1と、部品移載部101と、を備える。また、部品搭載装置100は、複数の部品供給装置1を一列に並べて固定する固定台110を備える。複数の部品供給装置1は、固定台110上においてX方向に一列に並べて配置されている。
【0029】
部品供給装置1は、複数の部品を攪拌し、一列に整列させる。また、部品供給装置1は、整列された複数の部品から順次部品を取り出して部品供給位置P1に搬送する。部品供給装置1の詳細については後述する。
【0030】
部品移載部101は、部品供給位置P1に搬送された部品を部品供給開口2aから取り出し、所定の位置へ搭載する。
【0031】
部品移載部101は、作業ヘッド102と、作業ヘッド102の先端に取り付けられた複数のピックアップ部103と、を備える。
【0032】
作業ヘッド102は、X,Y,Z方向に移動可能である。例えば、作業ヘッド102は、複数の部品供給装置1の上方および部品を搭載する基板120の上方を移動可能である。
【0033】
ピックアップ部103は、部品をピックアップする装置である。ピックアップ部103は、例えば、部品保持ノズルである。ピックアップ部103は、部品供給装置1の部品供給位置P1に配置された部品を部品供給開口2aからピックアップする。ピックアップ部103は、ピックアップした部品を基板120の所定の位置へ搭載する。
【0034】
複数のピックアップ部103は、複数の部品供給装置1の並ぶ方向と平行に並べて配置され、複数の部品供給装置1から複数の部品をまとめてピックアップする。
【0035】
図2は、本開示の実施の形態1に係る部品供給装置1の一例の概略斜視図である。
図2は、本開示の実施の形態1に係る部品供給装置1の一例の概略正面図である。
図3は、本開示の実施の形態1に係る部品供給装置1の一例の制御ブロック図である。
【0036】
図2及び
図3に示すように、部品供給装置1は、本体部2、部品整列部3、攪拌部4及びカセット保持部5を備える。また、部品供給装置1は、部品搬送路6及び攪拌エアー供給路7を備える。また、部品供給装置1は、ホイール90、ホイール保持部91、ホイール駆動部92及び負圧導入路93を備える。
【0037】
図2及び
図3に示す例では、部品供給装置1は、部品搬送路6の一部を構成する部品搬送チューブ9、攪拌エアー供給路7の一部を構成する攪拌エアー供給チューブ10を備える。
【0038】
また、
図2及び
図3に示す例では、カセット保持部5に、部品収納カセット12が取り付けられている。また、攪拌部4の側面には、報知ランプ13が配置されている。
【0039】
部品供給装置1は、部品収納カセット12に収納された複数の部品を攪拌部4で攪拌し、部品整列部3で複数の部品を一列に整列させる。部品供給装置1は、一列に整列させた状態の複数の部品を、部品搬送路6を介して部品供給位置P1に搬送する。部品供給位置P1は、本体部2の上面において部品供給開口2aが設けられた位置であり、部品が部品移載部101によりピックアップされる位置である。部品供給位置P1に搬送された部品は、部品移載部101によりピックアップされて、例えば、基板120の所定の位置に搭載される。
【0040】
部品供給装置1においては、複数の部品の攪拌にエアーを利用している。攪拌に利用されるエアーは、攪拌エアー供給路7を介して部品整列部3に供給される。
【0041】
部品収納カセット12は、複数の部品を収納している。複数の部品は、同じサイズ及び形状を有している。
【0042】
部品供給装置1の各構成要素について詳細に説明する。
【0043】
<本体部>
本体部2は、部品供給装置1の本体部分である。本体部2の上面において、複数の部品が搬送される部品供給位置P1に対応する位置に部品供給開口2aが設けられている。部品が部品供給位置P1に搬送されてくると、部品供給開口2aから部品が露出した状態となる。部品移載部101は、部品供給位置P1に配置された部品を本体部2の部品供給開口2aからピックアップする。
【0044】
本体部2は、攪拌及び搬送するためのエアーを発生させる機構を有する。具体的には、
図3に示すように、本体部2は、制御部20、エアー導入路21、第1攪拌エアー供給路22、攪拌エアー制御バルブ24、エアー吸引路26及び吸引エアー制御バルブ27を有する。
【0045】
また、本体部2は、部品搬送路6を搬送されてきた複数の部品から順次部品を取り出して部品供給位置P1に移動させる機構を有する。具体的には、
図2及び
図3に示すように、本体部2は、ホイール90、ホイール保持部91、ホイール駆動部92及び負圧導入路93を有する。
【0046】
制御部20は、部品供給装置1の各構成要素を制御する。制御部20は、半導体素子などで実現可能である。制御部20は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASICで構成することができる。制御部20の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。制御部20は、メモリなどの記憶部に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。
【0047】
エアー導入路21は、本体部2の側面に設けられたエアー導入口21aから圧縮エアーを導入する。エアー導入路21は、本体部2の内部で攪拌エアー制御バルブ24を介して第1攪拌エアー供給路22に接続されている。例えば、エアー導入路21は、配管により構成されている。また、エアー導入口21aには、圧縮エアーを供給するポンプが接続されていてもよい。
【0048】
第1攪拌エアー供給路22は、部品整列部3にエアーを供給する流路である。第1攪拌エアー供給路22は、攪拌エアー供給チューブ10に接続されており、攪拌エアー供給路7の一部を構成している。例えば、第1攪拌エアー供給路22は、配管により構成されている。
【0049】
攪拌エアー制御バルブ24は、第1攪拌エアー供給路22を流れるエアーを制御する。例えば、攪拌エアー制御バルブ24が開くと、エアーが第1攪拌エアー供給路22及び攪拌エアー供給チューブ10を通って部品整列部3に供給される。攪拌エアー制御バルブ24が閉じると、エアーが第1攪拌エアー供給路22及び攪拌エアー供給チューブ10を通って部品整列部3に供給されなくなる。
【0050】
エアー吸引路26は、エアーを吸引する流路である。エアー吸引路26では、本体部2の側面に設けられたエアー吸引口26aからエアーが吸引される。エアー吸引路26は、負圧導入路93に接続されている。例えば、エアー吸引路26は、配管により構成されている。また、エアー吸引口26aには、エアーを吸引するポンプが接続されていてもよい。
【0051】
部品供給装置1は、エアー吸引路26からエアーを吸引することによって負圧導入路93を負圧にすることができる。
【0052】
エアー吸引路26には、吸引エアー制御バルブ27が配置されている。
【0053】
吸引エアー制御バルブ27は、エアー吸引路26を流れるエアーを制御する。例えば、吸引エアー制御バルブ27が開くと、エアー吸引路26のエアーが吸引され、負圧になる。吸引エアー制御バルブ27が閉じると、エアー吸引路26のエアーが吸引されなくなる。
【0054】
図4は、本開示の実施の形態1に係る部品搭載装置100の一例の制御ブロック図である。
図4に示すように、部品供給装置1の制御部20は、機能的構成として、攪拌処理部28及びホイール制御部29を有する。攪拌処理部28は、攪拌エアー制御バルブ24を制御する。ホイール制御部29は、吸引エアー制御バルブ27及びホイール駆動部92を制御する。
【0055】
制御部20は、部品検出センサ14の検出結果に基づいて報知ランプ13を制御してもよい。部品検出センサ14については後述する。
【0056】
図4に示す例では、部品搭載装置100は、メイン制御部104を備える。メイン制御部104は、複数の部品供給装置1と部品移載部101とを制御する。
【0057】
メイン制御部104は、半導体素子などで実現可能である。メイン制御部104は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASICで構成することができる。メイン制御部104の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。メイン制御部104は、メモリなどの記憶部に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。
【0058】
次に、
図5-
図7を用いて、部品整列部3及び攪拌部4を説明する。
図5は、
図2においてA-A線で切断した概略断面図である。
図6は、
図3においてB-B線で切断した概略断面図である。
図7は、
図3においてC-C線で切断した概略断面図である。
【0059】
<部品整列部>
部品整列部3は、複数の部品を整列させる部分である。部品整列部3は、攪拌された複数の部品を一列に整列させる。
【0060】
図5及び
図6に示すように、部品整列部3には、回転子30が配置されている。具体的には、部品整列部3は、回転子30を収納する回転子収納室34を有する。回転子収納室34は、回転子30を回転可能に収納している。部品整列部3は、回転子収納室34にエアーを供給して回転子30を回転させる。
【0061】
回転子30には、複数の部品を上下方向に一列で通過させる貫通孔31が設けられている。本明細書において「上下方向」とは、鉛直方向であり、Z方向を意味する。
図5に示す例では、貫通孔31は、第1貫通孔31aと、第2貫通孔31bと、を含む。
【0062】
第1貫通孔31aは、攪拌部4の部品投入口41から投入された複数の部品を第2貫通孔31bへ案内する。第2貫通孔31bは、複数の部品を上下方向に一列に整列させて部品搬送路6へ排出する。
【0063】
第1貫通孔31aは、上下方向に延び、部品投入口41に向かって開口する孔である。第2貫通孔31bは、第1貫通孔31aと連通する孔であって、上下方向に延び、部品搬送路6に向かって開口する。即ち、回転子30の上面には第1貫通孔31aの開口が形成されており、回転子30の下面には第2貫通孔31bの開口が形成されている。
【0064】
第1貫通孔31aの開口は、上下方向から見て第2貫通孔31bの開口より大きく、第1貫通孔31aは、部品投入口41から第2貫通孔31bに向かって小さくなっている。即ち、第1貫通孔31aの孔径は、第2貫通孔31bに向かって小さくなっている。第2貫通孔31bは、第1貫通孔31aと接続される部分から回転子30の下面の開口まで一定となっている。即ち、第2貫通孔31bの孔径は一定である。
【0065】
第2貫通孔31bの孔径は、複数の部品が1つずつ通過可能な寸法で設計されている。例えば、部品が長手方向と短手方向を有する場合、第2貫通孔31bの孔径は、短手方向より大きく、長手方向より小さい。
【0066】
貫通孔31は、回転子内壁31cによって画定されている。回転子内壁31cは、回転子30の回転と共に回転する。回転子内壁31cは、複数の部品と接触する部分でもある。このため、複数の部品は、回転子内壁31cに接触することによって、貫通孔31内を案内される。回転子内壁31cが回転しながら複数の部品と接触すると、複数の部品に対して回転子30の回転方向への力が付与されるため、複数の部品を攪拌しやすい。
【0067】
第1貫通孔31aにおいては、回転子内壁31cは傾斜面で形成されている。具体的には、回転子内壁31cは、テーパ状に形成されている。第2貫通孔31bにおいては、回転子内壁31cは、上下方向に延びる壁面で形成されている。
【0068】
回転子30は、回転子本体部32と、複数の羽根33と、を有する。
【0069】
回転子本体部32は、貫通孔31が設けられた部分である。回転子本体部32は、例えば、円筒形状を有する。部品供給装置1の高さ方向(Z方向)から見て、回転子本体部32の中心に貫通孔31が設けられている。
【0070】
複数の羽根33は、回転子本体部32の外周に設けられている。
図6に示すように、部品供給装置1の高さ方向(Z方向)から見て、複数の羽根33は、回転子本体部32の外周に放射状に等間隔で設けられている。例えば、複数の羽根33は、板形状を有する。
【0071】
複数の羽根33は、攪拌エアー供給路7から供給されるエアーを受ける。これにより、回転子30を回転させることができる。
【0072】
回転子収納室34は、上下方向において貫通孔31内を延びる中心軸CX1を中心として回転子30を水平回転可能に収納する。回転子収納室34は、部品整列部3の上面に開口を有する凹部で形成されている。具体的には、回転子収納室34は、円柱状に窪んだ凹部で形成されている。部品供給装置1の高さ方向(Z方向)から見て、回転子収納室34は、円形状を有しており、回転子30の外形より大きい。た、部品供給装置1の高さ方向(Z方向)から見て、回転子収納室34の深さは、回転子30の高さより大きい。
【0073】
回転子収納室34は、回転子30を収納するスペースを画定する収納室内壁35を有する。収納室内壁35は、回転子30の水平回転を規制する。具体的には、回転子30が水平回転するとき、回転子30が収納室内壁35に接触しながら回転する。これにより、回転子30の回転中心が規制される。即ち、収納室内壁35は、回転子30の回転中心となる中心軸CX1のXY方向の位置を規制している。これにより、回転子30は、上下方向において貫通孔31内を延びる中心軸CX1を中心として水平回転できる。
【0074】
また、回転子30は、回転子収納室34内において水平方向に揺動しながら回転する。具体的には、回転子30の回転中心は固定されておらず、部品供給装置1の高さ方向(Z方向)から見て、回転子収納室34は、回転子30の外径より大きい。このため、回転子30が収納室内壁35に接触しながら回転すると、回転子30の回転中心である中心軸CX1が水平方向に揺れ動く。その結果、回転子30が水平方向に揺動しながら回転する。このように、回転子30が揺動しながら水平回転することによって、複数の部品が貫通孔31を通過する際に、複数の部品をより攪拌できる。
【0075】
部品整列部3には、回転子収納室34にエアーを供給する第2攪拌エアー供給路36が設けられている。第2攪拌エアー供給路36は、攪拌エアー供給チューブ10と接続されており、攪拌エアー供給路7の一部を形成している。
【0076】
第2攪拌エアー供給路36は、回転子収納室34内にエアーを供給する。具体的には、第2攪拌エアー供給路36は、回転子30の複数の羽根33に向かってエアーが供給されるように、部品整列部3内に設けられている。例えば、第2攪拌エアー供給路36は、配管で形成されている。
【0077】
部品整列部3では、第2攪拌エアー供給路36から供給されるエアーが複数の羽根33に衝突することによって、複数の羽根33を押圧する。これにより、回転子30が中心軸CX1を回転中心として水平回転する。
【0078】
また、回転子30と攪拌部4との間には、エアーを回転子収納室34から部品投入口41へ導く攪拌エアー導入路37が設けられている。攪拌エアー導入路37は、回転子収納室34内に供給されたエアーの一部を攪拌室40に導く流路である。攪拌エアー導入路37は、回転子30と攪拌部4との間の隙間によって形成される。攪拌エアー導入路37の流路幅は、部品の寸法より小さい。
【0079】
第2攪拌エアー供給路36から回転子収納室34へエアーが供給されると、エアーの一部が攪拌エアー導入路37を通って、回転子収納室34から攪拌部4の攪拌室40へ流れる。
【0080】
部品整列部3には、回転子収納室34のエアーの一部を攪拌部4へ迂回させるバイパス流路70の一部が設けられている。具体的には、部品整列部3には、還流路71及び還流エアー貯留部72の一部が設けられている。バイパス流路70については後述する。
【0081】
<攪拌部>
攪拌部4は、部品整列部3の上に配置され、複数の部品を攪拌しながら、部品整列部3に複数の部品を投入する。具体的には、攪拌部4は、複数の部品を攪拌する攪拌室40を有する。
【0082】
図5及び
図7に示すように、攪拌室40には、回転子30より上方で貫通孔31に向かって開口する部品投入口41が設けられている。部品投入口41は、部品整列部3の底面に設けられている。部品供給装置1の高さ方向(Z方向)から見て、部品投入口41は、例えば、円形状を有する。
【0083】
攪拌室40は、部品整列部3を上下方向に貫通する貫通孔によって形成されている。具体的には、攪拌室40は、部品整列部3の上面から底面に向かって孔径が小さくなるテーパ状の貫通孔によって形成されている。より具体的には、攪拌室40は、逆円錐台形状の貫通孔によって形成されている。
【0084】
攪拌室40は、攪拌室内壁42を有する。攪拌室内壁42は、部品投入口41に向かって攪拌室40の寸法(孔径)が小さくなるように傾斜している。攪拌室内壁42は、回転子30の貫通孔31に向かって傾斜している。これにより、複数の部品は、攪拌室内壁42に案内されて、部品投入口41から回転子30の貫通孔31に向かって投入される。
【0085】
攪拌室内壁42には、複数の噴出口43が設けられている。複数の噴出口43は、エアーが噴出する孔である。噴出口43は、部品のサイズより小さいサイズを有する。複数の噴出口43は、バイパス流路70に設けられる。具体的には、複数の噴出口43は、還流エアー供給路73に設けられている。
【0086】
バイパス流路70は、部品整列部3の回転子収納室34に供給されたエアーの一部を迂回させて攪拌部4の攪拌室40に供給する。バイパス流路70は、還流路71、還流エアー貯留部72及び還流エアー供給路73を有する。本実施形態では、還流路71及び還流エアー貯留部72の一部が部品整列部3に設けられており、還流エアー貯留部72の一部及び還流エアー供給路73が攪拌部4に設けられている。
【0087】
還流路71は、回転子収納室34に供給されたエアーが還流する流路である。還流路71は、回転子収納室34と還流エアー貯留部72とを接続している。例えば、還流路71は、配管で形成されている。第2攪拌エアー供給路36から回転子収納室34に供給されたエアーの一部は、還流路71を通って還流エアー貯留部72に流れる。
【0088】
還流エアー貯留部72は、還流路71から流入してきたエアーを貯留する。還流エアー貯留部72に貯留されたエアーは、還流エアー供給路73に流れる。
【0089】
還流エアー供給路73は、還流エアー貯留部72に貯留されたエアーが流れる流路であって、複数の噴出口43と連通する。還流エアー供給路73を流れるエアーは、複数の噴出口43から噴出される。
【0090】
攪拌室40は、複数の部品を攪拌し、部品投入口41から貫通孔31へ複数の部品を投入する。攪拌室40は、エアーを利用して複数の部品を攪拌する。具体的には、攪拌室40は、攪拌エアー導入路37から導入されるエアーと、複数の噴出口43から噴出されるエアーと、によって複数の部品を攪拌する。攪拌室40においては、攪拌された複数の部品が自重により落下し、攪拌室内壁42に案内されて、部品投入口41から貫通孔31へ投入される。
【0091】
図8は、本開示の実施の形態1に係る部品供給装置1におけるエアーの流れの一例を示す概略図である。
図8に示すように、第2攪拌エアー供給路36から回転子収納室34にエアーが供給されると、エアーが回転子30の複数の羽根33を押圧し、回転子30が中心軸CX1を中心として水平回転する。このように、回転子30は、エアーの力によって回転する。
【0092】
回転子収納室34に供給されたエアーの一部は、攪拌エアー導入路37を通って、回転子収納室34から部品投入口41へ流れる。即ち、エアーの一部は、攪拌エアー導入路37を通って回転子収納室34から攪拌室40内へ流れ込む。これにより、攪拌室40内を上昇するエアーの流れが生じる。その結果、攪拌室40内の複数の部品が攪拌される。
【0093】
また、回転子収納室34に供給されたエアーの別の一部は、バイパス流路70を通って、回転子収納室34から攪拌室40へ流れる。即ち、エアーの別の一部は、還流路71、還流エアー貯留部72及び還流エアー供給路73を通って攪拌室40内へ流れ込む。具体的には、バイパス流路70を流れるエアーが、複数の噴出口43から攪拌室40内へ噴出される。これにより、複数の噴出口43から攪拌室40内を上昇するエアーの流れが生じる。その結果、攪拌室40内の複数の部品が攪拌される。
【0094】
このように、本実施形態では、攪拌室40は、攪拌エアー導入路37から導入されるエアーと、複数の噴出口43から噴出されるエアーと、を利用して複数の部品を攪拌している。
【0095】
また、本実施形態では、第2攪拌エアー供給路36から回転子収納室34にエアーが供給されると、回転子30がエアーの力によって浮き上がる。これにより、回転子30と部品搬送路6との間に、搬送エアー導入路38が形成される。
【0096】
搬送エアー導入路38は、エアーを回転子収納室34から部品搬送路6へ導く。搬送エアー導入路38は、回転子収納室34内に供給されたエアーの一部を部品搬送路6に導く流路である。搬送エアー導入路38は、回転子30と部品搬送路6との間の隙間によって形成される。搬送エアー導入路38の流路幅は、部品の寸法より小さい。
【0097】
第2攪拌エアー供給路36から回転子収納室34へエアーが供給されると、エアーの一部が搬送エアー導入路38を通って、回転子収納室34から部品搬送路6へ流れる。これにより、回転子収納室34に供給されたエアーの力を利用して、部品搬送路6内の複数の部品を押し出すことができる。即ち、回転子30を回転させるためエアーの力を、部品搬送に利用することができる。
【0098】
<カセット保持部>
カセット保持部5は、攪拌部4の上に配置され、部品収納カセット12を保持する。カセット保持部5には、部品収納カセット12に収納された複数の部品が導入される部品導入口50が設けられている。
【0099】
部品導入口50は、攪拌部4の攪拌室40と連通している。このため、複数の部品は、部品導入口50に導入されることによって、攪拌室40に導入される。
【0100】
<部品搬送路>
部品搬送路6は、回転子30の貫通孔31を通過した複数の部品を一列に整列した状態で搬送する。部品搬送路6は、複数の部品を本体部2の部品供給位置P1に搬送する。
【0101】
本実施形態では、部品整列部3に部品搬送口60が設けられている。部品搬送口60は、部品搬送チューブ9に接続されている。なお、部品搬送口60及び部品搬送チューブ9は、部品搬送路6を構成している。
【0102】
部品搬送口60は、回転子30より下方で貫通孔31に向かって開口する孔である。具体的には、部品搬送口60は、回転子収納室34の底面と部品整列部3の底面とを貫通する貫通孔である。部品搬送口60は、上下方向において回転子30の貫通孔31と対向する位置に設けられている。
【0103】
上下方向(Z方向)から見たとき、部品搬送口60は、部品搬送口60と対向する貫通孔31の開口、即ち、第2貫通孔31bの開口よりも大きい。また、部品搬送口60は、上下方向(Z方向)において部品搬送チューブ9に向かって孔径が小さくなっている。
【0104】
本実施形態では、回転子30は、水平方向に揺動しながら水平回転する。このため、貫通孔31も水平方向に揺動する。部品搬送口60が第2貫通孔31bの開口よりも大きいと、回転子30が水平方向に揺動する場合であっても、第2貫通孔31bから排出された複数の部品がスムーズに部品搬送口60を通過し、部品搬送チューブ9へ移動させることができる。
【0105】
部品搬送チューブ9は、後述する本体内部品搬送路61に接続される。
【0106】
図9は、本開示の実施の形態1に係る部品供給装置1の動作の一例を示す概略図である。
図9は、複数の部品80が部品供給装置1によって攪拌され、一列に整列される様子を示している。
【0107】
図9に示すように、部品収納カセット12から複数の部品80が、カセット保持部5の部品導入口50を通って、攪拌部4の攪拌室40内に導入される。攪拌室40では、エアーの力を利用して複数の部品80を攪拌し、部品投入口41から回転子30の貫通孔31へ複数の部品80を案内する。具体的には、複数の部品80は、攪拌室40内において、攪拌エアー導入路37から導入されるエアーと、バイパス流路70を通って複数の噴出口43から噴出されるエアーと、によって攪拌される。
【0108】
回転子30は、第2攪拌エアー供給路36から供給されるエアーの力によって、中心軸CX1を中心として水平方向へ揺動しながら水平回転する。複数の部品80は、回転子30の回転子内壁31cに接触しながら、貫通孔31内を落下していく。このとき、回転子内壁31cは回転子30と共に揺動しながら回転しているため、複数の部品80が第1貫通孔31aにおいて回転子内壁31cと接触すると、複数の部品80が分散されやすい。即ち、回転子30の第1貫通孔31aにおいても複数の部品80を攪拌しやくなっている。
【0109】
複数の部品80は、第1貫通孔31aを通過すると、第2貫通孔31bにおいて一列に整列させられる。複数の部品80は、第2貫通孔31bから一列に整列された状態で部品搬送口60に排出される。これにより、複数の部品80が、部品搬送路6に送られ、部品供給位置P1に搬送される。
【0110】
また、複数の部品80が部品搬送路6に送られるときには、搬送エアー導入路38から導入されるエアーによって、部品搬送路6内の複数の部品80を押し出している。
【0111】
次に、
図10-
図12を用いて、ホイール90、ホイール保持部91、ホイール駆動部92及び負圧導入路93を説明する。
図10は、本体部2の部品供給位置P1周辺の概略平面図である。
図11は、
図3においてD-D線で切断した概略断面図である。
図12は、
図10においてE-E線で切断した概略断面図である。
【0112】
<ホイール>
図10-
図12に示すように、ホイール90は、水平方向に延びる中心軸CX2を中心として回転する。本実施形態では、中心軸CX2はX方向に延びている。ホイール90は、中心軸CX2と垂直に広がる側面90aと、側面90aの外周に設けられる外周面90bと、を有する。ホイール90は、例えば、円板形状を有する。
【0113】
外周面90bは、ホイール90の外周を画定する面であって、中心軸CX2と平行に延びている。外周面90bには、部品80を収納する複数の部品収納凹部90cが設けられている。
【0114】
複数の部品収納凹部90cは、水平方向から見て、中心軸CX2を中心として放射状に設けられている。具体的には、複数の部品収納凹部90cは、ホイール90の回転方向において、等間隔で設けられている。
【0115】
部品収納凹部90cは、ホイール90の側面90a及び外周面90bの一部を取り除いて形成されている。具体的には、部品収納凹部90cは、外周面90bから中心軸CX2に向かう方向に窪み、且つ側面90aに向かって開口している。即ち、側面90a及び外周面90bのそれぞれに、部品収納凹部90cの開口が形成されている。
【0116】
部品収納凹部90cにおいて、ホイールの側面90a側の開口は、部品分離位置P2で本体内部品搬送路61と接続される。部品分離位置P2とは、複数の部品80から順次1つの部品80を分離する位置である。部品分離位置P2は、ホイール90の回転方向において部品供給位置P1よりも前に位置する。具体的には、部品供給位置P1がホイール90の頂部に位置するのに対して、部品分離位置P2は部品供給位置P1より下方であって中心軸CX2よりも上方に位置する。
【0117】
部品分離位置P2において、本体内部品搬送路61内の複数の部品80から1つの部品80が分離され、部品収納凹部90cに搬送される。部品分離位置P2で部品収納凹部90cに部品80を搬送した後、部品収納凹部90cに部品80を保持した状態でホイール90が回転することによって、部品80が部品供給位置P1に移動する。
【0118】
部品収納凹部90cは、1つの部品80が収納可能な大きさで形成されている。本実施形態では、部品収納凹部90cは、ホイール90の中心軸CX2の延びる方向に平行な長手方向を有し、ホイール90の回転方向に沿う短手方向を有する。例えば、部品収納凹部90cは、外周面90b側から見て、矩形状を有する。
【0119】
ホイール90は、ホイール保持部91によって保持され、ホイール駆動部92によって回転させられる。
【0120】
ホイール90には、負圧導入路93の一部(第2負圧導入路93b及び第3負圧導入路93c)が設けられている。また、ホイール90の内部には、部品収納凹部90cの近傍に磁石94が配置されている。
【0121】
<ホイール保持部>
ホイール保持部91は、ホイール90を回転可能に収納して保持する。ホイール保持部91は、ホイール90を回転可能に覆っている。また、ホイール保持部91には、ホイール90の外周面90bの一部を露出させる部品供給開口2aが設けられている。
【0122】
ホイール保持部91は、ホイール収納ブロック91a、第1サイドブロック91b及び第2サイドブロック91cを有する。
【0123】
ホイール収納ブロック91aは、ホイール90が回転可能に配置される収納孔が設けられたブロックである。ホイール収納ブロック91aの内壁は、ホイール90の外周面90bと接触する。即ち、ホイール90の外周面90bがホイール収納ブロック91aの内壁と接触しながら、ホイール90がホイール収納ブロック91aの収納孔内で回転する。
【0124】
ホイール収納ブロック91aには、エアー吸引路26が設けられている。
【0125】
第1サイドブロック91b及び第2サイドブロック91cは、ホイール収納ブロック91aの両側面にそれぞれ配置されるブロックである。
【0126】
第1サイドブロック91bには、ホイール駆動部92が取り付けられる取付孔が設けられている。また、第1サイドブロック91bには、負圧導入路93の一部(第1負圧導入路93a)が設けられている。
【0127】
第2サイドブロック91cには、本体内部品搬送路61が設けられている。本体内部品搬送路61は、部品搬送路6の一部を構成している。本体内部品搬送路61は、部品搬送チューブ9と接続されている。本体内部品搬送路61の終端は、部品分離位置P2に設けられている。
【0128】
本体内部品搬送路61には、部品搬送チューブ9から複数の部品80が一列に整列した状態で搬送されてくる。本体内部品搬送路61は、部品分離位置P2において、整列された複数の部品80から1つの部品80を分離して、部品収納凹部90cに搬送する。
【0129】
本体内部品搬送路61の断面は、矩形状を有する。本体内部品搬送路61の幅寸法は、1つの部品が通過可能な範囲で設計されている。
【0130】
本体内部品搬送路61には、部品検出センサ14が配置されている。部品検出センサ14は、本体内部品搬送路61に部品80が有るか否かを検出する。部品検出センサ14は、例えば、光センサ、磁気センサ又は容量センサである。
【0131】
<ホイール駆動部>
ホイール駆動部92は、ホイール90を回転させる。ホイール駆動部92は、部品収納凹部90cに配置された部品80を部品供給開口2aへ移動させる。即ち、ホイール駆動部92は、ホイール90を回転させることによって、部品収納凹部90cに搬送された部品80を部品供給位置P1に移動させる。
【0132】
また、ホイール駆動部92は、ホイール90を回転させることによって、部品収納凹部90cを部品分離位置P2に移動させる。これにより、部品収納凹部90cと本体内部品搬送路61とが接続され、本体内部品搬送路61から1つの部品80が部品収納凹部90cに搬送される。本実施形態では、本体内部品搬送路61は、エアーを利用して部品80を部品収納凹部90cに搬送する。
【0133】
ホイール駆動部92は、ホイール90の回転量を制御可能なアクチュエータである。ホイール駆動部92は、制御部20のホイール制御部29によって制御される。例えば、ホイール駆動部92は、モータである。
【0134】
<負圧導入路>
負圧導入路93は、部品収納凹部90cに配置された部品80を負圧により保持する。負圧導入路93は、部品収納凹部90cを負圧にすることによって、部品収納凹部90cに部品80を配置した状態を維持することができる。また、負圧導入路93は、部品分離位置P2において、本体内部品搬送路61から部品80を吸引し、部品収納凹部90cに搬送する。本実施形態では、負圧導入路93は、部品保持部に相当する。
【0135】
負圧導入路93は、第1負圧導入路93a、第2負圧導入路93b及び第3負圧導入路93cを有する。
【0136】
第1負圧導入路93aは、第1サイドブロック91bの内部に設けられており、エアー吸引路26と接続されている。
【0137】
第2負圧導入路93bは、第1サイドブロック91bの内部に設けられており、第1負圧導入路93aと接続されている。第2負圧導入路93bは、ホイール90の回転方向に沿ってアーチ状に設けられている。第2負圧導入路93bは、部品分離位置P2と部品供給位置P1との間に設けられている。具体的には、第2負圧導入路93bの始端は、第1負圧導入路93aの終端に位置し、第2負圧導入路93bの終端は、部品供給位置P1の手前に位置する。
【0138】
第3負圧導入路93cは、ホイール90の内部に設けられており、部品収納凹部90cの凹面から中心軸CX2に向かう方向に延びている。
【0139】
ホイール90が回転することによって、第3負圧導入路93cが部品分離位置P2から部品供給位置P1に向かって移動している間、第3負圧導入路93cは第2負圧導入路93bと接続される。これにより、部品収納凹部90cに配置された部品80を部品分離位置P2から部品供給位置P1に移動させている間、部品収納凹部90cを負圧にすることができる。その結果、部品収納凹部90cに部品80を配置した状態を維持することができる。
【0140】
なお、第2負圧導入路93bの終端は、部品供給位置P1の手前に位置しているため、部品供給位置P1の手前で、第3負圧導入路93cと第2負圧導入路93bとの接続が解除される。これにより、部品供給位置P1においては、部品収納凹部90cが負圧になっておらず、部品収納凹部90cから部品80を容易にピックアップすることができる。
【0141】
また、本実施形態では、ホイール90の内部に磁石94を配置している。磁石94は、部品収納凹部90cに配置された部品80を磁力により保持する。本実施形態では、磁石94は、部品保持部に相当する。
【0142】
図13は、部品収納凹部90cに部品80を搬送する動作の一例を示す概略図である。
図13に示すように、本体内部品搬送路61内において、複数の部品80は、前記複数の部品80の長手方向(第1長手方向)に一列に連ねて搬送される。部品分離位置P2において、本体内部品搬送路61は、部品80の長手方向(第1長手方向)を部品収納凹部90cの長手方向(第2長手方向)に向けて、部品80を部品収納凹部90cに搬送する。このように、部品分離位置P2では、部品80の長手方向(第1長手方向)と部品収納凹部90cの長手方向(第2長手方向)を合わせてから、部品80を部品収納凹部90cに搬送している。
【0143】
部品80を部品収納凹部90cに搬送するとき、負圧導入路93からエアーを吸引することによって、部品収納凹部90cを負圧にしている。これにより、本体内部品搬送路61から部品80を部品収納凹部90cに移動させている。
【0144】
このように、本実施形態では、本体内部品搬送路61は、エアーを利用して部品80を部品収納凹部90cに搬送している。
【0145】
また、部品80を部品収納凹部90cに搬送するとき、磁石94によって部品80を磁力吸着することによって、本体内部品搬送路61から部品80を部品収納凹部90cに移動させてもよい。
【0146】
図14は、本開示の実施の形態1に係る部品供給装置1の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0147】
図14に示すように、ステップS1では、部品検出センサ14が部品搬送路6に部品80が有るか否かを検出する。本実施形態では、部品検出センサ14が本体部2のホイール保持部91に設けられた本体内部品搬送路61に配置されている。このため、部品検出センサ14は、本体内部品搬送路61に部品80が有るか否かを検出する。部品検出センサ14の検出結果は、制御部20に送信される。
【0148】
部品検出センサ14が部品搬送路6に部品が有ることを検出した場合、処理はステップS1を繰り返す。一方、部品検出センサ14が部品搬送路6に部品が有ることを検出しない場合、処理はステップS2に進む。
【0149】
ステップS2では、制御部20の攪拌処理部28が攪拌エアー制御バルブ24を制御する。具体的には、攪拌処理部28は、攪拌エアー制御バルブ24を連続して開閉操作する。これにより、攪拌エアー供給路7を通じて部品整列部3に間欠的にエアーを供給する。その結果、部品整列部3及び攪拌部4において複数の部品80が攪拌される。
【0150】
ステップS3では、部品検出センサ14が部品搬送路6に部品80が有るか否かを検出する。ステップS3では、部品検出センサ14が部品搬送路6に部品が有ることを検出した場合、処理はステップS1に戻る。一方、部品検出センサ14が部品搬送路6に部品80が有ることを検出しない場合、処理はステップS4に進む。
【0151】
ステップS4では、制御部20は報知ランプ13を制御する。具体的には、制御部20は、報知ランプ13を点灯させる。これにより、部品収納カセット12の部品80がなくなったことをユーザに知らせることができる。
【0152】
図15は、本開示の実施の形態1に係る部品搭載装置100の動作の一例を示す概略図である。
図15は、複数の部品供給装置1において、部品収納凹部90cを整列ラインL1に沿って配置するように、ホイール90の回転量を補正する例を示す。なお、
図15は説明を容易にするため、部品供給装置1において部品供給開口2aから露出する部品収納凹部90cの付近の構成を示している。
【0153】
例えば、複数の部品供給装置1における配置位置のばらつきや機体差によるばらつきがある場合に、部品供給開口2aから露出する部品収納凹部90cの位置がばらつく。このため、制御部20は、複数の部品供給装置1における部品収納凹部90cの位置のばらつきに基づいて、ホイール90の回転量を補正する。具体的には、制御部20は、複数の部品供給装置1において、部品供給開口2aから露出する部品収納凹部90cが整列ラインL1上に配置されるようにホイール90の回転量を制御する。
【0154】
例えば、制御部20は、複数の部品供給装置1における部品収納凹部90cの位置のばらつきの情報を取得する。例えば、ばらつきの情報は、カメラによって複数の部品供給装置1における部品収納凹部90cを撮像し、撮像した画像に基づいて整列ラインL1からのY方向のずれ量を算出する。
【0155】
制御部20は、ずれ量に基づいてホイール90の回転補正量を算出する。具体的には、制御部20は、Y方向におけるずれがなくなるように回転補正量を算出する。
【0156】
制御部20は、算出した回転補正量に基づいてホイール90の回転量を補正する。具体的には、制御部20は、ホイール駆動部92を制御することによって、ホイール90の回転量を補正する。
【0157】
このように、ホイール90の回転量を補正することによって、整列ラインL1に沿って複数の部品収納凹部90cを整列させることができる。
【0158】
図16は、本開示の実施の形態1に係る部品搭載装置100の別の動作の一例を示す概略図である。
図16は、複数のピックアップ部103のばらつきに基づいてホイール90の回転量を補正する例を示す。
【0159】
複数のピックアップ部103は、上下方向から見て、複数のピックアップ部103の並ぶ方向(X方向)に対して直交する方向(Y方向)にばらつく場合がある。このため、制御部20は、複数のピックアップ部103の位置のばらつきに基づいてホイール90の回転量を補正する。具体的には、制御部20は、部品80をピックアップするときに、上下方向において複数のピックアップ部103の位置と複数の部品収納凹部90cの位置とが重なるように、ホイール90の回転量を補正する。
【0160】
例えば、制御部20は、複数のピックアップ部103の位置のばらつきの情報を取得する。例えば、ばらつきの情報は、カメラによって複数のピックアップ部103を撮像し、撮像した画像に基づいてY方向のずれ量を算出する。
【0161】
制御部20は、ずれ量に基づいてホイール90の回転補正量を算出する。具体的には、制御部20は、Y方向におけるずれがなくなるように回転補正量を算出する。即ち、制御部20は、部品80をピックアップするときに、上下方向において複数のピックアップ部103の位置と複数の部品収納凹部90cの位置とが重なるようにホイール90の回転補正量を算出する。
【0162】
制御部20は、算出した回転補正量に基づいてホイール90の回転量を補正する。具体的には、制御部20は、ホイール駆動部92を制御することによって、ホイール90の回転量を補正する。
【0163】
このように、ホイール90の回転量を補正することによって、複数のピックアップ部103の位置のばらつきに応じて複数の部品収納凹部90cの位置を調節することができる。
【0164】
本開示に係る実施の形態1の部品供給装置1及び部品搭載装置100によれば、以下の効果を奏することができる。
【0165】
部品供給装置1は、ホイール90、ホイール保持部91、部品搬送路6及びホイール駆動部92を備える。ホイール90は、部品80を収納する複数の部品収納凹部90cが設けられた外周面90bを有し、水平方向に延びる中心軸CX2を中心として回転する。ホイール保持部91は、ホイール90を回転可能に収納する。ホイール保持部91には、ホイール90の外周面90bの一部を露出させる部品供給開口2aが設けられている。部品搬送路6は、複数の部品80を一列に整列させ、ホイール保持部91内で1つの部品収納凹部90cに対して1つの部品80を搬送する。ホイール駆動部92は、ホイール90を回転させ、部品収納凹部90cに搬送された部品80を部品供給開口2aへ移動させる。
【0166】
このような構成により、整列された複数の部品から順次部品を取り出して部品供給位置に搬送することができる。具体的には、部品搬送路6において複数の部品80を整列させ、ホイール90の部品収納凹部90cに1つずつ部品80を搬送する。部品収納凹部90cに部品80を搬送した後、ホイール90が回転することによって、部品80は部品供給位置P1に設けられた部品供給開口2aへ移動する。このように、部品供給装置1は、複数の部品80を整列させ、整列された複数の部品80から順次部品80を取り出して部品供給位置P1に搬送することができる。
【0167】
部品搬送路6は、エアーを利用して部品80を部品収納凹部90cに搬送する。このような構成により、部品80を部品収納凹部90cに容易に移動させ、収納することができる。
【0168】
部品供給装置1は、部品80を部品収納凹部90cに保持する部品保持部93,94を更に備える。このような構成により、ホイール90が回転して、部品収納凹部90cに配置された部品80を部品供給開口2aへ移動させる際に、部品80を部品収納凹部90c内に保持することができる。
【0169】
部品保持部93は、部品収納凹部90cに配置された部品80を負圧により保持する負圧導入路93a~93cを有する。このような構成により、負圧にすることによって部品80を部品収納凹部90c内に保持することができる。
【0170】
部品保持部94は、部品収納凹部90cに配置された部品80を磁力により保持する磁石94を有する。このような構成により、磁力によって部品80を部品収納凹部90c内に保持することができる。
【0171】
複数の部品80は、それぞれ、第1長手方向を有し、複数の部品収納凹部90cは、それぞれ、ホイール90の中心軸CX2の延びる方向に平行な第2長手方向を有する。部品搬送路6は、複数の部品80を第1長手方向に一列に連ねて搬送し、部品80の第1長手方向を部品収納凹部90cの第2長手方向に向けて、1つの部品80を1つの部品収納凹部90cに搬送する。このような構成により、部品80をスムーズに部品収納凹部90cに搬送することができる。
【0172】
部品供給装置1は、ホイール駆動部92を制御する制御部20を更に備える。制御部20は、ホイール90の回転量を補正することによって、部品供給開口2aにおける部品収納凹部90cの位置を補正する。このような構成により、部品供給開口2aにおける部品収納凹部90cの位置を調節することができる。
【0173】
部品搭載装置100は、上述したホイール90、ホイール保持部91、部品搬送路6、ホイール駆動部92及び部品移載部101を備える。部品移載部101は、部品供給開口2aから、部品収納凹部90cに配置された部品80を取り出して所定の位置へ搭載する。
【0174】
部品搭載装置100においても上述した部品供給装置1と同様の効果を奏する。
【0175】
部品搭載装置100は、複数の部品供給装置1を備え、複数の部品供給装置1のそれぞれは、前記ホイール90、ホイール保持部91、ホイール駆動部92及び部品搬送路6を有する。部品移載部101は、複数の部品供給装置1から複数の部品を80まとめてピックアップする複数のピックアップ部103を有する。制御部20は、複数のピックアップ部103の並ぶ方向に対して直交する方向における複数のピックアップ部103の位置のばらつきに基づいてホイール90の回転量を補正する。このような構成により、複数のピックアップ部103の位置にばらつきがある場合でもあっても、ホイール90の回転量を補正することで、複数のピックアップ部103と、これらに対応する複数の部品収納凹部90cの位置を合わせることができる。
【0176】
なお、本実施形態では、部品供給装置1がカセット保持部5及び報知ランプ13を備える例について説明したが、これに限定されない。カセット保持部5及び報知ランプ13は部品供給装置1の必須の構成ではない。
【0177】
本実施形態では、部品搬送路6が部品搬送チューブ9、部品搬送口60及び本体内部品搬送路61で構成される例について説明したが、これに限定されない。例えば、部品搬送路6は、部品搬送チューブ9、部品搬送口60及び本体内部品搬送路61以外の要素を含んでもよいし、これらのうちいずれかを削除及び/又は分割してもよい。
【0178】
本実施形態では、攪拌エアー供給路7が攪拌エアー供給チューブ10、第1攪拌エアー供給路22及び第2攪拌エアー供給路36で構成される例について説明したが、これに限定されない。例えば、攪拌エアー供給路7は、攪拌エアー供給チューブ10、第1攪拌エアー供給路22及び第2攪拌エアー供給路36以外の要素を含んでもよいし、これらのうちいずれかを削除及び/又は分割してもよい。
【0179】
本実施形態では、部品供給装置1がバイパス流路70を備える例について説明したが、これに限定されない。バイパス流路70は、部品供給装置1の必須の構成ではない。
【0180】
本実施形態では、制御部20が部品検出センサ14の検出結果に基づいて、攪拌エアー制御バルブ24を制御する例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御部20は、部品検出センサ14の検出に関係なく、所定の間隔で攪拌エアー制御バルブ24を開閉操作してもよい。
【0181】
例えば、部品搬送路6が複数の部品80で満たされているとき、吸引エアー制御バルブ27が開いているとき、又は部品移載部101が部品80をピックアップしているとき、制御部20は攪拌エアー制御バルブ24を閉じてもよい。
【0182】
本実施形態では、複数の部品供給装置1のそれぞれが制御部20を備える例について説明したが、これに限定されない。例えば、複数の部品供給装置1は、制御部20を備えていなくてもよく、メイン制御部104によって制御されてもよい。
【0183】
本実施形態では、部品保持部として、磁石94を説明したが、これに限定されない。例えば、磁石94は必須の構成ではない。
【0184】
本実施形態では、第2負圧導入路93bが部品分離位置P2から部品供給位置P1の手前まで設けられている例について説明したが、これに限定されない。例えば、第2負圧導入路93bは、少なくとも部品分離位置P2に設けられていればよい。
【0185】
本実施形態では、部品供給装置1が1つの部品搬送路6を備える例について説明したが、これに限定されない。例えば、部品供給装置1は複数の部品搬送路6を備えてもよい。
【0186】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0187】
本開示は、例えば、整列された複数の部品から順次部品を取り出して部品供給位置に搬送する部品供給装置及び部品搭載装置として有用である。
【符号の説明】
【0188】
1 部品供給装置
2 本体部
2a 部品供給開口
3 部品整列部
4 攪拌部
5 カセット保持部
6 部品搬送路
7 攪拌エアー供給路
9 部品搬送チューブ
10 攪拌エアー供給チューブ
12 部品収納カセット
13 報知ランプ
14 部品検出センサ
20 制御部
21 エアー導入路
21a エアー導入口
22 第1攪拌エアー供給路
24 攪拌エアー制御バルブ
26 エアー吸引路
26a エアー吸引口
27 吸引エアー制御バルブ
28 攪拌処理部
29 ホイール制御部
30 回転子
31 貫通孔
31a 第1貫通孔
31b 第2貫通孔
31c 回転子内壁
32 回転子本体部
33 羽根
34 回転子収納室
35 収納室内壁
36 第2攪拌エアー供給路
37 攪拌エアー導入路
38 搬送エアー導入路
40 攪拌室
41 部品投入口
42 攪拌室内壁
43 噴出口
50 部品導入口
60 部品搬送口
61 本体内部品搬送路
70 バイパス流路
71 還流路
72 還流エアー貯留部
73 還流エアー供給路
80 部品
90 ホイール
90a 側面
90b 外周面
90c 部品収納凹部
91 ホイール保持部
91a ホイール収納ブロック
91b 第1サイドブロック
91c 第2サイドブロック
92 ホイール駆動部
93 負圧導入路(部品保持部)
93a 第1負圧導入路
93b 第2負圧導入路
93c 第3負圧導入路
94 磁石(部品保持部)
100 部品搭載装置
101 部品移載部
102 作業ヘッド
103 ピックアップ部
104 メイン制御部
110 固定台
120 基板
CX1 中心軸
CX2 中心軸
L1 整列ライン
P1 部品供給位置
P2 部品分離位置