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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004874
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】発光素子およびこれを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/12 20060101AFI20230110BHJP
   H10K 50/00 20230101ALI20230110BHJP
   C07D 487/14 20060101ALN20230110BHJP
   C07D 251/24 20060101ALN20230110BHJP
   C07D 403/02 20060101ALN20230110BHJP
   C07D 209/86 20060101ALN20230110BHJP
   C07D 471/04 20060101ALN20230110BHJP
【FI】
H05B33/12 C
H05B33/14 A
C07D487/14
C07D251/24
C07D403/02
C07D209/86
C07D471/04 112T
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069052
(22)【出願日】2022-04-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0082546
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ハン ウォンスク
(72)【発明者】
【氏名】カン ナムス
(72)【発明者】
【氏名】パク フンス
(72)【発明者】
【氏名】パク ヒジュ
(72)【発明者】
【氏名】イ ソンウン
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒョンシク
(72)【発明者】
【氏名】ファン ジェフン
【テーマコード(参考)】
3K107
4C050
4C063
4C065
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC33
3K107DD52
3K107DD78
3K107DD86
3K107FF13
3K107FF14
4C050AA01
4C050AA08
4C050BB08
4C050CC08
4C050DD02
4C050EE06
4C050FF03
4C050GG01
4C050HH01
4C063AA01
4C063BB10
4C063CC43
4C063DD29
4C063EE10
4C065AA01
4C065AA19
4C065BB09
4C065CC09
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH02
4C065JJ01
4C065KK02
4C065LL01
4C065PP01
(57)【要約】
【課題】 漏洩電流を低減させた発光素子および、これを含み表示品質が向上した表示装置を提供する。
【解決手段】 一実施形態による発光素子は、第1電極、第1電極と重畳する第2電極、第1電極と第2電極の間に位置するm個の発光ユニット、そして隣接した発光ユニットの間に位置するm-1個の電荷発生層を含み、電荷発生層はn型電荷発生層およびp型電荷発生層を含み、複数のn型電荷発生層のうちの少なくとも一つはアルカリ金属を含むドーパントを含み、複数のn型電荷発生層のうちの少なくとも一つはランタン金属を含むドーパントを含み、n型電荷発生層にドーピングされるアルカリ金属とランタン金属は互いに異なる含量でドーピングされ、mは3以上の自然数である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、
前記第1電極と重畳する第2電極、
前記第1電極と前記第2電極の間に位置するm個の発光ユニット、そして
隣接した発光ユニットの間に位置するm-1個の電荷発生層を含み、
前記電荷発生層はn型電荷発生層およびp型電荷発生層を含み、
複数のn型電荷発生層のうちの少なくとも一つはアルカリ金属を含むドーパントを含み、複数のn型電荷発生層のうちの少なくとも一つはランタン金属を含むドーパントを含み、
前記n型電荷発生層にドーピングされるアルカリ金属とランタン金属は互いに異なる含量でドーピングされ、
前記mは、3以上の自然数である、発光素子。
【請求項2】
前記n型電荷発生層にドーピングされたアルカリ金属は0.1~3vol%で含まれ、前記n型電荷発生層にドーピングされたランタン金属は1~10vol%で含まれる、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記複数のn型電荷発生層それぞれは1種のドーパントを含む、請求項1に記載の発光素子。
【請求項4】
前記m個の発光ユニットのうちの少なくとも一つは青色光を放出し、残りの発光ユニットのうちの少なくとも一つは緑色光を放出する、請求項1に記載の発光素子。
【請求項5】
前記mは4であり、
前記発光素子は、第1発光ユニット、第2発光ユニット、第3発光ユニット、および第4発光ユニットを含み、
前記電荷発生層は、第1電荷発生層、第2電荷発生層、および第3電荷発生層を含む、請求項1に記載の発光素子。
【請求項6】
前記第1電荷発生層は第1のn型電荷発生層を含み、前記第2電荷発生層は第2のn型電荷発生層を含み、前記第3電荷発生層は第3のn型電荷発生層を含む、請求項5に記載の発光素子。
【請求項7】
前記第1のn型電荷発生層、前記第2のn型電荷発生層、および前記第3のn型電荷発生層のうちの少なくとも一つはアルカリ金属を含むドーパントでドーピングされ、残りのうちの少なくとも一つはランタン金属を含むドーパントでドーピングされる、請求項6に記載の発光素子。
【請求項8】
前記第1のn型電荷発生層、前記第2のn型電荷発生層、および前記第3のn型電荷発生層のうちのいずれか一つはランタン金属を含むドーパントでドーピングされ、残りはアルカリ金属を含むドーパントでドーピングされる、請求項7に記載の発光素子。
【請求項9】
前記第1のn型電荷発生層、前記第2のn型電荷発生層、および前記第3のn型電荷発生層のうちの2個のn型電荷発生層はランタン金属を含むドーパントでドーピングされ、残り一つのn型電荷発生層はアルカリ金属を含むドーパントでドーピングされる、請求項7に記載の発光素子。
【請求項10】
前記n型電荷発生層はホストを含み、
前記ホストは下記化学式1、化学式2、および化学式2’で表される化合物のうちのいずれか一つを含む、請求項1に記載の発光素子:
【化1】
[化学式1]
【化2】
[化学式2]
【化3】
[化学式2’]
前記化学式1において、
、R、R、Rのそれぞれは独立して単結合、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基、または置換もしくは非置換のフェナントロリン基、
または
を1以上含み、
R5、R6のそれぞれは独立して単結合、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基、または置換もしくは非置換のフェナントロリン基を1以上含み、
、X、Xのそれぞれは独立して炭素原子、窒素原子、酸素原子のうちのいずれか一つを含み、
前記化学式2および化学式2’において、
は酸素原子、硫黄原子のうちのいずれか一つを含み、
、Q、Q、Qのそれぞれは独立して単結合、水素原子,重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基を1以上含み、
は独立して単結合、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基、


のうちの1以上を含み、
はシアノ基、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基のうちの少なくとも1以上を含み、
、S、S、S、Sは単結合、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基を1以上含むか、または、
、X、X、X、X、X、X10のそれぞれは独立して炭素原子、窒素原子、酸素原子のうちのいずれか一つを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開始は、発光素子およびこれを含む表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光素子は電気エネルギーが光エネルギーに変換される特性の素子である。このような発光素子の例示としては、発光層に有機材料を使用する有機発光素子、発光層に量子ドットを使用する量子ドット発光素子などがある。
【0003】
発光素子は、互いに重畳する第1電極および第2電極、これらの間に位置する正孔輸送領域(hole transport region)、発光層、電子輸送領域(electron transport region)を含むことができる。第1電極から注入された正孔は正孔輸送領域を経て発光層に移動し、第2電極から注入された電子は電子輸送領域を経て発光層に移動する。正孔および電子は発光層領域で結合してエキシトン(exciton)を生成する。エキシトンが励起状態から基底状態に変わり光が生成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、漏洩電流を低減させた発光素子および、これを含み表示品質が向上した表示装置のためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態による発光素子は、第1電極、第1電極と重畳する第2電極、第1電極と第2電極の間に位置するm個の発光ユニット、そして隣接した発光ユニットの間に位置するm-1個の電荷発生層を含み、電荷発生層はn型電荷発生層およびp型電荷発生層を含み、複数のn型電荷発生層のうちの少なくとも一つはアルカリ金属を含むドーパントを含み、複数のn型電荷発生層のうちの少なくとも一つはランタン金属を含むドーパントを含み、n型電荷発生層にドーピングされるアルカリ金属とランタン金属は互いに異なる含量でドーピングされ、mは3以上の自然数である。
【0006】
n型電荷発生層にドーピングされたアルカリ金属は約0.1~3vol%で含まれ、n型電荷発生層にドーピングされたランタン金属は約1~10vol%で含まれてもよい。
【0007】
複数のn型電荷発生層それぞれは1種のドーパントを含むことができる。
【0008】
m個の発光ユニットのうちの少なくとも一つは青色発光し、残りの発光ユニットのうちの少なくとも一つは緑色発光することができる。
【0009】
mは4であり、発光素子は第1発光ユニット、第2発光ユニット、第3発光ユニット、および第4発光ユニットを含み、電荷発生層は第1電荷発生層、第2電荷発生層、および第3電荷発生層を含むことができる。
【0010】
第1電荷発生層は第1のn型電荷発生層を含み、第2電荷発生層は第2のn型電荷発生層を含み、第3電荷発生層は第3のn型電荷発生層を含むことができる。
【0011】
第1のn型電荷発生層、第2のn型電荷発生層、および第3のn型電荷発生層のうちの少なくとも一つはアルカリ金属を含むドーパントでドーピングされ、残りのうちの少なくとも一つはランタン金属を含むドーパントでドーピングされてもよい。
【0012】
第1のn型電荷発生層、第2のn型電荷発生層、および第3のn型電荷発生層のうちのいずれか一つはランタン金属を含むドーパントでドーピングされ、残りはアルカリ金属を含むドーパントでドーピングされてもよい。
【0013】
第1のn型電荷発生層、第2のn型電荷発生層、および第3のn型電荷発生層のうちの2個のn型電荷発生層はランタン金属を含むドーパントでドーピングされ、残り一つのn型電荷発生層はアルカリ金属を含むドーパントでドーピングされてもよい。
【0014】
n型電荷発生層はホストを含み、ホストは下記化学式1、化学式2および化学式2’で表される化合物のうちのいずれか一つを含むことができる。
【0015】
【化1】
[化学式1]
【0016】
【化2】
[化学式2]
【0017】
【化3】
[化学式2’]
【0018】
上記の化学式1において、
、R、R、Rのそれぞれは独立して単結合、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基、または置換もしくは非置換のフェナントロリン基、
または
を1以上含み、
R5、R6のそれぞれは独立して単結合、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基、または置換もしくは非置換のフェナントロリン基を1以上含み、
、X、Xのそれぞれは独立して炭素原子、窒素原子、酸素原子のうちのいずれか一つを含む。
上記の化学式2および化学式2’において、
は酸素原子、硫黄原子のうちのいずれか一つを含み、
、Q、Q、Qのそれぞれは独立して単結合、水素原子,重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基を1以上含み、
は独立して単結合、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基、


のうちの1以上を含み、
はシアノ基、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基のうちの少なくとも1以上を含み、
、S、S、S、Sは単結合、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基を1以上含むか、または、
、X、X、X、X、X、X10のそれぞれは独立して炭素原子、窒素原子、酸素原子のうちのいずれか一つを含む。
【発明の効果】
【0019】
実施形態によれば、漏洩電流を低減させた発光素子を提供し、表示品質が向上した表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態による発光素子の断面図である。
図2】一実施形態による発光素子の断面図である。
図3】一実施形態による表示装置の概略的な分解斜視図である。
図4】一実施形態による表示パネルの平面図である。
図5】一実施形態による表示パネルの概略的な断面図である。
図6】一実施形態による表示パネルの断面図である。
図7a】実施例1に対する漏洩電流を見た回路図である。
図7b】実施例2に対する漏洩電流を見た回路図である。
図7c】実施例3に対する漏洩電流を見た回路図である。
図7d】比較例1に対する漏洩電流を見た回路図である。
図7e】比較例2に対する漏洩電流を見た回路図である。
図8】一実施形態による表示パネルの漏洩電流を示す模式図である。
図9a】実施例による発光イメージである。
図9b】比較例による発光イメージである。
図10】階調による色変位特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付した図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は様々な異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0022】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付けるようにする。
【0023】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されるのではない。図面で、様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部層および領域の厚さを誇張して示した。
【0024】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“の上に”または“上に”あるという時、これは他の部分“の直上に”ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分“の直上に”あるという時には中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分“の上に”または“上に”あるということは基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向側に“の上に”または“上に”位置することを意味するのではない。
【0025】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0026】
また、明細書全体で、“平面上”という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、“断面上”という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0027】
本明細書中、“(中間層が)化学式1で表される化合物を含む”とは、“(中間層が)化学式1の範疇に属する1種の化合物または化学式1の範疇に属する互いに異なる2種以上の化合物を含むことができる”と解釈できる。
【0028】
本明細書中、“族(Group)”はIUPAC元素周期表上の族を意味する。
【0029】
本明細書中、“アルカリ金属”は1族元素を意味する。具体的に、アルカリ金属はリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、またはセシウム(Cs)であり得る。
【0030】
本明細書中、“アルカリ土類金属”は2族元素を意味する。具体的に、アルカリ土類金属はマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、またはバリウム(Ba)であり得る。
【0031】
本明細書中、“ランタン金属”はランタンおよび周期表上のランタノイドを意味する。具体的に、ランタン金属は、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、またはルテチウム(Lu)であり得る。
【0032】
本明細書中、“遷移金属”は4周期~7周期に属しながら、3族~12族に属する元素を意味する。具体的に、遷移金属は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、またはカドミウム(Cd)であり得る。
【0033】
本明細書中、“後期遷移金属”は4周期~7周期に属しながら、13族~17族に属する金属元素を意味する。具体的に、後期遷移金属は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、またはポロニウム(Po)であり得る。
【0034】
本明細書中、“ハロゲン”は17族元素を意味する。具体的に、ハロゲンは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)であり得る。
【0035】
本明細書中、“無機半導体化合物”は無機物でありながら、バンドギャップ(band gap)が4eV未満である全ての化合物を意味する。具体的に、無機半導体化合物は、ランタン金属のハロゲン化物、遷移金属のハロゲン化物、後期遷移金属のハロゲン化物、テルル、ランタン金属のテルル化物、遷移金属のテルル化物、後期遷移金属のテルル化物、ランタン金属のセレン化物、遷移金属のセレン化物、後期遷移金属のセレン化物、またはその任意の組み合わせを含むことができる。さらに具体的に、無機半導体化合物は、EuI、YbI、SmI、TmI、AgI、CuI、NiI、CoI、BiI、PbI、SnI、Te、EuTe、YbTe、SmTe、TmTe、EuSe、YbSe、SmSe、TmSe、ZnTe、CoTe、ZnSe、CoSe、BiTe、BiSe、またはその任意の組み合わせを含むことができる。
【0036】
本明細書中、“無機絶縁体化合物”は無機物でありながら、バンドギャップが4eV以上である全ての化合物を意味する。具体的に、無機絶縁体化合物は、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、ランタン金属のハロゲン化物、またはその任意の組み合わせを含むことができる。さらに具体的に、無機絶縁体化合物は、NaI、KI、RbI、CsI、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、NaF、KF、RbF、CsF、MgI、CaI、SrI、BaI、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MgF、CaF、SrF、BaF、EuI、YbI、SmI、TmI、EuCl、YbCl、SmCl、TmCl、EuF、YbF、SmF、TmF、またはその任意の組み合わせを含むことができる。
【0037】
本明細書中、“アルカリ金属のハロゲン化物”は、アルカリ金属とハロゲンがイオン結合された化合物を意味する。具体的に、アルカリ金属のハロゲン化物は、NaI、KI、RbI、CsI、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、NaF、KF、RbF、CsF、またはその任意の組み合わせを含むことができる。
【0038】
本明細書中、“アルカリ土類金属のハロゲン化物”は、アルカリ土類金属とハロゲンがイオン結合された化合物を意味する。具体的に、アルカリ土類金属のハロゲン化物は、MgI、CaI、SrI、BaI、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MgF、CaF、SrF、BaF、またはその任意の組み合わせを含むことができる。
【0039】
本明細書中、“ランタン金属のハロゲン化物”は、ランタン金属とハロゲンがイオン結合および/または共有結合された化合物を意味する。具体的に、ランタン金属のハロゲン化物は、EuI、YbI、SmI、TmI、EuI、YbI、SmI、TmI、EuCl、YbCl、SmCl、TmCl、EuF、YbF、SmF、TmF、またはその任意の組み合わせを含むことができる。
【0040】
本明細書中、“遷移金属のハロゲン化物”は、遷移金属とハロゲンがイオン結合および/または共有結合された化合物を意味する。具体的に、遷移金属のハロゲン化物は、AgI、CuI、NiI、CoI、またはその任意の組み合わせを含むことができる。
【0041】
本明細書中、“後期遷移金属のハロゲン化物”は、後期遷移金属とハロゲンがイオン結合および/または共有結合された化合物を意味する。具体的に、後期遷移金属のハロゲン化物は、BiI、PbI、SnI、またはその任意の組み合わせを含むことができる。
【0042】
本明細書中、“ランタン金属のテルル化物”は、ランタン金属とテルル(Te)がイオン結合、共有結合および/または金属結合された化合物を意味する。具体的に、ランタン金属のテルル化物は、EuTe、YbTe、SmTe、TmTe、またはその任意の組み合わせを含むことができる。
【0043】
本明細書中、“遷移金属のテルル化物”は、遷移金属とテルルがイオン結合、共有結合および/または金属結合された化合物を意味する。具体的に、遷移金属のテルル化物は、ZnTe、CoTe、またはその任意の組み合わせを含むことができる。
【0044】
本明細書中、“後期遷移金属のテルル化物”は後期遷移金属とテルルがイオン結合、共有結合および/または金属結合された化合物を意味する。具体的に、後期遷移金属のテルル化物は、BiTeを含むことができる。
【0045】
本明細書中、“ランタン金属のセレン化物”は、ランタン金属とセレン(Se)がイオン結合、共有結合および/または金属結合された化合物を意味する。具体的に、ランタン金属のセレン化物は、EuSe、YbSe、SmSe、TmSe、またはその任意の組み合わせを含むことができる。
【0046】
本明細書中、“遷移金属のセレン化物”は、遷移金属とセレンがイオン結合、共有結合および/または金属結合された化合物を意味する。具体的に、遷移金属のセレン化物は、ZnSe、CoSe、またはその任意の組み合わせを含むことができる。
【0047】
本明細書中、“後期遷移金属のセレン化物”は、後期遷移金属とセレンがイオン結合、共有結合および/または金属結合された化合物を意味する。具体的に、後期遷移金属のセレン化物は、BiSeを含むことができる。
【0048】
以下では図1図2を参照して、一実施形態による発光素子について見てみる。図1は一実施形態による発光素子の断面図であり、図2は一実施形態による発光素子の断面図である。
【0049】
まず、図1を参照すれば、発光素子1は、第1電極E1、第2電極E2、第1電極E1と第2電極E2の間に位置する複数の発光ユニットELを含むことができる。
【0050】
本発明の一実施形態による発光素子1は上面出射型であり得る。この場合、第1電極E1は陽極(Anode)であり、第2電極E2は陰極(Cathode)であり得る。本発明の他の実施形態による発光素子1は下面出射型であり得る。この場合、第1電極E1は陰極(Cathode)であり、第2電極E2は陽極(Anode)であり得る。本発明の一実施形態による発光素子1で、第1電極E1は反射型電極であり、第2電極E2は透過型または半透過型電極であるので、発光素子1は第1電極E1から第2電極E2方向に光を出射することができる。以下では発光素子が上面出射型である場合について説明する。
【0051】
第1電極E1は、例えば、基板上部に、第1電極用物質を蒸着法またはスパッタリング法などを用いて提供することによって形成できる。第1電極E1がアノードである場合、正孔注入が容易なように、第1電極用物質は、高い仕事関数を有する物質のうちから選択できる。
【0052】
第1電極E1は、反射型電極、半透過型電極または透過型電極であり得る。透過型電極である第1電極E1を形成するために、第1電極用物質は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)およびその任意の組み合わせのうちから選択できるが、これに限定されるのではない。または、半透過型電極または反射型電極である第1電極E1を形成するために、第1電極用物質は、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)およびその任意の組み合わせのうちから選択できるが、これに限定されるのではない。
【0053】
第1電極E1は、単一層である単層構造または複数の層を有する多層構造を有することができる。例えば、第1電極E1はITO/Ag/ITOの3層構造を有することができ、これに限定されるのではない。
【0054】
第1電極E1上部にはm個の発光ユニットELが配置されている。mは3以上の自然数である。一実施形態による発光素子1は少なくとも3個以上の発光ユニットELを含むことができる。
【0055】
m個の発光ユニットELのうちの第1電極E1に最も近い発光ユニットは1番目発光ユニットとし、第1電極E1から最も遠い発光ユニットはm番目発光ユニットとし、1番目発光ユニット~m番目発光ユニットは順次に配置される。本明細書は4個の発光ユニットが配置された実施形態について説明しており、このような個数に制限されるわけではない。本明細書による一実施形態は第1電極E1に隣接した順に配置された第1発光ユニットEL1、第2発光ユニットEL2、第3発光ユニットEL3、および第4発光ユニットEL4を含むことができる。
【0056】
一実施形態による発光素子1は、隣接した発光ユニットELの間に位置する電荷発生層CGL1、CGL2、CGL3を含む。電荷発生層CGL1、CGL2、CGL3は電圧が印加されれば酸化-還元反応を通じて錯体を形成することによって電荷(電子および正孔)を生成することができる。電荷発生層CGL1、CGL2、CGL3は生成された電荷を隣接した発光ユニットELに提供することができる。電荷発生層CGL1、CGL2、CGL3は発光ユニットELから発生する電流効率を倍に増加させることができ、隣接した発光ユニットELの間で電荷の均衡を調節する役割を果たすことができる。
【0057】
発光素子1がm個の発光ユニットELを含む場合、発光素子1は隣接した発光ユニットELの間に介されたm-1個の電荷発生層CGL1、CGL2、CGL3を含むことができる。一実施形態による発光素子1は第1発光ユニットEL1と第2発光ユニットEL2の間に位置する第1電荷発生層CGL1、第2発光ユニットEL2と第3発光ユニットEL3の間に位置する第2電荷発生層CGL2、第3発光ユニットEL3と第4発光ユニットEL4の間に位置する第3電荷発生層CGL3を含むことができる。本明細書は3個の電荷発生層CGL1、CGL2、CGL3を含む実施形態を図示しているが、これに制限されるわけではなく、発光ユニットELの個数によって変わり得る。
【0058】
それぞれの電荷発生層CGL1、CGL2、CGL3は、発光ユニットELに電子を提供するn型電荷発生層n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3および発光ユニットELに正孔を提供するp型電荷発生層p-CGL1、p-CGL2、p-CGL3を含むことができる。図示しなかったが、実施形態によってn型電荷発生層n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3とp型電荷発生層p-CGL1、p-CGL2、p-CGL3の間にはバッファー層をさらに配置することができる。
【0059】
第1電荷発生層CGL1は、第1のn型電荷発生層n-CGL1および第1-p型電荷発生層p-CGL1を含む。第1のn型電荷発生層n-CGL1は第1発光ユニットEL1に隣接するように配置し、第1-p型電荷発生層p-CGL1は第2発光ユニットEL2に隣接するように配置することができる。第2電荷発生層CGL2は第2のn型電荷発生層n-CGL2および第2-p型電荷発生層p-CGL2を含むことができる。第2のn型電荷発生層n-CGL2は第2発光ユニットEL2に隣接するように配置し、第2-p型電荷発生層p-CGL2は第3発光ユニットEL3に隣接するように配置することができる。第3電荷発生層CGL3は第3のn型電荷発生層n-CGL3および第3-p型電荷発生層p-CGL3を含むことができる。第3のn型電荷発生層n-CGL3は第3発光ユニットEL3に隣接するように配置し、第3-p型電荷発生層p-CGLは第4発光ユニットEL4に隣接するように配置することができる。
【0060】
一実施形態によれば、n型電荷発生層n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3は、ホストおよびこれにドーピングされたドーパントを含むことができる。ホストは、ホスフィンオキシド系化合物およびフェナントロリン系化合物のうちの少なくとも一つを含むことができる。ドーパントは、アルカリ金属またはランタン金属を含むことができる。
【0061】
フェナントロリン系化合物は下記化学式1で表すことができ、一例として下記化学式1-1~化学式1-7で表される化合物を含むことができる。
【0062】
【化4】
[化学式1]
【0063】
上記の化学式1において、
、R、R、Rのそれぞれは独立して単結合、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基、または置換もしくは非置換のフェナントロリン基、
または
を1以上含み、
R5、R6のそれぞれは独立して単結合、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基、または置換もしくは非置換のフェナントロリン基を1以上含み、
、X、Xのそれぞれは独立して炭素原子、窒素原子、酸素原子のうちのいずれか一つを含む。
【0064】
【化5】
[化学式1-1]
【0065】
【化6】
[化学式1-2]
【0066】
【化7】
[化学式1-3]
【0067】
【化8】
[化学式1-4]
【0068】
【化9】
[化学式1-5]
【0069】
【化10】
[化学式1-6]
【0070】
【化11】
[化学式1-7]
【0071】
ホスフィンオキシド系化合物は下記化学式2または下記化学式2’で表すことができ、一例として下記化学式2-1~化学式2-17で表される化合物を含むことができる。
【0072】
【化12】
[化学式2]
【0073】
【化13】
[化学式2’]
【0074】
上記の化学式2および化学式2’において、
は酸素原子、硫黄原子のうちのいずれか一つを含み、
、Q、Q、Qのそれぞれは独立して単結合、水素原子,重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基を1以上含み、
は独立して単結合、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基、


のうちの1以上を含み、
はシアノ基、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基のうちの少なくとも1以上を含み、
、S、S、S、Sは単結合、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のオキシ基、置換もしくは非置換のチオ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは非置換の環形成炭素数2以上30以下のヘテロアリール基を1以上含むか、または、
、X、X、X、X、X、X10のそれぞれは独立して炭素原子、窒素原子、酸素原子のうちのいずれか一つを含む。
【0075】
【化14】
[化学式2-1]
【0076】
【化15】
[化学式2-2]
【0077】
【化16】
[化学式2-3]
【0078】
【化17】
[化学式2-4]
【0079】
【化18】
[化学式2-5]
【0080】
【化19】
[化学式2-6]
【0081】
【化20】
[化学式2-7]
【0082】
【化21】
[化学式2-8]
【0083】
【化22】
[化学式2-9]
【0084】
【化23】
[化学式2-10]
【0085】
【化24】
[化学式2-11]
【0086】
【化25】
[化学式2-12]
【0087】
【化26】
[化学式2-13]
【0088】
【化27】
[化学式2-14]
【0089】
【化28】
[化学式2-15]
【0090】
【化29】
[化学式2-16]
【0091】
【化30】
[化学式2-17]
【0092】
ドーパントはアルカリ金属またはランタン金属のうちのいずれか一つを含むことができる。アルカリ金属は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)を含むことができる。ランタン金属は、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)を含むことができる。
【0093】
ドーパントは、ホストと錯体(complex)を形成することができる。
【0094】
一例として、化学式1で表されるホストは、ドーパントと共に下記化学式1-Aで表される化合物を提供することができる。また、化学式2で表されるホストは、ドーパントと共に下記化学式2-Aで表される化合物を提供することができる。下記化学式1-Aおよび化学式2-Aで、Mはドーパントである。
【0095】
【化31】
[化学式1-A]
【0096】
【化32】
[化学式2-A]
【0097】
このようにホストに金属をドーピングする場合、イフェクティブLUMOレベル(effective Lowest Unoccupied Molecular Orbital level)が減少することによって発光素子の駆動電圧を減少させ発光効率を向上させることができる。
【0098】
一実施形態によれば、複数のn型電荷発生層n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3のうちの少なくとも一つのn型電荷発生層はアルカリ金属を含むドーパントを含み、残りn型電荷発生層n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3のうちの少なくとも一つのn型生成層はランタン金属を含むドーパントを含むことができる。
【0099】
一例として、第1のn型電荷発生層n-CGL1、第2のn型電荷発生層n-CGL2、第3のn型電荷発生層n-CGL3のうちの少なくとも一つはアルカリ金属を含むドーパントを含み、第1のn型電荷発生層n-CGL1、第2のn型電荷発生層n-CGL2、第3のn型電荷発生層n-CGL3のうちの少なくとも一つはランタン金属を含むドーパントを含むことができる。
【0100】
一例として、第1のn型電荷発生層n-CGL1、第2のn型電荷発生層n-CGL2、第3のn型電荷発生層n-CGL3のうちのいずれか一つはランタン金属を含むドーパントでドーピングされ、残りはアルカリ金属を含むドーパントでドーピングされてもよい。
【0101】
または、一例として、第1のn型電荷発生層n-CGL1、第2のn型電荷発生層n-CGL2、第3のn型電荷発生層n-CGL3のうちの2個のn型電荷発生層はランタン金属を含むドーパントでドーピングされ、残り一つのn型電荷発生層はアルカリ金属を含むドーパントでドーピングされてもよい。
【0102】
具体的に、第1のn型電荷発生層n-CGL1はランタン金属を含むドーパントを含み、第2のn型電荷発生層n-CGL2および第3のn型電荷発生層n-CGL3はアルカリ金属を含むドーパントを含むことができる。または、一例として、第2のn型電荷発生層n-CGL2はランタン金属を含むドーパントを含み、第1のn型電荷発生層n-CGL1および第3のn型電荷発生層n-CGL3はアルカリ金属を含むドーパントを含むことができる。または、一例として、第3のn型電荷発生層n-CGL3はランタン金属を含むドーパントを含み、第1のn型電荷発生層n-CGL1および第2のn型電荷発生層n-CGL2はアルカリ金属層を含むドーパントを含むことができる。
【0103】
または、第1のn型電荷発生層n-CGL1および第2のn型電荷発生層n-CGL2はランタン金属を含むドーパントを含み、第3のn型電荷発生層n-CGL3はアルカリ金属を含むドーパントを含むことができる。または、第1のn型電荷発生層n-CGL1および第3のn型電荷発生層n-CGL3はランタン金属を含むドーパントを含み、第2のn型電荷発生層n-CGL2はアルカリ金属を含むドーパントを含むことができる。または、第2のn型電荷発生層n-CGL2および第3のn型電荷発生層n-CGL3はランタン金属を含むドーパントを含み、第1のn型電荷発生層n-CGL1はアルカリ金属を含むドーパントを含むことができる。
【0104】
一例として、ランタン金属はイッテルビウム(Yb)であり、アルカリ金属はリチウム(Li)であり得る。
【0105】
一実施形態によってランタン金属でドーピングされたn型電荷発生層n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3の抵抗は、アルカリ金属でドーピングされたn型電荷発生層n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3の抵抗に比べて大きくなり得る。ランタン金属でドーピングされたn型電荷発生層n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3を含むことによって漏洩電流を低減させることができ。
【0106】
ドーパントは0.1~10vol%の含量でドーピングできる。n型電荷発生層n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3それぞれにドーピングされるアルカリ金属とランタン金属は互いに異なる含量でドーピングできる。n型電荷発生層n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3にドーピングされるアルカリ金属の含量はランタン金属の含量より小さくてもよい。一実施形態によってn型電荷発生層n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3にアルカリ金属をドーピングする場合、約0.1~3vol%で含まれてもよく、n型電荷発生層n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3にランタン金属をドーピングする場合、約1~10vol%で含まれてもよい。
【0107】
一実施形態によるn型電荷発生層n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3の厚さは、約20~200オングストロームであり得る。
【0108】
p型電荷発生層p-CGL1、p-CGL2、p-CGL3は、正孔輸送性有機化合物、無機絶縁体化合物、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。正孔輸送性有機化合物に関する説明は後述の内容を参照する。また、p型電荷発生層p-CGL1、p-CGL2、p-CGL3は、無機半導体化合物から選択された1種以上を含むことができる。
【0109】
p型電荷発生層p-CGL1、p-CGL2、p-CGL3の厚さは、約0.1nm~約20nmであり得る。
【0110】
m番目発光ユニットEL上には第2電極E2が配置されている。第2電極E2は電子注入電極であるカソード(cathode)であってもよく、このとき、第2電極E2用物質としては低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの組み合わせ(combination)を使用することができる。
【0111】
第2電極E2は、リチウム(Li)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、イッテルビウム(Yb)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、銀-マグネシウム(Ag-Mg)、銀-イッテルビウム(Ag-Yb)、ITOおよびIZOのうちから選択された少なくとも一つを含むことができるが、これに限定されるのではない。第2電極E2は、透過型電極、半透過型電極または反射型電極であり得る。
【0112】
第2電極E2は、単一層である単層構造または複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0113】
第2電極E2の厚さは、5nm~20nmであり得る。前述の範囲を満足する場合、第2電極での光吸収を最少化することができると共に、実質的な駆動電圧上昇なく満足な程度の電子注入特性を得ることができる。
【0114】
一実施形態による発光素子は複数のn型電荷発生層のうちの一部はアルカリ金属でドーピングされ、他の一部はランタン金属でドーピングされてもよい。このとき、ランタン金属でドーピングされるn型電荷発生層はアルカリ金属でドーピングされるn型電荷発生層より高い抵抗値を有することができ、これにより発光素子の側面に電流が漏洩されるのを低減させることができる。側面に漏洩される電流によって意図しない画素が点灯されるのを防止し、より向上した表示品質を提供することができる。
【0115】
以下、図2を参照して、一実施形態によるそれぞれの発光ユニットの具体的な積層構造について見てみる。一実施形態によって発光素子が4個の発光ユニットを含む実施例について見てみる。前述の構成要素に関する説明は省略する。
【0116】
それぞれの発光ユニットELは発光層EMLを含むことができる。また、それぞれの発光ユニットELは正孔輸送領域HTRおよび電子輸送領域ETRのうちの少なくとも一つを含むことができる。正孔輸送領域HTRは、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層またはその任意の組み合わせを含むことができる。電子輸送領域ETRは正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層またはその任意の組み合わせを含むことができる。それぞれの発光ユニットELは互いに異なる物質を含む発光層EML、正孔輸送領域HTR、電子輸送領域ETRまたは互いに同じ物質を含む発光層EML、正孔輸送領域HTR、電子輸送領域ETRを含むことができる。
【0117】
第1発光ユニットEL1は、光を放出する第1発光層EML1、第1電極E1から提供された正孔を第1発光層EML1に輸送する第1正孔輸送領域HTR1、第1電荷発生層CGL1から生成された電子を第1発光層EML1に輸送する第1電子輸送領域ETR1を含むことができる。
【0118】
第2発光ユニットEL2は、光を放出する第2発光層EML2、第1電荷生成層CGL1から提供された正孔を第2発光層EML2に輸送する第2正孔輸送領域HTR2、第2電荷発生層CGL2から生成された電子を第2発光層EML2に輸送する第2電子輸送領域ETR2を含むことができる。
【0119】
第3発光ユニットEL3は、光を放出する第3発光層EML3、第2電荷生成層CGL2から提供された正孔を第3発光層EML3に輸送する第3正孔輸送領域HTR3、第3電荷発生層CGL3から生成された電子を第3発光層EML3に輸送する第3電子輸送領域ETR3を含むことができる。
【0120】
第4発光ユニットEL4は、光を放出する第4発光層EML4、第3電荷生成層CGL3から提供された正孔を第4発光層EML4に輸送する第4正孔輸送領域HTR4、第2電極E2から生成された電子を第4発光層EML4に輸送する第4電子輸送領域ETR4を含むことができる。
【0121】
正孔輸送領域HTRは、当該技術分野に知られた一般的な方法を用いて形成できる。例えば、正孔輸送領域HTRは、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法(Langmuir-Blodgett)、インクジェットプリンティング法、レーザープリンティング法、レーザー熱転写法(Laser Induced Thermal Imaging、LITI)などのような多様な方法を用いて形成できる。
【0122】
正孔輸送領域HTRが含む正孔注入層は正孔注入物質を含むことができる。正孔注入物質は、銅フタロシアニン(copper phthalocyanine)などのフタロシアニン(phthalocyanine)化合物;DNTPD(N,N’-diphenyl-N,N’-bis-[4-(phenyl-m-tolyl-amino)-phenyl]-biphenyl-4,4’-diamine)、m-MTDATA(4,4’,4”-[tris(3-methylphenyl)phenylamino]triphenylamine)、TDATA(4,4’,4”-Tris(N,N-diphenylamino)triphenylamine)、2-TNATA(4,4’,4”-tris{N,-(2-naphthyl)-N-phenylamino}-triphenylamine)、PEDOT/PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/Poly(4-styrenesulfonate))、PANI/DBSA(Polyaniline/Dodecylbenzenesulfonic acid)、PANI/CSA(Polyaniline/Camphorsulfonic acid)、PANI/PSS(Polyaniline/Poly(4-styrenesulfonate))、NPB(N,N’-di(naphthalene-l-yl)-N,N’-diphenyl-benzidine)、NPD(N,N’-Di(1-naphthyl)-N,N’-diphenyl-(1,1’-biphenyl)-4,4’-diamine)、トリフェニルアミンを含むポリエーテルケトン(TPAPEK)、4-Isopropyl-4’-methyldiphenyliodonium[Tetrakis(pentafluorophenyl)borate]、HAT-CN(dipyrazino[2,3-f:2’,3’-h]quinoxaline-2,3,6,7,10,11-hexacarbonitrile)などを含むことができる。
【0123】
正孔輸送領域が含む正孔輸送層は正孔輸送物質を含むことができる。正孔輸送物質はN-フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール系誘導体、フルオレン(fluorene)系誘導体、TPD(N,N’-bis(3-methylphenyl)-N,N’-diphenyl-[1,1-biphenyl]-4,4’-diamine)、TCTA(4,4’,4”-tris(N-carbazolyl)triphenylamine)などのようなトリフェニルアミン系誘導体、NPB(N,N’-di(naphthalene-l-yl)-N,N’-diphenyl-benzidine)、TAPC(4,4’-Cyclohexylidene bis[N,N-bis(4-methylphenyl)benzenamine])、HMTPD(4,4’-Bis[N,N’-(3-tolyl)amino]-3,3’-dimethylbiphenyl)、mCP(1,3-Bis(N-carbazolyl)benzene)、CzSi(9-(4-tert-Butylphenyl)-3,6-bis(triphenylsilyl)-9H-carbazole)、m-MTDATA(4,4’,4”-[tris(3-methylphenyl)phenylamino]triphenylamine)などを含むことができる。
【0124】
正孔輸送領域HTRの厚さは約10nm~約1000nm、例えば、約10nm~約500nmであり得る。正孔注入層の厚さは、例えば、約3nm~約100nmであり、正孔輸送層の厚さは約3nm~約100nmであり得る。正孔輸送領域HTR、正孔注入層、および正孔輸送層の厚さが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧上昇なく十分な程度の正孔輸送特性を得ることができる。
【0125】
電子阻止層は、電子輸送領域ETRから正孔輸送領域HTRに電子が漏洩されることを防止する役割を果たす層である。電子阻止層の厚さは約10Å~約1000Åであり得る。電子阻止層は例えば、N-フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール系誘導体、フルオレン系誘導体、TPD(N,N’-bis(3-methylphenyl)-N,N’-diphenyl-[1,1-biphenyl]-4,4’-diamine)、TCTA(4,4’,4”-tris(N-carbazolyl)triphenylamine)などのようなトリフェニルアミン系誘導体、NPD(N,N’-di(naphthalene-l-yl)-N,N’-diplienyl-benzidine)、TAPC(4,4’-Cyclohexylidene bis[N,N-bis(4-methylphenyl)benzenamine])、HMTPD(4,4’-Bis[N,N’-(3-tolyl)amino]-3,3’-dimethylbiphenyl)またはmCPなどを含むことができる。
【0126】
正孔輸送領域HTRは先に言及した物質以外に、導電性向上のために電荷発生物質をさらに含むことができる。電荷発生物質は正孔輸送領域HTR内に均一にまたは不均一に分散していてもよい。電荷発生物質は例えば、p-ドーパント(dopant)であり得る。p-ドーパントはキノン(quinone)誘導体、金属酸化物およびシアノ(cyano)基含有化合物のうちの一つであり得るが、これに限定されるのではない。例えば、p-ドーパントの非制限的な例としては、TCNQ(Tetracyanoquinodimethane)およびF4-TCNQ(2,3,5,6-tetrafluoro-7,7’,8,8’-tetracyanoquinodimethane)などのようなキノン誘導体、タングステン酸化物およびモリブデン酸化物などのような金属酸化物などが挙げられるが、これに限定されるのではない。
【0127】
電子輸送領域ETRの各層は、当該技術分野に知られた一般的な方法を用いて形成できる。例えば、電子輸送領域ETRは、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法(Langmuir-Blodgett)、インクジェットプリンティング法、レーザープリンティング法、レーザー熱転写法(Laser Induced Thermal Imaging、LITI)などのような多様な方法を用いて形成できる。
【0128】
電子輸送領域ETRに含まれる電子注入層は電子注入物質を含むことができる。電子注入物質はLiF、NaCl、CsF、RbCl、RbIのようなハロゲン化金属、Ybのようなランタン金属、LiO、BaOのような金属酸化物、またはLiQ(Lithium quinolate)などが使用できるが、これに限定されるのではない。
【0129】
電子注入層はまた、電子輸送物質と絶縁性の有機金属塩(organo metal salt)が混合された物質からなり得る。有機金属塩は、エネルギーバンドギャップ(energy band gap)が大略4eV以上の物質であり得る。具体的に例えば、有機金属塩は、金属アセテート(metal acetate)、金属ベンゾエート(metal benzoate)、金属アセトアセテート(metal acetoacetate)、金属アセチルアセトネート(metal acetylacetonate)または金属ステアレート(stearate)を含むことができる。
【0130】
電子輸送領域ETRが含む電子輸送層は、電子輸送物質を含むことができる。電子輸送物質は、アントラセン系化合物を含むものであり得る。但し、これに限定されるのではなく、電子輸送物質は例えば、Alq(Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum)、1,3,5-tri[(3-pyridyl)-phen-3-yl]benzene、2,4,6-tris(3’-(pyridin-3-yl)biphenyl-3-yl)-1,3,5-triazine、2-(4-(N-phenylbenzoimidazolyl-1-ylphenyl)-9,10-dinaphthylanthracene、TPBi(1,3,5-tris(1-phenyl-1H-benzo[d]imidazol-2-yl)benzene)、BCP(2,9-Dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline)、Bphen(4,7-Diphenyl-1,10-phenanthroline)、TAZ(3-(4-Biphenylyl)-4-phenyl-5-tert-butylphenyl-1,2,4-triazole)、NTAZ(4-(Naphthalen-1-yl)-3,5-diphenyl-4H-1,2,4-triazole)、tBu-PBD(2-(4-Biphenylyl)-5-(4-tert-butylphenyl)-1,3,4-oxadiazole)、BAlq(Bis(2-methyl-8-quinolinolato-N1,O8)-(1,1’-Biphenyl-4-olato)aluminum)、Bebq(berylliumbis(benzoquinolin-10-olate)、ADN(9,10-di(naphthalene-2-yl)anthracene)、TSPO1(diphenyl(4-(triphenylsilyl)phenyl)phosphine oxide)、TPM-TAZ(2,4,6-Tris(3-(pyrimidin-5-yl)phenyl)-1,3,5-triazine)およびこれらの混合物を含むものであり得る。
【0131】
電子注入層それぞれの厚さは、約0.1nm~約50nm、約0.3nm~約30nmであり得る。電子注入層の厚さが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧上昇なく十分な程度の電子注入特性を得ることができる。
【0132】
電子輸送層それぞれの厚さは、約10nm~約100nm、例えば約15nm~約50nmであり得る。電子輸送層の厚さが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧上昇なく十分な程度の電子輸送特性を得ることができる。
【0133】
正孔阻止層は、正孔輸送領域HTRから電子輸送領域ETRに正孔が漏洩されることを防止する役割を果たす層である。正孔阻止層の厚さは約1nm~約100nmであり得る。
【0134】
正孔阻止層は例えば、BCP(2,9-dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline)、Bphen(4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline)、およびT2T(2,4,6-tri([1,1’-biphenyl]-3-yl)-1,3,5-triazine)のうちの少なくとも一つを含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0135】
一方、発光ユニットELはそれぞれ発光層EMLを含む。具体的に、発光ユニットEL一つ当り1個の発光層EMLを含むことができる。複数の発光層EMLはそれぞれ互いに異なる色の光を放出することもでき、互いに同じ色の光を放出することもできる。一実施形態によれば、第1~第3発光ユニットEL1、EL2、EL3が含む第1~第3発光層EML1、EML2、EML3は青色光を放出し、第4発光層EML4は緑色光を放出することができ、これに限定されるのではない。
【0136】
発光層EMLは有機化合物および半導体化合物のうちから選択される1種以上を含むことができるが、これに限定されない。発光層EMLが有機化合物を含む場合、発光素子は有機発光素子と称することができる。
【0137】
有機化合物はホストおよびドーパントを含むことができる。半導体化合物は量子ドットであってもよく、即ち、発光素子は量子ドット発光素子であり得る。または、半導体化合物は有機および/または無機ペロブスカイトであってもよい。
【0138】
発光層EMLの厚さは約0.1nm~約100nmであり得る。具体的に、発光層EMLの厚さは15nm~50nmであり得る。さらに具体的に、発光層EMLが青色光を放出する場合、青色発光層の厚さは15nm~20nmであり、発光層が緑色光を放出する場合、緑色発光層の厚さは20nm~40nmであり、発光層が赤色光を放出する場合、赤色発光層の厚さは40nm~50nmであり得る。前述の範囲を満たす場合、発光素子は実質的な駆動電圧上昇なく優れた発光特性を示すことができる。
【0139】
発光層EMLは、ホスト物質およびドーパント物質を含むことができる。発光層EMLはホスト物質に燐光または蛍光発光物質をドーパントとして使用して形成できる。発光層EMLは、ホスト物質に熱活性遅延蛍光(Thermally Activated Delayed Fluorescence、TADF)ドーパントを含んで形成できる。または、発光層EMLは、発光物質として量子ドット(Quantum Dot)物質を含むことができる。量子ドットのコアはII-VI族化合物、III-V族化合物、IV-VI族化合物、IV族元素、IV族化合物およびこれらの組み合わせから選択できる。
【0140】
発光層EMLから放出される光のカラーはホスト物質およびドーパント物質の組み合わせ、または量子ドット物質の種類およびコアの大きさなどによって決定できる。
【0141】
発光層EMLのホスト物質としては、公知の材料を使用することができ、特に限定されるのではないが、フルオランテン(fluoranthene)誘導体、ピレン(pyrene)誘導体、アリールアセチレン(arylacetylene)誘導体、アントラセン(anthracene)誘導体、フルオレン(fluorene)誘導体、ペリレン(perylene)誘導体、クリセン(chrysene)誘導体などから選択される。好ましくは、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、アントラセン誘導体が挙げられる。
【0142】
発光層EMLのドーパント物質としては、公知の材料を使用することができ、特に限定されるのではないが、スチリル誘導体(例えば、1,4-bis[2-(3-N-ethylcarbazoryl)vinyl]benzene(BCzVB)、4-(di-p-tolylamino)-4’-[(di-p-tolylamino)styryl]stilbene(DPAVB)、N-(4-((E)-2-(6-((E)-4-(diphenylamino)styryl)naphthalen-2-yl)vinyl)phenyl)-N-phenylbenzenamine(N-BDAVBi)、ペリレンおよびその誘導体(例えば、2,5,8、11-Tetra-t-butylperylene(TBP))、ピレンおよびその誘導体(例えば、1,1-dipyrene、1,4-dipyrenylbenzene、1,4-Bis(N,N-Diphenylamino)pyrene)、N1,N6-di(naphthalen-2-yl)-N1,N6-diphenylpyrene-1,6-diamine)などを含むことができる。
【0143】
発光素子は、第2電極E2上に配置されるキャッピング層CPLをさらに含むことができる。キャッピング層CPLは例えば、α-NPD、NPB、TPD、m-MTDATA、Alq、CuPc、TPD15(N4,N4,N4’,N4’-tetra(biphenyl-4-yl)biphenyl-4,4’-diamine)、TCTA(4,4’,4”-tris(N-carbazolyl)triphenylamine)、N,N’-bis(naphthalen-1-yl)、などを含むものであり得る。キャッピング層CPLは、発光素子の発光層EMLから放出された光が発光素子外部に効率的に出射されるように助ける役割を果たす。一実施形態の発光素子が薄膜封止層をさらに含む場合、キャッピング層CPLは第2電極E2と薄膜封止層の間に配置することができる。
【0144】
以下では図3図6を参照して一実施形態による表示装置について見てみる。図3は一実施形態による表示装置の概略的な分解斜視図であり、図4は一実施形態による表示パネルの平面図であり、図5は一実施形態による表示パネルの概略的な断面図であり、図6は一実施形態による表示パネルの断面図である。
【0145】
まず、図3を参照すれば、一実施形態による表示装置1000は、表示パネルDP、そしてハウジングHMを含むことができる。
【0146】
表示パネルDPでイメージが表示される一面は第1方向DR1と第2方向DR2が定義する面と平行である。イメージが表示される一面の法線方向、即ち、表示パネルDPの厚さ方向は第3方向DR3が指示する。各部材の前面(または上面)と背面(または下面)は第3方向DR3によって区分される。しかし、第1~第3方向DR1、DR2、DR3が指示する方向は相対的な概念であって他の方向に変換できる。
【0147】
表示パネルDPはフラットなリジッド表示パネルであってもよいが、これに制限されず、フレキシブル表示パネルであってもよい。一方、表示パネルDPは発光表示パネルからなり得る。
【0148】
表示パネルDPは、イメージが表示される表示領域DA、および表示領域DAに隣接した非表示領域PAを含む。非表示領域PAは、イメージが表示されない領域である。表示領域DAは一例として四角形状であってもよく、非表示領域PAは表示領域DAを囲む形状を有することができる。但し、これに制限されず、表示領域DAおよび非表示領域PAの形状は相対的にデザインできる。
【0149】
ハウジングHMは所定の内部空間を提供する。表示パネルDPはハウジングHM内部に実装される。ハウジングHMの内部には表示パネルDP以外に多様な電子部品、例えば電源供給部、保存装置、音響入出力モジュールなどが実装できる。
【0150】
図4を参照すると、表示パネルDPは、表示領域DAおよび非表示領域PAを含む。非表示領域PAは表示領域DAの縁に沿って定義できる。
【0151】
表示パネルDPは複数の画素PXを含む。複数の画素PXは基板SUB上の表示領域DA内に配置できる。画素PXそれぞれは有機発光ダイオードとそれに連結された画素駆動回路を含む。
【0152】
各画素PXは例えば、赤色、緑色、青色または白色の光を放出し、一例として発光素子(light emitting diode)を含むことができる。表示パネルDPは画素PXから放出される光を通じて所定のイメージを提供し、画素PXによって表示領域DAが定義される。本明細書で非表示領域PAは画素PXが配置されていない領域であって、イメージを提供しない領域を示す。
【0153】
表示パネルDPは、複数の信号線とパッド部を含むことができる。複数の信号線は、第1方向DR1に延長されたスキャン線SL、第2方向DR2に延長されたデータ線DLおよび駆動電圧線PLなどを含むことができる。
【0154】
スキャン駆動部20は、基板SUB上の非表示領域PAに位置する。スキャン駆動部20は、スキャン線SLを通じて各画素PXにスキャン信号を生成して伝達する。一実施形態によってスキャン駆動部20は表示領域DAの左側および右側に配置できる。本明細書はスキャン駆動部20が表示領域DAの両側に配置された構造を図示するが、他の実施形態としてスキャン駆動部は表示領域DAの一側にのみ配置されてもよい。
【0155】
パッド部40は表示パネルDPの一端部に配置され、複数の端子41、42、44、45を含む。パッド部40は絶縁層によって覆われず露出されて、フレキシブル印刷回路基板またはICチップのような制御部(図示せず)と電気的に接続できる。
【0156】
制御部は外部から伝達される複数の映像信号を複数の映像データ信号に変更し、変更された信号を,端子41を通じてデータ駆動部50に伝達する。また、制御部は垂直同期信号、水平同期信号、およびクロック信号の伝達を受けてスキャン駆動部20およびデータ駆動部50の駆動を制御するための制御信号を生成して端子44、41を通じてそれぞれに伝達することができる。制御部は端子42を通じて駆動電圧供給ライン60に駆動電圧ELVDDを伝達する。また、制御部は端子45を通じて共通電圧供給ラインVSSLそれぞれに共通電圧を伝達する。
【0157】
データ駆動部50は非表示領域PA上に配置され、データ線DLを通じて各画素PXにデータ信号を生成して伝達する。データ駆動部50は表示パネルDPの一側に配置でき、例えば、パッド部40と表示部10の間に配置できる。
【0158】
駆動電圧供給ライン60は非表示領域PA上に配置される。例えば、駆動電圧供給ライン60はデータ駆動部50および表示領域DAの間に配置できる。駆動電圧供給ライン60は駆動電圧を画素PXに提供する。駆動電圧供給ライン60は第1方向DR1に配置され、第2方向DR2に配置された複数の駆動電圧線PLと連結できる。
【0159】
共通電圧供給ラインVSSLは非表示領域PA上に配置され、画素PXの有機発光素子の共通電極に共通電圧ELVSSを提供する。共通電圧供給ラインVSSLは基板SUBの一側面から延長されて基板SUBの縁に沿って3面を囲む閉ループを形成することができる。
【0160】
共通電圧供給ラインVSSLは、メイン供給ライン70およびサブ供給ライン71などを含むことができる。
【0161】
図5を参照すれば、表示領域DAに該当する基板SUB上には複数の画素PX1、PX2、PX3を形成することができる。それぞれの画素PX1、PX2、PX3は複数のトランジスタおよびこれと連結された発光素子を含むことができる。具体的な積層構造は図6を参照して説明する。複数の画素PX1、PX2、PX3は同一な色を発光するか互いに異なる色を発光することができる。
【0162】
複数の画素PX1、PX2、PX3上には封止層ENCを配置することができる。表示領域DAは封止層ENCを通じて外気または水分などから保護できる。封止層ENCは表示領域DA前面と重畳するように一体に備えられてもよく、非表示領域PA上にも一部配置できる。
【0163】
封止層ENC上には第1色変換部CC1、第2色変換部CC2および第3色変換部CC3を配置することができる。第1~第3画素PX1、PX2、PX3から放出された光は第1~第3色変換部CC1、CC2、CC3を通過してそれぞれ赤色光LR、緑色光LGおよび青色光LBを発光することができる。
【0164】
図6を参照すれば、一実施形態による表示パネルは、画素部PPおよび画素部PP上に位置する色変換部CCを含むことができる。
【0165】
図5で説明した基板SUB上に位置する複数の画素PX1、PX2、PX3を含む画素部(PP)についてまず見てみる。
【0166】
基板SUBはガラスなどの無機絶縁物質またはポリイミドPIのようなプラスチックなどの有機絶縁物質を含むことができる。基板SUBは単層または多層であり得る。基板SUBは順次に積層された高分子樹脂を含む少なくとも一つのベース層と少なくとも一つの無機層が交互に積層された構造を有することができる。
【0167】
基板SUBは、多様な程度の可撓性(flexibility)を有することができる。基板SUBは、リジッド(rigid)基板であるかベンディング(bending)、フォルディング(folding)、ローリング(rolling)などの可能なフレキシブル(flexible)基板であり得る。
【0168】
基板SUBの上にはバッファー層BFを配置することができる。バッファー層BFは基板SUBからバッファー層BFの上部層、特に半導体層ACTに不純物が伝達されることを遮断して半導体層ACTの特性劣化を防止しストレスを緩和させることができる。バッファー層BFは窒化ケイ素または酸化ケイ素などの無機絶縁物質または有機絶縁物質を含むことができる。バッファー層BFの一部または全体は省略されてもよい。
【0169】
バッファー層BF上に半導体層ACTが位置する。半導体層ACTは多結晶シリコンおよび酸化物半導体のうちの少なくとも一つを含むことができる。半導体層ACTは、チャンネル領域C、第1領域Pおよび第2領域Qを含む。第1領域Pおよび第2領域Qはそれぞれチャンネル領域Cの両側に配置されている。チャンネル領域Cは少量の不純物がドーピングされているか、不純物がドーピングされていない半導体を含み、第1領域Pおよび第2領域Qはチャンネル領域Cに比べて多量の不純物がドーピングされている半導体を含むことができる。半導体層ACTは酸化物半導体からなってもよく、この場合には高温などの外部環境にぜい弱な酸化物半導体物質を保護するために別途の保護層(図示せず)を追加することができる。
【0170】
半導体層ACTの上には第1ゲート絶縁層GI1が位置する。
【0171】
第1ゲート絶縁層GI1の上にはゲート電極GEおよび下部電極LEが位置する。実施形態によってゲート電極GEおよび下部電極LEは一体に形成できる。ゲート電極GEおよび下部電極LEは、銅(Cu)、銅合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、モリブデン(Mo)、モリブデン合金、チタン(Ti)およびチタン合金のうちのいずれか一つを含む金属膜が積層された単層または多層膜であり得る。ゲート電極GEは半導体層ACTのチャンネル領域Cと重畳できる。
【0172】
ゲート電極GEおよび第1ゲート絶縁層GI1の上には第2ゲート絶縁層GI2を配置することができる。第1ゲート絶縁層GI1および第2ゲート絶縁層GI2はシリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)およびシリコン窒酸化物(SiO)のうちの少なくとも一つを含む単層または多層であり得る。
【0173】
第2ゲート絶縁層GI2上には上部電極UEを配置することができる。上部電極UEは下部電極LEと重畳しながら蓄積容量を形成することができる。
【0174】
上部電極UE上には第1層間絶縁層IL1が位置する。第1層間絶縁層IL1は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)およびシリコン窒酸化物(SiO)のうちの少なくとも一つを含む単層または多層であり得る。
【0175】
第1層間絶縁層IL1の上にソース電極SEとドレイン電極DEが位置する。ソース電極SEとドレイン電極DEは絶縁層に形成された接触孔を通じて半導体層ACTの第1領域Pおよび第2領域Qとそれぞれ連結される。
【0176】
ソース電極SEおよびドレイン電極DEはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、および/または銅(Cu)などを含むことができ、これを含む単一層または多層構造であり得る。
【0177】
第1層間絶縁層IL1、ソース電極SEおよびドレイン電極DEの上には第2層間絶縁層IL2が位置する。第2層間絶縁層IL2はPolymethylmethacrylate(PMMA)やPolystyrene(PS)のような一般汎用高分子、フェノール系グループを有する高分子誘導体、アクリル系高分子、イミド系高分子、ポリイミド、アクリル系ポリマー、シロキサン系ポリマーなどの有機絶縁物質を含むことができる。
【0178】
第2層間絶縁層IL2の上には第1電極E1を配置することができる。第1電極E1は第2層間絶縁層IL2の接触孔を通じてドレイン電極DEと連結できる。
【0179】
第1電極E1は銀(Ag)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、金(Au)のような金属を含むことができ、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような透明導電性酸化物(TCO)を含むこともできる。第1電極E1は、金属物質または透明導電性酸化物を含む単一層またはこれらを含む多重層からなり得る。例えば、第1電極E1はインジウムスズ酸化物(ITO)/銀(Ag)/インジウムスズ酸化物(ITO)の三重層構造を有することができる。
【0180】
ゲート電極GE、半導体層ACT、ソース電極SEおよびドレイン電極DEからなるトランジスタは第1電極E1に接続されて発光素子に電流を供給する。
【0181】
第2層間絶縁層IL2と第1電極E1の上には隔壁IL3が位置する。図示しなかったが、隔壁IL3上にスペーサ(図示せず)が配置されてもよい。隔壁IL3は、第1電極E1の少なくとも一部と重畳し発光領域を定義する隔壁開口部を有する。
【0182】
隔壁IL3は、Polymethylmethacrylate(PMMA)やPolystyrene(PS)のような一般汎用高分子、フェノール系基を有する高分子誘導体、アクリル系高分子、イミド系高分子、ポリイミド、アクリル系ポリマー、シロキサン系ポリマーなどの有機絶縁物質を含むことができる。
【0183】
隔壁IL3上には第1発光ユニットEL1、第1のn型電荷発生層n-CGL1、第1のp型電荷生成層p-CGL1、第2発光ユニットEL2、第2のn型電荷発生層n-CGL2、第2のp型電荷発生層p-CGL2、第3発光ユニットEL3、第3のn型電荷発生層n-CGL3、第3のp型電荷発生層p-CGL3、および第4発光ユニットEL4が順次に配置できる。第1発光ユニットEL1、第1のn型電荷発生層n-CGL1、第1のp型電荷発生層p-CGL1、第2発光ユニットEL2、第2のn型電荷発生層n-CGL2、第2のp型電荷発生層p-CGL2、第3発光ユニットEL3、第3のn型電荷発生層n-CGL3、第3のp型電荷発生層p-CGL3、および第4発光ユニットEL4は、複数の画素領域にわたって共通的に配置できる。しかし、これに制限されず、第1発光ユニットEL1、第1のn型電荷発生層n-CGL1、第1のp型電荷発生層p-CGL1、第2発光ユニットEL2、第2のn型電荷発生層n-CGL2、第2のp型電荷発生層p-CGL2、第3発光ユニットEL3、第3のn型電荷発生層n-CGL3、第3のp型電荷発生層p-CGL3、および第4発光ユニットEL4のうちの少なくとも一部は、隔壁IL3の開口部内にのみパターニングされて配置されてもよい。第1発光ユニットEL1、第1のn型電荷発生層n-CGL1、第1のp型電荷発生層p-CGL1、第2発光ユニットEL2、第2のn型電荷発生層n-CGL2、第2のp型電荷発生層p-CGL2、第3発光ユニットEL3、第3のn型電荷発生層n-CGL3、第3のp型電荷発生層p-CGL3、および第4発光ユニットEL4に関する詳細な説明は先に図1図2で説明した一実施形態による発光素子の説明が適用できる。
【0184】
第4発光ユニットEL4の上には第2電極E2が位置する。第2電極E2は、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)などを含む反射性金属またはインジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような透明導電性酸化物(TCO)を含むことができる。
【0185】
第1電極E1、第1発光ユニットEL1、第1のn型電荷発生層n-CGL1、第1のp型電荷発生層p-CGL1、第2発光ユニットEL2、第2のn型電荷発生層n-CGL2、第2のp型電荷発生層p-CGL2、第3発光ユニットEL3、第3のn型電荷発生層n-CGL3、第3のp型電荷発生層p-CGL3、第4発光ユニットEL4、および第2電極E2は発光素子を構成することができる。ここで、第1電極E1は正孔注入電極であるアノードであり、第2電極E2は電子注入電極であるカソードであり得る。しかし、実施形態は必ずしもこれに限定されるのではなく、発光表示装置の駆動方法によって第1電極E1がカソードとなり、第2電極E2がアノードとなってもよい。
【0186】
第2電極E2の上に封止層ENCが位置する。封止層ENCは発光素子の上部面だけでなく側面まで覆って密封することができる。発光素子は水分と酸素に非常にぜい弱なので、封止層ENCが発光素子を密封して外部の水分および酸素の流入を遮断する。
【0187】
封止層ENCは複数の層を含むことができ、そのうち無機層と有機層を全て含む複合膜から形成でき、一例として第1封止無機層EIL1、封止有機層EOL、第2封止無機層EIL2が順次に形成された3重層に形成できる。
【0188】
第1封止無機層EIL1は第2電極E2をカバーすることができる。第1封止無機層EIL1は外部水分や酸素が発光素子に浸透するのを防止することができる。例えば、第1封止無機層EIL1は、シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物またはこれらが組み合わせられた化合物を含むことができる。第1封止無機層EIL1は蒸着工程を通じて形成できる。
【0189】
封止有機層EOLは第1封止無機層EIL1上に配置されて第1封止無機層EIL1に接触できる。第1封止無機層EIL1上面に形成された屈曲や第1封止無機層EIL1上に存在するパーティクル(particle)などは封止有機層EOLによってカバーされて、第1封止無機層EIL1の上面の表面状態が封止有機層EOL上に形成される構成に及ぼす影響を遮断することができる。また、封止有機層EOLは接触する層の間の応力を緩和させることができる。封止有機層EOLは有機物を含むことができ、スピンコーティング、スリットコーティング、インクジェット工程のような溶液工程を通じて形成できる。
【0190】
第2封止無機層EIL2は封止有機層EOL上に配置されて封止有機層EOLをカバーする。第2封止無機層EIL2は第1封止無機層EIL1上に配置されることより相対的に平坦な面に安定的に形成できる。第2封止無機層EIL2は、封止有機層EOLから放出される水分などを封止して外部に流入することを防止する。第2封止無機層EIL2は、シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物またはこれらが組み合わせられた化合物を含むことができる。第2封止無機層EIL2は蒸着工程を通じて形成できる。
【0191】
本明細書は図示しなかったが、第2電極E2と封止層ENCの間に位置するキャッピング層(capping layer)をさらに含むことができる。キャッピング層は有機物質を含むことができる。キャッピング層は後続の工程、例えばスパッタリング工程から第2電極E2を保護し、発光素子の出光効率を向上させる。キャッピング層は第1封止無機層EIL1より大きな屈折率を有することができる。
【0192】
封止層ENC上に色変換部CCが位置する。
【0193】
色変換部CCは封止層ENC上に位置する第1絶縁層P1を含む。第1絶縁層P1は表示領域全体と重畳するように一体に形成できる。第1絶縁層P1はシリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)およびシリコン窒酸化物(SiO)のうちの少なくとも一つを含む単層または多層であり得る。
【0194】
第1絶縁層P1上には第1遮光層BM1を配置することができる。第1遮光層BM1は、第1色変換層CCL1、第2色変換層CCL2および透過層CCL3が位置する領域を定義することができる。
【0195】
第1遮光層BM1によって定義される領域内には第1色変換層CCL1、第2色変換層CCL2、および透過層CCL3が位置する。第1色変換層CCL1、第2色変換層CCL2、および透過層CCL3はインクジェット工程で形成でき、これに制限されずいかなる製造方法を使用して形成することもできる。
【0196】
透過層CCL3は発光素子から入射される第1波長の光を透過し、複数の散乱体SCを含むことができる。このとき、第1波長の光は、最大発光ピーク波長が約380nm~約480nm、例えば、約420nm以上、約430nm以上、約440nm以上、または約445nm以上、そして約470nm以下、約460nm以下、または約455nm以下である青色光になり得る。
【0197】
第1色変換層CCL1は発光素子から入射された第1波長の光を赤色光に色変換し、複数の散乱体SCと複数の第1量子ドットSN1を含むことができる。このとき、赤色光は最大発光ピーク波長が約600nm~約650nm、例えば、約620nm~約650nmになり得る。
【0198】
第2色変換層CCL2は発光素子から入射された第1波長の光を緑色光に色変換し、複数の散乱体SCと複数の第2量子ドットSN2を含むことができる。緑色光は最大発光ピーク波長が約500nm~約550nm、例えば、約510nm~約550nmになり得る。
【0199】
複数の散乱体SCは、第1色変換層CCL1、第2色変換層CCL2、および透過層CCL3に入射される光を散乱させて光の効率を高めることができる。
【0200】
第1量子ドットSN1および第2量子ドットSN2(以下、半導体ナノ結晶とも言う)それぞれは独立して、II-VI族化合物、III-V族化合物、IV-VI族化合物、IV族元素または化合物、I-III-VI族化合物、II-III-VI族化合物、I-II-IV-VI族化合物、またはこれらの組み合わせを含むことができる。量子ドットはカドミウムを含まなくてもよい。
【0201】
II-VI族化合物は、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、MgSe、MgS、およびこれらの混合物からなる群より選択される二元化合物;AgInS、CuInS、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、MgZnSe、MgZnS、およびこれらの混合物からなる群より選択される三元化合物;およびHgZnTeS、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、およびこれらの混合物からなる群より選択される四元化合物からなる群より選択できる。II-VI族化合物は、III族金属をさらに含んでもよい。
【0202】
III-V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、およびこれらの混合物からなる群より選択される二元化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InGaP、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InZnP、InPSb、およびこれらの混合物からなる群より選択される三元化合物;およびGaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb、InZnP、およびこれらの混合物からなる群より選択される四元化合物からなる群より選択できる。前記III-V族化合物は、II族金属をさらに含んでもよい(例えば、InZnP)。
【0203】
IV-VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、およびこれらの混合物からなる群より選択される二元化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、およびこれらの混合物からなる群より選択される三元化合物;およびSnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、およびこれらの混合物からなる群より選択される四元化合物からなる群より選択できる。
【0204】
IV族元素または化合物はSi、Geおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される単元素;およびSiC、SiGe、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される二元化合物からなる群より選択できるが、これに制限されない。
【0205】
I族-III族-VI族化合物の例は、CuInSe、CuInS、CuInGaSe、およびCuInGaSを含むが、これに制限されない。I-II-IV-VI族化合物の例はCuZnSnSe、およびCuZnSnSを含むが、これに制限されない。IV族元素または化合物はSi、Geおよびこれらの混合物からなる群より選択される単元素;およびSiC、SiGeおよびこれらの混合物からなる群より選択される二元化合物からなる群より選択できる。
【0206】
II族-III-VI族化合物は、ZnGaS、ZnAlS、ZnInS、ZnGaSe、ZnAlSe、ZnInSe、ZnGaTe、ZnAlTe、ZnInTe、ZnGaO、ZnAlO、ZnInO、HgGaS、HgAlS、HgInS、HgGaSe、HgAlSe、HgInSe、HgGaTe、HgAlTe、HgInTe、MgGaS、MgAlS、MgInS、MgGaSe、MgAlSe、MgInSe、およびこれらの組み合わせからなる群より選択できるが、これに制限されない。
【0207】
I族-II族-IV族-VI族化合物はCuZnSnSeおよびCuZnSnSから選択できるが、これに制限されない。
【0208】
一実施形態で、量子ドットは、カドミウムを含まなくてもよい。量子ドットは、インジウムおよびリンを含むIII-V族化合物基盤の半導体ナノ結晶を含むことができる。III-V族化合物は亜鉛をさらに含むことができる。量子ドットは、カルコゲン元素(例えば、硫黄、セレン、テルル、またはこれらの組み合わせ)および亜鉛を含むII-VI族化合物に基づく半導体ナノ結晶を含むことができる。
【0209】
量子ドットで、前述の二元化合物、三元化合物および/または四元化合物は、均一な濃度で粒子内に存在するか、濃度分布が部分的に異なる状態に分けられて同一粒子内に存在するものであり得る。また、一つの量子ドットが他の量子ドットを囲むコア/シェル構造を有することもできる。コアとシェルの界面はシェルに存在する元素の濃度が中心に行くほど低くなる濃度勾配(gradient)を有することができる。
【0210】
いくつかの実施形態で、量子ドットは前述のナノ結晶を含むコアおよびコアを囲むシェルを含むコア-シェル構造を有することができる。量子ドットのシェルはコアの化学的変性を防止して半導体特性を維持するための保護層の役割および/または量子ドットに電気泳動特性を付与するためのチャージング層(charging layer)の役割を果たすことができる。シェルは単層または多重層であり得る。コアとシェルの界面はシェルに存在する元素の濃度が中心に行くほど低くなる濃度勾配(gradient)を有することができる。量子ドットのシェルの例としては、金属または非金属の酸化物、半導体化合物またはこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0211】
例えば、金属または非金属の酸化物は、SiO、Al、TiO、ZnO、MnO、Mn、Mn、CuO、FeO、Fe、Fe、CoO、Co、NiOなどの二元化合物、またはMgAl、CoFe、NiFe、CoMnなどの三元化合物を例示することができるが、本発明がこれに制限されるわけではない。
【0212】
また、半導体化合物は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnSeS、ZnTeS、GaAs、GaP、GaSb、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InP、InGaP、InSb、AlAs、AlP、AlSbなどを例示することができるが、本発明がこれに制限されるわけではない。
【0213】
コアとシェルの界面は、シェルに存在する元素の濃度が中心に行くほど低くなる濃度勾配(gradient)を有することができる。また、半導体ナノ結晶は、一つの半導体ナノ結晶コアとこれを囲む多層のシェルを含む構造を有することもできる。一実施形態で、多層シェルは2個以上の層、例えば、2個、3個、4個、5個、またはそれ以上の層を有することができる。シェルの隣接する2個の層は、単一組成または互いに異なる組成を有することができる。多層シェルでそれぞれの層は、半径に沿って変化する組成を有することができる。
【0214】
量子ドットは約45nm以下、好ましくは約40nm以下、さらに好ましくは約30nm以下の発光波長スペクトルの半値幅(full width of half maximum、FWHM)を有することができ、この範囲で色純度や色再現性を向上させることができる。また、このような量子ドットを通じて発光する光は全方向に放出されるので、光視野角が向上できる。
【0215】
量子ドットは、シェルの物質とコアの物質が互いに異なるエネルギーバンドギャップを有することができる。例えば、シェル物質のエネルギーバンドギャップはコア物質よりさらに大きくてもよい。他の実施形態で、シェル物質のエネルギーバンドギャップはコア物質よりさらに小さくてもよい。量子ドットは多層のシェルを有することができる。多層のシェルで外側層のエネルギーバンドギャップが内側層(即ち、コアに近い層)のエネルギーバンドギャップよりさらに大きくてもよい。多層のシェルで外側層のエネルギーバンドギャップが内側層のエネルギーバンドギャップよりさらに小さくてもよい。
【0216】
量子ドットは、組成および大きさを調節して吸収/発光波長を調節することができる。量子ドットの最大発光ピーク波長は、紫外線乃至赤外線波長またはそれ以上の波長範囲を有することができる。
【0217】
量子ドットは、(例えば、疎水性残基および/または親水性残基を有する)有機リガンドを含むことができる。有機リガンド残基は量子ドットの表面に結合できる。有機リガンドは、RCOOH、RNH、RNH、RN、RSH、RPO、RP、ROH、RCOOR、RPO(OH)、RHPOOH、RPOOH、またはこれらの組み合わせを含み、ここで、Rはそれぞれ独立して炭素数3~40(例えば、炭素数5以上および炭素数24以下)の置換もしくは未置換のアルキル、置換もしくは未置換のアルケニルなど炭素数3~40の置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の炭素数6~40のアリール基など炭素数6~40(例えば、炭素数6以上および炭素数20以下)の置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0218】
有機リガンドの例は、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、オクタンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、ベンジルチオールなどのチオール化合物;メタンアミン、エタンアミン、プロパンアミン、ブタンアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、などのアミン類;メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ドデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸(oleic acid)、安息香酸などのカルボキシ酸化合物;メチルホスフィン、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、ペンチルホスフィン、オクチルホスフィン、ジオクチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、などのホスフィン化合物;メチルホスフィンオキシド、エチルホスフィンオキシド、プロピルホスフィンオキシド、ブチルホスフィンオキシド、ペンチルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、オクチルホスフィンオキシド、ジオクチルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシドなどのホスフィン化合物またはそのオキシド化合物;ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン化合物またはそのオキシド化合物;ヘキシルホスフィン酸、オクチルホスフィン酸、ドデカンホスフィン酸、テトラデカンホスフィン酸、ヘキサデカンホスフィン酸、オクタデカンホスフィン酸など炭素数5~20のアルキルホスフィン酸、炭素数5~20のアルキルホスホン酸;などが挙げられるが、これに制限されるわけではない。量子ドットは、疎水性有機リガンドを単独でまたは1種以上の混合物で含むことができる。疎水性有機リガンドは(例えば、アクリレート基、メタクリレート基など)光重合性残基を含まなくてもよい。
【0219】
第1色変換層CCL1、第2色変換層CCL2、および透過層CCL3上には第2絶縁層P2を配置することができる。第2絶縁層P2は第1色変換層CCL1、第2色変換層CCL2、および透過層CCL3を覆って保護することによって、第1色変換層CCL1、第2色変換層CCL2、および透過層CCL3に異物が流入することを防止する。
【0220】
第2絶縁層P2は低屈折率層をさらに含むことができる。低屈折率層は約1.1~1.3の屈折率を有することができる。低屈折率層は前述の屈折率を満たすいかなる有機物質または無機物質も含むことができる。
【0221】
第2絶縁層P2上に第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、および第3カラーフィルタCF3を配置することができる。
【0222】
第1カラーフィルタCF1は第1色変換層CCL1を通過した赤色光は透過させ、残り波長の光は吸収することができて、表示装置外側に放出される赤色光の純度を高めることができる。第2カラーフィルタCF2は第2色変換層CCL2を通過した緑色光は透過させ、残り波長の光は吸収することができて、表示装置外側に放出される緑色光の純度を高めることができる。第3カラーフィルタCF3は透過層CCL3を通過した青色光は透過させ、残り波長の光は吸収することができて、表示装置外側に放出される青色光の純度を高めることができる。
【0223】
第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、および第3カラーフィルタCF3の間には第2遮光層BM2を配置することができる。第2遮光層BM2は、第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、および第3カラーフィルタCF3のうちの少なくとも2以上が重畳した形態であり得る。
【実施例0224】
[発光素子積層構造]
ITO/Ag/ITO積層構造を有する第1電極、第1発光ユニット、第1電荷発生層、第2発光ユニット、第2電荷発生層、第3発光ユニット、第3電荷発生層、第4発光ユニット、1nm厚さのYb、10nm厚さのAgMgを含む第2電極、および70nm厚さのキャッピング層が順次に積層された一実施形態による発光素子を製作した。
【0225】
第1発光ユニットは、5nm厚さのHAT-CNを含む正孔注入層、60nm厚さのNPB、そして5nm厚さのm-MTDTAを含む正孔輸送層、青色発光層、5nm厚さのT2Tを含む正孔阻止層、20nm厚さのTPM-TAZとLiqを含む電子輸送層を含むことができる。
【0226】
第1電荷発生層は、CBP(4,4’-Bis(N-carbazolyl)-1,1’-biphenyl)にLiまたはYbがドーピングされた第1のn型電荷発生層、そして5nm厚さの正孔輸送層と同一物質およびNDP-9を含む第1のp型電荷発生層を含むことができる。
【0227】
第2発光ユニットは、5nm厚さのm-MTDTAを含む正孔輸送層、青色発光層、5nm厚さのT2Tを含む正孔阻止層、20nm厚さのTPM-TAZとLiqを含む電子輸送層を含むことができる。
【0228】
第2電荷発生層は、CBP(4,4’-Bis(N-carbazolyl)-1,1’-biphenyl)にLiまたはYbがドーピングされた第2のn型電荷発生層、そして5nm厚さの正孔輸送層と同一物質およびNDP-9を含む第2のp型電荷発生層を含むことができる。
【0229】
第3発光ユニットは、60nm厚さのNPBを含む正孔輸送層、青色発光層、5nm厚さのT2Tを含む正孔阻止層、20nm厚さのTPM-TAZとLiqを含む電子輸送層を含むことができる。
【0230】
第3電荷発生層は、CBP(4,4’-Bis(N-carbazolyl)-1,1’-biphenyl)にLiまたはYbがドーピングされた第3のn型電荷発生層、そして50オングストローム厚さの正孔輸送層と同一物質およびNDP-9を含む第3のp型電荷発生層を含むことができる。
【0231】
第4発光ユニットは、5nm厚さのHAT-CNを含む正孔注入層、60nm厚さのNPB、そして5nm厚さのTCTAを含む正孔輸送層、緑色発光層、30nm厚さのTPM-TAZとLiqを含む正孔輸送層を含むことができる。
【0232】
各層を形成するのに用いられた材料は下記の通りである。
【0233】
【化33】
【0234】
比較例1~比較例2、そして実施例1~実施例6は下記のように第1のn型電荷発生層、第2のn型電荷発生層、第3のn型電荷発生層のドーパントのみが異なり、他の構成は前述の通りである。
【0235】
【表1】
【0236】
比較例1、比較例2、実施例1~6による発光素子に対して、比抵抗、n-CGL全体吸収率、200nit輝度で測定されたW効率、BT2020を表2に示した。
【0237】
【表2】
【0238】
表2を参照すると、実施例1~6は比較例1に比べて比抵抗、n-CGL全体(Total)吸収率、W効率、およびBT2020による色一致率が全て向上するのが分かる。一方、比較例2の場合、比較例1に比べて大部分の特性が向上するのを確認したが、W効率が減少するのを確認した。したがって、全ての特性が向上する範囲の発光素子は複数のn型電荷発生層のうちの少なくともいずれか一つはLiを含み、少なくともいずれか一つはYbを含む実施例であるのを確認した。
【0239】
以下では図7a~図10を参照して実施例および比較例について説明する。図7a、図7b、図7cそれぞれは実施例1、実施例2および実施例3に対する漏洩電流を見た回路図であり、図7dおよび図7eそれぞれは比較例1および比較例2に対する漏洩電流を見た回路図であり、図8は一実施形態による表示パネルの漏洩電流を示す模式図であり、図9aは実施例による発光イメージであり、図9bは比較例による発光イメージであり、図10は階調による色変位特性を示すグラフである。
【0240】
図7a~図7eは実施例1~実施例3、比較例1および比較例2の発光素子に対して正常に点灯される画素からa距離だけ離れた地点に位置する発光素子に流れる漏洩電流を見た内容である。
【0241】
図7a、図7bおよび図7cを見ると、図7aによれば、実施例1のように第1のn型電荷発生層がYbでドーピングされた場合、第1のn型電荷発生層の抵抗(RL2)は200KΩであり、第4発光ユニットに流れる漏洩電流は58.66μmAであり得る。図7bによれば、実施例2のように第2のn型電荷発生層がYbでドーピングされた場合、第2のn型電荷発生層の抵抗(RL3)は200KΩであり、第4発光ユニットに流れる漏洩電流は62.56μmAであり得る。図7cによれば、実施例3のように第3のn型電荷発生層がYbでドーピングされた場合、第3のn型電荷発生層の抵抗(RL4)は200KΩであり、第4発光ユニットに流れる漏洩電流は66.39μmAであり得る。一方、図7dによれば、比較例1のようにn型電荷発生層が全てLiでドーピングされた場合、全てのn型電荷発生層の抵抗は100KΩであり、この時、第4発光ユニットに流れる漏洩電流は70.46μmAであり得る。図7eによれば、比較例2のようにn型電荷発生層が全てYbでドーピングされた場合、全てのn型電荷発生層の抵抗は200KΩであり、第4発光ユニットに流れる漏洩電流は46.08μmAであり得る。
【0242】
図7a~図7eをまとめると、複数のn型電荷発生層のうちの少なくとも一つがLiを含み、残りのn型電荷発生層のうちの少なくとも一つがYbを含む実施例の場合、隣接画素での漏洩電流が減少するのを確認した。複数のn型電荷発生層が全てYbでドーピングされる場合、漏洩電流が最も減少するのが分かる。但し、この場合、上記表2に示すように、比較例2の場合、漏洩電流は制御されても、光効率が減少するので、表示装置に適しないことが分かる。
【0243】
表2と図7aの結果値を考慮すると、W効率と色一致率が向上し、側面漏洩電流値を効果的に下げるために、第1のn型電荷発生層がYbを含み、第3のn型電荷発生層がLiを含む実施例1が好ましく使用できるのを確認した。
【0244】
図8に示されたところを参照すれば、一画素PX2で発光のための電圧が印加される場合、正孔輸送領域HTR、電荷発生層n-CGL、p-CGLなどに沿って隣接した画素PX1、PX2に電流が流れる(電流移動経路を矢印で表示)。これを本明細書は側面電流漏洩と称する。これによれば、一画素PX2の側面から漏洩された電流によって隣接した画素PX1、PX3で意図しない発光が起こることがある。これにより、混色が発生するか、光ロス(loss)によって発光する色の特性が低下することがある。
【0245】
図9aの上側グラフに示されているように、実施例によって隣接画素に対する漏洩電流が抑制される場合、下側イメージに示されているように隣接画素で意図しない発光が抑制されることを確認した。反面、図9bを参照すると、比較例によれば、上側に示されたグラフのように隣接した画素で漏洩電流が確認され、これにより下側に添付されたイメージのように隣接した画素で発光が行われることを確認した。
【0246】
図10を参照し、実施例1に対して階調別色変位特性(カラーリニアリティ、color linearity)を見た。実施例1の場合、リファレンス(Ref)と類似の形態の色変位特性を示すのを確認し、これにより表示品質が向上することを確認した。
【0247】
複数の発光ユニットが積層された発光素子を含む表示装置では、隣接した画素間に発生される漏洩電流によって不必要な画素が点灯する問題がある。不必要に点灯する画素を寄生点灯と呼ぶことができる。一実施形態による発光素子は一部n型電荷発生層がランタン金属でドーピングされることによって相対的に高い抵抗を有し、漏洩電流を遮断することができる。これによれば、寄生点灯を防止して表示装置の色領域特性、そしてカラーリニアリティなどのような表示品質を向上させることができる。
【0248】
以上で本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するのである。
【符号の説明】
【0249】
E1:第1電極、E2:第2電極、EL1、EL2、EL3、EL4:発光ユニット、CGL:電荷発生層、n-CGL1、n-CGL2、n-CGL3:n型電荷発生層、p-CGL1、p-CGL2、p-CGL3:p型電荷発生層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図8
図9a
図9b
図10