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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048717
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/00 20200101AFI20230331BHJP
   D06F 34/08 20200101ALI20230331BHJP
【FI】
D06F39/00 Z
D06F34/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158185
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】上村 拓也
(72)【発明者】
【氏名】高木 政志
(72)【発明者】
【氏名】松原 稔樹
(72)【発明者】
【氏名】川上 泰広
【テーマコード(参考)】
3B166
3B167
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA04
3B166AA11
3B166AA32
3B166AB22
3B166AB23
3B166AB30
3B166AB32
3B166AE01
3B166AE07
3B166BA13
3B166BA23
3B166BA84
3B166CA02
3B166CA04
3B166CA11
3B166CA28
3B166CB04
3B166CB13
3B166CB14
3B166CD01
3B166CD15
3B166DC02
3B166DC12
3B166DE02
3B166EA03
3B166EA12
3B166EA14
3B166EA18
3B166EA24
3B166EC02
3B166EC16
3B166ED02
3B166ED05
3B166EE01
3B166GA02
3B166GA05
3B166GA07
3B166GA12
3B166GB01
3B166GB03
3B166HA11
3B166HA31
3B166JM01
3B166JM03
3B167AA02
3B167AA04
3B167AA11
3B167AA32
3B167AB22
3B167AB23
3B167AB30
3B167AB32
3B167AE01
3B167AE07
3B167BA13
3B167BA23
3B167BA84
3B167GB01
3B167GB03
3B167HA11
3B167HA31
3B167JA01
3B167JA41
3B167JA56
3B167JA57
3B167JA58
3B167JA65
3B167LC02
3B167LC05
3B167LC08
3B167LC09
3B167LC14
3B167LC19
3B167LC20
3B167LD11
3B167LE06
3B167LE10
3B167LF01
3B167LF22
3B167LF23
3B167LF24
3B167LG08
(57)【要約】
【課題】冷却ファンからの冷却風が、放熱部で遮られることなく、他の放熱部や発熱電子部品に行き渡ることを可能にする。
【解決手段】本開示の洗濯機は、筐体と、筐体の内側に配設される制御ユニットと、制御ユニットの内側に配設される第1発熱電子部品および第2発熱電子部品を冷却風で冷却する冷却ファンと、を備え、制御ユニットは、基板と、第1放熱部と、第2放熱部と、ケースと、を有し、第1放熱部および第2放熱部と、冷却ファンと、ケースの排気口とは、直線状に配設され、第2放熱部は、第1放熱部よりも流れ方向の上流側に配設され、第1放熱部は、流れ方向の上流側から見て、第2放熱部に対して突出するように構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内側に配設される制御ユニットと、
前記制御ユニットの内側に配設される第1発熱電子部品および第2発熱電子部品を冷却風で冷却する冷却ファンと、を備え、
前記制御ユニットは、
前記第1発熱電子部品および前記第2発熱電子部品が実装される基板と、
前記第1発熱電子部品を冷却する第1放熱部と、
前記第2発熱電子部品を冷却する第2放熱部と、
前記基板と第1放熱部と第2放熱部とを収納するケースと、を有し、
前記第1放熱部および前記第2放熱部と、前記冷却ファンと、前記ケースの排気口とは、直線状に配設され、
前記第2放熱部は、前記第1放熱部よりも前記冷却風の流れ方向の上流側に配設され、
前記第1放熱部は、前記流れ方向の上流側から見て、前記第2放熱部に対して突出するように構成される、洗濯機。
【請求項2】
前記第1放熱部は、前記基板に対して交差する方向に延在する第1基台と、前記第1基台から延在する第1フィンと、を含み、
前記第2放熱部は、前記基板に対して交差する方向に延在する第2基台と、前記第2基台から延在する第2フィンと、を含み、
前記第2基台の第2高さは、前記基板から前記第1フィンまでの第1高さよりも低い、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記第1フィンは、前記流れ方向に沿って延在する複数の第1板状部を有し、
前記第2フィンは、前記流れ方向に沿って延在するとともに前記基板から前記第2基台が延在する延在方向と平行に延在する複数の第2板状部を有する、請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記第1フィンにおける前記複数の第1板状部は、前記基板から前記第1基台が延在する延在方向と直交する方向に延在する、請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記基板は、鉛直方向に延在するように配設され、
前記第1発熱電子部品および前記第2発熱電子部品は、前記基板の下部に位置する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記筐体の下部に位置する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記冷却ファンは、前記ケースの外側に配設される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記冷却ファンは、前記筐体の幅方向の中央寄りに配設される、請求項7に記載の洗濯機。
【請求項9】
筐体と、
前記筐体の内側に配設される制御ユニットと、
前記制御ユニットの内側に配設される発熱電子部品を冷却する冷却ファンと、を備え、
前記制御ユニットは、
前記発熱電子部品が実装される基板と、
前記基板と前記発熱電子部品とを収納するケースと、を有し、
前記基板は、鉛直方向に延在するように配設され、
前記発熱電子部品は、前記基板の下部に位置する、洗濯機。
【請求項10】
前記基板の下部には、前記発熱電子部品と熱的に接続される放熱部が設けられ、
前記ケースの下部は、膨出して形成される、請求項9に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
機器の制御(例えばインバータ制御)を行う制御ユニットにおいて、発熱の大きい電子部品(以下、発熱電子部品という)が用いられる場合、放熱部(ヒートシンク)と冷却ファンとの冷却構造によって発熱電子部品などが冷却される(例えば、特許文献1を参照)。上記特許文献1は、冷蔵庫という機器に関するが、洗濯機においても同様の冷却構造が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-74640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の冷却構造では、冷却ファンからの冷却風による、発熱電子部品の冷却が不十分という課題がある。
【0005】
本開示は、冷却ファンからの冷却風が、放熱部や発熱電子部品に行き渡ることを可能にする洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の洗濯機は、
筐体と、
前記筐体の内側に配設される制御ユニットと、
前記制御ユニットの内側に配設される第1発熱電子部品および第2発熱電子部品を冷却風で冷却する冷却ファンと、を備え、
前記制御ユニットは、
前記第1発熱電子部品および前記第2発熱電子部品が実装される基板と、
前記第1発熱電子部品を冷却する第1放熱部と、
前記第2発熱電子部品を冷却する第2放熱部と、
前記基板と第1放熱部と第2放熱部とを収納するケースと、を有し、
前記第1放熱部および前記第2放熱部と、前記冷却ファンと、前記ケースの排気口とは、直線状に配設され、
前記第2放熱部は、前記第1放熱部よりも前記冷却風の流れ方向の上流側に配設され、
前記第1放熱部は、前記流れ方向の上流側から見て、前記第2放熱部に対して突出するように構成される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、冷却ファンからの冷却風が、放熱部や発熱電子部品に行き渡ることを可能にする洗濯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示に係る一実施の形態における洗濯機の模式的正面図
図2図1に示した洗濯機の縦断面図
図3図1に示した洗濯機の制御ユニット内部における模式図
図4図3に示した制御ユニットの模式的斜視図
図5図3に示した制御ユニットを給気口側から見た要部拡大図
図6図3に示した制御ユニットにおける第1放熱部の斜視図
図7図6に示した第1放熱部を給気口側から見た側面図
図8図3に示した制御ユニットにおける第2放熱部の斜視図
図9図7に示した第2放熱部を給気口側から見た側面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。各図には、便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を示している。この明細書においては、洗濯機1の幅方向、奥行き方向、高さ方向のそれぞれを、X軸、Y軸、Z軸で規定している。説明の便宜上、洗濯機1を前面側から見た図1を基準として洗濯機1における方向を特定し、図1などにおいて、扉体19が設けられる側を前面側(前方)とするとともに、扉体19の反対側を後面側(後方)とする。
【0010】
(実施の形態)
[全体構成]
図1は、本開示に係る一実施の形態における洗濯機1の模式的正面図である。図2は、図1に示した洗濯機1の縦断面図である。
【0011】
図1に示すように、洗濯機1は、外郭を成す筐体25を備える。筐体25の前面側には、扉体19が開閉自在に設けられる。扉体19を開くことにより、洗濯物の出し入れが可能になる。筐体25の前面上部には、操作パネル20が設けられる。操作パネル20は、電源ボタンや表示操作部などを備える。筐体25の内部の前面下部には、制御ユニット30が配設される。制御ユニット30の詳細は後述する。
【0012】
後述するように、筐体25の内部の上部には、高温になる乾燥装置27および乾燥風循環装置28が配設されることによって、筐体25の内部の上部が高温になる。これに対して、筐体25の内部の下部は、相対的に低温である。したがって、制御ユニット30は、筐体25の内部において、相対的に低温になる下部に配設される。これにより、相対的に低温である筐体下部の空気が冷却風として冷却ファン29から送出されるので、冷却風の温度を下げることができる。
【0013】
図2に示すように、洗濯機1は、回転ドラム14と、温水装置21と、電源コード22と、洗濯水循環装置23と、外槽24と、モータ26と、乾燥装置27と、乾燥風循環装置28と、制御ユニット30と、給水弁や排水弁(図示せず)と、を備える。洗濯機1は、例えばドラム式洗濯機である。洗濯機1における各種の駆動デバイスや駆動回路や制御回路には、電源コード22を介して電力が供給される。
【0014】
筐体25の内部には、サスペンション構造によって支持される外槽24と、外槽24の内で回動自在に支持される回転ドラム14とが配設される。外槽24および回転ドラム14は、有底円筒形状を有する。外槽24および回転ドラム14は、筐体25に対して前面側から後面側に斜め下向きに延在するように配置される。
【0015】
回転ドラム14の周面には、多数の貫通孔が設けられる。回転ドラム14の回転軸が、モータ26によって回転駆動されることにより、回転ドラム14が正転方向または逆転方向に回動する。モータ26の回転は、制御ユニット30によって制御される。洗濯物を撹拌するための複数個の突起板が、回転ドラム14の内壁面に設けられる。回転ドラム14を低速で回転させて、洗濯物を突起板で引っ掛けて上方に持ち上げた後、適当な高さで落下させるという撹拌動作(タンブリング動作)を行うことにより、洗濯物の撹拌たたき洗い動作および乾燥動作などを行うことができる。
【0016】
乾燥風循環装置28は、外槽24および回転ドラム14内の空気を循環させることにより、洗濯物を乾燥させる。乾燥風循環装置28における循環ファンの回転は、制御ユニット30によって制御される。回転ドラム14内の洗濯物から水分を奪って多湿状態となった空気は、外槽24の側面上部に設けられた外槽排気口を通じて、乾燥装置27に送られる。乾燥装置27は、例えば、ヒータや、熱交換器で除湿および加熱を行うヒートポンプ装置である。乾燥装置27は、制御ユニット30によって制御される。
【0017】
図示しない給水弁を通じて、水が外槽24内に供給される。温水装置21は、洗濯に使用される水を温める。温水装置21は、制御ユニット30によって制御される。洗濯水循環装置23は、回転ドラム14内の水を循環させる。洗濯水循環装置23の循環モータは、制御ユニット30によって制御される。図示しない排水弁を通じて、外槽24内に貯留される洗濯水が外部に排出される。
【0018】
[制御ユニット]
図3は、図1に示した洗濯機1の制御ユニット30の内部における模式図である。図4は、図3に示した制御ユニット30の模式的斜視図である。図5は、図3に示した制御ユニット30を給気口32の側から見た要部拡大図である。図6は、図3に示した制御ユニット30における第1放熱部35の斜視図である。図7は、図6に示した第1放熱部35を給気口32の側から見た側面図である。図8は、図3に示した制御ユニット30における第2放熱部36の斜視図である。図9は、図7に示した第2放熱部36を給気口32の側から見た側面図である。
【0019】
図3に示すように、洗濯機1の制御ユニット30は、冷却ファン29と、ケース31と、基板34と、を備える。ケース31は、矩形の箱型形状を有し、箱型形状の主面がX軸方向およびZ軸方向に延在する。ケース31は、底面31aと、一側面31bと、上面31cと、他側面31dと、後面31eと、前面(図示せず)とを有する。
【0020】
一側面31bには、給気口32が形成され、他側面31dには排気口33が形成される。一側面31bの外側であり且つ給気口32に対面するように、冷却ファン29が配設される。冷却ファン29は、例えば、冷却モータの回転軸にプロペラ型のファンを取り付けた軸流ファンである。冷却ファン29の回転は、制御ユニット30によって制御される。
【0021】
ケース31の内部では熱が籠もりやすいので、ケース内部雰囲気は、ケース外部雰囲気よりも高温になりやすい。そこで、上述したように、冷却ファン29は、ケース31の外側に配設される。これにより、相対的に低温であるケース外部の空気が、冷却風として冷却ファン29から送出されてケース31に内部に供給されるので、冷却風の温度を下げることができる。冷却ファン29は、回転ドラム14やモータ26など、運転時に音が出るものの近くに設置される。これにより、冷却ファン29の風切り音が他の運転音に紛れて、使用者に届きにくくなる。冷却ファン29は、筐体25の側面から離れた位置に、すなわち、筐体25のX軸方向(幅方向)の中央寄りに配設される。これにより、冷却ファン29の風切り音などの騒音によって、使用者が不快に感じることを抑制できる。
【0022】
第1放熱部35および第2放熱部36と、ケース31の給気口32と排気口33とは、Y軸方向(奥行き方向)から見て、大略X軸に沿って直線状に配置される。冷却ファン29からの冷却風は、給気口32を通じてケース31の内部に供給され、流れ方向Fに沿って流れ、排気口33を通じてケース31の外に排出される。言い換えると、冷却ファン29から送出される冷却風の流れ方向Fは、一側面31bの上流側から他側面31dの下流側に向けて、大略X軸に沿った直線状である。なお、この開示において直線状という文言は、冷却ファン29により送風される冷却風が直線状に通過する或る広がりを持った領域(図3において、流れ方向Fを示す複数の矢印Fを含む領域)のことを意図している。
【0023】
制御ユニット30は、例えば、インバータ制御を行うとともに、モータ26の駆動回路と、乾燥装置27の駆動回路と、乾燥風循環装置28の駆動回路と、冷却ファン29の回転動作や洗い動作や乾燥動作を制御する制御回路と、を含む。
【0024】
基板34は、X軸方向およびZ軸方向(幅方向および高さ方向)に延在し、言い換えると、鉛直方向に延在するように配設される。基板34の表面には、上記の駆動回路や制御回路を構成する各種の電子部品、特に、大電流が流れることにより発熱の大きい電子部品(以下、発熱電子部品という)が実装される。
【0025】
第1発熱電子部品として、例えば、ダイオードブリッジ39,39とトランジスタ40とが、基板34の下部の下流側に実装される。ダイオードブリッジ39,39およびトランジスタ40の下方には、一次側電解コンデンサ44が実装される。第2発熱電子部品として、例えば、乾燥機用スイッチングIC41とモータ用スイッチングIC42とが、基板34の下部の中央側に実装される。第3発熱電子部品として、例えば、乾燥風循環装置用スイッチングIC43が、基板34の下部の上流側に実装される。
【0026】
したがって、発熱の大きい第1発熱電子部品39,40と第2発熱電子部品41,42と第3発熱電子部品43とが、制御ユニット30の下部側に配設されるとともに、上述したように、基板34は、鉛直方向に延在するように配設される。これにより、発熱電子部品39,40,41,42,43から発生する熱をケース31の上部空間に逃がすことができるので、相対的に低温の空気で発熱電子部品を冷却できる。
【0027】
そして、第3発熱電子部品43と、第2発熱電子部品41,42と、第1発熱電子部品39,40とは、上流側の一側面31bから下流側の他側面31dに向う冷却風の流れ方向Fに沿うように、言い換えると大略X軸に沿った直線状となるように、直列に配置される。
【0028】
温水を用いて洗濯物を洗濯する温水洗い工程では、例えば、モータ26と温水装置21と洗濯水循環装置23とが作動するので、モータ用スイッチングIC42と、ダイオードブリッジ39とが発熱する。
【0029】
洗濯物の乾燥工程では、例えば、モータ26と乾燥装置27と乾燥風循環装置28とが作動するので、モータ用スイッチングIC42と、乾燥機用スイッチングIC41と、乾燥風循環装置用スイッチングIC43と、ダイオードブリッジ39とが発熱する。
【0030】
図3および図4に示すように、第1発熱電子部品39,40に当接して熱的に接続されるように、第1放熱部(ヒートシンク)35が、基板34の上に配設(実装)される。第2発熱電子部品41,42に当接して熱的に接続されるように、第2放熱部(ヒートシンク)36が、第2発熱電子部品41,42の上に配設される。第3発熱電子部品43に当接して熱的に接続されるように、第3放熱部37が、第3発熱電子部品43の上に配設される。第1放熱部35と第2放熱部36と第3放熱部37とは、高い熱伝導率を有する材料、例えばアルミニウムなどの金属からなる。
【0031】
図6および図7に示すように、第1放熱部35は、第1基台35aと、第1フィン35bと、第1実装ピン35cと、を有する。第1基台35aは、第1放熱部35の支柱部分であり、第1発熱電子部品39,40に当接して、第1発熱電子部品39,40からの発熱を取り込む部分である。第1フィン35bは、第1基台35aから突出する部分であり、冷却風に当たることで熱を放出する部分である。第1放熱部35は、第1実装ピン35cを介して基板34に実装される。第1放熱部35が基板34に実装された状態では、第1基台35aは、基板34に対して交差する方向に、言い換えると、基板34の延在方向(X軸方向およびZ軸方向:幅方向および高さ方向)と直交する方向、すなわち、Y軸方向(奥行き方向)に延在する。
【0032】
第1フィン35bは、第1基台35aの下面側において、第1実装ピン35cの反対側に配設される。第1フィン35bは、複数の(例えば4つの)第1板状部35dを有する。複数の第1板状部35dは、X軸方向およびZ軸方向(幅方向および高さ方向)に延在し、言い換えると、流れ方向Fに沿って延在する。複数の第1板状部35dは、基板34から第1基台35aが延在する延在方向と直交する方向(例えば、Z軸の負方向:下向き)に延在する。第1放熱部35において、第1基台35aの延在方向と第1フィン35bの延在方向とを直交させることにより、第1発熱電子部品39,40と当接する第1基台35aの高さを高くできる。これにより、第1放熱部35では、第1基台35aの部分に、背の高い第1発熱電子部品39,40を実装できる。
複数の第1板状部35dは、基板34の延在方向(X軸方向およびZ軸方向:幅方向および高さ方向)と直交する方向(Y軸方向:奥行き方向)に離間する。これにより、冷却風が流れ方向Fに沿ってスムーズに流れる。
【0033】
例えば、ダイオードブリッジ39は、第1基台35aの上面側に熱的に接続されるように、ネジで固定される。そして、ダイオードブリッジ39およびトランジスタ40は、第1基台35aの下面側に熱的に接続されるように、ネジで固定される。
【0034】
図7に示すように、第1放熱部35は、第1基台35aの基板34側の端部と、第1フィン35bの最も基板34側の第1板状部35dとの間で、第1高さAを有する。第1高さAは、実質的に、第1フィン35bを有さない第1基台35aだけの高さに相当する。
【0035】
図8よび図9に示すように、第2放熱部36は、第2基台36aと、第2フィン36bと、を有する。第2基台36aは、第2放熱部36の支柱部分であり、第2発熱電子部品41,42に当接して、第2発熱電子部品41,42からの発熱を取り込む部分である。第2フィン36bは、第2基台36aから突出する部分であり、冷却風に当たることで熱を放出する部分である。第2放熱部36は、基板34に実装された第2発熱電子部品41,42の上に配設される。第2放熱部36が第2発熱電子部品41,42の上に配設された状態では、第2基台36aは、基板34に対して交差する方向に、言い換えると、基板34の延在方向(X軸方向およびZ軸方向:幅方向および高さ方向)と直交する方向、すなわち、Y軸方向(奥行き方向)に延在する。
【0036】
第2フィン36bは、第2基台36aの上面側において、基板34の反対側に配設される。第2フィン36bは、複数の(例えば4つの)第2板状部36dを有する。複数の第2板状部36dは、X軸方向およびY軸方向(幅方向および奥行き方向)に延在し、言い換えると、流れ方向Fに沿って延在する。複数の第2板状部36dは、基板34から第2基台36aが延在する延在方向と平行な方向(例えば、Y軸の正方向:後方)に延在する。流れ方向Fに沿って延在する第2板状部36dにより、第2放熱部36を通る冷却風が整流されて、強い冷却風を第1放熱部35に到達させることができる。これにより、冷却風が第2放熱部36において整流され、強い冷却風を第1放熱部35に到達させることができる。複数の第2板状部36dは、基板34の延在方向(X軸方向およびY軸方向:幅方向および奥行き方向)と直交する方向(Z軸方向:高さ方向)に離間する。これにより、冷却風が流れ方向Fに沿ってスムーズに流れる。
【0037】
例えば、乾燥機用スイッチングIC41およびモータ用スイッチングIC42は、第2基台36aの下面側に熱的に接続されるように、ネジやピンなどの固定手段で固定される。
【0038】
図9に示すように、第2放熱部36は、第2基台36aの基板34側の端部と、第2フィン36bの最も第2基台36a側の部分との間で、第2高さBを有する。第2高さBは、実質的に、第2フィン36bを有さない第2基台36aだけの高さに相当する。
【0039】
第2フィン36bの第2板状部36dは、フィン間隔Sで離間している。フィン間隔Sを大きくすると、冷却ファン29から送出される冷却風が、第2フィン36bを通過しやすくなるので、上流側の第2発熱電子部品41,42に加えて、下流側の第1発熱電子部品39,40も効果的に冷却できる。効果的な冷却が可能になることにより、第1放熱部35のサイズを小型化できるので、低コスト化を図ることができる。
【0040】
図5に示すように、例えば、第1放熱部35は、流れ方向Fの上流側から見て、第2放熱部36に対してZ軸の正方向(上方)に突出するように、言い換えると、Z軸の正方向(上方)において第2放熱部36と重ならない部分を有するように、構成される。これにより、冷却ファン29から送出される冷却風の一部は、第2放熱部36で遮られることなく、第1放熱部35に到達するので、上流側の第2発熱電子部品41,42に加えて、下流側の第1発熱電子部品39,40も効果的に冷却できる。
【0041】
第1フィン35bにおけるZ軸方向の少なくとも一部分(例えば、Z軸方向の全ての部分)は、第2放熱部36において第1放熱部35の第1基台35aの側に位置する2つの第2フィン36bの間(すなわちフィン間隔Sの間)に位置するように構成される。これにより、冷却ファン29から送出される冷却風の一部は、第2放熱部36の第2フィン36bを通過して、第1放熱部35の第1フィン35bに到達するので、上流側の第2発熱電子部品41,42に加えて、下流側の第1発熱電子部品39,40も効果的に冷却できる。
【0042】
また、一次側電解コンデンサ44は、流れ方向Fの上流側から見て、第2放熱部36に対してZ軸の負方向(下方)に突出するように構成されている。これにより、冷却ファン29から送出される冷却風の一部は、第2放熱部36で遮られることなく、一次側電解コンデンサ44に到達するので、上流側の第2発熱電子部品41,42に加えて、下流側の一次側電解コンデンサ44も効果的に冷却できる。
【0043】
図5に示すように、第2基台36aの第2高さBは、基板34から第1フィン35bまでの第1高さAよりも低く構成されている。これにより、冷却ファン29から送出される冷却風が、第2基台36aで遮られることなく、第1フィン35bに到達するので、上流側の第2発熱電子部品41,42に加えて、下流側の第1発熱電子部品39,40も効果的に冷却できる。
【0044】
図3に示すように、第3放熱部37は、基板34に実装された第3発熱電子部品43の上に配設される。第3発熱電子部品43は、例えば、乾燥風循環装置用スイッチングIC43であり、第3放熱部37の下面側に熱的に接続されるように、ネジで固定される。第3放熱部37は、直方体形状を有し、基板34の延在方向(X軸方向およびZ軸方向:幅方向および高さ方向)と平行な方向に延在する。図5に示すように、第3放熱部37のY軸方向(奥行き方向)の高さは、第2放熱部36における第2基台36aの第2高さBよりも低い。これにより、冷却風が流れ方向Fに沿ってスムーズに流れる。
【0045】
[効果]
本実施の形態の洗濯機1によれば、以下の効果を奏することができる。
【0046】
洗濯機1は、筐体25と、筐体25の内側に配設される制御ユニット30と、制御ユニット30の内側に配設される第1発熱電子部品39,40および第2発熱電子部品41,42を冷却風で冷却する冷却ファン29と、を備える。制御ユニット30は、第1発熱電子部品39,40および第2発熱電子部品41,42が実装される基板34と、第1発熱電子部品39,40を冷却する第1放熱部35と、第2発熱電子部品41,42を冷却する第2放熱部36と、基板34と第1放熱部35と第2放熱部36とを収納するケース31と、を有する。第1放熱部35および第2放熱部36と、冷却ファン29と、ケース31の排気口33とは、直線状に配設される。第2放熱部36は、第1放熱部35よりも流れ方向Fの上流側に配設される。第1放熱部35は、流れ方向Fの上流側から見て、第2放熱部36に対して突出するように構成される。
【0047】
このような構成により、冷却ファン29から送出される冷却風の一部は、第2放熱部36で遮られることなく、第1放熱部35に到達するので、上流側の第2発熱電子部品41,42に加えて、下流側の第1発熱電子部品39,40も効果的に冷却できる。効果的な冷却が可能になることにより、第1放熱部35のサイズを小型化できるので、低コスト化を図ることができる。
【0048】
本実施の形態の洗濯機1において、第1放熱部35は、基板34に対して交差する方向に延在する第1基台35aと、第1基台35aから延在する第1フィン35bと、を含む。第2放熱部36は、基板34に対して交差する方向に延在する第2基台36aと、第2基台36aから延在する第2フィン36bと、を含む。第2基台36aの第2高さBは、基板34から第1フィン35bまでの第1高さAよりも低い。
【0049】
このような構成により、冷却ファン29から送出される冷却風が、第2基台36aで遮られることなく、第1フィン35bに到達するので、上流側の第2発熱電子部品41,42に加えて、下流側の第1発熱電子部品39,40も効果的に冷却できる。
【0050】
本実施の形態の洗濯機1において、第1フィン35bは、流れ方向Fに沿って延在する複数の第1板状部35dを有する。第2フィン36bは、流れ方向Fに沿って延在するとともに基板34から第2基台36aが延在する延在方向と平行に延在する複数の第2板状部36dを有する。
【0051】
このような構成により、冷却風が第2放熱部36において整流され、強い冷却風を第1放熱部35に到達させることができる。
【0052】
本実施の形態の洗濯機1において、第1フィン35bにおける複数の第1板状部35dは、基板34から第1基台35aが延在する延在方向と直交する方向に延在する。
【0053】
このような構成により、第1発熱電子部品39,40と当接する第1基台35aの高さを高くできるので、第1放熱部35では、第1基台35aの部分に、背の高い第1発熱電子部品39,40を実装できる。
【0054】
本実施の形態の洗濯機1において、基板34は、鉛直方向に延在するように配設される。第1発熱電子部品39,40および第2発熱電子部品41,42は、基板34の下部に位置する。
【0055】
このような構成により、発熱電子部品39,40,41,42から発生する熱をケース31の上部空間に逃がすことができるので、相対的に低温の空気で発熱電子部品39,40,41,42を冷却できる。
【0056】
本実施の形態の洗濯機1において、制御ユニット30は、筐体25の下部に位置する。
【0057】
このような構成により、相対的に低温である筐体25下部の空気が冷却風として冷却ファン29から送出されるので、冷却風の温度を下げることができる。
【0058】
本実施の形態の洗濯機1において、冷却ファン29は、ケース31の外側に配設される。
【0059】
このような構成により、相対的に低温であるケース31外部の空気が、冷却風として冷却ファン29から送出されるので、冷却風の温度を下げることができる。
【0060】
本実施の形態の洗濯機1において、冷却ファン29は、筐体25の幅方向の中央寄りに配設される。
【0061】
このような構成により、冷却ファン29の風切り音などの騒音によって、使用者が不快に感じることを抑制できる。
【0062】
別の局面の洗濯機1は、筐体25と、筐体25の内側に配設される制御ユニット30と、制御ユニット30の内側に配設される発熱電子部品39,40,41,42を冷却する冷却ファン29と、を備える。制御ユニット30は、発熱電子部品39,40,41,42が実装される基板34と、基板34と発熱電子部品39,40,41,42とを収納するケース31と、を有する。基板34は、鉛直方向に延在するように配設される。発熱電子部品39,40,41,42は、基板34の下部に位置する。
【0063】
このような構成により、発熱電子部品39,40,41,42から発生する熱をケース31の上部空間に逃がすことができるので、相対的に低温の空気で発熱電子部品39,40,41,42を冷却できる。
【0064】
なお、本開示は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
【0065】
上記の実施の形態において、洗濯機の一例としてドラム式洗濯機を説明した。洗濯機1は、液剤を用いて洗濯物を洗濯できるものであればよい。したがって、洗濯機は、ドラム式洗濯機に限定されず、縦型洗濯機や二槽式洗濯機であってもよい。
【0066】
冷却ファンは、ケースの外側であり且つケースの近傍に別体で配設されてもよい。また、冷却ファンは、ケースの内側であり且つ一側面の近傍に配設されてもよい。給気口と冷却ファンと排気口とは、必ずしも直線状に配置されなくてもよい。冷却ファンと、第2放熱部と、第1放熱部と、排気口とは、冷却風の流れ方向に沿って配設されればよいので、幾何的な直線配置に限定されない。
【0067】
上記の実施の形態において、ケースの一例として、図2に示されるような直方体形状のケース31を説明した。ケースは、基板と発熱電子部品とを収納すればよいので、直方体形状に限定されない。例えば、ケースは、発熱電子部品および放熱部が配設された箇所の近傍において外側に膨出して形成されていてもよい。これにより、制御ユニット全体の大きさを徒に大きくすることなく、高さを有する放熱部をケース内に収容できる。
【0068】
また、上記の実施の形態のように制御ユニットの下部に発熱電子部品および放熱部が配設される場合、ケースの下部が膨出して形成されてもよい。このような構成により、制御ユニット全体の大きさを徒に大きくすることなく、高さを有する放熱部をケース内に収容できる。ドラム式洗濯機である場合、外槽の下方、すなわち筐体の下部には空間が存在するため、ケースの下部が膨出して形成された制御ユニットであっても、外槽に干渉しないように配置することができる。さらに、ケースの下部は、外槽側に向けて膨出して形成されていてもよい。これにより、外槽の下方に形成された空間を有効利用して制御ユニットを配設することができる。
【0069】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本開示は、回転ドラムを備える洗濯機に適用可能である。具体的には、ドラム式洗濯機、縦型洗濯機および二槽式洗濯機などに有用である。
【符号の説明】
【0071】
1…洗濯機
14…回転ドラム
19…扉体
20…操作パネル
21…温水装置
22…電源コード
23…洗濯水循環装置
24…外槽
25…筐体
26…モータ
27…乾燥装置
28…乾燥風循環装置
29…冷却ファン
30…制御ユニット
31…ケース
31a…底面
31b…一側面
31c…上面
31d…他側面
31e…後面
32…給気口
33…排気口
34…基板
35…第1放熱部
35a…第1基台
35b…第1フィン
35c…第1実装ピン
35d…第1板状部
36…第2放熱部
36a…第2基台
36b…第2フィン
36d…第2板状部
37…第3放熱部
39…ダイオードブリッジ(第1発熱電子部品)
40…トランジスタ(第1発熱電子部品)
41…乾燥機用スイッチングIC(第2発熱電子部品)
42…モータ用スイッチングIC(第2発熱電子部品)
43…乾燥風循環装置用スイッチングIC(第3発熱電子部品)
44…一次側電解コンデンサ
A…第1高さ
B…第2高さ
F…流れ方向
S…フィン間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9