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特開2023-48860省エネ化制御システム、省エネ化制御方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048860
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】省エネ化制御システム、省エネ化制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20230331BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20230331BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158413
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】白倉 裕二郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】施設の省エネルギー化を効率よく実現することができる省エネ化制御システムを提供する。
【解決手段】省エネ化制御システム10は、施設1の省エネ目標値を設定する設定部34と、施設1内の複数のエリア2のそれぞれの電力使用量を取得する第一取得部32aと、各エリア2の利用者の人数を取得する第二取得部32bと、各エリア2について取得された電力使用量と利用者の人数とに基づいて各エリア2の電力使用効率を算出する算出部32cと、電力使用量に基づいて所定時間後の施設1の総電力使用量を予測し、総電力使用量に基づいて所定時間後に省エネ目標値を超過すると判定された場合、省エネ目標値を下回るように電力使用効率が基準値を下回るエリアの中から設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aを選定する選定部32dと、選定された少なくとも1つのエリア2aの設備3の電源をOFFする制御を行う第一情報端末5と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の省エネ目標値を設定する設定部と、
前記施設内の複数のエリアのそれぞれの電力使用量を取得する第一取得部と、
前記複数のエリアのそれぞれの利用者の人数を取得する第二取得部と、
前記複数のエリアのそれぞれについて取得された前記電力使用量と前記利用者の人数とに基づいて、前記複数のエリアのそれぞれの電力使用効率を算出する算出部と、
前記第一取得部により取得された前記電力使用量に基づいて、前記電力使用量を取得した時点から所定時間後の前記施設の総電力使用量を予測し、予測された前記総電力使用量に基づいて前記所定時間後に前記省エネ目標値を超過すると判定された場合、前記省エネ目標値を下回るように、前記複数のエリアのうち前記電力使用効率が基準値を下回るエリアの中から設備電源をOFFする少なくとも1つのエリアを選定する選定部と、
前記選定部により選定された前記少なくとも1つのエリアの前記設備電源をOFFする制御を行う制御部と、
を備える、
省エネ化制御システム。
【請求項2】
前記選定部は、
前記電力使用効率が前記基準値を下回るエリアのうち前記電力使用効率が最も低いエリアから順に、前記設備電源をOFFする候補である少なくとも1つのエリア候補を選定し、
選定された前記少なくとも1つのエリア候補の前記設備電源をOFFした場合の前記総電力使用量を予測し、
予測された前記総電力使用量に基づいて前記所定時間後に前記省エネ目標値を超過しないと判定された場合、前記少なくとも1つのエリア候補を、前記設備電源をOFFする少なくとも1つのエリアに選定する、
請求項1に記載の省エネ化制御システム。
【請求項3】
前記第二取得部は、前記施設の利用者の位置情報、及び、当該利用者が所持する情報端末の前記施設内のネットワークアクセスポイントへのアクセス情報の少なくとも1つに基づいて所定の周期で算出された、前記複数のエリアのそれぞれの前記利用者の人数を取得する、
請求項1又は2に記載の省エネ化制御システム。
【請求項4】
さらに、前記複数のエリアのうち前記設備電源をOFFするエリアに関する情報と、前記設備電源をOFFしないエリアに関する情報とを含む通知情報を前記施設の利用者に通知する通知部を備え、
前記通知部は、前記制御部により前記設備電源をOFFする制御が行われる前に前記施設の利用者に前記通知情報を通知する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の省エネ化制御システム。
【請求項5】
前記選定部は、さらに、
前記電力使用効率が前記基準値を上回るエリアの中から前記電力使用効率が最も高いエリアから順に、前記設備電源をOFFする少なくとも1つのエリアの利用者に移動を促す候補である少なくとも1つの移動先エリア候補を選定し、
前記通知部は、前記施設の利用者のうち前記設備電源をOFFする少なくとも1つのエリアの利用者に、当該利用者が利用しているエリアが前記設備電源をOFFする少なくとも1つのエリアに該当することの通知と、前記少なくとも1つの移動先エリア候補への移動指示とを含む前記通知情報を通知する、
請求項4に記載の省エネ化制御システム。
【請求項6】
前記通知部は、前記設備電源をOFFする少なくとも1つのエリアの利用者に、当該利用者が利用しているエリアに近い順、又は、前記電力使用効率が高い順に、前記少なくとも1つの移動先エリア候補を通知する、
請求項5に記載の省エネ化制御システム。
【請求項7】
前記第二取得部は、さらに、前記施設の利用者が所持する情報端末の識別情報を取得し、
前記通知部は、前記施設の利用者のうち前記設備電源をOFFする少なくとも1つのエリアの利用者が所持する情報端末の識別情報と共に前記通知情報を出力することにより、前記設備電源をOFFする少なくとも1つのエリアの利用者に前記通知情報を通知する、
請求項5又は6に記載の省エネ化制御システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記設備電源をOFFする少なくとも1つのエリアのそれぞれについて、当該エリアの利用者の人数が0になった場合に、当該エリアの前記設備電源をOFFする制御を行う、
請求項1~7のいずれか1項に記載の省エネ化制御システム。
【請求項9】
前記省エネ目標値は、電力デマンド制御により設定される30分時限内のデマンド目標値である、
請求項1~8のいずれか1項に記載の省エネ化制御システム。
【請求項10】
施設の省エネ目標値を設定する設定ステップと、
前記施設内の複数のエリアのそれぞれの電力使用量を取得する第一取得ステップと、
前記複数のエリアのそれぞれの利用者の人数を取得する第二取得ステップと、
前記複数のエリアのそれぞれについて取得された前記電力使用量と前記利用者の人数とに基づいて、前記複数のエリアのそれぞれの電力使用効率を算出する算出ステップと、
前記第一取得ステップで取得された前記電力使用量に基づいて前記電力使用量を取得した時点から所定時間後の前記施設の総電力使用量を予測し、予測された前記総電力使用量に基づいて前記所定時間後に前記省エネ目標値を超過すると判定された場合、前記省エネ目標値を下回るように、前記複数のエリアのうち前記電力使用効率が基準値を下回るエリアの中から設備電源をOFFする少なくとも1つのエリアを選定する選定ステップと、
前記選定ステップで選定された前記少なくとも1つのエリアの前記設備電源をOFFする制御を行う制御ステップと、
を含む、
省エネ化制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の省エネ化制御方法をコンピュータに実行させるための
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネ化制御システム、省エネ化制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、温暖化対策を求められる中で、施設の省エネルギー化が推進されている。例えば、特許文献1には、施設全体の予測デマンド値が目標値を超過すると予測される場合に、電力デマンド対象機器が配置されたエリアの在室人数が少なく、かつ、機器が稼働していないエリアほど電力遮断の優先順位を高く設定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-187987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、デマンド実績値をデマンド目標値よりも下回らせるために、比較的多くのエリアの電源遮断を行う必要があるため、施設の省エネルギー化を効率よく実現できているとは言い難い。
【0005】
そこで、本発明は、施設の省エネルギー化を効率よく実現することができる省エネ化制御システム、省エネ化制御方法、及び、プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る省エネ化制御システムは、施設の省エネ目標値を設定する設定部と、前記施設内の複数のエリアのそれぞれの電力使用量を取得する第一取得部と、前記複数のエリアのそれぞれの利用者の人数を取得する第二取得部と、前記複数のエリアのそれぞれについて取得された前記電力使用量と前記利用者の人数とに基づいて、前記複数のエリアのそれぞれの電力使用効率を算出する算出部と、前記第一取得部により取得された前記電力使用量に基づいて、前記電力使用量を取得した時点から所定時間後の前記施設の総電力使用量を予測し、予測された前記総電力使用量に基づいて前記所定時間後に前記省エネ目標値を超過すると判定された場合、前記省エネ目標値を下回るように、前記複数のエリアのうち前記電力使用効率が基準値を下回るエリアの中から設備電源をOFFする少なくとも1つのエリアを選定する選定部と、前記選定部により選定された前記少なくとも1つのエリアの前記設備電源をOFFする制御を行う制御部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る省エネ化制御方法は、施設の省エネ目標値を設定する設定ステップと、前記施設内の複数のエリアのそれぞれの電力使用量を取得する第一取得ステップと、前記複数のエリアのそれぞれの利用者の人数を取得する第二取得ステップと、前記複数のエリアのそれぞれについて取得された前記電力使用量と前記利用者の人数とに基づいて、前記複数のエリアのそれぞれの電力使用効率を算出する算出ステップと、前記第一取得ステップで取得された前記電力使用量に基づいて前記電力使用量を取得した時点から所定時間後の前記施設の総電力使用量を予測し、予測された前記総電力使用量に基づいて前記所定時間後に前記省エネ目標値を超過すると判定された場合、前記省エネ目標値を下回るように、前記複数のエリアのうち前記電力使用効率が基準値を下回るエリアの中から設備電源をOFFする少なくとも1つのエリアを選定する選定ステップと、前記選定ステップで選定された前記少なくとも1つのエリアの前記設備電源をOFFする制御を行う制御ステップと、を含む。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記省エネ化制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係る省エネ化制御システム、省エネ化制御方法及びプログラムは、施設の省エネルギー化を効率よく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る省エネ化制御システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る省エネ化制御システムが適用される施設内の複数のエリアを示す図である。
図3図3は、実施の形態に係る省エネ化制御システムの動作の第1例のシーケンス図である。
図4図4は、図3のステップS11のより詳細なフローを示すフローチャートである。
図5図5は、実施の形態に係る省エネ化制御システムの動作の第2例のシーケンス図である。
図6図6は、通知情報の提示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置、接続形態、ステップ、及び、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[構成]
以下、実施の形態に係る省エネ化制御システムについて説明する。図1は、実施の形態に係る省エネ化制御システムの機能構成を示すブロック図である。図2は、実施の形態に係る省エネ化制御システムが適用される施設内の複数のエリアを示す図である。
【0014】
まず、省エネ化制御システム10について説明する。省エネ化制御システム10は、施設1の予測総電力使用量に基づいて所定時間後(例えば、電力使用量を取得した時点から1時間後)に省エネ目標値を超過すると判定された場合、複数のエリア2のうち電力使用効率が基準値を下回るエリア2から設備3の電源をOFFするエリア2aを選定し、選定されたエリア2aの設備3の電源をOFFする制御を行う。複数のエリア2のそれぞれの電力使用効率は、各エリア2の電力使用量と各エリア2の利用者の人数とに基づいて算出される。例えば、各エリア2の電力使用効率は、直前のX分(例えば、X=30)間の電力使用量を当該エリア2の利用者の人数で除して算出される。このように、省エネ化制御システム10は、電力使用効率が基準値を下回るエリア2から設備3の電源をOFFするエリア2aを選定するため、より少ないエリア2aの設備3の電源をOFFすることで効率よく施設1の省エネルギー化を実現することができる。
【0015】
施設1は、例えば、オフィス、レンタルスペース、図書館、又は、塾などである。エリア2は、例えば、施設1内のパーテーション又は壁などで区画された空間である。設備3は、例えば、空調設備、換気設備、照明設備、及び、給湯設備のうちの少なくとも1つである。
【0016】
各エリア2の電力使用量は、例えば、施設1に設けられた複数の分岐回路のそれぞれにおける電力の消費量(言い換えると、電力使用量)を計測することにより取得される。複数の分岐回路のそれぞれには、コンセントを介して1つ以上の設備3が接続される。なお、図1には、見やすさの観点から各エリア2に1つの設備3が示されているが、各エリア2には1つ以上の設備3が設置されている。
【0017】
省エネ目標値は、施設1全体の任意の単位期間、例えば、半日(12時間)、1日(24時間)、1週間、1か月、半年、又は、1年などの期間におけるエネルギー削減目標値である。省エネ目標値は、例えば、施設1全体の総電力使用量の目標値であってもよく、発生熱量、二酸化炭素(CO)排出量、及び、原油使用量のいずれかに換算された目標値であってもよい。また、省エネ目標値は、電力デマンド制御により設定される30分時限内のデマンド目標値であってもよい。省エネ目標値は、施設1の管理者により設定されてもよいし、省エネ化制御システム10により自動で設定されてもよい。
【0018】
各エリア2の利用者の人数は、例えば、施設1の利用者の位置情報及び当該利用者が所持する情報端末(例えば、第二情報端末20)の施設1内のネットワークアクセスポイントへのアクセス情報の少なくとも1つに基づいて所定の周期(例えば、1分周期)で算出されてもよい。例えば、利用者の位置情報は、利用者が所持するスマートフォンなどの端末(不図示)、又は、専用のビーコン発信機(不図示)から発信されるビーコン信号を、各エリア2に(例えば、各エリア2の天井に)設置されたビーコン受信機(不図示)で受信することにより取得されてもよい。また、例えば、利用者の位置情報は、各エリア2に設置されたカメラ、赤外線センサ、又は、着座センサなどのセンサデータに基づいて取得されてもよい。なお、図1には、見やすさの観点から、各エリア2に1つの情報端末(第二情報端末20)が示されているが、各エリア2には当該エリアの利用者の人数に応じた数の情報端末(第二情報端末20)が存在する。
【0019】
続いて、省エネ化制御システム10の構成について図1を参照しながら説明する。省エネ化制御システム10は、例えば、各エリア2に設置された設備3と、電源装置4と、第一情報端末5と、施設1の利用者が所持する第二情報端末20と、サーバ装置30とを備える。以下では、施設1、エリア2、及び、設備3以外の構成について説明する。
【0020】
[電源装置]
電源装置4は、設備3へ電力を供給する安定化電源装置などである。電源装置4は、設備3へ供給される電圧及び電流を計測するセンサとして機能し、電圧の計測値、電流の計測値、及び、消費電力の計測値の少なくとも1つを、計測された使用電力(言い換えると、電力使用量)として第一情報端末5へ送信する。具体的には、電源装置4は、例えば、複数の設備3のそれぞれに設けられた計測点において計測された使用電力を、当該計測点を識別するポイントIDに紐づけて第一情報端末5へ送信してもよいし、設備3毎に計測された使用電力を設備名に紐づけて第一情報端末5へ送信してもよい。
【0021】
なお、設備3が電力系統から供給される電力を用いて動作する場合には、省エネ化制御システム10は、電源装置4を備えていなくてもよい。このような場合、省エネ化制御システム10は、設備3へ供給される電流を計測する電流センサ、及び、設備3へ供給される電圧を計測する電圧センサを備える。この場合の電流センサ及び電圧センサは、設備3と別体であるが、設備3に内蔵されていてもよい。電流センサ及び電圧センサとしては、スマートメータなどの電力量計が使用されてもよい。
【0022】
[第一情報端末]
第一情報端末5は、電源装置4が出力する計測値を、局所通信ネットワークを通じて受信し、受信した計測値をサーバ装置30へ送信するコンピュータである。第一情報端末5は、具体的には、汎用のコンピュータであるが、省エネ化制御システム10の専用のコンピュータであってもよい。また、第一情報端末5は、設備3を制御するコントローラとしての機能を有していてもよい。
【0023】
[第二情報端末]
第二情報端末20は、施設1の利用者が所持するノートパソコン、スマートフォン、又は、タブレット端末などの携帯型の情報端末である。第二情報端末20は、通信部21と、制御部22と、記憶部23と、受付部24と、提示部25とを備える。
【0024】
通信部21は、第二情報端末20が第一情報端末5と局所通信ネットワークを介して接続するための通信回路(通信モジュール)である。通信部21によって行われる通信は、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信部21によって行われる通信の通信規格についても特に限定されない。なお、第二情報端末20は、通信部21を介してサーバ装置30とも通信可能であってもよい。この場合、通信部21は、サーバ装置30から通知情報を直接受信してもよい。
【0025】
制御部22は、受付部24により受け付けられた操作入力に基づいて、第二情報端末20に関する各種情報処理を行う。制御部22は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0026】
記憶部23は、制御部22が実行するための専用のアプリケーションプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部23は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0027】
受付部24は、第二情報端末20を所持する利用者による操作入力を受け付ける入力インタフェースである。例えば、受付部24は、通知情報の提示方法、移動先のエリアなどの情報をサーバ装置30に送信するために行われる利用者の入力操作を受け付ける。受付部24は、具体的には、タッチパネルディスプレイなどによって実現される。例えば、受付部24がタッチパネルディスプレイを搭載している場合は、タッチパネルディスプレイが提示部25及び受付部24として機能する。なお、受付部24は、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えばタッチペンもしくはマウス)、又は、ハードウェアボタンなどであってもよい。また、受付部24は、音声による入力を受け付ける場合、マイクロフォンであってもよい。また、受付部24は、ジェスチャによる入力を受け付ける場合、カメラであってもよい。
【0028】
提示部25は、サーバ装置30によって通知された通知情報が提示される。提示部25は、例えば、文字などを含む画像情報を表示する表示装置である。さらに、提示部25は、音声情報を出力する音声出力装置を備えてもよい。表示装置は、例えば、液晶(LC)パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネルなどを表示デバイスとして含むディスプレイである。また、音声出力装置は、例えば、スピーカ又はイヤフォンである。例えば、提示部25は、画像情報を表示装置に表示してもよく、音声情報を音声出力装置により出力してもよく、画像情報及び音声情報の両方を提示してもよい。
【0029】
[サーバ装置]
サーバ装置30は、所定時間後(より詳細には、各エリア2の電力使用量が取得された時点から所定時間後)の施設1の総電力使用量を予測し、施設1の省エネ目標値を超過すると判定された場合に、省エネ目標値を下回るように、電力使用効率の低いエリア2から設備電源をOFFするエリア2aを選定し、選定されたエリア2aの設備3の電源をOFFする制御を行う。また、サーバ装置30は、設備3の電源をOFFするエリア2aの利用者に、当該利用者が利用しているエリア2が設備3の電源をOFFするエリア2aであることの通知と、設備3の電源をOFFしないエリア2bへの移動指示とを含む通知情報を通知する。サーバ装置30は、施設1に設けられたエッジコンピュータであるが、当該施設1の外に設けられたクラウドコンピュータであってもよい。サーバ装置30は、通信部31と、情報処理部32と、記憶部33と、設定部34とを備える。
【0030】
通信部31は、サーバ装置30が、第一情報端末5と局所通信ネットワークを通じて通信するための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。通信部31によって行われる通信は、無線通信であってもよいし有線通信であってもよい。通信部31によって行われる通信の通信規格についても特に限定されない。
【0031】
通信部31は、例えば、第一情報端末5によって送信される施設1内の各エリアの使用電力量、及び、利用者の人数を受信し、通知情報を第二情報端末20の提示部25へ提示するための提示指令(後述する図3では図示を省略)を、第一情報端末5を介して第二情報端末20へ送信する。なお、サーバ装置30は、通信部31を介して第二情報端末20とも通信可能であってもよい。この場合、通信部31は、第二情報端末20に通知情報を直接送信してもよい。
【0032】
情報処理部32は、施設1の総電力使用量の予測処理、省エネ目標値を超過するか否かの判定処理、各エリア2の電力使用効率の算出処理、設備3の電源をOFFするエリア2aを選定する選定処理、及び、通知処理などを行う。情報処理部32は、具体的には、マイクロコンピュータ又はプロセッサによって実現される。
【0033】
情報処理部32は、機能的な構成要素として、第一取得部32aと、第二取得部32bと、算出部32cと、選定部32dと、通知部32fとを有する。第一取得部32a、第二取得部32b、算出部32c、選定部32d、及び、通知部32fの機能は、例えば、情報処理部32を構成するマイクロコンピュータ又はプロセッサが記憶部33に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。第一取得部32a、第二取得部32b、算出部32c、選定部32d、及び、通知部32fの機能の詳細については[動作]の項にて後述される。
【0034】
記憶部33は、通信部31によって受信された各エリア2の使用電力量及び利用者の人数、並びに、情報処理部32が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部33は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよい。
【0035】
設定部34は、施設1の省エネ目標値を設定する。省エネ目標値は、施設1全体の任意の単位期間におけるエネルギー削減目標値である。省エネ目標値は、例えば、施設1全体の総電力使用量の目標値であってもよく、発生熱量、二酸化炭素(CO)排出量、及び、原油使用量のいずれかに換算された目標値であってもよい。また、省エネ目標値は、電力デマンド制御により設定される30分時限内のデマンド目標値であってもよい。設定部34は、例えば、過去のデータに基づいて省エネ目標値を自動で設定してもよいし、施設1の管理者による入力操作を受け付けることにより省エネ目標値を設定してもよい。
【0036】
[動作]
次に、省エネ化制御システム10の動作について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0037】
[第1例]
まず、動作の第1例について説明する。図3は、実施の形態に係る省エネ化制御システム10の動作の第1例を示すシーケンス図である。
【0038】
サーバ装置30の設定部34は、施設1の省エネ目標値を設定する(S01)。設定部34は、例えば、記憶部33に格納された過去のデータに基づいて施設1の省エネ目標値を自動で設定してもよいし、施設1の管理者による入力操作を受け付けることにより省エネ目標値を設定してもよい。省エネ目標値については、上述したため、ここでの説明を省略する。なお、省エネ目標値は、電力デマンド制御により設定される30分時限内のデマンド目標値であってもよい。図示していないが、設定部34は、設定された省エネ目標値を記憶部33に格納する。
【0039】
次に、サーバ装置30の情報処理部32は、ステップS01で設定部34により省エネ目標値が設定されると、第一情報端末5に省エネ化制御の開始指令を送信する(S02)。設備3は、各エリア2内に設置された1つ以上の設備であり、例えば、空調設備、換気設備、照明設備、及び、給湯設備のうちの少なくとも1つである。
【0040】
次に、第一情報端末5は、電源装置4に各エリア2の電力使用量を要求する信号を送信する(不図示)。電源装置4は、各エリア2の電力使用量を第一情報端末5に送信する(不図示)。第一情報端末5は、取得した各エリア2の電力使用量をサーバ装置30へ送信する(S03)。
【0041】
サーバ装置30の通信部31がステップS03で第一情報端末5によって送信された各エリア2の電力使用量を受信すると(不図示)、情報処理部32の第一取得部32aは、通信部31によって受信された各エリア2の電力使用量を取得する(S04)。このとき、情報処理部32は、第一取得部32aによって取得された各エリア2の電力使用量を各エリア2の識別IDに紐づけて記憶部33に格納してもよい。
【0042】
次に、施設1の利用者が所持する第二情報端末20は、当該第二情報端末20の位置情報及び施設1内のネットワークアクセスポイントへのアクセス情報の少なくとも1つを第一情報端末5へ送信する(S05)。
【0043】
第一情報端末5は、ステップS05で第二情報端末20から送信された位置情報及び施設1内のネットワークアクセスポイントへのアクセス情報の少なくとも1つに基づいて各エリア2の利用者の人数を所定の周期(例えば、1分周期)で算出し(不図示)、算出された人数をサーバ装置30へ送信する(S06)。なお、位置情報の取得方法については、上述した方法で行われてもよいが、特に限定されない。
【0044】
次に、サーバ装置30の通信部31がステップS06で第一情報端末5によって送信された各エリア2の利用者の人数を受信すると(不図示)、情報処理部32の第二取得部32bは、通信部31によって受信された各エリア2の利用者の人数を取得する(S07)。このとき、情報処理部32は、第二取得部32bによって取得された各エリア2の利用者の人数を各エリア2の識別IDに紐づけて記憶部33に格納してもよい。なお、ステップS03~S04及びステップS05~S06は、並行して行われてもよいし、処理の順番が前後してもよい。
【0045】
次に、サーバ装置30の選定部32dは、ステップS04で第一取得部32aによって取得された電力使用量に基づいて、当該電力使用量を取得した時点から所定時間後の施設1の総電力使用量を予測する(S08)。そして、選定部32dは、ステップS08で予測された総電力使用量に基づいて、上記所定時間後に省エネ目標値を超過するか否かを判定する(S09)。選定部32dが省エネ目標値を超過しないと判定した場合(S09でNo)、サーバ装置30は、ステップS04の処理に戻る。なお、各エリア2の電力使用量及び利用者の人数は、所定の周期で(言い換えると、所定の時間間隔で)、第一情報端末5によって取得され、サーバ装置30へ送信されてもよい。
【0046】
一方、選定部32dが省エネ目標値を超過すると判定した場合(S09でYes)、算出部32cは、各エリア2の電力使用効率を算出する(S10)。上述したように、各エリア2の電力使用効率は、各エリア2の電力使用量と各エリア2の利用者の人数とに基づいて算出される。例えば、各エリア2の電力使用効率は、直前のX分(例えば、X=30)間の電力使用量を当該エリア2の利用者の人数で除して算出される。このとき、情報処理部32は、算出部32cによって算出された各エリア2の電力使用効率を各エリア2の識別IDに紐づけて記憶部33に格納してもよい。
【0047】
次に、選定部32dは、省エネ目標値を下回るように、複数のエリア2のうち電力使用効率が基準値を下回るエリア2の中から設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aを選定する(S11)。図4は、ステップS11のより詳細なフローを示すフローチャートである。
【0048】
例えば、ステップS11では、選定部32dは、電力使用効率が基準値を下回るエリア2の中から電力使用効率が最も低いエリアから順に、設備3の電源をOFFする少なくとも1つの(例えば、nの:nは自然数)のエリア候補6aを選定する(S21)。
【0049】
次に、選定部32dは、ステップS21で選定されたエリア候補6aの数nが1であるか否かを判定する(S22)。選定部32dは、選定されたエリア候補6aの数nが1であると判定した場合(S22でYes)、選定された1つのエリア候補6aの設備3の電源をOFFした場合の施設1の総電力使用量を予測する(S23)。次に、選定部32dは、ステップS23で予測された総電力使用量に基づいて、省エネ目標値を超過しているか否かを判定する(S24)。次に、選定部32dは、省エネ目標値を超過しないと判定した場合(S24でNo)、選定された少なくとも1つのエリア候補6a(ここでは、1つのエリア候補6a)を設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aに選定する(S27)。
【0050】
一方、選定部32dは、省エネ目標値を超過していると判定した場合(S24でYes)、選定するエリア候補6aの数nに1を加算し(S25)、ステップS21へ戻る。選定部32dは、電力使用効率が基準値を下回るエリア2の中から電力使用効率が最も低いエリアから順に、設備3の電源をOFFする少なくとも1つ(ここでは、n=n+1)のエリア候補6aを選定する(S21)。
【0051】
次に、選定部32dは、ステップS21で選定されたエリア候補6aの数nが1であるか否かを判定する(S22)。選定部32dは、選定されたエリア候補6aの数nが1でないと判定した場合(S22でNo)、選定された2以上(ここでは、n=2)のエリア候補6aの設備3の電源をOFFした場合の施設1の総電力使用量を予測する(S26)。次に、選定部32dは、省エネ目標値を超過しているか否かを判定する(S24)。次に、選定部32dは、省エネ目標値を超過していると判定した場合(S24でYes)、選定するエリア候補6aの数n(ここでは、n=2)に1を加算し(S25)、ステップS21へ戻る。一方、選定部32dは、省エネ目標値を超過しないと判定した場合(S24でNo)、選定された少なくとも1つのエリア候補6a(ここでは、2つのエリア候補6a)を設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aに選定する(S27)。
【0052】
再び図3を参照すると、ステップS11で設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aが選定されると、通知部32fは、通知情報を施設1の利用者に通知する(S12)。より具体的には、通知部32fは、第一情報端末5により設備3の電源をOFFする制御が行われる前に、施設1の利用者に通知情報を通知する。このとき、通知部32fは、通信部31を介して第一情報端末5へ通知情報を送信し(S13)、第一情報端末5はサーバ装置30によって送信された通知情報を施設1の利用者が所持する第二情報端末20へ送信してもよい(S14)。通知情報は、例えば、施設1内の複数のエリア2のうち設備3の電源をOFFするエリア2aに関する情報と、設備3の電源をOFFしないエリア2bに関する情報とを含む。なお、図3では、サーバ装置30は第一情報端末5を介して施設1の利用者の第二情報端末20へ通知情報を送信しているが、これに限られない。例えば、サーバ装置30は、直接、施設1の利用者の第二情報端末20へ通知情報を送信してもよい。
【0053】
次に、第二情報端末20の提示部25は、ステップS14で通信部21を介して取得した通知情報を提示する(S15)。例えば、通知情報は、施設1内の利用者が所持する第二情報端末20の提示部25に提示されてもよいし、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2の利用者が所持する第二情報端末20の提示部25に提示されてもよい。また、第二情報端末20は、通知情報を取得すると、第一情報端末5へ応答信号を送信してもよい(不図示)。例えば、サーバ装置30は、第二情報端末20からの応答信号を受信してから所定の時間後(例えば、10分後)に、少なくとも1つのエリア2aの設備3の電源をOFFする制御指示を第一情報端末5へ送信する(S16)。
【0054】
次に、第一情報端末5は、制御指示を受信すると、当該制御指示に従って該当するエリア2aの設備3の電源をOFFする(S17)。
【0055】
[第1例の変形例1]
なお、ステップS16では、サーバ装置30は、例えば所定の条件が具備されたと判定した場合に、設備3の電源をOFFするエリア2aの設備3の電源をOFFする制御指示を第一情報端末5へ送信してもよい。第1例では、サーバ装置30は、第二情報端末20から応答信号を受信してから所定時間(例えば、10分)経過したか否かを判定し、所定の時間が経過したと判定した場合に、上記制御指示を第一情報端末へ送信するが、所定の条件はこの例に限られない。例えば、サーバ装置30は、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aのそれぞれについて、当該エリア2aの利用者の人数が0になった場合に、当該エリア2aの設備3の電源をOFFする制御指示を第一情報端末5へ送信してもよい。この場合、第一情報端末5は、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aのそれぞれについて、当該エリア2aの利用者の人数が0になった場合に、当該エリア2aの設備3の電源をOFFする制御を行う。
【0056】
なお、サーバ装置30の情報処理部32は、例えば、第二取得部32bにより取得された各エリア2の利用者の人数に基づいて、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aのそれぞれについて、当該エリア2aの利用者の人数が0になったか否かを判定してもよいし、第一情報端末5が当該エリア2aの利用者の人数が0になったか否かを判定してもよい。前者の場合、情報処理部32は、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者の人数が0になったと判定した場合に、上記制御信号を第一情報端末5へ送信する。後者の場合、情報処理部32は第一情報端末5へ利用者の人数が0になったエリア2aから順次、設備3の電源をOFFする制御を行う制御指示を送信する。そして、第一情報端末5は当該制御指示に従って、利用者の人数が0になったと判定されたエリア2aの設備3の電源を順次OFFする制御を行う。
【0057】
[第2例]
次に、動作の第2例について説明する。図5は、実施の形態に係る省エネ化制御システム10の動作の第2例のシーケンス図である。図5では、図3と共通のステップについては同じステップ番号を付している。
【0058】
動作の第1例では、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aが選定されると、通知部32fは、施設1の利用者に通知情報を通知する。第2例では、施設1の利用者のうち設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者に通知情報を通知する点で、第1例と異なる。また、第2例では、通知情報は、当該利用者が利用しているエリア2が設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aに該当することの通知と、当該利用者に少なくとも1つの移動先エリア候補6bへの移動指示とを含む点で、第1例と異なる。以下では、第1例と異なる点を中心に説明し、重複する点については説明を省略又は簡略化する。
【0059】
第一情報端末5は、施設1の利用者が所持する第二情報端末20の識別情報を第一情報端末5へ送信する(S31)。識別情報は、例えば、MAC(Media Access Control)アドレス、又は、IP(Internet Protocol)アドレスであるが、第二情報端末20を識別可能なものであれば特に限定されない。第一情報端末5は、第二情報端末20によって送信された識別情報を取得して、取得された識別情報をサーバ装置30へ送信する(S32)。
【0060】
次に、サーバ装置30の第二取得部32bは、通信部31を介して、ステップS06で第一情報端末5によって送信された各エリア2の利用者の人数、及び、ステップS32で第一情報端末5によって送信された施設1の利用者の第二情報端末20の識別情報を取得する(S33)。このとき、情報処理部32は、第二取得部32bによって取得された各エリア2の利用者の人数、及び、当該利用者の第二情報端末20の識別情報を各エリア2の識別IDに紐づけて記憶部33に格納してもよい。
【0061】
ここでは、ステップS08~ステップS11は、図3に示される第1例と同じであるため、ここでの説明を省略する。第2の例では、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの選定(S11)に加え、複数のエリア2のうち電力使用効率が基準値を上回るエリア2の中から電力使用効率が最も高いエリアから順に、設備3の電源をOFFするエリア2aの利用者に移動を促す候補である少なくとも1つの移動先エリア候補6bを選定する(S34)。
【0062】
次に、通知部32fは、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者に通知情報を通知する(S35)。このとき、通知部32fは、通信部31を介して第一情報端末5へ設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者が所持する第二情報端末20の識別情報と共に通知情報を出力する(S36)。第一情報端末5は通知部32fによって出力された識別情報と通知情報とを施設1の利用者の第二情報端末20へ送信する(S37)。これにより、通知部32fは、施設1の利用者のうち設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者に、当該利用者が利用しているエリア2が設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aに該当することの通知と、少なくとも1つの移動先エリア候補6bへの移動指示とを含む通知情報を通知する。この場合、通知部32fは、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者に、当該利用者が利用しているエリア2に近い順、又は、電力使用効率が高い順に、少なくとも1つの移動先エリア候補6bを通知してもよい。
【0063】
施設1の使用者が所持する第二情報端末20は、自身の識別情報と一致する識別情報を含む通知情報を取得する(不図示)。次に、提示部25は、通信部21を介して取得された通知情報を提示する(S38)。なお、第二情報端末20は、通知情報を取得すると、第一情報端末5へ応答信号を送信してもよい(不図示)。例えば、サーバ装置30は、第二情報端末20からの応答信号を受信してから所定の時間(例えば、10分)経過後に、少なくとも1つのエリア2aの設備3の電源をOFFする制御指示を第一情報端末5へ送信してもよい(S16)。なお、第1例の変形例1で説明したように、サーバ装置30は、少なくとも1つのエリア2aのそれぞれについて、当該エリア2aの利用者の人数が0になった場合に、当該エリア2aの設備3の電源をOFFする制御を行う制御信号を第一情報端末5へ送信してもよい。
【0064】
次に、第一情報端末5は、制御指示を受信すると、当該制御指示に従って該当するエリア2aの設備3の電源をOFFする(S17)。
【0065】
[第2例の変形例1]
第2例では、第二情報端末20が設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者に通知情報を提示してから所定時間が経過した後に当該エリア2aの設備3の電源をOFFする制御を行った。第2の例の変形例1では、受付部24は、提示部25に提示された移動指示に示される少なくとも1つの移動先エリア候補の中から1つの移動先エリア候補を選択する入力操作を受け付けてもよい。図6は、通知情報の提示例を示す図である。
【0066】
図6に示されるように、例えば、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者が所持する第二情報端末20の提示部25は、当該利用者が利用しているエリア2が設備3の電源をOFFするエリア2aに該当することの通知と、少なくとも1つの移動先エリア候補6bへの移動指示とを含む通知情報を提示する。
【0067】
当該利用者は、少なくとも1つの移動先エリア候補6bの中から1つの移動先エリア候補6bを選択すると、受付部24は、利用者による1つの移動先エリア候補6bを選択する入力操作を受け付ける。
【0068】
この場合、サーバ装置30の選定部32dは、受付部24により上記入力操作が受け付けられると、選択された1つの移動先エリア候補6bに当該利用者が移動した場合の当該移動先エリア候補6bの電力使用量の増加分を予測してもよい。そして、選定部32dは、予測された電力使用量の増加分に基づいて、少なくとも1つのエリア2aの設備3の電源をOFFした場合の施設1の総電力使用量が省エネ目標値を超過するか否かを判定してもよい。通知部32fは、選定部32dにより省エネ目標値を超過しないと判定された場合、選択された1つの移動先エリア候補6bへ当該利用者の移動を許可する通知を当該利用者が所持する第二情報端末20へ送信してもよい。
【0069】
一方、通知部32fは、選定部32dにより省エネ目標値を超過すると判定された場合、提示部25に提示された少なくとも1つの移動先エリア候補6bのうち選択された1つの移動先エリア候補6b以外の移動先エリア候補6bを選択するように促す通知を当該利用者が所持する第二情報端末20へ送信してもよい。
【0070】
[効果など]
以上説明したように、省エネ化制御システム10は、施設1の省エネ目標値を設定する設定部34と、施設1内の複数のエリア2のそれぞれの電力使用量を取得する第一取得部32aと、複数のエリア2のそれぞれの利用者の人数を取得する第二取得部32bと、複数のエリア2のそれぞれについて取得された電力使用量と利用者の人数とに基づいて、複数のエリア2のそれぞれの電力使用効率を算出する算出部32cと、第一取得部32aにより取得された電力使用量に基づいて、電力使用量を取得した時点から所定時間後の施設1の総電力使用量を予測し、予測された総電力使用量に基づいて所定時間後に省エネ目標値を超過すると判定された場合、省エネ目標値を下回るように、複数のエリア2のうち電力使用効率が基準値を下回るエリアから設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aを選定する選定部32dと、選定部32dにより選定された少なくとも1つのエリア2aの設備3の電源をOFFする制御を行う制御部(例えば、第一情報端末5)と、を備える。
【0071】
このような省エネ化制御システム10は、例えば、各エリア2の利用者の人数で当該エリア2の電力使用量を除して各エリア2の電力使用効率を算出するため、利用者による利用効率の低いエリア2の設備3の電源をOFFするエリア2aとして選定することができる。言い換えると、無駄が多いエリア2から設備3の電源をOFFすることができる。したがって、省エネ化制御システム10は、施設1の省エネルギー化を効率よく実現することができる。
【0072】
また、例えば、省エネ化制御システム10では、選定部32dは、電力使用効率が基準値を下回るエリア2のうち電力使用効率が最も低いエリアから順に、設備3の電源をOFFする候補である少なくとも1つのエリア候補6aを選定し、選定された少なくとも1つのエリア候補6aの設備3の電源をOFFした場合の総電力使用量を予測し、予測された総電力使用量に基づいて、電力使用量を取得した時点から所定時間(例えば、1時間)後に省エネ目標値を超過しないと判定された場合、少なくとも1つのエリア候補6aを、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aに選定する。
【0073】
このような省エネ化制御システム10は、電力使用効率が最も低いエリアから順に設備3の電源をOFFするエリア2aを選定するため、比較的少ない数のエリア2の設備3の電源をOFFすることで、省エネ目標値を超過しないように施設1の総電力使用量を制御することができる。したがって、省エネ化制御システム10は、施設1の省エネルギー化を効率良く実現することができる。
【0074】
また、例えば、省エネ化制御システム10では、第二取得部32bは、施設1の利用者の位置情報、及び、当該利用者が所持する情報端末(例えば、第二情報端末20)の施設1内のネットワークアクセスポイントへのアクセス情報の少なくとも1つに基づいて所定の周期(例えば、1分周期)で算出された、複数のエリア2のそれぞれの利用者の人数を取得する。
【0075】
このような省エネ化制御システム10は、各エリア2の利用者の人数を正確に把握することができるため、各エリア2の電力使用効率を精度良く算出することができる。したがって、省エネ化制御システム10は、施設1の省エネルギー化を効率良く実現することができる。
【0076】
また、例えば、省エネ化制御システム10は、さらに、複数のエリア2のうち設備3の電源をOFFするエリア2aに関する情報と、設備3の電源をOFFしないエリア2bに関する情報とを含む通知情報を施設1の利用者に通知する通知部32fを備え、通知部32fは、制御部(例えば、第一情報端末5)により設備3の電源をOFFする制御が行われる前に施設1の利用者に通知情報を通知する。
【0077】
このような省エネ化制御システム10は、例えば、施設1の利用者が、設備3の電源をOFFする制御が行われる前に、施設1の各エリア2が設備3の電源をOFFするエリア2aであるか、及び、設備3の電源をOFFしないエリア2bであるかを把握することができる。したがって、省エネ化制御システム10は、例えば、設備3の電源をOFFする制御が行われる前に、施設1の利用者に移動を促すことができる。このように、設備3の電源をOFFする制御が行われる前に通知を受け取ることで、施設1内で作業をしている利用者の作業が中断されるという不利益が生ずることを未然に防ぐことが可能となる。
【0078】
また、例えば、省エネ化制御システム10では、選定部32dは、さらに、電力使用効率が基準値を上回るエリア2の中から電力使用効率が最も高いエリア2から順に、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者に移動を促す候補である少なくとも1つの移動先エリア候補6bを選定し、通知部32fは、施設1の利用者のうち設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者に、当該利用者が利用しているエリア2が設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aに該当することの通知と、少なくとも1つの移動先エリア候補6bへの移動指示とを含む通知情報を通知する。
【0079】
このような省エネ化制御システム10は、電力使用効率が最も高いエリアから順に移動先エリア候補6bを選定するため、比較的少ない数のエリア2を移動先エリア候補6bとして選定することができる。そのため、省エネ化制御システム10は、比較的少ない数のエリア2の間での利用者の移動によって施設1の省エネ目標値を超過しないように制御することができる。したがって、省エネ化制御システム10は、施設1の省エネルギー化を効率良く実現することができる。
【0080】
また、例えば、省エネ化制御システム10では、通知部32fは、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者に、当該利用者が利用しているエリア2に近い順、又は、電力使用効率が高い順に、少なくとも1つの移動先エリア候補6bを通知する。
【0081】
このような省エネ化制御システム10は、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者に負担のかからない方法で、又は、より省エネルギー効率の良い方法で、施設1の省エネルギー化を実現することができる。
【0082】
また、例えば、省エネ化制御システム10では、第二取得部32bは、さらに、施設1の利用者が所持する情報端末(例えば、第二情報端末20)の識別情報(例えば、MACアドレス、又は、IPアドレスなど)を取得し、通知部32fは、施設1の利用者のうち設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者が所持する情報端末(例えば、第二情報端末20)の識別情報(例えば、MACアドレス、又は、IPアドレスなど)と共に通知情報を出力することにより、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者に通知情報を通知する。
【0083】
このような省エネ化制御システム10は、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aの利用者にのみ通知情報を通知することができる。また、省エネ化制御システム10は、当該エリア2aの利用者が所持する第二情報端末20に通知情報を提示することができるため、当該エリア2aの利用者に通知情報を確実に伝えることができる可能性が高まる。したがって、省エネ化制御システム10によれば、設備3の電源をOFFされることにより当該エリア2aの利用者の作業が中断されるという不利益が生ずることを未然に防ぐ可能性が高まる。
【0084】
また、例えば、省エネ化制御システム10では、制御部(例えば、第一情報端末5)は、設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aのそれぞれについて、当該エリア2aの利用者の人数が0になった場合に、当該エリア2aの設備3の電源をOFFする制御を行う。
【0085】
このような省エネ化制御システム10は、当該エリア2aの利用者が当該エリア2aから退避した後に当該エリア2aの設備3の電源がOFFされる。したがって、省エネ化制御システム10によれば、設備3の電源をOFFされることにより当該エリア2aの利用者の作業が中断されるという不利益が生ずることを確実に防ぐことが可能となる。
【0086】
また、例えば、省エネ化制御システム10では、省エネ目標値は、電力デマンド制御により設定される30分時限内のデマンド目標値である。
【0087】
このような省エネ化制御システム10は、特異なエネルギー消費を抑制することができると共に、支払う電気料金の増加を抑制することができる。
【0088】
また、省エネ化制御方法は、施設1の省エネ目標値を設定する設定ステップ(図3のS01)と、施設1内の複数のエリア2のそれぞれの電力使用量を取得する第一取得ステップ(S04)と、複数のエリア2のそれぞれの利用者の人数を取得する第二取得ステップ(S07)と、複数のエリア2のそれぞれについて取得された電力使用量と利用者の人数とに基づいて、複数のエリア2のそれぞれの電力使用効率を算出する算出ステップ(S10)と、第一取得ステップ(S04)で取得された電力使用量に基づいて電力使用量を取得した時点から所定時間後(例えば、1時間後)の施設1の総電力使用量を予測し、予測された総電力使用量に基づいて上記所定時間後(例えば、1時間後)に省エネ目標値を超過すると判定された場合(S09でYes)、省エネ目標値を下回るように、複数のエリア2のうち電力使用効率が基準値を下回るエリア2から設備3の電源をOFFする少なくとも1つのエリア2aを選定する選定ステップ(S11)と、選定ステップ(S11)で選定された少なくとも1つのエリア2aの設備3の電源をOFFする制御を行う制御ステップ(S17)と、を含む。
【0089】
このような省エネ化制御方法は、例えば、各エリア2の利用者の人数で当該エリア2の電力使用量を除して各エリア2の電力使用効率を算出するため、利用者による利用効率の低いエリア2の設備3の電源をOFFするエリア2aとして選定することができる。言い換えると、無駄が多いエリア2から設備3の電源をOFFすることができる。したがって、省エネ化制御方法は、施設1の省エネルギー化を効率よく実現することができる。
【0090】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0091】
例えば、上記実施の形態において、省エネ化制御システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、省エネ化制御システムは、サーバ装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。省エネ化制御システムが複数の装置によって実現される場合、省エネ化制御システムが備える構成要素(特に、機能的な構成要素)は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、サーバ装置が備える機能的な構成要素の一部または全部が第一情報端末によって備えられてもよい。
【0092】
また、上記実施の形態における情報の伝達経路については一例であり、特に限定されるものではない。上記実施の形態において2つの装置が通信により情報の送受信を行う場合、2つの装置間には図示されない中継装置が介在してもよい。
【0093】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0094】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0095】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0096】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0097】
例えば、本発明は、省エネ化制御システムなどのコンピュータによって実行される省エネ化制御方法として実現されてもよいし、このような省エネ化制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0098】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1 施設
2、2a、2b エリア
3 設備
5 第一情報端末
6a エリア候補
6b 移動先エリア候補
10 省エネ化制御システム
24 受付部
32a 第一取得部
32b 第二取得部
32c 算出部
32d 選定部
32f 通知部
34 設定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6