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特開2023-48879感染症対策システム、感染症対策装置、および感染症対策プログラム
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  • 特開-感染症対策システム、感染症対策装置、および感染症対策プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048879
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】感染症対策システム、感染症対策装置、および感染症対策プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/80 20180101AFI20230331BHJP
【FI】
G16H50/80
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158452
(22)【出願日】2021-09-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】301049157
【氏名又は名称】株式会社アルム
(74)【代理人】
【識別番号】100168952
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】坂野 哲平
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】感染症における利用者の感染リスクと重症化リスクを判定する感染症対策システム、感染症対策装置及び感染症対策プログラムを提供する。
【解決手段】感染症対策装置100において、制御装置102は、ウイルス株の感染力の高さを示す情報と、利用者に応じたウイルス株の感染リスクを算出するための情報と、に基づいて、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定し、ウイルス株の毒性の高さを示す情報と、利用者に応じたウイルス株の毒性リスクを算出するための情報と、利用者に応じたウイルス株の重症化リスクを算出するための情報に基づいて、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するリスク判定手段と、リスク判定手段による判定結果を利用者が所持する端末へ出力する出力手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感染症における利用者の感染リスクと重症化リスクを判定するリスク判定手段と、
前記リスク判定手段による判定結果を利用者が所持する端末へ出力する出力手段とを備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項2】
請求項1に記載の感染症対策システムにおいて、
前記リスク判定手段は、指定された感染症における特定のウイルス株を対象として、利用者の感染リスクと重症化リスクを判定することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項3】
請求項2に記載の感染症対策システムにおいて、
前記リスク判定手段は、ウイルス株の感染力の高さを示す情報と、利用者に応じたウイルス株の感染リスクを算出するための情報とに基づいて、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定し、ウイルス株の毒性の高さを示す情報と、利用者に応じたウイルス株の毒性リスクを算出するための情報と、利用者に応じたウイルス株の重症化リスクを算出するための情報に基づいて、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項4】
請求項3に記載の感染症対策システムにおいて、
前記リスク判定手段は、ウイルス株の感染力の高さを示す数値に、利用者に応じたウイルス株の感染リスクを示す数値を加減算することによって利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、利用者に応じたウイルス株の毒性リスクを示す数値と利用者に応じたウイルス株の重症化リスクを示す数値を加減算することによって利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項5】
請求項4に記載の感染症対策システムにおいて、
前記リスク判定手段は、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値と判定用の閾値とを比較することによって利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定し、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と判定用の閾値とを比較することによって利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
前記リスク判定手段は、前記感染リスクと前記重症化リスクの高さを、高い、低い、中程度の三段階で判定することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
前記利用者が所持する端末は、前記出力手段によって出力された前記リスク判定手段による判定結果を画面上に表示する表示手段を備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項8】
請求項7に記載の感染症対策システムにおいて、
前記表示手段は、利用者からの指示に基づいて、利用者の感染リスクを表示する画面と利用者の重症化リスクを表示する画面とを切り替えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項9】
感染症における利用者の感染リスクと重症化リスクを判定するリスク判定手段と、
前記リスク判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする感染症対策装置。
【請求項10】
請求項9に記載の感染症対策装置において、
前記リスク判定手段は、指定された感染症における特定のウイルス株を対象として、利用者の感染リスクと重症化リスクを判定することを特徴とする感染症対策装置。
【請求項11】
請求項10に記載の感染症対策装置において、
前記リスク判定手段は、ウイルス株の感染力の高さを示す情報と、利用者に応じたウイルス株の感染リスクを算出するための情報とに基づいて、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定し、ウイルス株の毒性の高さを示す情報と、利用者に応じたウイルス株の毒性リスクを算出するための情報と、利用者に応じたウイルス株の重症化リスクを算出するための情報に基づいて、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定することを特徴とする感染症対策装置。
【請求項12】
請求項11に記載の感染症対策装置において、
前記リスク判定手段は、ウイルス株の感染力の高さを示す数値に、利用者に応じたウイルス株の感染リスクを示す数値を加減算することによって利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、利用者に応じたウイルス株の毒性リスクを示す数値と利用者に応じたウイルス株の重症化リスクを示す数値を加減算することによって利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出することを特徴とする感染症対策装置。
【請求項13】
請求項12に記載の感染症対策装置において、
前記リスク判定手段は、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値と判定用の閾値とを比較することによって利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定し、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と判定用の閾値とを比較することによって利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定することを特徴とする感染症対策装置。
【請求項14】
請求項9~13のいずれか一項に記載の感染症対策装置において、
前記リスク判定手段は、前記感染リスクと前記重症化リスクの高さを、高い、低い、中程度の三段階で判定することを特徴とする感染症対策装置。
【請求項15】
感染症における利用者の感染リスクと重症化リスクを判定するリスク判定手順と、
前記リスク判定手順による判定結果を出力する出力手順とをコンピューターに実行させるための感染症対策プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の感染症対策プログラムにおいて、
前記リスク判定手順は、指定された感染症における特定のウイルス株を対象として、利用者の感染リスクと重症化リスクを判定することを特徴とする感染症対策プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載の感染症対策プログラムにおいて、
前記リスク判定手順は、ウイルス株の感染力の高さを示す情報と、利用者に応じたウイルス株の感染リスクを算出するための情報とに基づいて、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定し、ウイルス株の毒性の高さを示す情報と、利用者に応じたウイルス株の毒性リスクを算出するための情報と、利用者に応じたウイルス株の重症化リスクを算出するための情報に基づいて、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定することを特徴とする感染症対策プログラム。
【請求項18】
請求項17に記載の感染症対策プログラムにおいて、
前記リスク判定手順は、ウイルス株の感染力の高さを示す数値に、利用者に応じたウイルス株の感染リスクを示す数値を加減算することによって利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、利用者に応じたウイルス株の毒性リスクを示す数値と利用者に応じたウイルス株の重症化リスクを示す数値を加減算することによって利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出することを特徴とする感染症対策プログラム。
【請求項19】
請求項18に記載の感染症対策プログラムにおいて、
前記リスク判定手順は、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値と判定用の閾値とを比較することによって利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定し、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と判定用の閾値とを比較することによって利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定することを特徴とする感染症対策プログラム。
【請求項20】
請求項15~19のいずれか一項に記載の感染症対策プログラムにおいて、
前記リスク判定手順は、前記感染リスクと前記重症化リスクの高さを、高い、低い、中程度の三段階で判定することを特徴とする感染症対策プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染症対策システム、感染症対策装置、および感染症対策プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
次のような感染症対策システムが知られている。この感染症対策システムは、ユーザの入場チェック用情報の発行が要求されたときに、ユーザの健康管理データと抗体検査結果の情報とに基づいてユーザの感染リスクを判定し、感染リスクに基づいてユーザの訪問先への入場可否を判定する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6853522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の感染症対策システムのように、ユーザの訪問先への入場可否を判定するためには、ユーザの健康管理データと抗体検査結果の情報とに基づいてユーザの感染リスクを判定することが重要であった。さらに、ユーザの感染リスクに加えてユーザの重症化リスクを判定することができれば、ユーザの感染リスクとユーザの重症化リスクを考慮して感染症に対するユーザの安全性を証明するためのデジタルパスポートのような仕組みを提供することができるが、従来の感染症対策システムでは、そのための方法については検討されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による感染症対策システムは、感染症における利用者の感染リスクと重症化リスクを判定するリスク判定手段と、リスク判定手段による判定結果を利用者が所持する端末へ出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
本発明による感染症対策装置は、感染症における利用者の感染リスクと重症化リスクを判定するリスク判定手段と、リスク判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
本発明による感染症対策プログラム、感染症における利用者の感染リスクと重症化リスクを判定するリスク判定手順と、リスク判定手順による判定結果を出力する出力手順とをコンピューターに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、感染症における利用者の感染リスクと重症化リスクを判定して出力するようにしたので、ユーザの感染リスクとユーザの重症化リスクを考慮して感染症に対するユーザの安全性を証明するための仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】感染症対策装置100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図2】感染リスクの判定結果表示画面の一例を模式的に示した図である。
図3】重症化リスクの判定結果表示画面の一例を模式的に示した図である。
図4】感染症対策装置100で実行されるリスク解析処理の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ウイルスなどの感染症対策のためには、ワクチンは非常に高い効果を示す一方、ワクチンの効果やワクチンの効果が持続する期間は、ワクチンのメーカー、対象ウイルス型、接種を受けた人物の年齢、接種を受けた人物が有する基礎疾患、接種を受けた人物のBMIなどによって大きく異なる。このため、各個人が感染症に感染する可能性または各個人が他者に感染させる可能性を示す感染リスクや各個人が感染によって重症化する可能性を示す重症化リスクは、ワクチンの接種有無だけでは判断することが難しかった、このため、本実施の形態における感染症対策システムは、各個人の既往歴、健康状態、検査結果、およびワクチン接種履歴などの情報も加味して感染リスクと重症化リスクを判定し、判定結果をデジタルパスポートとして表示するための仕組みを提供する。
【0009】
図1は、本実施の形態における感染症対策装置100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。感染症対策装置100は、インターネットに接続された装置であって、例えば、パソコンやサーバなどが用いられる。図1は、本実施の形態における感染症対策装置100として、サーバ装置を用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。感染症対策装置100は、接続インターフェース101と、制御装置102と、記憶媒体103とを備えている。
【0010】
接続インターフェース101は、感染症対策装置100をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。本実施の形態では、感染症対策装置100は、この接続インターフェース101を介して後述する各種の端末や装置と通信する。
【0011】
制御装置102は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、感染症対策装置100の全体を制御する。なお、制御装置102を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース101を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0012】
記憶媒体103は、感染症対策装置100が蓄える種々のデータや、制御装置102が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体103に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体103にインストールすることによって、制御装置102がプログラムを実行できるようになる。本実施の形態では、制御装置102は、記憶媒体103にインストールされた感染症対策システム用のアプリケーションを実行することにより、後述する処理を実行することができる。
【0013】
本実施の形態では、感染症対策装置100の記憶媒体103には、利用者の生活習慣情報、健康情報、バイタル情報、健康観察情報、陽性者との接触履歴情報、位置情報、検査結果情報、および予防接種情報が記録される。
【0014】
利用者の生活習慣情報は、例えば、外出時の使用マスク種類、公共交通機関での移動の有無、家族以外での食事機会の有無、喫煙の有無、飲酒の有無、運動の有無、および睡眠時間等の情報を含む。なお、外出時の使用マスク種類の情報としては、例えば、着用しない、不織布マスク、布マスク、ウレタンマスク等の情報が記録される。また、運動の有無の情報としては、例えば、「1日1時間以上の運動」のような情報が記録される。
【0015】
利用者の健康情報は、例えば、住所、年齢、性別、体重、身長、既往歴、副薬歴、感染症罹患歴等の情報を含む。利用者のバイタル情報は、例えば、体温、血圧、SpO2、呼吸数、脈拍数等の情報を含む。利用者の健康観察情報は、例えば、倦怠感、下痢、頭痛、喉が痛む、めまい、吐き気、腹痛、嗅覚異常、味覚異常等の症状に関する情報を含む。
【0016】
利用者の陽性者との接触履歴情報は、例えば、対象とする感染症の感染者との接触が継続した時間の情報が記録される。本実施の形態では、例えば、利用者が所持する利用者端末、例えばスマートフォンと、対象疾患の検査結果、例えばPCRや抗原検査が陽性と判別された、他の利用者の利用者端末、例えばスマートフォンとの間の距離が半径2m以内の継続時間が利用者の陽性者との接触履歴として記録される。なお、利用者端末間の距離は、例えば、GPSの位置情報やBluetooth(登録商標)の距離情報などに基づいて算出すればよい。
【0017】
利用者の位置情報は、利用者が所持する利用者端末、例えばスマートフォンの位置情報取得機能を利用して取得された情報、例えばGPSによる位置情報が記録される。
【0018】
利用者の検査結果情報は、例えば、検査実施医療機関名、検査方法、検査結果、および検査日の情報を含む。なお、検査方法の情報としては、例えば、PCR検査、抗原検査、抗体価検査、または抗体検査などの利用者に対して行った検査の方法が記録される。また、検査結果の情報としては、例えば、各検査結果の陽性または陰性の情報と、検査結果を表す数字の情報が記録される。
【0019】
利用者の予防接種情報は、例えば、予防接種実施医療機関名、予防接種方法、予防接種結果、および予防接種日の情報を含む。なお、予防接種方法の情報としては、例えば、ワクチンメーカーやワクチン製品名の情報が記録される。
【0020】
なお、記憶媒体103に利用者の生活習慣情報、健康情報、バイタル情報、健康観察情報、陽性者との接触履歴情報、位置情報、検査結果情報、および予防接種情報を記録するための各種情報の取得方法は特に限定されないが、本実施の形態では、例えば以下のように、利用者が所持する利用者端末、政府や自治体が管理する医療情報管理システム、または医療機関で利用されている電子カルテシステムなどから必要な情報を取得する方法を想定する。
【0021】
本実施の形態における感染症対策システムの利用者は、利用者端末、例えば自身が所持するスマートフォンなどの情報端末にあらかじめ感染症対策システムを利用するためのアプリケーションをインストールしておく。本実施の形態では、例えば、デジタルパスポート機能付きのパーソナルヘルスレコード(Personal Health Record)アプリ(以下、「PHRアプリ」と呼ぶ)が用いられる。利用者端末では、制御装置は、PHRアプリ上で入力された情報や利用者端末で計測される位置情報などを感染症対策装置100へ送信することができ、制御装置102は、利用者端末から取得した情報を憶媒体103に記録する。これによって、利用者端末から取得した情報が感染症対策装置100に登録される。
【0022】
医療情報管理システムや電子カルテシステムは、あらかじめ感染症対策装置100と通信回線を介してデータを送受信できるように設定され、制御装置102は、医療情報管理システムや電子カルテシステムから必要な情報を取得できるようにしてもよいし、医療情報管理システムや電子カルテシステムの担当者が、医療情報管理システムや電子カルテシステムから取得した情報をパソコンなどの端末上で入力すると、入力された情報が感染症対策装置100へ送信されるようにしてもよい。制御装置102は、医療情報管理システムや電子カルテシステムから取得した情報を憶媒体103に記録する。これによって、医療情報管理システムや電子カルテシステムから取得した情報が感染症対策装置100に登録される。
【0023】
本実施の形態では、利用者は、利用者端末上でPHRアプリを起動して、感染リスクと重症化リスクの判定対象とする対象感染症を指定する。制御装置102は、PHRアプリ上で指定された対象感染症を特定すると、医療機関の電子カルテシステムにアクセスして、対象感染症の検査データに基づいて、対象感染症において最も検出されているウイルス株を抽出する。例えば、対象感染症として「新型コロナウイルス(COVID-19)」が指定された場合には、利用者の健康情報に含まれる住所に基づいて、その地域で最も検出されているウイルス株、例えばデルタ株を抽出する。これによって、利用者の居住地域で流行しているウイルス株を自動指定することができる。なお、以下の説明においては、ここで抽出したウイルス株を対象ウイルス株と呼ぶ。
【0024】
利用者端末では、PHRアプリ上で、上述した生活習慣情報、健康情報、予防接種情報、検査結果情報、接触履歴情報、位置情報、バイタル情報、および健康観察情報の登録を受け付ける。これによって、上述したように、制御装置102は、利用者端末から受信した情報を憶媒体103に記録することにより、利用者の生活習慣情報、健康情報、予防接種情報、検査結果情報、接触履歴情報、位置情報、バイタル情報、および健康観察情報が登録される。なお、利用者端末では、GPSなどを用いて位置情報を取得すればよい。また、バイタル情報は、利用者がバイタル情報を計測するための機器を使用して計測したものを手動でPHRアプリに入力してもよいし、バイタル情報を計測するための機器が利用者端末に無線または有線で接続され、バイタル情報を計測するための機器から通信により取得してもよい。
【0025】
制御装置102は、医療情報管理システムや電子カルテシステムから利用者の検査結果情報、予防接種情報、既往歴、服薬歴、および感染症罹患歴の情報を取得する。そして、制御装置102は、医療情報管理システムや電子カルテシステムから取得した検査結果情報、予防接種情報、既往歴、服薬歴、および感染症罹患歴と、利用者によって登録された検査結果情報、予防接種情報、既往歴、服薬歴、および感染症罹患歴とが一致するか否かを判定する。その結果、これらの情報が一致する場合には、後述するリスク解析の対象とし、一致しない場合には、後述するリスク解析の対象外とする。
【0026】
以下、本実施の形態における感染症対策装置100において、対象感染症に対する利用者の感染リスクと重症化リスクを判定するためのリスク解析処理について説明する。なお、以下の説明では、上述した処理で制御装置102が特定した利用者の居住地域で流行しているウイルス株における感染リスクと重症化リスクを判定するために、利用者の生活習慣情報、健康情報、予防接種情報、検査結果情報、バイタル情報、健康観察情報、および接触履歴情報に基づいてリスク解析を行う方法について説明する。
【0027】
本実施の形態では、記憶媒体103には、あらかじめウイルス株ごとの基本情報が記録されている。ウイルス株ごとの基本情報には、ウイルス株の感染力の高さを示す情報と毒性の高さを示す情報が含まれる。ウイルス株の感染力の高さを示す情報は感染力の高さに応じて数値で表されており、本実施の形態では、例えば、数値が大きいほど感染力が高いことを意味し、一般的な風邪の感染力を10とし、これを基準として1~20の数値で表されている。また、ウイルス株の毒性の高さを示す情報は毒性の高さに応じて数値で表されており、本実施の形態では、例えば、数値が大きいほど毒性が高いことを意味し、一般的な風邪の毒性を10とし、これを基準として1~20の数値で表されている。
【0028】
本実施の形態では、制御装置102は、基本情報に含まれるウイルス株の感染力の高さを示す情報と、利用者に応じたウイルス株の感染リスクを算出するための情報とに基づいて、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定する。また、制御装置102は、基本情報に含まれるウイルス株の毒性の高さを示す情報と、利用者に応じたウイルス株の毒性リスクを算出するための情報と、利用者に応じたウイルス株の重症化リスクを算出するための情報に基づいて、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する。
【0029】
このために、ウイルス株ごとの基本情報には、利用者に応じたウイルス株の感染リスクを算出するための情報と利用者に応じた毒性リスクを算出するための情報が含まれている。本実施の形態では、例えば、利用者のBMI、性別、既往歴、副薬歴、罹患歴、バイタル、健康観察、生活習慣、接触履歴の項目ごとに、ウイルス株の感染リスクを示す数値と、ウイルス株の毒性リスクを示す数値が設定されている。利用者のBMI、性別、既往歴、副薬歴、罹患歴、バイタル、健康観察、生活習慣、接触履歴の各項目には、ウイルス株の感染リスクが高いほどウイルス株の感染リスクを示す数値に大きな値が設定されており、ウイルス株の毒性リスクが高いほどウイルス株の毒性リスクを示す数値に大きな値が設定されている。なお、既往歴は疾患名ごとに、副薬歴は薬剤名ごとに、罹患歴はウイルス株ごとに、バイタルはバイタルデータの種類毎に、健康観察は症状毎に、接触履歴は利用者が陽性者と接触した時間に応じて、それぞれウイルス株の感染リスクを示す数値とウイルス株の毒性リスクを示す数値が設定されている。
【0030】
制御装置102は、ウイルス株ごとの基本情報に基づいて、ウイルス株の感染力の高さを示す数値に、利用者のBMI、性別、既往歴、副薬歴、罹患歴、バイタル、健康観察、生活習慣、接触履歴の各項目に応じたウイルス株の感染リスクを示す数値を加減算することによって、ウイルス株ごとの基本情報に基づくウイルス株の感染リスクを示す数値を算出する。また、制御装置102は、ウイルス株ごとの基本情報に基づいて、ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、利用者のBMI、性別、既往歴、副薬歴、罹患歴、バイタル、健康観察、生活習慣、接触履歴の各項目に応じたウイルス株の毒性リスクを示す数値を加減算することによって、ウイルス株ごとの基本情報に基づくウイルス株の毒性リスクを示す数値を算出する。
【0031】
例えば、対象感染症が新型コロナ感染症であって、対象ウイルス株が利用者の居住地域で最も検出されているウイルス株である場合には、ウイルス株の基本情報には、以下のようなデータが記録されている。
対象感染症名: 新型コロナ感染症
対象ウイルス株: 感染症データから自動指定
感染力: 15
毒性力: 5
BMI:30以上は、感染リスク+3・毒性リスク+4
性別:男性は、毒性リスク+2
既往歴:呼吸器疾患は毒性リスク+2、がん既往者は毒性リスク+3、免疫疾患は感染リスク+4
副薬歴:血液凝固薬服薬者は毒性リスク+3、ステロイド服薬者は毒性リスク-2、免疫抑制薬服薬者は毒性リスク+1・感染リスク+2
罹患歴:新型コロナウイルス・アルファ株既往者は感染リスク-2・毒性リスク-3
バイタル:SpO2が95未満の場合は感染リスク+2・毒性リスク+3、体温が38度以上の場合は感染リスク+2
健康観察:味覚異常の場合は感染リスク+3、嗅覚異常の場合は感染リスク+2
生活習慣:喫煙者は感染リスク+2・毒性リスク+2、外出時にマスク着用しない場合は感染リスク+3、外出時に不織布マスクを着用する場合は感染リスク-5、外出時に布マスクを着用する場合は感染リスク-3、外出時にウレタンマスクを着用する場合は感染リスク-4等
接触履歴:陽性者との接触時間が15分以上の場合は感染リスク+2
【0032】
本実施の形態では、さらに、記憶媒体103に、利用者に応じたウイルス株の感染リスクを算出するための情報と利用者に応じたウイルス株の重症化リスクを算出するための情報として、各抗体価検査結果の基本情報と、各ワクチン接種情報の基本情報と、各PCR・抗原検査結果の基本情報とが記録されている。
【0033】
各抗体価検査結果の基本情報には、ウイルス株毎の抗体価に応じて利用者の対象ウイルス株への感染リスクと重症化リスクを判定するために用いるウイルス株毎の抗体価の情報として、上述したウイルス株の感染リスクを示す数値とウイルス株の毒性リスクを示す数値に加減算する数値が設定されている。本実施の形態では、各抗体価検査結果の基本情報としては、例えば、利用者が有するウイルス株毎の抗体価が0.1~1.0の場合は感染リスク-15、ウイルス株毎の抗体価が1.0以上の場合感染リスク-20、ウイルス株毎の抗体価が0.1~1.0の場合は重症化リスク-15、ウイルス株毎の抗体価が1.0以上の場合は重症化リスク-20のように設定されている。
【0034】
各ワクチン接種情報の基本情報には、ワクチン接種からの経過日数に応じて利用者の対象ウイルス株への感染リスクと重症化リスクを判定するために用いる情報として、上述したウイルス株の感染リスクを示す数値とウイルス株の毒性リスクを示す数値に加減算する数値が設定されている。本実施の形態では、各ワクチン接種情報の基本情報は、ウイルス株毎の抗体価の情報がない場合に、ワクチンメーカー、ワクチン製品名、対象ウイルス株毎に設定される。一例としては、接種してから14日~90日の場合は、感染リスク-15・重症化リスク-15、接種してから91日~180日の場合は、感染リスク-10・重症化リスク-10、接種してから180日以上の場合は、感染リスク-5・重症化リスク-5のように設定されている。
【0035】
各PCR・抗原検査結果の基本情報には、ウイルス株毎の検査方法毎に、利用者の対象ウイルス株への感染リスクと重症化リスクを判定するために用いる情報として、上述したウイルス株の感染リスクを示す数値とウイルス株の毒性リスクを示す数値に加減算する数値が設定されている。本実施の形態では、各PCR・抗原検査結果の基本情報としては、例えば、利用者がPCR検査または抗原検査で陽性の場合、陽性確定日から10日間は感染リスク+20、陽性確定日から11日~14日は感染リスク+10、陽性確定日から15日~21日以降は感染リスク+0、陽性確定日から22日以降は感染リスク-15・重症化リスク-15、利用者がPCR検査または抗原検査で陰性の場合は感染リスク-15のように設定されている。
【0036】
制御装置102は、ウイルス株の基本情報に基づいて算出したウイルス株の感染リスクを示す数値に、各抗体価検査結果の基本情報と、各ワクチン接種情報の基本情報と、各PCR・抗原検査結果の基本情報として記録されている感染リスクを示す数値を加減算することにより、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出する。また、制御装置102は、ウイルス株の基本情報に基づいて算出したウイルス株の毒性リスクを示す数値に、各抗体価検査結果の基本情報と、各ワクチン接種情報の基本情報と、各PCR・抗原検査結果の基本情報として記録されている重症化リスクを示す数値を加減算することにより、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する。
【0037】
制御装置102は、上述した処理によって算出した利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値と、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値に基づいて、利用者の対象ウイルス株における感染リスクと重症化リスクを判定する。本実施の形態では、利用者の対象ウイルス株における感染リスクと重症化リスクを判定するための閾値があらかじめ設定されており、制御装置102は、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値と、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値のそれぞれを判定用の閾値と比較することによって判定を行う。
【0038】
本実施の形態では、例えば、利用者の対象ウイルス株における感染リスクと重症化リスクを、リスクが低いことを示す「〇」と、リスクが高いことを示す「×」と、リスクが中程度であることを示す「△」の三段階でリスクの高さを判定する。利用者の対象ウイルス株における感染リスクと重症化リスクを判定するための閾値としては、例えば、算出した数値が20以上の場合は「×」、19~5は「△」、5未満は「〇」と判定するように設定されている。すなわち、制御装置102は、上述した処理で算出した利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値が20以上の場合は、利用者の対象ウイルス株における感染リスクは「×」と判定し、19~5の場合は利用者の対象ウイルス株における感染リスクは「△」と判定し、5未満は利用者の場合は対象ウイルス株における感染リスクは「〇」と判定する。また、制御装置102は、上述した処理で算出した利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値が20以上の場合は、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクは「×」と判定し、19~5の場合は利用者の対象ウイルス株における重症化リスクは「△」と判定し、5未満の場合は利用者の対象ウイルス株における重症化リスクは「〇」と判定する。
【0039】
制御装置102は、利用者の対象ウイルス株における感染リスクと重症化リスクを判定した場合には、判定結果を利用者端末のPHRアプリ上で確認できるようにする。例えば、制御装置102が判定結果を示す情報をPHRアプリへ通知してもよいし、PHRアプリが感染症対策装置100にアクセスして判定結果を取得するようにしてもよい。利用者端末では、制御装置は、PHRアプリ上で感染リスクと重症化リスクの判定結果を画面上に表示する。これによって、利用者は自身の感染リスクと重症化リスクの判定結果を把握することができる。また、利用者は、この判定結果が表示された画面を提示することができるため、該画面をデジタルパスポートとして利用することができる。
【0040】
図2は、本実施の形態における感染症対策システムにおいて、利用者端末に表示される感染リスクの判定結果を示した画面の一例を模式的に示す図である。図2に示すように、感染リスクの判定結果を示す画面では、上述した処理で判定された感染リスク2aが表示されている。図2では、感染リスク2aとして、感染リスクが低いことを示す「〇」が表示されている。また、本実施の形態における感染リスクの判定結果表示画面では、感染リスクの判定結果に応じたコメント2bと、重症化リスクの判定結果を示す画面に切り替える際に利用者がタッチする「重症化するリスク」の文字列2cが表示されている。さらに、本実施の形態における感染リスクの判定結果表示画面には、利用者が取得済みのPCR検査の陰性証明書2dとワクチンの接種証明書2eも表示される。
【0041】
図3は、本実施の形態における感染症対策システムにおいて、利用者端末に表示される重症化リスクの判定結果を示した画面の一例を模式的に示す図である。図3に示すように、重症化リスクの判定結果を示す画面では、上述した処理で判定された重症化リスク3aが表示されている。図3では、重症化リスク3aとして、重症化リスクが低いことを示す「〇」が表示されている。また、本実施の形態における重症化リスクの判定結果表示画面では、重症化リスクの判定結果に応じたコメント3bと、感染リスクの判定結果を示す画面に切り替える際に利用者がタッチする「感染する・させるリスク」の文字列3cが表示されている。さらに、本実施の形態における重症化リスクの判定結果表示画面には、利用者が取得済みのPCR検査の陰性証明書3dとワクチンの接種証明書3eも表示される。
【0042】
図4は、本実施の形態における感染症対策装置100で実行されるリスク解析処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す処理は、利用者によってPHRアプリを介して対象感染症における対象ウイルス株のデジタルパスポートの表示が指示されると起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。なお、図4に示す処理においては、上述した利用者の生活習慣情報、健康情報、バイタル情報、健康観察情報、陽性者との接触履歴情報、位置情報、検査結果情報、予防接種情報、ウイルス株ごとの基本情報、ウイルス株の感染リスクを算出するための情報、毒性リスクを算出するための情報、各抗体価検査結果の基本情報、各ワクチン接種情報の基本情報、および各PCR・抗原検査結果の基本情報は、あらかじめ感染症対策装置100の記憶媒体103に記録されているものとする。
【0043】
ステップS10において、制御装置102は、記憶媒体103に記憶されているウイルス株ごとの基本情報から、対象ウイルス株の基本情報を取得する。その後、ステップS20へ進む。
【0044】
ステップS20では、上述したように、制御装置102は、ウイルス株ごとの基本情報に基づいて、ウイルス株の感染力の高さを示す数値に、利用者のBMI、性別、既往歴、副薬歴、罹患歴、バイタル、健康観察、生活習慣、接触履歴の各項目に応じたウイルス株の感染リスクを示す数値を加減算することによって、ウイルス株ごとの基本情報に基づくウイルス株の感染リスクを示す数値を算出する。また、制御装置102は、ウイルス株ごとの基本情報に基づいて、ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、利用者のBMI、性別、既往歴、副薬歴、罹患歴、バイタル、健康観察、生活習慣、接触履歴の各項目に応じたウイルス株の毒性リスクを示す数値を加減算することによって、ウイルス株ごとの基本情報に基づくウイルス株の毒性リスクを示す数値を算出する。その後、ステップS30へ進む。
【0045】
ステップS30では、上述したように、制御装置102は、ウイルス株の基本情報に基づいて算出したウイルス株の感染リスクを示す数値に、各抗体価検査結果の基本情報と、各ワクチン接種情報の基本情報と、各PCR・抗原検査結果の基本情報に基づく感染リスクを示す数値を加減算することにより、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出する。また、制御装置102は、ウイルス株の基本情報に基づいて算出したウイルス株の毒性リスクを示す数値に、各抗体価検査結果の基本情報と、各ワクチン接種情報の基本情報と、各PCR・抗原検査結果の基本情報に基づく重症化リスクを示す数値を加減算することにより、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する。その後、ステップS40へ進む。
【0046】
ステップS40では、制御装置102は、上述したように、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値と、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値のそれぞれを閾値と比較することによって、利用者の対象ウイルス株における感染リスクと重症化リスクを判定する。その後、ステップS50へ進む。
【0047】
ステップS50では、制御装置102は、利用者の対象ウイルス株における感染リスクと重症化リスクの判定結果を利用者端末のPHRアプリに出力する。その後、処理を終了する。
【0048】
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)制御装置102は、感染症における利用者の感染リスクと重症化リスクを判定して、判定結果を利用者が所持する端末へ出力するようにした。これによって、ユーザの感染リスクとユーザの重症化リスクを考慮して感染症におけるユーザの安全性を証明するための仕組みを提供することができる。また、利用者は判定結果が表示された画面を安全性の証明のために提示することができるため、感染症対策システムをデジタルパスポートを管理するためのシステムとして利用することができる。
【0049】
(2)制御装置102は、指定された感染症における特定のウイルス株を対象として、利用者の感染リスクと重症化リスクを判定するようにした。これによって、流行しているウイルス株などの特定のウイルス株を対象として、利用者の感染リスクと重症化リスクを判定することができる。
【0050】
(3)制御装置102は、ウイルス株の感染力の高さを示す情報と、利用者に応じたウイルス株の感染リスクを算出するための情報とに基づいて、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定し、ウイルス株の毒性の高さを示す情報と、利用者に応じたウイルス株の毒性リスクを算出するための情報と、利用者に応じたウイルス株の重症化リスクを算出するための情報に基づいて、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するようにした。これによって、ウイルス株の感染力の高さと利用者に応じたウイルス株の感染リスクとを加味して、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定することができる。また、ウイルス株の毒性の高さと利用者に応じたウイルス株の毒性リスクと利用者に応じたウイルス株の重症化リスクとを加味して、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定することができる。
【0051】
(4)制御装置102は、ウイルス株の感染力の高さを示す数値に、利用者に応じたウイルス株の感染リスクを示す数値を加減算することによって利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、利用者に応じたウイルス株の毒性リスクを示す数値と利用者に応じたウイルス株の重症化リスクを示す数値を加減算することによって利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出するようにした。これによって、あらかじめ設定された数値を加減算することによって、感染リスクと重症化リスクを判定することができる。
【0052】
(5)制御装置102は、利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値と判定用の閾値とを比較することによって利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定し、利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と判定用の閾値とを比較することによって利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するようにした。これによって、閾値との比較を行うことによって精度高く利用者の対象ウイルス株における感染リスクと重症化リスクを判定することができる。
【0053】
(6)制御装置102は、感染リスクと重症化リスクの高さを、高い、低い、中程度の三段階で判定するようにした。これによって、利用者は、自身の感染リスクと重症化リスクが高い、低い、中程度のいずれであるかを把握することができる。
【0054】
(7)利用者端末では、制御装置は、感染症対策装置100で判定された判定結果を画面上に表示するようにした。これによって、利用者は自身の感染リスクと重症化リスクの判定結果を把握することができる。また、利用者は、この判定結果が表示された画面を提示することができるため、該画面をデジタルパスポートとして利用することができる。
【0055】
(8)利用者端末では、制御装置は、利用者からの指示に基づいて、利用者の感染リスクを表示する画面と利用者の重症化リスクを表示する画面とを切り替えるようにした。これによって、利用者は、図2に示した感染リスクの判定結果を示した画面と図3に示した重症化リスクの判定結果を示した画面を切り替えて表示させることができる。
【0056】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の感染症対策システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、利用者は、あらかじめ利用者端末にPHRアプリをインストールすることにより、PHRアプリを用いて感染症対策システムを利用する例について説明した。しかしながら、利用者は、PHRアプリを用いずに感染症対策システムを利用できるようにしてもよい。例えば、利用者は、利用者端末にインストールされているウェブブラウザを利用して感染症対策装置100にアクセスすることにより、ウェブサイトを介して感染症対策システムを利用できるようにしてもよい。
【0057】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0058】
100 感染症対策装置
101 接続インターフェース
102 制御装置
103 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイルス株に対して設定されているウイルス株の感染力の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の感染リスクを示す数値を加算することによって利用者のウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の毒性リスクを示す数値を加算することによって利用者のウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された利用者のウイルス株における感染リスクを判定するための数値と感染リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の感染リスクを判定し、前記算出手段によって算出された利用者のウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と重症化リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の重症化リスクを判定するリスク判定手段と、
前記リスク判定手段による判定結果を利用者が所持する端末へ出力する出力手段とを備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項2】
請求項1に記載の感染症対策システムにおいて、
前記リスク判定手段は、指定された感染症における特定のウイルス株を対象として、利用者の感染リスクと重症化リスクを判定することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の感染症対策システムにおいて、
前記リスク判定手段は、前記感染リスクと前記重症化リスクの高さを、複数の閾値を用いて高い、低い、中程度の三段階で判定することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項4】
請求項1~のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
前記利用者が所持する端末は、前記出力手段によって出力された前記リスク判定手段による判定結果を画面上に表示する表示手段を備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項5】
請求項に記載の感染症対策システムにおいて、
前記表示手段は、利用者からの指示に基づいて、利用者の感染リスクを表示する画面と利用者の重症化リスクを表示する画面とを切り替えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項6】
ウイルス株に対して設定されているウイルス株の感染力の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の感染リスクを示す数値を加算することによって利用者のウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の毒性リスクを示す数値を加算することによって利用者のウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された利用者のウイルス株における感染リスクを判定するための数値と感染リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の感染リスクを判定し、前記算出手段によって算出された利用者のウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と重症化リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の重症化リスクを判定するリスク判定手段と、
前記リスク判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする感染症対策装置。
【請求項7】
請求項に記載の感染症対策装置において、
前記リスク判定手段は、指定された感染症における特定のウイルス株を対象として、利用者の感染リスクと重症化リスクを判定することを特徴とする感染症対策装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の感染症対策装置において、
前記リスク判定手段は、前記感染リスクと前記重症化リスクの高さを、複数の閾値を用いて高い、低い、中程度の三段階で判定することを特徴とする感染症対策装置。
【請求項9】
ウイルス株に対して設定されているウイルス株の感染力の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の感染リスクを示す数値を加算することによって利用者のウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の毒性リスクを示す数値を加算することによって利用者のウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する算出手順と、
前記算出手順で算出した利用者のウイルス株における感染リスクを判定するための数値と感染リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の感染リスクを判定し、前記算出手順で算出した利用者のウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と重症化リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の重症化リスクを判定するリスク判定手順と、
前記リスク判定手順による判定結果を出力する出力手順とをコンピューターに実行させるための感染症対策プログラム。
【請求項10】
請求項に記載の感染症対策プログラムにおいて、
前記リスク判定手順は、指定された感染症における特定のウイルス株を対象として、利用者の感染リスクと重症化リスクを判定することを特徴とする感染症対策プログラム。
【請求項11】
請求項9または10に記載の感染症対策プログラムにおいて、
前記リスク判定手順は、前記感染リスクと前記重症化リスクの高さを、複数の閾値を用いて高い、低い、中程度の三段階で判定することを特徴とする感染症対策プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明による感染症対策システムは、ウイルス株に対して設定されているウイルス株の感染力の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の感染リスクを示す数値を加算することによって利用者のウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の毒性リスクを示す数値を加算することによって利用者のウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する算出手段と、算出手段によって算出された利用者のウイルス株における感染リスクを判定するための数値と感染リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の感染リスクを判定し、算出手段によって算出された利用者のウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と重症化リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の重症化リスクを判定するリスク判定手段と、リスク判定手段による判定結果を利用者が所持する端末へ出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
本発明による感染症対策装置は、ウイルス株に対して設定されているウイルス株の感染力の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の感染リスクを示す数値を加算することによって利用者のウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の毒性リスクを示す数値を加算することによって利用者のウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する算出手段と、算出手段によって算出された利用者のウイルス株における感染リスクを判定するための数値と感染リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の感染リスクを判定し、算出手段によって算出された利用者のウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と重症化リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の重症化リスクを判定するリスク判定手段と、リスク判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
本発明による感染症対策プログラムウイルス株に対して設定されているウイルス株の感染力の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の感染リスクを示す数値を加算することによって利用者のウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の毒性リスクを示す数値を加算することによって利用者のウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する算出手順と、算出手順で算出した利用者のウイルス株における感染リスクを判定するための数値と感染リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の感染リスクを判定し、算出手順で算出した利用者のウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と重症化リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の重症化リスクを判定するリスク判定手順と、リスク判定手順による判定結果を出力する出力手順とをコンピューターに実行させるためのプログラムである。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感染リスクと重症化リスクの判定対象とする感染症の検査データに基づいて、前記感染症の流行しているウイルス株を対象ウイルス株として特定するウイルス株特定手段と、
前記対象ウイルス株に対して設定されている前記対象ウイルス株の感染力の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の感染リスクを示す数値を加算することによって利用者の前記対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、前記対象ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の毒性リスクを示す数値を加算することによって利用者の前記対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された利用者の前記対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値と感染リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の感染リスクを判定し、前記算出手段によって算出された利用者の前記対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と重症化リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の重症化リスクを判定するリスク判定手段と、
前記リスク判定手段による判定結果を利用者が所持する端末へ出力する出力手段とを備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項2】
請求項1に記載の感染症対策システムにおいて、
前記ウイルス株特定手段は、指定された感染症の検査データに基づいて、前記対象ウイルス株を特定することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の感染症対策システムにおいて、
前記リスク判定手段は、前記感染リスクと前記重症化リスクの高さを、複数の閾値を用いて高い、低い、中程度の三段階で判定することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
前記利用者が所持する端末は、前記出力手段によって出力された前記リスク判定手段による判定結果を画面上に表示する表示手段を備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項5】
請求項4に記載の感染症対策システムにおいて、
前記表示手段は、利用者からの指示に基づいて、利用者の感染リスクを表示する画面と利用者の重症化リスクを表示する画面とを切り替えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項6】
感染リスクと重症化リスクの判定対象とする感染症の検査データに基づいて、前記感染症の流行しているウイルス株を対象ウイルス株として特定するウイルス株特定手段と、
前記対象ウイルス株に対して設定されている前記対象ウイルス株の感染力の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の感染リスクを示す数値を加算することによって利用者の前記対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、前記対象ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の毒性リスクを示す数値を加算することによって利用者の前記対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された利用者の前記対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値と感染リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の感染リスクを判定し、前記算出手段によって算出された利用者の前記対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と重症化リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の重症化リスクを判定するリスク判定手段と、
前記リスク判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする感染症対策装置。
【請求項7】
請求項6に記載の感染症対策装置において、
前記ウイルス株特定手段は、指定された感染症の検査データに基づいて、前記対象ウイルス株を特定することを特徴とする感染症対策装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の感染症対策装置において、
前記リスク判定手段は、前記感染リスクと前記重症化リスクの高さを、複数の閾値を用いて高い、低い、中程度の三段階で判定することを特徴とする感染症対策装置。
【請求項9】
感染リスクと重症化リスクの判定対象とする感染症の検査データに基づいて、前記感染症の流行しているウイルス株を対象ウイルス株として特定するウイルス株特定手順と、
前記対象ウイルス株に対して設定されている前記対象ウイルス株の感染力の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の感染リスクを示す数値を加算することによって利用者の前記対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、前記対象ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の毒性リスクを示す数値を加算することによって利用者の前記対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する算出手順と、
前記算出手順で算出した利用者の前記対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値と感染リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の感染リスクを判定し、前記算出手順で算出した利用者の前記対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と重症化リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の重症化リスクを判定するリスク判定手順と、
前記リスク判定手順による判定結果を出力する出力手順とをコンピューターに実行させるための感染症対策プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の感染症対策プログラムにおいて、
前記ウイルス株特定手順は、指定された感染症の検査データに基づいて、前記対象ウイルス株を特定することを特徴とする感染症対策プログラム。
【請求項11】
請求項9または10に記載の感染症対策プログラムにおいて、
前記リスク判定手順は、前記感染リスクと前記重症化リスクの高さを、複数の閾値を用いて高い、低い、中程度の三段階で判定することを特徴とする感染症対策プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明による感染症対策システムは、感染リスクと重症化リスクの判定対象とする感染症の検査データに基づいて、感染症の流行しているウイルス株を対象ウイルス株として特定するウイルス株特定手段と、対象ウイルス株に対して設定されている対象ウイルス株の感染力の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の感染リスクを示す数値を加算することによって利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、対象ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の毒性リスクを示す数値を加算することによって利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する算出手段と、算出手段によって算出された利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値と感染リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の感染リスクを判定し、算出手段によって算出された利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と重症化リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の重症化リスクを判定するリスク判定手段と、リスク判定手段による判定結果を利用者が所持する端末へ出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
本発明による感染症対策装置は、感染リスクと重症化リスクの判定対象とする感染症の検査データに基づいて、感染症の流行しているウイルス株を対象ウイルス株として特定するウイルス株特定手段と、対象ウイルス株に対して設定されている対象ウイルス株の感染力の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の感染リスクを示す数値を加算することによって利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、対象ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の毒性リスクを示す数値を加算することによって利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する算出手段と、算出手段によって算出された利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値と感染リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の感染リスクを判定し、算出手段によって算出された利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と重症化リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の重症化リスクを判定するリスク判定手段と、リスク判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
本発明による感染症対策プログラムは、感染リスクと重症化リスクの判定対象とする感染症の検査データに基づいて、感染症の流行しているウイルス株を対象ウイルス株として特定するウイルス株特定手順と、対象ウイルス株に対して設定されている対象ウイルス株の感染力の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の感染リスクを示す数値を加算することによって利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値を算出し、対象ウイルス株の毒性の高さを示す数値に、設定されている利用者の情報に基づいて特定されるウイルス株の毒性リスクを示す数値を加算することによって利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値を算出する算出手順と、算出手順で算出した利用者の対象ウイルス株における感染リスクを判定するための数値と感染リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の感染リスクを判定し、算出手順で算出した利用者の対象ウイルス株における重症化リスクを判定するための数値と重症化リスクを判定するための閾値とを比較して感染症における利用者の重症化リスクを判定するリスク判定手順と、リスク判定手順による判定結果を出力する出力手順とをコンピューターに実行させるためのプログラムである。